クソゲーオブザイヤーinエロゲー板 3rd
http://w.atwiki.jp/kotye/
クソゲーオブザイヤーinエロゲー板 3rd
ja
2024-03-25T12:25:02+09:00
1711337102
-
2023年 総評案
https://w.atwiki.jp/kotye/pages/860.html
*2023年 総評案
-[[2023年度 総評案1>2023年 総評案/総評案1]]
--[[第1.9稿>2023年 総評案/総評案1/第1.9稿]]
--[[第2稿>2023年 総評案/総評案1/第2稿]]
-[[2023年度 総評案2>2023年 総評案/総評案2]]
--[[第1.02稿>2023年 総評案/総評案2/第1.02稿]]
-[[2023年度 総評案3>2023年 総評案/総評案3]](完成せず)
**議論の経過(随時追記)
-2024/02/29
--総評1氏、総評案1を投下
--総評2氏、総評案2を仮投下(書き込み規制中につき外部サイトURLを別人が書き込み)
-2024/03/02 総評2氏、総評案2を投下
-2024/03/03 総評3氏、ギブアップ宣言(未完成品を投稿した外部サイトURLを本人が書き込み)
-2024/03/22 総評1氏、総評審議を離脱
2024-03-25T12:25:02+09:00
1711337102
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2023年 総評案/総評案1/第2稿
https://w.atwiki.jp/kotye/pages/904.html
*2023年総評案1第2稿 大賞:[[Jinki -Unlimited->Jinki -Unlimited- 選評]]
【2023】 クソゲーオブザイヤーinエロゲー板 総評審議所
https://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/game/58649/1706966035/
#blockquote(){100:総評1:2024/03/21(木) 21:29:52 ID:???0
どうも。
とりあえず生存報告及び返答を。返答になっていないのもあるかもしれませんがご了承を。
先に細かな修正を施したver2.0をupしておきます。本当に細かな所しか変わってません。
https://writening.net/page?YYvkax
まずは自分が提議した『NTR』についてですが、私は料理に貴賤はないが個人の嗜好のみに終始すると不味いと思うなら最初から食わなければいいという建前が消え、
個々が料理ではなく料理屋を貶めるための自己主張を振りかざすだけの方便になってしまうと考えます。
NTRについては、これはアトリエさくら作品に限らずR-18業界全体が飽和状態の果ての乱造が続いているのが現状ですが、そこから輝く原石が出てきてほしいですし、
アトリエさくらより安価なのに質のいいNTRは同人業界を探せば結構あるのです。住民が知らないだけで。
故に何も最初から料亭の質を求めずとも、街を探せば優良店はありますし店である以上良い物を出すべき。ならばそのための定義を出した方がよかったと考え>>80のような議題を挙げました。
昨年6作、本年9作となると流石にそろそろ一度位置付けを明確化しないとこのままズルズルと選評をアトリエさくら作品に依存する形になる危険性を孕んでいたのではと大きなお世話を考えていた事も追記しておきます。
同じ料理でも食べる側が違えば、その日の体調が変われば、立地が変われば、その印象は目まぐるしく変化します。
アトリエさくらが「いやうちは安価NTRゲーを提供するところだから」と考えていたとしても「いや世の中にはあんたのところより安くて面白いNTRゲーを量産してるところなんかいくらでもあるぞ」とし、
ひいては改稿案で「切に願う」と〆ました。そもそもユーザーが質の向上を求めることに何か問題があるのかという事柄でしょうし。
とはいえこれはあくまで主観であり、支持されない可能性も充分にあることも自覚しております。
ただ私としては本年度の粗製乱造に対し「小粒」な凡百より「パワー」を秘めた作品を挙げたいという一つのテーマを元に選定理由を書いたという事は理解していただきたいと思います。故に、
>類似点が多い選評ばかりだと語っててつまらないし盛り上がりに欠けるし第一面白くないよね、となりかねません。
>だからこそ、KOTYeなりに「NTR」というジャンルに対して一つの「解答」を提示すべきと考えます。
という点についてはブレるつもりはありませんし、NTRの展開固定問題には課題とすべき点があるとも考えますし、ここは他者の理解度の問題になるでしょう。
あと誤解してほしくないのは、私はアトリエさくらに関しては内容の問題点こそあれどむしろあれだけタイトであろうスケジュールで作品を作り続けているという点では評価しており、応援もしています。
でもどうせならより深く入り込んでいいものを作ってほしいかな、とも考えています。それが現実に直結していないだけで。
小粒なゲームに関しては一行で流すか肉付けをして取り上げるかは難しいのですが、
選評を書いた側からすればわざわざ買って書いた選評のゲームが一行で流されるのは不満でしょうし、
でも今年に限ってはあまりに膨大過ぎてある程度匙加減を個人で設けないと畳み切れないとご理解願いたいと。難しいですけどね。
総評案の擦り合わせに関しては、個人的には意見が平行線で埒が開かなくなった場合最悪自身の総評をフリー素材化して2氏に委ねる事も考慮しております。
私は住民の不興を買っていますし、自分の総評を投票という形になった場合住民が選んでくれるというのはいささか夢想が過ぎます。
それどころか「おまえが総評を書かなければもっと審議がスムーズになっていたのに余計な真似をしやがって」と思われてる疑念も尽きません。
無論やれと言われたら全力の限りを尽くしますし、あらゆる意見を取り入れて最終的にはいい総評に仕上げたいと思います。
まずは「いい」総評を作る事を視野に入れつつ話を進めていけたらなと。
}
(URLの内容)
#blockquote(){2022年のKOTYeは、底なし沼のような虚無と息もできない熱波の低クオリティが蹂躙跋扈する、悲しみと苦しみに血塗られた餓鬼と畜生が死地を彷徨う駄文の百鬼夜行のような年だった。
才なくとも創作ができ、生者と死者が六道の狭間で揺れ動く冥府魔道の時代、その混迷のカタストロフは開いてはいけないパンドラのデスノート『悪魔と夜と異世界と』が頂に上ることで決した。
「クソゲーとは何か?」という一つの命題に新たな碑文が刻まれた一方で、我々は不安を抱いた。この先クソゲーは何処に向かい、どう変わっていってしまうのか、と……。
そして本家である据置版KOTYが史上初の該当作なしとなり、活動休止が告知されたことで、運命の黒い糸は静かに綻び始めた。
