二向聴判断

2シャンテンの手牌についても、メンツ候補の数と雀頭の有無でパターン分けして考えます。まずは雀頭有りでメンツ候補過多(ターツオーバー)の場合について解説します。

 基本はターツ十分>ターツオーバー

 ターツオーバーの場合、複合ターツから1枚落としてターツ固定するよりは、手牌のうちで最も価値が低い単独ターツを落としてターツ十分形に受けます。(ただし複合ターツが最も価値が低いなら複合ターツから1枚切る)目先の受けではターツオーバー有利でも、ターツ十分に受けたほうがアガリに近い段階の受け入れで勝るからです。

2378m34p22456677s ドラ北 打7m(234三色が残る)

2335688m56778p78s ドラ北 打5m(47m引きでもシャンテン数が進む)

11355m34p2334578s ドラ北 打8s

 ターツオーバーでも基本は良形>愚形複合ターツだが、受けにフォローがある(6s受けが残る)リャンメンと、固定すると受け入れが特に減る愚形複合ターツとの比較ならリャンメン落とし。

1168m23367p24789s ドラ6p 打2s

 良形複合ターツ+良形ターツ+愚形ターツ×2の場合は、リャンメン固定の打3pとしてターツオーバーに受ける方が良形確定になる受け入れは多いですが、打2sとカンチャンを切る方が、ツモ7m58p以外にツモ14p68m67pでも3pが残っている分有利になります。また、ターツ十分形に受けることで、安牌や打点絡みの浮き牌も抱えられるようになります。意見が分かれるところですが、ここではターツ十分に受けることを推奨します。

11m23367p2466789s ドラ6p 打3p

 今度はターツを落としても、上で挙げたような牌を抱えられるメリットがないので打3pとします。良形複合ターツ+良形ターツ+愚形ターツ×2で、愚形ターツ部分から1枚切っても複合ターツが残る場合はターツオーバーに受けるのが有利になります。

 ターツオーバーに受けるケース

アガリに近い段階の受け入れ優先としましたが、リャンメンテンパイのなりやすさに差がなければ、ターツオーバーでもターツ十分に受けた場合に比べそれほどアガリ率が落ちるわけではありません。よって、より高打点の受けが残るようであればターツオーバーに受けるほうが有利になります。

89m56789p11278s白白 打2s

打2s 確定している手役がなく両天秤に取るケースなどが搭子オーバーに受ける例として挙げられます。

1234689m468p4699s 打4s

打8pとすれば三色と一通の両天秤ですが、いずれも確定形なのでリャンカンが残る方がよく、三色より一通の方が完成に必要な牌が少ないことから打4s(ツモ7sなら678三色を残して打9mとする)とします。

(他にトイツを含む複合ターツがあれば)雀頭を落とす場合もあります。受け入れ枚数ではターツ落としやターツ固定より劣りますが、他のターツがトイツを含む複合ターツになることで受け入れが増えるメリットがあります。打点やアガリに近い段階の受け入れで他の選択より有利であれば雀頭落としが有力です。

 1145678m23367p67s ドラ北 打1m

 1145678m23367p68s ドラ北 打3p

タンヤオがあるので打点面で有利な打1m。67sが68sなら、タンヤオよりは良形確定を優先し、先に7sを引いた時は678三色の目が残る打3sが有力。

 手牌構成の分け方で解説しましたが、4枚以上からなるターツについても、枚数が偶数のものは単独ターツ、奇数のものは複合ターツに分類されます。偶数枚のターツと奇数枚のターツの比較になれば、偶数枚のターツを1枚外し、ターツを奇数枚で合わせた方がアガリに近い段階の受け入れで勝ります。

 13579m1357p44789s ドラ4s 打1p

ターツ同士の比較

二面子形の選択では1シャンテンの場合は先にテンパイすることが多いので、変化より待ちが残ってテンパイ場合のアガリやすさ重視としましたが、メンゼンの2シャンテンなら、良形に変化しやすいターツを残します。

基本的に、35のようなリャンメン変化2種のカンチャン(内カンチャン)>13のようなリャンメン変化1種のカンチャン(外カンチャン)>ペンチャン。35(57)と46なら赤5受けがある46、13(79)と24(68)ならカン2の方が待ちとして強いので13を残します。リャンメン同士は、待ちの強さよりは赤5受けを重視して34(67)>23(78)>45(56)の順で残します。

