マルチェロ&キャスター(鬼人正邪) ◆vE7Jb4ucI6
人もまばらな深夜の市街地。
スーツを着た背の高い男と、修道服に身を包んだ少女が歩いていた。
二人共、幾つもの紙袋やビニール袋を両腕にぶら下げていた。
「なー、マスタぁー。なんで妖怪の私が聖職者のカッコなんかしなきゃなんないんだよー」
修道服の少女、キャスターのサーヴァントである鬼人正邪はいかにも不快といった様子である。
「……私がこの街で生活していることになっている所には、女物の衣服はそれしかなかったのだ。
あの妙ちくりんなデザインの服でこの街中を出歩くわけにはいかんだろう」
「けどよー。なんかこの服、ジンマシンがでるぜ」
正邪はしきりに胸の辺りをつまんでパタパタしたり、腕や脚を掻いたりしている。
天邪鬼(アマノジャク)の妖怪……魔の物に属する彼女に修道服は少々肌に合わないようだ。
そんな彼女が頭を掻こうと黒いベールをずらし、彼女の頭に生えた小さなツノが露わになろうとした所で
スーツの男・マルチェロが少女の頭を押さえ、止めにかかった。
「まったく……家に着くまで我慢しろ。
新しい衣服なら今買ったところだろう、キャスター」
「へいへい」
マルチェロの言葉に、気のない返事を返す正邪。
だが両腕にぶら下げた紙袋の中身を見て、正邪はすぐに機嫌を直した。
紙袋の中には、何着もの帽子や女物の衣服が詰め込まれている。
この街で購入した正邪のための衣服だ。
人ならざる妖怪である正邪の頭には、一対の小さなツノが生えており、
人ならざる妖怪であることをアピールして生きてきた正邪の衣服のデザインは、現代日本では少々前衛的すぎる。
霊体化せずに街中を行動するには、悪目立ちしない『普通の服装』が必要だった。
(…………♪)
……という実用上の理由ではあるが、キャスターはこれらを着てみるのが少し楽しみだった。
袋の中を覗き、実際に着てみた時の自分の姿を想像してニヤニヤと笑顔を浮かべている。
量販店で買った安物だが、なかなか可愛らしいデザインの服がバリエーション豊かに揃っていた。
破れたり汚れたりするかもしれないなどと理由をつけて、多めに買わせてしまった。
……妖怪といえど、『少女』であるがゆえの本能からは逃れられない、ということか。
その時、閑散とした道路の向こうから、バイクのエンジン音が響いてくるのに気付いた。
ヘッドライトの光が二人を照らし、そのままキャスターたちの脇を猛スピードで通り過ぎていった。
キャスターの傍の標識、『40』という数字を明らかに無視したスピードだ。
おまけにバイクに跨った二人組はヘルメットを被っていなかった。
被っていなかったためか、『気付いて』しまった。
彼らも、このゲームの参加者だ。
マスターが『念話』で声を掛けてきた。
『キャスター……今の二人、気付いたか?』
『ああ……マスター。クラスと能力値は読み取れたか?』
『クラスは、セイバー。能力は……キャスターのお前じゃ逆立ちしても勝てん』
『向こうにもこっちを気づかれたかも知れない』
『どうだかな。……ところでキャスター、あのセイバーの知り合いか?』
『知らないな。確かに髪型はちょっと似てたけどさ』
そう言ってキャスターは自分の前髪の、一房だけ赤い部分に触れる。
あのバイクを運転した少女……セイバーのサーヴァントも、
同じように前髪の一部分だけが赤かった。
奇妙な偶然に感じたが、それだけだ。特に親近感を覚えたりはしない。
「キャスター、行くぞ。いずれは奴らも倒さねばならん』」
「ああ、帰って作戦を練らないとな。
……あれ? 家ってどっちだっけ」
「こっちだ。……確か『天樹教会』とかいう名だったか。
私はここに住み込みで勤める神父……ということになっている』
【クラス】キャスター
【真名】鬼人 正邪 (キジン セイジャ)
【出典】東方project(東方輝針城、弾幕アマノジャク)
【性別】女性
【パラメーター】
筋力E 耐久C- 敏捷C 魔力A 幸運E 宝具A-
【属性】
混沌・悪
【クラススキル】
道具作成:C
『ひらり布』、『呪いのデコイ人形』などのマジックアイテムを作成可能。
作成できるのはキャスターが生前、幻想郷中の人妖から追い回されていた際に使用した物に限る。
その経緯から、生成できる道具は防御・回避に関係するものが多い。
陣地作成:A-
宝具『輝針城』による陣地作成が可能だが、
