打牌の手順

 

 平場のメンゼン手における打牌基準について解説してきましたが、正しい打牌選択ができるようになるためには、ただ打牌基準を覚えるだけでなく、手牌と局面を正しく認知し、打牌基準を正確に活用できるようになる必要があります。この項目では実戦でどのように認知、判断を行っていくかについて解説します。

 

 手牌の把握

 

 まずは手牌のシャンテン数、メンツ候補の数、ヘッドの有無を把握します。シャンテン数の求め方は講座7で解説した通りですが、3シャンテンよりアガリに遠い手については、3シャンテン以上とだけ把握できていれば十分です(3シャンテンか4シャンテンかで打牌が変わることは稀なので)。

 

 メンツ候補の数(3つ以下がターツ不足、4つがターツ十分、5つ以上がターツオーバー)とヘッドの有無で手牌を構成するパーツの価値に変化があることはこれまでの講座で解説してきた通りです。従来の麻雀講座ではあまり詳しく取り上げられることがなく、何となく打牌選択をされてきた方も多いと思いますので、特に意識して把握するようにすることをお勧めします。

 

 打点に関しては、「鳴いてもほぼ3翻以上の手」「リーチすればほぼ3翻以上の手」「2翻以下になる可能性が高い手」のどれに相当するかを把握しておくと、打牌選択の際にアガリ率と打点の比較がしやすいです。打点を把握するためには当然ドラが何であるかを把握しておく必要があるので、ドラの見落としには気を付けます。

 

 アガリに近い段階ほど、高打点の手が狙える手ほど打牌選択の巧拙が結果に大きく影響するので、特にミスがないように注意します(結果にさほど影響しない局面で労力を使いすぎるとより重要な局面でのミスが増えがちになる)。

 

 局面の把握

 

 手作りの段階で特に必要なのは、シャンテンが進む牌が場にどの程度見えているかの確認です。1枚見えなら手牌のみで判断した場合と優劣が変わることはあまりありませんが、同じ牌が2枚以上見えると判断が変わるケースも増えます。また、3枚以上見えた牌については、手牌の関連牌でなくても確認しておくようにします(仕掛けによって見えている牌は見落としやすいので注意)。

 

 シャンテンが進む牌を自分で切っているかどうかも確認が必要です。ただし、テンパイ時に待ちとして残るまではフリテンにならないので、テンパイ以前の段階で受けを狭める必要はないことに注意します(受けに差がない場合に初めてフリテンが残りにくいようにする)。

 

 455678m11566p234s ドラ北(9mを自分で1枚切っている)打6p

 

 9m受けは残すが、フリテン3メンチャンよりリャンメン待ちがアガリやすいので打6p。

 

 打牌候補を探す

 

 手牌と局面を把握したら、次は打牌候補を挙げ、比較することになります。打牌候補は、浮き牌→単独ターツ→複合ターツ→雀頭→メンツの順に探します(後者ほど打牌候補になりにくく、見落としても結果に影響しにくい(暗刻を1枚切ってテンパイになる場合を除く))。 比較の際も、まず浮き牌同士、単独ターツ同士といった同じパーツ毎で行い、次に異なるパーツの比較をするのが分かりやすいです。

 

 優先順位の高い要素から比較する

 

 比較の対象になる要素の中では、結果に影響を与えやすいものから優先的に比較し、これ以上は考慮しなくても打牌の優劣が変わることはないと判断すればそこで打牌を決定します(細かい要素で判断が変わるケースは稀で、仮に変わるとしても結果に影響しにくい)。比較すべき順序を挙げると、「受け→変化→守備→河の強さ→裏ドラ効率」となります。

 

 変化より受け優先(手作り法則1)ですが、アガリに近い段階の受け優先(手作り法則3)、高打点の受け優先(手作り法則4)であるように、受け入れの量より質を優先して考えればよく、受け入れが何種何枚というように数える必要はほとんどありません。変化についても同様に量より質を優先(手変わり法則1)します(ただし、リャンメン以上、満貫以上は受けの数優先(手作り法則5))。

 

 守備より受け優先(手作り法則2)ですが、変化よりは守備を優先するケースも多くあります。ただし手順としては受けや変化を比較してから守備を考慮するようにします。アガリに遠い手ほど安牌を抱えるケースが多いのは確かですが、アガリに遠いから優先的に安牌を残そうとすると価値の高い受けや変化を見落とすミスが増えるためです。守備をどの程度重視するかについては、「安牌残し」の項目で具体的に取り上げます。

 

 河の強さとは、他家から見た場合の手牌の読まれにくさを指します。古くは手牌を読まれにくくする、「迷彩」と呼ばれる戦術が流行ったこともありますが、その為に受けを減らしたり、不要な牌を残して放銃の可能性を上げるのは基本的には損な選択です。とはいえ、他に差がなければ考慮するに越したことはないですし、河の強さを優先すべき局面もあります。具体的には、「河作り」の項目で取り上げます。

 

 メンゼンの単騎テンパイで1mか9mを切る場合、9mを1枚使っている分1mが裏ドラになりにくいので打1mリーチの方が有利になります。ただし有利と言っても微々たるものなので、1234mから1mか4m切ってテンパイの場合は、3mを1枚使っている分4mが裏ドラになりにくいことよりは、待ちが特定されにくいよう河の強さ優先で打1mリーチとします(オーラス裏1で逆転といった、裏が乗るかどうかで着順が大きく変わるケースは裏ドラ効率優先)。

 

 一手先の形に着目する

 

 手作りには数手先まで見渡す構想力が重要と言われることもありますが、打牌比較に関しては、一手先の形さえ認識できれば十分です。ただし、打牌候補同士の受けや変化を比較するだけでなく、一手進んだ時の打牌候補が何であるかが問題になることがあります。部分的には受けや変化といった有効牌であっても、一手進んだ時に別の打牌候補が切られないようであれば有効牌にならず、結果的に他の選択が有利になるケースに注意が必要です。

 

 25667m27789p26s北北 ドラ9p 打2p

 

 ツモ4mでリャンメンカンチャン、ツモ4sでリャンカンができるので打2p

 

 25667m27789p37s北北 ドラ9p 打2m

 

 打2pツモ4mでリャンメンカンチャンができても、3~7の浮き牌は残してリャンメン固定の打2mとするので先に打2m。

 

 1234567m278p26s北北 ドラ9p 打2s

 

 打2pツモ4sでリャンカンができても、4567の4連形かつ一通目があるマンズは残してリャンカンを切るので先に打2s。

 

 

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最終更新:2014年11月07日 22:00