星空凛&アサシン ◆VUBZx4BclE
深夜――人気はなく、その闇を街灯が照らしているだけである。
その路地には音もなく、ただ風が吹く音が通り過ぎるだけ・・・だったのだが。
暗がりの中にある、どこにでもあるような一軒家から、銃声と人が騒ぐ声が鳴り響いてきた。
しかし、そんな騒音も数分でやんだ。
聞いた者はいない。ここには通る者がおらず、近くに住む者は夢の中だ。
「...こんなところか」
その家の中には死体が散乱していた。そんな地獄絵図の中、そこに立つ者がいた。
その男の顔は、一目で『外国人』だとわかるだろう。
「どいつもこいつも『殺すぞ』だァ?オレはお前らがそうやって『殺す』『殺す』って言い合って慰め合っているような弱虫共の世界で生きてねーんだ」
しかし、その男はこの家の住人ではなかった。この男が一人で片付けたのだ。
このギャング達を―――いや、ジャポーネの言葉でいうと「ヤクザ」だったか。
「おい...入ってきていいぞ...凛」
その言葉に呼応するように一人の人物が入ってくる。
その姿は小柄で、仔猫のよう...いや、この世界では仔猫同然であった。
まぎれもない、ただの少女だったのだから。
「本当に殺しちゃったのにゃ...?」
「コイツらはNPCだ...殺しても罪になりゃあしないし、何よりもここは―――」
「聖杯戦争――殺し合いの場だ」
アサシンが襲撃したのはヤクザのアジトだった。中には10人弱の人間がいて入るや否や「殺すぞ、ゴラァッ!!」と威嚇してきたが、
アサシンは獲物のリボルバー式拳銃で全員を難なく殺害し、このアジトを乗っ取ることができた。
アサシン―――その真名はプロシュートという。イタリアのギャング組織にて暗殺チームに所属していた経歴を持つ男。
対して、そのマスターの名は星空 凛。魔術師でもなければ死神でもなく、犯罪者でもない。ただのスクールアイドルをしている女子学生である。
(これでこの世界に来てからの当面の目標は達成できたな...)
アサシンは心の中でひとりごちる。
ヤクザのアジトを襲撃したことには理由があった。
第一に、ただの一般人である凛は魔力が乏しい(アイドルとして活動していたことによりファンからの信仰が魔力となっていて少しはマシなようだが)。
そのため、どうしても魔力が枯渇しがちで、NPCの魂を吸収する必要があった。
第二に、凛は戦う力を持っていなかった。それを少しでも補うために武器が必要であった。
「よし、魔力は当分は問題ねーな。武器も予想以上にあるし冷蔵庫もある。寝床や金も氷も申し分ない」
・・
「ただ、残念なことは...『掃除』が大変なことと当分は血生臭いにおいが消えねーことくらいか」
「ねえ兄貴、本当によかったのかな...」
凛が近づいてきて不安な表情で問うてきた。
「凛は兄貴を見捨てて元の世界に帰るのも嫌だけど・・・関係ない人を殺すのも――」
「凛...オメー明るそうに『オレを切り捨てずに聖杯戦争を生き残りたい』っていってたよな?...いいか?俺達は『マスターとサーヴァント』の関係・・・
一心同体だ。目的である聖杯をゲットするために『オレ達』は生き残らなくっちゃあならねぇ。そのためにオレは全力を尽くす。オメーに必要なことを教え
る。銃の使い方も含めてな」
「っ...!」
凛の表情がさらに強張る。その目には涙が浮かんでおり、恐怖を隠せない様子が見て取れる。
アサシンはここに来る前はここまで弱気になることはなかったのにと思いつつ怯える凛を諭す。
・・・・・・
「オメーがそれでいいなら『令呪』を使ったっていい。ただ、覚えとけ...聖杯戦争に関わることは『そういうこと』...オメーにも危険が及ぶ可能性だって
十分にある。オレがこれから教えていくことはオメーが自分を守ることにつながるんだ」
「兄貴...」
「まぁ―――」
「オメーを無理やり巻き込んだオレが偉そうに言える立場じゃあないんだけどな」
そう、凛がなぜ戦う力がないのかというと『巻き込まれた』のだ。
時間は数時間前にさかのぼる...。
「オメーが俺のマスターだと?」
・
