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**誕生  ヤギホ人は子を生まれた時点では『性別はない』ものとみなし、男児は『将来男になる生き物』、女児は『将来女になる生き物』と捉えて教育する。 **幼少期  先述の通り公には性別がないという扱いを受ける。男女別の教育を施す時期もあるが、あくまで『将来男または女になるため』を念頭に置いており、その時点で男児もしくは女児であるということを重視したものではない。  7歳前後まではまったく区別なく養育される。7歳を過ぎたくらいから、男児には剣術を、女児には料理や裁縫を習わせるのが一般的だが、女児が剣術を習うことや男児が料理や裁縫を習うことを禁止したり忌避したりすることはない。男児の方が病などで死にやすいと信じられていることから、男児の方が邪神のお求めのところになりやすいと考えられており、男児を女児と同じように育てることで邪神の目を逸らせようという意図がある。 **成人 ***女子の成人  基本的には初潮を迎えた段階で成人したとみなし次の吉日をもって成人の儀を行う。神社に詣でた後近しい親族や近隣住民と宴会を開くのが慣わし。  成人後はいつでも婿を迎え入れることができるとされる。他に大きな変化はない。中には家督を継ぐため改名する者もいるが一般的ではない。 ***男子の成人  『邪神をはね除けて育った強い男』と讃えられ、大々的に祝われる。地元の神社の神官の長を招いて、ヤギホ刀と新たな真名を与える儀式を行った後、部族を挙げての大宴会を催す。  成人したとみなすきっかけについては、ヤギホ人全体に共通の基準はない。部族ごと、氏族ごとによって異なるが、『変声期を迎えたら』『背がある一定の高さまで伸びたら』『14歳になったら』などが比較的多い。七部族など政治や神事、軍事に携わる人々の息子だと、親や親の上官などによる政治的判断で決められることもある。成人すれば婿に行けるとみなされ政略結婚の道具に使われるからである。就職も基本的には成人後で、神官の息子の場合成人の儀の時に刀や名前とともに官職を与えられることもある。  儀式の際にヤギホ刀を授けられる。親族や剣術の指導者など縁の深い者が腕のある刀鍛冶の太刀を選んで発注し授与するものなので、授け親とは擬似的な親子関係が生ずる。王子タケハヤの場合は女王ホヅカサが自ら国内最高の鍛冶職人を選び手ずから与えたことからヤギホ武士にとってはこの上ない名誉を授けられたことになる。両刃の剣が与えられることはない。『女神』を殺した伝説上の反逆者トオヤの魔剣『神薙』を連想する不吉な刃物だからである。  同時に、名を改める風習がある。  男児は生まれた時には邪神の目を背けるためにわざと安直な名前や響きの良くない名前、縁起の悪い名前をつけられる。『この子は人間である親にとっても大した価値のある子ではないのできっと神々にとっても魅力がないはずだ』という意味を込めたまじないの一種である。『~マロ(○○麻呂)』という名前が多いが、『麻呂』はヤギホ古語で『糞』を意味する『マル』から派生した言葉であると言われており、逆にヤギホ古語をたしなむ王侯貴族の子弟の方が『~マロ』ばかりとなっている(現代の女王ホヅカサの息子たちは長男がアカルマロで次男がクロガネマロである。ちなみにクロガネマロだが、鉄ないし鉄鉱石を表す古語を用いているため、同名が大量発生する。3人に1人はクロガネマロであった時代もある)。  この幼名はあくまで『成人男性』という性別のある人間になるまでの仮の名前であるため、成人と同時に『人間の男性らしい』名前を与えられなければならない。特に武士の息子の名前は強さや勇猛さを意識した字を入れる。留め字は絶対のものではないが、『~ヒコ(日子、彦)』『~ヒト(人、仁)』『~オミ(臣)』『~ヲ(男、雄)』が好んでつけられる。  成人男性としての真名を与えられると、幼名で呼ばれることが子供扱いすなわち侮辱となる。親兄弟や友人がうっかり慣れ親しんだ幼名で呼んでしまい喧嘩になる事件は貴賤を問わずどこでも起きる。 ***『仲介者』《魂寄(たまよせ)》  成人の儀を執り行わず、あえて性別のない状態でい続けることを選択した人々のことを指す。  女児は初潮を迎えたら自動的に成人女性とみなされてしまうため元女児の《魂寄》は少ない。