役不確定副露判断

 役有りが確定していないターツ十分形からの鳴き判断

 

 役確定副露判断の3条件のうち、「役有り確定」のみを満たしていない場合の鳴き判断について考えます。

 

 役を付ける鳴きと後付けに対する考え方

 

 役牌ポンなどの役有りを確定させる鳴きは、「役が確定している手から愚形ターツを鳴く」場合以上にアガリ率が高まります。アガリを目指すうえでは愚形を鳴いてシャンテンが進む場合はほぼ鳴き有利(講座29参照)なので、ほとんどのケースで役が付いたうえにシャンテンが進む牌は鳴き有利になります。

 

 役牌トイツを残して他のターツから鳴く「後付け」は、他家から役牌が出づらくなるデメリットがあるのは確かです。しかし、仮にメンゼンなら誰からでも役牌が鳴けることが期待でき、鳴くと1人からしか役牌が鳴けなくなるとしても、リャンメンがカンチャンになるのと同程度です。リャンメン×2の1シャンテンよりは愚形テンパイの方がアガリ率は高いように、基本的に後付けになる牌からでも鳴いた方がアガリやすいと言えます。

 

 もちろん、役が確定している場合よりは鳴かない方が有利なケースは増えます。後付けの鳴きは、「1メンツできるが、良形ターツを愚形ターツにする仕掛け」とみなして鳴き判断するのが一つの目安です。

 

 1シャンテンの場合

 

 13m455p456789s白白 ドラ北 出る2m いつでも鳴く

 135m55p456789s白白 ドラ北 出る2m 最序盤は次から鳴く

 34m455p456789s白白 ドラ北 出る白  最序盤は次から鳴く

 34m455p456789s白白 ドラ北 出る2m 終盤以降鳴き

 34m55p456789s西白白 ドラ北 出る2m 中盤過ぎ以降鳴き

 

 基本的に後付けの形でも愚形を鳴いてテンパイであればほぼ鳴き有利と言えます。役牌からなら尚のこと鳴き有利。完全1シャンテンの形でようやく、最序盤であれば1枚目はスルーしてまだメンゼンテンパイの可能性を残す方が打点的に有利になるくらいです。三色や一通のようなメンゼンで更なる高打点の受けがあってはじめて、序盤は鳴かない方が有利になると言えます。

 

 逆に、メンゼンならリャンメン(もしくは役牌と他のトイツとのシャボ)確定の場合は、リャンメンから鳴いて後付けのテンパイにとっても若干アガリ率が高くなるくらいなので、打点面から中盤過ぎまではスルーが有力です(鳴いて3翻ある場合は中盤過ぎから鳴き、鳴いても満貫以上あるならいつでも鳴きます)。

 

 45777m56788p223s ドラ北 出る3m 中盤過ぎから鳴く

 

 片アガリの形は残りませんが、メンゼンでは良形確定ですが36mから鳴くと愚形テンパイになる場合は、45777m56788p445sから36mを鳴く場合(講座29参照)より1~2巡ほど鳴き有利になる巡目が遅くなります。8p2s4sから鳴く場合は同じように判断します(タンヤオがつかない可能性があるが、端寄りの14s待ちになった時にアガリやすいメリットもあるので結果的にあまり差がつかない)。

 

 455777m56788p23s ドラ7m 出る3m 序盤は鳴かない

 

 片アガリ形でも鳴いて満貫あるならほぼ仕掛けますが、完全1シャンテンの形で、鳴くと片アガリの無スジ456待ちになる場合は、序盤は鳴かないのが有力です。役牌の片アガリと異なり、テンパイに取っても序盤では出アガリがあまり期待できないので相対的にメンゼン有利になるためです。

 

 2シャンテンの場合

 

2シャンテン以上の場合は、次に役有りが確定する方から鳴ければ片アガリが残らないので、講座29で取り上げた役有り確定の場合と同様に判断します。役牌の後付けの場合は役牌トイツが比較的安全牌になりやすいので、安手愚形になる場合も守備はそこまで考慮せずに鳴き判断をしても問題ありません。

 

 23779m899p567s中中 ドラ北 序盤は14m以外鳴く、以降は全鳴き           

 

3シャンテン

 

基本的に講座29と同様に判断しますが、守備に関しては、2フーロ目は役を確定させる仕掛けをするものとして鳴き判断を行います。

 

 2489m24688p67s白白 ドラ4p 37m35p白を鳴く

 

 58sは白を鳴いた時に愚形×2の安手1シャンテンになるので鳴かない。

 

 2489m24688p68s白白 ドラ4p 37m35p7sを鳴く

 

 白は次にどこから鳴いても愚形×2の安手1シャンテンになるので鳴かないのが無難。白トイツは守備に使えるので他の愚形ターツからは鳴く。

 

 変化を考慮して鳴かない場合

 

 基本的に鳴き判断は鳴いた場合と鳴かなかった場合の「受け」を比較すれば十分ですが、浮き牌にくっつくことで新たに手役がつく変化が豊富にあると鳴かない方が有利になる場合があります。目安としては、くっつきで手役がつく孤立牌を引いた場合に、手役に関連しないターツを落とした方が有利になる巡目、手牌であれば、手役に関連しないターツは鳴かずに変化を残します。

 

24p111248s西西白発発 ドラ9p 3s西発を鳴く

 

ホンイツ変化があるので3pは鳴かない。

 

4567799m246p白発発 ドラ9m 79m35p発を鳴く

 

ホンイツにならなくても3翻以上確定なので35pも鳴くが、白の代わりに3mなら変化が豊富なので序盤は鳴かない。

 

167p11s中中 ポン111m ポン999s ドラ1s 1s中を鳴く

 

123p引きに加えツモ679p1s、1sポンも強い変化なので58pは序盤は鳴かない。(ツモ1s、ポンの場合は打6pとする)

 

形式テンパイを狙う

 

受けが広いうえに高打点が狙える1シャンテンであっても、最終盤は役無しになってもテンパイに取る方が有利になります。一方、受けが狭い1シャンテンや2シャンテン以上で、メンゼンでテンパイしても失点回避の観点からダマにすることが多い手牌については、終盤から形式テンパイを狙います(安牌が十分あるなら中盤から形式テンパイを狙ってもよい)。中間的な手牌については、14~15巡目から形式テンパイを狙います。

 

 

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最終更新:2014年11月07日 22:12