聖なる柱聳え立つとき◆A23CJmo9LE




白い六枚の翼をはためかせ、空を翔る男の姿があった。
翼だけでなく、服装も、さらにはその体までも無機質な白さに彩られた彼のことを見た人がいれば、まるで天使のようだと評するだろう。

「どこいきやがった一方通行ァーーーー!!!」

だがその獣のような雄叫びと表情を見た者がいれば、まさしく悪魔のようだと評するだろう。
バーサーク・アサシン、垣根帝督は自身の持つ暗殺者としての隠密性を完全に放り捨て、狂戦士としての獣性を露わにしていた。
彼は確信していた。
こうしていれば、間違いなく一方通行は自分のことを放っておかない筈だと。
食蜂操祈を放り捨て、浅羽直之も投げ出し、ただ翔るのみ。
視界に入る邪魔者は消し、ただ一方通行に勝利するためだけに、今の垣根帝督は在る。

そんな彼の視界に何かの影が映った。
魔力は籠められているが、気配でサーヴァントではないと分かる。
ギリ、ギリと古めかしい機械特有の音を立てて何かを守るように動く人形の群れ。
歯車のきしむ音が耳に届いたことで、学園都市の技術体系とは異なる機械兵器の類かと思考して。
小蠅を払うように、気まぐれにそれの破壊を決めた。

子供が積み上げたブロックを崩すように些細な所作と機微で次々と人形が破壊されていった。
金属の砕け散る音が響く。
そこへ新たにブン、と蟲の羽音が重なった。
翅刃虫と呼ばれる、牛骨すら嚙み砕く強靭な顎を持った化け物蟲が人形に混じって数匹垣根に襲い掛かる。

「人形遊びに蟲遊び。ガキみてえな真似しやがる。どこいってもそんなんばっかりか」

垣根もまたゴウ!と翼から轟音を発し、叩きつけて蟲も人形も諸共に一掃する。
追撃が止まったところで今度は周囲に目を走らせ、蟲と人形の出どころらしき男を視界に収めた。
翼をゆっくり動かし、その男の前に降り立つ。

「おま、え……サーヴァン、ト」

その人形と蟲に守られた男は、途切れ途切れに言葉を吐きだす。
男はフードを目深にかぶり、夜の闇もあってよく見えないが、体が不自由なことは見て取れる。
左半身が不自由らしく、戦闘による負傷かと思ったが骨折などの様子はなく、出血と言えば口から洩れる僅かなものだけ。
にも拘らず肌の色は不健康な土気色で、様子だけ見れば今にも死にそうな風貌だった。
その瀕死な有り様と、内側から直接臓腑を壊されたような吐血、感じられる魔力の性質から一つの結論を垣根は導き出した。

「お前、にわか仕立ての能力者だな。それが無理に魔術なんざ使ってこのザマってわけか」

垣根は魔術に聡いわけではないが、人形も蟲もどちらもオカルトの分野として世界中に散見するもので、その行使が魔術にあたるものだと推察するのは容易かった。
刻印虫を植え付け、半死半生となった間桐雁夜の有り様は、体晶による暴走によって能力を発動する命削りの能力者に似ていた。
そしてサーヴァントとなって感じ取るようになった魔力の性質、目の前の男の持つそれは、PSI粒子の影響を受けたうえで垣根の処置を受けた浅羽のものに似ていた。
つまりは垣根のように、能力開発に通じた者のニオイを感じる。
こいつは

「一方通行のマスターってことか、テメエ」

ただの三下であるなら放っておくつもりだった。今は何よりも一方通行を殺すために動くべきなのだから。
だがこの男を殺せばそれが一方通行の消滅に繋がるのならば。
妹達を殺すように、目の前の男も殺す。

殺意をたぎらせ、ゆっくりと嚙みしめるように翼を振り上げる。
あばよ、と最期にそれだけ言ってとどめを刺すつもりだった。
だがその未来は現実とはならない。
目の前に突如として立ちはだかる白い影、それに遅れて飛来音が後方から聞こえてくる。

一方通行。垣根帝督。
二つの白が再び向き合い、ぶつかる。
すでに攻撃態勢に入っていた垣根が先んじ、翼で魔術を奏でて雷を放つ。
雁夜ごとまとめて撃ち抜こうとした魔術の雷を、ベクトル操作で足元から集めた石の壁で一方通行が防ぐ。
雷の熱で空気が膨張し、その進行で壁が砕け、大爆発。
その爆風の勢いを利用して、雁夜を一方通行が吹き飛ばす。
垣根と一方通行はその場に踏みとどまり、にらみ合う。

そして今度は一方通行が風の刃を至近から放ち攻撃する。
垣根は同じように風の刃を放ち、それを迎撃する。
二方向から吹いた風は大半はぶつかり合うも、影響から逃れた一部が互いに損傷を与える。
垣根は左の腿が切り裂かれるが、すぐに未元物質でそれを治す。
一方通行は左腕にダメージを負い、そしてそれを癒すことはできない。

「な、バーサーカー!?そんな……」

その光景に間桐雁夜は言い難い衝撃を覚えた。
麦わら帽子のサーヴァントの様々な格闘技も、青い悪魔染みたサーヴァントの多彩な超常現象も、その大半を無力化していた己がサーヴァントの負傷は、彼にとって認めたくない現実だった。
そしてその光景と様子に垣根はほくそ笑む。
本来なら肉体的に強靭とは言い難い一方通行にダメージを与えるのに大魔術は不要と確認できたのが一つ。
そして僅かなダメージ…並の魔術師ならば治療できるであろうそれを放置する、技量の拙いマスターが一方通行の生命線であることがもう一つ。

「マスターを庇いながらの消耗戦。詰んだな、一方通行」

未元物質で形成した翼が唸る。
雷が雁夜へと跳び、そしてそれを一方通行が必死にいなす。
人形の多くは砕かれ、魔術使用の反作用で魔術回路を負傷した雁夜は戦場から離れるのも難しい。
近くに雁夜のいる状態では広範囲を一掃してしまう翼も行使は難しい。

冷徹に一手一手を進める棋士のように、垣根帝督の魔術が戦場を蹂躙していく。
宙に稲妻が駆け、地を焔が走り。
いずれ訪れるであろう垣根帝督の勝利を彩るように、高らかに知らしめるように夜空に戦火が反射していた。



◇  ◇  ◇



「……静かだな。いや、静かすぎるといってもいいほど人の気配が全くない」

未だに少し慣れないリムジンの運転に汗を流しながらヒトナリがぽつりと漏らす。

「ん?もう夜もいい時間だぜ。戦支度してる侍ならともかく、領下じゃあもう寝てもおかしくはないだろう」
「月明かりが頼りの時代はともかく、今や雷霆は人の手に落ちた時代だ。24時間人の動く時代でこれは違和感がある…いや、NPCはそう動くようにされているのか?」

夕刻からひたすら街には聖杯戦争の気配が満ちている。
人形蠢き、悪魔が飛び交い、巨人の暴れた戦場で呑気に眠ることなどできるのか。
悪魔を身近に置いた環境でセラピストにかかる仲間の姿を見ていたヒトナリにそれは理解しかねた。

「人払いをかけてるのかもしれないわね」
「やはりそう思うか、アーチャー。そろそろキャスターの勢力圏でもおかしくはない」
「まだ、鬼道や結界の影響下にはないと思うぞ。一応な」

ルキアの発言を受け、モリガンは状況を確実につかむために使い魔を先行させることも考えるが今一歩踏み出せない。
使い魔を放てば多少なりそちらに意識を裂くざるを得なくなる。
やはり先ほどまで争っていた相手に警戒を解き切ることはできず、僅かの意識を裂くのも惜しんでしまう。
タダノも恐らく同様の考えなのだろう、と提案はせずタダノの隣でただ意識を払うにとどめる。