追手から逃げ回る根なし草だった彼女はあまり陣地作成を行わない。
【保有スキル】
妖怪:C
キャスターが人ならざる者、『妖怪』であることそのものがスキル化したもの。
『妖怪は人間より肉体が頑丈であり、五体がバラバラになる様なことがあっても、すぐに治癒する』
という謂われから、キャスターとしては高い耐久(Cランク相当)を有している。
一方で、『妖怪』『悪魔』『魔物』などに対して有効な攻撃からは、通常より大きなダメージを受ける他、
人とは異質の独特の気配を発するために、妖怪退治の専門家などには存在がバレやすくなる。
矢避けの加護:C
飛び道具に対する防御スキル。キャスターのもつそれは後天的に身につけたテクニックである。
生前、数多くの不可能弾幕をくぐり抜けて生き残ってきたキャスターの弾幕回避技術。
目視可能な飛び道具なら瞬時に回避方法を見出して、実行することが可能。
仕切り直し:C
戦闘の場を一旦離れ、アイテムを換装して出直すことが可能。
飛行:D
魔力を消費して空中戦闘が可能。
飛行速度はあまり速くないが、燃費は良好で、小回りが利く。
単独行動:E
マスター不在・魔力供給なしでも長時間現界していられる能力。
Eランクはマスターに内密で勝手に行動するに留まる。
【宝具】
『何でもひっくり返す程度の能力』
ランク:C 種別:対人宝具 レンジ:1~20 最大補足:10
キャスターが『妖怪・天邪鬼』として持つ能力が宝具と化したもの。
対象範囲内の『何か』を逆転させる。
逆転可能なのは、移動方向、位置関係、左右の認識、重力など、多岐に渡る。
物理法則など、影響の大きいものを逆転させようとすると大きな魔力を必要とする。
『輝針城』
ランク:A- 種別:対城宝具 レンジ:100 最大補足:500人
空に逆さまに浮かぶ和風の城。
ただでさえ空中に浮いている上、魔力が潤沢ならば周囲に嵐を巻き起こすことさえ可能。
おまけに内部では魔力弾を放つ妖精たちが自然発生するため、攻略は非常に困難。
ただし、設備から何からがすべて上下逆転しているため、居住性は劣悪。
起動には尋常でない量の魔力が必要である。
マスターであるマルチェロは高い魔力を有するが、
それでも個人レベルの魔力で輝針城を出現させるのはまず不可能と考えて良い。
【weapon】
魔力の弾丸を連射する攻撃。
魔力消費が小さく速射性が高い一方、一発の威力は小さい。
対魔力の高い相手にはダメージを与えられないだろう。
魔力の弾幕を『技』としてパターン化したもの。
発動の際は、スペルカード宣言を行う必要がある。
上述の宝具『何でもひっくり返す程度の能力』と組み合わせた攻撃パターンの他、
欺符「逆針撃」など、純粋に弾幕だけを用いたパターンの攻撃もある。
上述の道具作成スキルで作成したマジックアイテムを使いこなす。
以下に主なアイテムと、その効果を記す。
ひらり布:僅かな時間だけ身を隠し、攻撃をやり過ごす。
呪いのデコイ人形:一定時間使用者の身代わりとなって、攻撃を引きつける。
打ち出の小槌(レプリカ):かの有名な『打ち出の小槌』のレプリカ。
魔力を帯びた一撃を目の前に見舞う、数少ない攻撃用アイテム。
他にも、数々の反則アイテムが存在する。
熟練度によって効果が増す、
メインとしての効果の他にサブアイテムとしての効果も有する、
などといった細かい部分は、のちの書き手さんにお任せします。
【人物背景】
妖怪、天邪鬼(アマノジャク)の少女。
実力ある者が支配する土地である幻想郷をひっくり返すため、
小人族の末裔・少名針妙丸(スクナシンミョウマル)をそそのかして異変を巻き起こした。
早い話が『東方輝針城』原作の黒幕である。
その行動はまさに外道にして下衆。
ゲスなロリっ娘、略してゲスロリ。
次回作『弾幕アマノジャク』では案の定、幻想郷中の人妖から追い回されることになる。
生死不問、ルール無用の不可能弾幕を、数々の反則アイテムを駆使して潜り抜けてきた。
性格は、人が嫌がる事を好む、人の命令は絶対に聞かない、嫌われると喜ぶ……
というあまのじゃくそのものだが、原作中では割とまともに会話を成立させているし、
サーヴァントが人の命令は絶対に聞かない……ではちょっと困ったことになる。
書き手のさじ加減次第だろう。
【サーヴァントとしての願い】
既存の仕組みがひっくり返る様を見たい。
【基本戦術、方針、運用法】
