他家の攻撃への見積もり

 ここからは主に他家の鳴きに対する押し引き判断について考えます。まずは鳴きの特徴について取り上げます。

 

 テンパイかどうか不確定

 

 リーチ時と異なり、4フーロ(裸単騎)でもなければ、必ずテンパイしているとは言えません。序盤(4巡目)の3フーロ、中盤(9巡目)の2フーロ、終盤(14巡目)の1フーロでテンパイ確率は約50%になります(中盤、終盤の3フーロはそれぞれ約80%、90%。終盤の2フーロは約70%)。これはフーロ直後のテンパイ率なので、その後手出しが入れば更にテンパイ確率は上がります。(フーロ直後のテンパイ率が約50%の場合、次巡以降1回手出しが入ると約70%、2回手出しが入ると約90%)。

 

 ただし、テンパイ率に関しては、鳴いた他家の河や打ち筋次第でかなり変動があることには注意が必要です。例えば特に利用価値が高い牌(手に組み込みやすいドラや、染め手をやっている場合の同色牌等の、相手の狙っている手役に特に必要な牌)を手出しで切ってきた場合はテンパイの可能性が高くなります。利用価値の高い牌を切った後で2枚切れ字牌等の安牌として残していた可能性が高い牌を手出しで切ってきた場合もテンパイしている可能性が高くなります。

 

リーチやテンパイ濃厚な仕掛けに対して危険牌を切ってくる他家もテンパイしている可能性が高まります。押している他家が更にもう1フーロしてきたら、2シャンテン以前からテンパイ相手に押すべきケースは稀である以上、ほぼテンパイしていると読むべきです。また、カンしてくる他家もテンパイか良形1シャンテンの可能性が高いと言えます。(他にテンパイ濃厚な他家がいれば更にテンパイの可能性が高まる 。)

 

逆に、手出しでターツを落とした直後は、テンパイ率がそこまで高くなりません。例えば2478m67p99s チー123s ポン白白白から打4mとして、次巡以降2mが手出しで切られた場合、実際にテンパイしているのはツモ69m58pの時のみで、ツモ78m67p9sや2m以上に安全な牌を引いた場合はノーテンなのでテンパイ率は高くても50%程度、愚形含みの1シャンテンなら更に下がることになります。

 

打点が読みやすい

 

鳴き手役別の平均打点については講座37の表で取り上げてますが、鳴きに関してはリーチと異なり打点が読みやすいことが多いので、実戦ではこの牌を切って放銃したら何点失点するかというように打点を予測したうえで押し引き判断をします。使っているか分からない表ドラや赤ドラについては、鳴き手の他家が最大で使うことのできるドラの1/3程度持っているものと考えます。(例えば既に3フーロされているクイタン手でドラが見えてないなら、ドラが中張牌であっても多くて3枚なのでドラ1の2翻程度、ドラがヤオチュウ牌なら1~2翻の中間よりはやや高い程度と見込む)

 

待ちが読みやすい(特に狙っている役を特定できる場合)

 

染め手であれば染めている色か字牌以外では当たらず、トイトイであれば場に2枚見えている牌で当たることはほぼ有り得ません。そのため待ちが特定されやすくなります。逆に言えば、「当たりそうな牌」で本当に放銃する確率もメンゼン時より高くなる(対リーチに無スジ456を切る場合以上に放銃率が高くなる牌があることも珍しくない)ので、そのような牌を切る場合は(特に振ったら高い可能性が高い場合は)、そのリスクに十分見合う手でなければならないことには気をつけるべきです。

 

ダマテンは基本的に考慮しない

 

 ダマテンでしかも高打点のテンパイが入っている可能性は終盤であっても高くないので、ダマテンを警戒するくらいなら形式テンパイを目指す方が収支面で有利です。リーチにかなり危険な牌を切っている他家がいるなどダマテンの可能性も十分考えられる場合や、形式テンパイすら難しい場合に考慮するくらいで十分です。

 

 

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最終更新:2014年11月09日 22:51