厳詠春 - 【Fate】SS速報・鯖鱒wiki

No.1068　厳詠春
前のサーヴァント：神功皇后
次のサーヴァント：ヘラクレイオス

データ

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　　≪クラス≫： ランサー
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　　【真名】：　厳詠春　　　　　　　　　　 　　　【属性】：中立・悪
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　　【筋力】：D 　　　　　【耐久】：C　　　　 　 【敏捷】：B　　 　 　 【魔力】：D　　　　 　 【幸運】：C　　　　　 【宝具】：D
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　代理AA：エステル・ブライト(英雄伝説シリーズ)
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　　　　【クラススキル】

　　　　◆対魔力：D
　　　　一工程(シングルアクション)による魔術行使を無効化する。魔力避けのアミュレット程度の対魔力。

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　　　　【保有スキル】

　　　　◆中国武術：A
　　　　中華の合理。Aランクで、ようやく太極の完成を目指すための用意が整った段階を示す。
　　　　流派の開祖としては低レベル。ランサーが武に求めたのは実利までで、その先の真理は必要としなかった。
　　　　統一理論として未成熟で、細かい対応技の集積がまだ普遍化されていない。

　　　　◆格物窮理：A+
　　　　あらゆる理論、現象を解き明かすための視点。一物一事を窮めれば豁然として貫通す。
　　　　A+ともなると、まったく異なる基盤の神秘であろうと問題なく解体可能となり、
　　　　それが宝具級でない限り、時間さえかければ確実に対抗手段を用意できる。

　　　　◆大医精誠：C
　　　　魔術医療の一種。仙薬や気功法を含む中国医学体系、方術のスキル。
　　　　ステータスの一時的な強化や、特定属性に対する耐性を高めることなどができる。

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　　　　【宝具】

　　　　◆『整套・木人椿法(せいとう・もくじんとうほう)』
　　　　ランク：D　種別：対人(対己)宝具　レンジ：-　最大捕捉：-

　　　　南派拳術の練習に用いられる特徴的な器具。また、それを用いた鍛錬法。
　　　　虚空を前に一人で套路を打つのに比べ、木人椿を用いた修練は数倍の練習効率を誇るという。

　　　　宝具としての木人椿は、任意の敵を再現してくれる練習用エネミー。
　　　　相手の真名が分かれば、必勝法を確立するまで何度でもシミュレーションを重ねることができる。
　　　　この練習試合はいわば精神統一による仮想戦であり、負けたとしてもダメージを受けることは無い。

　　　　なお通常は拳法の型を練習するものであり、棍術で使うものではない。

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　　　　【キーワード】

　　　　◇『詠春拳』

　　　　清代中期に成立した中国武術の一派。

　　　　当時、民間での武術継承は制限され、限られたごく一部の流派だけが王朝に認められていた。
　　　　そのため、多くの武術は地下組織や宗教結社を後ろ盾とするようになり、魔術的な色合いを強めていった。
　　　　同時代に確立された拳法の多くが「気」の力を認め、気功による攻防を行う。

　　　　一方、気をある種の調身術と捉え、戦闘には使わないところが詠春拳の特徴の一つである。

　　　　その技は実用第一。大きな動きを極力避け、狭い間合いの中で速度を重視した基本技を軸とする。
　　　　地味といえば地味。必殺の一撃は無く、必勝の構えは無く。
　　　　相手に合わせて堅実に守りを維持し、的確に急所を突く。それだけ。

　　　　劇団の中で継承されてきた、などという経緯とは裏腹に、静かで実戦的な体系となっている。

　　　　のち、カンフー映画の代名詞ブルース・リーが最初に学んだ拳法として世界に知られることになるが
　　　　彼は詠春拳をベースにして、宮本武蔵の五輪書などの理論を加えて再編し、新たに截拳道を創始した。

　　　　◇『紅船蜂起』

　　　　開祖の厳詠春は、その技を広めようとはしなかった。
　　　　しかしその息子の代で、船で旅する歌劇団「紅船」へと持ち込まれ、船内で秘密裏に広まっていくようになった。

　　　　劇団は詠春拳にさまざまな物語を付け加え、正義の秘伝拳法として称えた。
　　　　清王朝によって焼かれた寺の五人の生き残り。それが復讐を誓い、隠れて完成させた五つの秘伝。
　　　　その一つを継承した天才少女が、幻の拳法の名を背負ってついに秘密作戦へと――。とかなんとか。

