ポケモン対戦史【第6世代】

本編タイトル:X/Y/オメガルビー/アルファサファイア
機種:ニンテンドー3DS
連動タイトル:ポケモンバンク/ポケムーバー
機種:ニンテンドー3DS


2013

  • 10/12 「ポケットモンスターX・Y」 発売
3DSで発売。ついに携帯機でも立体で動くポケモンによる対戦等が実現した。
前作で追加されたポケモンが多すぎた反動なのか、初登場ポケモンは幻3体を含めてわずか72種類と歴代断トツの少なさで、
定番だった準伝説の枠も今作は存在しなかった。
後述のメガシンカに枠を割いた結果などとよく言われている。
また環境当初は後述のポケモンバンクが未配信だったため、一部のポケモンが未参加の環境であった。

  • 18番目の属性「フェアリー」の登場
第2世代の悪・鋼以来14年来となる新タイプとして「フェアリー」が導入された。
今まで(特に第5世代)猛威を奮ったドラゴンや格闘に強く、攻撃面で不遇だった毒と鋼に弱い、と露骨な調整が見て取れるタイプである。
既存の一部ポケモンもフェアリータイプへの変更/追加がなされ、有利不利が大きく変化した。
とは言えガブリアスなどの環境トップクラスのドラゴンは、技次第でフェアリーの弱点を突くことも容易であったため
期待されていた程ドラゴン天下の環境を揺るがす結果には至らなかった。(動きづらくなったのは確かだが)
このドラゴン天下が瓦解するのは第7世代に入ってからとなる…。

  • メガシンカ
一部ポケモンに導入された新要素。メガストーンという専用道具を持たせた状態で、任意のタイミングによるパワーアップが可能となる。
メガシンカしたポケモンは種族値の上昇や特性の変化に加え、一部のポケモンはタイプまで変化する。
アイテム固定、一回の戦闘につき一体のみという制限はあるものの、
一部種族値が異様に高くなったり凶悪な特性を得るケースが多く、有用性は高いものがほとんど。
もちろん従来通りに他の道具を持たせた運用をしてもいいので、メガシンカの是非は元より、
複数のメガシンカ可能なポケモンを選出しどのポケモンがメガシンカをするのかという読み合いを相手に迫る戦術も見られた。

前述の「凶悪な特性」であるが、これを強く体現したのが特性「おやこあい」を持ったメガガルーラだった。
2回行動、殴りながら強くなるグロウパンチ、襷無効、弱点も格闘だけ、単ノーマルタイプらしい技の多様さ・対応力の高さなど
あらゆる要素が噛み合う隙のない強さとなる。
テンプレ型でも大概のマイナー格には手に負えない存在で、豊富な型全てを相手取れるポケモンは相当限られる。
第6世代中は対策必須と言われるほどほとんどのトレーナーが手持ちに加えており、
その環境を席巻・支配してしまった様は「ガルモン」と揶揄され、一部からは不満の声が強く挙がった。
メガシンカ自体も元が弱かったポケモンに対する救済策となった例もあるが、
多くが元々それなりの強さが認められていたポケモンに配られており、「ポケモン間の強弱格差が広がった」という意見もあった。

  • 遺伝システムの大幅変更
今回からは性別に関係なく遺伝技が遺伝可能になり、同時遺伝不可という概念がなくなった。これにより技のカスタマイズ性が大幅上昇。
また、メタモンと育て屋に預けた場合に限り、夢特性が♂からも遺伝するようになり、
♂しかいないポケモンの夢特性の厳選難度が低下した他、♂のみが解禁されていた夢特性の♀を作ることが可能に。
マリルリの腹太鼓+アクアジェットやバシャーモの加速+バトンタッチ等は、これによって初めて実現した組み合わせである。

  • 急所の仕様変更
急所による攻撃力上昇が従来の2倍から1.5倍に、特性「スナイパー」の場合は3倍から2倍に減少した。
その代わりにきあいだめやピントレンズなどの併用で急所率を3ランク上げると、必ず急所に命中する仕様が追加。
これにより一部のポケモンは積み技感覚で確定急所を戦法に盛り込むことも可能になった。