……ひたすらに沈黙が車内を包む。
戦地特有の重い静寂。
そこへ彼方から雷鳴が鳴り響いた。

「運転席ではよく見えないが、雲はなかったと思ったが」
「ああ。薄気味悪いお月様がよーく見えてるぜ」
「かなり近いようだ。ここからの距離はもちろん、地表との距離も」
「あの軌道は自然のものじゃないわね。ふふっ、誰かお楽しみの最中かしら?」

車内の四人の注目が雷鳴の方角へと向けられる。
ルキアとヒトナリの眼にははっきりとは見えないが、慶次とモリガンの視界には雷以外にも不自然な塵旋風や焔も映っていた。

「これは短時間しかライダーと一緒にいなかった僕の拙い推察なので否定してくれても一向にかまわないのだが」

車の速度を気持ち落としながらそうヒトナリが前置きする。

「彼はあまり策を弄するタイプには見えなかった。単純な挟撃や、後ろや横に回り込むという発想をするかすら怪しい。
 もしキャスターの陣地に攻め込むとしても真っ向勝負を仕掛けると思えるほどに。その動きはスニーキングなど生易しい響きではなく、総力戦になると僕は考える」

あまりといえばあまりな評価だが、モリガンと慶次の二人は同意するように深くうなずく。

「人の話を噛み砕いて聞くタイプでもない。こちら側に走っていったのは事実だろうが、アーチャーの言うように海岸近くの温泉宿にたどり着けたかは微妙なところだ。
 あの雷走る戦場にライダーがいる、あるいは目指してくる可能性があると思うのだがどうだろう?」

目的地を改めないか、とヒトナリが提言する。
一分の理があるその発言に三人は少しだけ考えはじめ

「俺は賛成だな」

そして即座に慶次は返答した。

「兵は拙速を尊ぶ。あのライダーほどになるとさすがに一考しちまうが、まあそれはさておき。
 ぐだぐだ悩んでるとあの戦場に変化が起きちまうかもしれねえし、温泉宿の方が近いってことになったらそっちに行くざるを得なくなっちまう。
 あのキャスターの小娘がやってるとは思わねえが、人形を寄こしてきたとなると単騎じゃないみたいだしな。確実に何かが起きているところに向かった方がいい」

捲し立てるように言葉を慶次は連ねた。
少し思考したルキアだったが、彼女もそれに追従するという。
温泉宿にこだわるつもりも、さほど慶次に反対する理由もなく、相方に合わせたのが大きい。
慶次自身はというと、述べた理由ももちろんあるがアーチャーからの伝聞情報だけしかない場所を目的地にできるほどに気を許せはしないというのもある。
モリガンも相手を信用しない身、その内心を察しはする。
だが彼女もまた新たな戦場へと向かうことを承諾した。
キャスターの居所をそこと確かめ、最も温泉宿にこだわると思われたアーチャーが同意したことでリムジンはハンドルを切り雷鳴の方へと走り出す。

接近するほどに当然雷鳴は大きく耳に届き、だんだんと見えていなかった戦火の詳細がマスターの二人にも理解が進んでいく。
白い二つの飛行体の衝突だ。
サーヴァントでしか発せないその激しい戦闘に各々僅かに震えが起こる。
ヒトナリとルキアは必然沸き起こる畏敬の念から。
慶次とモリガンは武者震いを。
特にモリガンは期待通りの強者の気配に舌なめずりまでして高揚を露わにする。

そしてたどり着いたその戦場は、天使と悪魔のバーサーカーの衝突と同じく神域の決闘であった。
純白の狂戦士二騎、規格外の超能力の頂上決戦は一廉の戦士である四人にも慮外のもの。
武の達人である慶次にも、霊の天才であるルキアにも、悪魔の頂点を知るヒトナリとモリガンにも決して再現できないもの。

垣根が白い翼を振るわせるたびに雷、火、風、氷がすさまじい殺気と共に放たれる。
一方通行が腕を振るい、風の刃や石礫でそれを迎撃し、時に魔の手を振るって踊りかかる。
多彩な天使の魔術はもちろんのこと、未元物質に満ち、光も音も空気も何もかもベクトルを捻じ曲げられた空間はある種の異界と化している。
介入しがたいその戦場でサーヴァントたちは互いの気配を察する。
二人の狂戦士は新たに表れたニ騎のサーヴァントに僅かに殺気を向けるが、それだけで互いの殺し合いに邁進する。
邪魔さえなければ手出しはしないと。
対して乱入するような形になったニ騎は狂戦士以外のサーヴァントの気配がないことに少しだけ落胆する。
さてどうしたものか、と車内で揃って思考しようとすると

「……ああ、また会えましたね。本当に生きていたんだ、アーチャーさん」

響く声。新たな人物の登場。
強大な魔力。しかしサーヴァントではない。
四人の眼が一斉にそちらを向く。
もう一人の純白がそこに歩いて来ていた。

「君は、さっきのアーチャーのマスター……そうか、もうマンセマットに」

その正体に真っ先に気付いたのがヒトナリだった。
モリガンと争ったアーチャーのマスターであることにはすぐには思い至れずとも、その外観はかつての戦友と似通っていた。
マンセマットを狂信し、人を辞めてしまったゼレーニンに。
ならば目の前の少年もまた、突如として聖杯戦争に現れたいけ好かない天使の手によって変容させられてしまったのだろうと悍ましい結論に思い至るのも当然と言えよう。

天使となった少年の眼は深淵そのもので、傍から見ると狂気すらも感じ取れない。
しかしその視線の向く先と意味をモリガンだけは察していた。

「とても情熱的ね」

一度はその胸に抱きしめたオトコだ。
それが自らに魅せられて求めてくるというのは普通なら悪い気はしない。
ああ、相手が天使になどその身を堕としていなければ。

「けど、誰だったかしらねえ」

もはや眼中にない。
記憶の領域を占めるのも惜しい。
万に一つ、この聖杯戦争の記憶の一つとして座にまで届いてしまったら無用なストレスだ。
そんなある意味で前向きで、挑発的な言葉がモリガンの口から吐かれた。

それを耳にした浅羽は表情を歪める。
戦場で擦り切れてしまった心にも、未元物質で人を辞めてしまった肉体にも、焦がれる人に認識されないというトラウマは響いた。
そして浅羽の喉はそれに応じた音を奏でた。
怨讐の雄叫びか、悲哀の嘆きか、逃避の悲鳴か、かつて唱えたような愛執の言霊か。
いずれであるかは本人にしか……いや本人にも分からないかもしれないそれは『歌』となって世界に鳴り渡る。
モリガンの乗るリムジンを破壊する『詠唱』としてその歌は具現した。

人外の声。
獣の雄叫びとも違う、理解の外にあるそれをヒトナリは幾度か聞いたおぼえがあった。
セクター・グルースでジャック部隊を洗脳した時に。セクター・ボーティーズでゼレーニンと宇宙卵を奪いあった時に。

「天使の、『歌唱』か……!」
「ボサっとしないの」

モリガンがヒトナリの首元をひっつかみ、車外へ脱出する。
ルキアに対しては慶次が同じように。
そして四人が脱出した直後に車はひしゃげ、スクラップへと姿を変える。

「あーあー、また足がなくなっちまった。戦場のど真ん中でこいつは面倒だな」

実体化して槍を構えながら慶次がそうぼやく。
空中のバーサーカーたちを警戒を少しだけ向けてから、改めて襲撃者である浅羽へと注意を向ける。
その瞬間にモリガンから浅羽へと攻撃が放たれた。
コウモリをかたどった魔力弾が拳から放たれ、浅羽へ襲い掛かる。
それに浅羽は事前に感知していたような鋭い反応を見せた。
身体能力は人間の域を出ずとも、強化された感覚は攻撃の前兆を見聞し対処する。
純白の装いから這い出るように真っ白な翼を生やし、コウモリを打ち払うようにして迎撃した。

