『僕と協力して同盟相手になって欲しいんだ』◆lb.YEGOV..




朝。
本来ならば穏やかな1日を告げるはずのこの時間は、家が倒壊する轟音によって始まりを迎えた。
なんだなんだと野次馬が轟音のした方角、間桐邸へと目を、あるいは足を向ける中、遠ざかる影が1つあった。

(どうしよう……)

不意のサーヴァントの襲撃とそれによる住宅の崩壊は、人々の視線と興味を集めるのに充分すぎる。
あまつさえ、別のマスターがこの騒ぎを察知したのであれば、なんらかの戦闘が起こったものとして調査に出ることもありえる。
騒動の当事者の一人である鹿目まどかは、早々にライダーを霊体化させて現場からの逃亡を決定した。
人影が少なくなってきたところで、まどかはようやく安堵のため息をつくと共にこれからの行動を考える。
つまるところ、学校へ行くか行かないかだ。
学校にいるかも知れない別のマスターとの遭遇、それが当初彼女が学校へ向かう事への懸念材料だった。
だが、今は新たな懸念材料が出来た。
それは、先ほど遭遇戦を繰り広げたバーサーカーが学校へ襲撃を仕掛ける可能性だ。
バーサーカーのマスターに自分の姿が見られたか確証はない。
だが、もし自身の姿が、アッシュフォード学園の制服を着ている姿が見られていたのであれば。
白昼堂々攻撃を仕掛けてきたバーサーカーのマスターが、学園への襲撃を躊躇う理由があるだろうか。
NPCとはいえ、無関係な大多数の人間へ被害が及ぶ可能性が、まどかの足を鈍らせる。
自身へ疑惑の目が向けられる可能性と、他者を巻き込む罪悪感が秤にかけられ揺れ続ける
だからこそ、彼女は曲がり角からやってきた自転車に気付くのが一瞬遅れてしまった。

「「危ねえ(ない)っ!」」

2つの声が響くと同時にまどかは強い力で後ろに引き寄せられた。
そのすぐ横で自転車のけたたましいブレーキ音が響く。

耳をつんざく音と急に背後から引っ張られ、おもわず目をつぶってしまったまどかが、うっすらと目を開く。
彼女の視界に映ったのは、青い制服に身を包んだ男性、警察官だった。

「おい、よそ見すんなよ、あぶねえな」

後ろからライダーの声が響く。
肩に置かれた手の感触から、ライダーが自身を助けてくれたのだと理解する。

「そこの彼の言う通りだな、曲がり角では注意しないと」
「あ、ご、ごめんなさい! ちょっと考え事をしてて……」

警察官に注意され、慌ててまどかは頭を下げる。
パトロールの最中だったのだろうか、警察官は乗っていた自転車から降り、しげしげと二人を見つめる。
どこか、値踏みするような油断のない視線にまどかは言い知れない不安を感じた。

「あの、私達に何か?」
「ん、ああ、すまない。実はこの先で家屋の倒壊騒ぎがあってね、そちらに向かっている最中だったんだが……」

家屋の倒壊騒ぎと聞いて、巻き込まれたとはいえ当事者であるまどかの心臓が跳ね上がる。
知らぬ存ぜぬで通すべきかと頭を回転させるまどかだが、ふと、警察官が自身ではなく、彼女の背後へと視線を向けている事に気付く。
そこで、彼女は気付く。
警察官の自転車と衝突しなくてすんだのは、ライダーが後ろから引っ張ってくれたからだ。
自分を引っ張ったということは、実体化して触れていなければならない。
つまり、家屋に吹き飛ばされた微かな擦り傷や汚れた服をそのままに、実体化したライダーは警察官にその姿を見られているという訳である。
サッとまどかの顔から血の気が引いていく。怪しまれる事は明白だ。

「後ろの君は見たところ少し怪我をしているようだが……」
「おう、そこの家で白髪が急に襲ってきたんだ。負けてはねーけどな」
「ふぇ!?」

どう言い繕うべきかを考えていたまどかをよそに、ライダーがあっけらかんと『そこで一戦やらかしてきた』と警察官に告げた。
ビキッ、という音が聞こえそうな程にまどかの顔面がひきつり、硬直する。
あまりにも予想外すぎる事態に思考が完全に停止した。

「すすすす、すいません!この人冗談ばっかり言う人なので……」
「俺は冗談なんか言ってねーぞ、今度こそあの白髪をぶっ飛ばすってお前にも言ったじゃねーか」
(ふあぁぁぁぁぁぁ!?)