キャスターの直接戦闘は避けるべき。
マスターはとても強いが、それでも三騎士やバーサーカー相手には分が悪い。
最初は目立たないようにしながら戦闘向きのサーヴァントと手を組んで、
ライバルを減らしていく方針でいこう。
【マスター】マルチェロ
【出典】ドラゴンクエスト8
【性別】男性
【参加方法】
神鳥の杖に封じられた暗黒神の呪縛を自力で打ち破った直後。
サイレンカードをいつの間にか入手していた。
【マスターとしての願い】
血縁や生まれによって人の地位が定められる社会を破壊し、
実力あるものが覇権を握る社会を創ること。
当然、自分がその頂点に立つつもりでいる。
【weapon】
マルチェロが腰に差している細剣。
造りは上質だが、特殊な効果はない。
聖堂騎士団長の証である指輪。
装備者の攻撃力と素早さを少しだけ強化する。
(二次二次聖杯戦争での設定)
神の加護が装備者に僅かながらの『神秘』を付与し、
素手や手足に付けた武器での直接攻撃で、サーヴァントにダメージを与えられるようになる。
銃や弓矢などでの攻撃に神秘を付与することはできない。
『暗黒神ラプソーン』の魂が封じられた杖。
暗黒神の魂が手にした者を問答無用で操り、暗黒神復活のための操り人形とする。
本来ならしかるべき場所に封印されるべき代物である。
(二次二次聖杯戦争での設定)
この世界に呼び出された本品にラプソーンの魂は込められていない。
頑丈で、魔力の媒介としやすいだけのただの杖と考えて良い。
【能力・技能】
主に、レイピアなどのような細剣を用いる。
若くして聖堂騎士団長を務め、政敵さえも認める彼の腕前は超一流の域に達していると言って良い。
原作で素早さと回避率が高めに設定されているマルチェロは、
スピードを重視した戦いを得意とする様だ。
上述の『聖堂騎士団長の指輪』の効果もあって、直接戦闘を得意としないサーヴァントになら遅れはとらないだろう。
【能力・技能】
剣術の他にも、マルチェロは優れた魔術・体術を持つ。
以下に述べるのは、聖地ゴルドでマルチェロがククールたち一行と戦闘した際のもの。
メラゾーマ:大型の火炎弾を敵単体にぶつける、炎の呪文。
ベホイミ:味方一人の傷を中程度癒やす、回復呪文。
かまいたち:敵単体に向けて、風の刃を飛ばす体術。少量の魔力を消費することから、魔術の一種ともいえる。
威力は使い手の技量(レベル)に依存する。彼が右手パッチンで放つそれは上級呪文に匹敵する。
凍てつく波動:魔術による効果を無効化するオーラを放つ。
原作ではどれだけ強化を重ねても一発で無効化するが……。
この聖杯戦争でどの程度の魔術を無効化できるかは、後の書き手さんにお任せします。
グランドクロス:聖なる真空の刃で敵グループを討つ、マルチェロ最大の攻撃。
不死者など、聖なる力を苦手とする対象には追加ダメージがある。
その他、メラ系やホイミ系の下位呪文などの習得の有無は、後の書き手さんにお任せします。
神鳥の杖に宿った暗黒神の支配を自力で振り払うほどの精神力を持つ。
半端な精神干渉は彼に通用しない。
【人物背景】
マルチェロはマイエラ地方の領主とメイドの間に生を受けた。
だがその後領主が本妻との間にククールをもうけると、マルチェロは母と共に屋敷を追い出されてしまう。
母を亡くした後はマイエラ修道院に引き取られる。
養父・オディロの元、不遇に負けず心優しい青年として育ったマルチェロは、
両親を喪ったククールがマイエラ修道院に引き取られた際も最初は優しく接する。
だがククールの素性を知るや態度を一変。
母と自分の居場所を奪った原因であるククールを逆恨みし、厳しい態度を取り続ける。
こうして彼は、「二階からイヤミ」「どこでもイヤミ」と評される歪んだ性格に育ってしまった。
聖堂騎士団に入団後は、高い実力に加えて収賄・弾圧など、手段を選ばずにのし上がってゆき、
マイエラ修道院長・聖堂騎士団長・法皇の警護役を兼任する。
さらに最終的には法皇をも謀殺し、何食わぬ顔で次の法皇に就任するまでになる。
彼をそこまで突き動かしたのは何だったのか。
聖地ゴルドでの法皇就任演説の内容から察するに、
彼の人生を翻弄し続けてきた
「血縁や生まれによって成り立つ社会の仕組み」
を破壊したかったのだと推測できる。
【方針】
優勝を狙うが、最初は潜伏し、情報集めや手を組む相手を探す。
最終更新:2015年01月25日 20:57