安物自転車とは

最終更新日:2023.10.15 ●「高い自転車と安い自転車の違い」

2022.7.31 ★安物自転車の簡単な見分け方2点

2022.7.10 ●「ルック車」について

2022.4.10 ●クラス18適合フレーム

2021.12.12 ●儲かる店の仕組みと落とし穴

2021.09.05 ◆こんなサイトに要注意

2021.5.2 ●安物自転車に精度を求めるべからず
2021.2.28 ●安物自転車が安い理由
2020.12.27 ●甥っ子に8万円自転車贈呈から価値観の違いで若干争論になったケース(2021.1.10追加)
3.15 ●安物自転車の改善手段を補足
3.1 ●自転車本体の価格差を考慮しなければならない根が深い背景とは
2.23 ●1万円台の自転車のメリット・デメリット
2019.11.3 ●ブリヂストンの自転車でも量販仕様は安物設定とはいえ・・・
10.20 ●安物を買うというリスク
8.11 ●新車の組立でも確認・補正作業が欠かせない
3.31 ●安くて損・高くて得、●パーツの質が低い量販向け車両
3.24 ●安物自転車に対する価値感
2018.11.4 ●部品の差~低品質部品の行方~
8.26 ●廃車寸前の安物自転車の修理は・・・
2.25 ●車種だけでなく買う店によっても異なる
2017.11.26 ●2万円と10万円以上するロードバイクの違いから見た一般車との違い
9.24 ●安物自転車や中古自転車の有効利用
8.6 ●安い自転車はパンクしやすいといえるが・・・、●悪名高い安物タイヤ
7.8 ●何がどう高いのか知らない消費者
5.21 ●「激安自転車の問題点」に関する内容が載った雑誌
4.16 ●格が違う粗悪な物体
2.19 ●客寄せの安物自転車
1.8 ●ブランドの何を信じて選ぶ
2016.11.27 ●真の意味で安いとはどういうことか
9.18 ●タイヤのコストダウン
9.11 ●「とても柔らかく作ってあるので衝撃吸収力に優れてます」
5.22 ●雑貨量販店で販売された2万3000円の自転車の「(スレッド)ステム折損」
5.8 ●具体的に何がどう「安物品質」なのか、●安物自転車のBAAマーク
5.1 ●安売りするということは、●まともな自転車の値段の目安
4.24 UP

●「高い自転車と安い自転車の違い」

jbpi.or.jp/wp-content/uploads/2023/02/202211.pdf
自転車は安くていいという人達に、
高い自転車と安い自転車の違いを知らせる努力をしてほしい。

「こちらに山ほど安物自転車の問題点を書いてますので是非ともご覧ください」
と言いたいところですが・・・

メーカー代理店側での話であれば、比較広告のようなことは出来ないので
「店側で説明すればいいだけ」では・・・?
というよりは、
100説明するよりも、店から「1週間乗り比べ」してもらえば
(余程の鈍感な人達を除けば)違いを理解できるはず。

コスト削減であれば、車種ではない「部品や調整の違いだけ」でも
差は十分に伝えられるのではないでしょうか。


●安物自転車の簡単な見分け方2点

幼児子供車や子供乗せや電動アシスト自転車でもなければ、最初はどれも同じように見える生活用の一般自転車。
どれでも良さそうに見えて、実は全く中身も性能も異なる。

【1】「ブレーキレバーの"握る部分が樹脂"」
(※ブレーキワイヤー始点タイコが収まる部分に"樹脂カバーがされているだけ"の場合は除く)

「握る部分が樹脂でも内部に鉄芯があるので問題ない」というよりも

特にローラーブレーキ搭載車種の場合「テコ比」を把握しておらず、
「適正な引き量を確保できていない可能性が高い」という問題がある。
後ろがせっかく正常であればキーキー音が出ないローラーブレーキでも、
「不適正なブレーキレバー」であれば宝の持ち腐れ。

◆参考:ブレーキレバー
https://w.atwiki.jp/longmemo2/pages/30.html
※交換は可能だが、部品代だけでブレーキレバー約2500円+ワイヤー約1500円+「工賃」が目安。

※だから安物自転車を買うと結局「高くつく」ので「安物買いの銭失い」になる。

更に、自転車店記事によれば精度の低いローラーブレーキも流通しているようだが、
「安物自転車用にB級品が使われている可能性」も?

▲【2】「前ブレーキがペラペラの薄い鉄板」
コスト削減だけでなく、安物自転車の「柔らかい前フォークを、急ブレーキですぐに曲がってしまわないように」
制動力も低く耐久性も低く片効きしやすい「シングルピボットキャリパー」が使われる。

※一方、スポーツ自転車で意図的に使用する場合は、製品精度などの基本が異なるので単純な比較は不可。

◆タイヤで見分ける方法もあるが・・・
近年究極のコスト削減の賜物として様々な「無名品」が出回っていることもあるようなので
予め情報を把握していないと完全な見極めは難しいかもしれない。

◆黒ハンドルでの安物自転車は値段で分かるので解説なし。

◆あとは、店での最終的な納車前整備が大きく出来を分けるという観点から、
(余程の単距離・短期間だけの使用ではない限りは)
とりあえず「安物自転車が主流の店」は避けたほうが賢明

●安くて損・高くて得

prestigebike.hamazo.tv/e8388420.html
当店販売自転車は納車整備をシッカリとやっているので、
1年後でも、ゆるみガタは少ないのですが・・・。
そもそも、ネット・スーパー・量販店の廉価自転車は、品質もアレなので、
よくこれで毎日通学していたねーと、言いたくなるよなガタガタな自転車もあります。
なので、他店販売、特にネット・スーパー・量販店販売の自転車は、
点検の他に修理代がかかることが多いです。
そして、購入価格が安い自転車ですと、修理代が思いの外、
高くついたように思われるのでしょう~ね~。
それが正規の修理代なんですけど。
自転車を安く購入できたことを喜んでいるような人達は、
「販売側の感想であって事実ではない」と、
否定したい気持ちがあるかもしれないが、
「なぜ安く販売できるのか」を考えれば
「大量販売=1台1台への注意が深く向けられるわけがない」と簡単に分かるはず。
例えば
「多人数学級よりも、少人数学級のほうが目が届きやすい」
「多種多品種を栽培するよりも、1品1種を育てるほうが丁寧にできる」
当たり前の話。

◆「自転車整備士が点検整備して組み立てています」
通販に限らず安値販売を至上主義とする店に
「1台1台ホイールの振れ取りやヘッドパーツのグリスアップをしてますか?」
「固着防止処理をしていますか?」
と訊けば
(組立に耐久性の保証は含まれないとして)
「走行する上では必要ないから何もしていない」という
ニュアンスの返答がかえってくるだけだろう。

しかし「値引きを一切しない定価販売の店なら絶対に丁寧にしている」
と言えないのが難しいところ。

だからこそ「長期間使うつもりであれば、どれだけ手間がかかっても」
「時間指定してでも組立や防錆処理に逐一注文ができるような店」を
探し出すことが重要ということになる。

※但し、チェーンが錆びだらけ、ブレーキの効きも怪しい、
あちこちガタが出ていても「走れば問題ない」という
【安全意識の欠片もない鈍感を極めている人】は除く。
まともな自転車を「知りたい」とも思えなかった
「親も学校も含めた教育の質の低さ」による被害者ともいえる。

●儲かる店の仕組みと落とし穴

twitter.com/MS758/status/1468819036511547392
自転車は別途納車整備費用を頂けないので、
真面目な自転車屋さんほど損をしがちで、
利益と労力とのバランスが悪い商品を買ったお客様からアレコレ言われると「メンドクサ」となりがちです。
なのでお客様にバレぬ様、上手に手を抜くお店が儲かる業界なんです。

だから「趣味を仕事にしないほうがいい」となり、
(薄利多売店では特に)自転車に愛着の無い人達が雑整備をするために、(元々酷い状態の場合も少なくないのもあるとして)
修理の提案よりも、買い替え優先で話を進める傾向が強くなる。

つまり、
(生涯暮らせる不労所得での財産があるとか、高齢店の"利益ではなく社会との繋がりのため"とか、
自転車の販売と整備が趣味のような人であれば、安値で技術提供する人がいるかもしれないが)
「低価格で自転車を提供し続けられるということは、元のパーツ等の品質が相当低いか、
ペダルを取り付けてハンドル角度直すくらいの雑整備しかしていない」可能性が高い。

更に、通販投げ売りでしか売っていないような「安物自転車」であれば、
「整備に手間をかける以前の精度の問題」が出てくる。
※「同じ部品の同じ型番でも」安物自転車メーカー向けに「B級品」になっている可能性もある。

その結果「早期劣化や不具合に見舞われる率が上がる」格好。
※556ではなくチェーンオイルを適量塗付し、米式化などで空気圧管理も出来ている人すら珍しいのに、
完全分解して自分で再組立て整備できるとか、反対に「恐ろしく鈍感を極めている人達」は稀有な例なので考慮せず。

一方で「実売価格が5万円以上の値段のする自転車」であれば、
整備すれば妥当な状態になることが期待できるのは、
「部品選定・工場での製造・組立の時点で」
(安物自転車と比較した場合)不具合率が少なくなるように反映されていると考えられる。

※もちろん、値段に関係なく「必要最低限を満たしていない」雑組立てしかしない・出来ないような
ヤバい店も普通にあると思うので、その見極めは重要。


◆こんなサイトに要注意

魑魅魍魎が跋扈するネットの世界。

◆「用途が1km未満/半年しか使わない/体重65kg以下」のような
【全ての内容に対して同じ限定条件が示されている】ならまだしも、
闇雲に安物自転車を薦めている記事には特に警戒が必要。

一見わかりやすく親切そうな内容と思っても、
「重大なリスク」には触れていない「素人"騙し"」になっている場合もあるので、
騙されないように「肝心な"中身"を見極める力」を持っておきたい。

原因としては、「案内している人自身が初心者」ということに気付いておらず、
「目の前にある実情の問題」を全く把握できていない傾向が強い。

肩書は「プロの自転車選手」「弁護士」「医者」「政治家」「会社員」、
「自転車店員」(店員の場合特にピンキリの度合いが極端)、
「自転車輸入代理店の社長」に限らず、誰でも何とでも名乗れるので、
少なくとも匿名での肩書に大した意味はない。
それを利用している場合もあると考えると、尚更気にしてもしょうがない。

全体的な内容があまりにも酷すぎるサイトの例として分かりやすいのは・・・

▲「買うまでが自転車」
 →無意味なランキング、精度など無視で安物自転車を推奨、通販限定車種の羅列にはじまり、
  通販購入の「リスク」に触れないのが特徴的。

 「購入後のタイヤ交換時の選択肢」から"用途に応じた選択"を目的として、
  最低限「ETRTO」程度の基礎知識は把握してもらいたいが、当然書いているわけもなく。
 ※規格を把握していれば、米式チューブ化が困難だったり、
 歩道走行での段差を想定したときの太めの幅(約37mm超)がなく、
 タイヤ選択肢が少ないなどの時点で避けることが出来る。

 近年増えてきている27.5×1.95についても、
 安物タイヤチューブセットはないので価格面こそ不利でも、
 実際にはエアボリュームとタイヤ選択肢があることを知っていると大きなアドバンテージとなる。 
(近場に取寄せできない店しかない場合は工賃増しに納得した上で、持ち込み"歓迎"の店を確認できているかどうか)

▲「英式チューブでリムが高め」というのも分かりやすい「地雷」だが、
 これも気付いていないと後で困ることになる。

▲「買った"後"を気にしない」
 →使う期間を全く考慮せず「メンテ」を無視する。
  そもそも「何処をどうやってメンテするのが適切か」さえ知らない可能性も高い。
  (タイヤ内にチューブがあることすら知らない可能性も?)

▲自転車整備できる店員がいないような店で買ってしまうと・・・
(部品が長期欠品、取引がないメーカーで部品調達不可能、違法車両、単に忙しい、等は除く)
 簡単な修理でも1週間や1ヶ月の預かりになるようなリスクもある。
 当たり前だが、そういう店は自転車を扱うべきではないし、買うに値しない。

●日常的なメンテに関する内容を書いていない
例えば「選び方に特化しているサイト」としても、
自転車は「買うまでに思案する期間」よりも「買ってから使う期間」のほうが間違いなく長いわけで、
「壊して」からの異音判別などよりも、まずは「壊さない」ために、
最低限「空気を入れる」「適切な注油方法」「(野ざらしであれば)カバーをかける」あたりの紹介は必須。

▲「安い自転車にも良いものがある」
 →部品やフレームの精度が存在しないとでも・・・?
 「メンテしない前提で不具合=買い替え」なら気にしないのだろう。

▼1万円台、2万円台、3万円台では差がない???
むしろ真逆で「1万円も違えば大きく差が出る」のが一般車。
 ●バンドブレーキとローラーブレーキ[フィンの有無]他の違い
 ●シングルピボットとツーピボットキャリパーの違い
 ●ブロックダイナモとオートライトの違い
 ●ステンレス・アルミ・スチール部品の「割合」
 ●変速の有無(外装・内装・変速なし)
 ★タイヤの質
 ●部品・工作精度
 ●工場組立段階での差
など
「ブリヂストンの変速なし5万円自転車」と
「2万円の変速なし、折りたたみ自転車、外装6段スポーツ自転車もどき」が「同じわけがない」。
特に「3万円の壁」は大きい。

それに加えて、「実店舗での最終組立の差」
「安ければ安いほど」
「部品精度の低さから丁度いいあたりに調整すること自体が困難」になる確率が高くなる。
安く買えるということは、どこかでその「しわ寄せ」が必ず訪れる。

─安い自転車を"完全分解"で組み直す?
追加で軽く3万~5万円以上は必要になると想定できる上に、
素材自体が安物すぎて(前フォークが貧弱など)そもそも「整備する以前の問題」とか、
BB椀が斜め取り付け状態から、手間暇をかけて外して、高額工具でネジを切りなおせば更に追加費用など、
「数万もの追加費用を出せるなら、まともな自転車を買ってください」としか言いようがない。
※余程思い入れがあるのであれば、走行用ではなく「整備せず保管」を薦める。

更に、ネット購入の場合、初期不良に気付いたときには「送り返すのに返送費用が数万円」など、
「メンテ云々以前の大きな違い」がある。

▲電アシのバッテリーについても・・・
ヤマハ、パナ、ブリヂストン"以外"の、特に「量販系メーカー」や「新興メーカー系」の問題として、
バッテリー交換しようと思ったら、車種どころか「メーカーごと消えていた」等の
重大リスクを何故か無い物とする。

▲「メーカーは子供乗せ自体を想定して設計していない」のに
(フレーム強度とか前後の重量バランスとかを一応設置してみた上での話だとしても)
メーカー判断を無視して「勝手にOKと判断している」ようなケース。
※本当に子供乗せ対応可であれば「メーカー純正でオプション品を用意すれば"儲かる"のに、それがない」が答え。

★「自転車は道交法にて"車両"の一部に定義され、部品の集合体である"乗り物"」だからこそ、
軽く考えることなく「騙されないように」注意を促しておきたい。

※但し、「自転車は使い捨て用途だから少々不具合あっても壊れるまで動けばOK」という鈍感を極めている人は除く。
「タイヤが完全にボロボロでリムだけになっていても、一応進むことが出来なくはない」が、
「まともな自転車」を「まともな店」で買って、「まともに整備」すれば、
「長期的に快適且つ得という概念がない」のだから、どれだけ説得しても徒労に終わるだけ。

◆安物自転車であっても「利益」を乗せて販売されているという事実
つまり商品代金から・・・
「店舗での販売利益、輸送コスト、部品代、工場での組立工賃、商社の利益」などを差し引いて
「安ければ安いほど酷くなるのは当たり前」と分かっていれば、
とても安物自転車など薦める気にはなれない。

デフレに慣れ過ぎて感覚が麻痺しきっている消費者が多すぎるというのもあるが、
やはり「"本物の"自転車とは何か」ということを
知る機会がなさすぎることが根幹の問題。

●クラス18適合フレーム

c-s-progress.jimdo.com/2022/04/03/荷重制限は荷台だけじゃないようです/
荷台だけでなく、フレームにも個別に積載限界が設定されている場合もあるようだ。
耐久面や走行性能などから全く薦めない安物自転車とはいえ、
ちゃんと表示していることには好感が持てる。

●「ルック車」について

bike-news.jp/post/263548
当然、定番ネタ化しているLOOKというメーカー(ブランド)の自転車ではない。

自動車メーカーブランド名を貼り付けているだけの特定の代理店の自転車も含むとは思うものの、
狭義ではブロックタイヤを搭載していても「荒地走行はできません」というのがこのジャンル。
タイヤだけ太くて安物のファットバイク"もどき"も典型的なルック車(もどき車)。

しかし、その本来の「MTB類型車」や「MTBもどき」という意味から派生し、
「安物コンポ(主にボスフリー・ターニー)搭載の自転車全般を指す用語」として
言葉の意味が変化、浸透しているように思う。

確かに「荷物なし」「近所5km程度」「体重軽め」
「屋内駐輪または屋外駐輪だが毎月整備を欠かさない」など
「用途・使用状況によっては」問題が起こりにくいとはいえる。

一方で、買い物で荷物多め、体重重め、10km超、ほぼノーメンテ主義のような場合、
「元々の全体的なパーツ群の"質の低さ"との相乗効果によって」
早期劣化等から、買い替えを余儀なくされることもあり得る。
※「BBのガタ」など

