Eidein's Library(ネタバレ)

※上記の広告は60日以上更新のないWIKIに表示されています。更新することで広告が下部へ移動します。

ゲーム中のとある場所で閲覧できるテキストを直訳したもの。
多分にネタバレを含むため、ご注意を。
見る場合は下に大きくスクロールしてください。







































オリジナルレポート

Aiden Travers著

…この探検隊でいまだ生き残っているのは私だけになっていた。
気がつけば、巨大で抜けられそうにない金属製のゲートが近くにそびえ立っている。
私は直近の出来事に思いを巡らせ、それが自分の最期の時になるのだと確信し始めていた。
この探検全てが、始めから失敗する定めにあったのだから…

人を寄せ付けぬ地Deep Cavernsの奥底で、Hollow Earthが朽ちるままとなってから長い年月が経った。
テクノクラート達が私をオフィスに呼び出した時、Biocorpはその分裂から立ち直り始めたばかりだった。
彼らは私に述べた所を言うなれば、置き去りになってはいるが忘れられた訳ではないプロジェクト群をHollow Earthから発掘し、かつては見事だったその研究施設から回収可能な物を回収したいとの事だった。

Biocorpは何年も前から衰退を始めており、内部抗争はその状況を悪化させるのみ。
衰退は止みそうになかった。
彼らがこの探検を欲したのは、少なくともそれを遅らせられると期待しての事だった。
当然その過酷さからいって、この探検は誰にでも任せられるものではない。
探検を率いるべきは、私の様な適正と経験を持った上級科学者であった。
Biocorpが所有してきた最大機密に触れる事を許されるのは、その様な者だけだったからだ。

私は受任した!私はDeep Cavernsに向かう事に興奮しきっており、その環境がどれほど危険なのかに馴染みがなかったにも関わらず、それをほどんど気にかけていなかった。
この探検を新たなチャンスと、自身のキャリアにおける新たな見せ所と見なしていた。
熟考もせずに、探検隊の生存をSagan大尉とその部下達に委ねていた。
私の同僚のごく一部もこの任務に同行し、そして参加者全員の支度が整うと - 私達は降りていった…

…死に向かって。少なくとも、探検隊の大半にとっての死へと。
Hollow Earth事件から私達が辿り着くまでの間に、環境は予想以上に大きく変化していた。
環境の危険、恐ろしい姿の肉食獣、驚くほど異質な生物、その他知らされていなかった諸々がすぐに私達を減らしていった。
弾丸で野獣達を止める事は出来る -しかし、それもいつまで?
ハザードスーツが毒性ガスや腐食液から守ってくれる -だがいつまで?

メイン施設にたどり着いてすぐに、ミッションが不可能である事が判明した。
東への近道が崩落でブロックされていて通過できず、私達は北へ迂回した。
目的地へ向かってほんの少し進んだだけで、気がつくと死そのものに囲まれてしまっていた。
死は瞬く間にその飢えを満たした - 幸いにも、私を食らうよりも前に。

…この探検隊でいまだ生き残っているのは私だけになっていた。
私達は北へと逃げ、大型ゲートの一つの傍にあった避難場所を発見した。
奇妙な脈打つ感覚が私の頭を猛烈に圧迫し、酸素の欠けた空気には錆びとカビ、そして死が漂っていた。
たった一人、まだ私と共にあった大尉は哀れにも隅で横たわり、ボロボロになった体を朽ちさせるままに、残された僅かな命を緩やかに失っていった。
最後の瞬間まで、大尉は自身の職務を果たしていた。
私は彼と同じ運命を受け入れる気になっていた…
だがその後、大型ゲートが開いたのだ。

ライトが一帯を照らしていた。私の奇妙な頭痛もすぐになくなっていた。
ライトはUniversityでのそれ程明るくはなかったが、それでも最後に残ったフレアの弱っていく光よりはずっと良かった。
私はゲートの中へ足を進め、予想もしていなかったものと - それと対面した!

それは巨大だった。それは異質だった。それは - 定まった姿が無かった。
目の前にあったのは不思議な生物であり、その起源や意志といったものは皆目見当もつかなかった。
見てとれたのは、触手を生やした丸裸の純然たる肉塊のみ。
私の頭にはあの脈打つ感覚が戻ってきていたが、今度のその感覚は私の心の扉を蹴破ろうとはせず - 代わりにそっとノックしてきた。
私は丁寧に答えてみせた…

その風変わりな思考のやり取りの間、唯一私が読み取れたのがTchortだった。
他は全て、ただの頭の中の奇妙な感覚と言い表せるものだったから…

…三週間の滞在の間、私はTchortによって、それ自身を研究する事を許された。
古いラボで探し出せた残存設備と私の器具を組み合わせ、最高の即興実験室を築く事が出来た。
食料に関して言えば、個人的な物資がある程度の期間分あった。
後に、天然の食料源に頼らなければならなくなったが。

私が見つけたものは想像を絶する程に重大な、途方もない発見であるという確信に帰った。
以下はTchortから離れるまでの滞在中に私が学んだことである。

Tchortは、年代不明の多細胞生命体として定義可能だ。
だがその遺伝子組成から判断するに - Tchortは始原の存在である。
初期の単細胞生物から現在の哺乳類に至るまで、Tchortは共通の遺伝配列を多分に共有している。
その一方で、決して私達とは直接の繋がりがない。
私達には明確な共通祖先がない -その様な事が有り得るのだろうか?
では、それをこれから説明しよう…