35m1368p579s西西発発発 ドラ北 打8p

トイツの場合もカンチャンと同様、赤5受けは残しつつリャンメン以上の変化が多くなるように、差がつかない場合は待ちになったときに強い方を残します(カンチャンとトイツの比較は、28トイツ1つにつきリャンメン変化1種、3~7トイツ1つにつきリャンメン変化が2種あり、テンパイ時の待ちとしてもカンチャンより強いので、トイツ2組なら多くの場合トイツ残しが有利になる。)。

但し、講座14で取り上げたように、トイツから1枚切って出来た浮き牌にくっついてリャンメンができた時に、もう一方のトイツ以外を切ることになる場合は、逆に変化が強いトイツから1枚切って、「浮かせ打ち」をするのが有力になります。)

 

13588m3379p12345s ドラ北 打9p

 

13588m3378p12378s ドラ北 打3p

 

123三色もあるのでツモ124pで打5m

 

 変化同士の比較

1334や2457といった受けかぶりターツについては通常のターツより弱くなりますが、受けかぶりターツ以外でも、別のターツが近くにあるターツは変化の面で弱くなります。一方、ターツの連続系ターツ以外でも、近くにシュンツがある場合は変化が強くなりますが(ただし二面子形の選択同様、12>12456)、近くにアンコがある場合はアンコを手の内で使っているので変化が少なくなる分弱くなります(ただしトイツについては33344mからツモ25mで強い複合ターツができるように、アンコが近くにあると変化がより強くなる)。雀頭にくっついているターツ(3566m 6m以外の対子無し)については、3m切って4m引きでも手広くなることから、(受けかぶりではない)他の愚形ターツより先に落とします。

 

1356m13p11677s南南南 ドラ北 打1m

13mと落として4mを引いてもメンツができる。

24678m24778p5699s ドラ北 打2p

ツモ5mが3メンチャンになる以外にもツモ9mでリャンカンができる。

24555m5568p23579s ドラ9s 打8p

打8pツモ7pの形が打2mツモ3mの形より勝る。

 3トイツの扱い

 トイツ2組とカンチャンの比較は多くの場合トイツ残し有利でしたが、3つ目以降のトイツはカンチャンを切った場合に比べロスが2枚少ない為、他のターツより弱くなります。ただし、3トイツ以外にも2枚使っている牌が1種あればチートイ2シャンテンでもあるので、愚形ターツよりは残したほうがよくなることには注意が必要です。

 24m1145678p22899s ドラ7p 打1p

 24m1145567p22899s ドラ7p 打2m

 45m1145567p22899s ドラ7p 打1p

 2シャンテン同士で、愚形複合ターツが埋まれば良形確定するならチートイツは見切る。

 

 4枚からなるターツの扱い

 

 3467m123赤577p3357s 打7s

 複合ターツが残る選択が複数ある場合は講座14の内容を基準にしますが、単独のトイツが無い2トイツの形からトイツを落とすと、トイツを含む複合ターツが浮き牌+雀頭に固定されて受け入れが減る(上の牌姿で打3sとすると7pが雀頭になるのでツモ6pでシャンテンが進まなくなる)ことに注意が必要です。

 1378m1357s6778p西西 ドラ北 打1m

 基本は1シャンテンと同様目先の受け入れで複合ターツが残るターツを落としますが、上の牌姿のようにターツより残すべき浮き牌がある場合は、69m引きやピンズの中ぶくれ形が伸びた場合、先にマンズのカンチャンを払っていた方がアガリに近い段階の受け入れで勝るので1m切りがよくなります。

 

 受けの数と打点の比較

 打点差がある場合は、二面子形で取り上げたのと同様の基準でターツを選択します(基本は高打点優先、愚形ターツがテンパイまで残った場合でも良形テンパイより有利なら愚形残し、満貫以上が見込めるなら受けの数優先。)。

 455567m235688p45s ドラ1p 打2p

受けが広いのは打5pだが、ドラ1pでも23p落としが打点的に有利。345三色もあるので2pから切る。

 ターツと浮き牌の比較

  ターツオーバーならターツを落としてもシャンテン戻しにならず、1シャンテンになっても浮き牌が残り変化を残すことができるので、講座16で取り上げた基準以上に変化をみるのが有力になります。(変化法則4.変化は最大限にみる、法則5.アガリに遠い段階ほど変化重視)

