第一次産業
農業
ヤギホ人の主食。どんな土地でもよく育つ。唯一自給率が100%を超えている食材。
平均してやや甘く、若干粘りけがある。ただし主食として品種改良が進んでいるので、実際は糖度も様々。紫の皮に黄味を帯びた白っぽい中身の品種が一般的だが、中には紅芋と呼ばれる中身まで紫に近い色の品種もある(少々値が張る)。
蒸すと美味しい。石焼きにするともっと美味しい。ステラクスではスイートポテトなる夢のような菓子が作られているらしいが、ヤギホでは卵と牛乳が貴重なので一般に流通していない。
全国で作られており、自給率も100%に近い。
そのまま調理して食するパターンと発酵させ調味料として使うパターンがある。
火山灰の影響で国土全体が硝石など比較的軽く吸水率の低い土壌のため、水田は作れない。地域によっては深く掘ると一度火砕流に埋まって炭となった植物が出てくるため豊かな畑を作ることもできるが、南部は巨大な岩石が多く耕す段階で莫大な時間と労力が必要になるので開墾が進まない。
畜産業
食肉用として飼育されている唯一の家畜。脂身が少ないので一部には人気があるようだが、雑食のためさして美味なわけでもなく、飼育頭数が少なくて珍しい程度の価値である。
牧草や穀物を国内で賄えないので、完全に草食の家畜を養育するのは困難。一部では砕いた大豆で鶏を飼育しているようだが、貴重なのでほとんど流通しない。
漁業
北東部のステラクスとの境目辺りが海流の関係上様々な魚介類を捕獲できる場となっており、ヤギホ人の動物性たんぱく質の大半はここで獲れた魚と言っても過言ではないが、ステラクスに領海侵犯を見逃してもらって漁を続けている状態のため、おおっぴらにできない。
あらゆる魚が獲れるが、比較的多いのは身の締まった青魚である。
磯のため海草も採取でき、ヤギホ料理には海草も用いられる。
鉱業
主に『神の火の山』で採掘できる。神話で『力の源の石』と呼ばれている石と同一のものであり、鉄の含有量が多く、ヤギホ刀を始めとする各種鉄器の原料となる。
未加工の状態で輸出することもある(が、多くの外国人商人は買い付けた鉄鉱石をヤギホの鍛冶職人に卸して何らかの鉄器にしさらに買い戻すという手法をとっている)。
主に『神の火の山』で採掘できる。『神の火の山』の火山活動のためにできたと思われる温泉や川の岸辺で拾うこともできる。水晶、瑪瑙、翡翠など、わりと豊富。
ヤギホ文化では伝統的に加熱・熔解などの手法が発達しているが、熱に弱い石にはあまり明るくない。簡単な研磨による加工は国内でも行うが、大半はステラクスやアスタリカ、近年ではヒルディカに輸出している。七部族などの富裕層は加工品を再輸入している。
貴石類に同じく。
粗く透明度の低いガラス製品はヤギホ国内でも作られ流通しているが、基本的にはステラクスやヒルディカに流れている。
南部でかつて火砕流により生態系が全滅したことのある地域ならばどこででも採掘できる。製鉄のための火をおこすのに使っているには使っているのだが、用途に悩んで売ってしまう者も多い。
第二次産業
製鉄業
ヤギホ伝来の手法を用いて作られる刀剣を『ヤギホ刀(とう)』と呼ぶ。このヤギホ刀を作るには熟練の技が要るため、刀鍛冶の職人は非常に高い社会的評価を受ける。
狭義のヤギホ刀は刃渡り60~80センチで片刃であり、一般的にヤギホ刀と言って思い浮かべられるものはこの狭義のヤギホ刀である。厳密にはこのヤギホ刀は国内では使い方によって太刀もしくは打刀と呼ばれる。他に長さや用途によって脇差や短刀、小刀や薙刀なども存在し、広義ではこれらもヤギホ刀の一種であるとしている。
ヤギホ刀は細く折れず切れ味の良さが長持ちすることから古来より武器として重宝されてきた。また、複雑な工程や刀身の磨き、鞘や鍔の装飾から、諸外国では美術品としても評価が高い。
現存するヤギホ刀一覧参照。
ヤギホ武士にとっては、成人の儀において授けられるもの(通常は太刀と脇差の2本セット)であり、『武士の誇り』として非常に重んじられる。詳しくは
ヤギホ人の武術・戦闘術参照。
主にヤギホ刀の鍔の彫金を指す。
輝石が埋め込まれたり蒔絵が施されたりすることもあるが、硬度の低い貴金属の加工技術が未発達であること、漆など木材に乏しいことから、輸入品を国内で再加工して使用することが多い。
近年女王ホヅカサの命により日用品の鉄器が製産され始めた。以前はヤギホ刀以外のものを作るのは不名誉だとされていたが、鍋や釜など、軽くて丈夫であることから売れ行きが良く、最近はむしろ職人の方が積極的に鋳型を加工するなどして紋様を足し付加価値をつけている。また、小刀を加工した調理包丁も比較的人気がある。
火薬の製造の成功により急激に改良され職人が増えつつある。従来のヤギホ刀の鍛冶職人との対立もあるようだが、圧倒的な殺傷力に人気が集中している。
銃器に同じく。
化学工業
『神の火の山』にて産出する化学物質と日常生活から調達できる様々なものから火薬の精製に成功した。
現在はまだ安定供給や用途の模索の段階だが、銃器や大砲に用いる方向で議論されている。いずれは爆弾の開発も研究される予定。
第三次産業
傭兵業
製鉄業と並ぶヤギホの主要産業。
ヤギホ流の武術、特にヤギホ剣術を身に付けた武士を軍事力として輸出している。
基本的には志願制。特に国外で一攫千金を目指す若い武士にとっては憧れの職業でもある。軍人奴隷として名を上げヤギホ武士の名を大陸に残すことはヤギホの故郷に錦を飾ることとして名誉な行いに相当する。
とは言え、実態は生活に困窮した下武士が自らを売りに出しているようなもの。国外に脱出する理由を求めて志願する者もある。
売春業
男性が軍人奴隷として売られていくため、余剰となった女性が密かに当人もしくは当人の親族が港の人買いに声をかけたり大通商路で性産業に従事したりしている。一説にはかなりの数のヤギホ人女性が歓楽街で遊女をしているとされる。
ホヅカサヅチオオキミが即位するまで、カガリ政権では公的には職業娼婦は存在しないことになっていた。しかし、歴史的には、神事において女王やホカゲ王族の女性と性交することにより男性の神官や武士が神の力を分け与えられる儀式(莫大な寄付金を要求した)を行っていた時代や、あえて売春婦を下位に位置付けることにより一般女性の不満を鎮めていた時代もあり、時の女王やその周辺の解釈によって扱いが異なる。
現在の女王は、女性が生活の困窮を理由に性産業に従事することを良しとしていないが、性産業従事者や性奴隷として密かに売買され国外に輸出される女性の存在を公に認めた。その上で、初潮前の少女の売買を禁止。地方神殿付属施設の宿舎で保護および裕福な商家で奉公を受け入れた際の褒賞金の支給を行い、年少者の売買は減少傾向にある。ただし、女王はこの政策を暫定的なものであるとし、抜本的な改革のために公的な女子教育施設の設立や性教育の普及による避妊の推奨、養子縁組制度の改正を検討している。
最終更新:2015年07月16日 13:13