『神都』とは

 999年前、初代女王ヤエケブリホムラオオキミが造った計画都市。王室公式文書には、完成までにおよそ20年ほどかかったとある。動員された人数は延べ1万人を超えたともあるが真偽のほどはさだかではない。
 完成からおよそ980年間ほどずっとヤギホノミヤマ王国の首都として栄えている。
 ヤギホ人は単に『都(みやこ)』もしくは『神都(しんと)』と呼んでいるが、外国人、特に居留地区に住まうヒルディカ人たちはヤギホ古語で「神の都」を意味する『カミツミヤコ』という固有名詞を使っている模様。

内部構造

  • 南北約40km、東西約36kmの巨大な長方形の塀(土壁、高さ2.5メートルほど)に囲まれており、塀の中は碁盤の目の形になっている。

道路

  • もっとも幅の広い道は中央を南北に走る「神詣大通り(かんもうでおおどおり)」。幅はおよそ30メートル。
  • 神詣大通りを除く大きな通りは南北に4本、東西に8本。幅はいずれも10メートル程度に統一されている。東西の通りは、南から「一条通り」「二条通り」「三条通り」「四条通り」「五条通り」「六条通り」「七条通り」「八条通り」。南北の通りは東から「東大路」「中東大路」「中西大路」「西大路」。
  • 交差する十字路は「東西の通りの名前+南北の通りの名前+辻」となる(例:「四条東辻」「六条中西辻」など)。大通りの他にも細い通りが幾筋も存在しているが、いずれも塀と垂直または水平になるよう設計されている。方向音痴にとても優しいまちづくり。

  • 大通りに囲まれた一区画を『町』と呼び、それぞれがひとつの行政区画の単位として機能している。町はすべて東西約5.5km・南北約4km、22~25キロ平米に統一されている。13本の大通りは国道だが、無数の小さな通りはこの町単位で管理されている。

上下水道

  • 『清水川(しみずがわ)』の上流が都の西側を流れていたのを、地下水路に誘導し、生活用水として(職人街では工業用水にも)使っている。地下水路は網の目を張り巡らせたように広がっており、都全体の地下を潤している。
  • 井戸は各町による。職人街や商人街では、氏族または数戸単位での集団で穴を掘り、共用の井戸を作って地下水路から水を汲み上げるのが一般的。神官屋敷街や武家屋敷街では邸宅の敷地内に専用の井戸をもっていることが多い。
  • 廃水は専用の排水溝(多くは通り沿いにあり鉄板で蓋をしてある、町中などでは井戸状の穴を掘ってあるところも)に流すしきたりとなっている。地下水路の専用部分を通るが、最終的には都の外で清水川に合流している。
  • 南から北へ向かって流れていることもあり、南の方が水を潤沢に使用できる傾向にあるが、水量が人口の多さに見合っていないため、頻繁に水不足となる。ただし神殿内部だけでは節水制限を行なったことはない。
  • 突発的に温泉が湧くこともある。鉱物の含有量が多いため、赤さび色をしている。飲むことも可能だが、あくまで薬用であり、飲料水にはならないかと思われる。どうでもいいが、貧血や刀傷に良いらしい。

門(北大鳥居)

  • 神詣大通りの最北端に都の出入り口があり、『北大鳥居』と呼ばれる巨大な朱塗りの門がある。検問所になっており、選ばれた武士が24時間警備をしている。
  • 20年ほど前までは許可された者しか出入りできなかったが、現在のホヅカサヅチオオキミが即位してからは通行条件が緩和され、外国人でも比較的容易に出入りできるようになった。最近は門番の武士が押印した通行証があれば観光客も入れるようになっている。ようこそ神都へ。

門(南大鳥居)

  • 都の南側、神殿の出入り口にも北大鳥居と同じ巨大な朱塗りの門があり、こちらは『南大鳥居』と呼ばれている。こちらも選ばれた武士が24時間警備をしている。
  • 南大鳥居より南は王族の居住区域兼ヤギホノミヤマ王国政府の中枢機関となっているため、出入りは今なお厳重に制限している。一般人は原則として通行できない。無理に侵入しようとすると即座に斬捨御免となるので気を付けられたし。
  • 七部族の長(どの部族でも可)の直筆の認可状を携帯している者だけが門をくぐれる。この認可状がなければ七部族の者でも入れない。
  • 外国人は主にホカゲ族の長=女王ホヅカサヅチオオキミに頼むとホイホイ書いてくれるので諦めずに認可を求める書状を女王宛てに送付していただきたい、女王にもいろいろと都合があるので返送に多少時間がかかる場合もあるが怒らず気長にお待ちいただきたい。

