アタッチメントの個人差を測定する方法である(Ainsworthら、1978)
1歳の子どもとその母親、および知らない人(ストレンジャー)が参加者である。
1.母親が子どもを抱いて入室する。
2.母親は椅子にすわり、子どもはおもちゃで遊ぶ。(3分間)
3.ストレンジャーが入室する。母親・ストレンジャー共にそれぞれの椅子に座る。(3分間)
4.1回目の母子分離:母親は退室する。
ストレンジャーは遊んでいる子どもに近づいて働きかける。(3分間)
5.1回目の母子再会:母親が入室する。ストレンジャーは退室する。(3分間)
6.2回目の母子分離:母親が退室し、子どもが1人で残される。(3分間)
7.ストレンジャーが入室し、子どもを慰める(3分間)
8.2回目の母子再会:母親が入室し、ストレンジャーは退室する(3分間)
▼アタッチメントのパターン
ストレンジシチュエーション法により、アタッチメントは4つのパターン(文献によっては3つのパターン)に分類される。
Aタイプー回避群
→母親と分離しても泣かず、再会時に母親を避ける行動をとる。
Bタイプ―安定群
→分離時に多少混乱し、再会時に積極的に母親に接触しようとする。
分離時に泣いたとしても再会時に容易に鎮静することが可能。
Cタイプー抵抗群・アンビバレント群
→分離時に強く混乱し、激しく泣く。再会時は母親を強く求める一方で、母親を叩くなど激しい怒りを示す。
Dタイプー無秩序・無方向型
→接近と回避の両方を示し、意図が読めない行動をする。
▼アタッチメントパターンと親の養育態度
Aタイプ:子の反応が弱いため当初は過干渉的である→次第に子の反応がないため、母親も反応が乏しくなる。
Bタイプ:一貫性のある反応を示す。
Cタイプ:子どものシグナルに対して敏感だが、一貫性のない対応が見られる。
(子どもに攻撃されるため、母親が子どもの相手ができる時に限られる)
Dタイプ:親のうつ・虐待などの病理
▼アタッチメントパターンと子どもの気質
Aタイプ:苦痛や不安、恐れを体験しにくいため活動性が高い
Cタイプ:怒りっぽい、短気、あるいは敏感
▼アタッチメントパターンとその後
Bタイプがもっとも誤信課題の通過率上昇が早くなる。
反応性愛着障害や人格障害はDタイプが多い。