東京都千代田区にある廃工場...そこでアサシンは男に召喚された。
「ああそうだ。俺の名前は...と言いたいところだが時間がねぇ。追手がここまで来ているかも...」
その男はひどく焦っていた。もとはヤクザだったが、薬を売ったところ、そこで手に入った金のあまりの巨額さに目がくらみ、それを組織に渡さずに逃げ出
した。そして現在、組織に追われているわけである。
「このテレホンカードさえあれば...金は俺のモンだぁ...向こうの世界に言ったら全員ブチ殺して...ヒヒヒ...」
「......」
プロシュートは呆れて物も言えなかった。
まさかこんなマンモーニ(ママっ子)にも及ばねえ弱虫に召喚されるとは...。
内心では腹が煮えくり返る思いだった。
男がテレホンカードを見てそうこうしているうちに、廃工場の外で何台もの車のエンジン音が鳴り響いた。
「...ヒィ!!お、追手が...」
「...とにかく、隠れるぞ」
気分を悪くしながらも、軽蔑さえ交じったそっけない口調でアサシンは男を誘導する。
隠れて様子を見ていると、男の言う追手が工場の中に入ってきた。
しばらく男はその様子を見ていたが、アサシンの意識は別の方向にあった。
この男は恐怖のあまり、『テレホンカードを使って別世界に逃げるという選択肢』すら失念している...。
そのことや『忘れ物』のことをアサシンが言わなかったのはこの男を軽蔑していて死んでほしいとすら思ったからかもしれない。
「ああ!!!俺の金!俺の金があああ!!」
男が奪ってきたと思われる金を入れたアタッチケースが元いた場所に置いたままであった。
追手が来ていることを忘れ、男は揺れる布を見た闘牛のように向かっていく。
当然、轟いたのは何十発もの銃声。男は聖杯戦争に参加することなく死んだ。
「チィ...ッ!」
ただ、歯噛みするしかなかった。数十秒の間で男の遺体は回収され、1分が経つ頃には既に男の追手はいなかった。
アサシンは咄嗟に男が落とした赤いテレホンカードを手に、アサシンは切迫した表情で走り出す。
(いつオレの魔力が切れるかわからねぇ...あと1分、いや30秒...?とにかく時間がねぇ!)
このままでは魔力が尽きて現界できなくなり、消滅してしまう。
そんな最期だけはアサシンのプライドが許さなかった。
新しいマスターを誰でもいいから見つけなければッ!!
「新しいレストランがオープンするんだって!凛ちゃんも真姫ちゃんも今度3人で行ってみようよ!きっとおいしいお米を仕入れているんだろうなぁ...」
「それはダメにゃ!その前に新しいラーメン屋にいってからにゃ!」
「どっちでもいいけど、二人とも食べ過ぎないでよ?」
廃工場からそう遠くない歩道を、3人の少女が歩いていた。
この時、凛は下校中で楽しそうに親友の真姫と花陽とおしゃべりをしていた。
どうやら空いた時間に行く店について話をしているらしい。
しばらくして、花陽が歩道の向こう側から猛スピードで向かってくる影を見つける。
「あれ...あの人なんかこっちに向かってくるよ...?」
花陽が示した方向を見てみると、黒いスーツを着た怪しい男の人がスゴイ顔をしてこっちに向かってくる。
そして
「オイッ!誰だっていい!今すぐこのテレホンカードを手に取れ!」
「え...な、何するの?」
「な、なによあなた!いきなり凛の手をつかんで!ちょっと!凛から離れなさい!」
アサシンは迷うことなく凛の手首をつかみ、その手をテレホンカードに近づける。
「いいから取るんだ...時間がないッ!」
「ひっ、は、はい」
凛はあまりに突然な出来事に気が動転してしまい、正確な判断を下せなくなっていた。
真姫のアサシンへの抗議やおろおろする花陽も認識せずに、テレホンカードを受け取ってしまう。
その瞬間、凛とアサシンの姿は消えていた。
「え...?」
真姫と花陽はなにが起こったのかが理解できなかった。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
