失語症

大多数の成人の左大脳半球にある言語野(または言語中枢)が様々な原因により損傷された結果、

それまで正常に働いていた言語機能が障害され、言語によるコミュニケーション全域にわたる様々な破たんが生じた状態のこと。

(コミュニケーション全域:話す、聞く、読む、書く。それぞれ1領域だけの場合は別の障害名が使われる)

 

なお、以下のものは除外される。

・受容器の損傷による言語障害(聴覚障害など)

・認知症および知的障害によるコミュニケーション障害

・精神疾患や意識障害による言語の異常

 

▼原因

・脳血管障害(日本における最大の原因)

・外傷性脳損傷(交通事故など)

・脳腫瘍

・感染性疾患(脳炎など)

 

▼失語症のタイプ

○ブローカ失語

ブローカ野:言語の生産に関与する領域

発語が非流暢。短い発語。構音の誤りやぎこちなさ、韻律の障害など。

文章形式での会話は困難で、単語の羅列や格助詞の省略などの統語障害が見られる。

○ウェルニッケ失語

ウェルニッケ野:言語の理解に関与する領域

流暢で多弁な発話と、聴覚的な理解の障害が見られる。

○全失語

言語機能全ての側面が重篤に障害されており、自発語はない、あるいはかなり限定される。

○健忘失語(失名詞失語)

文法的には正しく流暢な発話があるが、喚語困難が見られる。

言語理解は良好で、実用的な読み書き能力は保たれている。

 

 

最終更新:2014年09月20日 17:28