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大きな犬を拾った R15

痩躯で手足の長い、しなやかな体型が自分のベッドの上で荒く息を吐いている。
浮いた噂はいくらでもあったのに、キスの一つもしたことがなかったのだろうか。
皺にならないようにと白のセーラー服を、するすると脱がせてゆく。質素な下着が現れ、手を押し当てると、高鳴る鼓動が感じられた。
「礼ちゃん、緊張してるの?」
「……うん」
「慣れてるんじゃなかったんだ?」
「澄香こそ、なんで……」
「礼ちゃんを幸せにするためなら、経験なんかなくたって、私は頑張れるよ。でも、痛かったら、ちゃんと言って。気持ち良くなくても。演技なんかしないでね」
声はきっと、震えていた。
少しの間、沈黙が流れる。
礼望は恥ずかしそうに、視線を合わせないままで、電気を暗くして欲しいと懇願してきた。
日に焼けた健康的な肌が、朱に染まるのを見せてくれないなんて、ずるいな。
そう思えど、気恥ずかしさはわかる。
「ねえ、澄香」
名前を呼ばれると、何度だって、どきっとする。好きな人が、穏やかに自分の名前を呼んでくれる。なんて幸せな時間なのか。
「……澄香も、脱いでよ」
自分が強く出られる時ばかりは、礼望は悪戯っぽく笑いを滲ませて言ってくる。押したら弱いくせに。
周りを巻き込んで礼望の気持ちを確認し、告白させるに至ったのは、澄香の作戦勝ちだった。
礼望が高校生でいる間に、事実を作りたかったから。大学は二時間かかるところに行くなんて言うからだ。焦るしかなかった。
「じゃあ、脱がせて? 礼ちゃん」
満面の笑みで言う。少しだけ、恥ずかしそうな、照れた笑い方。
この表情を見ると、礼望は嬉しそうにする。
−−礼ちゃんのことなら、だいたいわかるよ。だって、私は、ずっとあなたを見てきたから。
相手もきっと澄香が、礼望のどんなところを好きかもよく知っているだろう。

生来の面倒臭がりのせいか、クリームの一つも塗っていないらしい、がさがさの手が、澄香のセーラー服に伸びてくる。
大きい手が、澄香の頭を撫でた。よしよし、と。犬にするみたいだからやめて、とは、いつも言うが、実際のところ、礼望に撫でられるのは大好きだ。
なすがままにしていたら、どんどん裸に近づいてゆく。
なんとか強情な礼望に告白させて、三ヶ月経った。秋から冬に季節は移り変わっていた。部屋のエアコンは静かに、暖かな空気を部屋に送り込んでくる。指定校推薦で既に大学進学を決めており、のんびりと過ごせる礼望だから、こんなふうに澄香と付き合う時間が取れるのだ。
「下着、可愛いね」
耳元で囁かれ、自分の耳が赤く染まるのがわかる。薄いピンクで、慎ましやかなレースの下着。礼望より、まるみのある胸はどくんどくんと強く鳴っている。
「ひうっ……」
「お腹、弱いんだ? 澄香」
澄香の手を取り、礼望は自分の身体に触れさせる。
「……っ……澄香、ちゃんと、触って」
礼望のシンプルなブラを外して、現れた胸のてっぺんに、澄香は優しくキスをした。
くぐもった声が礼望から漏れてくる。両手で顔を覆って恥ずかしがるから、だめだよ、顔を見せて、と手を握った。これなら、顔を隠せないよね、と。
澄香もそんなことをしたら、手が使えない。舌で、頬で、今まで触れたことがない礼望の身体を堪能してゆく。
ずっと振り向いて欲しかった。
ずっと、独り占めしたかった。
今なら、もう顔を隠さないだろうな、と察してから手の拘束を解き、自身のブラをそっと外す。
「澄香、私より大きくてずるい」
ぼそりと呟かれた本音に、苦笑する。
「礼ちゃんは礼ちゃんだから、いいんだよ。気にしてたの? 大きくしてあげるよ?」
一段と柔らかいそこに手で触れ、ふにふにと感触を味わう。時々中心をかすめ、そのたびに、礼望が声を上げる。

礼望の激しいスキンシップに、いやいやしつつも丸め込まれ、何度もキスをしてきた。
無言で見つめ合い、妖しい雰囲気になって、押し倒したのはこちらだった。その時点で、二人の中でのポジションは決まったも同然だった。
礼ちゃんは、攻められると弱いんだよね。
内心で澄香は、ほくそ笑む。
パンツにそっと触れて、恥ずかしそうに身をよじる礼望に、いいよね? と甘い声で訊く。暗がりでもわかる、涙の溜まった目で礼望は、こくりと頷いた。
ゆっくりと下着を脱がしてゆく。長い足から、下着を取り、ベッドのそばにブラと一緒に置いた。
「好きだよ、礼ちゃん」
笑顔で囁きながら、礼望の大事なところを開いてゆく。
大型犬だと思っていたけれど、こういう時は、小型犬のようになるんだね? と、思いつつ。
犬には首輪をつけてあげる。
澄香は、甲高い声をあげ、身体をくねらせる礼望を見ながら、誓いを立てた。
ずっと待っていた。終わらない片想いは、なんとか実った。彼女以上に恋い焦がれる人なんて、出会うことなんかない。
この寂しがりのよく吠える犬は、きちんと飼い慣らさなきゃ。
心ではこんなことを考えつつも、晴れやかに笑いながら、礼望に何度でも、愛を囁くのだった。