「凛が男に手首をつかまれて『男が持っていた何かを取ったと同時に消えていた』...何が起こったの...!」
「凛ちゃん...どこにいるの...?」
その言葉を聞く者はいなかった。
「ん......え...?」
凛は目を覚まし、妙に気だるい体を起こすとそこは見知らぬ世界だった。
景色はがらりと変わり、下校中の夕方ではではなく真っ暗な夜。辺りは空地の草原のようで、自分は地面で寝ていたらしい。
制服が汚れるとかどうしてこんなに長い時間を眠っていたかなど様々な考えが頭に浮かんだが、
「目を覚ましたか...『マスター』」
「にゃアア!?」
隣にいたいかにも裏社会に通じていそうな男の人に声をかけられ、眠たげだった精神が完全に覚醒する。
そんな凛の隣にいたのは先ほど自分の手首をつかんでよくわからないことをしていた外国人の男の人。
確か放課後のμ'sでの練習が終わって友達と何気ないおしゃべりをしていて...気づいたらここで寝ていた。
この人がマジックで凛をワープさせたのかな?
本当はそんなチャチなものでは断じてないのだが、混乱のあまりに間抜けな思考が頭を通り過ぎる。
とにかく、自分に何をしたのかを聞かねばと思い、苦手な英語の知識を駆使して、
「え、ええと...あ、あいあむ...凛――」
「安心しろ、言葉は通じる」
英語で話しかけようとしたところ普通に日本語で返された。そういえば自分が目が覚めた時も日本語で話していた。
そこで、凛は改めて話そうと思ったが、その前に外国人の男が口を開いた。
「いいか、よく聞け。『マスター』は今、聖杯戦争の場にいる」
「聖杯戦争...?」
聞いたことのない単語を聞かされ、オウム返しをするしかなかった。
「以上が聖杯戦争について俺が知っている情報だ。...オイ、聞いてんのか?」
「うっ...ひっぐ...」
凛は泣いていた。それも無理もないだろう。いきなり聖杯戦争という殺し合いに参加させられたら泣きたくなるものである。
ましてや泣き虫なきらいがある女子学生の凛なら当然である。
「ひどいにゃ!凛はこんなとこ全然来たくなかったのに!」
目に涙を溜めながら凛は反発する。
だが、アサシンが凛以外の誰かをマスターにするかそのまま消えていれば...とは言えなかったし、そう考えようともしなかった。
もし凛以外をマスターに選んでいたら、確実に親友の花陽か真姫が巻き込まれていただろう。
また、アサシンはなぜ新しいマスターを何としてでも見つけようとした理由にも共感するところがあったからだ。
誰だって夢を果たせずとも無様な死に方をしたくはない。
凛も、例えば友を守るために死んでいくキャラクターのような死に様は美しいと思っていたし、
漫画で何回も読んできた(さすがに現実では死に様どころか人が死ぬ場面も見たことがないが)。
「それは悪かったな。謝っておく。すまない」
「...」
「もとの世界に...どうやったらみんなにまた会えるのにゃ?」
しかし、やはり凛はこんな世界から早く帰りたかった。早くμ'sのみんなに会いたい。その願いだけが凛を支配していた。
「それなら...オメーの右手を見てみろ」
その言葉のままに右手を見てみると、そこには特徴的な形をした印が浮き出ていた。
「それは『マスター』の令呪だ。それを使えば『サーヴァント』である俺にどんな命令も聞かせられる」
「その令呪を使ってオレに自殺させろ。そしたらオメーは6時間以内にそのテレホンカードで電話をかければ元の世界に帰れる。そもそも、『マスター』が
ここにきた原因はオレにある。悔いはないといえば嘘になるが...最悪の死に方はせずに済んだからな」
「そ、そんなこと...」
できるはずがない。先ほどのアサシンの説明の中に魔力の供給とあった。その魔力がなければアサシン曰く『あっけなく消えちまう』とのことだ。
凛はアサシンがたとえ初対面のギャングでも切り捨てることはできなかった。
「それができねえのなら、この聖杯戦争を生き残っていくしかねえ。どうする、『マスター』?」
「...その前に、聞かせてほしいことがあるにゃ」
「なんだ?」
