麻雀技術の概要

 

 麻雀は最大限にアガリを目指し(できるなら高打点を狙い)、最大限に放銃を避ける(放銃するとしても高打点の放銃を特に避ける)ように打つのが基本です。よって、まず第1章でアガリを目指す手作りの技術、第2章で放銃を避ける降りの技術について解説した後、攻めるか降りるかを決める、押し引き判断について解説することにします。

 

 点数状況判断について

 

ところが、1局単位では上記のように打つのがよくても、1試合単位で見た場合は必ずしもそう打つべきとは言えません。何故なら麻雀は点数だけでなく着順も評価(ルールによっては着順のみを評価する場合もある)するからです。例えばあがれば何点でもトップになるのであれば、打点関係なくなるべくアガリ率を高めるように打つことになります。

 

 よって、押し引き判断、打牌比較の前に、点数状況によって何を目的として打つべきかという、目的の認識が必要になります(目的の認識→押し引き判断→打牌比較の順で考慮する)。判断の手順を明確にすることは、実戦で精度の高い選択をスムーズに行う為に重要です。

但し、残り局数が十分(東南戦の南2局以前)にあり、点差も極端でない(2着と16000点以上差をつけた断トツ、5200点未満の断ラスがいない)、「平場」なら着順はそこまで意識することはないです。(優劣が微妙であれば平場でも、「打牌比較」の段階で点数状況を考慮することはあります)この点数状況判断については、第3章で扱います。

 

 読みについて

 

 麻雀も将棋のような知的ゲームである以上、「どう打つべきか」という判断が最も重要であることは間違いありません。しかし麻雀においては、的確な判断を下す為に、基準とすべき情報を正しく素早く認知することも案外難しく、とりわけ不確定要素、読みが関わってくる判断については、基準自体がまだ不十分です。

 

 確かに「読み」は確実性が低く習得も難しいので、技術としての重要度は下がりますが、正しく利用できるに越したことはありませんし、より高いレベルを目指すには必要な技術です。第4章ではこの「読み」について扱います。

 

 この本の読み方について

 

各章を手牌や局面、扱う選択によって各節、各項目に分類し、判断基準について一通り習得できるようにしてあります。基本的に重要な項目ほど前半部分に置き、項目の中でも重要な内容ほど前半で扱うようにしているので、内容が難しい、あるいはより重要な内容を先に習得したいと思われたのであれば後半部分は読み飛ばして次の項目を読まれることをお勧めします。ルールについては、特に断りがなければ東南戦のクイタン、後付け有り、赤5は各色に1枚(祝儀無し)、25000点持ち30000点返し、ウマ10-30とします。

 

また、Webサイト「現代麻雀技術論」は2008年に執筆したものなので、当著の結論と矛盾した内容が書かれてある場合もあります。その場合は、こちらの内容を優先していただければ結構です。

それではよろしくお願いします。

 

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最終更新:2022年01月15日 07:56