対立直自分不聴

 押し引きの考え方で述べましたように、他家のリーチに対してノーテンから押すことは多くなく、押すとすればテンパイ率が高いうえに高打点が見込める手に限られます。特にテンパイ率が重要なので、巡目や受け入れの広さ(鳴いてテンパイも含む)が判断に大きく影響します。1シャンテンから無スジ2378を押すものとして、他は対立直自分聴牌の時と同様の条件の押し引き判断基準について解説します。

 

 自分子、他家子の場合

 

完全1シャンテン

 

4翻 序盤押し有利、中盤やや押し有利、終盤降り有利

3翻 最序盤押し有利、序盤やや押し有利、中盤微妙、終盤降り有利

2翻以下 最序盤微妙、序盤やや降り有利、中盤以降降り有利

 

リャンメン×2の1シャンテン

 

4翻 最序盤押し有利、序盤押し有利、中盤微妙、終盤降り有利

3翻 最序盤はやや押し有利、序盤は微妙、中盤はやや降り有利、終盤は降り有利

2翻以下 最序盤でも微妙、序盤はやや降り有利、中盤以降は降り有利

 

リャンメン+リャンカンの1シャンテン

 

4翻 最序盤やや押し有利、序盤微妙、中盤やや降り有利、終盤降り有利

3翻 最序盤微妙、序盤やや降り有利、中盤以降降り有利

2翻以下 降り有利

 

リャンカン+カンチャンの1シャンテン 序盤4翻でも降り有利

 

完全1シャンテンでも愚形テンパイより明確に降りることが多く、中盤なら3翻以上あってやっと押しを考えるくらいです。愚形残りの場合は満貫あってもほぼ降りることになります。

 

自分親、他家子の場合

 

完全1シャンテン

 

4翻 中盤まで押し有利、終盤微妙(放銃率15%の牌を切る場合はやや降り有利)

3翻 中盤まで押し有利、終盤やや降り有利

2翻以下 序盤押し有利、中盤やや押し有利、終盤やや降り有利(放銃率15%の牌を切る場合は降り有利)

 

リャンメン×2の1シャンテン

 

4翻 中盤まで押し有利、終盤やや降り有利(放銃率15%の牌を切る場合は降り有利)

3翻 序盤押し有利、中盤やや押し有利、終盤やや降り有利(放銃率15%の牌を切る場合は降り有利)

2翻以下 最序盤やや押し有利、序盤微妙、中盤やや降り有利、終盤降り有利

 

リャンメン+リャンカンの1シャンテン

 

4翻 序盤押し有利、中盤やや押し有利、終盤やや降り有利(放銃率15%の牌を切る場合は降り有利)

3翻 序盤やや押し有利、中盤微妙、終盤降り有利

2翻 序盤微妙、中盤やや降り有利、終盤降り有利

1翻 最序盤微妙、序盤やや降り有利、中盤から降り有利

 

リャンカン+カンチャンの1シャンテン

 

4翻 序盤微妙、中盤やや降り有利、終盤降り有利

3翻 最序盤微妙、序盤やや降り有利、中盤から降り有利

2翻以下 降り有利

 

親の場合はかなり押せる範囲が増えますが、それでも愚形残りだとかなり厳しくなります。完全1シャンテンとリャンメン×2の1シャンテンでも押し引き判断が結構変わるので、1シャンテンから押すかどうかは手広さがかなり重要になると言えます。

 

自分子、他家親の場合

 

完全1シャンテン

4翻 序盤微妙、中盤やや降り有利、終盤降り有利

3翻 最序盤微妙、序盤やや降り有利、中盤から降り有利

2翻以下 降り有利

 

リャンメン×2の1シャンテン

 

4翻 序盤微妙、中盤やや降り有利、終盤降り有利

3翻 最序盤でも微妙、序盤はやや降り有利、中盤以降は降り有利

2翻以下 降り有利

 

リャンメン+リャンカンの1シャンテン

 