  • 個体値厳選の大幅緩和
伝説ポケモンや野生のベイビィポケモン(正確にはタマゴ未発見グループ)の個体値が確定で3V以上になった。
また片親に「あかいいと」を持たせて育て屋に預けると、個体値が5個遺伝する仕様が追加された。
これにより、乱数調整に頼らずとも、5Vや6Vのポケモンを容易に作れるようになった。

  • フレンドサファリ
殿堂入り後に行けるようになる「フレンドサファリ」には、夢特性のポケモンが出現する。個体値も2V以上が確定と厳選もしやすい。
なお、フレンドサファリに行く為には、3DSにフレンドを登録しておく必要があり、出現ポケモンはフレンドの本体に依存する。

  • Wi-Fiマルチバトル解禁
PSS使用時限定と言う制約はあるものの、遠く離れた相手を巻き込んでマルチバトルを行えるようになった。
トレーナー1人につき1体をメガシンカさせられるため、メガシンカポケモンが2匹並ぶような光景もある。

  • その他の主な変更点
〇鋼タイプがゴースト技・悪技を受けた時に、今作から等倍相性となった。
〇草タイプにはタイプの特徴として宿り木の種や、各種粉技が無効となった。
 他にも電気タイプには麻痺が無効になり、ゴーストタイプは交代を縛る技や特性が無効となった。
〇特性「ぼうじん」に粉技を無効化する効果が追加、持ち物にもそのぼうじんの効果を付与する「ぼうじんゴーグル」が登場した。
 前述の草タイプの粉技無効と合わせて、キノコのほうしなどの粉技を無効化する相手が大幅に増加したが、
 これは前世代でテクニシャンを獲得し猛威を振るったキノガッサの影響が大きいと思われる。
〇メジャーな特殊技の多くが威力を下げられた。具体的には威力95→90になった10万ボルト、120→110になったハイドロポンプなど。
〇特性「すりぬけ」や音技に「みがわりを貫通して相手に直接ダメージを与える」効果が追加された。
 これにより音技の需要が増加。各種スキン系特性と併用して過去作教え技だったハイパーボイスが日の目を見るようになった。
〇前作にあった各種ジュエル系アイテムが、ノーマルジュエル以外消滅。ジュエルアクロバットなどの戦法は取れなくなった。
〇前作までは天候変化特性による天候変化はターン制限がなかったが(永続天候)、今作から天候変化技同様5ターンの制限が付いた。
 無限トドなどの天候下で居座る系のポケモンはこの仕様変更で大きく実用性を損ねてしまった。
〇技「ねこのて」で「ふきとばし」「ほえる」などの強制交代補助技、「そらをとぶ」などの時間稼ぎ技が出ないようになった。
 これは前世代で害悪戦法として名を馳せたいたずらごころ猫の手レパルダスへの対策である。
〇「エレキフィールド」などの各種フィールド技が登場。各種天候や「〇〇ルーム」系の技とは重ねがけが可能。
 この世代では注目されていなかったが、第7世代でカプ系が登場してからはそのフィールド効果が着目され始める。


第3者により「対戦相手の行動を覗き見するツール」が開発され、Web上に公開される事件が起きた。
このツールさえ使ってしまえば、手持ちの3匹はおろか、努力値振りや技構成までもが筒抜けになってしまう。
相手の行動を見てからこちらが行動すればいいだけなので、もはやポケモン対戦など成り立たなくなる。
さらにはプレイヤー同士が「相手がツールを使っているのでは…」という疑心暗鬼に陥り、対戦を楽しめない事態にもなってしまった。
これを受けてか、公式はレーティングモードのサービスを停止。
その後、12/13のソフトのバージョンアップに伴い、レーティングモードが再開され、この際にツールの対策も行われた。