●スポーツ自転車ではなくても、通学向けの自転車であれば、高額になるほど、
(完全ノーメンテで良いわけもないが)
「タイヤ(チューブ)への最低限の空気入れ」や「適切な注油」さえ完璧であれば、
駐輪環境、地域的な問題、走行方法に問題がある場合を除き、
少なくとも、ほぼ6年間壊れる可能性はないと言える。

◆しかし、超高級な一流プロ向けの競技向けのスポーツ自転車の場合、
値段が高ければ高いほど耐久性が高いかと言われると・・・、
転倒1回でパーツやフレームが終わってしまう場合すらある
「カーボン」素材を避けられないために、
何十年も乗れるというわけでもないので注意が必要。

「安すぎる自転車の場合、フル分解してグリスアップや調整を施した」としても、
保管・整備状態や走り方にも留意したとしても、
精度の低さを考慮すると(どれだけ頑張っても)
それなりに、長持ちさせられる程度でしかないのは仕方ないところ。

「パーツ総組み換えでは済まない、根幹のフレーム自体の貧弱さ」だけはどうしようもない。

同じ外装変速の6段ボスフリーの安物自転車でも、
力を無駄にせず、それなりに快適に乗りたいと思うのであれば
「最低でも約5~6万円」が目安

しかし、用途次第で、住居から1km未満の駅までのような超近距離であれば、
さほど性能の差を気にする必要がないので、走行性能よりも、
"適宜"メンテナンスでの"耐久性"を気にした方が良いのは確か。

★それでも、「タイヤ・チューブ・リムテープ」と「ブレーキ関連全て」と
「ライト」と「リフレクター」だけは
どんなに安物自転車でも「まともな部品」に交換することを薦めたい。

●安物自転車に精度を求めるべからず

www.youtube.com/watch?v=mR9gumFHdW8
ブログを見るとロックリングに「フックスパナ」を使っていない理由が分からないのと、
「チェーンケース」は元から歪んでいたのかどうかという疑問はあるものの・・・、

「安物はトータルで考えると安くはない」。
元々の品質の違いも然ることながら、
「工場組立精度」の違いが明確な差になるというべきか。

それでも、「鈍感を極めている」「使用する期間は半年~1年のみ」
「単距離」「平地しか走らない」「屋外駐輪しない」
のような条件が揃っていれば、多少難があってもそれほど悪影響にも気付かずに
その期間の役目を全うできる可能性はあるので「用途次第」。

「消費者が求める安さに応えるために、
輸入代理店と製造メーカーで努力した結果が精度にも出ているだけ」なので、
勝手に勘違いして「安くて何ら問題なく使える」と思われても困るだろう。

─29:30~「安物自転車に精度を求めないこと」
基本は、組み付けも個々のパーツも「安いのに良い自転車」なんてものは存在するわけがないと考えて、
(期間や距離など)本当の用途に相応しい自転車を買うこと。

「安物自転車の精度が低く修理しきれずトラブルになるケース」
これは扱ってしまう店にも問題があるというべきか・・・。

逆にもし「なんだよこの店高い自転車(3万円~)しか置いてねーのかよ」と帰ってもらえば、
厄介払い出来ている証拠。

極端に言えば「大衆食堂」と「ドレスコードのある高級レストラン」の違い。
後者に場違いな人が入ろうとしても入口でお断りされるのが当たり前。
※そこで執拗に退去しなければ不退去罪~過剰にゴネて実害を及ぼすようなことがあれば「威力業務妨害」となる。

(例外的に高級スポーツ自転車ユーザーが、街中の買い物専用に安物自転車を使う場合もあるとしても)
「安物にはそれに相応しい客が付いてくる」リスクが高くなるのは必然。
チェーン店であれば店の経営方針で理不尽なクレームに付き合される店員の方々はお気の毒というか。

※通販の場合「基本売りっぱなし」でクレーム処理すればいいので上手く利用されてしまうというオチ。

購入時高いと思っても、やはり質の違いは如実に現れると考えて、
「ちゃんとしたメーカー品」を「実店舗」で「技術が信頼のできる店員」に
点検しつつ組立てもらうというのが、長期的目線では確実に得する。


●安物自転車が安い理由

自転車を多く売りつつ利益を上げようとすれば、必然的に細かいチェックや丁寧な整備は不可能。
自転車の扱い方にも左右されるとはいえ、「組立の差で長持ち度合いが違う」と知らないと損をするのだが、
「"チャリ"なんてどうせすぐ※壊れるんだから何処で買っても同じ」という人達に理解されることはないのだろう。
(※実際は普通に使っていて壊れるのではなく、使い方に問題があって壊している)


●甥っ子に8万円自転車贈呈から価値観の違いで若干争論になったケース

●元記事
twitter.com/MS758/status/1340175016831283202
元の8万円自転車のツイートを見れば冷静に「妥当」という人も少なくないようで安心。
まず論点として、
●「比較としての1万自転車と8万円自転車に対する感想」
●(8万円自転車を)「贈ったということに対する反感」という火種が散っていて若干ややこしい感じに。

「関係性も知らない・事の経緯を知らずに」贈り物については、
他人の身内同士での親戚付き合いに文句を垂れるのは意味が分からないが、
前半の「それぞれが考える生活用途としての自転車への価値観」については、
(経緯を全く理解せず火に薪を投入に来ただけの野次馬が多数いるとしても)
「危機的状況にある」という意味で感慨深い内容になっていた。

●細々とした条件まで整っていない場合の「贈り物で自転車は微妙では?」
という考えで絞った場合でも、基本的に自転車に詳しくなくても
「片側スタンド→両立スタンド」や「荷台やカゴの取り付け」のように、
「用途に合うようにパーツ交換するのが当たり前」なので、
そこまで気にするほどでもないように思う。
もし根本的に合っていなければ、売って買い直すか、
「金銭厭わずに良い方向」を極めてもらいたいという考え方であれば、
スチールフレームなら作り直しからコンポ乗せ換えという方向もある。

●安さは正義とは限らない
「子供には安物自転車が妥当」という考え方こそ警戒すべきで、
もし安全性に問題があって製品起因の事故が起きれば、後悔しても遅い。
そこまではないとしても、ロクに整備もせずに半年で"壊して"しまうなら適切とは思えない。

●適正な用途次第で「自転車」にも「チャリンコ」にもなる
もちろん「安物自転車」に価値がないわけではない。
用途として「駅までの1kmしか使わない」とか「単身赴任で1ヶ月や半年くらいしか使わない」
「生活が"極端に苦しい"」のであれば、確かに便利な存在。

しかし、生活水準が低いわけでもないのに「それで構わない、必要ない」という
「自転車=耐久消費財」として「適正に使う」という概念すらなく、
何も聞く気がない救いようがない人達にとっては「相応の"チャリンコ"」に成り下がる。

ノーパンクタイヤ然りで、「本来の適切な用途」があっても、
"教えてもらえる機会"が存在しないために、
「安物"で"いいや」ではなく「安物"が"いいや」に曲解されてしまっていることは
相当危機感を持たなければならなかったのだが、
安物自転車に対して、
中身が空っぽに近い「BAAという見せかけの制度に甘んじていただけ」で、現状の有様。

●元値が高ければ納得させやすい
「10万円以上するような電アシを"壊して"しまう人々もいることから」
安物自転車が消えたところで
即時に空気入れの習慣化が身につき、空気圧不足のパンクが減るとは思わないが、
極僅かでも意識に変化が見られ、
壊さないような使い方を身につけようと思わせる「素地」は形成される。

●雑な店と困る店
「昔から変わらず不真面目で横柄な店」は、"質まで安い"客に
呼応するように、まともな接客を放棄し文句に終始、
8割の「悪い意味でテキトーな店」が場当たり的対応を続けるも、
「通販売りっぱなし店・メーカー」や、
技術人材を育てる気のない会社は「人も物も"使い捨て推奨"」。
結果、慢性的な不具合(空気圧不足/過剰・注油不足/過剰)など)を「気にしない」で済ませるか、
そのツケを払わされるのが、薄給で理不尽なクレームに悩まされ続けるような
「真面目だが機転の効かない店」がハズレくじを押し付けられる形。

●迎合主義的な視野狭窄の恐ろしさ
「馬耳東風な人達」は放っておくしかないとしても、
全体的には、安物自転車では「用途として」不適当な代物かもしれないのに、
自転車に詳しいであろう識者が、"大衆の味方気取り"で
欠陥品もどきの物を「仕方ない・そういう物」で
諦めるような狭い考え方に陥っているのは見るに堪えない。
思考停止は「現状の酷さを受け入れること」に他ならないが、
懐古概念に毒され現在の問題が見えていなければ、危機感など全くないのだろう。
(追加)
価値観の多様性を認めている懐の広さを示したつもりが、
逆に「そういう人達は生活用自転車の本来の実力など知る意味はない」という
「狭い価値観」に捉われてしまっていると言える。
それは「表現者」という自負があるのであれば、むしろ「絶対に避けなければならない」方向性。

●需要と真っ当な工賃の認識
個人的には否定的なベルト駆動のアルベルトだが、
「電アシでもないのに値段が高すぎて全く売れない」のであれば、既に消えていても不思議ではない。
しかし、実際そうではない時点で「より安全・安心と思われる車種をお金で買う」という人達が居るわけで、
自転車について詳しいのであれば尚更、生活用自転車に対して
「安物自転車だから修理も安いだろう」という歪んだ構造を減らし、
「適正な対価(工賃)」を意識してもらうためにも、適正投資という方向で考えたい。

●教育視点
これは年齢層を下げた「幼児・子供車」にしても言えることで、
「自転車は雑に扱うべきで"壊すもの"」と、使い捨ての買い替えが、
果たして教育として本当に正しいのかということにも繋がってくる。

●防犯観点から
防犯登録は無視するとしても「盗難件数の多い人気車種は除き」
頑丈なU字錠で固定物と施錠し+2ロックするならば、あとは停める地域や時間によるとしか言えない。
(高額自転車でも一般車型(S型やL型)であれば、車種自体がさほど特に目立つわけでもない。)

●結局後で後悔するケース
twitter.com/MS758/status/1340580812870230017
通学用にと子供に安い自転車を買い与えた親御さんも後で後悔する事が多いのですよ。
そういう経験があると二番目三番目には国内メーカーの自転車を選ぶのも珍しくは無いです
つまり、より頑丈と思われる自転車を買っておけば「転ばぬ先の杖」にもなるということ。

●安物自転車でも修理代は安くならない
twitter.com/MS758/status/1340599959939268608
価値観を押し付けるなって言いますけど、自転車1~2万の価値観で修理押し付けるのも止めてもらえます?
修理代が高い?それお前の価値観だよね?
そして使い捨てでまた安物を買ってしまい「本物の一般車」を知らずに消えて行く。
時間効率も低下させ、結局お金が余計にかかる。

●収益構造の問題
twitter.com/MS758/status/1340602212838375424
8万の自転車が当たり前に売れる様になって自転車屋さんの賃金も上昇して、
その自転車屋さんが物やサービスにお金を落とす様になれば、
皆さんの賃金だって上がるかもしれないのですよ。
でも自転車1~2万の世界じゃみんなジリ貧になるだけです。
「良い物」を「適正に継続して使うという当たり前」を
知ってもらう機会がなさすぎることが問題になる。

●コストダウンは何処から
twitter.com/MS758/status/1340604625800417280
自転車はメーカーから7部組の状態で入荷するので、それを店頭に並べるまで結構なマンパワーを必要とし、
本来は薄利多売が出来ない商売なんですけど、それをやっているっていう事は何処かに落とし穴があるんですよ。
「パーツの集合体の自転車に安くて良い物など存在するわけがない」という
「常識を知らない」と「価値観を超えた範囲の値段」だけで反発したくなるのだろう。

▼[関連]安さを良しとする自転車店自らが立場を悪くしている
youtu.be/fU8dFSYYH2s?t=946
「困っている人を助けるため」という大義名分を掲げ、
(相応の狭く少ない知識量と接客未満の雑対応しかできないのもあるとは思うが)
「努力なんて一切したくないから自転車屋をしているだけ」
だから「低賃金で構わない」というのでは、あまりにも志が低すぎる。
(追加)
「販売・修理」以外の方法を試行錯誤せずに「受け入れられるわけがない」ので
「安くなければならない」というのは、固定概念に凝り固まりすぎているとしか思えない。

提案力等を商材に繋げるための策が全く足りないために、
「そんなものに金銭を払う価値がない」と消費者にラベルを貼られていると気付いていれば
反骨精神で打開案を練るのは必然。

しかしながら、「門戸を開いているために必然的に安物自転車や通販車の依頼も飛び込みである店」であれば、
それらの安物客に拒絶感を持つ前に、速やかに経営方針の根本改革を断行すべきに思えて仕方ない。

●大衆感覚の"普通"は普通ではない
twitter.com/MS758/status/1340969727858941953
別にね1~2万の自転車買っても良いのよ。ただそれが当たり前という感覚は危険だと思うの。
やはり(電アシを除き)「生活用自転車なんて安いのが当たり前」になって
感覚が麻痺してしまっている人達の目を醒めさせるには
「一時停止を強制させるためには厳罰化や交通指導よりも、物理的な車止めが最も有効」なように、
安物自転車は通販込みで厳格に販売規制を敷くべきかもしれない。
安全性のギリギリを追及するヤバそうな自転車を扱っている輸入代理店の総数自体も
保守部品の提供年数だけでなく、全国に整備店を確保できているかどうかも含めて
許可申請を相当厳しくする等で抑える必要もありそう。
(追加)
実現可能性の低い極論という話でいえば、
自転車免許制度やヘルメット着用の罰則付き強制と同様に
最低販売価格が上昇してしまうと、「自転車需要そのものが低下する」とか、
現状の危険度からして自動車の比ではないことは明白なので、
「そこまで神経質に高品質を求め、厳格に自転車を整備維持する必要はない」と
懸念する声もあるとは思うが、
少なくとも、今よりは自転車に関心を持ってもらう必要があると考えられるのは、
軽い接触事故も含めた事故防止のための一時停止や歩行者優先、
メンテではなく本来必要ではないパンクを防ぐための空気入れの習慣化さえ
全く浸透出来ていない点にある。

●安物自転車の改善手段を補足

近年では(タイヤ/リム)ダイナモでもLEDタイプの軽くて明るいものもありますので
交換することで(ハブダイナモほど軽くはなりませんが)比較的改善できます。
お値段は1個「約2000円+(店によって異なる)工賃」です。

バンドブレーキは、音鳴き解消処理を施しているお店もあるようですが、
「バンドブレーキも販売しているメーカーがお薦めしている」ように、
「サーボブレーキ」へ交換がオススメです。
しかし、雨の日に乗られることが多いようでしたら、
ローラーブレーキに近い機能のメタルリンクブレーキのほうが良いかもしれません。
どちらもブレーキ本体の値段は「約2000円+(店によって異なる)工賃」です。

BBは通常型(カップ&コーン)の場合特に初期整備に手間をかけるかどうかで大きく異なりますが、
「基本的に手間がかかるため、この部分にグリスアップ等をしている店は少ない」と考えておいてください。
特に安物自転車や利益の少ない自転車でこの部分をまともに整備しようとすると、
お店の利益が吹き飛んでしまう恐れが強いことをご理解ください。

※個人的には購入店で「別途費用を支払っても整備をしてもらうことをお薦めします」ので、
「工具すらないので作業出来ない」というお店は避けることをお薦めします。

何故なら、お店が納車前の整備の時点であれば、
椀を歪んだままねじ込まれているような「明らかな不良品」であれば、
この段階で適正な状態のものに交換することもできると思われるからです。

「もし定価販売でも、この手間賃込みであればお得です。」

購入店ではない別のお店に頼む場合は、
手間がかかるぶん割高になる可能性はありますが、整備する価値はあります。

※もし不良品が発覚した場合、整備店の迷惑にならないように
「メーカーや購入店とは購入者自身で交渉をお願いします。」

つまり、「整備が出来ない店で購入する」と、このようなリスクもある」とご理解ください。

そして購入後も是非とも「不調が来る前」に、定期的にお店に訪問して頂き、
(有料無料条件などは店によって異なりますが)
適切に点検調整することで不具合は防止できます。
(基本的な駐輪方法として風で転倒しないように停めることも重要になってきます)

黒ハンドルなど、錆びやすい箇所は、初期整備での防錆処理と、雨天後に水気を拭き取り、
再び防錆剤を塗布することで錆びは予防可能です。
こちらも「防錆処理に理解のあるお店に」ご相談ください。

貧弱なタイヤ&チューブもあるようなので、購入後即交換を検討したほうが良い場合もあります。
値段は前後交換で「約4000円+(店によって異なる)工賃」といったところ。
タイヤを使い切るためには
直射日光をできるだけ避けるために長時間停める場合はカバーを使うと良いです。
そして、何より空気圧の管理が重要になってきます。
適正空気圧の理解のために「エアチェックアダプター」を取り付け、
まずは毎月1回以上の空気圧の管理をしましょう。
難しいと思われた方は、こちらもお店への訪問時にご相談ください。

身近な生活向け自転車選びのための情報はネットにもこうして書いていますが、
ネット環境のない方や、検索された多くの方の目に留まるように結果が必ずしも上位に来ないため、
よく分からない段階で何となく購入されているケースが多いのが現状と思っています。
メーカー等にはあまり期待できないので、
核心に迫る情報は自力で探し出すしかないのが難しいところです。

工賃は店によって大きく異なるのと、交換する「タイヤの質」にもよりますが、
「車体価格とは別に」+上記の修正のためには
約1.5万円~が目安というところかもしれません。