「へえ、躱すんだ。私の拳を」

その振る舞いにモリガンは意識を改める。
羽虫を潰す程度の感覚から明確な害虫駆除へと。
少しだけ、背後のランサーと宙で戦い続けるニ騎を見る。
複雑な戦況で無駄に敵を増やすことはしないだろう、と楽観的な意見で自分を納得させて

「上の戦況にだけ注意してなさい」

と、ヒトナリとランサーたちに言い含めて自分は天使になってしまった少年へと襲い掛かる。

「な、待てアーチャー!」

天使がどれだけ厄介な相手かはよく知っている。
近くでサーヴァントが争っている状況で混乱を加速させるようなことをするな。
ライダーとまどかちゃんの捜索を優先しろ。
様々な理由を叫びヒトナリはモリガンを止めようとする。

「いやあ、無駄だろ。やる気満々だぜあいつ」

慶次はその振る舞いを茶化すように無意味と評する。

「下手するとさっき俺らとやりあった時より本気だな。ただ、なんだ。宿敵に向ける殺気というよりは台所で油虫を見つけた女中を彷彿とさせるのはどうかと思うが」

天使と悪魔の相いれないさまを慶次はそう評し、止まることはないだろうと進言するが、それでもヒトナリは念話まで送り撤退を指示し続ける。

『本当にそれでいいと思っているの?』

帰ってきたのは初めて聞く冷たい声色だった。
何度か戦闘中に介入することもあったが、今までとまるで印象が違う。
まさに魔王と呼ぶに相応しい畏れを纏った声は、念話越しであり、なおかつ数多の悪魔としのぎを削ったヒトナリにさえ背筋が冷えるのを覚えさせた。
それでもこの戦場に留まる意味はない、と続けるがモリガンは取り付く島もない。
シュバルツバースで幾度も見てきた素っ気ない悪魔の態度、交渉失敗の予感にヒトナリは歯噛みする。

『……本当に気付いてないのね。そこの白い獣のようなバーサーカーに思うところはない?』

ふと温度を取り戻した念話がモリガンから送られてくる。
忠言のようなその言葉に従い、白いバーサーカーを観察してみる。
神域の戦闘、高速の駆け引きを見切るのは至難だったが、防戦に回った男の方はかろうじて目に捉えるに叶う。

『ライダーが探していた白いサーヴァントってあれのことでしょ。私たちが引き寄せられたみたいに彼がここに来る可能性もあるんじゃない?
 ひとまずの安全を確保して待ってみるのも手でしょう?ならこの天使は、邪魔』

ヒトナリも一理はある、と納得しかけた。
だが結局は戦うための言い訳でしかないのでは、とも考える。
こと闘争に関することならこの悪魔はとてつもなく鼻が利くのだから。
それでももう一度、それを知ったうえで命じれば撤退に応じると思えた。
もちろんバーサーカーの戦火に―標的であったならなおのこと―ライダーが向かってくる可能性は否定できない。
迷い、決断を出し切れずにいると

『ああ、もうそちらに答えを出す必要はなさそうね』

モリガンから再び念話が届く。

『この勝負は私の勝ちだし、むこうも決着のようだもの』

念話の片手間にだがモリガンは戦い続けていた。
それに浅羽はよく対抗した方だろう。
モリガンの翼が幾本もの槍になっても、足に移動して刃となって斬りかかっても、それを感知し対処したのは人の身には過ぎた技だった。
もしも未元物質の操作や、ライズによる声帯と聴覚の強化にもっと馴染んでいれば勝機もあったかもしれない。
だが戦闘経験どころか喧嘩の経験すら少ない浅羽では、センスによりモリガンの攻撃の前兆を感知したところで彼女のトリッキーな技に対処しきることはできなかった。
そもそも浅羽に戦意は薄い。
モリガンに魅了され、未だその呪縛から抜けきらない彼はただ愛を求めただけ。
マンセマットの手が加わった垣根帝督の未元物質を取り込み、天使の粋へと近づいてしまった彼にそれは叶わないものだったが。

翼で全身をくるみ、刃を突き出させて突撃するモリガンを、追い込まれた浅羽は紙一重で躱す。
その瞬間に翼を広げて減速し、即座に浅羽に掴みかかる。
その動作も浅羽は読んでいたが、体から生えた翼の存在に慣れていなかったためにそこを掴まれ、あえなく地面に叩きつけられる。

「ぅあっ!」
「黙りなさい。あなたが人のままだったなら舌でも入れて黙らせたのだけれども、落ちぶれたあなたにそれをしたくはないの」

悲鳴すらも耳障りと首元を締め上げ黙らせる。
とどめを刺すかどうか、一応確認した方がいいかと手を止めると、もう一つの戦いの決着が近いのも目に付く。

垣根の翼の周りに、素人でもわかるほどの甚大な魔力が収束していく。
宝具、とは言わないまでも大技の構えだ。

「マスター諸共、コイツで消えな一方通行ァ!『メギドラオン』!」

籠められた膨大な魔力が解き放たれた。
今や本当に天使の領域へとたどり着いた六枚の翼を振るわせて呪文を詠唱し、いい加減に慣れてきた魔術を最大限の力で放つ。
五代元素を超え、「 」へと近づく万能属性の大爆発が一体を覆いつくし、一方通行も間桐雁夜も跡形もなく消し飛ぶ。

そう、なるはずだった。


「…なんだ、何をした?『メギドラオン』!」

詠唱を行ったはずだが、何も起きない。
もう一度鈴虫のように翼から音を発する。
さすがに能力行使と並行しての魔術の制御はミスもあるかと再び放つが、今度も何も発生しない。
能力者が魔術を使った副作用のみが垣根を蝕む。
そのダメージも能力を制御し、体外の未元物質に抑えているはずだったが、突如としてコントロールを失い、体内の臓器へとダメージを与えた。

「ガ、あぁッ!?」

胃の腑から血がこみ上げる。
それを呑み込み、すぐに体内の損傷を未元物質で埋める。
だがその一瞬で一方通行は肉薄し、垣根の半身を粉微塵に吹き飛ばす。

「無駄だってのが、分からねえかァ?」

その吹き飛んだ体も未元物質で補填して、さらにすぐに呪文詠唱……だが、今度も魔術は実を結ばない。
補填したばかりの肉体が反動で崩れ落ちるだけ。

「ッ…!この、テメェの仕業か!」

咄嗟に一方通行との距離をとり、未元物質そのものを弾丸のように打ち出して牽制する。
その未元物質が本体を離れるとほぼ同時に軌道を乱したことで何が起きているのか、垣根は理解した。

一方通行は、未元物質そのものに干渉し、詠唱を乱している。
言うなれば科学技術による『強制詠唱(スペル・インターセプト)』。
未元物質の翼で発する音による魔術詠唱、それのベクトルを一方通行でかき乱し本来の効果を発揮しないようにしているのだ。
それと気づけば垣根も対処のしようはある。
詠唱に雑音を混ぜ、別パターンの詠唱を複数並行して行い、乱されるのを前提にして僅かに正しくない詠唱を行うなど。
だがそれも一方通行には通じない。
腐っても鯛、狂化してなお学園都市第一位は伊達ではない。
学園都市第二位の試行錯誤を三下の小細工と切って捨てるように、ノイズを切り抜けて垣根の魔術に一方通行は干渉して見せた。
魔術戦では、確かに垣根帝督は一方通行の上をいった。
しかし、第二位と第一位……超能力戦では死してなお、結局第一位には及ばないということだ。