「聖杯って願い事がなんでも叶うって言ってたけど...アサシンは何を叶えたいのにゃ?」
アサシンはしばらく黙りこんで...こう言い放った。
「復讐だ」
「復讐...?それって今までのことをもう一度勉強する『復習』じゃあ――」
「ない。あまりオレ自身のことはいいたくはねぇんだが...オレはギャングの暗殺チームに入っていた。が...そのギャングのボスを探っていた仲間が殺され
た。その復讐だ」
凛は、あまりの生々しさに何も言えなかった。ただ、『絶対に負けるわけにはいかない』。そんなアサシンの持つ覚悟を感じることができた。
「逆に聞くが『マスター』はどんな願いがあるんだ?」
「願い...」
凛は確かに夢がある。μ'sの仲間と一緒にラブライブで優勝するという夢が。
しかし、凛はそれを叶えようとは思わなかった。この願いは自分で叶えてこそかけがえのない価値があるのだから。
「ないにゃ」
「...まぁ予想はしていたがな。もとはただの通りすがりだったわけだからな」
「だから...凛はアサシンを見捨てずに生き残りたい。聖杯戦争に参加するにゃ!」
「それはありがたいが...お前自身、どんな能力がある?あまり期待はしねーがな。もう一度言うがこれは聖杯戦争...つまり、殺し合いだ。生半可な強さじ
ゃあ勝てねぇぞ」
「う...た、体力に自信があるにゃ!自分でいうのも恥ずかしいけど...運動神経がいいにゃ!」
「他には?」
「そ、それだけにゃ」
アサシンは目を閉じてため息をつく。それを失望と見たのか、凛は心配そうにアサシンを見ていた。
「オレから巻き込んどいていうのも癪だがよォ...同情して聖杯戦争に参加しようっていうんなら願い下げだぞ?」
その言葉を聞いた凛は、先ほどのアサシンのように目を閉じた。しかしため息をつくことはなく、やがて目を開き、アサシンを見つめるとともに静かに口を
開く。
「凛には夢があるにゃ。凛はスクールアイドルっていう、学校の部活でアイドル活動をしているにゃ。こっちの世界にはラブライブっていうスクールアイド
ルの大会があって、それに優勝したい。今はそれに向けてみんなと頑張ってるにゃ」
「けれど...それを聖杯で叶えたくなんかないにゃ。アサシンは同情っていってたけど...そんなことないにゃ!凛はただ、アサシンを切り捨ててまで元の世
界に帰りたくないだけにゃ!凛は確かに願いがないといった...けど、それは『聖杯で叶えたくない』ってことッ!この凛には夢があるッ!それを自分の、
『自分達』の力で叶えたいッ!このことも同じ...凛は令呪に頼らずに、アサシンと生き残ってもとの世界に帰りたいにゃ。だからッ!凛と一緒に戦ってほ
しい!」
凛は真剣な顔つきでアサシンを見た。アサシンは何も言わずに黙って凛を見つめていたが...やがて、
「これからよろしくな...『マスター』」
と短く答えた。それを聞いた凛の表情が明るくなり、「うん!」と大きく首を縦に振った。
また、冒頭でのヤクザの家に向かっている途中のことである。
「アサシン...『アサシン』ってなんだか呼びにくいにゃ。やっぱり『プロシュート』って呼んだ方が――」
「バカ言うな。真名を呼ばれることは弱点をさらけ出すのと同じって言っただろ」
「でもこっちの世界からすると物騒で呼びにくいにゃ~。じゃああだ名にする?『プロシュー』?『潰シュー』?『相手のゴールにシュー』?あまりしっく
りこないにゃ~」
凛がなにやら馬鹿げたあだ名をつけようとしているらしい。確かに真名がばれなければ特に問題はないが...「潰シュー」みたいな潰れたシュークリームみ
たいなあだ名で呼ばれたらこっちの調子が狂ってしまう。
そのため、アサシンはかつての弟分が自分を呼ぶ際に使っていた名前を差し出した。
「『兄貴』...そうだ、俺のことは『兄貴』って呼べばいい」
「『兄貴』...うん、わかったにゃ、『兄貴』!それと、凛の名前は『マスター』じゃなくて『星空 凛』て名前があるんだから、『凛』って呼ぶにゃ!」
「あいよ、『凛』...」
そして、現在に至る。
(出発したときはあんなに明るかったんだがな...)
