【Fate】SS速報・鯖鱒wiki

オルフェウス

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No.4026 オルフェウス
前のサーヴァント:ダヴィンチちゃん(男)
次のサーヴァント:ボーディダルマ

データ


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  ≪クラス≫:キャスター
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  【真名】:オルフェウス          【属性】:秩序・中庸
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   【筋】:E(10)     【耐】:D(20)     【敏】:C(30)    【魔】:A(50)     【幸運】:B(40)   【宝】:A
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ニニニ==∧    ′.:.:.:.:.ト、.:.!'´斗- 、zzzzゝ___㌻   .Y.:.:.:レ |
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  【クラススキル】

  ◆陣地作成:B
 魔術師として、自らに有利な陣地を作り上げる。
 “工房”の形成が可能。

  ◆道具作成:C
  魔術的な道具を作成する技能。

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  【保有スキル】

  ◆戦闘続行:B
  往生際が悪く、そう簡単にはくたばらない。
  冥界からの帰還や、首だけになっても歌い続けた逸話に由来する。


  ◆神性:B
  神霊適性を持つかどうか。ランクが高いほど、より物質的な神霊との混血とされる。
  文芸の女神カリオペの息子であり、竪琴の神でもあるアポロンを名義上の父親にもつ。


  ◆竪琴の演奏:A
  歌にあわせて竪琴を奏でることで聞く者の心に強く働きかけることが可能。
  曲によって心を和らげ落ちつかせる、共感を呼ぶなど様々な効果を発揮する。
  彼の歌による嘆願は冥界の神々ですら断ることが出来なかった。


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  【宝具】

  ◆『万響天琴(エモーション・ライラ)』
  ランク:A 種別:対人宝具 レンジ:1~50 最大補足:100
 
  竪琴の神でもあるアポロンから贈られた竪琴。キャスターの死後はこと座として天に上った。
  音楽や歌をあらゆるものに伝え、聞かせる効果を持つ。
  言葉を持たぬ動植物は勿論、岩石や天候など非生物に対してすら音色を響かせる。
  しかし、それらに影響を与えられるかは使い手の技量に依存するため、
  キャスターが演奏し歌声と調和させることで初めて真価を発揮する。
  彼に投じられた攻撃すら到達する前にうっとりとして勢いを失うため、
  飛び道具ならば彼に届くことは通常起こりえない。
  また、動植物に対しては演奏を介してCランク相当の動物使役スキルとしても使用可能。
 
  なお人間など言葉を持つ相手に対しては美しい音色の竪琴に過ぎないが、
  彼の腕前を余さず引き出せるという意味では重要である。


  ◆『還るべき魂の経路(ゲート・オブ・ステュクス)』
  ランク:A 種別:対界宝具 レンジ:1~30 最大補足:─
 
  素晴らしい歌によって生きたまま現世と冥界を往還した逸話、その旅路が宝具となったもの。
  竪琴の演奏を介し、冥界へと繋がるゲートを作り出す大魔術。
  このゲートを介して生者が冥界に入る事も、死者や冥界の存在が冥界から出ることも出来ない。
  生者は現世、死者は冥界に存在するのが原則なためである。
  逆に言えば、現世にとどまる死者・霊的存在などは現世と冥界のいずれにとってもイレギュラー。
 
  そのため、このゲートによって冥界への道が開かれている間、
  本来冥界に存在すべき死者や霊的存在は現世からの斥力と冥界からの引力によってゲートに吸い込まれていく。
 
  マスターを依り代とし魔力によって現世に留まるサーヴァントは、これに抗うため大量の魔力を必要とし続ける。
  キャスター自身もこの効果から逃れる事は出来ない。

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【weapon】
◆無し
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【来歴】

 ギリシャ神話に登場するトラキアの楽人であり、ギリシャ神話きっての竪琴の名手にして歌い手。
 
 彼に関する最も有名な逸話は冥府下りであろう。
 新婚早々命を落とした新妻エウリュディケを蘇らせるべく冥界へ行き、
 ハデスに嘆願して妻を現世へ連れ帰る許可を得る。
 
 その際、「地上に出るまで後ろを振り向いてはいけない」と条件を付けられたが、
 後少しで地上というところまで来て後ろを振り返ってしまい、妻は帰らぬ人となってしまう。
 
