小径車(折りたたみ)

最終更新日:2016.12.4 小径の折りたたみ自転車のフレーム強度
9.18 ●デイトナの小径電動アシスト自転車のリコール DAYTONA POTTERING BIKE
8.21 UP

■小径車(折りたたみ)━━━━━━━━━━━━━━━

「フォールディングバイク」とも呼ばれる。

小径車自体のメリット、デメリットは小径車(非折りたたみ)で確認してもらうとして、
折りたたみ自転車特有の内容についてはこちらにも掲載。
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■「折りたたまないのに折りたたみ式を買う」というのは絶対に避けること

用途を考えず、目先の安さで選んで日常的な使い勝手を悪くしても良いことはない。
「たぶん折りたたむ」=「たぶん折りたたまない」
「折りたたみ機能があったほうが便利やお得」という理由でも同様。(むしろ、得ではない)
折りたたみではない小径自転車を知らないというのは、逆に損することになる。

▼なぜ避けるべきか

【1】車体が重くなる

 折りたたみ機能があるということは、安全性や耐久性を維持しつつ、車体全体の強度を上げるために重さも増加する。
 スポーツ的な乗り方を目的とするものとして軽量化されているものもあるが、
 街中に停めるような日常生活的に使う物としては(防犯性も含め)全く向いていない。

【2】壊れる可能性のある箇所が増える

 ただでさえ小径でタイヤの摩耗度が上昇し、維持コストも(タイヤの質もよるが)ママチャリより増える小径車で、
 更に稼働接続部分が増えてしまうということは、得をしない選択。
 安物ママチャリでもなかなか、部品はともかく「フレーム自体が」ポッキリするという話は聞かない。
 しかし、折りたたみ自転車はローメンテナンス前提でフレームが長期間無事である可能性は安物ママチャリよりも低くなる。

●こちらの自転車店ブログでも折りたたみ自転車についての注意喚起

naositeya.jp/blog-entry-7.html

見た目の「分かりやすい仕掛けに騙されるな」といえば大袈裟かもしれないが、
本来は人(性格)を選ぶ乗り物であり、万人に薦められるものではない。

★単に「20インチ(406)の小さめのタイヤがいい」というだけなら

「折りたたみではない小径自転車」を買うのが間違いのない賢い選び方。
「子供用ではなく大人専用」の小径自転車もちゃんとある。
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★★★小径の折りたたみ自転車のフレーム強度★★★

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【鉄(スチール) or アルミ】 金属・フレーム・実験
「自転車産業振興協会」
平成22年度 自転車の3R設計促進 実施報告書 長寿化設計による折り畳み自転車の開発・試作
www.jbpi.or.jp/pohivp1so-512/
[報告書 その1]
●平成 21 年度 供試車 フレームの強度試験結果
番号 素材 耐振動試験で破損した回数 疲労試験で破損した回数
1 ※1 鉄系合金 21万回以上(JIS規定回数の3倍以上) 30万回以上(JIS規定回数の3倍以上)
2 ※2 鉄系合金 21万回以上(     〃    3倍以上) 30万回以上(     〃    3倍以上)
3 鉄系合金 182,793回 (     〃    2.6倍) 30万回以上(     〃    3倍以上)
4 鉄系合金 21万回以上(     〃    3倍以上) 30万回以上(     〃    3倍以上)
5 鉄系合金 21万回以上(     〃    3倍以上) 30万回以上(     〃    3倍以上)
6 ※1 アルミ合金 21万回以上(     〃    3倍以上) 30万回以上(     〃    3倍以上)
7 アルミ合金 156,027回 (     〃    2.2倍) 30万回以上(     〃    3倍以上)
8 アルミ合金 21万回以上(     〃    3倍以上) 249,734回 (     〃    2.5倍)
9 アルミ合金 203,491回 (     〃    2.9倍) 234,433回 (     〃    2.3倍)
10 アルミ合金 118,115回 (     〃    1.7倍) 229,914回 (     〃    2.3倍)
※1・・・シティ車一本パイプ
※2・・・小径
1・・・・・・・・・鉄+一般サイズ+(折りたためない)
2・・・・・・・・・鉄+小径サイズ+(折りたためない)
3~5・・・・・・鉄+小径サイズ+折畳
6・・・・・・アルミ+一般サイズ+(折りたためない)
7~10・・アルミ+小径サイズ+折畳

●1-10までの車体について●2009年版
年別(200901~200912) 
平成20年度自転車試買テスト結果報告
www.jbpi.or.jp/poarxkzmp-516/
「折りたたみは全て20型以下」
8ページ目(ページ内表記は-6-)
車種別では、折りたたみ車にのみフレーム強度不足(15 銘柄中 5 銘柄)が見られた。
19年度でも同様に折りたたみ車にのみフレーム強度不足(15 銘柄中 5 銘柄)が発生しており、
改善傾向は見られない。