そんな凛も、いざ『その手のこと』に関わるとなるとやはり気後れしてしまうようだ。
現在、凛は銃を持っている。あれから外に出て、基本的な銃の扱いを教えるために人気のない場所を探し、先ほどの空地へたどり着いた(鍵はかけてきた)
。
さて、これからどう戦うか。マスターの魔力も少ない、自分はアサシンだから直接対決は不得手、さらに戦うためには宝具のスタンド『ザ・グレイトフル・
デッド』の使用が必要。問題は山積みだ。だが...『栄光』を掴んでみせる。アサシンは静かに決意した。
「あ、兄貴ィ~」
「どうした、凛?」
「この銃、撃てないにゃ...」
アサシンが銃を見てみると、発砲するためのあるプロセスを凛はすっ飛ばしていたことに気づく。
「凛、オメー...」
「安全装置を知らないのか?」
【真名】
プロシュート@ジョジョの奇妙な冒険
【パラメータ】
筋力C 耐久C+ 敏捷A- 魔力C 幸運D 宝具B+
【属性】
秩序・悪
【クラス別スキル】
気配遮断:C+
サーヴァントとしての気配を絶つ。
完全に気配を絶てばサーヴァントでも発見することは難しい。
ただし自らが攻撃態勢に移ると気配遮断のランクは大きく落ちる。
【保有スキル】
兄貴:C+
共に行動する者の能力を向上させる。スキル『カリスマ』に似たスキル。
弟分(妹分)に対しては厳しくも面倒見がいいプロシュートの一面。
その人物の持つ弱さを指摘しつつも、強い部分を評価して
「お前ならできる」と鼓舞する姿はよき兄貴分であり、師匠でもある。
彼と行動を共にし、彼の「覚悟の強さ」を見た者はどんなマンモーニ(ママっ子)でさえも
その弱さを捨て、驚異的な成長を遂げる。
戦闘続行:B
覚悟の強さ。決定的な致命傷を受けない限り生き延び、瀕死の重傷を負ってなお戦闘可能。
瀕死の状態でもスキル・宝具を平常時と同等以上のレベルで使える。
目的を達成するためならば、腕をとばされようと脚をもがれようと行動を続ける(能力を解除しない)。
耐久力:C+のプラス補正は生前に瀕死の重傷を負いながらも能力を使い続けたことに由来しており、
どれだけ致命傷を負わせても彼を死に至らしめるのは難しくなっている。
心の中の行動:D
プロシュートがかつて弟分に暗殺者として教えていた言葉がそのままスキルに昇華したもの。
心の中で思った行動を反射的に実行することができる。
そのスピードは心の中で思ったと同時にその行動がスデに終わっているほど速い。
俊敏:Aはこのスキルに由来するものであり、移動速度的な意味合いでの俊敏はC相当である。
心眼(真):B
暗殺チームの一員として数々の戦闘の経験で培った洞察力。
窮地において自身の状況と敵の能力を冷静に把握し、その場で残された活路を導き出す戦闘論理。
このアサシンの場合、戦闘時でなくとも敵の様子を見て状況を推量することができる。
【宝具】
『偉大なる死(ザ・グレイトフル・デッド)』
ランク:B+ 種別:対軍宝具 レンジ:1~200 最大捕捉:1000
生命が持つ精神エネルギーが具現化した存在。聖なるビジョン『スタンド』。
目が全身のあちこちにあり、巨大な2本の腕だけで身体を支えている下半身のないスタンド。
全身の目玉から広範囲に周囲の生物を老化させるガスを噴射する。植物や果物にも効果がある。
その老化ガスを浴びた者は肉体のみならず精神力、記憶力、魔力までも減衰してしまう。
