オーラスの手作り

 アガリトップの手作り

 

 アガリさえすればトップなのですから、原則打点は無視して、アガリ率を最も高めるように手作りをすべきです。ドラやドラそばの待ちになるとアガリが低くなるので、ターツ選択、孤立牌選択の場合はドラに絡まないほうを優先して落としていくことになります。  手役についても、打点を増加させる為の手役は不要です。ただし、重なり狙いで孤立役牌を残すような、1翻縛りを解消する為の手役は重要になります。ただ、1翻縛りを解消する為の手役を見ることは平場であっても重要なので、そこまで意識し過ぎることはなく、どうしても役無しリーチになりそうであればそれで構いません。

 

 鳴き判断についても、第1章では打点や守備の理由から鳴かない牌もアガリトップや打点的に逆転確定手については鳴くことになります。特にシャンテンの進まない鳴きで取り上げたようなシャンテン変わらずの仕掛けは見落としやすいので注意します。

 

 また、アガリ率を最も高めるように打つことから、役ありテンパイはダマが原則です。但し、役ありテンパイの為に受けを狭めてダマにするよりは役無しでも受けを広くしてリーチします。

 

 トップ目で自分のアガリ以外でトップ終了できることも多い場合はも基本的に同様に手作りしますが、放銃しなければトップ終了できる他家や放銃で着順が2つ以上悪化する他家に対する安牌残し、アガリ以外でトップ終了できる可能性を上げるためのアシスト、差し込みも意識します(具体的な打牌選択については安牌残しは講座59、アシスト、差し込みについては講座60を参照。)。

 

 逆転手を狙うかどうか

 

 任意の手牌から満貫以上の手をあがれる確率は10%未満、満貫以上の手にするために、「狙って手作り」をする必要がある手の場合は更に下がりますし、満貫ツモが条件なら更に半分になります。一方、何をあがっても自分を順位で上回る他家に逆転される確率は25%以上(アガリ以外にテンパイ料でも逆転されるため)あります。よって、順位点が上から、45、5、-15、-35の収支戦で、満貫なら誰からあがってもトップの2着目であっても、3着と僅差であれば自分がトップを逆転できる確率の2倍以上は逆転されるので、基本は2着確定のアガリを目指しうまく手が進めばトップを狙うくらいの認識で手を進めることになります。一方、逆転される確率が同程度であれば、基本は逆転手を狙って手を進め、親であっても連荘よりは一局で逆転することを優先します(連荘すれば次局アガリトップでも逆転できる確率は30%程度であり、連荘でアガリトップになる点差なら逆転手を目指してもアガリ率が3割以下になることは少ない。)。逆転が無理そうであればそこで順位維持や連荘狙いに移行することもできるのでなおさらです。

 

 鳴けば着順が変わらないテンパイに取れるが、メンゼンテンパイなら逆転手になる1シャンテンから鳴くかどうかを判断するには1シャンテン時のアガリ率を見積もる必要があります。1シャンテンのアガリ率についてはこちらのシミュレーションの結果を参照下さい。

http://dora12.net/modules/university/meaningless/other/other07.html

 

 逆転手の狙い方

 

 あがった結果逆転できるかどうかは収支に非常に大きな影響を与えるので、第1章で受け入れ枚数より高打点の受け入れを重視したように、逆転手になりやすくなるような受け入れに関しては特に重視すべきです(逆転確定の愚形テンパイとツモか直撃条件の良形テンパイなら基本的に前者に受ける)。

 

 ただし、逆転手になりやすくなる手変わりについては、そこまで重視する必要はありません。何故ならメンゼンでリャンメンテンパイした場合、裏ドラ率が約30%、ツモ率が約50%、直撃率が約20%(点差が大きく離れている場合は低下)、一発率が約15%(愚形の場合は約半分)、他家のリーチ棒やカンによるカンドラもあるので、偶然役1つ条件でもアガリ時に逆転できる確率は50%以上、2つ条件でも約20%は見込めるためです。偶然役に期待するのも、手変わりに期待するのも、「抽選」に頼っていることには変わりません。

 

 テンパイから偶然役より手変わりをみる方が有利になるためには、くっつきで逆転条件が1つ減る(タンヤオやドラ1)ような数牌の浮き牌、または2つ条件の場合に逆転条件(2翻役がつく)を満たす変化がある浮き牌が2種ある必要があります。そしてこのような場合は平場であっても手変わりを目指すべきですし、テンパイ以前であれば講座16で取り上げたような、「強浮き牌」に相当する牌なのでやはり優先的に残すことになります。よって、偶然役で十分逆転できる手牌の場合は、平場の時とあまり手作り基準は変わらなくなります。

 

 23678m678p115677s ドラ北 トップの西家と5000点差の2位

 

 タンヤオや三色手変わりはあるが、偶然役2つで逆転できるので即リーチ。

 

 通常の手作りではツモって裏1でも逆転できないような厳しい条件は基本的に狙わず、順位を確定させるアガリでも支出を防げれば良しとして、トップ目の場合と同じように手を進めますが、順位制のラス目等、どうしても上位を目指す必要がある場合はそれに応じた手作りをします。逆転手を作るのもほぼ不可能であるなら、流局テンパイを目指す等少しでも逆転の可能性が残るように打ちます。

 

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最終更新:2014年11月10日 22:46