【解説】

▼鉄系フレームの場合
1は「鉄系のママチャリ」。なるほど、確かに問題なさそうだ。
2は「鉄系の折りたたまない小径サイズ」。衝撃は大きそうに見えても「折りたたまないので」強度としては十分のようだ。
3は「鉄系の折りたたみ小径サイズ」。疲労破損はないが、折りたたみゆえにフレームへの衝撃が来たのか「振動破損」を起こしている。
しかし4・5では同じ「鉄系の折りたたみ小径サイズ」でも耐えている。
▼アルミフレームの場合
4は「アルミのママチャリ」。こちらもアルミとはいえ問題なさそうだ。
しかし、「アルミの折りたたみ小径サイズ」は【全て】フレームの強度に問題があるという結果。
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「アルミ」「折畳」の自転車はなるべく避けるべき。(趣味・短距離除く)
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鉄系でも3のように破損しているものもあるが疲労実験では全てクリアなのでやはり優秀。
ただ、フレームに耐久性があっても、
シートポスト・ハンドルポスト類などはアルミが使われていると見るべき なので、
そこが弱いなら鉄系フレームであっても結局問題は解決しないようにも思える。

「同じ小径タイヤサイズでの比較」
  • 折りたたまない+鉄・・・・・重いが頑丈。
  • 折りたたまない+アルミ・・・軽いが金属疲労は蓄積
  • 折りたたみ+鉄・・・・・・・・・普通のスチールなら重い。クロモリならそこそこ軽い
  • 折りたたみ+アルミ・・・・・・軽いが全体的に壊れやすい。

【結論】

●折りたたみ小径自転車について
あくまで新品でこの差。
今回は検査車体が「高価でも3万程度」だが、
10万以上の車体であれば耐久性が多少違うとしても、
これが◆乗車荷重65kg以上◆野ざらし保管なら当然もっと酷い結果は目に見えている。
JISの規定では通常使用回数で問題ないとされていても、
やはり「アルミ」の金属特性上、過度の期待はしないほうがいいだろう。

小径自転車自体が巡航性能的に疲れやすいとか
(操作感は慣れるしかないが、一般的な「ママチャリ」よりも段差の反応など機敏すぎて疲れる)
タイヤの磨耗の早さなどのデメリットもあるが、
それ以上に、この結果からも分かるように、フレーム耐久性に限らず、
JIS基準はクリアしているとしても アルミでもスチールでも「折りたたみを避ける」ことが賢明 と言える。

室内保管で趣味で月数回程度の趣味用途ではなく、
日常使用で毎日何十kmも乗るような通勤・買い物などの用途は控えるべき。
(毎年必ず買い替えるなら問題ないかもしれないが・・・。)
あくまで「輪行」「室内保管の省スペース条件が絶対」で
「短距離」を「折りたたんで使う必然性がある」場合のみとして考える。

●折りたたみではないママチャリタイプで短距離使用であれば、アルミでも10年以上乗るとかでもなければ十分なのだろう。
しかし、せっかくこういうデータがあっても見る機会がなければ、
そりゃ安いほうがいいだろうと思ってしまうのも無理はないのだろうと、今の市場に溢れる品を見て思う。



●デイトナの小径電動アシスト自転車のリコール DAYTONA POTTERING BIKE

www.meti.go.jp/product_safety/recall/file/160912-1.html
機種型番:DE01 51853/51854/51855/51856 
機種型番:DE01S 51861/51862/51863/51864
車体番号:DE01G15001~DE01G15267
販売期間:2015年8月~2016年8月
www.recall-plus.jp/info/30767
電動アシスト自転車「DE01」「DE01S」で、生産中のロットでの抜き取り強度検査を行ったところ、
フレーム溶接強度が不足しているものが発見された。
過去に販売したロットでは不具合は発生していないが、万一を考え全車両フレームを交換する。
同時にバッテリーキャリアも形状変更品と交換する。
溶接強度が不足したものは、折り畳みヒンジ前の下側のパイプの溶接部分にクラック(亀裂)が入る可能性がある。(R+編集部)

www.potteringbike.jp/img/20160912.pdf
メーカー告知

他にも
kuroneko-recall.jp/index/info.php?LinkID=15335
kaden.watch.impress.co.jp/docs/news/1020065.html

フレーム破断の恐れありと判断。
バッテリーを積んだ電動アシスト特有の問題というより、折りたたみ自転車特有の問題。
当然折りたたみ自転車でなければ該当箇所が破断するようなことは考えにくい。

