河作り

 河作りとは、情報の一つである河(捨て牌)を元に判断した他家の選択からくる結果が、自分にとって有利になるように捨て牌を作る打牌選択全般を指します。

 

 基本的に麻雀は可能であれば相手に与える情報が少ないように打ちます。例えば、利用価値の高い牌が切られているほど情報として強いものになるので、2345mから2mか5mを切る場合は外側の2mを切ります。手出し牌の方がツモ切りの場合より情報として強くなるので無駄に空切りはしません。

 

ベタ降りする場合も、安牌が十分にないなら、他家が合わせ打ちをしてノーチャンスができやすいように、場に多く切れている安牌のなかで、ノーチャンスができた時に通せる牌が増えるように切りますが(89m899pとあって8m8pが安牌、8mが場に2枚切れていれば打9m、8pも場に2枚切れていれば8pから切る)、安牌が十分にあるなら他家のベタ降り成功率が下がるようにノーチャンスができないような牌から切ります。

 

与えた情報によって他家がミスリードされる場合はあえて情報が多くなるように打ちます。455pとあって5pを切ってまたすぐに5pを引いた場合は、空切りで5pを切ったほうが36p待ちになった場合にあがりやすくなります。また、リーチの現物待ちでテンパイしていて、ツモった牌が親への安牌かつ同じ牌が手の内にあるのであれば、空切りした方が相手に降りているように見せかけられる分あがりやすくなると言えます。逆に他家からのアシストや差し込みが期待できる場合は、情報が真であっても相手に情報を与えるように打った方が有利になります。

 

基本は河作りより自分の都合

 

ただし、麻雀はそのゲームの性質上、他家に読まれることより自分の都合を優先した方が多くの場合有利になります。「受け入れを増やす牌を残す」「手役を狙う」「不要牌を先に切って安牌を残す」ことで河が読まれやすくなりますが、麻雀は特に先制テンパイが強く、待ちが読まれやすい手でも他家を牽制してツモアガリを狙えばよいので、読まれにくくするために手作りのセオリーから外れる選択をするのは基本的に損です。

 

逆に言えば、先制テンパイ率があまり落ちず、牽制効果よりも読まれにくいことによる出アガリ率上昇の方が大きい手牌、局面であれば河作りが有効になると言えます。

 

河作りが有効なケース

グラフは他家が3人とも、リーチに降りた場合のアガリ率です。字牌待ちのアガリ率がリャンメン待ちを大きく上回り、他家が降りた場合も出アガリが期待できる字牌待ちの強さがよく分かります。

 

ただしこれはあくまで、ベタオリのベタ降り手順通りに降りると仮定したシミュレーションによる結果であり、字牌待ちが特に読まれやすい河になっていれば通常のシャボ待ちの場合とアガリ率があまり変わらなくなります。逆に言えば、字牌待ちのように読まれなければ出アガリしやすい待ちほど河作りが有効になるということです。

 

狙って字牌待ちにしやすいうえに、河を作っても先制テンパイ率があまり落ちないように手を進めやすいといえば七対子が挙げられます。例えば序盤で2336m136688p5s南南西とある場合、七対子2シャンテン、メンツ手3シャンテンなのでチートイツ本線ですが、中張牌から切りだして七対子に決めると河から七対子が読まれやすくなるので、待ちとして強い西は残しつつ、七対子と読まれにくいように端牌の1pから切るのが有力です。下家が鳴き手であれば中張牌を重ねることで結果的に絞りになる場合もあり、序盤なので安牌はそこまで意識しなくてもよいというのもあります。

参考http://ameblo.jp/kobajinsen/entry-11459031967.html#cbox

 

 

自分の手牌の都合と河作りのどちらをどの程度優先するかを体系化することは現状では難しいですが、①七対子やホンイツ、チャンタや国士といった字牌絡みの手役で捨て牌に特徴が出やすい ②手牌が整っているうえに高打点が見込めるので、牽制効果より他家からの出やすくなるメリットが大きい ③巡目が早い、ラス目等河作りのために危険牌を手牌に残すデメリットが小さい といった条件が揃った場合は特に有効なので余裕があれば意識するようにしたいです。

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最終更新:2014年11月11日 23:08