ほんの少し前までは翼から音が発せられるたび炎が、雷が、氷が飛び交っていた。
しかし今はもう、音を立てるたびに垣根の体が崩壊していくばかり。
翼が落ち、眼球が沸騰し、爪が剥がれ。
それでもなお、彼は翼を振るい続けた。

滑稽にも哀れにも見える動作……それに狂化した一方通行は何も感じることなく、ただ黙々と戦闘行為を続ける。
空を舞う垣根帝督に、自らも竜巻を背負い追いすがり、手刀を突き出す。
指先が未元物質に掠めると、それだけで垣根の全身にヒビが走って崩壊していく。
垣根自身が反動を厭わず魔術を行使したための末期か、と思われた。

「――勝ったと、思ったか?」

未元物質に触れた一歩通行を、その羽で繭にくるむ様に閉じ込める。

「学園都市で評価されない項目で勝負すると言っただろう?
 この俺が、バカの一つ覚えのように魔術にこだわった理由が分かるか?いやぁ、狂っちまったお前には無理難題だったか?」


崩れ落ちたはずの未元物質が一ヶ所に集まり、巨大なカブトムシを形どっていた。

カブトムシもまた垣根帝督(バーサーク・アサシン)、Dランクの気配遮断スキルを持つ。
それが一方通行の感知外から、まっしぐらにその最大の弱点……マスター、間桐雁夜へと襲い掛かる。

「終わりだよ、一方通行!守るべきものを守れず死ね!」

容赦などしない。手段を選ぶこともしない。
妹達という弱みを突いたように、マスターという弱点を突く。
アサシンのサーヴァントとしての真骨頂を見せ、英霊としての対決に勝利する。

カブトムシは真っすぐに雁夜に向けて突き進み。
そして、そこに何もなかったかのようにすり抜けた。
そこにいるはずの雁夜が、まるで幻であるかのように攻撃が当たらなかったのだ。

「ば、かな――」

疑問が垣根の口をついて出そうになるが、それは意味を持つ言葉にはならない。
一方通行が自らを捉える未元物質もろともに垣根を引き裂き、その欠片でカブトムシも攻撃したからだ。
崩れ落ち、落下することで自然と一方通行と垣根は離れていく、あたかも決着に見える光景だ。
事実胸から上と顔の右半分を残してズタズタの満身創痍になった垣根だが、それでも未元物質を生み出して欠損した部分を補っていく。
欠けた頭脳と視界が回復するにつれ、なぜカブトムシの襲撃が外れたのかの答えに垣根は辿り着いた。

(あのマスター周りの一帯、僅かにだが距離感が妙だ。蜃気楼か、あの野郎!)

気付いた。
ベクトル操作により大気の密度を操ったか、はたまた直接光に干渉したか。
いずれにせよ、一方通行は垣根帝督と戦いながらも、自らのマスターを守るべく動いていた。
全身全霊を垣根帝督に注ぐことはせず、片手間でその魔術を攻略し、暗殺の魔の手からも防いだのだ。

落下している最中の垣根の視界に、未だはるか上空を飛ぶ一方通行が映る。



――これが、悪党だ――



そんな風に、自らの力と立ち位置を示しているように見えた。
狂化しているのだから、そうした美意識があるのかは分からないし、それを誇示するなんて行為をするとも限らない。


だがコイツは昔っからこういう、むかつく野郎だった。

第二位(オレ)を…見下してんじゃねえッ!!第一位(アクセラレータ)ァあああああああ!!」

思い出す。初めての敗北の屈辱を。
そして最後に見た黒キ翼と、それに呼応して生まれた新たな未元物質……神の振るう兵器のような、器械的で無機質で何より純粋な白い翼を。
今一度あの力を呼び覚まし、今度こそ勝利をこの手に。

再生した肉体で、その力を行使しようとする。
だが、それは叶わなかった。
なぜか、と垣根は疑問を覚える。
はじめは霊基が足りないかと考えた。しかし大天使の力で再臨したこの状態ならば十分なはずだとそれは否定する。
答えはもっと単純なものだった。
器が十分であろうとも、それを満たす中身がなければ十分な力は発揮できない。

(浅羽、あのガキ、勝手にやりすぎだ……!)

たしかに未元物質の生成には少なくない魔力は食うだろう。
それでもPSI粒子による覚醒と、さらに擬似魔術回路として未元物質を埋め込み、供給量は大幅に増えるよう処置されていた。
一連の戦闘での消耗を踏まえてなお、継戦は可能だろうと垣根は計算していた。
しかし浅羽が魔女や人形、モリガン相手に行使した不慣れな『歌』による消耗がその計算を狂わせたのだ。
一方通行の戦いが目的であるとはいえ、外をおろそかにしすぎた。
ほんの少しでも意識を他に向ければその隙をつくのが一方通行という強者であると警戒したが故の、劣勢。
一方通行と同じ窮地に立ち、そして一方通行と違ってそれに対処できなかった劣等感が垣根の心中に沸き起こる。

もはや新たな切り札の開帳はおろか、未元物質の供給すら満足には叶わない。
すなわち垣根帝督はこれ以上の復活はできない。
次に致命の一撃を受ければそれで終わる。

あらゆる不利な事象の乱立に垣根の奥歯が鳴り、苛立った表情で令呪を用いて魔力を供給するように浅羽に念話を送ろうとするが



「お困りのようですね」

不気味なほどに透き通る声が浅羽と垣根に向けて放たれる。
四人目の純白、大天使マンセマットが降臨した。

「汚れなき風よ」

天使の声が世界に直接語り掛ける。
浅羽のような拙い詠唱でも、垣根のような不純物交じりの詠唱でもない真なる歌唱(エノキアン)
その空想が具現化し、大いなる風となって一帯に駆け抜ける。
一方通行の反射もモリガンの翼も諸共に吹き飛ばす四なる魔術で、浅羽と垣根の窮地を救ってみせた。

「ほう、もう少し抵抗するかと思いましたが。帝督との戦闘で消耗していたようですね」
「何しにきやがったテメエ」
「おやおや、いけませんよ。あなたをこの地に呼び戻した、いわば恩人である私にそのような言葉は。
 ……さて、立てますか?ナオユキ。やはりあの悪魔はあなたにあまりいい影響を与えないようだ、まったく」

今にも掴みかかりそうな垣根を軽く制して、マンセマットは浅羽に近づき手を伸ばす。
吹き飛ばされたモリガンの後に取り残された浅羽は先ほどで喉元を締め上げられていたからか咳き込みながらその手を取り立ち上がる。
モリガンも、一方通行も、慶次も、それを見ながらマスターたちの前に出て、風により乱された戦闘態勢を整えていく。

「お前が出てきたということは、この聖杯戦争も直接動かなければならない状態になったということか」
「おや、久しぶりですねヒトナリ。遊びふける国で私の同胞、ゼレーニンの最期を共に見届けて以来だ」

挑発的な言葉と笑みを向けてくるマンセマットに、ヒトナリの銃を握る手に力がこもる。
それを制するように、そっとモリガンが手を添えて銃を降ろさせる。

「落ち着いて。見え透いた挑発じゃない、らしくないわよ」
「……君に落ち着けと言われては黙るざるを得ないな」

怒りを収めたわけではないが、さすがにあのモリガンに諫められては自身の短慮さに頭も覚めるというもの。
軽く息をつき、銃を握る力を弱める。
その様子を浅羽は憎々しく黙って見つめている。

「相変わらず悪魔と睦まじいようだ。それも稀代の魔王が相手とは。その様では我らの同胞に、という話はもはや投げかけられそうもない」
「天使とも仲良くできるさ。シュバルツバースでは秩序を重んじるもののためにミッションをこなしたこともある。
 ただマンセマット、お前とは仲良くできないな。天使としてのゼレーニンを殺したのは…僕、だが、人としての彼女を殺めたのはお前だマンセマット。
 それで、お前は何をしに来たんだ?僕に戦友のかたき討ちをさせてくれるのか?」