『修羅の国』と評された人外魔境が唯一のKOTYとなったクソゲー界は、亡者が一筋の漆黒の光を求めて彷徨う時代に突入したのだ……。
昨年とは違い、今年のKOTYeは1月作品から盛況だった。
その口火を切ったのは、戯画の汎用ヒト型欠陥兵器『JINKI -Unlimited-』。
戯画と言えば長年KOTYeを賑わせてくれたいぶし銀のベテラン工兵。その戯画が本年度を以って事実上の解散を表明し、本作が着火させる最後の火種となったわけだが、注目された中身は期待に見合った大型地雷だった。
実質3周しなければいけないという長期戦にも拘わらず、開幕からユーザーデバッグモードを発動し、パッチを当てないと進行不可になるなど掴みは完璧。
それを踏まえた上で、本作の基本スペックから見てみよう。
まずADVパートは、令和どころか平成でもあまり見ない程お粗末だ。
バックログや音声リピート機能はなく、次のボイスまでの音声再生機能なんてのもない。既読スキップもなければAUTOモードもない。ギャラリーモードは差分表示がなく、回想は全周クリアまで実質お預け。
シナリオはスーパーコーディネーター級の新主人公の基本無双であり、無能と化した歴代主人公とヒロイン勢は終始すげーすげーを連発。カタルシスも何もなく、本当に原作者が監修したのか、逆に興味がわく内容である。
登場キャラこそ女性ばかりで華やかそうに見えるがそれは罠。綺麗な薔薇には棘が付き物と言わんばかりの凌辱リョナ特化構成なので、遊ぶ側にもそれなりに耐性を求められる。
フレームレートは起動時の状態で常に全力全開天元突破。調整するオプションすらなく、プレイ時は絶えずPCクラッシュに怯えながら遊ぶ羽目になる。
続いて、本作独自の部分について触れる。
『JINKI-U』の目玉は、段ボール箱を被った姿をコスプレと言い張るような、寂寥感溢れる出来のRTSパートである。
グラフィックはシムシティ2000レベルのビル街、キン消しを並べたようなロボット群、攻撃に至っては色付きのつまようじや矢印ビームと揶揄されるほどのクオリティであり、かの「SSα」を彷彿とさせる。
AIの調整や挙動にも問題があり、指示を出した味方キャラが壁に引っ掛かって五里霧中になったり交戦中にエンジンでも止まったかのように動かなくなりその間に即死級の攻撃を食らってゲームオーバーになるのは日常茶飯事。
言わば自分以外は全て敵とでも言わんばかりの枷にしかなっておらず、そんな介護職員気分をプレイヤーは余儀なくされる。
戦略性等は微塵もなく、やる事と言えば、基本逃げ回りながらゲージを溜めて必殺技をぶっ放つことだけ。
また本作にはレベル制が導入されているが、この調整もクソである。経験値は中盤から数万、その後は数百万単位と超サイヤ人並みのインフレを起こすため、レベルを上げて物理で殴るKOTY戦法は困難であり、結局適正レベルでの攻略を余儀なくされる。
仮に武器レベルも含めてMAXにしても敵もガンガン固く強くなっていくので、爽快感は皆無に等しく、戦闘はただただゲー無となっていく。
だがこれにも増して問題なのは、何より「劣悪極まりない操作性なのにキーコンフィグすらない点」だろう。
ユニット選択→武器とサポートキャラ選択の過程後に、右クリックを押せばサポートキャラが削除されてやり直し。戦闘ではマウスホイールをクリックすれば必殺技という仕様なのにスクロールさせると視点が変わるため誤動作連発。
キーボードの入力部位も一切変更できず、マウスは右手から離れないのに、左手は虚空を彷徨い今日も誤入力を頻発するなど四面楚歌状態だ。
MMOやFPS経験者なら分かるが、PCゲームにおいて操作性という点はゲームの快適さだけでなく面白さに直結する。それがズンボロで娯楽失格という有様では何処に価値を見出せばいいのか。
かくして人は同じ過ちを繰り返す……。
『JINKIーU』は挨拶代わりの核地雷としてKOTYeの大地を爆裂四散、それに影響されたのか、2023年は黒く暗い影が光を侵食する一年となっていく。
二番手として壇上に上がったのは、3年連続エントリーとなるNorthBoxの『高嶺の花と魔法の壺』。
公式のあらすじで肝心の女性キャラの名前を出さないという斬新さでKOTYe民の心を掴んだ本作は、骨どころか脊髄まで削ったかのような所謂抜きゲーである。
男キャラ如きにはボイスどころか絵すら必要ないというツイフェミもニッコリな人権のなさで繰り広げられる内容は、毎度おなじみの「適当にずっぷずっぷして終わり」。
お家芸であるHシーンを冷めさせるBGMは健在であり、雅な琴や笛の音を流したかと思えば突如盛大なヴァイオリン演奏に転調するという和洋折衷ぶりは、
「ヌかせたいのかい、笑わせたいのかい、どっちなんだいっ!?」と思わざるを得ない。
ゲームの容量を公式で4倍増しに表記したり、ピストンシーンでチ〇コを異空間に消失させるなど匠の技も見せ、本作は見事住民のツボを突いてみせてくれた。
そして恐れていた事態が訪れる。
前年から顕著であった『低価格帯ノベルゲーム』がこの世の全てを覆い尽くさんと攻勢を仕掛けてきたのだ。
KOTYeにおける、「大航海時代」ならぬ「大低価異時代」の幕開けである。
先手を切った海賊1号は、NTR界のワールドレコード保持者、アトリエさくらの『他人棒でイキ狂い快楽に溺れていく最愛妻~見せつけられた快楽に絶頂する妻の痴態』。
前年から月イチペースながらRすらないNTRガチャというイリーガルポジションで完全に追跡対象となった当メーカーだが、その奈落方向の実力は今年も止まる所を知らなかった。
ヤリサー常連だった主人公と過去に妻と肉体関係にあった間男との三角関係という構図なのだが、書くべき中心点があらゆる事態でブレッブレ。
冒頭からNTRビデオレターではなく、普通のAVを送るというジュラル星人並みに回りくどい作戦で動揺を誘うのだが、開封したのは妻ではなく主人公という稚拙さ。これでは只のプレゼントである。
その後もフェラなのにチ〇コの先が額まで届いているなど文章とイラストの不一致の連発や、頻繁な誤字など、真面目に作る気がないのが丸わかりなスペクタクルな内容が続き、
最終的には全裸だった間男が1クリックで服を蒸着し、全裸だった妻も一瞬で下着を瞬着するなどやりたい放題。
間男は「妻の事は気に入ったが自分の女にするのは面倒くさいので二人で共有しよう」と提案するが、それを断っても、主人公は、
「別に抱かれたいならいいさ!その代わり今まで通りの生活を続けてくれるんなら問題ないから!」と返答する懐の深さを見せつけるが、それが間男の提案と何が違うというのか。
前年からまるで成長していないNTRの舐めっぷりに住民も辟易。唯一「その前に一度イクからちょっと待ってて」という名言に一部の住民が心トキメく結果となる。
ならばフルプライスの本気を見せてやると軍が出撃させたのは、こちらも常連evoLLの『ラブカフェ~童貞な俺でも、巨乳女先輩と同棲できるってマジですか?~』。
選択肢は最初の僅か一つという中身は、「エロゲーなんだからエロ要素以外の描写は全て非現実的だが何か問題でも?」いうある意味潔さを感じる内容だ。
