回し打ちを考慮した押し引き判断

 

 回し打ちが有力なケース

 

ここまでで取り上げてきた押し引き判断は、押さない場合はアガリやテンパイを一切考慮しないベタ降り前提の基準でした。そのため、降り有利な場合だけでなく、押すかどうか局期待値的に微妙な場合も、回し打ちが可能な手牌であれば回し打ちが有力になります。

 

12368m444p2347s ポン白白白 ドラ1m 中盤で子のリーチに7s無スジ、68mは現物。

 

自分が子なら2翻愚形で7sを押すのは微妙なので打8m、親なら押し有利なので打7s

 

2メンツ形1シャンテンの回し打ち判断

 

34478m12366p3345s ドラ1p 他家のリーチに3s無スジ、4mは現物

 

アガリ率に特に差がつかないなら、押し有利であってもより安全な牌を切って聴牌を目指す方が有利ですが、講座48で述べたように、複合ターツ+単独ターツの1シャンテンに受けられる場合は、危険牌を切って手広く受けるか、比較的安全な牌を切って受けを狭めて単独ターツ×2の1シャンテンに受けるかを比較することになる場合があります。

 

上のようなメンピンドラ1(3sを切れば完全シャンテン)の手牌で、自分子、リーチ者子であれば、8巡目までは最大限に押す打3s、それ以降は打4mが局期待値で勝ります。次の無スジを引いても降りることがあまりない場合は最大限に攻める(手を狭めたうえで無スジを切るのであれば最初から押す方が基本的に有利になるので)というのが一つの目安です。

 

降りた方が有利になる場合は別ですが、手を狭めると次の無スジを引いた時に降り有利になるうえに、テンパイしても押すかどうかが微妙になるような選択(上の手牌で3mが現物、4m3sが無スジの場合に打3mで愚形を残すような選択)はあまり有力ではありません。3mがスジ程度に放銃する可能性があり、3sを押すのが損であるならベタ降り(78mが通っているなら78m落とし、78mが通ってなくて6pが通っているなら6pトイツ落としでテンパイの目を残す)すべきです。

ヘッドレスやくっつき1シャンテンの回し打ち判断

 

34赤55567m34567p45s ドラ北

 

 他家のテンパイを考慮する必要がなければ、上の手牌からは、ピンズの連続形ターツがあるので良形テンパイの受け入れでも勝り、345三色にならなくても満貫手なのでヘッドレス形に受ける打5mとします。しかし打7pや67m落としも局期待値的にそれほど劣りません。三色が消える34m落しや45s落しは明確に損ではありますが、それでも満貫完全1シャンテン以上の手なのでリーチに十分押せる手です。

 

 危険牌を切ればその分アガリ率も落ちるので、1シャンテンから危険牌を切ることになっても多くの場合は押し有利になるような打牌候補が複数あるなら、比較的安全な牌を切ってテンパイに取れる可能性が高い選択の方が収支面で有利になりやすいと言えます。

 

 例えば5mやピンズ、ソーズはリーチに通ってなくて、残り1枚の5mが別の他家が切っていて9mは通るのであれば、ノーチャンスの67m落としとしますし、9mが通ってなくて1mが通っているなら34m落としとします。ソーズが通っていて他が通っていないなら45s落とし、ピンズが通っていて他が通っていないなら打7pが有力です。

 

 34赤55678m445p3456s ドラ北

 

 上のようなくっつき1シャンテンの手牌からは、良形になる受け入れ枚数と345三色をみて打6sとするのが基本ですが、4pが通ってなくて5pが通っているならテンパイ時に4pが出ない雀頭固定の打5pが有力ですし、逆に4pが通っていて5pが通っていないなら打4p(ヘッドレス形になるが多くの場合は押し有利になるほど手広い)が有力になります。

 

 回し打ちは相手がテンパイ時の僅差の一位争いの場面やビリ争いの場面で効力を発揮するだろう。

 

 

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最終更新:2016年08月22日 20:28