本体であるプロシュートが直接対象に触ることにより、老化スピードを急激に上昇させることが可能。
極限まで老化させられた場合、自力で動くのが困難なレベルになってしまい、寿命が尽きて死ぬ。
ただし、体温が低ければ老化のスピードが遅くなる。そのため、若干体温が低い女性には効果が薄い。
さらに無差別にガスをまき散らすため敵味方の区別はできず、あらかじめ氷などで体を冷やすなど対策を取っておく必要がある。
また、この能力を応用して、自分を老化させて老人に変装することができる。
『気配遮断』と組み合せばサーヴァントとして気づかれずに容易に接近することができる。
スタンドビジョンのダメージは本体にフィードバックされる。
『偉大なる栄光(ザ・グレイトフル・グローリー)』
ランク:B 種別:対人宝具 レンジ:―― 最大捕捉:――
死ぬ直前まで、たとえ瀕死のダメージを負おうとも
スタンドを解除せず戦ったエピソードから生まれた宝具。
アサシンは例え霊骸を破壊されようと、十数ターンの間『偉大なる死』を発動し続ける。
【weapon】
『偉大なる死』により戦闘不能にしたグイード・ミスタから奪った拳銃。威力はそこそこ。
ステータスは破壊力:B スピード:E+++ 持続力:A 精密動作性:E 成長性:C相当。
スタンドで格闘戦を行うことが可能。
ただしスピードにプラス補正がかかるのは移動を伴わない動作をしているときのみ。
直接戦闘では相手が老化していることが前提となるため、
たとえ能力ランクA以上の相手でも老化の進行次第で互角以上に戦える。
【人物背景】
イタリアのギャング組織「パッショーネ」の暗殺チームに所属するイタリアンギャング。
目的のためならばたとえ無関係の人を巻き込もうとも躊躇しない強い覚悟の持ち主である。
しかし面倒見がいい一面があり、弟分のペッシが恐怖でスタンド能力を解除した時は
ペッシの精神の弱さを厳しく指摘しつつも、ペッシが自分の勘に自信を持てない時は「自信を持て」
「お前の能力はその気になればだれにも負けない」「ここが正念場だ」と鼓舞していた。
生前はペッシとともにフィレンツェ行の特急列車にて乗客ごとブチャラティ一行を襲撃。
その目的はパッショーネのボスに仲間のソルベを惨殺されたことへの復讐をするために、
ボスの情報を得る手がかりとなるボスの娘・トリッシュの身柄を確保することだった。
しかし、ブチャラティとの戦闘の末、列車の外へ放り出されスタンド能力が解除されたため死亡した・・・
かに見えたが、列車の車輪の間に入り込み、致命傷を受けながらも生き延びていた。
以降は、スタンド能力を再発動し、列車に残ったペッシのブチャラティとの戦闘を援護。
そのスタンド能力はプロシュートが死ぬまで解除されることはなく、
ペッシはプロシュートの覚悟の強さを見て成長を遂げ、
「10年の修羅場を潜り抜けたスゴ味と冷静さをもつギャング」へと変貌、ブチャラティを震撼させた。
【サーヴァントとしての願い】
仲間のソルベを殺したボスに復讐する。
【基本戦術、方針、運用法】
ステータスは全体的に平均程度だが、単純なステータスにおいては
近距離戦では筋力・耐久で劣るセイバーやライダーなどに、
遠距離戦では宝具が直接攻撃に向いていないためアーチャーやキャスターに劣るため、
他のサーヴァントとの正面対決ではどうしても不利になりがちである。
しかし、アサシンらしく気配を消すことで近づき、