同棲約一ヶ月程度で主人公に心を許したヒロインは、肝心の一ヶ月の過程すら省かれ処女からあっさり股を開き、
バイト先がカフェだというのに客との会話は丸々カット。モブに至っては台詞が三ヶ所のみ。
ハーレムルートに至っては描写はともかく、実は主人公の妄想オチで〆るという酷い扱いよう。
そんな中住民の心を強く揺さぶったのが、射精を「放精」と変えるハイセンス。KOTYeの歴史に、また一つ名言の1ページが刻まれた瞬間だった。
その後も選評ラッシュは終わりがないのが終わりと言わんばかりに続く。
快楽堕ち+ふたなり+異種姦と亜種系属性のよくばりセットに、調教描写を削って代わりにバトルファック要素を詰め込み需要不明にした『虜囚の女ヒーロー~怪人たちとの闇の狂宴~』。
パッチを当てないと誤字脱字の弾幕で読めたものではないテキストにあらんばかりの設定詐欺を詰め込み、ダメ押しで嫉妬がボンバーという迷言も残した『Aphrodisiac-女神の欲望ー』。
そして春になると露出狂が閑静な住宅街を出歩くように、温かい狂気もやってくる。わるきゅ~れの『病みつきヤンデレハーレム!』だ。
冒頭でヒロインに「誤字脱字が多すぎる」と言わせた矢先から、誤字脱字を連発するなど完璧なブーメランで住民の心を掴むと、
ヒロイン三名からは、自作の主人公グッズに塗れた部屋で逆レイプ、スタンガンと手錠で身動きを取れなくしてから逆レイプ、睡眠薬を盛って眠らせた後に逆レイプと、主人公は弥が上にも絞られ続ける。
精液の表現にも一癖あり「オス汁」「生殖汁」「遺伝子汁」とバリエーションを増やして表現の自由を広げたり、Hシーンの最中のBGMを、突如激しいクラシック調に切り替えユーザーを病ませようとするなど配慮も抜群だ。
手抜きこそ随所に感じ取れるが、それを「笑い」に転用できる作り手のセンスが溢れた本作は、「(クソゲーは)こういうのでいいんだよこういうので」を現した作品といえよう。
その後も住民は追跡対象を中心にエロゲー発掘に勤しみ続けると、掘れば掘るだけクソゲーが出土されるゴールドラッシュに突入。
主人公の声が合わなさ過ぎてクッキー☆級のミスキャスト感溢れる『上司の巨乳騎士団長は俺の肉オナホ!~年下恋人から中出し漬けで寝取って孕ませ穴に!~』。
かつてKOTYeで選評も届いた『淫らに堕ちる、最愛彼女』から選択肢も背景も流用した挙句、オモチャどころかただのビッチだったというオチで終わる『好きだった幼馴染がクラスメイトのオモチャになっていた件』。
不意に忍び寄る百合の中の肉の棘を回避し『星と乙女が占う未来』もお縄にかかった作品だ。本作は百合ライクの全年齢版にR-18要素を追加し成人版にした低価格ADVである。
ほほう、では百合えっちが入っているのかね? と思った諸君、残念ながら不正解。ではチャラ男によるNTRか!? と思った諸君、それも不正解。
答えは「名前、CG、ボイス、立絵、台詞、全てがない謎の男とのHシーンの挿入」である。
何をご冗談をと思うだろうが、実際そういうブツが入ってるんだから始末に負えない。
「百合に男」は確かに強烈なクソ要素であり嫌悪感爆裂魔法級ではあるが、だからといってここまで無味乾燥な代物をぶち込むとは何を考えているのか。
一部からは女性キャラの妄想オナニー説もあり、完全に蛇足。戦場に舞い降りたトラブルメーカー並みに来るな近寄るなと言いたくなる問題作であった。
次々に選評投下と発掘作業を兼任する住民だが徐々に疲弊していたのも確かである。ここらで一つ笑える一品はないのか? そう訴え始める住民が気まぐれに掘り起こした女土偶が、
ZIONの『ワケありJK従属学園~強制絶頂は終わらない~』。
低価格帯ながら原画は素晴らしく、どこぞのママに見せたい程であるが、肝心な内容は借金まみれの堕ちたセレブお嬢様がFラン学校に転校させられ、男たちの性処理をしていく、というもの。
しかし主人公は余程の肝っ玉なのか潜在ビッチだったのか、処女喪失からいきなり「ヌアァーーー…」と迫真の悶絶絶頂をしてくれる。
またモブキャラの名前は「S1」「男子生徒A、X」果てには「α」という盛り沢山な固有名詞で構成されており、誰が何者なのかさっぱり分からず、
竿役には名前なんて必要ねえんだよという開き直りすら感じる。
他にも「性的な知識は月並みにある」「敏感な子宮口を亀頭が消しゴムのように削ってくる」「男根の美味を味わう」といった、
中学生が文学的表現を試みて玉砕したような愉快な日本語が目白押し。「放精」まで完備している。
昨今は絵がいいならシナリオは適当でもいいという風潮があるが、世の中には絵すらダメな作品もごまんとあるので、これはこれで歓迎すべき傾向かもしれない。
続いて発掘されたのは、グレースケールに糞の色を塗った『淫堕の姫騎士ジャンヌRe:BORN~オーガの仔種を注がれる気高き姫!~』。
本作は2006年に発売された同名作品に新規シナリオを追加した所轄リメイクものである。
その内容は、新撮りを行わず旧作の部分は旧作の声優のままなのに、新規のシナリオには全く違う声優を起用するという迷采配。
そして肝心の新規シナリオは、スキップすれば僅か13秒で終わる夢オチというやる気のなさ。しかもこれでフルプライスである。
幸いこれではまずいと思ったのか、メーカーは公式サンプルで新規絵の9割を閲覧させてくれるので、それを見れば大体の目標は達成できるだろう。
これで、一息つけると思ったのか? 無駄だ。大魔王と大高価異からは逃れられない。
ヒロインと主人公が急接近するイベントがアナニー中に取れなくなったペンを取ってもらうというけつなあな確定シュールギャグさが光る、
『ナマイキユメちゃんはおにぃとメチャクチャHしたい!~ギャルと教師のドキドキ同棲生活~』。
令和のこの時代に未読も既読もPC環境が悪いとスキップできないうえに字が小さすぎて見えづらいバッグログと一つも褒めるところがないへっぽこUIを搭載した、
『ママ僕だけを愛して…~キモデブ息子を溺愛する母の歪んだ愛情~』。
そんな中、クリトリスを肉棒に変えて白兵突撃を敢行する一人の女体化戦士がいた。名を『女体化転生したボクはふたなりで無双する!?~でもお姉ちゃんたちには絶対に勝てません!~』。
本作の主人公は童貞のまま死んだ男であり、転生先では女体化している。そしていつも意地悪をしてくる姉に一転攻勢を仕掛けてやろうと目論み、逆にカウンターされるという心底情けない話だ。
しかし異世界モノの筈なのに家屋や道路の造型が全て日本そのものであり、「異世界とは一体……うごごご」と墳飯する事必至である。
特に主人公のノリは、80年代シュールギャグとでも言うべき壊滅的な大馬鹿さん太郎であり、ふたなり化して姉を犯そうとするもアイテムを取られ逆に犯されれば、
僕は負けてない、僕は屈したわけじゃない、とサムライ8級の苦しい言い訳に走る。そればかりか、転生前に脳みそを置いてきてしまったのか、それとも元々中身がなかったのか、
「お腹がポンポコダヌキになる」「精液が出発進行する」「頭も体もぽあぽあのぷあぷあだ」といった愉快で気の毒な言語センスを用いてプレイヤーをドン引きさせてくる。