ヒトナリも挑発的な言葉でマンセマットに食って掛かる。
怒りは抑えようとも、抑えきれない静かな闘志が視線ににじむ。
それを受けてマンセマットも少しだけ表情を歪める。

「ああ、その眼付き。傲慢な言動。実際にそれだけのことをやってきたのだから手に負えない。時代によってはあなたをサーヴァントとすることもできるかもしれませんね。
 分霊とはいえ第二の獣を退けたときには驚きましたよニンゲン。マーヤ―のもとにたどり着くためとはいえ悪魔を虐殺した時も、あなたはその眼をしていましたのを覚えています。
 だがオレ、いや私の首をくれてやるために訪れるわけがないでしょう。私はね、同胞を救うために来たのですよ」

そういいながら垣根と浅羽の二人に手を差し伸べる姿はまさしく天使のものだった。
秩序を重んじ、世界を救う神の遣い……世のため神のために人を掬い上げる神々しい言動。
本物というのはどうあれ人の心を揺り動かす。
ヒトナリやモリガンは吐き気を催すほどの嫌悪を覚え、垣根や浅羽、そして雁夜も尊いものを感じていた。

「テイトク。あなた一人ではあの上位の人造天使には勝てないでしょう。
 ナオユキ。彼女は今のあなたを記憶にとどめるに相応しいとは思ってくれないでしょう。
 …………力を、欲しますか?」

その問いかけに二人は一も二もなく頷いた。
満面の笑みでそれを受け止め、では瞳を閉じて、と返す。
マンセマットが詠唱をはじめ、術式が整うのを見てヒトナリがすぐに反応した。

「アーチャー、奴を止めろ!宝具を使っても構わない!」

言いながら自分もダメもとでマシンガンを掃射するが、無意味に終わる。
マンセマットには銃撃も風属性も通用せず、反射されてしまうのだ。
モリガンが跳ね返された攻撃を弾き、同時にビットを展開して宝具を撃とうとする。
だがマンセマットは当然それを予期して先手を取った。
彼に必要なのはサーヴァントを仕留める宝具級の火力ではなく、マスターを殺せば十分なのもその早撃ちに勝った理由であろう。
一方通行が戦闘のダメージを引きずっていたのも、人の身でしかない慶次が空を舞うマンセマットへ有効な手段を持ち得なかったのも幸いした。

「テイトクの見せようとしてた魔術、私が変わって披露しましょう。『メギドラオン』」

一帯に万能属性の大爆発が巻き起こる。
たまらずサーヴァントたちは己のマスターを抱えて退避するしかない。
一方通行は雁夜を連れて超高速で退避し、モリガンと慶次は己の対魔力を最大限に活用して盾になりながら爆風の外へと離脱した。

そしてその間にもマンセマットは別の詠唱を連ね、術式を構築していく。
……宙に魔法陣が浮かぶ。ヒトナリはそれを何度も見た覚えがあった。一つ、彼の人生の決定的な失態(トラウマ)においてもあの魔方陣は浮かんでいた。

「…悪魔合体!?悪魔召喚プログラムもなしに!?何をする気だ、マンセマット!」
「ヒトナリ、私はね、ニンゲンの物作りの科学技術は高く評価しています。使い魔の使役や行使という魔術をプログラムという万人にも扱えるものにまで落とし込んだその技術は素晴らしい。おかげで令呪という着想を得ることもできました。
 ですがね、魔術においてことニンゲンのすることは児戯にしか見えない。この程度の魔術、多少クォンタムピースは必要ですが場さえ整えれば我ら天使ならば容易く行使できるのです」

魔法陣が広がり、重なり、その中に二つの白い影が消えていく。
そしてその影がだんだんと近づいて、一つになっていく。
そして、新たな一つの影が現れた。

「月の満ち欠けによるマナの影響などあなたの纏うスーツに入っていた不完全な術式ならば憂うところなのでしょうが、私が行った儀式である以上成功以外はあり得ない。
 さあ、ごらんなさい。新たなメシアの誕生です。彼の手により人類は新たな領域へとたどり着くでしょう」

現れた影はひたすらに白だった。
服装も白く、肌も病的を通り越して無機質に白い。
未元物質で形成された肉体をさらに研磨したよう。
容姿は垣根帝督の面影を残しているが、少し背丈が縮んでいた。
唯一髪だけが浅羽か垣根を思わせる茶色い面影を残し、かろうじて人間味を感じさせる。

「煉獄において魂を錬磨させたニンゲンとサーヴァントを合体させ天使の領域へと導く。言うなれば疑似サーヴァント、生ける術式『聖柱テイトク』でしょうか」

その出来栄えに満足げな笑みを浮かべ、現れた聖柱テイトクが反抗的な態度をとらないことに一層笑みを深める。

「ゼレーニンは失敗でした。私の指示から外れて勝手にヒトナリ、あなたと戦い敗れてしまった。
 聖柱には、制御するための首輪が必要だ。この聖杯戦争の場でなら令呪という首輪を用意し、以後も活用できる」

そういって右手をマンセマットが掲げると、そこには浅羽直之の右手に刻まれていたはずの令呪が燦然と輝いていた。
人を人と思わぬ所業と発言にヒトナリの顔に怒りが蘇る。
そんな奴隷のような扱いを宣言されたにも関わらず、生まれた白い悪魔…聖柱テイトクは沈黙し、ただひとところを睨むのみ。

「一方通行ァ……」
「ほう、ソースでAランクオーバーの信仰の加護を付与してなお執着しますか。あなた暗殺者より復讐者のクラスの方が適当だったのでは?
 ……ですが、今回はそれもよしとしましょう。この場には私の目的といえる聖杯の器もある。ついでにサーヴァントも片づける必要があるのだから、ええ。
 復讐するは我らにあり、です。第一の命を下します、聖柱テイトク。この場にいるサーヴァントを皆殺しにしなさい」

令呪を用いてではないが、主から下された命に聖柱が反応する。

「Aaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaa!!!」

人ならざる声を高らかに上げる。
雄叫びのようなそれは人の耳と脳では理解しえない詠唱だ。
大気からマナを集約して力にし、浅羽を構成材料にしたことで擬似的に受肉した状態の聖柱はオドすらも行使する。

真っ先に一方通行がそれに立ち向かった。
狂った彼でも、その脅威は理解できた。
量では比べ物にならないが、質においてはかつてロシアで衝突した大天使の『一掃』に等しいものがくる、と。

「■■■■■■■■■■■■■■!!!」

彼の上げるそれはまぎれもなく雄叫びだ。
意味のない声を上げながら、それでも彼の意思を行使する。
……『黒キ翼』が現出した。
それは天へ手を伸ばすための足掻きだ。
それは誰かを守るための強靭な城壁だ。
何より敵を滅ぼすための最強の矛だ。

聖柱テイトクがそれを見下ろし、対抗するべく盾を生み出す。
翼から未元物質を繰り出し、重ね、黒キ翼を待ち構える。

その衝突を、自然と誰もが固唾を飲んで見守る。

一方通行が黒キ翼で翔るとともに矛として振るう。
対するテイトクは未元物質を次々と生み出して盾とし受け止める。
衝突の瞬間、あたりにこの世のものとは思えぬ重く、高い音が鳴り渡った。
拮抗する。鍔競り合う。
黒キ翼は一枚ではない。何度も何枚も叩きつけて盾を崩そうとする。
未元物質は一度出して終わりではない。削られるたび新たに生み出され、矛の勢いを削いでいく。

究極の一たる矛か、無限の残骸が連なる盾か。
翼を振るうたびに未元物質が次々と崩れ、一方通行がテイトクへと迫る。
まるでアキレスと亀。矛盾(パラドックス)なれど、いずれ結末は訪れる。
サーヴァントとなった以上、どちらにもマスターの魔力という枷が存在ある。矛盾の否定、結末はどちらの魔力が尽きるかで決まるだろう。
高いマスター適性を持ち、PSIにも目覚めたとはいえ、間桐雁夜のマスターとしての能力は大天使マンセマットには当然及ぶべくもない。
その点で一方通行は圧倒的不利であり、マンセマットも押し切れるだろうと楽観していた。

だが一方通行は進み続けた。
一枚一枚城砦を貫く兵器のようにまっしぐらに、燃料切れなどないように進み続けている。

(妙だ。いい加減魔力が尽きてもおかしくないというのに。あのニンゲンの魔力がそこまでとも思えん。どこか、別のところから魔力を得ている?奴が振れているのは大気か、大地のマナ?……いや、違う。アレか、あいつ、未元物質を、聖柱テイトクを喰っている!)


