役確定副露判断

まずは以下の3つの条件を全て満たしているケースの鳴き判断について解説します。

 

①鳴いてシャンテンが進む

②4面子1雀頭の候補が足りている

③役有りが確定している

 

1シャンテンの場合

 

45777m56788p445s 出る3m

 

ドラ0 序盤鳴かない、中盤は次から鳴く、中盤過ぎ以降鳴き

ドラ1 上に同じ

ドラ2 最序盤鳴かない、序盤は次から鳴く、中盤以降鳴き

ドラ3 いつでも鳴く

 

上の手牌のような、鳴いてタンヤオのみのリャンメンテンパイと、リーチタンヤオの完全1シャンテンでは、8巡目以降は後者有利、それ以前では前者有利ということがシミュレーションによって示されています。ただし、鳴かなかった場合も次巡以降手が進む牌が出た場合は鳴くとして、メンゼンでテンパイする可能性をまだ残すという選択もあり、鳴くかどうかの分岐点付近では有力です。

 

リーチによる得点上昇効率のよいドラ1まではドラ0と基準はほぼ同じ。鳴いても30符3翻あるドラ2の場合は5巡目くらいから鳴き有利になり、鳴いても満貫手のドラ3なら常に鳴き有利になります。

 

45567m56788p445s 出る3m

 

ドラ0 中盤鳴かない、中盤過ぎは次から鳴く、終盤以降鳴き

ドラ1 上に同じ

ドラ2 序盤鳴かない、中盤は次から鳴く、中盤過ぎ以降鳴き

ドラ3 いつでも鳴く

 

今度はメンゼンでテンパイした時に平和がつく(ツモ8p4s以外)ので、より遅い巡目までメンゼン有利になります。ドラ0の場合は10巡目までは鳴かない方が有利です。

 

平和以外でも、メンゼンなら更に高打点が見込める(三色やイーペーコーがつく受けがある)場合はよりメンゼン有利になると言えます。とは言っても、終盤以降はテンパイ料による収入も大きく、鳴いても3翻以上ある手の場合はメンゼンで更に高打点が見込めるメリットもそれほど大きくないので、メンタンピンの完全1シャンテン以上にメンゼン有利な手牌でも鳴き有利になる巡目は2巡遅くなる程度と思われます。

 

45777m56788p45s北 ドラ西 出る3m 6巡目程度から鳴きを考える

 

リャンメン×2の1シャンテンの場合、鳴かなかった時は完全1シャンテンに比べ2巡ほど平均テンパイ巡目が遅くなるので、鳴くのも2巡程度早めます。(上の手牌なら8巡目から2巡早めて6巡目が分岐点なので、4巡目以前は鳴かない、8巡目以降は鳴き、5~7巡目は次から鳴く。)

 

2488m234678p688s ドラ西 出る3m 常に鳴き

 

愚形×2の1シャンテンであれば、メンゼンで進めるメリットも大きくないのでテンパイに取れる牌は何巡目でも鳴きます。(メンゼンならリーチして3翻以上確定、鳴くと1翻のように打点差が大きい場合は、序盤の1枚目は鳴かずに次から鳴く選択が有力です。)

 

22277m11p55588s北 ドラ西 出る7m 序盤は鳴かない(次から鳴く)

 

四暗刻1シャンテンで、鳴いて出アガリの場合は2翻の場合も序盤なら1枚目は鳴きませんが、中盤以降は鳴きます(鳴いて出アガリ3翻以上なら1枚目でも鳴く)。

 

4588m234678p688s ドラ西 出る3m 中盤から鳴きを考える

 

愚形×2の1シャンテンでも常に鳴くので、愚形が鳴けて良形テンパイが残る(上の手牌では8m7s8s)のであればなおさら何巡目でも鳴くのが有利になります。問題は良形から鳴いて愚形テンパイが残る場合です。

 

明確な結論が出ていない問題ですが、「8m7s8sから鳴いた場合も良形テンパイになるが、平和がつくのはツモ7sの時のみ」であることを考慮すると、平和がつかない形で愚形部分が良形(今回のように688sなら677sとして考える)だった場合に鳴くかどうかと同程度、すなわち中盤から鳴きを考えることを一つの基準とします。88m688sの形が44688sなら中盤過ぎ、88m68s北なら6巡目程度から鳴きを考えます。

 

親の時は早めに鳴く

 