一例を挙げて全てを決めつけるつもりもないが、今一度「本当に折畳機能が必要か」よく考えてみて欲しい。





車種の具体的な提示やカスタム案を思案していたが・・・
散々検討しつつ見てきた結論としては、折りたたみ自転車は基本的に買うことを薦めない。
(詳しい使用状況が分からないので過体重で使ったとか屋外駐輪で不整備の結果かどうかは不明だが)
購入検討していたクロモリの折りたたみ小径ですら近年の事故案件として挙がっている。

「ナンバー取得などの手続きもなくそのまま公道走行すれば違法になるフル電動アシスト自転車」のように、
闇雲に小径折りたたみを否定したいわけでもなく、
そう至るまでの理由があって、個人的には薦めないが、
それでも有り余るデメリットを甘受してまで「本当にどうしても必要」であれば止めはしない。

●大丈夫でも最善とは限らない危機意識の問題

電動アシストでも前輪駆動のような故障可能性箇所が増えるという方向性で厄介ということではなく、
いくら耐久性テスト機の上でクリアできていたとしても、65kg未満だとしても、日本一周できたからといっても、
車体の構造上「万人向けとして折りたたみ自転車という車種そのものがちょっと厳しい」ものがあると思う。
(危険性ということでいうなら、クイックリリースの車種を不器用な人間にも使わせることも同じように危険だろうと
いうことにもなるが、同じくそういう部分への危機意識が向く性格であるかどうかということ)

■自転車に折りたたみ機能が絶対に必要?

折りたたみ自転車を買うべきかどうかは
「絶対に折りたたんで使わけなければならない」場合のみと考えると、
一般的には本来「ほとんどの人には折りたたみ機能は無意味」。

不必要な機能を搭載して故障可能性個所を増やして
「値段が安いから」「軽そうに見えるから」「コンパクトでオシャレに見えるから」といって
大して軽くもない自転車を買ってまともに進まないようなことになりかねない。

●軽そうに見えて本当に軽い?

BSでいえば廃盤品だが「スニーカーシティ」は18kg。これはママチャリより少し軽いくらいで重い部類。
シルヴァ F8Fで11.6kgなので、「折りたたみ自転車=絶対に本体が重い」というわけでもないが
2万円もしないような折りたたみ自転車のようなものは値段が安ければ安いほど重くなると思っていい。
「車体の重さをきちんと公開しているかどうか」も着目すべき点。

●安い小径車が欲しいなら「折りたたみではない車種」

どうしても予算2万円以内ということであれば、
こういった「折りたたみ機能がない車種」を選んだ方が遥かにマシ。
prestigebike.hamazo.tv/e6985490.html
サカモトテクノ「パオラ20」
www.sakamoto-techno.co.jp/cn3/cn19/MINI.html
但し、変速はないので「近所専用」と割り切った使い方に徹すること。
当然ながら「改造・カスタムが視野に入っているなら薦めない」
最低でも「一般車」や「700Cで後ろのギアが8枚以上のクロスバイク」を選ぶべき。
(本当に小径に乗りたいなら折りたたみではない小径自転車で4,5万円以上するものを薦める)

▲具体的なデメリット

 ●故障した場合、フレーム部分の分離ともなれば深刻な大怪我に繋がる。
 ●例え体重が標準的な65kgでも、車体が軽量なものは日常的な継続使用を考えると強度的に不安が残る。
 (駐輪場で他人に雑な扱いをされたり、倒れてきた自転車で各所が簡単に歪む可能性もある)
 ●前ハブに74mmを使っている車種や、シートポストの太さが33.9mmのような特殊なサイズのせいでカスタム性に乏しい。
 ●DAHONでも廉価品「Routeなど」ではRDを取り付ける部分(RDハンガー)がアルミフレームと一体型で曲げ戻し不可。

 ●mist・route・Curveの罠
dahondego.com/2016/04/02/did-dahon-curve-d7-die-vol2/
安い自転車のときはアルミフレームでもハンガーがない。
曲がってしまったらフレーム寿命も終了となる。
(補足:アルミでは曲げなおしをすると折れるため)
折りたたみ自転車はぶつけたりして曲がる確率が高いだけに、ぜひともハンガー搭載してほしい。

 ●Birdy(旧BD-1)の場合特殊な形状のためオフセットの問題で安定性に欠ける。
 ●ブロンプトンでは価格帯的にも防犯性の点で微妙。
 ●12インチ以下のような超小径車はいくらコンパクトになろうが、走行安定性の意味で論外。(小さい段差でも凶器化)