そして、本体価格が上がっても、不具合確認や防錆処理など、
お客に渡す「直前」の「お店での整備次第」なので、
「本体価格や(工賃も)高ければ絶対に安心できる」というわけでもないことも覚えておきましょう。
(例:「追加の部品購入と全体手直し整備で3万円も払ったのに無茶苦茶で雑な整備だった」)

それでも、生活用の自転車購入の予算は半年や極単距離でしか使わないという場合を除き、
手直しに必要なパーツのカスタムを想定し、
「本体+諸経費込みで合計5万円は準備しておく」と覚えておくと良いかもしれません。
(電動アシストは基本価格帯としては10万円超も普通なので完全に別)

他にも、前ブレーキとブレーキシューを効き目の良い物に、
ブレーキレバーもシマノのアルミ製に、
ブレーキ/シフトケーブルをシマノ等の良質なものに、
ペダルを国産品の三ヶ島製にするなど、色々と交換すると良いものが多数あり、
そうなってくると必要経費は自転車本体とは別に軽く2万円は超えてきます。
(これは本体価格3万円以上の自転車でも搭載されていないことが多いため、
良質なパーツを揃えたいという場合は追加費用がかかってでも交換をお薦めします)

また「フレームの剛性」の点で、安い自転車特有の「柔らかめの鉄フレーム」によって、
力の伝達がロスすることで「(個人差もありますが)無駄に疲れやすい」という可能性もあるため、
比較的長距離(5km以上)の使用はお薦めできません。
もちろん、重い荷物を積んで移動する用途も苦手な車種になりますのでご注意ください。

そして、購入時だけ丁寧に仕上げて安心ではなく、
購入後の「定期的なメンテナンス」も本来の実力を発揮し続けるためには必要です。



●自転車本体の価格差を考慮しなければならない根が深い背景とは

※「元々の"構造上"に問題があるパーツ」は別とする。

前提として、精度が要求されるであろう宇宙用の部品開発しているわけでもないのだから
不良品が混ざることもあるとして、
「基本価格が高額(個人的な目安としては実売4万円以上)」で、
「ブランド料に不具合対応までも含まれていてもおかしくない」のであれば、
完成車メーカー(代理店)やパーツメーカーに対して、
「工場出荷時で検品にもそれなりに力を入れているべきだろう」と思うため、
「それは最終的に店の納車整備時点で対応するのが当然」と言いたくなる。
※高級車種やパーツの精度にどこまで求めるのかというのは
個々の店やユーザーにもよるので何ともいえない。

一方で、
安いのが当たり前と思われているような一般車関連のパーツの
ローラーブレーキの効きの悪さ?を不良品とする「以外」に、特に安物自転車であれば、
「安値限界への挑戦の果てに生まれたような(最低基準だけは一応クリアしているであろう)実質は駄目パーツの山」
と組み合わされているのが"普通"と思われるので、
まずはその「不具合の原因ともなりかねない部品群を全て交換することから」始めてもらわないことには、
「本当にそのパーツだけが問題なのだろうか」という疑問が拭いきれない。

●分かりやすく言えば
「果たしてブレーキ本体だけ交換すれば済む問題?」という。
インナーワイヤー然り、ブレーキレバー然り、
出荷時点でのグリス量然り、ネジ締め然り、根幹の「フレームのヨレ」に至るまで。
(もちろん「整備する"店の方針"から"店員の(技術面以外も含む)質"」による影響も大きい)

※一般車ハブのラチェットのツメの不具合が問題になった例もあるが・・・、
「チェーンの張り」「使い方」「メンテ頻度」など、
「使い方の問題があったなら」それを考慮しないのは如何なものかという疑問もある。

▲安くて良い物という幻想
そもそも安物自転車(&組み付けられているパーツ)に一体何を期待しているのか・・・。
「不具合というほどでもなく、全く機能しないわけでもないのなら」
「価格帯的にその程度のもの」ということがあっても、
「安い商品を選んで買ったのだからしょうがないのでは?」と言いたくなる。

それを「全て厳正にチェックし対応すべきだ」という人がいるとすれば、
何だか「大衆食堂に場違いな高級レストランの接客を求められているような違和感」を覚える。
大衆食堂でも一流のシェフが一流の食材と調理器具を用意すれば可能として、
(自転車の場合:安物自転車であっても完全分解し1から組立直すこと)
そのような光景が現実的なのだろうかと。
常識的に「5000円で超高級レストランのフルコースは食べられない」と理解できるはず。

「どんなに安くても全然ノーメンテで問題が起こらない良い自転車はある」と信じ、
「自転車なんて変速とかタイヤチューブの違いくらいで、
あとは大体同じものだから(用途に関わらず)安ければ安い方が得」と
心の底から本気で信じてしまっているようであれば、それ以上の説得は事実上不可能。

もし「実際にある」などと言い張られても、
「単距離」「軽い体重」「屋内保管」「そもそも殆ど使っていない」とか、
「まともな状態を知っていればどう見ても不具合はある」のに、
「単に不具合と気付いていないだけ」のような気がするので信憑性も低い。

▲メーカー視点で
そのうえ「安物自転車なのに」「不具合品だったので交換しました」を
頻繁に突き付けてくるような店とは、取引自体を考えることも予想できるため、
量販系であれば「必要最低限の作業業務のみに徹するように」徹底される光景しか見えない。
「不具合が少々あっても(重大事故が頻発していない以上は)
黙って納車してくれる多数の店とだけ取引していればいい」となっていても不思議ではない。

▲適正価格の沼
まるで店が継続して経営を続けられる協力を拒否するように適正な工賃を支払う気もないのに
「メンテもせずに使うだけで壊れるまで何もしない用途」に付き合い、
どう考えても割の合わない手間暇をかけてしまうと、結局困るのは店自身。
社会奉仕に命を捧げ、主食が野草や昆虫であることさえ厭わない生活に満足できるなら構わないのだろうが、
周囲の店としては迷惑極まりないに違いない。
結果として「売りっぱなしの店(早く壊してくれと思っているような店)」が
増えるようであれば、技術レベルだけでなくモラルそのものまで崩壊する。

◆良くも悪くも適材適所に陥るしかないと思われる現実
(電アシ部品のような特殊品を除き)一般車の部品では、
基本価格が高額なパーツは存在しないため、
生活用自転車は「耐久消費財として」ではなく、
「生活必需品の消耗品」として考えられがちだからこそ、
安物自転車の需要があることは理解できるが、
(本体価格を超えるような金額に一切不満を持たないような人が多いとは思わないことからも)
真っ当に店やメーカーの経営を維持するためにも
「残念ながらその価格に見合った物や"相応の整備"を提供するのはやむを得ない面があるのが実情では?」という意味で、
「安物自転車に不良品の割合が高くなっていたとしても何ら不思議はない」と思ってしまう。

極端な話、もしママチャリの仕入れ値が3万円ほどでも、
「実店舗での納車前整備が罰則ありで義務化され」
「全体として最低販売価格が一律で10万円以上」とでもなれば、
納車前整備として「スポーク1本に至るまで全分解→精度出し→全箇所防錆処理など」が当たり前になり、
店側から「どんな些細な不具合も絶対許さない」と言いやすくなるとは思うが、現実的とは思えず。

▼結論として
「安物自転車ユーザーに対して、
店としては不良品に気付いても黙って与えて使い続けさせればいい」という意味ではなく、
「チェーンなど錆びだらけ」「タイヤ(チューブ)空気なし」が当たり前で、
その他の不具合も不具合として気付かない(我慢すればいい)ような人達が多すぎる以上は、
「本体価格(に占める工賃)も含め」「その感覚に合わせた業態になってしまう」のは避けようがないのではと。


●1万円台の自転車のメリット・デメリット

mitubosi.site/archives/34
言いたい方向性は理解できるのだが
如何せん「想定される用途」が足りないのではと。

「使用頻度・年齢・体重・荷物の重さ・走行路(路面状態や勾配など)・平均走行距離」から
「性格」「駐輪場の状態」「想定している使用期間」など。

例えば・・・、
「毎日使う・高校生・80kg以上・荷物20kg・舗装状態が酷くガタガタ路面・急坂多い・平均走行距離10km」
「荒っぽい」「駐輪場は常に満車」「3年以上(出来るだけ長持ちさせたい)」とすれば
1万円台の自転車では、かなり厳しいというかほぼ間違いなく「無理」。

上記とは全て真逆に近い用途であれば
確かに「1万円台の自転車でも十分」と言える。

ネット上では、パーツの質や組み立ての精度が悪い、と決まり文句のように書き込まれていますが、
大筋間違いではありません
しかし、パーツの質は、自転車素人が理解できるほどの差は正直ありません
「同じ構造のものであれば」確かにそう思うものの、
例えば「ツーピボットキャリパーブレーキ」と「シングルピボットブレーキ」を
比べてほとんど気付かないということはないのではと。

ネットで違いを力説している方は、高い自転車を買ってほしい自転車屋か、
自転車が好きな自転車マニアでしょう
mitubosi.site/archives/56
なるほど確かに。

●店の納車前整備の重要性
大事なのはちゃんと組み立て整備されているかです
実はこれが一番重要です
あたりまえですが、安い自転車でもきちんと組み立て、整備したものは長持ちします
逆にどんなに効果で質の高いパーツで固めた自転車でも
組み立て、整備が不完全だとすぐダメになります
ですので、安い自転車でも高い自転車でも、購入してからその後、
しっかり修理整備出来る自転車店と付き合う事が一番大事です
これが世間一般の多くの一般車ユーザーに知れ渡っているなら良いのだが、
なかなかこれが伝わっていないからこそ「通販で買えばいいや」に繋がってしまうのだろう。
もちろん、「何ら文句ひとつもなく素直に整備費用をきっちり払う」のであれば、
(特殊工具まで必要になるとか、触ったら壊れそうなコピー品だらけの怪しすぎる車体等を除き)
店としては(メーカーノルマに追われていなければ)工賃で稼げばいいだけとも言える。

●修理のしやすさ
汎用性が高く修理がどこでも容易で安価
変速なし安物26インチWO(590)のママチャリを
技術的に修理できない一般車販売店で買った後に、
他店に頼むとして諸々費用が嵩むことを理解しているのであればいいのだが・・・。

1万円自転車は修理を受け付けてくれないとたまにネットで見ますが、
それはその自転車屋が修理技術が無かったり、自店購入車しか受け付けないような粗悪店なだけです
「お客様が素晴らしい方々」であれば、その通りなのだろうと思う。

逆に高い自転車は高いパーツが使われていることが多く
1万円自転車と比べると修理が高額になるケースが多いです
その先にある
「専用規格品を増やすことで稼ごうとしているメーカー」にユーザーが従う義理もないとも理解できる。

たとえばスポークで例えると、1万円自転車は大抵鉄製のスポークを使っていますが、
より丈夫なステンレス製スポークがあります
「金属特性だけで見れば」鉄スポークのほうが柔軟性があるので衝撃には強いという見方もあるが、
実用面で見れば、ステンレススポークのほうが錆びにくく優秀という見方になる。
しかしスポーク自体の値段も倍近くしますし、重量も重くなり、漕ぐのが重くなりますので、
一長一短です、全てにおいて最強なものは存在しません
鉄スポーク36本とステンレススポーク36本で重さの違いを気付けるほどなのだろうか?

人それぞれ使い方によって壊れる個所は違ってきますし
壊れて修理するときに更に壊れにくいパーツに交換して自分に合った自転車に
アップデートしていくのが一番賢いと思います
買い替え必須になる「フレーム剛性」に気付けるかどうかまでが分岐点。

▲カゴが鉄メッシュ
これは早めに樹脂製に交換しておきたい。

▲ライトを点灯すると重い
ハブダイナモのオートライトも紹介しているが、
もっと安くすませたい場合
タイヤに擦るダイナモライトなのは同じですがLEDライトでゴムローラーのものがオススメです
私はこれを使っています
このことを紹介してくれる店は1割もないのではと思うだけに貴重で有難い。
学校指定でオートライトが厳しい場合でも、こちらを選択させれば無灯火も確実に今よりは減ると思う。

▲音鳴りブレーキ
バンドブレーキを薦めているが、
ここは素直に「バンドブレーキのメーカーも交換を推奨している」
音鳴りが起きにくい「サーボブレーキ」への交換か、
雨天時に使用することが多いのであれば「メタルリンクブレーキ」を薦めたい。

▲フレーム剛性
しかし、荷物を大量に乗せる、ロードレーサー並みに速く走りたい、
という方以外はほとんど関係ない範囲だと思います
つまり、旧時代的に重い荷物を未だに持ち運びさせることを余儀なくされているような
「(中高)通学用途には不向き」ということになる。

▲タイヤ・チューブ
大事なのは定期的な空気圧チェックとタイヤ点検です
英式(虫ゴム)という原因を放置し続けている業界の影響もあり、
その前の「習慣化」にも少なからず気付きにくくさせているとはいえ、
液剤入りかどうかは無関係で、
チューブにパッチ貼りできないような「通称ヌルヌルチューブ」は
どう考えても異常な粗悪品と思えるものの、
「過度な低コスト要求ゆえ産物」として仕方ないと諦めるしかないのだろう。

▲ギア比
たとえば乗り降りしやすい自転車がいいという方はU型フレームの自転車
軽く漕ぎたいという方は軽いギア比の自転車を選ぶべきです
「スプロケ(ギア歯)を変更できるようなハブに組み替えることができる」ということを
知っている店やユーザーがどれほどいるのだろうという・・・。
予算的にホイール組もOKであれば、
最初からそれなりの価格の自転車を選んでいると思うとなかなか難しい。

◆メンテをしよう
ただ一番大事なのは買った後のメンテナンスです、
値段にかかわらず少しでも何か異常があれば放置せず、自転車屋に行きましょう
そのためには「ユーザー自身の自転車に気遣いできる思い入れ」も然ることながら、
結局は「店全体の雰囲気」も大きく影響するような気がする。


●ブリヂストンの自転車でも量販仕様は安物設定とはいえ・・・

prestigebike.hamazo.tv/e8624062.html
こちらの自転車は、またもやブリヂストン製量販店向け通学自転車。
ブリヂストン公式ホームページやカタログの掲載されている通学用自転車は、
スポークの太さが1ランク上なんですけどねー。
売り価格を安くするために、あんなとこやこんなとこ、そしてそんなとこも!!
部品構成を落としているのです。
ブリヂストンの自転車だ~と、安心していても、
スーパー・量販店仕様の作りな自転車なのでガッカリします。
「安くて損」を知るための勉強代としては高すぎる授業費用?
いや「また壊れるからテキトーに通販で買えばいい」に落ちる可能性も。

まずは、部品構成を気にする前に
【スポークが折れないような使い方=適正空気圧を徹底する、違法な2人乗りをしない】
という基本的な使い方を実行するのが先。

「壊れているのではなくて壊している」ことに気付けないようでは結局また困るだけ。

しかし、こういう話に納得し壊さないような使い方が実行できるのであれば
最初からこんなことにはなってなかったはずなので無理な話だろう。


●安物を買うというリスク

店選びの重要性すら知らず(教えてもらえることもなく)、
ロクに空気すら入れず、チェーンも適正整備をせず、変速もまともに使わずに
「真っ当な使い方をせず、壊れたのではなく壊している」ことに気付かず
「自転車は漕ぐのが重い」だの「すぐに壊れる」というレッテルを貼る。

▼あまり安くないメーカー車なら大丈夫というわけでもない
一般車の「BAAマーク付きを」などと宣伝しているのを見ると
「それだけではまともな自転車とは言えない」ことに
どれだけ真剣に考えているのだろうと思う。
「BAAは付いていないよりはマシ」というのはあるとしても、
劣化故障を促すような罠だらけの無茶苦茶な整備をしていれば、
「まともに整備されている安物ママチャリ以下」ということも十分にあり得るわけで。

▼中古自転車は「超熟練者向け」
「安く買えたので得した」と本気で思っている人も少なくないからこそ、
状態判断力もないのに安易にフリマやオークションで買ってみたり、
中古の安物自転車をほとんど整備せず並べて売るような中古専門店のような店が成り立つのだろう。

何しろ自転車には自動車のような「車検が存在しない」ので売ったもん勝ち状態。
不具合に気付かず使ってしまい気付けば返品もできずに泣きを見ることになる。


●新車の組立でも確認・補正作業が欠かせない

blog.livedoor.jp/shokoucycle/archives/9929148.html
実店舗・ネット問わず「新車でも整備がまともに出来ていないケース」が横行しているのは
「安さが正義と信じて疑わないノーメンテ主義」の人々に提供する自転車だから
「雑整備で十分」と考えている店が多いのもあるのだろう。

「さっさと壊してくれたほうが助かる」という店も多そうなので
尚更「まともな整備」を期待するほうが"買い替えが世間の常識"とすれば異常という。

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一方で、適正な工賃を支払わせず「破格の」安値で過剰整備をしてしまうと
周辺の同業者だけでなく、「技術の安売り」から
人材育成の点でも「(その店だけならまだしも)遠からず業界全体の首を絞める」
ということにもなるので、"適正な工賃"を提示してもらいたいと思う。

「(不当に)安い工賃しか支払いたくない」のであれば、
「雑な整備しかされていない新しい安物自転車を直すことなく何度も買いかえる」のが
そのユーザーには相応しい。


●パーツの質が低い量販向け車両

prestigebike.hamazo.tv/e8392010.html
紛らわしいネーミングで・・・価格が安い分、品質も落としていますので、
公式ホームページの商品と比べてみたほうがいいですよ。
スポークが細いか太いか?鉄なのかステンレスなのか?なんて、
一瞬見ても一般の方はわかりませんものね~。
「安いには理由がある」。
買うときに安くても後々のことを考えると高い買い物になることもある。