  • 12/25 「ポケモンバンク」「ポケムーバー」配信、それに伴う騒動
ポケモンバンクは、インターネットを介してポケモンを3000匹まで保管できる有料サービス(年500円)。
ニンテンドーeショップにて配信。ポケモンを第五世代から一方通行で移動できるツール「ポケムーバー」も付属しており、
誰でもようやく前世代までで育てたポケモンが活躍させられる…と思われていた。

しかしポケモンバンクが解禁されるやいなや、ニンテンドーeショップにアクセスが殺到し、ダウンロードが困難な状態となる。
結局、他の利用者(翌日は「ゼルダの伝説」シリーズ最新作の発売日であり、混雑が予想されていた)への影響を考えたのか
翌日12/26にポケモンバンクの配信が停止される。
そのまま年が明け、1ヶ月近く経った1/22にポケモンバンクの配信は再開されたが、
この間、ポケモンバンク・ポケムーバーのサービス自体は停止されておらず
当然ムーバーを通して連れてきた過去作産のポケモンもランダムマッチで使用可能なため、
運よくダウンロード出来たプレイヤーとダウンロードできなかったプレイヤーの間に大きな格差が生じることとなった。
なお、サービス開始時にアクセスが殺到し問題が起きるという例には前世代のPDWがあり、これで二回目である。

2014

  • 1/22 ポケモンバンク再配信
騒動から約1ヶ月後にポケモンバンクが修正更新とともに再配信される事となり、
それまでの「バンク難民」を含めて平等に過去作からの移動が出来るようになった。
なお、この日に再配信されたのは日本のみであり、またアクセスの殺到による負荷を考慮してか、再配信そのものは大体的に告知されなかった。

  • ポケモンランキング
PGLがポケモンの使用率や技、持ち物などを把握できるポケモンランキングというサービスを開始する。
流行のポケモンや型がわかるほか、どの型が強いのか、どのポケモンとコンビが組まれているのかまで一目瞭然となった。
これにより、ポケモンの強さや型の実用性が確かな根拠とともに示され、
変態型や意表を突く型、変な技の選択肢が今まで以上に排除されることとなった。

例によって今年も幻ポケモンが夏劇場版のタイミングで配布。メガシンカする幻として話題となった。


  • 11月21日 「ポケットモンスター オメガルビー・アルファサファイア」 発売
12年の歳月を経て、多くのユーザー待望のルビー・サファイアのリメイクが発売。

  • ゲンシカイキ
ORASの顔となるグラードン・カイオーガは、それまでの姿とは大きく様変わりした「ゲンシカイキ」と呼ばれる形態を新たに得た。
それぞれ「だんがいのつるぎ」「こんげんのはどう」という複数攻撃技を獲得する他、前者はほのおタイプが加わっている。
メガシンカとは別枠となり、専用アイテムを持たせると戦闘に出すだけで即ゲンシカイキする。

  • 「おわりのだいち」「はじまりのうみ」
そのゲンシグラードン・ゲンシカイオーガの持つ新特性。通常の天候変化より強力な天候に変える。
天候変化技や、通常の天候変化特性では上書きできない。発動したポケモンがフィールドを去ると天候が戻るが、それまでは永続する。
前者の天候は水・後者は炎タイプの技を無効化する。これによりゲンシグラードンは4倍弱点を克服している。

  • メガレックウザ
ゲンシカイキを得た二匹に対し、新ひこう技「ガリョウテンセイ」と新特性「デルタストリーム」を引っ提げて登場したメガレックウザ。
デルタストリームは天候効果無効化に加え、飛行タイプの弱点を軽減する。
引っ込めると効果が無くなったり前述の2特性以外で天候の上書きができないなど、ゲンシカイキ組を意識した性質も持つ。
総種族値780に加え他のメガシンカと違い道具を持てるなど、その性能は破格の一言。
当然後年のGSルールでは引っ張りだこ…かと言えばそうでもなく、
伝説枠とメガ枠を同時に消費してしまうコストの重さが仇となり、パーティ入りを渋る大会出場者もいた。(優勝実績は残している)