転生前に何を勉強していたのか。おまえは姉を押し倒す前に、まず国語を受精卵あたりからやり直した方がいいと忠告してやりたい。
そして色んな意味で問題作だったのが未踏の秘境から数々の珍作を送り出してきたアパタイトの『清純ヒーロー×ビッチ堕ち!!~悪の組織に調教される乙女の心の移ろいは…~』。
アパタイトと言えば「俺たちゃ裸がユニフォーム」「常識は糞と一緒に流した」とでもいうべきアンプレセテンディドな作風で場を盛り上げるkotyeのモーツァルト的存在だが、その作風は今回も平常運転。
本作は所謂調教モノ。つまりいかにしてヒロインを嬲り、辱め、快楽堕ちさせていくかを事細やかに描けるかが肝要なのだが、
……なのだが、捕らわれたヒロインが「普通に調教して。もっと正々堂々と」とコメントするなど抵抗感の歯車が錆びついて嚙み合っていない。
また敵組織はとてもアットホームであり、朝食に炒飯を出したり、朝に体操をさせたり、シャワーも浴びさせるなど令嬢お付きのメイドの様な献身ぶり。
この他にも、米と野菜のどちらを育てるかヒロインと会議、助産師がいないからという理由で種付けを断念、
ローンが残っている事に苦悩しヒロインに同情される、挙句帰るのを許可する等、とても悪意がある集団とは思えない。
おそらくこれは小学生に見せる「よい子は調教をしていけませんよ」という教材か何かなのだろう。18禁で教育を施すという粋な計らいが光る一品だった。
続いて紹介するのは、『またしても』という枕詞が付くアトリエさくらの『妻、宇佐見恋を抱いてください 〜夫公認公開恥辱NTR〜』。
本作を一言で例えるなら、「全員が痛い」。ヒロインは電車内で痴漢されるのだが、散々脳内で相手を罵倒するのに結局最後までさせるという謎思考の持ち主で、
間男に、セフレが産気づいたからおまえの力が必要なんだ、というあからさまな噓に騙されホイホイ付いていく脳内お花畑の間抜け振り。
その間男も事あるごとにセフレが複数いることを自慢するが、気色悪いおじさん構文を多用する変人であり、そもそも女に困ってないのに電車内で痴漢をするというリスクを負う時点で頭の螺子が外れている。
主人公に至っては、実は妻も含め犯される女を見て興奮する寝取らせ性癖者である事が発覚し、完堕ちルートでは妻に完全に愛想をつかされ、別ルートでも妻を貸し出して興奮する有様のダメ人間。
このようにメインメンバーが全員アホではまともな寝取られなど描写できる筈もなく、不条理ギャグのようなシーンがひたすら続く。
もはやNTR好きというより、KOTYe住民にアピールしているかのようなダークマター振りは別の意味で期待に応えてしまった。
これは同ブランドに限った話ではないが、NTRモノは展開が固定されているからこそ、受け取り手にNTR本来の持ち味である黒い絶望感を与えにくいというハンデがある。
最初からNTRですと提供するのは、余程優れたシナリオでない限り、スカムカルチャーといえどハイワロに過ぎないのだ。
その後もアトリエさくらは、山なしオチなし意味なし+多すぎる誤字=『堕とされた義姉~憧れていた義姉がクラスメイトの手で快楽調教させられていく~』や、
ヒロインが子種欲しいがために半ばノリノリでHする阿婆擦れ振りで転落堕ち感が皆無な『背徳の強制種付け~愛する妻の子宮(なか)に注ぎ込まれるほかの男の精液~』など、
多くの変作をノルマのように出し続けるが、それが「いつものさくら」以上の関心を集められたかは些か疑問である。
その後も低価格帯の作品は止めてと言われて止める馬鹿はいないとばかりに輩出される。
盗聴を題材にしており、ヒロインは録音した性行為で興奮する性癖なのに肝心の部分がサイレントリスニングな『カノジョの性癖ー盗聴×妄想ー』。
オタクに優しいギャルをテーマにしていながらギャル感がまるでなく、ストーリーはただひたすらずっぷオトマトペの『ギャル姉妹~ハーレムタイムが止まらない!~』。
そして極め付けが、NTRと妖刀村正を組み合わせたような傀作『調教カテイ~性開発された肢体は元カレを忘れられない~』である。
本作は『ママ僕だけを愛して…』を世に送り出したTRYSETBreakなのだが、あれほど散々問題視されていた崩れたジェンガのようなUIをそのまま流用している。
すなわち未読も既読も環境次第でスキップできず、バックログは米粒サイズ、コンフィグ画面は意味不明な森林の背景に、アニメもないのにアニメーションon・offの項目。
その様は令和の超空間か? などと住民を畏怖させる始末。
肝心な中身だが、学生時代に間男に調教されたヒロインは男性不信となっているが、ゲーム中では結婚済であり、挙句再会した間男にはお別れセックスという名目であっさり股を開くという貫禄の設定崩壊。
その後も裏で快楽が忘れられず間男との交際は続き、快楽堕ちしたヒロインは「人妻になった分余計気持ちいい」と屑女ぶりを発揮するのだが、
夫は夫で、竿役に精神汚染され、NTRている様を見せられ「勉強になる」などと発言したり、それどころか「誰の子供かわからないなんて興奮する」などと精神病棟の介護士と薬が必要な状態に陥り、
最終的に夫はなんと間男に「去勢」されるというサイコホラー。ここまで酷いと「このゲームを作ったのは誰だぁ!?」と問い詰めたくなるが、
なんと本作にはエンドロールすらないという尻尾の先まで超空間リスペクト。
変化球を投げろと言われてバッターを惨殺するようなピッチャーをマウンドに立たせてはいけない、そういう地獄甲子園風ルールを改めて考えさせられた一品だった。
『侵・性奴会~美人会長と爆乳書記の調教日報~』も忘れてはならない。
入院するほどの重傷を負った主人公が生徒会に贖罪という建前の調教をしていくという本作であるが、あらすじで教室に赴くとなっているのに、最後まで教室に行く描写がないという伏線のぶん投げっぷり。
説明不足解説不足はこの点だけに止まらず、そもそも何故主人公が重傷を負うハメになったかもよくわからないし、
代償として何故ヒロイン達が体を捧げる事になったのかもプレイヤー視点だと何一つ不明である。
この問題点は肝心の調教の過程にまで侵食しており、内容は「やらせろ」→「こんな奴に悔しい……ビクンビクン。でも感じちゃう」→「よかった」を中年男性のオナニーのオカズのように代わり映えしない清々しい程のワンパターン。
勿論各キャラに割り振られた様々な作中設定も、ゲーム内では何一つ生かされることはなく、もはやbotに肉棒を挿れ続けているような錯覚にすら陥る。
なお、生徒会では持ち物検査で手に入れたエロゲーの話題で持ち切りなのだが、そういったプレイをご所望しているあたりただの好き者の集まりなだけかもしれない。
以上が2023年上半期が終わった時点でのクソゲー一覧である。
あれ、なんか多くね?と思った人、その通り。この時点で選評数23本。前年の19本を既に上回るという異常事態。そしてその約8割が低価格帯。
もはやこの業界に情熱を傾けるまともなメーカーなどいないのか? と住民は唖然茫然となった。