勿論「安物だけど神経を使って丁寧に扱う」という使い方ができるのであれば
上記にある【「組立の差」を無視するのであれば】大丈夫という見方もあるが、
このような情報にたどり着くような、興味を持って情報を集めている慎重で
「良い物」を入手したい人に対しては無論お薦めしない。



●安物自転車に対する価値感

◆有効利用できるケース
基本的に「全体的なパーツの質や耐久性の安全マージンにも余裕を持てそうな車種」
ということであれば、4万円からという案内をしているが、
一方で、治安が極めて悪いとか、せいぜい片道3kmくらいまでの近距離移動で
短期間利用であれば安物自転車も選択肢に含めることを否定していない。

◆フル電動よりはマシ
(具体的な故障率がデータとしてない以上は勝手に言えるが)
使用方法に問題がなくてもトラブル率の0.001%が0.05%に上がるとしても
別に大した問題とは思わないならしょうがない。
(実質原付なので、そのままでは公道走行不可の)フル電動自転車でもなければ
常用速度からしてパーツの数が少なくシンプルゆえにまだマシ。

◆各種パーツ
「食べ物なんてエネルギーになれば何でもいい」と同じ感覚で
「タイヤの違いにも整備の違いにも全く気付けない」という
鈍感な人は
「生活用の自転車なんて安ければそれでいい」として、
ホムセンやディスカウント店、通販サイトで最安値を狙うとか、
格安の中古を「後のことを何も考えず」買えばいい。

◆美徳の限界
しかし、極端な話「手入れしないことを美徳」と突き詰めると、
タイヤが潰れ、チェーンが錆びまみれで、
ブレーキシュー摩耗に限らず異音を超えて爆音を響かせていれば、
やがて他人を巻き込むような事故を起こす懸念があり、
単にお金をかけなくて済む幸せな(ある意味不幸な)人を作り出すだけ
では済まない。

◆巡り巡って募る悪評
「面倒だし買い替えればいいだけ。だからメンテしない」
「ママチャリなんか手入れして使うようなものじゃない」
その先にある、
「愛着がない→雑に使う→少々ボロボロになろうがどうでもいい→駐輪・走行マナーの欠如」
という巡り巡って今の自転車への風当たりを強くしているとは
微塵も考えたことはないのだろう。

いや、むしろ走行マナーに関しては「速度や見た目等で目立つ車種」のほうが
(目の前にある多数の一時不停止よりも一部の遮音状態のほうが悪にされるようなもので)
世間一般からの風当たりは強くなっていると見るべきか。

◆不整備車両の事故に巻き込まれてもOK?
それでも、安物自転車も含めて一般車を見下し(その整備も含め)軽視する傾向には辟易する。
「高い物を丁寧に使うのは当たり前で、安物は雑に扱うために選んでいる」
「廃棄→購入は楽。1、2万円程度であれば大した額でもない」
という人にとってみれば
「例え事故を起こすような事態になっても、自分が不整備車両の事故に巻き込まれても」
心底どうでもいい話なのだろう。

◆処分にも手間がかかる
しかし、基本的に職質対策で素直に防犯登録していれば、
譲渡には登録抹消手続きが必要だったり、廃棄でも真っ当な処分には手間がかかる。
出来る限り手間を惜しむなら、
「結局は長く使えるように手入れするほうがいいのでは?」ということに。
(他を見習って遵法意識のカケラもないことを開き直るのであれば
「最後まで"雑"で問題なし」という魂胆なのだろう)

─────────
繰り返しになるが、
(走行方法にも使用状態にも問題がなく標準体重65kg以内で過積載もしていないという前提で)
4万円以上の一般車でも雨ざらしで完全ノーメンテよりも、
1万円自転車でも、現実的かどうは別として
購入後に即完全分解し錆びやすい部分には各種防錆処理と
ベアリング部分にグリスアップなど隅々まで調整を施し、
保管時にはカバーをかけて、細かくメンテを欠かせない使い方をすれば
劣化速度はともかく、
(ステム折れになるような余程パーツの質が悪い欠陥品をセットされていなければ)
「長期的に見て重大な故障トラブルが起こる可能性は低い」と考える。

完全分解までせずとも、要所のグリスアップとネジ締め調整だけでも
日々の快適性の長期維持と日頃の手入れを除けば
後々にかかる大がかりな手間や費用が不要になるだけでなく
快適な性能を維持できれば無駄な体力消費もしないので、
「結局は得になる」と考えられる"良い意味でケチな人"が増えてくれることを願う。

それは店や各種メーカー全般を整備やパーツ交換で儲けさせたいからではなく、
「総合的に見れば損をしにくい選択」だからこそ注意喚起を促しているに過ぎない。
※問題がある店やメーカーについての批判は他に書いている通り。

◆現実として大人の対応
居ることそのものは否定しようがないとしても、
まるでデパ地下で試食コーナー巡りをして腹を満たしていることを自慢するような感覚で
「1万円自転車を"ノーコスト"で使うのは得」のように自虐自慢的な吹聴をするのは
「(その不整備車両で他者が巻き込まれるかもしれない事故への)迷惑を少しでも考える気があるなら」
わざわざ強調して言うようなことではない。


●部品の差~低品質部品の行方~

「安いには理由がある」
安物自転車は「とにかく安く」という需要があるから生みだされ提供されているのも事実でそれは否定しようがない。
その過程で、分かりやすい部分で言えば「タイヤ」など、酷い部品を組み込まれていようとも
それは「コスト削減の一環」でしかなく、企業努力の賜物とも言える。

作品でも全体的な内容の出来の良さよりも、単に「納期が早い人が偉い」というケースもあるようだが、
「とにかく何となくでも形になっていればそれでいい」で粗悪品を安易に流して
納期に間に合ったことだけを喜ばれても残念な気持ちになる。
結果、酷評されるのも已む無しになるが、一部の雑音として大して気にもしないのだろう。
言い換えればそれは「客は有象無象どもではなく、スポンサーやクライアント様だから」ということなのだろう。

※制作工程に於いての納期が早ければ精度が落ちるので良いとは言えないとして、
店から既に在庫があるものに関してメーカー(代理店)への発注の納期としては、
部品の管理状態や発送工程の問題になり、この場合あまり関係のない話になる。

それゆえ、例えばBSでも低コスト車に低ランクのタイヤが付属していることを愚痴られたところで的外れで、
「出来るだけ安く提供できるようにしましたので、高品質タイヤはとても付属できません」という
真っ当な言い分が通る。
逆に前後マイティロードやロングライフタイヤを付けて(1万円程度は無理としても)2万円強で提供できると思うのだろうか。
部品代を知っているなら到底言えないはず。

但し、買いっぱなし安物自転車の全てを否定しているわけではないことは、他で書いている通り。
(出張等で短期間のみ使用、アパートマンションから駅まで2,3分の単距離使用など)
しかし、長期間、長距離で使うならまともな自転車をしっかり定期整備したほうが
結果的に長く使えたほうが快適で得なのだが、
その計算ができないなら刹那的に「今が安いほうがいい」ということにもなるのだろう。
「まともな自転車の"普通の走り"を知らない」ことが、その人達にとっては幸せなのかもしれない。

●廃車寸前の安物自転車の修理は・・・

twitter.com/fiction_cycles/status/1024867922387165189
愛着云々で整備したいという気持ちがあったとして、
たとえ工賃を全く受け取らないとしても
「6000円ではオーバーホール修理不可能」。
修理以前に「自転車の部品価格」を知らなすぎると
こういう値段提示で「直してくれる」と思ってしまうのだろう。
一度自分で直したい各パーツを書き出して値段を調べたほうがいい。

「修理は触って調整するだけではなく、部品交換を伴うもの」

想像すると
まともに整備もされておらず、全体的に錆び錆びで
最重要のブレーキ周りも、ライトも、ハブもスポークも、BBも、カゴも、泥除けも、
タイヤもチューブもリムテープも、前フォークも、全てがガタガタでボロボロであれば
安物部品でもどう頑張っても部品のみで3万円以上は必要。

そして、運良く0円で中古部品をかき集めることができても・・・
全体修理で工賃6000円では「仕事の報酬として成立しない」。

例外的に安請け合いしてしまえば、仕事を安くみられてしまうに止まらず、
これまで適正料金で作業を請け負ってきた「他の客に対しても失礼」になってしまい、
「業務が成立しなくなる」と見ていいだろう。

そして、最も肝心の「フレーム」に破損兆候となる重大な亀裂があれば
(アルミフレームに限らずスチールフレームでもあり得る)
フレームごと交換=全組み換え=新車購入のほうが100%安い。

もし支払い能力がない理由として、遊興費は一切使っておらず、携帯電話すらなく、
食費もままならないほど生活を切り詰めていて
「生活の足として1万円すら出せない」のであれば
生命にかかわるので、然るべき機関へ相談することを冗談抜きでお薦めする。
───────────
一方で、3万円以上の自転車でフレームに異常がなく、不具合も軽微で
工賃込で本体価格以下で修理(ある程度の部品交換)可能であれば買い替えは不要。
しっかり直して快適にしてもらいたい。

扱いノルマを課せられて売りたがる気持ちは分かるが、
「状態判断をまともにする気がなく」新車を売りたがろうとする店員の口車に乗る必要は一切ない。
すぐに分かる範囲内でも不具合箇所を書き出して全体の概算を提示することくらいは出来る。
「さっさと壊してさっさと買い替えろ」という店は信用に値しない。
新車販売に限界を感じつつも既存経営からの脱却を測れない以上、
遅かれ早かれ閉店に追い込まれるのは時間の問題。

●車種だけでなく買う店によっても異なる

cs-shinwa.sblo.jp/article/182490560.html
ちなみにメーカー車でも組み立てが下手くそだと
同じような事で早く壊れることは普通にあります。
なので量販店や大型チェーン・インターネットで買うと
早く壊れることがよくあるのです。
分かりやすくするならこのような感じになるだろうか・・・
(上)「しっかり点検整備したメーカー車」
(中)「しっかり点検整備した安物自転車や通販車種」≒「ある程度整備したメーカー車」
(下)「ある程度整備した安物自転車や通販車種」≒「ほぼ整備していないメーカー車」
(×)「ぼぼ整備していない安物自転車や通販車種」

そして不具合があったときの対応として
例えばブリヂストンの製品でこのような事になった場合
シャフトの事はさておき、交換できない状態の不良品として
私ならメーカーに強く言って交換してもらいます。

こういうありえない事態が起きた時にこそ
メーカーの力が発揮される部分です。
そもそもメーカーの場合、こういう事はほとんどないですが。

安物自転車が横行したりしている昨今では
こういう事例は決して少ない訳ではないという事を
自転車を選ぶときに頭の隅に入れてほしいと、私は思います。
対応力については内容や在庫や忙しさもあるとして、
放置されるときなど差が激しいときもあるので
一概に大手であれば絶対安心というわけにもいかないが、
交換用の補修パーツが用意されていないようなメーカー(輸入代理店)であれば
補修不可で、やはり廃車確定になる。

当然「定期的に店を訪問して(異音など)不具合がないかどうか点検整備すること」も重要。

●ちなみにクランク外しの技としては
ネジ山を作り直す方法や
ギヤプーラーという工具で
www.astro-p.co.jp/ic/sst010
www.youtube.com/watch?v=jrpIoXxVyTs
こんなふうにすれば外せるようだ。

●2万円と10万円以上するロードバイクの違いから見た一般車との違い

sbaa-bicycle.com/sbaa_sp/qa/q218.html
高いロードバイクと安いロードバイクの違いはどこにあるかというと、実は「全部」なんです。
ロードバイクに限らずスポーツの道具として考えてみると、
例えばランニングをするのに、980円のランニングシューズも、何万円もするランニングシューズも、
知らない人が遠くから見たら違いがわからないかもしれません。しかし、実際に使い比べてみればまったく違います。

具体的にポイントを挙げると、フレームの重量、回転部品のスムーズさ、ブレーキの制御のしやすさ、
変速のスムーズさなどに大きな違いがあります。
高いものは軽量で、変速やブレーキも少ない力でスッと動き、しっかり性能を発揮します。

ロードバイクの場合は価格差が大きいのでまだ分かりやすいとして、

■一般車の場合でも似たようなことが言える。

▼重さ
これは一般車の場合「ノーメンテナンスやある程度無茶な使い方でも使えるように」
「頑丈さに特化」しているケースも多いので20kgを超えるものも珍しくない。
軽いとされる部類のアルミーユでも「前カゴ」や「両立スタンド」のように【日常生活で便利な装備】がある以上、
生活用具の全くない走行性能に特化しているロードバイク(10kg以下)と比べるのはナンセンス。
▼変速
1万円程度のものであれば「変速なし」「オートライトなしで回転抵抗が重い旧式の豆電球式のブロックダイナモ」が当たり前。
2万円程度で変速があっても「6段のボスフリー」という安物自転車特有の装備になる。
見た目の段数を増やして豪華さを演出する見せかけとしても使われるので注意しておきたい。
内装3段や5段自体のパーツ価格がそれなりにするので安物自転車で付属しているケースは稀。
▼ブレーキ
典型的なザ・安物装備として
「前輪にはペラペラの鉄のシングルピボットのキャリパーブレーキ、後輪にはキーキー音が出るバンドブレーキ」
まともな一般車は
「前輪にはダブルピボットのキャリパーブレーキ、後輪には"きちんとグリスがあれば"音鳴りしないローラーブレーキ」
▼回転部品のスムーズさ
これは「整備する店次第」となる。
基本的には車輪軸受け部分のベアリングと呼ばれる球にグリスを大量に盛っているというケースはまずないと思っていい。
本来は壊れにくく、防水も含めて安定した回転をするために必要な初期整備だが、
販売価格とコスト的な面で恐らく9割の店では「何もしない」。
購入時に定価を超えて別途工賃を支払ってでも頼めば可能だが
大抵は「たかが一般車ごときに」という怪訝な顔をされる可能性が高い。
▼結論
今は基本的に短期間乗り捨てを考えず、耐久性を考慮するのであれば「実売価格で4万円以上」が目安。
買った後のことを考えて「(一般車でも軽視しない)信頼できる店員のいる」実店舗で購入することを強く薦める。

●安物自転車や中古自転車の有効利用

置物や飾り以外の使い道として
基本的に作業スペースが確保できることと、
車庫やトランクルーム等の保管場所があることが条件にはなるが・・・
▼分解再組立の練習や構造を把握するために有効利用
 ・外装変速(6段ボスフリー)、内装3段変速、変速なしの3車種が特に練習台として有用。
▼錆びていたら
 ・サビを落とす→放置でどれくらいで錆びてくるか調べる
 ・転換剤を使う
 ・やすりで削ってペイントする
▼ホイールの振れとり練習
「結構締める」or「結構緩める」
▼トルクの把握
「どこまで締めると壊れるのか」
など
最後は廃車にする前提で思う存分に研究材料にできる。

●安い自転車はパンクしやすいといえるが・・・

prestigebike.hamazo.tv/e7560966.html
それ以上に空気入れの習慣化が全く出来ていなくてチューブ内に空気なし状態であっても
何ら気にしないような性格のユーザーのほうが多いからこそ早々にダメにする傾向があるのだろう。
(「チャリンコごときにイチイチ構ってられない」「面倒」など。
 反対に高い国産電アシであれば完全ノーメンテでも構わないと思っているのも大間違いであり厄介)

そんな状況で「適正な空気圧すら全く把握していない」というのは当たり前の話。

対策としては
エアチェックアダプターで米式化して自分でガソリンスタンドで空気入れを借りて3気圧充填するとか、
自分では分からないなら
「技術が信頼できる店」に毎週定期的に訪問し、お金を払って空気圧を判断してもらえば
早々にパンクを頻発させるということは減るが、
実行する気があるようなユーザーであれば、少なくとも最初から安物自転車を好んで買ってないだろう。

無論、チューブやタイヤの質が粗悪なので
製造時からチューブに微細な穴が空いている状態とか、
タイヤが薄すぎて適正空気圧でもちょっとした段差でパンクする可能性がないとはいえないのが
安物ゆえの宿命でもあり、定期的なメンテさえすればいいということでもないジレンマでもある。


●悪名高い安物タイヤ

ameblo.jp/cycle-plus/entry-12297810792.html
特に5万円以下の「自転車本体に付属しているタイヤは試供品のようなものでしかない」
ということを知らずにそのまま使い続けるとこういうことにもなる。

メーカーに(輸入代理店)してみれば
「タイヤが粗悪だろうが最低限の基準はクリアしているし、
そもそも自転車本体が安いのだから文句を言われる筋合いなどない」
というだろうが当然の言い分といえる。

安物タイヤ付属の本体を買って高品質タイヤと同じ性能が得られるわけがない。

おまけに「屋外野ざらし」×「空気を入れない無頓着」×「空気圧が分からない虫ゴム」
の合わせ技で更に劣化が早まるが、それを防ぐための
「カバーをかける」×「空気を入れる習慣化対策」×「米式化」
というところまで指摘してもらえる店は皆無だろう。

●何がどう高いのか知らない消費者

1.5万円でも個人的には自転車未満と思っているほどなので、
理由を聞いてもそれでも買うのに躊躇するような人は
今後も自転車には乗らずに公共交通機関だけ使って欲しいと思ってしまう。

