古代(~999年前)

先史時代

 考古学者によれば、ヤギホ人の祖先は北方の海を渡ってエアスター大陸へやって来た海洋民族であるとの説が有力である。古ヤギホ民族(仮称)は高度な航海術と身体能力を有しており、エアスター大陸北部に定住していた強い魔力をもつ精霊たちを圧倒し、征服した。この時この地に定住していた精霊たちの文化は古ヤギホ民族(仮称)に破壊されたのか形状のはっきり分かるものは未だ出土していない。古ヤギホ民族(仮称)が話していたヤギホ語がこの大陸において語族系統不明の孤立語となっているのも古ヤギホ民族(仮称)が他大陸からの移住者であることの根拠の一つとなっている。
 古ヤギホ民族(仮称)は自らを『父である天空の神』、被征服民である地の精霊たちを『母なる大地の神』とし、創世神話に残している。現代ヤギホ人も海と空を水平線で交わっているものと解釈していることから推察するに、自らの父祖を天空から降り立ち海を渡ってこの大陸に辿り着いたものと考えていることが窺える。
 地の精霊たちと混血した結果生まれたのが現ヤギホ人の祖先であり、太古のヤギホの『女神』たちは伝承にある通り精霊と同じ力を使って人々を圧倒していたようだが、世代が新しくなるにつれて魔力は失われていき、現代のヤギホ人で魔法を使える者は存在していない。

 古ヤギホ民族(仮称)は精霊の力を使役し徐々に人口を拡大させながら現在のヤギホノミヤマ王国の土地を征服していった。
 この時精霊の特徴を色濃く受け継いだ人々が、当時隆盛を誇っていた青空文明より文字を、タスターニャ文明より製鉄技術を学んだようである。ヤギホノミヤマ王国の『神の火の山』と呼ばれ信仰の対象となっている火山の麓で、約1400年前に鋳造されたと推定される鉄器が出土している。鉄器には青空文字が用いられているが、古代青空語とはまったく異なる文法で書かれていることとホカゲ族の血を引くある男性が筆者に明かしてくれたヤギホ語の特徴をつけ合わせてみた結果、青空文明からは文字の音のみを借用していたことが判明した。
 ヤギホ人の伝承によれば、彼らの父祖は『神の火の山』にて『母なる大地の神』のお告げにより『力の源の石』を採掘することに成功した。この『力の源の石』とは鉄の含有量の多い岩石のことであり、使い方はタスターニャ人に教わったものと推察される。
 古ヤギホ民族(仮称)は、この石を神より授かったものとし、夜通し鉄を溶かして、原住民を制圧するための武器を作り上げた。ヤギホ語においては、この製鉄の技を芸(ギ)、製鉄に用いられた熱を火(ホ)と発音し、彼らは最終的に『夜芸火(ヤギホ)』と名乗るに至った。

(ヒルディカ人文化人類学者による『ヤギホ人の歴史』より引用/ヤギホノミヤマ王国国内では禁書となっており閲覧できない)


古代ステラクス帝国統治時代

 当初は軍人奴隷として重宝されていたが、徐々に『蛮族』として差別を受け始め、不満を燻らせつつも爆発させる機を逃し続けていた。詳細は古代ステラクス神官帝国興亡史参照。

古代ステラクス帝国からの独立

 1010年前、ヤギホ人の一部族であるマオキ族が決起。この時を基準に『ヤギホ独立戦争開始』とされる。以後次々とヤギホ人の部族がそれぞれに武装蜂起を始めるが、決定打になったのは1002年前最強の部族と呼ばれていたホカゲ族が正式に参戦を表明した時である。詳細は古代ステラクス神官帝国興亡史参照。
 独立を宣言した999年前を『ヤギホ暦元年』とする。

中世(999年前~400年前)

ホカゲ王朝第一次女王親政期

 ヤギホ人を独立に導きヤギホノミヤマ王国を国家の形にしたヤエケブリホムラオオキミの治世。

ホカゲ王朝マオキ政権

 初代女王ヤエの死後、ヤギホ独立戦争の発端となったマオキ族によって女王を傀儡とした武士の執権政治が始まる。

ホカゲ王朝テルハゼ政権

 マオキ族を打倒し天下統一を成し遂げたテルハゼ族が女王を擁立して政府を組織する。

ホカゲ王朝ネアブリ政権

 テルハゼ族に対しネアブリ族が謀反。
 ネアブリ族族長による軍事政権が発足するが、強引な政策やホカゲ族を弾圧する行為に反発する者が多く、3代ももたずに無政府状態へ突入。

