血闘

「それは、真剣勝負を求める男たちの血を賭けた闘い。誰にも悟られることがない、ストリートファイト」

現代の日本、大阪を舞台に空手、プロレス、合気道、キックボクシングetc。あらゆる格闘家が己が実力と、スリルを味うためにストリートファイトを繰り広げる、群像劇。

設定

ストリートファイター

現在、行われているストリートファイトに明確なルールは存在しない。ストリートファイターたちは夕方過ぎ、陽が沈んだ辺りから活動を始める。
お互いに殺気を出しながら、街を歩き、同じストリートファイターたちと邂逅した瞬間、勝負が始まる。
ストリートファイトにルールは存在しなく、単純にどちらかが立てなくなるまで。しかし、個人によっては相手に戦意が無くなった瞬間に攻撃を辞める人もいる。
反面、対戦相手に重傷を負わせる者も少なからず存在する。
もちろん、日本では決闘罪が禁止されている。ここ最近、多発する喧嘩により怪我を負う事件が増えており、警察も原因究明のために捜査へ乗り出している。しかし、負傷したストリートファイターは己のプライドやなんやらで、事情聴取を受けても曖昧な答え方をする。

稀に純粋な格闘家が、ストリートファイターたちの殺気に当てられ、勝負が開始されるケースも。


朱雀館

大阪は港区を拠点とする、ごく一般的なフルコンタクト空手。十年前に、空手協会の「周藤達也」と他数名の役員によって、関西での空手浸透を目指すために朱雀館を立ち上げたとされる。
周藤達也自身の豪快な性格や、関西圏におけるフルコンタクト空手の浸透性、ここ最近の格闘ブームもあって、門下生は一万人を越えた。

基本的には極真をベースにする、顔面禁止のフルコンタクト空手。本館は港区。支部は梅田、難波、生野、高槻、西淀川、と多岐に渡る。

一年に一回、朱雀館の門下生による大会「龍神大会」が開催されている。


華剛合気道

藤田友則が師範となって、経営している合気道の道場。門下生は十人ほどだったが、TVの取材により現在は四十人に増えた。
ルーツは華剛武術と呼ばれる、打撃と合気道を混ぜた古武道「古武術華剛流」。
戦後の武道禁止政策を経て藤田家当主藤田武臣が合気道に感化され、編み出したとされる。
しかし、合気道の技を本来のそれと全く違う用途で使っていたため、戦後の武道禁止政策で苦い経験をしていた合気道養神館により、華剛武術の禁止を武臣に言い渡す。
反発していた武臣であったが、その後は心を改めて、華剛合気道として一本化を目指す。
しかし、武臣は密かに自分の子孫に華剛武術を伝授していた。もちろん、友則もその一人だった。


千鶴落とし

相手の片腕の関節を極めた状態で、後頭部から地面に落とす投げ技。四方固めと、払い腰を複合した技


首刈り

相手の喉仏に向けて、人差し指を折り曲げた打突を叩き込む打撃技



青海プロレス

中部地方をメインに興行するプロレス団体。社長は猪江信二。
ローカルな地方団体で、観客を楽しめることをメインだったが、猪江信二の方向転換により、ドラゴン金田をメインとするストイックな興行内容で徐々に人気を伸ばす。しかし、ドラゴン金田の不祥事によって、団体は解散。
その後、FSWと手を組んだ猪江によって、青海プロレスのレスラーを全て回収、FPWという新団体を発足した。


FSW

ファイティング・シューター・ワールド。社長は南方渓。
総合格闘系を目指しつつ、プロレス特有のエンターテイメント(ブック)を採用した団体。青海プロレスと同じく、中部地方をメインに活動しており、ライバル的存在。
昨今からの総合格闘技ブームにより、青海プロレスとの差がついたと思いきや、選手の数が少なく苦戦していた。
そこで、青海プロレスと共同戦線を貼ることとなり、抗争戦という内容で、毎月末に魅力的な抗争劇が繰り広げられる。
しかし、ドラゴン金田によるブック破りにより、メインイベンターである村田が重傷負い、裁判沙汰になる。結局、両団体は和解の末、解散してしまう。


PWW

プロフェッショナル・レスリング・ワールド。
南方渓のFSWと、猪江の青海プロレスが元となる新興格闘技団体。総合格闘技のような、シュータースタイルを取り入れつつ、プロレスのような、観客を湧かせる演出を目指している。
社長には猪江が抜擢され、南方は主に現場監督。
PWWになってからは、人気が急上昇し、ダイジェスト版であるが番組を放送されるほど。