4翻 最序盤でも微妙、序盤はやや降り有利、中盤以降は降り有利

3翻以下 降り有利

 

リャンカン+カンチャンの1シャンテン

 

序盤4翻でも降り有利

 

対親リーチとなると序盤で良形高打点確定でも押すかどうか微妙。親リーチにノーテンなら無スジを押す局面はほとんどないと言えます。

 

 各種状況判断

 

 対立直自分聴牌の内容以外に、1シャンテンの場合に考慮する要素について取り上げます。

 

 比較的通りやすい牌を切る場合

 

 スジや、講座36で取り上げたような理由から無スジでも比較的通りやすい牌を切って1シャンテンを維持する場合は押せるケースも増えます。微妙~やや降り有利程度であれば、比較的通りやすい牌は押してテンパイを目指しつつ、更に無スジを引けば降りという選択も有効です。ただ、ある程度の危険度の牌まで押すという選択を正しく行うのは難しいうえに、降りるべき手で正しく降りることに比べれば結果に与える影響は小さいので、判断に自信がないうちは優先的に降りを考えるのが無難です。明確に降り有利な場合は、比較的通りやすい牌も押さずにベタ降り、安牌が無い場合も安牌を増やすように切ってなるべく失点を減らすようにします。

 

 テンパイ時に切る牌の危険度

 

 押すかどうか微妙なケースでは判断に影響することもあります。上で挙げたような、通常の無スジなら押すかどうか微妙な1シャンテンで、テンパイ時に切る牌が両無スジ456程度の危険牌であれば、比較的通りやすい牌でも押さずに最初から降りるのが有力です。また、かなり通りやすい牌を切って1シャンテンに取れる場合でも、テンパイしたところでその牌を押すかどうか微妙な場合も現物から切ってベタ降りします。

 

 鳴き手の場合

 

 鳴きがきくかどうかでテンパイ率が大きく変わり、押し引き判断に大きな影響を与えます。リーチ者が上家(アガリ牌以外はツモ切りなので鳴くことができる)であれば、リャンカン+カンチャンでもリャンメン×2、リャンメン+リャンカンであれば完全1シャンテン程度に押すことができます。(リャンメン×2以上の1シャンテンについては講座44参照)。ただし、他家が降りていて鳴きが期待できないのであればあまり判断は変わりません。役有りのメンゼン手で鳴くと2翻以下の安手になる場合も、鳴けることがあまりメリットにならないので同様です(メンゼンのタンヤオドラ1の1シャンテンはドラ2の1シャンテンと同様に判断する)。

 

 高打点1シャンテンと鳴いて低打点テンパイの比較

 

 講座38の基準と比較しても分かるように、特に高打点のアガリが必要になる局面でなければほぼテンパイに取るのが有利になります。もちろんテンパイに取って押すよりも降りた方が有利な場合は鳴かずに、メンゼンで押した方が有利になる手になった場合のみ押す方が有利ですし、テンパイに取っても次の無スジで降りるような手で、鳴かずにメンゼンでテンパイした場合は多くの場合押し有利になる場合は鳴かずに手を進めます。

 

 2シャンテンの押し引き判断

 

 1シャンテンの時点で多くのケースで降り有利になるので、2シャンテンの場合はほぼ降り有利と言えます。4連形や中ぶくれ形からリャンメンができればリャンメン×2の1シャンテンになるような特に受け入れが広く良形テンパイになりやすい手であれば、リャンメン+リャンカンの1シャンテンと同程度とみなして押すことも有り得るというくらいです。

 ヘッドレスやくっつき1シャンテンのような特にテンパイする受け入れが広い1シャンテンの場合の押し引き判断について考えます。

 

 ヘッドレス1シャンテン

 

 123m23478p34578s

 

 暗刻も雀頭ができやすい連続形ターツも無い場合は、2メンツ形のターツ×2の1シャンテンから押す場合と大差ありません。よって上の牌姿の場合はリャンメン×2の1シャンテンと同様に押し引き判断します。

 

 234999m34678p56s

 