 それから三年後、狂った女たちによって殺され冥界で妻と再会を果たした。
 また、彼の竪琴はこと座となったという。
 
 簡単に書いたが、生きている人間が冥界へ入るのは容易なことではなく、
 死者の蘇生を嘆願するなど無謀といっても過言ではない。
 
 それでもその選択をしたのは偏に愛の深さゆえ。
 
 そして彼は演奏と歌のみで無事ハデスの元まで辿り着き、現世へ連れ帰る許可をもぎ取ったのだ。
 ハデスには死者の蘇生すら可能な名医アスクレピオスに関して、
 「世界の秩序を乱す」としてゼウスに抗議し殺させる逸話も存在する。
 そのハデスが感動し掟破りを認める程というのだから想像を絶する程素晴らしい歌だったのだろう。

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【聖杯への願い】

 彼は「愛する人を失いたくない・取り戻したい」という強い思いを触媒に召喚される。
 聖杯への願いはないが、愛する人を取り戻そうとして失敗した彼は、マスターに同じ悲しみを味わわせないために戦う。

 また、例え味方でなくても愛する人のため行動する者には手を貸そうとする。
 その性質上、人殺しは基本的にNG。「その人を愛する誰かがいるかもしれない」と思うと目的と真逆になるため。

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 【性格】

 温厚で平和主義。避けられる戦いは避けようとする。

 音楽が大好き。状況に応じて勝手にBGMを流したり、非戦闘時の生活にも音楽で彩りを添えてくれる。
 落ち着いた曲調や、悲劇的な物語の歌を特に好む傾向がある。

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【備考】
◆竪琴の演奏によって戦闘を避ける、あるいは戦意を削ぐ事で相手のステータスを下げ、
一つ目の宝具によって相手の飛び道具を無効化。
◆戦闘続行も合わせて生存能力が高いサーヴァントというイメージです。
ただし、ただ生き延びれば良い状況で呼ばれる可能性は低いと思われます。
 
来歴から分かる通り、歌が通用しない程の精神汚染持ちに弱く、大きな音で歌や演奏の音をかき消されると無力です。
 
二つ目の宝具は死徒や御影、消費の大きいサーヴァントへのメタとして機能するといいなぁといった感じ。
ただ型月的に冥界がどういう扱いなのか自分にはよく分かっていない部分があります。
おかしい部分があれば宝具ごと削除して頂いても構いません。
 
 
【来歴についての捕捉・解釈の説明】
神話の登場人物なこともあり諸説ありすぎるため、オウィディウスの変身物語を中心に来歴を組みました。
ただ、細かい点まで書くと長すぎたので簡略化したものを上に載せ、データの最後にフルバージョンを載せています。
また、大まかな特徴を以下に記します。
 
変身物語を中心としたことによる大きな特徴としては、
・オルペウスの歌が直接ハデスの心を動かした(歌に感動したプロセルピナの嘆願によってではない)こと。
・死の経緯や原因(冥府下りの直後に自殺した、歌を歌わなくなったなど諸説ある)。
・バッコスとの関係(バッコスが女たちを扇動しオルペウスを襲わせたとする説もある)。 
が挙げられます。
 
逆に変身物語のみと比較した場合は
・竪琴について(後述)。
・アルゴー船の冒険に関する逸話。
・冥府を下る際にカロンやケルベロスと出会う逸話。
・竪琴がこと座になった逸話。
・その後レスボス島で与えた影響。
を追加しました。
 
オルペウスの持つ竪琴については諸説あります。
発明の神ヘルメスが亀の甲羅に糸を張って発明した最初の竪琴で、
この竪琴の力がオルペウスを素晴らしい楽人にしたという説もありました。
 
しかし変身物語では竪琴について言及されていません。
 
そこで、アポロンから贈られたとだけする説を採用し、岩石や植物に音楽を聞かせる部分を竪琴の能力(宝具)、
感動させるのはオルペウス自身の技量(スキル)としました。
 
そののため動物使役は宝具の効果としています。
  ◆動物使役:C
  音楽によって動植物の心を引きつけ、自らの心を伝えることが出来る。
  強制的な使役ではなく、心動かされた動植物達が自発的に彼を助けようとするが、
  演奏に聞き入っている間は我を忘れて無防備となってしまう。