元女児の《魂寄》は月経があることを隠して生活することになる。  男児の場合あえて真名を改めないか真名の授与を拒否することで《魂寄》となる。ひげを生やすことを禁じられている。  《魂寄》とは神と人間の中間に位置する存在であり、神社のない地域で神事を代行したり、神官の指示の下で神事に携わったりする。霊的な力が非常に強く、神を呼び寄せたり神の声を聞いたりすることができるとされ、地域で重んじられる。民間では神官より神に近い存在とみなされ、《魂寄》自体が信仰の対象となることもある。  《魂寄》には性別がないため、処女童貞であるとされているが、神の力を分け与えるための性交を行い対価を得ることも《魂寄》の務めのひとつとされているので、あくまで結婚できないという程度の認識のようである。一部では男娼と同義になっている。《魂寄》は結婚することで還俗し人間となるが、結婚すると神との交信が行えなくなるとされ、それまでの地位や名声をすべて失なうこととなり、何の保障もなくなる。 **死  自然環境が厳しく戦闘行為を常としてきたヤギホでは、死は非常に身近なものである。ヤギホ人にとってもっとも身近な『忌避すべきもの』が死であり、すぐ傍にあって隙を見せればいつでも訪れる大敵である。  よって、死はケガレとされ、できる限り炎を焚いて遠ざけるべきものとされてきた。  ゆえに、一般庶民は原則として火葬する。遺体を高温で焼いた後、遺灰を埋めることで『土に還す』。ケガレをまとった肉体を焼き払うことで母なる大地と同化できると考えられる。また、ケガレをまとった遺体を焼くことで親族や近隣住民が次のケガレを避けられるとも考えられている。  ただし、身分の高い者、特に王族や徳の高い神官は土葬する。神の子孫である王族や上級神官は神の代理人であり神と同一視されるため、死してもケガレとはみなされず、母なる大地にそのまま埋めて『土に還す』。  死後は本格的に神として祀られることとなり、社が建立される。墓石(『神の火の山』の熔岩の中から美麗で加工しやすいものを選び墓碑として名を刻んだ後埋葬箇所の上に置く)がご神体となる。 ----
**誕生  ヤギホ人は子を生まれた時点では『性別はない』ものとみなし、男児は『将来男になる生き物』、女児は『将来女になる生き物』と捉えて教育する。 **幼少期  先述の通り公には性別がないという扱いを受ける。男女別の教育を施す時期もあるが、あくまで『将来男または女になるため』を念頭に置いており、その時点で男児もしくは女児であるということを重視したものではない。  7歳前後まではまったく区別なく養育される。7歳を過ぎたくらいから、男児には剣術を、女児には料理や裁縫を習わせるのが一般的だが、女児が剣術を習うことや男児が料理や裁縫を習うことを禁止したり忌避したりすることはない。男児の方が病などで死にやすいと信じられていることから、男児の方が邪神のお求めのところになりやすいと考えられており、男児を女児と同じように育てることで邪神の目を逸らせようという意図がある。 **成人 ***女子の成人  基本的には初潮を迎えた段階で成人したとみなし次の吉日をもって成人の儀を行う。神社に詣でた後近しい親族や近隣住民と宴会を開くのが慣わし。  成人後はいつでも婿を迎え入れることができるとされる。他に大きな変化はない。中には家督を継ぐため改名する者もいるが一般的ではない。 ***男子の成人  『邪神をはね除けて育った強い男』と讃えられ、大々的に祝われる。地元の神社の神官の長を招いて、ヤギホ刀と新たな真名を与える儀式を行った後、部族を挙げての大宴会を催す。  成人したとみなすきっかけについては、ヤギホ人全体に共通の基準はない。部族ごと、氏族ごとによって異なるが、『変声期を迎えたら』『背がある一定の高さまで伸びたら』『14歳になったら』などが比較的多い。七部族など政治や神事、軍事に携わる人々の息子だと、親や親の上官などによる政治的判断で決められることもある。成人すれば婿に行けるとみなされ政略結婚の道具に使われるからである。就職も基本的には成人後で、神官の息子の場合成人の儀の時に刀や名前とともに官職を与えられることもある。  儀式の際にヤギホ刀を授けられる。親族や剣術の指導者など縁の深い者が腕のある刀鍛冶の太刀を選んで発注し授与するものなので、授け親とは擬似的な親子関係が生ずる。