軒先に野ざらしで並んでいるようなものや、チラシに書いてあるような安物自転車と
4万円以上する自転車とは何がどう違うのか。
自社製品で性能比較もまともに出来ないようなメーカーが言うわけもなく、
周囲に詳しい人もおらず、自分で調べる気もなく、
店も接客を軽視し続けてきていれば、知らなくても当然といえる。

そして、どれだけ丁寧な説明を受けても理解出来ない・する気がないような人には
説明するだけ無駄だが、それを諦めずに納得してもらうことができるかどうかが
接客術の鍵でもあるのだろう。


●「激安自転車の問題点」に関する内容が載った雑誌

jitensyazamurai.com/db/archives/7229
見るまでもなく、
「低コストで作られたような安物に命を預けて本当に大丈夫か?」
というニュアンスだろうと思う。

100歩譲ってステムやフレームが「ポッキリ」すること自体は珍しいのかもしれないし、
荷物込みで65kg未満で常に徐行で走るような使い方なら
早々に事故が起きるということでもないかもしれないが、
そもそもタイヤの質が間違いなく論外な
個人的に日常用途として最低限度の必要基準を満たしていないようなものを薦める気は全くない。

www.facebook.com/permalink.php?story_fbid=1307848082597964&id=715163051866473
新車装着の安いタイヤはすぐに亀裂が入り、しばらくするとゴムが剥離してしまいます。

そもそも、日常の服飾関連で最もお金をかけるべきは
「常に接地する健康に直結する足元」が基本だけに、日常の「足」として使う自転車を
過剰に安物で構わないとする感覚は
(極単距離・短期間・地域のモラルが極端に低い場合を除き)理解できない。

次回があれば自転車店としては
人手不足が深刻になるほど通販盛況な時代だからこそ、
「ネット通販での自転車本体購入に関する落とし穴」について書いて欲しいところ。

●格が違う粗悪な物体

JISやBAA基準などこの世に存在しないかのような
国内メーカーの安物ジャンルの自転車とは比べものにならないほどの
安全意識が欠落していてまともな自転車の体を成していないシマノのコピー品も存在する。

そもそも、ブレーキが道交法基準の範囲内で正常に停止できなければ、
その時点で「この状態で公道で乗ったら赤切符切られますよ」と言えるだけに、
この状態で完成品を名乗るものを世に出して逆に怖くないのだろうかと思えるほど。

この場合はさすがに「自転車のような形をしているが、まともな乗り物ではない何か」扱いでいいのではと・・・。
シマノパーツなんて大抵の安物自転車でも最低限ボスフリーの6段くらいは使ってるだろうと思ったら、
こういう物が存在しているようだ。

●客寄せの安物自転車

prestigebike.hamazo.tv/e7290434.html
営業妨害する気は更々ないし、極近距離・短期間しか使わないような用途であれば便利かもしれないのと、
これに釣られて買おうとしている客の用途を聞いたときに適していないと分かれば、
適正な頑丈自転車を薦める手段として使えなくはないとしても、
個人的には「トラブルの火種」になりかねないと思うのだが・・・。

不具合があれば問答無用で返金や新車交換しとけばクレーム処理できるという営業方針の
大型店であれば大した問題ではないとしても、
後々余計な手間ばかり増やすことになりかねないと思われるパーツの数々を抱えたものを
「とにかく安価であることを目的に購入するような客層」に購入させることに
(技術に自信を持つであろう)個人店で(極めて低グレード品でも)大した問題ではないような印象さえあるが、逆に凄いと思う。
しかしながら、「物分かりの良い客ばかりの恵まれた地域」であれば無用な心配かもしれない。
いや「中古自転車専門店」も商売として成り立っている時点で「不本意でも納得する静かな客」が圧倒的なのだろう。

●ブランドの何を信じて選ぶ

jitensyazamurai.com/db/archives/6519
記事そのものはどう見ても高額なスポーツ車種のブランドに関する内容としても、
関連付けて
「少し事情が異なる一般車関連の観点からの感想」
▼高価と効果
自転車は様々な部品で出来ている物ゆえに、
(互換性があれば)個別に上位グレード部品を組み付ければ「グレードそのものは」上がる。
しかし、それが最適な性能を引き出せるフレーム骨格を有しているのかどうかということになる。

例えばママチャリに無理やり高額なカーボンホイールを取り付けて意味があるのかどうか。
外周部を軽量化することは無駄ではないとして、チューブラーも含めて
日常の用途として基本的に野ざらし上等や駐輪場の雑な扱いで酷使されることが前提になっている用途に
適しているとは到底言えない。

▼最低限の「品質」と「検査・管理体制」
問題になった「NAKANO印のMODUSハブ」も以前から把握していたのであれば、
完成車メーカーから早い段階で使用中止と交換案内を出すべきだったと思えるが、
(再現までに相当に時間を要したという可能性もあるとして)
全数交換など不可能で、気づいた人だけ「調べた上で不具合が認められれば」交換に応じるような対処。
もちろん今後は信用を失ったとして部品取引を止めるとか、工場での検査体制を強化するといった対策をするところもあると思うが、
「安価な部品として有用なので」「不具合はレアケースとして無視する」というところもゼロではないだろう。
個人的には、とてもじゃないがそういう感覚のメーカー(代理店)の個別の車種に限らず、
そういう感覚で扱っている同じメーカー(代理店)の全ての車種を全く信用できない。

▼消費者目線から
安全性がより高い商品であることに越したことはない。
しかし、どういう商品を選べばいいのかの本質を知る機会は少ない。
BAAシールが貼られているからといって安心できるのかと言えば、
店での最終組み上げの差から、それだけで安心していいものではない。

▼扱っている商品の売り文句
よくあるシマノ部品が使われていることを過度にアピールしているものは要注意。
国内製品であれば大なり小なり使われているのは「当たり前」なので普通は特に大々的なアピールはしない。
一部分が良いだけで、商品全体が良いものであることを錯覚させるための「印象付けトリック」と見るべきもの。

安物自転車の場合、特にJIS基準はクリアしているとしても
”基本的には”タイヤをはじめとする構成パーツなどから
「低速」で「歩道をゆっくり走っても問題ない程度」「1-2km程度の短距離」向けで、
「長期間使う用途には適さない」と見るべき。
電動アシストの場合は「6万円近くも出したから間違いのない買い物をした」というのも
修理時に全く受け付けてもらえず、(補修パーツが存在しないなど)後で泣きを見る可能性も高いので気を付けたい。


●真の意味で安いとはどういうことか

「乗り物に対する価値観の違い」と言ってしまえば簡単なのかもしれないが、
「安さは正義」「自分の選択に間違いはない賢い消費者」と思い込んでいる以上は、
自転車のタイヤの違いどころか、3Dプリンターで一体成型されているかのような感覚でしかなければ
差異をいくら力説したところで全く響くことはないだろうし、
ふと立ち止まって気付くことができる機会でなければ一生「この1万自転車だけで十分」という感覚は変化しないのだろう。

「何がどう安い?何故安い?」「どうすれば得か」という本質を知るためには尋ねてみればいいのだが、
最初から自転車店員に持つイメージとして、不愛想で過去に不信感しかなければ、
高いとしか思えない新車を買わせようとする不親切な自転車店としか思えないことにもなりかねないのだから
難しいところでもある。

別の項目でも書いているように安物自転車でも「全分解後にグリスアップ等~大半のパーツを組み換えれば」
「それなりに」マシにはなる。
(但し、自分で納得できる程度まで仕上げるには部品代で約3万円~+工賃が2万円以上)
(最低でもブレーキ周り[本体・シュー・レバー・アウターケーブル・インナーワイヤー]は全て、タイヤ・チューブ・リムテープも交換)
(ライト・チェーン・ペダルやグリップ等も交換)

●タイヤのコストダウン

takesno.com/archives/2989
「値段も安くできて修理時期も早くなる」
無知な消費者と輸入代理店と販売店それぞれが喜ばしいことに思えるが、実際はそうとも言えない。
「パンクするリスクが高まる」
ゴム材をケチり薄く弱く作る。
(逆に「パンクしにくいタイヤ」で極厚にしたとしてもゴム自体の質が低級の場合は耐久性が良いとも言い切れない)
(ノーパンクタイヤは重さによる乗り心地の悪化や修理時の煩わしさなど、災害時や工場近辺以外では論外)
タイヤこそ走りに直結する非常に重要な部品
でなければ、わざわざ「(自動車用でも)タイヤだけのCM」なんて流すはずもない。
自転車の場合、耐久性を犠牲にし軽量にすれば走りを軽く、
重くても単にゴムの厚みを増やすだけではない上級タイヤなど、
「走行路や距離などを考慮した最適なタイヤ」を探し出すことは意外に重要。

タイヤに限ったことでもないが、常に摩耗し最も消耗が早い箇所にも関わらず、
「とにかく安くするために」長期間使うことを前提に作られてはいない。
タイヤだけで前輪または後輪どちらか1本だけで(工賃含まず)5000円するようなタイヤもある中で
常識的に「本体が1万や2万円なのに、丈夫で長持ちするタイヤ」を付けていたら商売が成り立つはずもない。
とはいえ、
5万円以上するような自転車でも「試供品のようなランクの低級タイヤ」が付いていることも珍しくないので
「店で購入検討段階でタイヤをアップグレード」という方法も「後々かかる時間や手間を省く」という意味では
コストがかかったとしても十分に意味があると言える。
それが理解できずに「(本音では単に面倒なので)そんな必要はない」と言い張るような店があれば距離を置くべきだろう。

●「とても柔らかく作ってあるので衝撃吸収力に優れてます」

cs-shinwa.sblo.jp/article/176763994.html
確かに強引にはやっていますが
過去一度も、こんなことはありませんでした。
(一般車)BAAではない安物自転車の前フォークの強度というものはこういうことになるようだ。
確かに衝撃は吸収するのだろう。だが、歩道のちょっとした段差を数百回乗り上げるだけで徐々に歪みそう。
アルミではないだけに「バキッ」と破断せず「グニャ」っと曲がるだけマシなのかもしれないが・・・。
目立つタイヤ・チューブに限らず、鋼材でも過度にケチるとこういう代物が出来上がるのだろう。
これが3万円以上の自転車であればその姿勢に呆れるしかないが、
1万2万の自転車であれば「(耐久性度外視というのは)コスト的にもそういうものだろう」という気もする。
言うなれば「お客様のご期待に添えるよう安さに特化していますので安全耐久性なんて適当でもいいでしょう」と。

●雑貨量販店で販売された2万3000円の自転車の「(スレッド)ステム折損」

togetter.com/li/976337
twitter.com/porporkuuuun/status/731744968834867201
twitter.com/porporkuuuun/status/732216130173947904

nlab.itmedia.co.jp/nl/articles/1605/20/news131.html
玉越工業によると、欠陥が見つかった車両は2016年3月15日~5月18日まで販売されていた
「OUTLAW(アウトロー)」という27インチタイヤのシティバイク(中国製)で、
車体番号が「S512310001~S512310150」までの製品です。
該当箇所はハンドルステム(ハンドルと前輪フォークのステアリングコラムを連結する部品)で、
接合部の強度が適正に保たれていないことから破損したとみられています。
◆状況など
用語に馴染みがない人には「ハンドルポスト」と言ったほうが分かりやすいのだろうか。
補修部品としてもあまり見かけないような形状の(スレッド)ステムを使っていることからも
部品自体の素性だけで見れば「安全性を軽視した部品」と断定できる。
◆購入場所・・・「雑貨量販店」
◆新車か中古か・・・「新車」
◆使用者の体重・・・不明
◆使用期間と推定積算距離・・・「買ってから2週間」距離は不明
◆保管状況・・・不明
◆使用状況・・・「平坦な2車線道路を走行していたところ、突然自転車のハンドルが折れる」
◆整備履歴・・・不明
◆最終整備の業態・・・恐らく購入店
体重などは分からないが、中古だったり買って雨ざらし野ざらし3年以上放置といったことでもなく、
「たった2週間で折れる」とは・・・品質管理はどうなっているんだろうか。
◆危険な(スレッド)ステム?
安物自転車をカスタムするなら、まずブレーキ周りやブロックダイナモライトの交換は必須として、
次にタイヤやチューブを真っ先に交換したほうがいいとは言うが、
ポジション変更で使うことはあっても、リコール対象品でもなければ
「危険な(スレッド)ステムなので早く交換したほうがいい」とは普通言わない。
◆(スレッド)ステム
「スレッドステム※」といえば日東だが、日東でも同社の製品のハンドルバーの破断で自主回収したような
ケースもあるので(bluelug.com/blog/online-store/12607/)
一流メーカーだから絶対的に安心ということでもないのかもしれないが、
「安物自転車の部品のほうが、よりリスクが高い」と見るのが自然だろう。
※スレッドステム・・・上に伸びた部分と前に伸びた部分が一体になっているもの。
(スポーツ自転車にあるようなアヘッドステム[前に突き出した部分だけを交換できるもの]とは性質が異なる)
作りはまずまずだが買いやすい値段では「VIVA」のステムなどがある。
創業50年
玉越工業ではネットショップしか見つからず。
www.rakuten.ne.jp/gold/tamakosi/
新興メーカーであればデータもロクにないので安全性を軽視するといったことは珍しくないとしても、
創業50年と謳っていて、安物自転車に不完全な部品が混ざってしまうことへの
対策はなかったのかという疑問。
もしかしたら、交通安全に対する感覚と同じで
「これまで大丈夫だったから」という麻痺しきった感覚もあったのではないだろうか。
▼代理店と委託された生産工場
生産国自体は今更なので直接的な問題というのは安直に思える。
問題は「品質管理という点」。
不良部品の検品精度を上げればコストに跳ね返ってくるのは当然としても、
それが不十分であれば今回のようなことになってしまう。
そういう意味でのチキンレースに挑まざるを得ない状況に
全く同情の余地がないとも言えないが・・・。
▼販売店での納車前整備時点での確認と消費者意識
最終整備としての販売店で気付けたかどうかということでもあるが、
「安い商品を主に扱っている店の自転車から選んだ」ということに
(「納車前整備の重要性も知る機会がなかったから」という犠牲者の側面もあるとしても)
何の落ち度もなかったのかというとそれもまたどうなんだろうかという気もする。
▼「2.3万円」の値段感覚
今回折損事故に遭った所有者の感想として
twitter.com/porporkuuuun/status/732391584629542912
安物買いはやめようと思って2.3万出したんだけどこうなったんすわ…
向こうの価格設定があかんかったのか、マジで見逃してしまった不良品だったのか
twitter.com/porporkuuuun/status/732769231813509120
安い自転車買うな~的な問題になってるけど、
個人的にはママチャリレベルだと 1万→安物、
多少の不具合は目を瞑る 2万→普通、ほぼほぼ問題なく乗れる
それ以上→ちょっと贅沢くらいの領域 っていうイメージなんだけど、
一般車・ママチャリとしての
「まともな自転車に必要な4万円以上という値段とその意味」を
「しっかりと説明提示してこなかった」大手メーカーや自転車店に原因がないとは思えないのもある。
(一方で、いるのかどうか分からないが、「レース等でも名を馳せるような正真正銘のブランド」の
12万円以上するロードバイクのようなスポーツ車と比較するのは質が異なるので無意味)

一般大衆に「ブランド料を盛っているだけだろう」と思わせ
メーカーは「素人が細かい作りの違いなんて分からなくていいから」と
「分かる人だけ分かってりゃいい」と突き放してきて出来上がった潮流。

一歩間違えば大事故ということから、代品は慰謝料とは別に
「ステップクルーズ」あたりの頑丈仕様な自転車に
まともな店に依頼してタイヤをマラソンプラスや米式チューブなど諸々交換した上で
「BBやハブやホイールのスポーク1本までフル分解して組みなおした
完全オーバーホール済の納車整備された」ものでも足りないくらいだろうと思えるが、
今後の被害者を出さないためにも、一切の支払いや謝罪や代品を拒否する代わりに、
自転車販売自粛要請はさすがに横暴が過ぎるとしても、
「今回の事故情報を期間を定めずに販売店の公式サイト&SNSのトップページで告知し続けること」
を条件にしたほうが良かったような気もする。

しかし、これもただの「1件だけのレアケース」で済ませるかどうかは、個人の価値観の違いになるが・・・。

●BSの子供車の(スレッド)ステム

stat.ameba.jp/user_images/20160521/16/cycle-plus/fb/62/j/o0800059613651709065.jpg
子供車ということもあって「一般的に考えて大人向け車種とは力のかかり具合に差がある」ため
一概に値段の近さを論じてもしょうがないのもあるが、
ステムの「突き出し部分の角度は違うので別物」としても、「構造としては似ている」。
もちろん肝心の「溶接部も含めた金属の肉厚」を比較したわけでもないので良いとも悪いともいえないが、
心配であれば、溶接接合延長をしていない形状のものに交換するべきかもしれない。
例えば「リンエイ スワン型ハンドルポスト ブラック 199-30001」約1600円
www.amazon.co.jp/dp/B014Z2IACS

●選ぶのは自由でも、リスクをどう考えるか

takesno.com/archives/2797
安く売っても利益があるってコトは 原価はもっと もっと安いということです。
だから、安い自転車は極端に壊れやすいと言われるし、それはあながち間違いではないのです。
「目先の安さだけが全て」で「壊れやすくても構わない」という人には最適でも、
「(適正に使っていて)修理費用を抑えたい」とか「長く快適に使いたい」人には全く向かないということ。
あとは、実店舗でも
「通販で比較的丁寧に組んでると言えなくもないかもしれない店」よりも悪質な、
実店舗を構えながら売り逃げ状態や時限罠を仕掛けてくるような店がないとは言い切れないだけに、
「信頼できる店」を探し出すことができなければ、困ることになるのが難しいところ。







