タダノヒトナリ&アーチャー ◆lb.YEGOV..




ぎしり、ぎしり、と隣の部屋からベッドの軋む音が響く。
甘ったるい嬌声と獣の様な男の声をBGMに、僕は煙草を燻らせる。
きっとNPCの彼は人間の女が相手では決して味わえない快感を味わっている事だろう。
たとえ、その先に待っているのが己の死だとしても、もう彼は止まらない。
そうやって死んだ人間はあの地獄でいやという程見てきた。

一際大きな嬌声と共に隣室から一切の音が消えた。おそらくは終わったのだろう。
ギィ、と扉が開く音と共に僕のサーヴァント、アーチャーが姿を現した。
横目に見た乱雑に散らかった室内には彼女の姿しかいない。
つまるところ、彼女の『食事』は終了したという事だ。

「随分と不服そうだね」
「当たり前よ」

デニムのパンツにワイシャツという酷く扇情的な格好をしたアーチャーは、如何にも物足りないといった表情で向かいの椅子へと座り込む。
眉根を歪めた姿まで、美しく感じるというのは、男を誘い文字通り食い物にする彼女たちサキュバスの生まれ持った特性だ。
あのミッションで時に仲魔として、時に敵性存在として彼女の同種と関わりあった経験がなければ、おそらくは僕も彼女の魅力に溺れきっていただろう。

「やっぱり、NPCは駄目ね。魔力自体は補給できるけど、魂が美味しくないのよ」

所詮は養殖ものねとアーチャーが毒づく。
そんなものかと尋ねるとそんなものよと返しながらアーチャーが気だるげに伸びをする。
それを横目にしながら、ゆっくりと紫煙を吐き出す。
魅了されて部屋へと連れ込まれ、彼女に食われた青年が脳裏に浮かぶ。
魂を持たない、プログラム通りの行動しか起こせないデータ状の存在とはいえ、なんの罪もない人間を戦争に勝つために犠牲にしたというのに、僕の心に後悔の念は湧いて来なかった。
自分達の明日を勝ち取る為に誰かを殺す事など、既に慣れっこになってしまっていた。

ゴア隊長は僕達に全てを託して消えていった。
そして、人が人として生きる明日を守る為に、立ち塞がる者は全て殺した。
僕達の仲間を何人も殺したジャック部隊も、
悪魔との合体を果たし原初の世界を作ろうとしたヒメネスも、
天使へと変貌を遂げ法と秩序に管理された世界を作ろうとしたゼレーニンも、
そして彼らの思想に迎合し離れていったかつての仲間達も、
神の使途も、悪魔の化身も、人のエゴも、全て淘汰して得た明日は眩しかった。
そして、それと共にその眩しさを分かち合う筈だった戦友達が傍らにいなかった事が、酷く寂しかった。

もう一度、彼らと共に歩めたら。
意見がぶつかる事もあった。
極限状態での喧嘩なんて茶飯事だった。
それでも、互いに力を合わせて壁を乗り越え、笑いあったあの日々は、決して嘘偽りなんかじゃなかった。
かつての記憶が脳裏を駆け巡る。
不意に、甘い匂いが鼻をくすぐった。

「何をしている?」
「あら、つれないわね」

咄嗟に傍らの銃を、テーブルの上に四つん這いになりながら、今にも唇を重ねようとしていたアーチャーへと向ける。
見つめられただけで、並の男であれば心を奪われそうな蟲惑的な瞳と視線が合う。
クスリ、とアーチャーが悪戯っぽく微笑む。

「折角食べるのなら美味しい物を食べたいと思うのは当然でしょ」
「それが僕だと?」
「良質な天然ものですもの」

銃口が額を指しているというのに、さして気にも留めず艶めかしい笑顔を浮かべたままのアーチャー。
彼女の陶磁器の様に滑らかで白い指が僕の喉元を這う。
ゾクリとした怖気が走り、嫌な汗が背中を流れる。

サーヴァントには神秘の通わぬ攻撃は効かない。
僕と共にこの戦争に呼び出されデモニカスーツと装備一式ならば、悪魔達を殺す事はできる。
だが、同じ悪魔とはいえ、こちらの攻撃が彼女に通用するかと言えば、自身はない。
おまけにこのスーツや装備はかつてのミッション終了と共に初期化され、最低限の装備しかない。
これで、眼前の魔王を倒せるかと言えば否だ。仮に倒したとしてもそうすればサーヴァントを失った僕は消える身だ。
だからといって、なすがままにされる必要はない。
抵抗の意志。それだけは彼女に向けて見せつけてやらねばならない

「本当に、堅い人」

睨み合いに折れたのは彼女だった。
肩をすくめてテーブルから降りる。
本懐は遂げられなかったとはいえ、僕とのやりとりはそれなりに彼女にとってはいい刺激になったのだろう。
こころなしか、さっきよりも表情が活き活きしていた。

