短期記憶

STM:short-term memory

短時間保有される記憶のことである。

感覚記憶における忘却を防ぐために、注意を向けられた情報が短期記憶に転送される。

その際に、情報を符号化することが必要となる。

(※符号化:感覚記憶内の情報を何か意味のあるものとして認識し、情報の中から重要なものを選び、内的な表象を形成する過程)

短期記憶には約20秒間しか保有できない。

 

短期記憶の容量には制限があり、単純に保存できるのは7±2のみである。

覚える際に「チャンキング」という、覚えやすいまとまり・単位(チャンク)にすると多くの貯蔵が可能となる。

 

短期記憶には制限があり、かつ忘却が早いため人は記憶方略を用いる。

主に用いられるのは「リハーサル」である。

・維持リハーサル:覚える情報を単純に心の中で反復する

・精緻化リハーサル:覚える情報に意味づけ、すなわち精緻化を行って反復する。語呂合わせなど。

 

維持リハーサル内では単に短期記憶内に保持しているだけなのに対し

精緻化リハーサルは短期記憶から長期記憶へと転送する確率を高めるのに役立つ。

 

短期記憶から長期記憶への転送には、リハーサルなどさまざまな記憶方略の質に左右される。

その際に「自己モニタリング」などのメタ記憶(記憶方略をどのように用いるかに関する知識)が重要となる。

 自己モニタリング:目標に近づけているか、記憶後にそれ以上の学習が必要か否かの確認など

 

通常、7歳までは自発的リハーサルは行われない。

年齢が高くなるほど柔軟なリハーサルが可能となる。

最終更新:2023年11月14日 12:31