そんな下半期、猛暑で日本が業火に苦しむ中、均衡を破ったのは、……やっぱりアトリエさくらだった。『俺の幼馴染がエロ配信をしていた件~地味な彼女の裏の顔はエロエロな配信者でした~』。
本作は今までさくらが得意としていた、馴れ初めを数クリックで解説して後は各々が想像しろを廃止し、ヒロインとの描写も比較的深く誤字脱字含めても書き込まれている。
しかしその代償として、肝心なHシーンの尺を削っては本末転倒だろう。
基本的にヒロインは過激な配信をしてそれが徐々にエスカレートしていき……というのは話として悪くないのだが、如何せん掲げるべきNTR感が5ミクロン程度に薄い。
勿論主人公に寝取らせ属性を一つまみする悪癖も健在で、NTRモノとしてはあまりに作りが粗雑で中途半端。
恒例行事にテコ入れをしたかったという思いは伝わるのだが、あちらが立てばこちらが立たずでは伝わるものも伝わらないという課題作であった。
そして猛暑がひと段落した中、スレに一線級の不発弾が発掘される。
それこそがかつて凌辱モノで多くの戦果を得た、老舗ルネの『エルフェンキング』だ。
90枚を超えるCG、豪華声優陣、そしてかつてのルネの十八番ともいえる凌辱、付け入る隙はどこにもないと思われていた本作だが、
開けられた箱には魔法陣グルグルの失敗作のようなクリーチャーが入っていた。
まず肝心の凌辱描写だが、うまい棒の穴に割り箸を挿れ続けるような極めておざなりな描写になっている。
前提として本作には裸や下着の立ち絵差分というものが存在せず、対象キャラを選んだあとは、工程や流れという段階をほぼ無視し「ブッ込んでいくんで世露死苦ぅ!」とばかりにHシーンが始まるのである。
相手をじわじわと責めてトドメに、という凌辱モノの要ともいえる導入が欠けており、場合によっては既に挿入済みだったり、部下に輪姦させるというものも多い。
エロゲというのはHな「シーン」の集合体であり、事前の精密な描写が必要不可欠。エロい画集など幾らでも転がっているこのご時世だからこそ、見せる側を興奮させ、魅了する演出が要求とされる。
しかし本作は、「テキストとボイスと複数のCGをパッケージする」という概念がなく、凌辱描写はいずれもCG1枚の単発に多少の差分を添えただけ。プレイヤー視点での心理面を揺さぶるシチュエーションが根本的に描けていない。
凌辱の肝たる部分を省いて「Hシーンだぞ、ヌけよ」では、どれだけCG枚数があろうとただのカラー絵に堕ちてしまうことを、メーカーは理解っていないようだ。
攻略対象こそ8人と豊富だが、その分各キャラが没個性となってしまい、凌辱はさもベルトコンベアで流れてきた弁当にバランを入れる作業。
これではもはや顔と声が違うだけの万能精液便器である。
そもそもシナリオ自体、「ぼくのかんがえたさいこうのちからでえるふをやっつけておかしまくる」という小学生が考えた読書感想文並みの陳腐さで、
神から与えられた何でもできるチート魔法で人間たちがエルフに一転攻勢するという、同人界隈を見渡せば幾らでも既視感がある代物なため目新しさは皆無。
しかもこの力は主人公の独占ではなく、やろうと思えば仲間にすら幾らでも分け与えられるため、凡百のならず者が一瞬で魔法自慢の兵と化し、戦力差をあっさり覆すシナリオにおいてのお任せ安心潤滑油。
ここまでくるとうだつの上がらない弱者男性が人生の一発逆転を賭けて執筆した某界隈の三流小説となんら変わりはない。
アマチュアならそれも許されるだろうが、それを商業作品を提供するプロがやるのは言語道断だろう。
主人公は傭兵の大将というより山賊のお頭という印象で、知性や狡猾さというのが全く感じ取れず、力を得てからは完全に天狗ムーヴの性欲魔人。
言動も昭和時代の体育教師のように粗野で乱暴な糞主人公と化すため、これならオークやゴブリンさん達の方がまだ竿役として適材という有様。
そして何よりも問題なのが、これが手間暇をかけて完成させたフルプライスのゲームであることだろう。
「如何に手を抜いて作るか」が傾向とされる昨今のクソゲー界隈において、金と時間と労力を費やして世に送り出した自信作がクソだった、という点は住民に高く評価され、
『エルフ』は、本年における最も悲劇的な存在として、その痕跡を確かに刻むことに成功したのである……。
平和は長く続かない。次に出現したのは「おまえはもういい。座ってろ」と枕詞が付くアトリエさくらの『恋人・亜依理(あいり)を抱いた他の男達~愛する恋人が俺の元から去った理由(わけ)』。
本作は複数の章に分かれて構成されており、間男のポジも変化するのだが、肝心な中身はサイコパスが白い粉をキメながら思いついた叙述トリック。
1章主人公はヒロインと偶然再会するのだが、既にヒロインには彼氏(2章主人公)がいるので、本来ならもはやここで話の拡がりなどありえない。
しかし「この話は早くも終了ですね」となるとライターの預金残高も増えないので話は続き、結局1章主人公は駄々っ子のような逆ギレで彼氏と別れろとヒロインに迫り、
対するヒロインは、あなたとは付き合えないと説明しておきながらベッドに誘い肉体関係を持つという、いつもあなたの心の中にいるポルナレフ展開。
3章主人公に至っては固有名詞があるだけで秋の木枯らしの如く空気、ヒロインは「あーわたしNTRれちゃったぁーw」とばかりに他の男の所へ赴き、最終的に1章主人公と結ばれてエンディングである。
プレイヤー視点からすれば何から何まで「ホワッツ?」な展開が続くが、言い換えれば「主人公は亜依理。男は皆舞台装置」とすれば話の流れにも合点がいく。
だが、それがNTRブランドが掲げるNTRかというとあまりに疑問符が残る。マスターアップしながら直前までHPを未完成のまま放置する等盤外戦でも活躍し、
改めて、我はKOTYeにありと声高らかに宣言したのだった。
季節も残すところ冬のみ、そろそろ年末の魔物が蠢き出そうとする気配を住民が感じ取る中、縮地法を用いて主人公とプレイヤーに急接近する三人娘がいた。名をTinkerBellの『せをはやみ。』
土地の淫欲の呪いを防ぐべく三人娘とSEXし続けるという王道の抜きゲーシナリオではあるのだが、本作は遠近法が完全に無視されている。
どういうことかというと、説明も脈絡もなく、話の流れや状況を完全に無視して、女性キャラの立ち絵が突如顔面接近のド迫力になり、モニター前の人間を「IYAAAAAAAAA!!」と驚かせるのである。
それはいつ何時起こるかわからないので、プレイヤーは爆弾処理の気分で慎重にクリックしながら、絶えず危険に備える外ない。
その様は作画崩壊も相まって「精神的ブラクラ」「野獣の眼光」とでも評すべきか。
一方でシステム面も酷く、非常に見難いフリガナは勿論、「アクメーター」「むんむんほかほか機能」「特殊効果」など、
onにしても何が付与されるのかさっぱり分からないコンフィグなどもポイントが高い。
余計な味しかしない隠し味を仕込んだ結果何もかも台無しになるという、シェフのおすすめできない一品といえよう。
