特定の個人(養育者)との近接関係を求め、それを維持しようとする行動システムのことである。
乳児が飢えや渇き、体温調節、探索時のリスク等を回避し、生存するために、養育者から危機への対応を引きだす行動調整のシステムである。
くっついていると(attachしていると)乳児は己の危機に対応してもらいやすいため行われる。
初期のアタッチメントは「無条件で助けてくれる」ことが前提となる。
アタッチメントにより内的作業モデル(他者との関係性に関するモデル)が形成される。
アタッチメントは通常、以下のように発達する。
・前アタッチメント(~2,3カ月)
→人物の選別はまだ行われない。人が発する刺激に対して注視する。
・アタッチメント形成(2,3カ月~6カ月)
→3,4カ月で社会的微笑が見られる。子どもが笑うと母親も笑うという「快の情動共有」が行われる。
すなわち、第一次相互主観的経験がなされる。
・明確なアタッチメント(6カ月~2,3歳)
→6,7カ月より人見知りや分離不安が見られる。特定の人物への接近維持が見られるようになる。
10か月より養育者を「安全基地」とし、自ら探索に出かけるようになる。
不安や不快になると安全基地となる養育者を求める。
・目標修正的協調関係(2,3歳~)
→内的作業モデルがほぼ完成されるようになる。
安全基地の機能は維持したまま、養育者の行動を予測して自身の行動の目標を修正するようになる。
アタッチメントが成立していると、この頃よりしつけが始まるようになる。
▼アタッチメントの機能
・アタッチメントが安定しているほど、自律的行動へ移行しやすい(自分から行動しやすい)
・アタッチメントは回復システムとして機能しており、アタッチメントが安定しているほどPTSDになりにくい。
▼アタッチメントの個人差
アタッチメントには個人差がある→ストレンジ・シチュエーション