諏訪田

朱雀館の有段者。幼少期から空手を嗜んでおり、高校卒業と同時に就職。現在は土木関係の仕事をやりつつ、朱雀館で汗を流している。
空手の腕前は平凡で、高校までは黒帯を取れるかどうか怪しかった。高校卒業後、少しだけ空手から離れていたある日、不良に絡まれて喧嘩をしてしまう。そのとき、実戦で初めて使う空手の技の破壊力に魅了され、やがてストリートファイトを欲するようになる。
そこから、空手の才能が開花。朱雀館三段者で、龍神大会でベスト8に残るほど。
朱雀館には通いつつ、キックボクシングの杉本ジムや総合格闘技道場「王進」へ通っている。
オールラウンダータイプで、やや打撃方面に特化。総合格闘技ならではのテクニックを身に着けている。ストリートファイト界隈では、圧倒的すぎる実力により「通り魔」という名前で恐れられている。
得意技は、三日月蹴り。

金田

青海プロレスの元メインイベンター。
重量感があるファイトスタイルと、多種多様な技を覚えている、一種の天才肌。しかしブックと呼ばれる台本を演じる自分に嫌気が差し、時折、シュートーサインと共に真剣勝負を相手に吹っかける問題児となる。
猪江も口頭で注意するものの、それに逆らって、FSWとの抗争戦で村田と真剣勝負を仕掛け、彼の足を破壊する。その結果、裁判沙汰となり、金田は格闘技界から永久追放。青海プロレスとFSWは解散してしまう。
地方団体だったため、さほど世間からの注目を浴びることは少なかったらしい。
現在は蓄えていたファイトマネーを使って、大阪へ。そこでストリートファイトと出会う。
躊躇いもなくプロレス技を仕掛けるスタイルや、相手を完膚なきまで破壊する金田は「壊し屋」としての異名を持つ。
得意技はラリアット、DDT。

藤田友則

今年で50歳を迎える、合気道の師範。心の奥底で、闇に葬られた華剛武道が陽の目を浴びることを思っている。
諏訪田とのストリートファイトを通じて、狂気に満ちた彼を止められるのは自分しか居ないと思い、界隈へ飛び出す。
そこで初めて使う華剛武道の恐ろしさを実感する。
躊躇なく人体を完全に破壊する華剛武道を扱う藤田は、金田とは違う意味で、生粋の「壊し屋」である。



亀山満

朱雀館四段であり、去年の龍神大会で優勝した、「朱雀館の切り札」と称される男。
尖った顎と、スポーツ刈りがトレードマーク。身長体重ともに重量級だが、動きにもキレがあり、また読み合いにおける頭脳戦や、フェイントにも富み、周藤からは「二十年に一度の豪傑」と、その実力を認められている。
諏訪田の師範代であり、頭角を現す彼共々「青竜と玄武」と称されている。
得意技は正拳突き、上段蹴り。


猪江信二

PWWの社長を務める、エンターテイナー。自身もレスラーとして出場する。
ドラゴン金田を選出した人物であり、彼のファイティングスタイルはとても気に入っていた。しかし、真剣勝負を求める彼を徐々に抑えきれなくなり、とうとう村田の足を壊してしまう事件を経て、一度はプロレス界から姿を消す。
しかし、FSWの南方の説得により、PWWを発足した。
金田がストリートファイターに転向したのは把握しており、知人である杉本と一戦を交えたのも知っている。


杉本

杉本キックボクシングを経営する男性。キックボクシングへの第一線は既に引いているが、後継者である雨宮の育成に励んでいる。
しかし裏では、ストリートファイトに興じる面もある。が、金田の一戦によって病院送りに。現在は療養中。

雨宮

杉本の後継者。金田との一戦によりストリートファイトに興味を持つ。


村田

数年前、金田のブック破りによって右足を負傷させられた、元FSW所属のレスラー。怪我が完治したものの、格闘技界から引退、現在はサラリーマンとして働いている。
が、猪江によって金田がストリートファイターとして戦っていることを知り、復讐心のためにストリートファイターへ。
古武術華剛流を会得した金田と死闘を広げる。

早瀬

傷害事件を起こし、公式非公式問わず試合出場が停止された元プロボクサー。現在は小さなジムのインストラクターとして働いている。
類稀な分析とダッキングを駆使した攻防一体のファイトスタイルが特徴的。また柔術や総合格闘技の技術も取り入れており、打撃と組み技を完璧に両立させたオールラウンドファイター。
猪江により、諏訪田を成長させるための布石としてストリートファイト界隈へスカウトされる。が、諏訪田と同じくストリートファイトで格闘技の奥深さを痛感し、著しい成長を遂げる。

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