未元物質により垣根帝督は無尽蔵に自分を生み出せるように、彼と合体してその能力を引き継いだテイトクも自分を生み出せる。
もはやテイトクが能力を生み出しているのか、能力がテイトクを生み出しているのかは神にも分かりはしない。
主と従が入り混じり、テイトクと未元物質は等しい存在となった。
ならば、未元物質を喰らえばそれは魂を喰らうに等しいこととなる。

一方通行は、未元物質(かきねていとく)を砕くたびに魂喰いしているのだ。
戦場で戦いながら敵の血肉を貪るがごとき所業、狂戦士(けもの)の戦術を彼は獲得していた。
サーヴァントとなり弱体化したが、代わって得た特質を武器とし、より優れたマスターを持つ敵に食らいつく。
マンセマットの魔力を費やし、アサバが未元物質を生み、それを一方通行が糧とする。

パラドックスの結末は、一方通行の勝利に終わる……はずだった。
一対一(このまま)で、あれば。

「メル・ファイズ」

マンセマットの詠唱が響く。
マンセマットの持つ最大火力の魔術が放たれ、反射の守りを貫いて焼き尽くす。

「銃撃も物理も、火や雷も反射するあなたでも、万能属性の魔術では全く反射できないでしょう?
 所詮は紛い物の人造天使、ましてやそのサーヴァント風情が我々神の使徒に敵うはずもない」

見下すようなその言葉に続いて、未元物質までもが一方通行の身に降り注ぐ。
一部は反射できた。
それでも大半は天使の肉体という未知の構成物質であるがゆえに理解が及ばず、確かな追い打ちとなって一方通行に致命打を与えた。
消滅寸前の光の粒子が立ち上る一方通行の体が、翼をなくしたイカロスのように地に落ちる。

その体に雁夜を除く四人は駆け寄っていた。
意味があるわけでもない。感傷ですらない。名前も何も知らない男の最期。
マンセマットという邪悪に敵対したというそれだけの仲間意識でも、四人が四人ともそれを悼んでいた。
ぴくり、一方通行の指先が動く。

「オイ、お前……」

一方通行が最期の力を振り絞るように消えかけた手で、タダノのデモニカの足部分に手をかける。
それは猛威を振るったバーサーカーのサーヴァントとは思えない弱々しさで、タダノも振り払うことを忘れてしまう。

「雁夜を…俺のマスターを守れ。お前の、ならできるはずだ……」

バーサーカーのサーヴァントが狂化を失い、言葉を発する。
それが何を意味するのかは、一方通行自身が理解できていた。
それでも最期に残すものがあると現世にしがみつき、言葉を投げかける。

「なぜそれを僕に言う?お前と面識もない、サーヴァントじゃなく人間の僕に」

純粋な疑問だった。
すぐ近くにアーチャー、モリガンがいる。
彼女が頼れないにしても、いかにも英雄肌なランサーがいる。
あえてタダノヒトナリを選ぶ理由が理解できなかった。
そのために、つい口を突いて出た疑問に、白いバーサーカーは凶暴な笑みを浮かべて答える。

「うるせえ。悪党(ヴィラン)の最期の頼みくらい黙って引き受けろよ、英雄(ヒーロー)
聞き取れた言葉はそれで最後だった。
口の中で何か意味のあるかどうかわからない言葉を並べていたようだが、それが何なのかは誰にも伝わらない。
最強の超能力者は格下の超能力者に勝りきることなく、自らを悪と評し続けて聖杯戦争に敗れた。その胸の願いを誰に知らせることもなく。

その死に様を嗤う男がいる。

「ッは。ハハハハハハハハ!!!みっともねえな一方通行!お前に殺された借り、確かに返したぞ!嗚呼、殺しタ、コロシタゾ!最高の気分だ!ハハハハハハハァ!!」

それが最期の垣根帝督の意思。
その言葉を皮切りに聖柱はさらに変質を遂げていく。
垣根帝督の未練であり、聖杯に託すほどの執着であった一方通行との再戦と殺害が叶ったことで、もはや彼らの残留思念は植え付けられた天使の使命感に塗りつぶされていく。
この世全ての悪の泥が、最高神の血を引く英霊すら汚染するように、天使の魔力がテイトクを染め上げる。
唯一人間味を残していた茶色い頭髪まで白く染まっていく。
僅かな抵抗なのか、その色は未元物質のような無機質な白ではなく、浅羽直之の想い人のような病的な白銀だった。
それでも、そこにいるのはもはや垣根帝督でも浅羽直之でもない、聖柱テイトクという人理に害なす一個の兵器へと身を堕とした。


【バーサーカー(一方通行)@とある魔術の禁書目録 死亡】

【バーサーク・アサシン(垣根帝督)@とある魔術の禁書目録 悪魔合体】
【浅羽直之@イリヤの空、UFOの夏 悪魔合体】

【聖柱テイトク 誕生】







「さて、未練は断った。これであなたは我がしもべ。あとは私とともに人類救済に役立ってもらいますよ聖柱テイトク」

地上へと聖柱を引き連れてマンセマットが降り立つ。
そしてヒトナリは初めてこの男が戦闘態勢をとるのを見た。

「驚きだな。本当に前線に立つとは」
「これだけは私の手で直接なさねばならないのでね」
「僕はそんなに難敵かい?」

対峙し、同じように戦闘態勢に入ったヒトナリの言葉をマンセマットは鼻で笑う。

「ふん、勘違いしないよう。あなたなどオマケに過ぎません。私がこの場に降りてまでなさねばならない目的とはあなたですよ、朽木ルキア」

マンセマットの眼は二つ揃ってルキアを射抜く。
間に慶次が立ち塞がるがその悍ましい視線には嫌悪感を抱く。

「私?お前との面識はなかったはずだが」
「ええ、初対面ですよ間違いなく。正確にはあなたの中身に意味がある。あなたは知らないでしょうが」
「中身だと?」

義骸ではない、死神としての魂魄のことを指しているのかと考える。
しかしルキア自身が知らないという以上そうではないのだろうと内心結論付ける。

「先ほども口にしましたが、私はニンゲンの物作りの技術に関しては少しばかり敬意を払っているのですよ。
 オーディンにグングニルを、トールにミョルニルを与えたドヴェルグのように、現代の人間の思想はともかく道具は悪くない。
 買い漁る国ではシボレテをもとにオーカスを撃退する兵器を生み出しましたね。
 そして悪魔の生み出した宇宙卵をもとに爆弾を用いてシュバルツバースを消滅させた。
 人間の技術は悪魔を滅ぼし、世界すら書き換える域に達している。我らの聖柱の歌を響かせるには宇宙卵に匹敵するエネルギーが必要。それを私は人の技術に求めているのですよ。
 朽木ルキア、あなたという聖杯の器に秘められた聖杯……あなたの魂魄に埋め込まれた願望器『崩玉』をね!」