 上の牌姿のように暗刻があってリャンメンテンパイになる受け入れが8種28枚もある場合(鳴き手で上家からの鳴きが期待できる完全1シャンテンも同様に判断)は、次のように判断します。

 

 子対子の場合

 

 4翻 中盤押し有利、終盤やや押し有利、15%程度の危険牌を切る場合は微妙

 3翻 序盤押し有利、中盤やや押し有利、終盤微妙、15%程度の危険牌を切る場合はやや降り有利

 2翻 序盤やや押し有利、中盤微妙、終盤やや降り有利、15%程度の危険牌を切る場合は降り有利

 1翻 序盤微妙、中盤やや降り有利、終盤やや降り有利、15%程度の危険牌を切る場合は降り有利

 

 親対子の場合

 

 4翻 中盤押し有利、終盤押し有利、15%程度の危険牌を切る場合はやや押し有利

 3翻 中盤押し有利、終盤やや押し有利、15%程度の危険牌を切る場合は微妙

 2翻 序盤押し有利、中盤やや押し有利、終盤やや押し有利、15%程度の危険牌を切る場合はやや降り有利

 1翻 序盤やや押し有利、中盤微妙、終盤微妙、15%程度の危険牌を切る場合はやや降り有利

 

 子対親の場合

 

 4翻 中盤押し有利、終盤微妙、15%程度の危険牌を切る場合はやや降り有利

 3翻 序盤やや押し有利、中盤微妙、終盤やや降り有利、15%程度の危険牌を切る場合は降り有利

 2翻 序盤微妙、中盤やや降り有利、終盤降り有利

 1翻 序盤やや降り有利、中盤以降降り有利

 

 234789m34456p56s

 

 暗刻は無いが雀頭ができやすい連続形ターツがある場合(鳴き手で上家から鳴きが期待できるリャンメン×2の1シャンテンも同様に判断)は、次のように判断します。

 

 子対子の場合

 

 4翻 中盤やや押し有利、終盤やや押し有利、15%程度の危険牌を切る場合は微妙

 3翻 中盤微妙、終盤やや降り有利

 2翻 序盤微妙、中盤やや降り有利、終盤やや降り有利、15%程度の危険牌を切る場合は降り有利

 1翻 序盤やや降り有利、中盤以降降り有利

 

 親対子の場合

 

 4翻 中盤押し有利、終盤やや押し有利、15%程度の危険牌を切る場合は微妙

 3翻 中盤押し有利、終盤やや押し有利、15%程度の危険牌を切る場合は微妙

 2翻 序盤押し有利、中盤やや押し有利、終盤微妙、15%程度の危険牌を切る場合はやや降り有利

 1翻 序盤やや押し有利、中盤微妙、終盤やや降り有利

 

 子対親の場合

 

 4翻 序盤押し有利、中盤やや押し有利、終盤やや降り有利、15%程度の危険牌を切る場合は降り有利

 3翻 序盤微妙、中盤やや降り有利、終盤降り有利

 2翻 序盤やや降り有利、中盤以降降り有利

 1翻 降り有利

 

くっつき1シャンテン

 

 1237m1237p34599s

 

 上の牌姿のような3~7の浮き牌2種のくっつき1シャンテンの場合は、完全1シャンテン(平和がつく)と同等として押し引き判断します(愚形テンパイが複数種ある場合は、良形+1種の1シャンテンから押す場合と同程度になる)。

 

 4567m4556p22789s 

 

 4連形や中ぶくれ形×2になればリャンメン以上のテンパイになる受け入れだけで8種28枚。この場合も暗刻があるリャンメン×2のヘッドレス1シャンテンと同様に押し引き判断します。

 

 4567m1237p22789s

 

 4連形や中ぶくれ形+3~7の浮き牌のくっつき1シャンテンの場合は、暗刻無し雀頭のできやすい連続形ターツ有りのリャンメン×2のヘッドレス1シャンテンと同様に押し引き判断します。

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最終更新:2014年11月08日 22:54