DSM-Ⅴより採用された用語である
日本精神医学会では「自閉スペクトラム症」となっている
広汎性発達障害(PDD)とほぼ同義であるが、カテゴリを撤廃し、自閉性の強度の連続性(スペクトラム)を強調した
アスペルガー症候群、自閉性障害、特定不能の広汎性発達障害を含んでいる
▼診断基準
①社会的コミュニケーションの障害
多くの子どもで言語発達の遅れが見られる
言語コミュニケーション面では、エコラリア、主体・客体を逆に用いる、抑揚が乏しい、年齢不相応な難しい言葉の使用、等がある
非言語コミュニケーション面では、指差しの遅れ、ごっこ遊びの遅れ、表情表出の乏しさ、等がある
また、相互交流における質的障害がある
②限定された興味と反復行動
行動、活動、興味に関する項目
反復行動により安心感を得ている
▼旧診断基準(DSM-Ⅳ-TR:自閉性障害)
①社会性(対人関係)の質的障害
②コミュニケーションの質的障害、および想像的活動の質的障害
③限定された興味と反復行動
▼合併
知的障害と重複診断されることがある(20~30%程度)
知的障害を伴わない場合、「高機能(high function)」と呼ばれる
▼発症率
1000人に12~13人
男子:女子=3~4:1 と男子が多い
▼原因
・「心の理論」障害仮説(Baron-Cohenら)
誤信念課題が通過できない、あるいは発達が遅れる