居住者

  • 大雑把に『大神殿』『武家屋敷街』『神官屋敷街』『職人街』『商人街』『ヒルディカ人自治地区』の6つの地域に分かれている。
  • 歴史的に見ると身分によって厳密な住み分けを行なっていた時代もあったが、現在法的な拘束はない。しかし、長年住み慣れた町を離れたがらない者が多いため、けして流動的とは言えない。
『大神殿』:主にホカゲ族が居住している。後述。
『武家屋敷街』:主にマオキ族・ネアブリ族・ノシ族が居住している。重々しい瓦の邸宅が立ち並び、近寄りがたい雰囲気。あちこちに剣術の鍛錬場がある。
『神官屋敷街』:主にカガリ族・トモシビ族・テルハゼ族が居住している。広大な庭園と祭事場を持つ洗練された印象の邸宅が多い。
『職人街』:主に刀鍛冶の研ぎ師が住んでいる。最近は鉄を用いた日用品や小銃を作る職人も現れた。町ごとに大きな共同の炉を構えたり氏族単位で小さな炉を構えたりして製鉄を行なっているところもあるが、基本的に鉄鉱石から鉄塊を取り出すのは都の外の労働者である。
『商人街』:主に神詣大通り沿いに位置している。かつて商人は被差別住民であったため、この地域も元は職人専用の地域であったが、今は女王の庇護のもと大通り沿いに店舗を構えることを認める法令が出されている。
『ヒルディカ人自治地区』:『ヒルディカ人街』もしくは『ヒルディカ街』とも呼ばれる。法令上はヤギホノミヤマ王国国外・ヒルディカ連盟の一部となっており、治外法権が認められている。この地区内に住宅を建て、昼は商人街の店舗や職人街の工房に出入りし夜はここの住宅に帰るヒルディカ人が比較的多い模様。転居に制限はないものの、なんてったって治外法権。かつては被差別集落扱いを受けていたが、女王が変わって以来整備され、今は治安も悪くない。

大神殿

  • 都の最南端、もっとも『神の火の山』に近いところにある王族の居住区域兼ヤギホノミヤマ王国政府の中枢機関。単に『神殿』とも呼ばれる。
  • 厳重な警備態勢が敷かれており、一般人は原則として出入りできない。南大鳥居の項参照。
  • 内部のつくりは国防の都合上機密事項とされているが、大雑把に5つの区域に分けられていることだけは公に知られている。
  1. 執政処(しっせいどころ):政治が行なわれるところ。女王の執務室、女王への謁見室、大小の会議場や裁判所、将軍たちの司令塔などがある。
  2. 神事処(しんじどころ):神事が行なわれるところ。女王や大神官たちにより宗教関連行事が行なわれる。今は女王が多忙のため第一王女が代理で毎日朝夕に奉納舞を舞っている。
  3. 寝殿(しんでん):王家の面々の居住区域。ホカゲ族全員が生活できるようになっている。現在はホカゲ族として認められている者が神である女王ホヅカサヅチオオキミ・第一王女カグホムラミシロヒメ・第二王女テルマドハライヨヒメ・第二王子クロガネマロの4柱と第一王子タケハヤヒコの1人だけなので、人口密度が非常に低い。広大な敷地内で王子クロガネがかくれんぼをして遊んでいるとかいないとか。
  4. 《祝刃守》関連施設:集会堂、武道場、宿舎など。24時間体制で王家の面々の警護をするため、王家の居住区域に比較的近い辺りを使用している模様。 ちなみに王子タケハヤは成人の儀の後人臣に下り《祝刃守》の隊員になったのでこちらの宿舎にも自分の部屋があり、「寝殿に寝室が2部屋と何にもない物置が1部屋、宿舎に寝室が1部屋と班で使っている共同部屋が1部屋、合計5部屋も俺のための部屋というのがあって、掃除が面倒臭いから要らない、つらい、特に寝殿の部屋なんか全然使わないのだが母上の愛が重くて返還できない」と毎日嘆いている(父親《祝刃守》隊長の教育方針で掃除は全部屋自力でさせられているらしい)。
  5. 森:固有名詞はなく、単に「神殿の森」と呼ばれる。植樹された木々と泉で構成された人工的な自然。木々は目隠しのため、泉は王族の飲食や入浴のために使用されている。中には女神が禊のためだけに使用している『神泉』という名の泉があるようだが、女王と第一王女しか場所を知らない模様。




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最終更新:2015年07月16日 13:14
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