 3~7浮き牌とペンチャンの比較であれば、ペンチャン以外が既に良形ターツである場合以外は良形変化をみて浮き牌を残します。他で雀頭ができた時に受けが広くなる雀頭くっつきの浮き牌については、リャンメントイツ形ならリャンメンターツとの比較でも浮き牌残し。カンチャントイツ形については、先に愚形ターツが埋まっても良形テンパイが確定しない形については愚形ターツより落とします。

479m23666p114589s ドラ2p 打9s

2367m45p23378s南南南 ドラ北 打4p

1356m112p1368s南南南 ドラ6m 打8s

1356m112p1367s南南南 ドラ6m 打2p

打点絡みの浮き牌であれば講座16の強浮き牌ほどではなくても愚形ターツ、確定で2翻以上打点が上昇する強浮き牌についてはリャンメンターツより優先して残します。受けかぶりターツに関しては残すメリットがほとんどないので、少しでも変化が残るようであれば変化を残す方がよくなります。

11122m34p45s北北白中中 ドラ6s 打4p

白重なりで中ドラ1の手が仕掛けても満貫、跳満と大幅に打点が上がる。

34m34999p46899s中中 ドラ北 打6s

7s受けがかぶっているので、ツモ3sの三色変化を残して6sから切る。

ターツ十分形、雀頭有りの2シャンテンについて考えます。

 

ターツ固定と雀頭固定の比較

 

ターツ固定と雀頭固定の比較であれば、3トイツでターツ固定の方が目先の受け入れが広くても、1シャンテンになった時の受け入れで勝る雀頭固定が有利になることが多いです(手作り法則3アガリに近い段階の受け優先)。

 

122557m23668p789s ドラ4p 打1m

 

446m224p135789s北北 ドラ北 打4m

 

単独トイツの北が雀頭なのでターツ固定同士の比較、カンチャン>3つ目以降のトイツにつきリャンメンに変化しやすいマンズをカンチャン固定。

 

23577m335p223789s ドラ北 打2s

 

良形複合ターツ+愚形複合ターツ×2のこの牌姿ならリャンメン固定の打2sを推奨します。1シャンテンの受け入れでは雀頭固定が勝りますが、よりアガリに近いテンパイの段階では良形が残りやすいリャンメン固定の方が勝るからです。789sのシュンツが代わりに暗刻であれば、チートイツ2シャンテンでもありコーツ手への受けも残るので雀頭固定の打5mとします。

 

23778m335p223789s ドラ北 打5p

 

111566m455p22378s ドラ北 打4p

 

テンパイ時の待ちとして14sが強く、赤5m引きの形の差で打4p。

 

123566m455p22378s ドラ北 打2s(打4pとは微差)

 

良形複合ターツ×3で、メンツ部分がシュンツの場合は、ピンフがつきやすく、目先の受けとはいえ6枚差があるので雀頭固定との優劣は微妙になります。もし78sのリャンメンが、代わりに79sのカンチャンであれば、ツモ79sの良形確定変化もあるのでこれはリャンメン固定有利になります。

 

ターツ固定、雀頭固定同士の比較

 

 基本的に、どの複合ターツを固定するかについては講座15、どう固定すれば残る単独ターツの価値が高くなるかについては講座14、22の内容を基準に判断します。1シャンテンとの違いで注意が必要なのは、愚形が多い手の場合はリャンメンターツを残しても良形テンパイになりづらいので、リャンメンターツの価値がやや低くなることです。

 

  12378m355p122688s ドラ北 打6s

 

 ターツ固定より雀頭固定有利の形だが、ツモ5sでリャンメンが出来ても良形聴牌が確定しないので、遠いとはいえツモ23pで123三色が残る、「強い変化」重視で打6s。

 

 22668m23赤5p244789s ドラ北 打2p

 

 基本はドラ1カンチャンよりはリャンメン残しですが、赤5pを切っても先に愚形が2つともメンツにならないとリャンメンテンパイにならないのでこの場合はカンチャンを固定します。(668mが667mなら打6m)

 

 667m234468p22455s ドラ北 打6m

 

 チートイツ2シャンテンでもある場合は、暗刻が無くて良形テンパイ確定、あるいは愚形複合ターツが埋まれば良形テンパイが確定するケースについてはリャンメンを固定してチートイツを見切ります(455sが557sなら打8p)。

 

 浮き牌切り、ターツ落としとターツ、雀頭固定の比較

 

 基本的に講座16の内容を基準に判断します。1シャンテンとの違いで注意が必要なのは、特に強い浮き牌がある場合はそこから1メンツできることが望ましいので、その浮き牌もメンツ候補とみなせるということです。そうするとターツ十分形でも実質的にはターツオーバーになり、講座22で書いたように、それほど強くない浮き牌も残して最大限に変化を見るのが有利になります。