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【来歴(フルバージョン)】

ギリシャ神話に登場するトラキアの楽人。
カリオペとオイアグロスの子であり、名義上の父アポロンから竪琴を貰い弾き方を教わった。
 
ヘラクレスらとともにアルゴー船の探検隊にも参加し、
竪琴と歌によって暴風雨を鎮めセイレーンの歌を打ち破った。
 
彼がエウリュディケと結婚したとき、
婚姻の神ヒュメナイオスは結婚式に現れたものの祝いの歌を歌わず、陰気な顔をしているばかりであった。
 
この不吉な前兆は間もなく現実のものとなる。
新婚早々エウリュディケが毒蛇に足首を噛まれて命を落としたのだ。
 
オルペウスは地上で大いに嘆き悲しんだ後、地下の亡者たちにも訴えかけてみようと考えた。
タイナロスにある下界への入口から冥界へと降りて行き、冥王ハデスと王妃プロセルピナの前へとまかり出た。
その道中、冥府の河の渡し守カロンや番犬ケルベロス、冥府の門などが行く手を阻んだが、竪琴の音を聞くと彼を通した。
 
「私は地獄を見るためにやってきたのではありません。妻のためなのです。
慌ただしく尽きたエウリュディケの運命の糸をどうか巻き戻してくださいますように。
死すべく生まれついた私達すべては、結局はあなた方の元へと帰るのです。ここが最後の家なのです。
私は彼女を返して欲しいと言っているのではありません。ただ、貸してもらえればいいのです。」
 
といった内容をうたい、言葉に合わせて竪琴の弦をかき鳴らすと、血の気の無い亡者たちももらい泣きした。
タンタロスも逃げていく水をとらえようとしなかったし、イクシーオーンの車輪も回転を止めた。
禿鷹たちもティテュオスの肝臓をついばむことをやめ、シーシュポスに至っては押し上げねばならぬ岩の上に座り込んでしまった。
復讐の女神たちも歌に感動して、初めて涙を流したという。
 
冥王も王妃もオルペウスの嘆願を断ることは出来ず、エウリュディケを呼び寄せた。
彼女は傷が障っていて足取りもたどたどしかったが、オルペウスは条件付きで彼女を連れ帰る許可を得る。
その条件とは、アウェルヌス湖の谷合を出るまでは後ろを振り返ってはならないというもの。
この禁を破れば折角の贈り物がふいになってしまう、と。
 
そうしてオルペウスは後ろを振り向かず、エウリュディケと共に地上へ続く険しい坂道をたどっていく。
しかし地表近くまで来たところで、妻の力が尽きはしないかと心配になってしまった。
そうなると無性に見たくなる。弱りきって足取りもただたどしい彼女の姿が頭から離れない。
妻を愛するあまり、とうとう彼は後ろを振り返ってしまった
 
するとエウリュディケはずるずると後退した。互いに手を伸ばして掴もうとするが、手ごたえは無い。
こうして二度目の死に臨んでも彼女は夫への不平を何一つ口にしなかった。
夫がこれほど自分を愛していたということに不満などある筈もない。
ただ、夫の耳には届かない「さようなら」を言って再び冥界へと落ちて行った
 
オルペウスはもう一度ハデスに嘆願しようとしたが、再び冥界に入ることは許されなかった。
七日間のあいだ座り込んで何も食べずに泣き続けたのち、下界の神は薄情だと嘆いて故郷へ引き上げた。
 
それから三年、オルペウスは他の女を愛することなく、丘の上で歌いながら過ごしていた。
多くの女たちが彼と結ばれようと熱をあげたが、例外なくはねつけられた。
 
周囲に青草が生えているだけの野原に彼が座って竪琴の試し弾きをすると、
たちまち木々が飛来して木陰を作り、鳥獣や岩石までもが歌を聴くために集まってくる。
この木々の中にはキュパリッソスやダプネーなど人間が変じたものの姿もあった。
 
彼がガニュメデス、ヒュアキントス、ピュグマリオン、アドーニスなどについての様々な物語を歌っている時のこと、
トラキアの心狂った女たちがオルペウスを見つけた。
女は、亡き妻以外の女に見向きもしないオルペウスを女性の侮辱者として非難し、石を投げ始めた。
その石は空中を飛んでいる間に歌声と竪琴との調和のよさにうっとりとなって、
このような凶暴な行いの許しを乞うかのようにオルペウスの足元に落ちた。
しかし女たちの攻撃は激しさを増していく。
 
