▼診断基準
・教育界での定義(文部科学省より)
①基本的には全般的な知的発達に遅れはない(=IQ70~75以上、通常学級在籍)
②聞く、話す、読む、書く、計算する又は推論する能力のうち特定のものの習得と使用に著しい困難を示す
③中枢神経系に何らかの機能障害があると推定される
(=視覚障害、聴覚障害、知的障害、情緒障害などの障害や、環境的な要因が直接の原因となるものではない)
・医学的診断基準……領域により障害名が異なる
○発達性読み書き障害(Developmental Dyslexia):読み、書きに関する障害
DSM-Ⅳ-TRでは読字障害(Reading Disorder)と書字表出障害(Disorder of Written Expression)に分かれる
○特異的言語発達障害(SLI:Specific Language Impairment):聞く、話すに関する障害
DSM-Ⅳ-TRでは表出性言語障害(Expression Language Disorder)と
受容ー表出混合性言語障害(Mixed Reseptive-Expressive Language Disorder)に分かれる
○算数障害(Mathematics Disorder):計算する、推論するに関する障害
※他の障害(特にAD/HD、PDD)と合併する場合もある
※聞く・話す・読む・書くに困難さがある場合、国語以外の科目へも影響する
▼原因、メカニズム
脳の器質的、機能的障害によるものと想定されているが、中枢神経系のどの部分か、どのような問題があるかについては未解明
・発達性読み書き障害(Developmental Dyslexia)……遺伝的要因が強い
読み障害:音韻情報処理問題、聴覚―音声系の問題、視覚系の問題
書字障害:音韻情報処理問題、視覚系の問題、視覚ー運動系の問題
原因によって支援、指導法が異なるため区別が重要である
▼出現率
言語によって出現率に差が生じる
英語圏:人口の10~12%
日本:ひらがな音読1%、ひらがな書字3.5%、漢字音読5~6%、漢字書字8%