その後はタイトルで調教としながら調教するシーンもなく、迫る娘に主人公が流されるだけで、AI妻とはわけのわからないテレフォンセックスなど、
コンセプトがあらゆる面で崩壊している、スワンの血統を継ぐ疑惑が掛けられた『AI(愛)妻と娘への調教生活』の選評が届く。
やれやれ、ようやく今年も終わりか……、そう一時的に安堵した住民だが、思いがけない黒船の奇襲を受けることになる。
海外の住民から、『JINKIーU』の第三の選評が届けられたのだ。
剝がした筈の化けの皮には、まだ三枚目が内包されていたのだ。それでは解明された全貌を補足していこう。
まずフレームレートの問題だが、一応外部ソフトを用いる事で出力を下げる事は出来る。だがその場合本来の想定外の起動手段なせいか、動作は文字送りすらカックカクのバッキバキで結局使い物にならない。
オプションも酷い。キーコンフィグすらないのは先に述べた通りなのだが、ESCで終了で戻るが右クリック、そしてオプション画面から戻る場合は右クリック後に左クリック。
この時戻る前にESCを押してしまうと右も左も使い物にならなくなって動作が詰む。「つまり、どういうことなんだってばよ!?」ESCキーは触れてはいけない。そう思っていればいい。
また本作が既読スキップもAUTOモードもない苦行極まる周回プレイ物である事は解説したが、ボリュームがあるかと言うとそうでもない。
「苦労は3倍なのに中身は1/3だな!」とでも言わんばかりにあからさまなシナリオ削除が散見され、
登場キャラの交流や掛け合いといったゲームに必要な本筋が明らかに抜けている。これでは登場人物に感情移入などできようもない。
音周りもかなりキツい。単調なBGMを適当なタイミングでループさせているため、RTSパートは虚無も相まって体は闘争ではなく睡眠を求める。
RTSパートの出来が無惨なのは技術的な問題もあるので仕方がないが、ステージは100以上あるのにマップは既視感漂う使い回しという「サモンライド」構成な事も追記しておこう。
以上が、『JINKIーU』の深淵の果てに設置された地獄の窯の底の錆の如き特級呪物の全貌である。
その潜在能力は、意図しない「年末の魔物」であり、住民を戦慄させるには充分な破壊力を持っていた。今年はこれで決まりか……? そう思わせるほどに。
しかしここはKOTYeである。最後の最後まで勝負は分からない。判定は一先ずお預けとなり、煩悩を濃縮する除夜の鐘は鳴り響いた。
そして年が明けて予備期間。住民はいよいよラストスパートに向けて静かに動き始める。
胸が締めつけられるような不安と恐怖入り混じる緊張感の中、果たして今年も何かがやってきてしまうのか……? そう危惧していた住民だったが、
やはり「それ」は登場してしまった。約束された闇の異邦人が今年も現れたのだ。
その名は、『モラトリアム~ブルーアワー幸せの時間~』。前年『悪魔と夜と異世界と』で大賞デビューを飾ったWendyBellが満を持して送り出した年末の魔物である。
あれからおよそ一年の歳月が流れ、奴らはどうなったのか……それではその全貌に注目してみよう。
まず前提として、本作は、あれほど『ととと』で問題視されていた「ダッサダサで構築されたシステム面」が直っていない。
4:3の前世代的な画面比率、ちょこまかと無駄に動く立ち絵、「ぷにぷに」「びゅ~」「ぴんぴん」等と何処かで拾ってきたようなウザいSE、
不自由な国語で構成されたあらすじと明らかに違う冒頭などあらゆる面が前作と類似している。容量に至っては1Gを割るという惨状だ。
絵に至っては、強欲な壺フェラの踏襲だけでなく、キャラが一枚絵のたびに本当に同一人物なのか疑問を抱くほど下手糞で安定せず、作画崩壊は日常茶飯事。
主人公は、内面でブツブツ言う癖だけは申し訳程度に治っているが、やはり調子に乗ったりヘタれたりイキったり流されたりという情緒不安定振りは健在である。
ではエロゲとして、「読み物」としての評価はどうか。こちらも凄惨極まる内容だ。
話の前後がまるで一致しない4コマ漫画のような描写をダイジェストのように強引に繋げている為、書くべき要点が圧倒的に不足しており、
ご都合主義も相まって人間が会話し、話が進んでいる感覚が根本的に抜けている。
ヒロイン二人は他国からの留学生なのだが、やはりこの点も描写不足であり、アーシャに至っては架空の国である必要性が殆どなく、異世界交流の方がまだ説得力があるという有様。
子猫のような奔放ヒロイン「アーシャ」と堅物で融通が利かないヒロイン「アデリナ」も、気付けばあっという間に惹かれ合い、気付けば濡れ場に突入している。
ただこれらの問題点だけを見れば、単にライターの実力不足で済まされるのだが、問題は終盤である。
アーシャの正体は実は王族の娘なのだが、彼女が母国に帰ると、他人が作ったパスポートで日本を飛び出し追いかける主人公や、
アデリナを置き去りにしたまま、架空の国の君主制を廃し民主制に移行する計画に割って入る主人公という頭の中身が愉快な超展開も存在する。
一方でアデリナルートは、アーシャが笛を吹かなきゃ話が進まない牛歩恋愛であり、早くなんとかしてくれよ……と思いながら進むシナリオに辟易する事必至である。
余談ではあるが、ダブルヒロインを謳いながら3P等といった甘ったるい展開は存在しない事も補足しておこう。
最後にHシーン。前述した通り絵が壊滅的なためエロゲとしての需要すら期待はできないのだが、更に異常なのが効果音。
挿入中は「ぐちゃ……ぐちょ……」と陸に上がった半魚人のような音が鳴り響き、ピストンが早まれば「ぐちゃぐちょぐちゃぐちょ」と律動し、
射精時には「どぼぉりゅ!」とチ〇ポからスライムのような異物でも飛び出したような音が木霊する。
伝説の『ママⅡ』は目を閉じなければヌけないと言われていたが、本作は目を瞑り耳を塞がなければヌけないという高度な手段を余儀なくされる。
しかも本作はアクチ付きなため、一度導入すれば売り飛ばす事も出来ない、PCに残り続けるウイルス的存在になるのだ。
このように『モラトリアム』は「あらゆる要素がどうしようもない」を芸のうちに昇華しており、プレイした者全員にめくるめく低品質を提供させることに成功している。
そのあたりは流石大賞を世に送り出したメーカーの面目躍如といったところか。
そしてトリはやはりというか何というか、アトリエさくらが食後の下剤を務める。
元探偵というスキルを活かし、無断で作った合鍵やカメラでの盗撮などの違法行為でNTR事情を探ろうとする主人公や心底出来の悪い立ち絵で、
プレイヤーを満遍なく不快に攻め立てる『妻・倉崎(くらざき)桜菜(さくな)の浮気調査~寝取られ妻の淫らな下半身事情』。
誤字の乱舞やCGとテキストの不一致という基本武装、寝取られ済の婚約者とボテセックスという疑問点の残るエンド、
既に見た寝取られビデオレターをPVのように何度も見せてシナリオを水増しする『略奪された婚約者(フィアンセ)~恋人・真澄(ますみ)と弟の秘密』の選評が届き、
激動の2023年は幕引きとなった。
ここで幕の隙間から顔を出すのを許可していただきたい。アトリエさくらは本年度9作品をエントリーさせ自身の持つワールドレコードを更新した。