あらゆる飛び道具がオルペウスの歌声によって無効化されていった。
が、狂乱した女たちの凄まじい叫び声や笛・太鼓などの後が竪琴の音をかき消した。
こうなると、もうオルペウスの歌も聞き取れない。石はもう止まらなかった。
 
最初に襲われたのは鳥獣たちだった。
まだ歌に夢中で我を忘れていた鳥獣たちは石を避けることも出来ず斃れていく。
女たちは石を投げるだけでなく、少し離れた場所にあった鍬や馬鍬(狂った女たちを見て逃げた農夫が置いて行ったもの)を拾うと、
直接彼を殺したのだ。
オルペウスは殺されるときも歌っていた。歌で相手を感動させることが出来なかったのはこれが初めてだったという。
 
彼の死を多くの鳥獣や岩石が悼んだ。
木々は、まるで頭を丸めて喪に服しているかのように葉を落とし、河川も自らの涙によって水嵩を増したという。
 
オルペウスの体はバラバラになり、頭と竪琴はヘブロスの河が受け取った。
河を流れている間に、竪琴は悲しげな響きをたて、オルペウスの舌も悲しげに歌う。
 
それらは海へと運ばれ、レスボス島のメテュムナの岸へと辿り着いた。
島人はオルペウスの死を深く悼み、墓を築いて葬った。
以来、レスボス島はオルペウスの加護によって多くの文人を輩出することとなったという。
 
また、彼の竪琴はその死を偲んだアポロンによって天に挙げられ、琴座となった。
 
だが、バッコスとしてはオルペウスに対する罪を放置してはおけなかった。
自分の祭儀をたたえてくれる楽人がいまくなったことを悲しんだ神は、
オルペウスを殺した女たちを木に変えた後、トラキアの土地さえ捨てたという。
 
一方、オルペウスの霊は再び地下へ下った。
以前に訪れた経験を生かして冥界を探し回り、エウリュディケと再会を果たす。
もう何の気兼ねもなく、愛するエウリュディケを振り返ることが出来るのだ。


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 【追加要素】
 ・スレで使用する際に当該スレの>>1が別途ねじ込んだ設定です。

 キャスター、オルフェウスは『現実を知った理想』の象徴。

 かつてエウリュディケが死ぬまでは、彼は理想しか知らない楽人だった。

 冥土を渡ったとき、彼は現実に直面した。

 それでも尚、彼は理想を信じずにはいられなかった。

 少なくとも、表面的には。


 ……しかし、現実は、理想に縋ろうとする彼の元に、

 崩れ去れ、崩れ去れと訴えかけてくる。


 最後、彼の歌が届かなかったのは

 彼が、理想の限界を悟ってしまったから。

 誰も傷つけず、誰も傷つかないまま、誰もが幸せになれる道など、ありはしないのだと。

 そんな頼りない、仮初めの平和は……

 ほんの僅かな、よくある小さな計算外によって、泡沫のように消えてしまう。


 だが、彼は認めたくなかった。

 自分が、理想なんてない、と認めてしまえば。

 理想を謳った自分の歌は、そのとき、永遠に死んでしまう。

 理想が無いと知っていても、現実しかないと知っていても、歌が理想でできている限り、

 理想を唱えないわけにはいかないのだ。

 理想を歌い、理想を貫き、理想のままに、望んだ結末を手に入れる。

 『誰も殺さないまま』、聖杯を必ず、勝ち取ってみせる。


 ――――それができてはじめて、色を失った自分の歌は、

 本物の輝きを取り戻す。

 彼はもう一度、本当の理想の世界を奏でることができるようになる。

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登場歴

七つの家で聖杯戦争・第四次(第三シリーズ)
10 11 12 13

【募集系】Fate/Something Order

たまには安価で聖杯戦争
たまには湖水で心の洗濯(未完)
(~>>157) (>>921~) 

【FGO】幕間の物語【鯖鱒wiki】
(2071~2253)

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短編 閻魔亭より、君にこの歌が届きますように(>>639~982)
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