この生物は、ユニークな型の再生サイクル状態になる事が出来る。
はっきりとした姿を失い、遺伝的な自己修復に入るのだ。
どうやって、そして何故そうするのかには悩まさせれたが、思っていたよりも早く私はその答えを得た。
Tchortは、我々と非常に似通った細胞とDNA構造を持っている。
染色体と遺伝子の数はまるで異なるものの、多くの明確な遺伝配列が見られるのだ。
そのゲノムの非コード部分は人間のそれより大きく、それを研究する事で、先に悩んだ二つの疑問に対する答えを私は学んだ。

この生物は何らかの突然変異や染色体の劣化、あるいは悪性腫瘍を患い始めると、すぐに前述の再生サイクル状態に入る事が出来る。
環境が劇的に変化したり、生存上新たな特質が必要となった場合にもそうするのかもしれない。
私は、この再生サイクルに関与している遺伝子を突き止める事さえ出来た。
さて、この生物が再生を始めるとどうなるのかというと、こういう事だ。
Tchortにおいては、遺伝的なバックアップと思われるその遺伝子の非コード部分がタンパク質をコードし始め、次には染色体全体を -テロメアまでをも変化させ再構築する!

どのようにしてTchortは新たな環境で生存する為に必要な適応を把握するのかだとか、どうやって新たな遺伝子配列を組み合わせ創りあげるのかだとかは、いまだ明らかになっていない。
だがそれでも、これは大変な発見だった。そしてまた別の疑問が浮かぶ。
この再生サイクルを、人間や他の生物にも適応できないだろうか?

DNA構造の共通性からいって、その答えはイエスも同然であった。
さらにそこから、私の頭に多くの疑問が浮かぶ。
Tchortから学び得た事を用いて、任意で私達自身に適応出来ないだろうか?
そして無限に生きられないだろうか?
私達の進化をコントロールし、以前には想像もつかなかった到達点を追及出来ないだろうか?
私達はついに地上世界へと戻れるのではないか?

私は答えを求めた…そしてそれには時間とサポートが必要だった。
私はTchortに最後の視線を向けて立ち去った。
それが本当に最後の視線にならない事を願いながら。
私の頭の中で、行わなければならない事が明らかとなった…

唯一の生存者としての私のUniversityへの帰還は、非常に興味深いものとなった。
最もよく言い表すならばそれは一つの終わりであり、他の事柄の始まりであった…

オリジナルレポート 終



重要年代史


1年
EideinがTchortを発見する。Institute of Tchort設立。

5年
Biocorp武装部隊が名を改め、Preservationとなる。
教育と科学部門は統合され、Investigationに。

8年
大イーストウィングで火災。

9年
Institute of Tchortで最初のMonsignor、Principal Investigator Giacomoが突然の心不全で死去。

21年
Principal Investigator Evdokがクーデターを試みる。
Eideinを守るさなか、Rassophore (Monsignor) Torinが死去。

24年
大地震によってウェストウィングとメインホール及びInstituteライブラリーが損壊する。
損傷は同年に修復された。

39年
Principal Investigator(Monsignor) AntheiaがEpiskoposになる。
Investigation隆盛期が始まる。

42年
Facelessとの一連の争いがNucleusの戦いで頂点と化し、Harmost (Monsignor) Marcialの部隊によって勝利を収める。
Facelessとの最後の大きな争いだった。

58年
Episkopos (Monsignor) Investigator Antheiaの死によりInvestigation隆盛期が終わる。

67年
ウエストウィング探索隊の原因不明の死を悼む大追悼会 。
Investigator (Monsignor) Peter死去。

69年
Investigator (Monsignor) Hristoforがガンで死去。

70年
Investigator (Monsignor) Minityの死。

77年
Investigationの教育部門から分かれたPropagation及び、その他いくつかの小部門の設立。

78年
Harmost(Monsignor) Marcial、老齢により死去。

81年
Investigator (Monsignor) Lenora、その78番目の論文刊行の二日後に死去。

85年
Biocorpの最終解体、及びInstitute中庭での暴動。

90年
Instituteの歴史学者(Monsignor) Bradock死去。

92年
Core Cityへの薬品輸出開始。

96年
年に一度のInvestigationシンポジウムにて、Investigator (Monsignor) Gustavの組み換えプロジェクト成功が明らかにされる。

98年
Investigator (Monsignor) Gustav、窒息で死去。

99年
年に一度のInvestigationシンポジウムにて、
ニューラル・パシフィケーションプロジェクトが公開される。





固有名詞は訳していませんが、大まかなニュアンスはこんな風かと思われます。

University…大学。現在のInstitute of Tchort本部にあたる。
Preservation…保護部門
Investigation…調査研究部門
Propagation…広報部門
Principal Investigator…上級調査研究員
Monsignor…イタリア語での高位司祭
Rassophore…カルトジオ会における修道士。ゲーム中ではPreservation所属の兵士。
Episkopos…司教
Harmost…スパルタの軍政府長官。ゲーム中ではPreservationのトップ。