●安物自転車とは─────────────────────────────────────


※3万円以下の完成車(幼児・子供車を除く)全般について
(しっかりと整備されているものはそれなりには使えるが、諸々のパーツがイマイチと見るべき)
安いママチャリ~通販で2万円程度で売られているようなスポーツ自転車風のものまで。
「ほとんど整備されていない中古自転車」
「ディスカウントストア」や「ホームセンター」や「量販店」の「ほとんど整備されていない」安い自転車
実店舗で殆ど扱いがないような「実質的に通販用の安い自転車」も含む。

いわゆる「安いママチャリ」が圧倒的に台数も多いのは
「買いやすくてちょっと使うだけなら便利なもの」として
それだけ市民権を得ているということでもある。

だから「大抵は安物自転車で十分。」
「高い自転車(3~4万円以上)なんて必要ない。」と考えてしまいがち。

身内・周辺で詳しい人や関係者がいなければ止める者はいないだろう。

しかし、その1台が本当に日常の足として最適なのかということを一度考えて欲しい。
(反対に4万円以上であれば、どんな車種でも絶対的な信頼が出来るかといえばそういうものでもなく、
「本当に必要な機能」を考えて購入しなければやはり損をすることになる。どんな店で買うかということも重要)

理解した上で
「それでも絶対に安いほうが長期的にも得なんだ」と信じて已まないのであれば止めはしない。

個々のパーツのクオリティや組立整備状況を理解せず、
「何も知らずに買ってしまい後で後悔した」ということを
少しでも減らす一助になることを願う。

●安物自転車のBAAマーク

spo-hiyo.cocolog-nifty.com/blog/2008/06/post-6bdd.html
このケースは最近多く、これで4台目です。光り輝くBA○のマーク、安全マークはついていても安心ではありません。
とりあえずこれがついていれば大丈夫と誤解されている方も多いと思いますが決して高品質の証しでもありません。
一定の基準さえクリアしていればあとは手抜きできてしまうんです。

あるメーカーさんの営業マンが中国の自転車工場を見学した時のお話をしてくれました。
通常、日本の工場ではネジを取り付けるときには手で2山ほどねじ込んで、それから機械で規定トルクまで締め込みますが、
むこうは違います。機械にネジを取り付けて、そのまま木ネジのごとく斜めにネジが入ろうが
ネジ山がつぶれようがお構いなしにとにかく締め込みするとのことです。
できあがった自転車はとくに整備もされずディスカウントやスーパーの店頭に並んで販売されてしまいます。
しかもBA○マーク付きで・・・。
スポーツ自転車店と一部のお店を除くと一般的に自転車専門店でもこの部分の調整はしない場合が多いそうです。
分解作業が非常に手間だからです。

他のメーカーさんがたまたまこの調整作業をしているところを見て「えー!そんなところまでするんですかっ」って驚いていました。
でもこのひと手間をなくすと不良品を販売してしまうことになりますので当店では1台1台例外なく調整しています。
完璧に不良品を無くすことは無理だというのも理解できます。
しかし減らす努力をしないのとは意味が違います。
自転車の形をしているだけの自転車モドキは驚くほど安く、魅力的な装備内容ですがそこが落とし穴です。
くれぐれもだまされないように気をつけましょう。

●具体的に何がどう「安物品質」なのか

「タイヤの質」
 常に地面に接する部品にも関わらずこれが激安ということは
 極端に表現するならば「ビニール袋の靴」を履いているようなもの。
「他にも全体的なパーツの数々」
 ブレーキやワイヤーやライトなど、コストを下げることだけを目的としたものは日常的な快適性も低い。
「壊れにくさ」
 過剰にコスト削減の要求を呑んで寄せ集められた部品の数々に、まともな検品作業が行われているとは正直思えない。
 店で完成車に組み上げる段階でも「安い自転車なので」手抜きをせざるを得ないというのが当たり前と考えるべき、
「錆びにくさ」
 それなりの値段がするものであれば、納車前の処理も期待できるとして
 全体的に錆びにくい処理が施されていることも考えられる。
 もちろん、細かいメンテナンスや雨天後に欠かさない水置換チェーンオイルの塗布などは必要になる。
「走りにくい」
 費用をかけてきちんと手直ししたとしても「それなり」。
 安物自転車しか乗ったことがないのであれば「低質」に気付くこともないのだろう。
 逆に言えば、「元々安さを追求して作られたものに何を期待したのか」ということでもある。

反対にそれなりの値段がするものに
「しっかりとした納車前の整備」をすればどう違うのかといえば
「壊れにくい」
当然ながら違法な2人乗りをせず、風で倒されないような駐輪方法や日々のメンテナンスがあってこそだが
軸のセンター出しやグリスアップや締め付け管理をしっかり出来ているものは
「異常が起きにくい」と考えられる。
ブレーキをかければ止まりやすい。走りやすい。立ち往生したりする可能性も減らせる。
結果「疲れにくい」ので余計な体力消費も減らすことができるので「得」ということ。



●安売りするということは

ameblo.jp/cyclepitsendai/entry-12154977535.html
店頭の在庫品処分といったことでもなく、最初から安く売っている自転車というのは
「そうできる理由がある」ということ。
基本的には「全体的なパーツの質が低い」というのは間違いないと見ていい。
それに加えて「納車前の整備を雑にしなければ利益を確保できない」と考える。

(店全体の売上割合として車体の販売率が低いケースとして、
布団店のようにレンタル業務が主軸だから可能とか
カスタム整備やパーツ交換が盛況なので成立しているという店は少ないだろう)

そう考えると、例えば原価や利益1台100円で売ってどうやって店を経営するのか考えたときに、
「壊れやすいように整備を疎かにするという罠」で「修理代金を稼ぐ」?
或いは、壊れたら新車を買うように促すだけの「売りっぱなし」が本当に最良な選択だろうか。


●安くて良いものなんてありえない

cs-shinwa.sblo.jp/article/174448687.html
左右でタイヤとフレームの幅が違うんです。
初歩的過ぎる話で呆れますが
タイヤが真ん中についてないんです。
これが安物自転車の典型例です。
残念ですがよくあることです。
安いものは、なぜ安いのか。
どこに手を抜いたから安いのか。

特に自転車のように安全性が最重要のものは
何が犠牲にされているかを考えるべきです。

高いものが絶対良いものとは思えませんが
安全性が重要視されるものに関しては
安いものに良いものがあるという考えは
絶対にありえない事だと私は思います。

ベルトドライブや電動アシスト、それに付随するスマートコントロールブレーキなど
「高ければ必ずしも良い」ということでもないということも、当然知っておくべき内容。

●安い自転車の賢い見方

pc.nikkeibp.co.jp/article/column/20090817/1017858/?P=5
“安くて豪華装備”には裏がある
逆に言えば、コスト増加要因があるにもかかわらず、
安い車種は、実はあまりお買い得ではないということでもある。
豪華な装備を安い値段で売ろうとすれば、どこかで手を抜かざるを得ない。
見えないところで手を抜いた自転車では、自転車にとって最も大切な性能――
乗ったときに気持ちよく走り、気持ちよく曲がり、気持ちよく止まる――が犠牲になる。
あまりに安い折り畳み自転車や、サスペンション装備の格安マウンテンバイク、
安いにもかかわらず「24段変速!」などと変速ギアの段数をことさらに誇示している自転車などは、
「見てくれを優先して、どこか見えないところで手を抜いている」と疑っておくべきである。

●傷がつきやすいから高い一般車を買いたくない?

余程神経質でもなければ気にするは最初だけにも思える。
接触するのは前カゴ・グリップ・ペダル・後カゴ・両立スタンドくらいでは?
倒れて傷がつくのもグリップ・ペダルと変速機、
あとはペダルの内側にある軸(BB周り)も痛むので、
「倒れないような場所に駐輪する」というのも大切。
安い前カゴや錆びやすく壊れやすいことが前提の安物自転車の場合、傷どうこう以前の問題。

■ブレーキレバーの作り

potapotabicycle.blog.fc2.com/blog-entry-1694.html
最近、ドロップハンドルがついてるだけのダメ自転車が多くなりましたが、ブレーキレバーのかしめが弱いなと感じます。
参考までにシマノのあるレバーがどうなっているか。
プラスチック側にちゃんと受けがあります。
対して、上の画像ではただの穴にはめ込んであるだけという印象。
横方向の力が続けば外れてしまいます。
こういう商品だけでなく、ドロップハンドル用のサブブレーキレバーのかしめ外れも目にします。
ブレーキってとっても大事なんですけどね・・・
これを見て思ったのは、よくある定番の売り文句「シマノ製パーツを使用」とある自転車。
じっくり見定めると「変速機(シフターとRD)と後ろのギア歯だけ」ということもある。
本当のところは「一番安くできるのが外装6段だから使ってるだけ」に過ぎないのだろう。
そして、その他の細かいパーツの出来は?
しかし、外装7段以上で「カセットハブとスプロケを使っている」としても、
本当の意味での完組状態に出来るまでを、鉄屑のような付属工具で一部を調整できるだけでしかないような
ユーザーに任せているものを信頼しろというのは厳しいものがある。

●安物自転車のリム割れ

potapotabicycle.blog.fc2.com/blog-entry-1725.html
強度のバランスって大事だと思います。
最近気になるのはやたら弱いリムが多いってこと。具体的には・・・
事故とかでスポークに何か挟んじゃったときに、ニップルが破損するんじゃなくてリムが破損してるんですよね。
超低価格帯のルッククロスで見ます。
十分な厚みと強度を兼ね備えたまともなメーカーであれば
簡単に割れるような構造のものを流通させるはずもなく。
軽さと素材の少なさから値段を安くすることが目的として作られた部品であれば
壊れやすいのも当然と言えるだろう。
では、購入後すぐにハブ・リム・ニップル・スポークを選び、
3万以上かけて前後とも手組ホイールに交換したとして、
今度はそのホイール強度に耐えるだけの「フレーム強度」が根本的にあるのかどうか
という話にもなり、
だから安易に安物を買うべきではないということになる。

■MTBルック車とエントリーMTBの車輪強度

www.cyclorider.com/archives/5589
シェボーFは、半年でスポーク2本折れて、車輪が仕様不能になった一方、
Kona Lanai(2008年式)は、街乗り、四国半周、林道ライドをしても、多少フレが出ているが、
調節可能で未だに使える。
スポークが折れたまま使うと、車輪が歪んで再起不能になる。
ハブの差とスポーク調整の問題でもあるのだろう。

■安物自転車サスペンション前フォークの中身

ビアンキサス事故のときに問題になったものと同等と思われるサスフォーク
cs-hatano.hatenablog.com/entry/2013/04/21/154347
廉価ななんちゃってMTBに付いていた物
(中略)
スプリングが折れたらすっぽ抜けるじゃないですか!
それだけでなく、スプリングの固定が外れたら抜けるし、
スプリングと樹脂製の部品の固定が外れたら抜けるし、
樹脂製の部品が折れたら抜けるし、
固定のネジが折れたら抜けますね~。
こういうサスの場合
クッションの機能性の必要性の問題以前に、「安全性の点で疑問」ということ。
あとはこうした錆びを見逃さない為には整備に手間も時間も費用もかかるし、
補修用のスモールパーツが用意されていない場合も考えられること、
サスがないリジットフォークに交換するとしても後から費用もかかるし、
まともなサスに交換しようとすれば軽く数万かかるし、
段差に多少強いという以外のデメリットがあまりにも多いということを理解しておきたい。

■ホームセンターで購入したばかりの自転車

にてチューブの不具合が起こるケースもあるようだ。
他にもフレーム以外の「パーツを全て交換すれば」多少改善するかもしれないが、そうすると3~5万ほどかかる。
しかし、そもそもBBが最初から歪んでねじ込まれているようなこともあるので手もつけたくないだろう。

最初から「まともなメーカーの品」を、きちんと検品している「まともな店で」買っておけばこんなことは起こらなかったと考えるのが自然。
「そんなことはない。アタリを引けばすぐには壊れない」かもしれない。
しかし激安価格で卸している商品に製品のクオリティを求めること自体がナンセンス。外れの確率が上がらないと思うほうが不自然。

だが自転車屋の中にはこうした後のことを考えずに「安さだけに惹かれて」買って、
「早々に修理」に訪れる客に対して様々なセールスを行えるのだから有り難い客かもしれない。

でも大抵はそんな物を買った客なら「買ったばかりなんだから無料で直せ」という
(購入した店ではない店に対して、まるで同じ販売経営者の店かのような感覚で)
訳の分からない論法を繰り出す確率もまた高くなるので辟易するのだろう。

「どんな自転車屋も全て巨大な1つの企業の独占により経営されている」という妄想が成り立っているとすれば
凄まじい思考回路だなと関心してしまう。
その場合最終的には「買った店にどうぞ」を言い方を換えて繰り返すしかないだろう。

安いから買いやすいのは分かるが、
「様々なパーツの組み合わせ」で成り立つ自転車が、低い完成度で出来ていればどんな不具合が起こるか
ちょっと考えれば分かりそうなものなのだが・・・。
「買い換えるとしても数十回も繰り返すわけでもないんだから同じのでいい」という感覚なんだろう。

他に、防犯性の問題も加味するとして、
「鍵が面倒」というような人は根本的にどうしようもないので、無施錠に罰則が付くまで考えないとして、
そもそも「まともな鍵」で2ロックをしているのかと聞きたい。
激細ワイヤーロックにJIS外のプレスキーのロックで「鍵かけてます」とか言われても、
「それは防犯未満」としか言えない。
どんな鍵をしてようが狙われやすいと考えていいのは、大抵見た目がスポーティな自転車。
私怨や地域性の問題であればそれはまた別問題。


■安い安全は存在しない

安物フレームの危険性については消費者庁の事故データと自転車産業振興協会の試買データを読んで
フレーム耐久テスト動画を見て、命を預ける道具にそれでも十分というなら何も言う事はない。

財団法人 自転車産業振興協会
平成21年度自転車試買テスト結果報告書
www.jbpi.or.jp/pouinbfxd-514/
www.jbpi.or.jp/_data/atatch/2010/03/00000449_20100330101831.pdf
www.cyclorider.com/archives/5467
未対応の会社の自転車をそれでも買いたいと思えるとすれば相当の思考。

■「グリス?何それ」という考え方で組立られたであろう自転車

「無●の自転車」
quickturn.jp/archives/2008/06/30/51376574.html
リアハブやクランクなど中途半端に良い物が使われている箇所もチラホラあるが
BB内部を見ると掘削カス残りが・・・。
BBのところでちょっと書いたけど、殆どの箇所でグリスが塗られていない。
こりゃちょっとさびたら固着してしまいそう。
あちこちグリスを塗りたくることをオススメします。

■安物自転車の話

1万円の中国製自転車は、なぜ1万円で売れるのか
漫画『アオバ自転車店へようこそ!』作者の宮尾岳さんによる、激安中国製自転車を通した自転車への価値観の話。
togetter.com/li/560542
「日本の工業基準・安全基準に達していない自転車の輸入禁止」
試買テストで折りたたみに関しては問題があっても、
近年では格安車といえども非折りたたみでは
最低限の基準はクリアしているものも珍しくない状態にあるのだろう。
しかし、BAA基準はクリアしていても錆やグリスアップに関する規定はないために
錆が出たりハンガー部のねじがバカだったりするのは防ぎようがない。
それも”まともな”街の自転車店と”まともな”消費者であれば、
初回整備と定期メンテで問題が出ないように使うだろう。
問題は、「整備の必要性や快適性」を「実感」できる機会がまるでないこと。
サイクルモードはロード・MTB・BMX・ミニベロなどの競技向け趣味カテゴリのものが9割で
参加者もそれなりに興味も知識も少なからずあるので啓蒙活動は最小限で済むように思う。
(ビアンキサス事故のような過信によるものもあるが・・・)

──では同じ車の仲間である自動車はどうなのか、
ステータスでの高級車や用途別の車種は完全に別物として、
「税金も安いし街乗りだけなら普通車なんて買う必要なんて一切ないのでは?」
でも圧倒的多数の一般人がほぼ全て軽自動車に乗っているのかといえば違う。
性能で、機能でそれなりに選んでいるのではないか。
じゃあどこでその選ぶきっかけを得ることができたのか。
「低燃費」「安物ではないというイメージ」や「試乗感」となる。
しかも何社も時間をかけてハシゴするのが当たり前だろう。
「いや自動車は高いんだから時間をかけて選ぶのは当然」
「ママチャリのような安い物にイチイチ時間なんてかけてられない」
よく使うものなのに何でもいい?安全性や寿命も違うのに?
「壊れたら買いなおす。」
故障率が高くて結局最初から数万のものを買うと同じくらいの金額がかかったとしても?
「絶対に壊れるわけじゃないから使えたら儲けもの。」
いいパーツが使われている自転車をマメにメンテすれば長持ちするけど?
「イチイチそんなことを気にしながら使ってられない。壊れたら買いなおす」・・・のループ。
「短期間・短距離・短時間使用だから構わない」
事故と同じで危険行為でも事故にならない可能性はある。
しかし、劣化が早いとか、まともな作りでもなく、整備されないのだから
「事故率そのものが増す」と考えると積極的に選ぶことは避けるべきだろう。