最大で半径約200mにも及ぶ範囲の老化ガスをまき散らし、相手を弱体化させることで全クラスに優位に立てる。
そのため、相手を老化させ、戦力を弱めるのが基本戦術。
アサシン自身が老人に扮して相手のマスターを数秒で老人にし、魔力を枯渇させて再起不能にするという芸当も可能である。
たとえ氷などで対策を打たれても、体温さえ上がれば誰にでも効くので何としても老化させたい。
しかし、何よりもの問題点は宝具を使わないと真価が発揮できないこと。
幸い範囲は広いものの、迂闊に宝具を使うと弱点をさらけ出すことになるため使いどころを見極めよう。
さらに、マスターがただの巻き込まれた一般人であること。
これは致命的で、NPCを殺すなどして魔力を温存しておかないとすぐに魔力が枯渇してしまう。
幸い女性なので宝具の影響は少ないが、本人が戦力になることが難しい分、
なんとしてでも先手を優位に立ちたい。
マスターには必然的にサポート役に回ってもらうことになるだろう。
NPCから武器を奪ってそれを使わせるのもいい。
弱点は多いものの、スキルは有用なものがそろっており、
戦闘においては『心眼(真)』の知略が光り、特に咄嗟に相手の体温を上げる方法を思いつくのにも役立つ。
移動速度的な意味での俊敏は並クラスだが、『心の中の行動』でかなり素早い判断と行動も可能。
耐久性もC+だが、スキル『戦闘続行』などで重傷を負っても問題なく戦える上、
重傷を負うと必ずといっていいほど+補正がかかるのでかなりタフ。
スキル『兄貴』で一般人のマスターも強化できなくはないので、自分は相手の老化に徹して
(少々酷だが)武器を持たせて相手のトドメを任せるのも選択肢としてアリ。
【マスター】
星空凛
【出展】
ラブライブ!
【参加時期】
アニメ二期の2話以降で5話より前
【マスターとしての願い】
兄貴(アサシン)を見捨てずにこの聖杯戦争を生き残る
【weapon】
ヤクザのアジトにあった銃など
【能力・技能】
運動神経が優れていて体力がかなり高いくらいしかない。
アイドルとして歌ったり踊ったりできる。
【人物背景】
音ノ木坂学院一年生で、μ'sに所属。高坂穂乃果の後輩にあたる。
趣味はスポーツ全般、特に陸上系。バスケのシュートが特技で本人曰く、「鼻もきく」とのこと。
μ'sの中では比較的小柄で、胸の大きさもワーストクラス。
チャームポイントはキュッと上がったお尻。
好きな食べ物はラーメン。だが、料理は苦手なのでカップラーメンくらいしか作れない。
体育会系で明るく、面倒見がいいが、泣き虫なところも。
小学生のころによく女の子っぽくないとからかわれていたためか、
ライブでセンターを務めるときは自信を持ちきれなかったという弱気な面がある。
また、「~にゃ」という語尾を付ける癖がある。
今回の聖杯戦争では、マスターを失ったアサシンに半ば強引に契約させられ、参戦することになった。
魔術師でもなくただの人間のため魔力はかなり低いが、
アイドルとして活動していたことにより、
ファンからの信仰が魔力になっていて、少しはマシなようである。
本人の希望で、アサシンのことを「兄貴」と呼んでいる。
聖杯戦争のルールは理解したが、実際にどんな人たちが参加しているかわかっていない。
【方針】
アサシンと共に生き残る。そのためにアサシンから戦う術を学ぶ。
確かに学ぶといったが、いざ銃を握ると、
殺し合いの場にいることが現実味を帯びてきて怖い。
最終更新:2015年01月25日 20:45