  • 追加メガシンカ
上記レックウザ以外にも、XYではメガシンカしなかったポケモンに新たなメガシンカが追加。
XYでは該当しなかったイッシュ・カロス地方のポケモンも対象になった。
ホウエン勢:ジュカインラグラージヤミラミサメハダーバクーダチルタリスオニゴーリボーマンダメタグロス
      ラティアスラティアスレックウザ
ホウエン外:スピアーピジョットヤドランハガネールミミロップエルレイドタブンネディアンシー

  • PGLの新仕様
レーティング戦ではXYとは別々のリーグで集計され、XY同士・ΩRαS同士でしか行えない事が発表された。
またΩRαSリーグでは旧作から連れてきたポケモンが使えなくなるため、レーティング戦のみ互換切りが行われた事になる。
つまり、零度スイクンや噴火ヒードランといった配信産はもちろんのこと、
本作でBW2以前から復活しない教え技がある場合、それとの両立は不可能となる。
過去作を持ったプレイヤーと持たないプレイヤーの格差を解消する措置であろうが、
過去作産ポケを多用していたプレイヤーは新しいポケモンの育成を迫られることになる。
特に準伝説は乱数調整が使えず、3ヶ所までしか最大値固定にならない6世代では非常に厳選が難しい。
なお、PSSを使用した辻バトルやフレンド戦はXYとΩRαSの間で相互に行える。

  • 図鑑ナビのサーチ機能
一度捕まえたポケモンはサーチを使って強制的に草むらなどのフィールドに出現させることが可能になる。
サーチレベルを上げると、タマゴ技をランダムで1種類習得した個体、最高3Vの高個体値、夢特性持ち個体が出現する。
フィールド移動時に出現するポケモンであればどんな種族でも高個体値や夢特性を粘れるようになり、タマゴ技の遺伝も楽になった。

  • 未解禁夢特性
XY時点で夢特性は判明していたが入手手段のなかった夢特性ポケモンがORAS発売以降に相次いで解禁。
ドラミドロジャローダエンブオーダイケンキガチゴラスメガニウムバクフーンオーダイルアマルルガ

2015


  • 9/15 過去作産ポケモン解禁
シーズン12のΩRαSリーグレーティング戦(スペシャル除く)では旧作から連れてきたポケモンが解禁される事となった。
しかしながら次のシーズン13では元のカロスマーク限定に戻ってしまった。

2016

  • 2/27 バーチャルコンソール「ポケットモンスター赤・緑・青・ピカチュウ」配信
ポケモン生誕20周年を記念して、ニンテンドー3DSにてバーチャルコンソール(以下VC)のポケモン赤緑青ピカチュウが配信された。
このソフトのポイントは、エミュレーターでは実現は難しいとされた「ワイヤレス通信によるポケモンの交換」を実現させた事である。
この「ポケモンの交換」を実現させた為に、
他のVCソフトに備わっている「まるごと保存」や「ゲーム中断」の機能が、ポケモンのVCソフトでは使用できない。
また、当時のバグ技も忠実に再現されており、オールドファン感涙もののソフトとなった。

またこの配信と同日に、最新作として「サン・ムーン」が発表。第7世代への移行が明らかとなった。
なお、この2週間ほど前に夏の映画の主役ポケモンとしてマギアナが発表されている。
アニメが前年秋に『XY&Z』へと移行し、ゲームでも『Z』(仮)の発表が待たれていた中、まさかの完全新作の発表となり、
X・Yはシリーズで初めてマイナーチェンジ版が発売されずに新作を迎えることで、XYで残った伏線が放置されてしまった。

タイプこそ「ほのお/みず」という変わり種だが、
メガシンカ・フォルムチェンジ・タイプ変化特性のいずれも持ち合わせてない、珍しい幻であった。

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最終更新:2023年10月19日 10:27