▼盗難面から

「だって,いいの買ったら、盗まれるかもしれないじゃん」がある。
盗まれる7割が無施錠というデータもあるのでそれは完全に自業自得で一切弁護の余地はない。
施錠が面倒というなら諦めるしかない。
「勝手に持っていかれるのが多いことは自覚していて
それを自衛する手段を十分に講じているのか」という。
目立つスポーツ系自転車を街中に駐輪しない、盗難補償を付ける、鍵を頑丈なものを使い2ロックし固定物とも繋げる。
対策を講じずに
「高価な目立つ自転車」で「細いワイヤー錠1つだけ」で「街中」に「長時間どころか数日放置するような長期間駐輪」。
逆にここまでやってなぜ狙われないと思うのか。
「メンテナンスもしたくない、手軽さが欲しい」というのであれば公共交通機関だけ使えばいいのではと。

まず、「盗難補償3年」を選ぶのが「大前提」。(スポーツ車はちゃりぽで2年まで)
(店独自で3年補償は一部)
鍵を100均などで買わない。ワイヤーはただの針金。
高価なU字が最良だがチェーンロックも最低5000円程度であればそこそこ有効。
(トルクが理解できるならハンドルバーをステムを緩めて直線にするなど。)
基本的に街中や買い物使いでは、
スポーツ車は「積載量※」「防犯性」点で完全に不向き。
※前後パニアバッグを搭載したランドナーなど積載重視の車種や装備があるものを除く
他にも対策はあるが、具体的には各人で考えて欲しい。


★(一般車:ママチャリ/軽快車系)耐久性のチェック項目

※項目が多ければ多いほど「劣化が早い、または不具合が起きる可能性が高くなる」
▼初級項目
□ 本体の値段は3万円以下
□ しっかりとした整備がされているかどうか分からない中古自転車を買った
□ 自転車を通販で買った
□ 自転車はどの店で買っても同じ、または安いほどいい店だ
□ 修理は説明なしで早くて安い店ほど優秀な店だ
□ タイヤに空気を入れたことはない
□ タイヤの空気圧の意味が分からない
□ チューブが英式バルブで虫ゴム入り
□ パンク修理剤が詰められている(または頼んで詰めてもらった)
□ チューブが英式バルブで虫ゴム入りでも空気圧は正確に判断できるはずだ
□ 自転車は屋外に停めている(屋根だけの簡易ガレージも含む)
□(屋外の場合のみ)自転車にカバーをかけていない
□ お金を出してお店で「毎月~定期的に」整備を頼むつもりはない
□ チェーンにどのオイルを使えばいいのか分からない
□ チェーンにオイルをつけたことがない
□ チェーンに(普通の)556をかけている
□ チェーンオイルに専用品は必要ない
□ とりあえず変な音がしたら556やオイルやグリスを吹き付けておけば何とかなる
□ タイヤの側面が白または黄色っぽい色をしている
□ ライトが昔ながらの豆電球タイプ
□ 前ブレーキは薄めの板を伸ばしたようなもの(シングルピボットのキャリパーブレーキ)
□ 後ろの音がキーキー鳴るブレーキとそうではないブレーキの違いが分からない
□ 片足スタンドでも特に問題はない
▼中級項目
□ 店での納車前にしている整備内容について詳しく聞かずに購入した
□ ハンドルポスト(ステム)のグリスアップを確認していない
□ ヘッドパーツのグリスアップを確認していない
□ ハブ(車輪の中央の筒部分)のグリスアップを確認していない
□ BB[ボトムブラケット](ペダルのフレーム側の根本部分)のグリスアップを確認していない
□ ホイールのセンター出し、振れ取りがされていない(スポークニップルの増し締め)
□ ブレーキワイヤーのメーカーが分からない
□ ブレーキの握りの調整ができていない
□ 内装ハブはメンテナンスフリーなので整備をする必要は一切ない
□ タイヤは購入時のグレードから変更する意味は特にない
▼用途にもよる
□ 変速は外装6段(ボスフリー)で十分 (利点:安価 欠点:軸が弱い)
□ タイヤ側面は黒だがオープンサイド(スキンサイド) (利点:軽め 欠点:弱い)
□ 車輪の側面が汚れやすいアルミリム (利点:軽め 欠点:弱い、削れる)
□ 専用品が多いベルトドライブ (利点:チェーンオイルは不要 欠点:補修費も高くなる)
□ 電装部分もありバッテリー消耗費用も考慮する必要がある電動アシスト (利点:坂道や向かい風に強い 欠点:高価)
□ 分解しづらく補修部品も存在しないペダル (利点:安い 欠点:蓋破壊前提になるため追加グリスアップが事実上不可能に近い)
□ ハンドルロックがある (利点:駐輪時にグラグラしない 欠点:壊れる場所が増える)

初級編がほとんど埋まるような人であれば、悪いことは言わないので
食費や遊興費や服飾費や通信費を少しづつでも削って
定価4万円以上の「まともに整備された自転車」を買い「店に定期的に訪問する」ことで
「日常的な疲れにくさ」「長い目で見ればトータル的に得をする」ということを信じて
高いと思えるメーカー自転車を買ったほうがいいと思う。
「まともな防犯対策をする気がないから高めの一般車なんて要らない」という人は論外なので考慮しない。

◆極端に割引率が大きい通販などで購入できる自転車

元の定価自体が存在するのだろうかという疑問。
「シマノ製パーツ使用」と大々的にアピールしていたり
値段の安さを強調しているものは「耐久性や性能がイマイチ」と見たほうが良いだろう。
そもそも、自転車本体を通販で買うこと自体を、余程の事情がない限りオススメしない。

なお、有名なメーカー車の在庫品で型が2年以上前の古い車種のセール品は含まないが、
タイヤが少なからず自然劣化している可能性も高いのでそれは理解しておく必要もある。


◆安物自転車の今と昔

屋内保管で使用距離も短く、適切な空気圧管理もしている10年以上前の安物自転車と
近年の新しい安物自転車は別物として捉えるべきもの。

単に”その使用者にとっては”「気にしていない」「気にならない」状態であっても、
まともに整備されている自転車に乗っている者からすれば”非常に危険な状態”ということも考えられる。


■安物自転車は金食い虫

本体は安い。修理が嵩む。耐久性を考慮していない。
修理しようとすれば破損する可能性すらある。(最初からねじ山潰れなど)
メーカー保証があり実質新車との交換となったとしても、根本的な解決にはならない。
新品であっても米式化して適正空気圧にする程度では走りにくいのは当然。
距離にもよるが、自前でフル整備できる道具とスキルがあるなら整備して使うのは悪くない。
買ってそのまま乗ることが前提ならやめたほうがいい。
「壊れやすい・無駄に疲れやすい」が大きな理由。

■安物自転車を買う意味

半径数百メートル程度の足代わりくらいなら歩いたほうが安上がり。
安物を買っていいのは
スポーツ型ではない自転車に頑強な鍵を2つ固定しながら取り付けても何度も盗難されるような治安の悪い地域だけは別として、
個人的には、
単に金銭を確保できないというよりは、修理費用に糸目をつけない良く分からないお金の使い方をしたい人や、
廃パーツを使ってカスタムするのが目的や乗りづらい自転車に乗るのが趣味の奇特な人という感覚。
タイヤやパーツ交換などで結局「安物買いの銭失い」という結果になるのが目に見える。
段差に軽くぶつかってフレーム歪みました。歪み直し修理で1万かかったなんてことも考えられる。
だから本当に良心的な店は売らないし扱わない。
同じように安価品を買ってまた繰り返したい変な人なのかもしれない。
それでも自損なら自業自得で済むが、そんなものに衝突されたらたまったもんじゃない。
そしてある程度メーカーが啓蒙活動していると仮定しても、
肝心の店はというと?そういう客に合わせた低レベルに成り下がる。(高圧的・接客力0)
生活の足としての自転車に数万出す金がないほど困窮しているなら役所等の公的機関など然るべき場所に相談したほうがいい。

◆買い直し時に選択肢と上がる自転車候補

空気を入れ、チェーンに注油し、チェーン引きも調整したが、
ブレーキとライトが不満で、タイヤチューブを交換しなければならない状況なので
新車を買うべきところまで考えているとして、
どんな一般車を買えば後悔しないのか。

■「近年の定価2万以下程度の自転車からの買い直しが前提」

10年以上前の古めの低価格帯ではない一般車のほうが作りはまともなので、余程ガタがなければ補修する手もある。

■まともな品質が期待できる最低予算は?

「2万円の自転車なら1万円の自転車の倍もするのだから性能も倍になるはず」
残念ながら1万円自転車に変速が付いたくらいの差しか期待できない。
不具合が出やすくてもよければ、値段だけを比べて購入するのも手だが・・・、
円安や人件費高騰などもあり現在のまともな基準の最低レベルは約4万円~。
そして「納車前の整備がしっかりできていることが確認できる店」での購入が前提。
店選びについては別ページ。

■「(低い)予算」で決めずに用途で選ぼう

一般車といえども、
「使用者の身長・体重・年齢・性別・使用距離・勾配・使用頻度・保管状態」など
様々な条件で「よりお得」でベストな選択方法がある。
予算内に収めるために安物自転車を買ってしまうと、後で修理費用や交換頻度が高くなる可能性が非常に高い。

■安い=微妙の理由

「安い値段で売るためにパーツの質もコストも整備も最低限にするしかないから」
大量生産すれば安く出来るとして、安さ至上主義車にわざわざ最低限ではないパーツを取り付ける必要もない。

■自転車が国内組立でも

パーツの極一部だけにステンレス素材(ハンドルとシートポストだけ等)が使われているとか
ローラーブレーキ(放熱版なし)が取り付けてあることをアピールポイントにしたところで、
(量販や個人店での差が大きいので一概にはいえないが)
店の利益確保の観点から、「最終的な客受け渡し前の組み上げ」の手間を
最低限にするしかないような値段の自転車が
その値段よりも上の自転車と同等と考えることに無理がある。

■安物自転車で、”ある程度”乗れるようにするには・・・

「費用はいくらかかっても構わないので、
ホイールニップルも含めてネジ1本まで全バラしで、各所グリスアップしながら組み上げてください」といえば、
”物好きな店なら”やってくれる可能性も僅かにある。
(そんな自転車は整備しても次から次へと不具合が出てくるだけとして、費用関係なく)
触りたくないという店もあるだろう。
 ・・・そういう事情もあり「それを直す予算あるなら買いなおしたら?」と言われる可能性は高い。
(反対に、定価4万円以上の国内大手メーカーの自転車で、特殊な部品や古い規格のため交換不可でもなければ
不具合箇所を見極められず整備も出来ず、費用をかけても構わないというのを断ってでも、絶対に買い換えを薦めるというのは質が低い店。
もちろん分解確認するためには手間賃もかかる。)

■「その費用」

無駄だと知りつつ一応書き出してみると
最悪のケースでは高い工賃がかかる一部のねじ穴の切り直しとかも当然含まれてしまうので
本当に丁寧に作業するならチェックと整備だけで安くても軽く3万円は超えてしまうのと、
部品を良品に交換しようとしても「代替品に交換できるならまだマシ」で、
「規格が特殊で部品がないので直せない」ものがあれば、
「新品を取寄せ→また不良品」が延々繰り返すだけで終わりがないことにもなりかねない。
良品に交換できるとして最低限の部品代(タイヤ・ワイヤー・ブレーキシュー・鍵など)で約2万くらいはかかる。
そうして約5万円かけて整備交換したとしても、フレームやフォークそのものが
到底優れているとも思えないので結局”それなりに走る”だけの自転車に。
安物に費用をかけて直すよりも、
結局「最初から4万+カスタム2,3万の合計6、7万でも出して自転車を買っておけば済んだのでは?」ということに。
※しかし値段が単に高ければいいというものでもないことには注意。
距離や保管状況など用途をはっきりさせてから、
本体が「軽いが華奢」「重いが頑丈」など選ぶこと。

【様々な問題の原因】

■絶対は存在しない

では反対に「一般車に限らず5万以上の車種を買えば通常使用で破損・事故は起こらない」ということはない。(事故情報データバンク情報などを参考)
むしろプロの商品のほうが1回使いきりのようなものだったり(決戦タイヤ)、
適切なメンテナンスを行っていて、交通法規を守っていたとしても運が悪ければ事故になる可能性はある。(違反者の暴走)
しかし、限りなくその可能性をゼロに近づけるために、まともな車種にタイヤ、空気圧や適切な注油を行う。

用途が違うのに「一律で1万円自転車は悪い」というのも極論に思える。
「質が悪いので軽い尖ったものでもパンクしやすい」とか、「錆びやすい」とか、「最初から色々歪んでいる」とか
そういう後々のトラブルが起こりやすいとして、それでも選ぶのであればそれは当人の価値観の問題。

また、最初からそのような格安自転車は(まともな品としての値付けができるだけの価値がないので)
中古で買い取ってもらえるかどうかも怪しく、
引き取りをする一部の店を除いて(それも大抵は途上国に輸出するための引き取りでボランティアではないだろう)
廃棄にも費用がかかることは知っておくべきだろう。

▼定期的なメンテナンスを見越して

「不具合の出やすさ」も納得した上で、それでも譲れないのであれば
ただ単に感情論や決めつけで反対しているのではなく、
結果的に「駄目だった」と自分で納得した上で同じようなものを買い
「同じような故障が何度発生しようが全く問題ない」のであれば何も言うことはないが、
「機能の改善を図りたい」とか「日々の移動をより快適にしたい」のであれば
安価なものに飛びつくのはやめたほうがいい。
(固定物と2重ロックをしても盗難が多発しているような、
どうしても防犯上やむを得ない場合を除く。)

掃除や点検はベルト・チェーン・シングル・内装・外装問わず必要なもの。
本体の値段に関係なく、空気を入れればいいだけのものではない。

日常的な掃除などは自分で出来るに越したことはないが、
チェーンに注油なんか面倒でしたくないなどの不満があれば、
定期メンテナンスは馴染みの店を決めて手入れをしてもらう。
それが路面の購入店であれば「パンクなどの具体的な故障が何もなければ」
毎月極簡単な点検と注油と軽く拭く程度の掃除と空気の充填をセットで
500円もあればやってもらえるだろう。

もし故障した場合に備えて
パーツ類の指定をレシピのように書き出しておけば困らない。
  • チューブ・・・米式でもメーカーは数種ある。
  • タイヤ・・・ETRTOサイズから機能的に優れたタイヤを探す。
  • ブレーキ本体(前キャリパー、後[サーボorメタルリンク]orローラー)
  • ブレーキレバー
  • ブレーキインナーワイヤー・アウターワイヤー
  • シフトインナーワイヤー・アウターワイヤー
など


【パーツ面から】

■安物でも有効利用出来るケース

使用頻度が低い、近距離(1km程度)、短期間(1ヶ月~せいぜい半年くらい)
一般車でも毎回しっかり2ロックしていても盗難被害が多いような極めて治安の悪い地域であれば有用。
もちろん錆まみれで使われてしまっている現状からして使えなくはない。
しかし、各種パーツの質が低いため、劣化までの期間が短いというリスクを理解しているかどうかがポイント。
 ・貧弱な前ブレーキ・・・片効きは当たり前。シューも安物で制動力も低い。
 ・煩い後ろブレーキ・・・バンドブレーキはよく効くというが音鳴りは必然。「うるさいので使いたくない」となれば安全性に疑問。
 ・力の逃げるブレーキレバーとワイヤー・・・力を込めてもブレーキに伝わりにくい。
 ・重くなるライト・・・抵抗感の強いブロックダイナモは「重いので点けたくない」と道交法違反を促す。
 ・ペラペラのタイヤ・・・軽い異物でパンク頻発。耐磨耗性能なんてあるはずもなく。または過剰な厚さで重い。
 ・弱くて錆びるカゴ・・・スチールメッシュカゴ。曲がって弱りやがて錆びて荷物に傷をつける。
 ・グリス不足で異音・・・細かい整備の差は店によるといいたいが、安い自転車をまともにグリスアップして快適に使えるようにするような店があるとは思えない。
 ・変速無し・・・平地近距離なら不要だが、10km程度・坂道・荷物が多い・風が強いなどのケースで多少困ったことになる。
結果的に修理の回数が多くなってしまったり(絶対増えるとは言えないが可能性は間違いなく上がる)
まともなパーツを組み付けてもいいが、+数万は必要になるので同じこと。
一括購入か分割購入のような感覚かもしれないが、それに「安全性」や「快適性」という点も加味される。
それにフレームそのものが貧弱だろうと考えるべきなので、そう考えればフル交換したとしても無駄になる。
それでも「全く気にしない」のであればそれでも構わないのだろう。

▼しかしながら現実は

「空気をロクに入れなくても」
「注油もせずチェーンが真っ茶色でギア歯を削っていても」
「カシャカシャとチェーンケースにチェーンを擦っていても」
「キーキーとうるさいブレーキ音を撒き散らしても」
「付ける度に重くなるライトにうんざりしながらも」
快適ではないだけで使えなくはない。
それが使用者にとって何ら不満がない状態であれば
その走りにくさがスピードの抑制に繋がっているという側面もあるとはいえ・・・、
道交法違反にもなる「主に夜間での無灯火とブレーキの整備不良」だけは要改善。
また、パーツの良し悪しをある程度理解しているのであれば
わざわざ安物を使ってしまうことは「勿体無い」と言う。

■安物の汚名返上

▼その価格からは考えられないほどの組み付け技術が奇跡的に素晴らしい工場作業員と検品精度の厳しさと店員に恵まれる
 ・グリスが適切な量注入されている
 ・ねじの締め付けが適切に行われている
 ・納車前に別途費用をかけてでも微細な箇所まで総点検・整備
 ・購入後に自分で英式虫ゴムでもどんな厚さのタイヤでも毎回適切に空気圧を入れる特殊技術がある
 ・保管場所は直射日光を遮断した完全な屋内駐輪
 ・体重が軽い(50kg未満)荷物なし
 ・車道のみ走り、砂利道や段差のある歩道は一切走らない
 ・使用するのは1週間に1回程度
 ・使用距離は1km未満
 ・速度は時速10km未満
 ・雨の日は絶対乗らない
 ・通り雨に遭ったらすぐに屋内駐輪場に停めて止むまで乗らない
 (・または車で回収して持ち帰る)
 ・雨の日の翌日は全て分解しフルグリスアップする
なるほど
確かに安物で十分だ。

■安物とそうでない物の違い

フレーム→疲れ易いか疲れにくいか
→重ければ頑丈だが漕ぐのに疲れてしんどい(一般的な安物ではない内装でも基本重い)
 ・軽ければ漕ぐのは楽だが使い方に工夫と整備の頻度を高くする必要がある(外装)
パーツの質→精度や壊れにくさ
(通販や店にもよる)組み付け精度→薄利多売の整備なのでいい加減なところも多い
実店舗購入なら購入時整備は無料になるが通販購入商品は受け付けてもらえないことも多い。

タイヤの性能は(高めの車種でもそれなりなことがあっても)
大抵は本体価格が安ければ耐パンク性能や耐久性も乏しいもの。
後から追加しようと思えばできるが、そのぶん工賃は別途必要になる。
最低でも幼児車で2万、子供車は2万5千ほど、パーツ交換費用も1万(+工賃)あればベスト。

でもスペックがほとんど公開されてないからバンドブレーキは後で嫌だなあと思ってても
大抵は「書いてない」。
ほんとに・・・一般車はなんでこうもスペックを出したがらないメーカーが多いのか。
価格競争の点なのか客にメンテさせたくないからなのか、
「デザイン」「変速の有無」だけでいいのか本当に。
そして自転車店でそういう通常使用で不満が生じるパーツについての
説明をしようにも公開されてないんだからどうしようもない。

高価格の家電・高価格の車。ちゃんとアピールしてるから売れる。
高めの一般(ママチャリ風)自転車。ろくに情報が公開できてないから
店もろくに客に説明もできず単に「儲けようとして高いのを売ろうとしてる」と思われる。
それでも性能の良し悪しをきちんと公開しませんか?