それでも住民の「いつものアレ」以上の関心を掴められなかったのは、NTRというミームの潜在能力を捉えられていないからだろう。
先に述べた通り、NTRの持ち味は黒い絶望感。言わば劇薬の如し鬱展開である。
プレイヤーを嘔吐させ、インポテンツにし、心的障害を齎せる程の破壊力を本来は必要とされるジャンルなのだ。
それは必ずしもNTRモノである必要はない。純愛モノに不意打ちの様に忍ばせ背後から斬り付けるのも立派な策略だ。
竿役をコメディリリーフの様に扱い、女性役を背徳感とは無縁に振舞わせてはそれを描写する事などできない。
なお2023年中、スレに生粋のNTRリストが現れ、「NTR最高傑作は螺旋回廊。次点でPureMailとフタレター」とコメントし、彼の業の深さを垣間見せた。
アトリエさくらは是非これらの作品を模範とし、改めて発奮し、PTSDを引き起こすようなNTRを描写していただきたいと切に願う。
以上で、本年度のゲームを紹介し終えた。
太陽は奈落へ墜ち、月は神槌を受けて欠け、大地は爆動し、海原は濁渦を巻く。
終末さえ感じさせるアカシックレコードの断片を全て紹介したところで、大賞を発表しよう。
次点は、
『エルフェンキング』。
『モラトリアム~ブルーアワー幸せの時間~』。
そして大賞は、
『JINKI -Unlimited-』。
2023年度のKOTYeは、全月グランドスラムこそならなかったものの、選評数32本、前年比大幅増を記録した。
このエントリー数は歴代最多でもあり、15周年に相応しい数字であるとも言えよう。
しかし大豊作だったのかと言えば実はそうでもない。むしろここ数年の問題点の先鋭化はより顕著となってしまった。
評するならば、ゲームのクオリティが落ちたというより、クソゲーのクオリティの著しい低下である。
問題点が類似化され、ひたすら地味で盛り上がりに欠け、華もなく映えもせず、笑いやネタにもなりえないのだ。
特に低価格帯勢の陳腐さは凄惨極まりなく、この辺りは本家KOTY末期の状況と酷似している。
欠点の画一化は、真綿で首をへし折るかのような拷問となり、住民の心の街路樹を枯葉剤で葉っぱ一枚落ちない様にしおれさせていった。
確かに「安かろう悪かろう」は万国共通だが、値段相応は必ずしも否とは言えない。
かつて低価格帯の唯一神『softhouse-seal』は、ロープライスながらも、RPGやアクションに挑戦したり、主題歌を入れる等ネタ性やインパクト勝負で作品に熱意を込め、人々を大いに賑わせてくれた。
しかし今年のロープライス勢には、そういった気概すら感じ取れない、選評者が血反吐を出してようやく瞬間風速的な話題にできる程度のクソゲーばかり。
いかにKOTYeの精鋭といえど、ゲロうんこ茶漬けや無添加毒マフィンを食わされ続けては体が悲鳴を上げるし、生きて碑を残す気力すら失ってしまう。
粗製乱造が極まり、語っても拡がりが狭く感受も味わえず単純につまらない作品が氾濫した、数に比例しない艱難辛苦の一年だったと言える。
その中には確かに名言はあった。一芸特化を駆使することで個性を捻出し、存在感をアピールせんとする作品は本年度には特に多かった。
「放精」「その前に一度イクからちょっと待ってて」「ぽあぽあのぷあぷあ」「けつあな確定展開」「百合に男」「去勢」etc……。
しかしそれらに第一線を張れる力量はなく、精々が耐用年数1年未満の一発屋芸人の持ちネタに過ぎない。我々が求めるのはマクロであってミクロではないのだ。
故に、本年度のクソゲーに要求されるのは、そういった鬱積した感情を吹き飛ばすかのような、圧倒的『パワー』。
次点以上に選ばれたのは、そんな欲求不満を解決できるに値する選りすぐりが顔を見合わせる構図となった。
老兵が最期に遺した死に水『JINKIーU』。
古豪が心血を注いだ悲劇『エルフ』。
前年王者による低品質の堅守城壁『モラトリアム』。
これらはいずれも殴り合いながら奈落へと堕ちる毒腐拳の持ち主であった。
さて、ここで今一度KOTYeの立ち位置について振り返っておこう。
そもそもKOTYeは、その年一番の「クソ」な「エロゲー」を決める祭典であった。
しかしエロゲーは、コンシューマー以上に「嗜好品」という意味合いが強いため、より多角的な視点での品評が必要とされてきた。
故に「門番」や「選外」の概念はなく、有力視されたものを「次点」とし、その頂に「大賞」の戴冠が与えられるピラミッド制を続けてきたのだ。
思えば我々は創生期以来、「クソゲーとは何か」を探求してきた。
しかし本家KOTYの消滅によって、より深く入りこんだ根本的な課題と相まみえる必要を強いられた。
すなわち、「ゲームとは何か」。もっと言えば、「何故ゲームは作られるのか」。
富、名声、権力、人がゲームを作るモチベーションは数あるだろう。だがいつの時代も、創作の世界で人を突き動かしてきたのは一つだ。
それは、「夢の体現」である。
思い描いた誇大妄想を理想の形に押し込め誰もが笑って楽しめる娯楽に仕上げる、それこそが創造(クリエイト)精神だ。
エロゲーはそれにアダルト要素を一つまみしたものに過ぎない。
その「夢」を構築しようとして、「現実」という高くて分厚い壁にぶつかり、玉砕した末路。それが「クソゲー」となってこの世に生を受けるのである。
しかしその中において、本年度どうしても話題から切り離せないゲームがある。多方面から最低最悪の烙印を押され、某批評サイト年間ワースト1を搔っ攫い、
「何なのだ、これは!どうすればいいのだ?!」と戦慄させた、殉職した夢追い人『JINKIーU』だ。
事実一部からは「今年のKOTYeの大本命」「約束された大賞」と囁かれたこの作品。我々をこれをどうジャッジするべきか。
散々に袋叩きにした後奈落の谷に蹴り落とすのが正解なのか。一番石を投げた数で勝敗を決めるのが正解なのか。
だが、今一度待って欲しい。そんな評価はネットを探せば何処にでも転がっている。今更KOTYeでやる意味がない。
厳正な評価を下すのは勿論だが、やるからにはKOTYeでしか出来ない批評を持ってこの作品に応えるべきだろう。
成程、確かに『JINKIーU』は過去のKOTYe大賞と比較しても遜色のないクソゲーだ。
ストーリーは希薄、あって当然の機能すら何一つない、RTSパートは欠陥だらけ穴だらけ。正直、褒めるところを探す方が難しい作品である。
だが、プレイした者なら分かるが、『JINKIーU』の問題点は、詰まる所「未完成」による要因であるのが大きい。
出来ている部分をパッチワークの様に強引に繋げ、エンディングを付けただけ。そのため一線級のクソゲーでありながら、ショボさばかりが目に付いてネタとして挙げられる箇所に乏しい。
歴代KOTYe大賞等と比較すると、強烈な個性やインパクト性に欠け、単純にクソ要素の手数だけで構成されている感は否めない。
じっくり時間をかけてシステムの不備や出来の悪い部分を修正し作り込めばそれなりの物になっていた可能性は高い。しかし「現実」というクソゲーが、たらればを許さなかった。