親の場合はあがれた場合に連荘できるメリットがあり、被ツモ時の失点が大きくなるので子の時より鳴き有利になる巡目が早くなります。とは言っても、連荘のメリット自体はそれほど大きくないので、2巡程度早めに鳴くくらいで十分です(連荘のメリットは過大評価されがちなので注意)。

 

2シャンテンの場合

 

メンゼンでテンパイする可能性が1シャンテンの場合より低くなるので、アガリを目指す観点からはより早い巡目で鳴くのが有利になります。ただし、鳴かなくても1シャンテンの場合よりはシャンテンが進む牌が多く、テンパイする前に他家のテンパイが入って降りることになった場合は鳴いて手牌を狭めている分不利になるので、「鳴かないとアガリが厳しいが、鳴いてもそれほどアガリやすくならないので、相対的に鳴かない方が有利」というケースもあることに注意します。

 

愚形から鳴けて1シャンテンになる場合は常に鳴きますが、良形を鳴く場合は、「鳴かずに3巡後良形ターツがメンツ化して1シャンテンになった場合に、良形からはまだ鳴かない方が有利」であれば鳴かないことを一つの基準とします(通常2シャンテンが1シャンテンになるには平均3巡以上かかるが、「次からは鳴く」選択もあるので鳴かなくてもそれほど遅れるわけではないので。)。

 

44588m334678p67s ドラ北 出る3m 中盤から鳴きを考える

 

例えば上の手牌のように良形ターツがメンツ化すると、メンタンピンの完全1シャンテン(中盤過ぎから鳴きを考える)になる場合は、8巡目程度が鳴きの分岐点になります。

 

ただし、ターツオーバー形で良形テンパイが確定している(メンツと良形ターツが合わせて4つある)場合については、愚形を鳴くのも良形から鳴く場合と変わらないことに注意します。ターツ十分形より受けや変化が多いので、ターツ十分形に比べ鳴きの分岐点が1~2巡程度遅くなると考えられます。また、リャンメンからでも仕掛ける手牌であっても、「ここから鳴いた時だけは打点や受けで劣るので鳴かない」ケースに注意が必要です。

 

4588m34678p2467s ドラ北 出る3s 中盤から鳴きを考える

22567m3赤577s2256p ドラ5p 他はいつでも鳴くが7sは鳴かない

 

守備も考慮して鳴くかどうかの判断については局面に依存するところが大きいので、押し引き判断、点数状況判断の項目でより具体的に扱うとして、中盤以降、子で鳴くと愚形×2の1シャンテンで2翻以下になる場合で、鳴くと特に守備力が落ちる(雀頭が安牌の場合や、鳴かなくてもほとんど安牌がない場合は鳴く)ものについては、良形ターツや愚形複合ターツからは鳴かないことを一つの基準とします。逆に言えば、鳴いても3翻以上や親の場合は、特に守備は意識せずに鳴くかどうかを判断します。

 

2488m24678p446s西 ドラ北 出る5s 中盤以降は鳴かない

 

3シャンテンの場合

 

4面子1雀頭の候補が足りているので、最もアガリに遠くても3シャンテンになります。アガリを目指す観点からは常に鳴き有利になりますが、守備の面から中盤以降は鳴いても安牌が十分ある場合を除き鳴かず。序盤でも、子で2フーロした段階で愚形×2の1シャンテンで2翻以下の手で、安牌が十分にない手になる可能性が高い場合は良形ターツや愚形複合ターツからは鳴かずにメンゼンで進めます。

 

2268m24688p67s南西 ドラ北 7mのみ鳴く

2267m24688p67s南西 ドラ北 2m3578pは鳴く

 

鳴き判断をするうえでの注意点

 

良形ターツであっても、鳴かないと実質愚形ターツ(受けが残り4枚以下)になる場合は愚形ターツを鳴くものとして判断します。また、打点や守備力を考慮して鳴き判断をしたものについては、点数状況によって判断が変わるケースも多くあります。例えば、鳴いても3翻以上や親の場合は守備を意識せず鳴くとしたものについては、安手でもアガリの価値が大きい局面については子の2翻以下でも鳴き、特に放銃を避けたい局面であれば、3翻以上の手でも鳴かずに手を進めることになります。より具体的な判断については、「点数状況判断」の項目で改めて扱います。

タグ:

+ タグ編集
  • タグ:

このサイトはreCAPTCHAによって保護されており、Googleの プライバシーポリシー利用規約 が適用されます。

最終更新:2014年11月07日 22:09