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「退屈だなぁおい」 スピーカーから声が漏れてきたことに気づいたのは、1分ほど経過してからだった。 地平線の遥か向こう、僅かに見える緑をぼんやりと眺めていたせいで、誰が呟いたのかはわからなかったが、 おおかた、ジェロニモが退屈さに限界がきてぼやいたのだろう。狭苦しいACのコクピットに缶詰のまま2時間は経過しているのだから、無理もないが。 「我慢しろ、ジェロニモ。それも仕事のうちだ」 優しく言ってやると、隣でこの大型の輸送車両を操縦しているヴィダルは何故か苦笑していた。 「煙草が切れてんだ。愚痴の一つくらい言わせろよ、ロルフ」 「すまないが、気が散る。また今度にしてくれ」 やれやれといった表情で、ヴィダルが告げた。 普段の彼ならそこで慰めの一言もあったのだろうが、ここ数日の間、我がヤクトヴォルフは依頼が重なり、休む間もなく戦場を駆け巡っていたため、疲弊しきっていた。 彼だけではなく、ジェロニモも、俺も、全員が疲れきっている。 休暇をとるべきではあったが、様々な事情が絡み合い、いくつもの任務を受諾せざるを得なくなってしまったのだ。 些細なことではあるが、皆に余裕がなくなってきているのは事実だ。 少々の危うさを感じつつも、いい案が思い浮かばない。 さて、どうしたものだろうか。 「いっそこれを機に、禁煙したらどうだ。うちじゃ吸うのはアンタくらいなもんだし」 「るせえぞリディオ。お前だってたまに吸ってんじゃねえか」 「そりゃアンタが付き合えって言うから、止むなくさ」 「こないだ女といたとき、これみよがしにふかしてただろうが」 「あれはアイツが、タバコ吸ってる時の仕草が好きだなんて言うから格好つけただけだ」 「かーっ。なんだそりゃ? なっさけねえ。思春期の青少年かよお前は」 「そろそろ静かにしてくれないかジェロニモ。運転に集中できない」 「おい、なんで俺だけだ。リディオだってベラベラ喋ってたじゃねえか」 「切るぞ」 「へぇへぇ。わーったよ。たく、ノリが悪ィな畜生め」 しばらくして、今度は鼻歌が聴こえてくる。 「その雑音を止めてくれないか。気が散るんだ」 「BGM。気にすんな」 「おい馬鹿。やめろって」 「うるせえ。ガタガタ言ってねえでお前も一緒に歌え、リディオ」 「はあ?」 思わず吹き出す。ちらととなりを見やるが、ヴィダルも笑いをこらえているようだった。 「フンフンフーン、フンフンフーン」 「あのなぁ」 「なんだリディオ。歌わんのか」 「ロルフまで何を言い出すんだ。勘弁してくれよ、まったく……」 「じゃあ、俺が歌うか」 「お、いいねえ。流石はロルフだ。話がわかるじゃねえか」 「おい、冗談だろ」 「ヴィダル、俺の代わりに隣にいるおかしくなったリーダーの頭殴ってやってくれ」 「ハンドルから手が離せない。諦めろ」 「いいからお前も歌えって。ほら」 リディオの深い溜息が聞こえた。 と、その時だった。 「楽しんでるところすまんが、緊急事態発生だ、ロルフ」 「何があった」 切り替えは一瞬だ。 「前方10km先に反応あり。ACだ」 ずいぶん接近されていたようだ。恐らくは、リコンジャマーか。 「数は?」 「1機。他に反応はなかった。近づいてくる様子もない。アンブッシュだな」 ふむ、と顎を触りながら思案する。 「どうする。このまま突っ切るか」 「AC相手じゃ不可能だろ。俺が出る」 先程までの緊張感のないおふざけ者とはうってかわって、餌を前にした狼のような声色で、ジェロニモが言った。 「援護はできん。覚悟はしておけ」 「笑わせんなよ」 バックミラーから、後部の車両に目を向けると、ACをロックしていた鎖が解き放たれ、まさに動き出す瞬間だった。 「こちとら覚悟なんてのは、おふくろの腹ん中にいる時に済ませてんだ。今更だぜ」 「そいつは何よりだ。……敵AC確認。これは――」 ――――― 「今ここに終末は来たれり! 恐るな、喜びをもって終焉を受け入れるが良い! 我が名は破壊神ジェネシス!!」 「あ?」 「フフフ。間の抜けた声なのだ」 「……なのだ?」 「何者かは知らぬが、基地に近づくものはすべからくポンコツにせよという指令が下っているのだ。悪く思うな」 「表現がずいぶん幼くなった気がするわけだが」 「戦場に言葉は不要! ゆくのだー!」 ---- とまあ見るからに書きかけもいいとこな文章。主に台詞だけで構成されており、その割に登場人物が5,6人?くらいいるので書いた俺以外にはまったく理解のできない代物となったので、書いた当初から没にする気満々でした。 キャラクターはヤクトヴォルフというにべお君が作ったAC部隊の面々。もはやキャラ設定もどこにあるかわからないので、分からない人には何がなんだか。 最後に出てきた敵は、破壊神ジェネシスというどうしようもないネタキャラ。 なぜこんな話を書いたのかについては続きの没にて解説予定。

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