●消費者庁の事故情報データバンク

www.jikojoho.go.jp/ai_national/
「折りたたみ自転車」と入力して参考にして欲しい。
消費者庁に届け出をすること自体を知らない人は多数いると思われるので氷山の一角で実数はもっと多いはず。
但し、分かる情報も少なく、詳しい事故状況や使い方や保管・整備状態も分からないので
例えばこういった内容であれば
当該製品で走行中、ブレーキを掛けたところ、転倒し、負傷した。
当該製品で走行中、転倒し、手首を負傷した。現在、原因を調査中。
「設計や製造段階でのミス」ではなく
「知識不足で使い方を誤っていた」「店の整備不良」という可能性も十分に考慮すべき点で、
一方的に「折りたたみ構造の商品自体が悪い」という見方にならないように気を付けたい。
当然、「折りたたみ自転車に限ったことではない不具合」も混ざっている。

●折りたたまない人が折りたたみ自転車を選ぶということ

kamikawa-cycle.com/blog/1498
折りたたみ自転車を購入した人の、8割から9割ぐらいの人は
年に1回も折りたたまないで使用しているらしいです。
実は、折りたたまない人は、折りたたみ自転車を買わない方がいいんです。
なぜなら、折りたたみ機構を付けることによって強度が弱く、
重く、値段も高くなるからです。
小さい方がいい方は小径車をオススメいたします。
「折りたたみではない小径車」という存在を知らない可能性もあるが、
ギミックがあるほうが便利なような気がしてしまうというのも初心者が陥りやすい罠。

▼「アパートに駐輪場がない」

物件選びが根本的な失敗に思える。
日常的に折畳んで持ち運ぶことが本当に苦ではないのか予め考えておくことが必要。
多少遠くなっても最低限の日常の足である一般車を置くための駐輪場があるところを選ぶべきだろう。

▼「折りたたむとコンパクトになって部屋に収納できる」とは言うが・・・

普通の一般車(ママチャリ)でも重さを気にしなければ部屋に入れることは不可能ではないケースが大半だろう。
狭い部屋でも700Cのロードバイクを入れて保管するのは何ら珍しいことでもない。

▼「主に賃貸住宅での防犯性を目的として持ち込むために折りたたみ自転車を使う」

本当に折りたたみ自転車でなければならないかどうか。
「エレベーターを使う場合輪行用バッグに入れなければならない」というルールもなく
そのまま建物内を持って歩ける場合は折りたたみ自転車である必要性も低い。

▼駅から目的地まで短距離使うだけ

防犯性を考慮すれば、レンタルサイクルやコミュニティサイクルを活用。
しかし、整備が行き届いていないこともあるようなので、自分である程度確認出来たほうがいい。
www.jikojoho.go.jp/ai_national/search/detail.do?id=0000011357

▼「車でトランクに入れて持ち運ぶ」場合

「クイックリリース」であれば簡単に車輪を外せる。
折りたたみ自転車のほうが時短にはなるが、慣れるとそれほど違いもないような。

▼「電車で輪行する」場合

この場合はバッグは小さくできるという利点はある。
かといって車種によっては折りたたむと横幅がそれほど狭くもないこともある。
駅前から構内の移動距離、乗り換えが多いというケースでは全く楽ではないどころか
苦痛でしかないこともあることをよく考えよう。
軽めの折りたたみでも10kg。
通勤ラッシュ時は特に迷惑を省みず持ち込んだとしても、
通勤の場合それをバッグに入れて肩にかけて移動することが
全く平気なほど体力があっても
自転車そのものにかかる負荷を考えると、とても薦められない。

▼「中古+通販(オークション等も含む)+激安+小径+折りたたみ」という罠

「折りたたみ自転車」を選ぶのは「中古自転車」「通販で本体購入」「安さで本体選び」に並ぶほどの
「初心者ほど陥りやすいワナ」
すなわち、「中古+通販(オークション等も含む)+激安+小径+折りたたみ」
これが最も失敗を掴みやすい自転車選びということでもある。
(値段に関しては美品と偽って新品に近い値段で出していないともいえないので
必ずしも「激安ではないから安全という意味ではない」)
(きちんとしたパーツを選んで修理費用をかけると新車買ったほうが安上がりになるというのを無視すれば)
 ・中古でも普通の一般車(ママチャリ)のほうが遥かに危険度で言えば下がる。
 ・小径折りたたみが必要なら高くなっても新品のほうがマシ。

▼結局のところ

「小径+折りたたみ」という特殊な車種の
全てのデメリットを上回るだけの「所有欲」や「整備欲」が
有り余って仕方がないという人向けの特殊な自転車という結論。
22インチや650C、(個人的にはベルトドライブやボスフリーも含む)といった、
「積極的に選ぶべきではない特殊な規格品の一部」だと思う。