王子タケハヤの場合は女王ホヅカサが自ら国内最高の鍛冶職人を選び手ずから与えたことからヤギホ武士にとってはこの上ない名誉を授けられたことになる。両刃の剣が与えられることはない。『女神』を殺した伝説上の反逆者トオヤの魔剣『神薙』を連想する不吉な刃物だからである。  同時に、名を改める風習がある。  男児は生まれた時には邪神の目を背けるためにわざと安直な名前や響きの良くない名前、縁起の悪い名前をつけられる。『この子は人間である親にとっても大した価値のある子ではないのできっと神々にとっても魅力がないはずだ』という意味を込めたまじないの一種である。『~マロ(○○麻呂)』という名前が多いが、『麻呂』はヤギホ古語で『糞』を意味する『マル』から派生した言葉であると言われており、逆にヤギホ古語をたしなむ王侯貴族の子弟の方が『~マロ』ばかりとなっている(現代の女王ホヅカサの息子たちは長男がアカルマロで次男がクロガネマロである。ちなみにクロガネマロだが、鉄ないし鉄鉱石を表す古語を用いているため、同名が大量発生する。3人に1人はクロガネマロであった時代もある)。  この幼名はあくまで『成人男性』という性別のある人間になるまでの仮の名前であるため、成人と同時に『人間の男性らしい』名前を与えられなければならない。特に武士の息子の名前は強さや勇猛さを意識した字を入れる。留め字は絶対のものではないが、『~ヒコ(日子、彦)』『~ヒト(人、仁)』『~オミ(臣)』『~ヲ(男、雄)』が好んでつけられる。  成人男性としての真名を与えられると、幼名で呼ばれることが子供扱いすなわち侮辱となる。親兄弟や友人がうっかり慣れ親しんだ幼名で呼んでしまい喧嘩になる事件は貴賤を問わずどこでも起きる。 ***『仲介者』《魂寄(たまよせ)》  成人の儀を執り行わず、あえて性別のない状態でい続けることを選択した人々のことを指す。  女児は初潮を迎えたら自動的に成人女性とみなされてしまうため元女児の《魂寄》は少ない。元女児の《魂寄》は月経があることを隠して生活することになる。  男児の場合あえて真名を改めないか真名の授与を拒否することで《魂寄》となる。ひげを生やすことを禁じられている。  《魂寄》とは神と人間の中間に位置する存在であり、神社のない地域で神事を代行したり、神官の指示の下で神事に携わったりする。霊的な力が非常に強く、神を呼び寄せたり神の声を聞いたりすることができるとされ、地域で重んじられる。民間では神官より神に近い存在とみなされ、《魂寄》自体が信仰の対象となることもある。  《魂寄》には性別がないため、処女童貞であるとされているが、神の力を分け与えるための性交を行い対価を得ることも《魂寄》の務めのひとつとされているので、あくまで結婚できないという程度の認識のようである。一部では男娼と同義になっている。《魂寄》は結婚することで還俗し人間となるが、結婚すると神との交信が行えなくなるとされ、それまでの地位や名声をすべて失なうこととなり、何の保障もなくなる。 **死  自然環境が厳しく戦闘行為を常としてきたヤギホでは、死は非常に身近なものである。ヤギホ人にとってもっとも身近な『忌避すべきもの』が死であり、すぐ傍にあって隙を見せればいつでも訪れる大敵である。  よって、死はケガレとされ、できる限り炎を焚いて遠ざけるべきものとされてきた。  ゆえに、一般庶民は原則として火葬する。遺体を高温で焼いた後、遺灰を埋めることで『土に還す』。ケガレをまとった肉体を焼き払うことで母なる大地と同化できると考えられる。また、ケガレをまとった遺体を焼くことで親族や近隣住民が次のケガレを避けられるとも考えられている。  ただし、身分の高い者、特に王族や徳の高い神官は土葬する。神の子孫である王族や上級神官は神の代理人であり神と同一視されるため、死してもケガレとはみなされず、母なる大地にそのまま埋めて『土に還す』。  死後は本格的に神として祀られることとなり、社が建立される。墓石(『神の火の山』の熔岩の中から美麗で加工しやすいものを選び墓碑として名を刻んだ後埋葬箇所の上に置く)がご神体となる。 #back(text=戻る,left,hr)

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