「当分はマズいご飯でも我慢してあげるけど、私って我慢は得意じゃないわ。そこのところは――」
「ああ、わかっているよ」

どちらにしろ、ここから先は僕と同じ様に願いを叶える為に人を殺す事を選んだ人間達との殺し合いだ。
だからこそ容赦はしない。

「敵対的な相手であれば、容赦なく食べてしまっていい。戦争はもう始まっているんだ、近い内に沢山の『天然もの』とやらにも会えるだろうさ」

懐かしきセピア色の思い出を取り戻す為に。
僕はまた、スーツを纏う。

『クラス』アーチャー
『真名』モリガン・アーンスランド@ヴァンパイアシリーズ
『パラメーター』

筋力:C 敏捷:B 耐久:D 魔力:A 幸運:B 宝具:A

『属性』
 混沌・悪 

『クラススキル』
対魔力:C
第二節以下の詠唱による魔術を無効化する。
大魔術、儀礼呪法など大掛かりな魔術は防げない。

単独行動:B
マスターからの魔力供給を断ってもしばらくは自立できる能力。
ランクBならば、マスターを失っても二日間現界可能。

『保有スキル』

飛行:A
飛行能力。
魔力を消費せずに自力で自由自在に飛行が可能

魅了:C
男を性欲の虜にする夢魔としての本領。
アーチャーと対峙した異性は、彼女に対し強烈な性欲を抱く。
対象の精神状態によっては無効化可能、また、同ランク以下の精神耐性に類するスキルがあれば完全に無効化できる。

サキュバス:A
精神的或は肉体的刺激が生命に直結する淫魔の種族特性。
長時間刺激が得られなければ生命力が著しく減衰し、2日間その状態が持続した場合アーチャーは死亡する。

精気吸収:C
性行為、あるいはキスによって相手の生命力・魔力を吸収する事が可能。
この効果はアーチャーの魅了の影響下にあるか、または行動不能の状況になっていなければ発動できない。

使い魔:D
使い魔として小型の蝙蝠を使役できる。戦闘能力はないが斥候などに利用可能

『宝具』

闇より出し幻影の半身(アストラルヴィジョン)
ランク:B 種別:対人宝具 レンジ:1 最大補足:1人
対象を挟み込む様にして自身の分身を召喚し、同時攻撃を行なう。
分身が出現している最中は常時魔力を消費する。

月夜埋め尽くす蝙蝠の弾丸(フィニッシングシャワー)
ランク:B 種別:対軍宝具 レンジ:1~50 最大補足100人
アーチャーの羽から無数の弾丸を形成し対象目掛けて斉射を行なう。この効果は『闇より出し幻影の半身』中にも使用可能だが、その場合魔力の消費が倍となる。

闇夜穿つ魂の奔流(ソウルイレイザー)
ランク:A 種別:対軍宝具 レンジ:2~99 最大補足300人
自身の羽をレーザーキャノンに、使い魔の蝙蝠を小型オプションへと変化させ、魔力を一斉に照射する。この宝具は『闇より出し幻影の半身』中には使用できない

『wepon』
蝙蝠を模したスーツ
アーチャーの意志によって自由自在にその姿を変えるセクシーなスーツ。
羽部分を刃に変形できたりができる。
詳しい技の数々についてはttp://www30.atwiki.jp/niconicomugen/pages/765.htmlを参照の事

『人物背景』
魔界の三大貴族アーンスランド家の当主であるサキュバス、だが本人の当主という自覚は一切無く、刺激を求めて人間界に足しげく通っている。快楽的・刹那的・楽天的な性格で基本的に『自分が楽しめればそれでいい』が彼女の行動スタンスである。

『サーヴァントの願い』
このイベントを楽しむ、タダノを自分の虜にする

『基本戦術、方針、運用法』
広範囲を攻撃できる『月夜埋め尽くす蝙蝠の弾丸』『闇夜穿つ魂の奔流』に加え、奇襲も可能な『闇より出し幻影の半身』と宝具が充実している反面、消費も激しく、魂食いなどでの魔力貯蔵と補給は必至。また、魅了の効果が決まれば精気吸収によって魔力を補給しながら対象を一方的に搾り殺せるので、可能であれば狙って行きたい。閉所に1人で閉じ込められると急速に生命力が失われて行くので分断・隔離されないように気をつけよう。

【マスター】
タダノ・ヒトナリ@真・女神転生 STRANGE JOURNEY

【参加時期】
原作トゥルーエンド後

【マスターとしての願い】
敵対した皆と共に歩んで行ける世界を作る。

【weapon】
資材班試作ナイフ
起動班標準マシンガン
 自身の魔力を消費して火炎の属性を纏った銃弾を発射可能。
デモニカスーツ:タクティカルベスト
アプリ:エネミーアピアランス
 デモニカスーツ内蔵アプリ。気配遮断等、姿を隠すスキルを持っていない相手が接近した場合、自動的に接近を感知する。

【能力・技能】
軍人としての一通りのサバイバル技術

【人物背景】
南極に現れた謎の空間シュバルツバースの調査に参加したエリート兵士。
寡黙でもの静か。シュバルツバースに呑み込まれ、悪魔達や神々の思惑に翻弄されながらも、彼を信じてついて来てくれた隊員達とともに人々の明日を勝ち取った。

【方針】
話が分かりそうな相手に対しては交渉。
危険人物に対しては容赦なく攻撃を開始する。
また、魔力補充の為に定期的に魂喰いを行なう。







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