ルキア目がけて殺気の籠もった風の刃が飛ぶ。
しかしそれを立ち塞がる慶次がかき消してルキアを守る。

「邪魔をする。英霊の中でも低格のニンゲン風情が」
「主人の窮地を見逃す従者はいねえよ……で、おい。そっちの弓兵もなに不穏な面してんだよ。敵はあっちだろ?」

槍はマンセマットに向けて構えながらも、ルキアに視線を向けるモリガンにも慶次はくぎを刺す。
目前でバーサーカーのサーヴァントが倒されたのだから余計な対立をしている場合ではない。

「その天使の言い分を妄信するつもりはないのだけれども。
 勝者に与えられるべき聖杯をこの娘は最初から持っていたということかしら?」
「愚鈍な悪魔にも理解できたようで何より。正確には彼女の魂魄に埋め込まれているのですが……それを取り出すには精密な技術か、あるいは魂魄を蒸発させる処置が必要でしてね。
 我々には少々難しかったのですが、弥勒の処置によりこの世界で死した人間は肉体から魂魄の一切が灰に帰るようになっています。
 灰の山から聖杯を探し出すくらいなら幼児でもできる。我々以外の誰かに殺され、その者が手にしたとしてもそれを改め手奪えばいいのですが、聖柱というもう一つの目的が達成した時点で手中に収めておくに越したことはない」

ルキアを殺し、そのあとに残るであろうものが聖杯である。
そう聞かされてその場の全員の眼が意味深に細まる。

「とはいえ実はまだ崩玉は未完成でしてね。力のある魂を糧にすることで崩玉は力を取り戻す。
 消えゆくサーヴァントの魂を喰わせることで崩玉は完成に近づいていく。テイトクを除くサーヴァントを食わせれば私の目的を果たすには十分でしょう。
 あなたたち二騎にはここで消えてもらう。そして朽木ルキア、あなたの死体が灰になった後に残る崩玉を手に、私は聖柱テイトクの力で地上に神の望む世界を作り出すのです!」

マンセマットが膨大な魔力を纏い、聖柱テイトクも呼応するように力を増す。
ヒトナリ、モリガン、ルキアも構える。
同時に慶次は槍を伸ばして穂先に雁夜をひっかけ、雁夜を彼方へ放り投げた。
そのまま槍を振るい、自然体に向き合う。

「……お前は本当に荒っぽいな、ランサー」

屋上から善吉を放り投げていたのを思い出し、ルキアの顔に苦笑が浮かぶ。

「そう言うな。ここよりはましだろう。あとはあいつ次第だ」
「別段かまいませんよ。サーヴァントを失ったマスターに用などない。生かしておく必要はありませんが、といってわざわざ殺す手間も惜しい。
 ……ああ、あなたは別ですがねヒトナリ。一方通行が評したように、あなたがザ・ヒーローに届くとは思いませんが殺すに足る敵なのは確かだ。
 それでは始めましょうか。大天使の従える聖柱に絶望するがいい!」

雁夜という不純物も消え、戦場には戦士のみが残された。
戦端が落ちる。

大天使の手の上であるはずの、大天使の勝利が確実であるはずの戦場だが、彼には誤算があった。
一つは未だに死んでいない存在。

聖柱と仕組みの近い生きる術式、魔神柱へと抗うすべが恋であるように。肉の快楽は魔神柱の未知であるように。
聖柱もまた、肉欲を消しきることはできなかった。
極上の夢魔、モリガンに魅了された浅羽直之のオモイはくすぶり続けている。
聖柱は未だ不完全、少しだけ浅羽直之である。今は、まだ。

そしてもう一つ。
マンセマットは一方通行を侮った。
羊皮紙に書かれただけの魔術を事前知識もなしに読み取り再現する彼の前で。
一度聞いただけの音楽を歌う彼の前で。
あろうことか自らの魔術の仕組みを披露し、その劣化品がどこにあるかまでべらべらとまくし立てたのだ。
理性をなくした狂戦士と化そうと、彼の絶対能力は知性を奪うことはない。
そして最期に狂化から解き放たれた一方通行はヒトナリのデモニカスーツに触れた。
プログラムの消去とは、プログラムのない状態にシステムを上書きすることであって、文字通りの消去ではない。
学園都市第一位ならば、かつてスーツにあった、読み取ることが極めて難しい状態ののプログラムにふれることなど容易い。
そして末期の言葉で呪文を詠唱した彼は誰にも知られず魔術式を遺した。

朽木ルキアの伝令神機がひっそりと起動し画面に文字が浮かぶ。
タダノヒトナリのデモニカスーツもバックグラウンドで同じ処理を進めている。

『CODE CAST』

『Digital Devil Program』

installing now......




【B-3/北東部/二日目・未明】

【マンセマット@真・女神転生STRANGE JOURNEY】
[状態]健康
[令呪]三画
[装備]なし
[道具]なし
[思考・状況]
基本行動方針:主に認められ、天使以上の存在となる
1.ルキアを殺し、灰となった死体から崩玉を奪う
2.サーヴァントの魂を崩玉に食わせて聖杯として完成させる
3.聖杯と聖柱テイトクの力で地上を秩序に満ちた世界とする
4.天戯弥勒を警戒。

[備考]
※天戯弥勒の協力者、主催側です。
※女神ノルンを仲魔のような形で弥勒に貸しています。
 それによってほむらの能力に制限をかけています。



【聖柱テイトク(浅羽直之)@イリヤの空、UFOの夏】
[状態]聖柱テイトク、魔力消費(小)
[令呪]なし
[装備]なし
[道具]なし
[思考・状況]
基本行動方針:マンセマットに従う
1.マンセマットに従い、目前の敵を倒す
2.(僅かに残った浅羽の残留思念はモリガンに魅了されている)

[備考]
※垣根と悪魔合体し、マンセマットをマスターとする疑似サーヴァント『聖柱テイトク』になりました。浅羽の能力はもちろん垣根の能力と記憶の大半を受け継いでいます。
外観は聖柱ゼレーニンに近いです。
※マンセマットの手で悪魔合体時にスキル信仰の加護:A+が付与されました。それにより人格に異常をきたし、マンセマットを狂信しています。

※PSI粒子の影響を受け、PSIの力に目覚めかけています。身体の不調はそのためです。
→念話を問題なく扱えるようになりました。今後トランス系のPSIなどをさらに習得できるかは後続の方にお任せします。
→PSI能力「ライズ」が使えるようになりました(名称未定)。
 聴覚を強化することで念話を聞き取り、また見聞色の覇気@ONEPIECEに近い効果を発揮します。
 また声帯を強化することで念話を発し、天使の歌唱@真・女神転生STRANGEJOURNEYに近い効果を発揮します。ただし魔術に近い技能なので科学と魔術の共存による反発もあるようです。
※未元物質で唱える魔術(真・女神転生STRANGEJOURNEYのもの)を扱えるようになっています。

※学園の事件を知りました。
※巨人を目撃しました。
※天戯弥勒と接触しました。
※※まどか、ライダー(ルフィ)、ほむら、セイバー(リンク)、ライダー(白ひげ)、バーサーカー(一方通行)、ヒトナリ、アーチャー(モリガン)、ルキア、ランサー(慶次)を確認しました。


【タダノヒトナリ@真・女神転生 STRANGE JOURNEY】
[状態]魔力消費(小)、ダメージ(処置済み)
[令呪]残り二画
[装備]デモニカスーツ(コードキャスト:悪魔召喚プログラムインストール中)、アバ・ディンゴM
[道具]なし
[思考・状況]
基本行動方針:聖杯戦争に勝利する
1.マンセマット及び聖柱の撃退。できるなら情報を得たい。
2.まどか救出、キャスター(食蜂、フェイスレス)討伐のため温泉街を目指す
3.少なくともそれまではランサーたちと協力する
4.もしもここが地上を侵すシュバルツバースならば、なんとしても確実に消滅させる