書いてても極小数だったりドレスアップパーツとかの機能上はどうでもいい部分ばかりを書きたがる。
早くボロくさせようと、パンクさせようとすることばかりするからいつまで経っても
自転車という乗り物が使い捨て同然な扱いにされるということを理解してるのだろうか・・・。

「買うときに少し高めだなと思う値段でも長い目で見ればお得ですよ」とアピールする必要があって、
それは店が判断して商売すればいいだけといっても
詳細が比較できるだけの購入前に把握できる詳細なデータがないのが問題。

店自体も(ファッション性ではなく機能性で)修理自体は減っても
良い商品を広く買い求められるような流れにしなければ
結局は店も業界も損するだけのように思う。

客→粗悪品で時間の無駄・金の無駄・労力の無駄
店→粗悪品でクレーム・修理に時間がとられ購入客に十分な説明ができない
メーカー→情報公開しないので「とりあえず乗れればいい」がまかり通り、安い商品ばかりが売れる
「そういう状況で本当にいいのだろうか」
何も「とりあえず5万も出せないような奴は失せろ」というような暴言を吐けとは言わない。
しかしその値段で買う意味があるかどうかということをしっかり理解してもらうべきであり、
そのための労力を惜しんでいては始まらない。
客も
「原価・工場での組み立て費用・輸送運搬費
 ・次の商品を作るためのメーカー利益・7部→10部組工賃と店を存続させるための販売店利益」
を含めて販売価格が数千円の商品にまともな品質があると・・・思うから買うのか。
「乗れればいい、乗るだけだから安ければいい」
という100均感覚で少し高い玩具を買うような目でしか判断していないに違いない。
「少しでも安いものを」
→安くすればするほど
「疲れやすい・工作精度の低い・壊れやすい・錆びやすい・煩い
 ・不便・(漕ぎも)重い・パンクしやすい・全体的に劣化しやすい」
枚挙に暇が無い。
それに、スポーツ自転車関連の展示会はあっても
軽快車の展示会なんてやるコストなんてかけられないから違いは実感し辛いだろう。

しかし試乗に関しては1店舗~地域単位などで開いていけばいいはずだが。
その輸送コストすら惜しむなら
メーカー人員の国内移動は全て高速バスにして節約するくらいしなければやっていけないだろう。

「安全教室で試乗会」

cyclist.sanspo.com/136525
こういうイベントが各地で定期的に頻繁に行わなければ意味がない。
極一部で限定的な開催だけでは大衆周知の点で効果があるとは思えない。


■高い自転車はなぜ要らない?

反対に考えてみるとどうか。
●防犯面
「長時間駐輪しにくい」というのは分かるが、
「気軽に無施錠で駐輪すると盗られるから」というのは同情の余地なし。
●高いからって何がそんなにいいのか分からない
タイヤの質、ブレーキ、ブレーキレバー、本体の軽さなど。
→雨の日や坂道で乗ってみないと実感できない。
 →実感できないから必要ない。
  →だから安物でいい。
自転車店でも単に値段の安さだけを追求するような選び方を防ぐために
自転車にパーツ交換や徹底的に整備を施した自転車を用意して乗ってもらい
違いを理解してもらってから、具体的に距離や荷物重量から
変速やフレームの種類、様々なパーツではどの部分を重視するかという案内をするほうが
分かりやすいのではないだろうか。

■試乗会を徹底的に

「どこかのデカい展示場を貸しきって大コースを設置しないとアピールになんてならない」と思うのだろうか。
青空市でも何かの催しものにでも便乗して安物ではない自転車と何が違うか。
通販持込と実店舗で買うとアフターサービスがどのように違うか。
納車までの手順を詳しく紹介した上で、割引率は低くても、
納得してお金を払ってもらえるような仕組みを作り出すことが急務であると考える。





●まともな自転車の値段の目安

通販でありがちな割引前の定価のような表示は参考にせず、無視したほうが良い。
(そもそも整備スキルが不十分にも関わらず通販で車体を購入すること自体をすすめない)
「完成車は”まともな整備力を期待するのであれば”通販で購入して完結するわけではない」ということ。
しかし、実店舗でも雑な店も少なくないので難しいところでもある。
「大した出来でもないくせに妙にブランド料を盛って値段を吊り上げているようにしか見えないような悪質なケースにも注意」
単に値段だけでは見るべきではないが、それなりに安心できる大まかな目安の一覧。
◆変速なし一般車   → 約4万円~ BS「アルミーユ AU605」(590:26インチWO・変速なし・ブロックダイナモ)
◆内装変速の一般車  → 約4.5万円~BS「ステップクルーズ SC63T6」(内装3段)
◆外装変速の一般車  → 約4.5万円~BS「ビレッタユーティリティ VT66T」(外装6段)
◆小径折畳自転車   → 約5万円~ Dahon「Route」(クロモリのBoardwalk D7は約6.5万円)
◆クロスバイク    → 約6万円~ Giant「ESCAPE R3」
◆ビーチクルーザー  → 約6万円~ Bless「SHO 3i」(変速なしは4.5万円~)
◆ミニベロ(非折畳) → 約6万円~ BRUNO「Mixte Flat」
◆BMX         → 約6万円~ トリックに使う本物BMXと、BMX類型車(ルック車)は別物。
◆タンデム自転車   → 約8万円~ そもそも日本では実質「紀洋産業」だけなので迷うものでもない
◆シングルスピード  → 約8.5万円~ FUJI「FEATHER」
◆MTB         → 本格的に山を走る目的であれば約10万円から。MTB類型車(ルック車)を選ぼうとするくらいならクロスバイクを選ぶこと。
◆ロードバイク    → 約12万円~ (フラットバーロード・シクロクロス・ランドナー等も含む)
◆ファットバイク   → 約13万円~ charge「COOKER MIDI 0 (クッカー ミディ 0)」変速なし、変速有りで15万円くらいから
◆電動アシスト    → 値段どうこうではなく基本的にはパナソニックから選択か、
          「BSかヤマハ」で、スマートコントロールブレーキ”ではない”車種か、ブレーキ変更か。

スポーツ系自転車であれば、ライト錠前等の細々とした用品も当然別途必要。
空気圧が測定できる「米式・仏式対応ポンプ」の購入も必須。
※「変速なし」「シングルスピード」は変速がないという種別としては同じだが、基本概念自体が異なるので分類を別にした。
※主に競技や過酷な環境でも使用することがあるロードバイク系列やMTB(ファットバイクも含む)やBMXに
 形だけ似せている類型車(ルック車)は「一般車」の範疇。色んな点で中途半端なので、なるべく避けることを薦める。


例えばファットバイク類型車(ルック車)として見ていい代表格とも言える「マッドスキッパー」
ameblo.jp/cycle-plus/entry-11548331406.html
注意書きステッカーとして「この自転車は一般(普通)道専用です。悪路・荒地での使用は絶対にやめましょう!」と書いてある。

▼何が違う?

元々頑丈に作られていなければならない自転車として仲間であるマウンテンバイク分類で確認すると・・・
ja.wikipedia.org/wiki/マウンテンバイク
日本工業規格JIS D 9111:2005(自転車 - 分類及び諸元)では「スポーツ車」の一種として
www.jisc.go.jp/app/JPS/JPSO0020.html(D9111で検索)
「専ら一般道路での乗用を意図した自転車でマウンテンバイク、BMX車に外観の似た類形車(ルック車)」と
マウンテンバイク類形車を定義しており、
分類上もマウンテンバイクの属する「特殊自転車」ではなく「一般用自転車」となる。
(ファットバイクは分類上は特殊自転車の「その他」に
ルック車も正当車もまとめて分類されているのかもしれないが)

▼わざわざ丁寧に「悪路・荒地での使用はやめましょう」と書いてあることからして、

一般車の性能に「格好だけそれっぽく作ってあるだけの自転車」と見るべき。
そのままではまともに空気圧を測らせる気のない「英式バルブ」を使っているあたりも、
完全に「これ一般車ですよ」という裏付けでもある。
(これが例え米式バルブだったとしても、車体やパーツ諸々の作りが全く違うと見ていい)

▼単に太めのタイヤで街中の舗装路のみを走るのであれば

「なんちゃってファットバイク」より、「ビーチクルーザー」を買うべきだろう。
最初から荒地を走らない以上、性能は制限することが最適と言えるのと
タイヤやホイール交換時でもファットバイクほど手がかからないメリットも大きい。
つまり、「安いファットバイクある?」ではなく
用途をはっきりさせた上で、(この場合たぶん街中だけしか走らないはずなので)
「街中だけしか走らないけど、クロスバイクとかよりも太めのタイヤでゆったりできる自転車を探してるけどある?」
もしくは単刀直入に
「シュウィンやBlessとかのビーチクルーザーの扱いある?」と聞くべきだったということになる。
(追記)
店としても「正式にはファットバイクではない自転車を買っても不便さや荒さにガッカリする可能性が高いのと、
雪山や荒地などを走るつもりもないのであれば、ビーチクルーザーという太めのタイヤを履いている自転車がオススメですよ」
という案内も欲しいところ。
一般店であまり扱いたがらないのはビーチクルーザーの知名度の低さとコースターブレーキへの抵抗というものがあるのだろうか。
ビーチクルーザーの1つのブランドであるシュウィンを販売している「マルイ」の知名度自体は
自転車店経営者であれば低いはずはないと思われるので、もっと多く見かけてもよさそうなものだが・・・。
(高身長であれば29erと言いたいところだがやはり「非ルック車」を提案するとすれば予算的に厳しそうなので却下
27.5=650B車種でも5万円で「非ルック車」は到底無理で、今度はタイヤ選択肢の少なさの問題も出てくる)


●ファットバイクについて

www.grins-bikes.com/grinschoice/1249#i-2
廉価車、俗にいうルック車と呼ばれるもの。以前試乗した時は漕ぎ出し、ハンドリングともにもっさりしており、
いい意味でいうとファットバイクっぽい乗り心地というのでしょうけれど、
ともかく重いなという印象を受けました。
これが有名なMTBメーカーからリリースされている、そこそこお値段のするものになりますと
MTBとほぼ変わらない操舵性、漕ぎ出しも軽快になるので、まったく別の乗り物になります。
しかし空気圧を適正にしてもそれなり。
www.grins-bikes.com/grinschoice/1249#i-3
軽い走りというとクロスバイクやロードバイクのような走りを想像するかもしれませんが、
残念ながらそこまでの走行性能はなく、例えて言うと26インチや27.5の通常のMTBとさほど変わらない走りという感じです。
www.grins-bikes.com/grinschoice/1249#3-2
ファットバイクはMTBのカテゴリーに属しています。
当たり前ですがオフロード走行が可能で、安定した制動力のディスクブレーキ、
防水性の高い回転系パーツ(ヘッド、BB、ハブなど)、ハードなライディングにも耐えれるスペックが備わっております。
廉価車と言われるものはそれらのスペックをほとんどもちあわせておりません。
「舗装路のみの走行に限ります」なんてステッカーが貼られたファットバイクも実際に販売されています。
それであれば林道を走行することや、砂利道を走行すること、凸凹の圧雪、凍結路面を走行することなどできないですよね。
回転系部品もよろしくないため上記の走行であれば、水分や泥、砂などが入り込みパーツ痛みもすぐに出ることでしょう。
街乗りのみであっても耐久性は貧弱と言わざるおえません。
車体重量も違います。ファットバイクは通常15kg前後が一般的。
カーボンフレーム使用した12kgというMTBと変わらないものだってあります。
これが廉価車になると20kg前後とかなり重くなるんです。
5kgも違うと普段自転車乗らない人でも明確に違いが分かるほど軽快感に差が出てきます。
坂だとそれが顕著に現れます。

●激安ファットバイクの実力とは? 自転車解説 Rainbow BRONX
www.cyclorider.com/archives/7937
●激安ファットバイクが本物のファットバイクの代用品にならない理由
www.cyclorider.com/archives/7923
「RainbowのBRONX」と「SurlyのMoonlander」の乗り比べレビュー
「激安価格で高価な自転車と同じ性能が出せるはずがない」と考えるのが普通。

●ファットバイクの一覧

fukai-wbc.com/archives/3060

▼メーカーに良心があれば

分かりやすいように、これは
「ファットバイク風の自転車です」
「ファットバイク形の”一般車”です」
「フットバイクに似せただけのルック車(類型車)です」
「ファットバイクっぽい自転車です」
「なんちゃってファットバイクです」
といった注意書きをカタログにも大きく書いておき
「本物のファットバイクという誤解」を与えないようにするべきだろうと思う。

「単に太いタイヤでクッション性上げたいのと、街中で目立ちたいだけ」という目的であれば理に適っているとはいえるが、
目立つだけなら「デコチャリ」や「チョッパー自転車」あたりのほうが良さそうにも思える。
「見た目だけで性能はどうでもいい」という用途としてはアリなのかもしれないが、
これでファットバイクを知ったつもりで「期待外れ」と言われてしまうのは、正統派メーカーからすれば心外だろうなと思う。

▼ちなみに本物のファットバイクとしての一例を見てもらうと・・・

★SURLY「PUGSLEY」 約30万円(税込)
ride2rock.jp/products/102953/
極寒の地である冬のミネソタの氷結路や雪上、夏場にはビーチを走れるような自転車が作れないものかと模索し始めました。
その答のひとつが、タイヤとリムを太くすることでした。
世界初となる量販ファットバイクフレーム=PUGSLEYをリリースしました。それが2004年のことです。

前後135㎜幅のハブに対応し、前後輪をはめ替えられるオリジナルPUGSLEYの機能は継承されています。
135㎜のリアハブを使う場合には、ワッシャーを使います。

さらに新型では、Rohloffトルクアームスロットを備え、
142 x 12mmスルーアクスルにも対応するリアドロップアウトを採用しました。

オリジナルPUGSLEYと同じく17.5㎜オフセットしたフレームは、そのオフセットを帳消しにし、
フレームセンターにラックを装備できるラックマウントを新たに装備しています。

また、そのラックにパニアバッグを装着した際に、
シューズのカカトがバッグと干渉しないよう、チェーンステーを12㎜長くしています。

完成車には旅に便利なMOLOKO BARが装備されます。様々なアタッチメントを装着できる3パックマウントは、
フォークに2か所、ダウンチューブに2か所、シートチューブにはウォーターボトルマウント、
このほか前後にラックマウントが装備されています。
パーツの選択肢が広い135㎜のハブを使えるうえ、装着できるタイヤの種類も多く、
旅やツーリングのための装備をたっぷりと搭載できる新型PUGSLEYは、
しなやかな乗り心地で、ワクワク感に満ちたあなたの冒険心をサポートしてくれることでしょう。

★「悪路・荒地で走行可なフレームの頑丈さ」
★「車輪の軸そのものが”なんちゃってファットバイク”より太いので頑丈」
★「アップグレードやカスタムも可」
つまり「”なんちゃってファットバイク”とは完全に別物」ということになる。
最終更新:2023年10月15日 14:23