戦国時代

 ネアブリ族打倒とホカゲ族擁立を目指して、全国の武士集団が群雄割拠する。
 海岸線に海賊が現れたのもこの頃。

近世(400年前~21年前)

ホカゲ王朝第二次女王親政期

 女王ホムラトガモシオオキミとその夫大神官サトヒラユキオミ(テルハゼ族出身)によるネアブリ族将軍の打倒、ホカゲ族の政権奪還。この時二人は北部の統一に海賊を利用したと伝えられている。
 大神官サトヒラユキオミによる善政をもってこの時代を『パックス・ヤギハーナ』の到来とする向きがある。

ホカゲ王朝ノシ政権

 大神官サトヒラユキオミの死後、女王ホムラトガモシオオキミと大神官サトヒラユキオミの孫娘に当たる女王がノシ族の武士を婿にとったことにより、ノシ族族長が摂関政治を始める。以後、摂政・関白の位をノシ族が独占する。

カガリ族とノシ族の対立

 武士の家系であるノシ族では政権運営が上手く回らず、上位神官の地位を占めるカガリ族との共同統治が始まる。
 いつしか立場が逆転し、カガリ族がノシ族を圧倒。ノシ族は「神の祟りを畏れて自ら関白の位をカガリ族族長に明け渡した」とされているが、背景にはホカゲ族がカガリ族を積極登用したことによりノシ族の影響力が極端に弱まったことがある。

ホカゲ王朝カガリ政権

 カガリ族が子弟をホカゲ族の女王・王女に次々と婿入りさせ、婚姻政策で地盤固めをする。
 武士の地位が一時的に下げられ、ヤギホ刀の華美な装飾を禁じる。同時に、ヤギホ古語の復興運動を行ない、詩歌や絵巻物などを保護し作品作成を奨励する文化的支援策を多く実施した。
 ヒルディカとの交易を開始。

現代(21年前~現在)

女王ホヅカサヅチオオキミによる親政とその政策の変遷

 ホヅカサヅチオオキミの即位をもってホカゲ王朝第三次女王親政期とする。
 基本的には即位して以来途切れることなく重商主義を取る。技術の流出を恐れ半ば鎖国状態であった今までの女王のやり方を一新。大通商路の整備を行ない、外国人の商売を奨励する。各国との国交樹立や下武士の貸出についての折衝など自ら他国に赴いて積極的な対外政策も行なう。
 諸外国に対しては社交的な表の顔を見せる半面で、国内では『神のお求めのところ』になる者を大量に出し、多くを『神の火の山』に送り込んでいる。今や国内でホヅカサに意見する者は存在しない。

☆主な政策
  • ステラクスとの正式な和平条約を締結、和解。それまで非公式だったステラクスとの輸出入を公的に認可。(978年/21年前)
  • 『神都』にヒルディカ人自治地区を設け、自主防衛権や自由貿易権、治外法権を認可。(979年/20年前)
  • 各地の関所の通行条件を緩和。『南北の壁』の通行許可証の発行を簡便化。観光目的での『神都』滞在を許可。(980年/19年前)
  • 共同統治地域の国際会議場にて、各国の要人にヤギホノミヤマ王国がテロリズムに力を貸さないことを約束。(982年/17年前)
  • 常備軍の再編制。(984年/15年前)
  • 武士の教育・訓練施設の設立、下武士を傭兵として派遣する制度の法整備完了。同時に神官制度も改正し、七部族の権力範囲を縮小。(984~8年/15~11年前)
  • 火の妖精や炎魔法を使う魔女を奴隷労働から解放。ラステロイおよびヘクスラントへの謝罪、和解および国交樹立。(987年/12年前)
  • 公教育に関する法制度の整備に着手。留学制度も整備し、外国人留学生や外国人学識者の積極的な受け入れも開始。(991年/7年前)



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最終更新:2015年07月16日 12:54