まどかの必死のフォローも、ライダーの言動が悉く封殺する。
心の中で絶叫をあげるまどかに、次の手を考える精神的な余裕はなくなっていた。

「……それが本当ならば、君達には詳しく事情を聞かなければならないな」
「ん? そりゃ駄目だ。こいつ今から学校とかいうところに行かなきゃならねーらしいから」

警戒心を露にする警察官の態度もどこふく風といった調子でライダーが警察官と話し始める。
ここでライダーを止めても怪しまれる。
かといって逃げれば警察と言う大組織に怪しまれる。
一瞬の内に状況はまどかの処理能力では対処しきれないレベルに跳ね上がってしまった。
血の気が引いて真っ青になったまどかを警察官は一瞥し、溜め息をついた。

「随分と破天荒なサーヴァントを持って君も大変なようだな」

警察官から発せられた言葉にまどかは先程までとは別の理由で硬直する事になった。
サーヴァント。
NPCであれば決して口にする筈のない単語。
その単語を口にし、あまつさえライダーをサーヴァントだと認識しているのであれば、導きだされる結論は1つ。

「なんだ、お前マスターなのか」
「ああ、生憎と君が倒そうとしている白髪のサーヴァントとやらのマスターではないけどね」

ライダーの問いに、事も無げに答えた警察官。
いや、アーチャーのマスターであるタダノ・ヒトナリは、視線をライダーから、緊張した表情を浮かべているまどかへと向けた。

「君達を襲った白髪のサーヴァントについて話を聞きたい。了承してくれるのであれば、学校側には事故に巻き込まれてやむを得ず欠席したという旨で便宜をとりはかろう。学校で今のような状況に陥るリスクは取り除けるだろうし、悪い提案ではないと思うけど、どうかな?」

一言一言、落ち着かせるようにタダノは目線を合わせてまどかへと語りかける。
結論を急がず、恫喝する事もなく、ただ彼女が落ち着くのを待つように、じっと二つの瞳がまどかを見つめる。

「理由は……」
「ん?」
「理由はなんですか? なんで敵の私にそんな風に尋ねるんですか」

キッと、まどかの瞳がタダノを見返す。
逃げた所で状況が好転する訳でもない。まどかは覚悟を決めていた。

「君を襲ったサーヴァントを僕はできるだけ優先的に排除したい。だからそのサーヴァントの力を知っている君と手を組みたい」

単純でわかりやすいだろう?と、タダノは続ける。

「白昼堂々、周りの被害を気にせずに戦闘を仕掛けるなんてのは、暴れたいだけの危険人物か、既に後のない人間のどちらかだ。そして、そういう人間は何をしでかすかわからない。だから今の内に倒せる準備はしておきたいのさ」
「おい、さっきも言ったけど、白髪は俺が倒すんだぞ」
「もちろん、そちらのサーヴァントの意見は尊重しよう。君が決着を望むというなら、情報収集に横やりの防止、幸いにも僕のサーヴァントはその辺りは万能に動けるからね」

沈黙。
タダノの提案理由自体はまどか自身も理解できるものではあった。
だが、信用をできるかと言えば話は変わる。

「僕は強制も強要もしない。君が断るというのであれば、まあ仕方は無い。『白昼堂々暴れる白髪の危険なサーヴァントがいる』という情報だけでもそれなりのアドバンテージにはなる。別の同盟相手を探すさ」

一通り話を終えた上で、改めてタダノはまどかを見据える。
その視線は言外にまどかに対して「さあ、どうする?」と語っていた。
乗るか、蹴るか。
与えられた選択に対してまどかは——

【C-4 早朝】

【鹿目まどか@魔法少女まどか☆マギカ】
[状態]健康、腹八分目
[装備]なし
[道具]なし
[思考・状況]
基本行動方針:叶えたい願いはあるが人を殺したくないし死にたくもない。
1.聖杯戦争への恐怖。
2.学校へ行く・・・?
3.警察官の提案に対して……
[備考]
※バーサーカー(一方通行)の姿を確認しました。
※ポケットに学生証が入っています。
表に学校名、クラス裏にこの場での住所が書かれています。
※どこに家があるかは後続の方に任せます。
※登校するかは思案中です。
しかし今は少し登校する側に傾いています。

【モンキー・D・ルフィ@ONE PIECE】
[状態]健康、腹二分目
[装備]なし
[道具]なし
[思考・状況]
基本行動方針:まどかを守る。
1.バーサーカー(一方通行)に次会ったらぶっ飛ばす。
2.バーサーカーに攻撃がどうやったら通るか考える。
3.目の前のマスターに対してはまどかの指示に従う
4.肉食いたい。
[備考]
※バーサーカー(一方通行)と交戦しました。
攻撃が跳ね返されているのは理解しましたがそれ以外のことはわかっていません。

【タダノ ヒトナリ@真・女神転生 STRANGE JOURNEY】
[状態]健康
[装備]なし
[道具]なし
[思考・状況]
基本行動方針:聖杯戦争に勝利する
1.白髪のサーヴァント(一方通行)を早期に対処したい。
2.目の前の少女(まどか)に協力を持ちかける。
3.協力が断られたら、職務として間桐邸に向かう。職務終了後に他の同盟相手を探す

[備考]
※ 警察官の役割が割り振られています



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