 

 赤5m79p24556699s北北白 ドラ5m 打9p

 

 ホンイツ変化は遠いので白はそれほど強くない浮き牌だが、ダブドラの赤5mをメンツ候補とみなせば実質的にターツオーバー。よって赤5mを使い切れない場合もホンイツで高打点になるように打9pとする。

 

 また、受けかぶり愚形ターツの中で、メンツ化しても良形ターツが残らないもの(1246の12など)がある場合は、浮き牌28でも残してシャンテン戻しします。

 

 良形テンパイが確定している手であれば4連形や中ぶくれ形を残すメリットが少ないので切ることも多いですが、アガリに遠い段階ほど変化重視(手変わり法則5)なので、他のケースで2シャンテンの段階から講座16で取り上げたような強浮き牌を切ることはあまりありません。切るとすれば残すことで目先の受け入れ枚数だけではなく、良形が確定する受け入れや手役絡みの受け入れまで減ってしまう場合が挙げられます。

 

 11赤5899m667889p78s ドラ北 打赤5m

 

目先の受けだけでなく、789三色かチートイツになる受けまで減ることになるのでドラでもここで切る。

 

浮き牌同士の選択についても、二面子形の内容を基準に判断することになりますが、ターツの一部としてもみなすことができる浮き牌(13466の1や13468の1など)の扱いに注意が必要です。

 

13466m6p11778s中中中 ドラ1p 打6p

 

13466はカンチャン13+カンチャントイツ466とみなすこともできる。ツモ57pの良形変化より、ツモ25mで1シャンテンになった場合に打7sとして形がよくなるという、「受け」を優先して打6pとする。

 ヘッドレス2シャンテン

 ヘッドレス形でも基本は雀頭がある場合と判断は同じですが、他に雀頭を作る必要があるために判断が変わるケースもあります。

 雀頭ができることでシャンテンが進むので、雀頭を作りやすい連続形ターツの価値が、雀頭がある場合よりも上がります。一方、手役絡みのターツは、そのターツから雀頭が出来た場合も手役が崩れてしまうので若干価値が下がります。その為、ドラが2枚ある等、手役が崩れても打点十分の場合は良形、愚形ターツ同士の比較でも、手役絡みのターツを落として連続形ターツを残す場合があります。

 

78m赤56789p2366778s ドラ2s 打7m

678、789三色は崩れやすくドラを切ることになるケースも多いので、三色より連続形ターツを残す。

 連続形ターツ同士を比較する場合は、打点が上がる受けは優先的に残すとして、雀頭を作る受けが多く残るように、受けに差がなければ良形変化が多く残るように切ります。(雀頭を作る受けが特に多いのは22344、33455のイーペーコー形と12234のペンカンチャン(12枚)、良形変化が特に多いのは35678(14枚)と13456、24567(10枚)のカンチャン)

1223478m12346p78s ドラ8s 打6p

24567m35678p3478s ドラ8s 打2m

 

ヘッドレス1シャンテンの場合と同様に、7899、3335といった頭が作りやすいパーツの価値が上がります。ターツオーバー形なら愚形ターツより優先して残します。他に重要になるのが、講座15で取り上げた223455、334566といった両翼形。前者でもリャンメンが出来る受けが3種、後者は4種と4連形や中ぶくれ形と同等の価値があります。(雀頭が有る場合は、334566から3を切ってもツモ3くらいしかロスがないので他の浮き牌より先に切る)

 

237899m3456p2379s 97s落とし

35667のような、面子+浮き牌ともリャンカン+雀頭とも見られるパーツの価値も高くなり、35667から打3とするロスは4連形や中膨れを切るロスに相当します。24556のように浮き牌部分が28なら基本的に愚形搭子よりは先に切りますが、手役が見える場合は先に搭子を落とすこともあります(浮き牌同士の比較なら28浮き牌よりは残す)。12235の2、13445の1についても同様のことが言えます。

 

24556m23457p2478s 打7p(234三色を残す)

他には、面子ができて1シャンテンになった場合はメンツ固定より雀頭固定の方が有利になる場合に、目先の受け入れが減っても雀頭になる牌を残すケースがあることに注意します。

 

123467m346778p34s ドラ北 打1m

メンツができて1シャンテンになった場合、雀頭固定の68p落としとすることで高打点の受けを残しやすい。

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最終更新:2014年11月07日 21:41