　　　　そうして多くの人々に親しまれるようになった後、劇団は清王朝への反乱を開始する。

　　　　時代めいた舞台衣装を纏う劇場の英雄を旗頭として、多くの市民が集い、独立国・大成を宣言。
　　　　９年間の抗戦ののち、最後には清王朝に敗れて散っていった。

　　　　反乱の鎮圧後、劇団の船はことごとくが火に焼かれ、作られた物語は失われた。
　　　　あとには口伝で残る曖昧な話だけが現代に伝わっている。

　　　　ゆえに、詠春拳の成り立ちははっきりとしない。

　　　　魔道に頼らず、太極を望まない。地に足のついた戦闘術でありながら
　　　　継承者の系譜には創作上の英雄が紛れ込む。そんな史実と幻想の狭間にある。

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　　　　◆『人物背景Ⅰ』

　　　　裕福な家の生まれであったが、父親が政争に巻き込まれて無実の罪を被せられ、一家での逃亡生活に入る。
　　　　彼らは中央からの刺客を退けるために戦闘術を身に付けた。

　　　　なんとか追っ手を撒いて逃げ延びたのちは、四川の豆腐売りとして平和に生涯を終えた。

　　　　――という葉問系詠春拳に伝わるオーソドックスな伝承が正しいのだと、ランサーは語る。
　　　　南拳五祖伝説に関わる劇的な背景などはただの作り話にすぎない。
　　　　永遠を生きる仙女から託された歴史の真相なんて、自分の知るところではない、と。

　　　　◆

　　　　とはいえ当時、武術を身に付けるためには天地会・三合会といった反政府組織との接触が必要だった。
　　　　身分を明かせない逃亡民となれば、よほどの大金か、組織のための奉仕を要求されたことは想像に難くない。
　　　　抱拳礼やいくつかの型にも洪門派の影響が見られ、開祖に黒社会との縁があった可能性は高い。

　　　　自分のために新しい拳法を確立するほどの実力者。実際に王朝が差し向けた使い手を退けた強者が
　　　　その後、組織闘争に関わりを持つことなく平穏無事に生きようとすることが
　　　　いったいどれだけ難しいことであったか、ランサーは語らない。

　　　　「私がやったのは対人対策であって、武術って呼んでいいかも怪しいハメ技みたいなものだから」

　　　　「人に教えられることなんて、何にもないんだってば」

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　　　　◆『人物背景Ⅱ』

　　　　「歌は思えど、時にあらず」

　　　　詠春拳はリスクを避ける。隙の生まれる瞬間を徹底的に避け、攻防一体を第一とする。
　　　　そんな理念を語りながら、反乱計画を望む声を退けた。

　　　　今はまだその時ではない。もっと準備が必要だ。とか、もっともらしいことを言って。
　　　　到底自分の生きているうちにはできそうもない壮大で馬鹿げた計画で煙に巻いたりして。

　　　　結局、自分さえよければよかったのだ。打倒王朝を目指す動きになんかまるで興味が無くて。
　　　　ただ自分と、身の回りの数人が幸せに生きられればそれでよかった。

　　　　それが結果として、未来に戦乱を引き起こすことになるなんて……まあ、ちょっとは、予想していたかも。

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　◆

　　　　これは遅すぎるアリバイ工作。全力を尽くした上でなお届かなかったというのであれば
　　　　自分の選択が正当化されるんじゃないかなんて、卑怯で卑屈な無罪証明。

　　　　勝てない、と思う。自分に世界は変えられない。そんな力は無いし、要らない。
　　　　実のところ、聖杯なんてものにはさして興味は無いのだ。

　　　　でもそんな自分を見て、「勝てる」と力強く信じる人たちのことは、嫌いじゃなかったから。

　　　　「まあ、考えるだけ考えてみるね。マスター」

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関連項目

登場歴

【Fate】月の海の平行線
http://bbs.yaruyomi.com/test/read.cgi/ban/1670163886