[備考]
※警察官の役割が割り振られています。階級は巡査長です。
※セイバー(リンク)、カレン、ライダー(ニューゲート)、刑兆について報告を受けました。(名前は知らない)
 ライダー(ニューゲート)のことはランサーと推察しています。
※ルフィの真名をルーシーだと思っています。
※ノーヘル犯罪者(カレン、リンク)が聖杯戦争参加者と知りました。
※まどか&ライダー(ルフィ)と同盟を結ぶました。
 自分たちの能力の一部、連絡先、学生マスターと交戦したことなどの情報を提供しましたが、具体的な内容については後続の方にお任せします。
※人吉、セイバー(纒流子)、ルキア、ランサー(慶次)、キャスター(食蜂)を確認しました。
※浅羽を確認しました。
※飛鳥了を確認しました。ルイ・サイファーに近しい存在と推察しています。
※マンセマットを確認しました。ゼレーニンの後継を探していると推察しています。
 なお聖杯と『歌』について知識を得るためにむやみに殺害するつもりはありません。
※デモニカスーツが穹との戦闘を通じてレベルアップしました、それによりダメージを気にせず動けます。
 ただし激しい戦闘など行えば傷は開きますし、デモニカを脱げば行動は難しくなります。
※ここがシュバルツバースではないかと考え始めました。
 モリガンやルーシーに話しても特に意見は求められないと思って話題にあげなかっただけで、特に隠すつもりはありません。
※美樹さやかが病院を訪れたこと、容姿と名前の情報を得ています。
※キャスター(食蜂)がまどかを攫い、今また攫われたことからまどかが聖杯に深い関わりがあり、それに気づいたのではと推察してます。
※ルキアが聖杯の器であることをマンセマットに聞かされました。

【アーチャー(モリガン・アーンスランド)@ヴァンパイアシリーズ】
[状態]魔力消費(小)、右肩に裂傷(だいぶ回復)
[装備]
[道具]なし
[思考・状況]
基本行動方針:聖杯戦争を堪能しマスターを含む男を虜にする
1.マンセマット及び聖柱の撃退
2.キャスター(食蜂)討伐のため温泉街を目指す。ついでにまどかの救出と、キャスター(フェイスレス)討伐。
3.ランサー(慶次)がタダノに危害を加えないよう警戒

[備考]
※セイバー(リンク)、カレンを確認しました。(名前を知りません)
※リンクを相当な戦闘能力のあるサーヴァントと認識しています。
※拠点は現段階では不明です。
※NPCを数人喰らっています。
※ライダー(ニューゲート)、刑兆と交戦しました。(名前を知りません)
※まどか&ライダー(ルフィ)と同盟を結ぶました。
 自分たちの能力の一部、連絡先、学生マスターと交戦したことなどの情報を提供しましたが、具体的な内容については後続の方にお任せします。
※人吉、セイバー(纒流子)、ルキア、ランサー(慶次)、キャスター(食蜂)を確認しました。
※アゲハの攻撃はキャスター(食蜂)が何らかの作用をしたものと察しています。
※セイバー(纏流子)と交戦しました。宝具の情報と真名を得ています。
※巨人を目撃しました。
※アーチャー(穹)を確認しました。
※浅羽を確認しました。
※マンセマットを確認しました。
※ルキアが聖杯の器であることをマンセマットに聞かされました。

【朽木ルキア@BLEACH】
[状態]魔力消費(微量)
[令呪]残り一画
[装備]アッシュフォード学園の制服、体内に崩玉
[道具]学園指定鞄(学習用具や日用品)悟魂手甲、伝令神機(コードキャスト:悪魔召喚プログラムインストール中)
[思考・状況]
基本行動方針:聖杯戦争を通じて霊力を取り戻す。場合によっては聖杯なしでも構わない
1.マンセマット及び聖柱の撃退
2.キャスター(食蜂、フェイスレス)討伐に動く。
3.アゲハに連絡するかどうか考え中。
[備考]
※犬飼伊介&キャスター(食蜂操祈)と同盟を破棄しました。マスターの名前およびサーヴァントのクラス、能力の一部を把握しています。
※夜科アゲハ、セイバー(纏流子)と一時的に同盟を結びました。
※紅月カレン&セイバー(リンク)と交戦しました。
※人吉善吉を確認しました
※ライダー(ルフィ)を確認しました。
※キャスター(フェイスレス)の情報を断片的に入手しました。
※外部からの精神操作による肉体干渉を受け付けなかったようです。ただしリモコンなし、イタズラ半分の軽いものだったので本気でやれば掌握できる可能性が高いです。
 これが義骸と霊体の連結が甘かったせいか、死神という人間と異なる存在だからか、別の理由かは不明、少なくとも読心は可能でした。
※通達を一部しか聞けていません。具体的にどの程度把握しているかは後続の方にお任せします。
※キャスター(食蜂)から『命令に従うよう操られています』
 現在は正常ですが対峙した場合は再度操られる可能性が高いです。
※アーチャー(モリガン)と交戦しました。宝具の情報を一部得ています
※自身が聖杯の器であることをマンセマットに聞かされました。


【ランサー(前田慶次)@戦国BASARA】
[状態]魔力消費(小)右脚へのダメージ(中)
[装備]朱槍
[道具]なし
[思考・状況]
基本行動方針:この祭りを楽しむ
1.マンセマット及び聖柱の撃退
2.キャスター(食蜂、フェイスレス)討伐に動く。
3.アーチャー(モリガン)がルキアに危害を加えないよう警戒。

[備考]
※犬飼伊介&キャスター(食蜂操祈)と同盟を破棄しました。マスターの名前およびサーヴァントのクラス、能力の一部を把握しています。
※紅月カレン&セイバー(リンク)と交戦しました。
※人吉善吉を確認しました。
※ライダー(ルフィ)を確認しました。
※キャスター(食蜂)を装備と服装から近現代の英霊と推察しています。
※読心の危険があるため、キャスター(食蜂)対策で重要なことはルキアにも基本的には伏せるつもりです。
※中等部の出欠簿を確認し暁美ほむらの欠席、そのクラスにエレン・イェーガーが転入してくることを知りました。
 エレンについては出欠簿に貼ってあった付箋を取ってきたので更新された名簿などを確認しないかぎり他者が知ることは難しいでしょう。
※令呪の発動『キャスターの命令を聞くこと』
→令呪による上書き『キャスターに従うことなく、その討伐に全力を尽くせ』
※キャスター(フェイスレス)、カピタン、ディアマンティーナと交戦しました。
※脚のダメージは日常を辛うじて送れる程度には回復しましたが、戦闘には差し支えます。
※ルキアが聖杯の器であることをマンセマットに聞かされました。




BACK NEXT
060:Deep Night 投下順 065-b:魔なる柱雷のごとく出で
時系列順

BACK 登場キャラ NEXT
061:Dはまた必ず嵐を呼ぶ/嵐の中嬉しそうに帆を張った愚かなドリーマー タダノヒトナリ&アーチャー(モリガン・アーンスランド
朽木ルキア&ランサー(前田慶次
062:英雄たちの交響曲 浅羽直之
バーサーク・アサシン(垣根帝督) 065-b:魔なる柱雷のごとく出で
間桐雁夜
バーサ―カー(一方通行 DEAD END
057-b:翼をください マンセマット

タグ:

+ タグ編集
  • タグ:

このサイトはreCAPTCHAによって保護されており、Googleの プライバシーポリシー利用規約 が適用されます。

最終更新:2017年09月24日 19:36