解散を表明し、自身の死期を悟り、誰にも看取られる事なく縁側の下で静かに逝こうとするメーカーに、割り振れるような予算も技術も人員も何一つない事は容易に推測できるだろう。
すなわち、可能性の塊ではあったが、現実という壁に潰され何一つ成就できなかった悲劇性にこそ、『JINKIーU』の問題点は集約されていると言える。
かくして産まれた漆黒のエレクトリカルパレードの輝きは、「これはひどい」がそれ以上の語り口の拡がりを持たない本年度のクソゲーとは一線を画していたといえよう。
戯画からすればさぞ無念であろう。悲愴な駄作になると分かっていながら、徒花を作らなければいけなかった苦しみは察するに余りある。
されど死する時すら前のめりと最期までエンターティナーたれという姿勢こそ、我々は評価する。一人の老兵の生き様と死に様が遺した物語は充分に語り継ぐに相応しいものであった。
そして誰からも愛されなかった悲哀を優しく胸で抱き「よくやった……お疲れ様……」と労いの言葉を投げ掛ける。そんな温情もあってもいいだろう。
故に、本年度の大賞を、『JINKI -Unlimited-』とし、その遺碑に献花と祈りを捧げるものとする。
近年におけるSNSの発達は目覚しいが、その方向は多様性を源流としたインターネットという無限の空間でネタを楽しむ場ではなくなりつつある。
KOTYeは所轄ネタスレではあるが、ネタだからといえば何もかも許されると思っているのか、という声も少なからずあるのが実情だ。
事実本年度も、絵・キャラクター・主題歌・シナリオ、全てが最高な出来でありながら、最終決戦の絵画対決において、能力で幻覚を見せて勝利という「そうはならんやろ」と味噌がついた、
構想8年の結晶『サクラノ刻』の選評が届いたことで一部に波紋が及んでいる。
Kotyeが外部スレ故に、大きな混乱こそなかったが、スレ住民を「ゲテモノ食いの食材の味が分からぬ味盲者の集まり」と宣い断罪する者もいたほどだ。
確かにゲームをクソゲーと扱うのは、人が思う以上に勇気がいる行動ではあるだろう。ましてやそこにカタルシスやエンタメ性を求めるなど、異文化コミュニケーションもいいところだ。
我々は決してクソゲー認定者ではないと主張するが、所詮場末の俗物の偏った価値観など、大多数の前では容易く一蹴され存在を否定されるが道理だ。
そうでなくても、市場の縮小、大手の解散、低価格帯の大量流入、そして本家の活動休止……。
クソゲーを語る場は年々狭まっていっている。
これを言ってはお終いだが、折角高い金を出してゲームを遊ぶのだから、誰もが支持する名作だけをプレイしておけばいい、というのはいつの時代も同じだろう。
『KOTY』も、逆説的に万人に受け入れられるものならば、企画自体が成り立たないのである。
それでも我々が今日までクソゲーが語ってこれたのは、人が持つべき二つの究極のモチベーションによって支えられてきたからだ。
それは、『憎悪』と『愛』である。
例えば愛する者が殺され、復讐を誓う。例えば愛するものと生き別れ、己が地獄にいようとも再会を想って死力を尽くす。
その時、人はとてつもない力を発揮する。それは普通の人間には成しえない文字通り「全霊」だ。
思えばクソゲーオブザイヤーという企画は、その二つのモチベーションによって支えられてきた。
クソゲーを掴んでしまった怒りという『憎悪』を、皆と分かち合い笑って昇華する『愛』へと変えることで存続してこられた。
確かにゲームは大衆娯楽であり商品である以上、売れてもいなければ支持されてもいないものに価値を見出すのは難しいだろう。
しかしどれ程のクソゲーでも、樹海の中の泉の一滴を優しく手で掬う者。そんな人がいてもいいのではないだろうか。
エロゲ業界は終わった。そう囁く者もいる。それが本当かどうかは我々には分からない。
事実ガラパゴス化された日本のゲーム産業で、極めてニッチな人々にしか需要がない世界が先細りの一途を辿ることは予てから想像が付いていた。
コンシューマー市場ですら、携帯機が消滅し、製作費は高騰し続け、大半のサードは撤退、大手も過去の遺産とシリーズ物で食い繋いでいるのが現状だ。
実際、今の子供はゲームを遊ばなくなったと言われており、買い支えている層は高齢化の一途を辿っている。
しかしどんな形にしろ彼らはプロであり、商品を売ってお金を稼ぐ側である。どれだけ苦しかろうと言い訳をしていてはプロ失格だ。
例え彼らが断末魔の咆哮をあげたとしても、それはユーザーの耳には決して刺さらず、クソゲーとして粛々と処理されるだけである。
だからこそクソゲーをネタの肴として語り合い、面白おかしく馬鹿らしく楽しむ行為はある意味で健全な行為だと思う。
『KOTY』のようなイベントで、皆がネタを笑っていられるうちは、日本のゲーム産業にはまだ未来があると思われる。
それが完全に断たれた時、その時が、この業界の本当の「終わりの始まり」を指しているのではないだろうか。
その為に、我々はどんなに道険しくとも最前線に立ち続ける。
闇なくして、光は輝く場所は失うように、
雨なくして、晴れを悦ぶ者はいないように、
名もなき修羅達は今日もクソゲーの、心躍り焦がれる物語を後世に残すため今日も黒檀をかじり、汚泥を飲み込み続ける。
いつか終わると分かっていても、まだ終わらせることはできない。我々の痕跡が、誰もが笑って過ごせる安寧の時を招くと信じて。
最後に、心が強い正統後継者と住民の魂の決意表明を持って、2023年度のクソゲーオブザイヤーinエロゲーを締めさせていただこう。
「ただの住民じゃねえぞ。何度でも心の強さで立ち上がってクソゲーをプレイし選評にするド級の住民! ド住民だ!」
}
2024-03-25T12:07:22+09:00
1711336042
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2023年 総評案/総評案3
https://w.atwiki.jp/kotye/pages/903.html
*2023年総評案3 大賞:[[星と乙女が占う未来>星と乙女が占う未来 選評]]
【2023】 クソゲーオブザイヤーinエロゲー板 総評審議所
https://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/game/58649/1706966035/
#blockquote(){59:総評3:2024/03/03(日) 12:43:29 ID:???0
結論からいうと、結局完成できませんでした。
多すぎる作品たちをまとめるには、時間よりも気力が欠けていたに違いありません。
ですが
>>33氏のお言葉に甘えて、
中間がゴッソリ抜けた総評案だったものを、下のURLに置いておきます。
https://writening.net/page?Apu2F7
}
(URLの内容)
#blockquote(){2022年。それはクソゲーオブザイヤーinエロゲー板(KOTYe)にとっては、「クソシナリオ(orテキスト)での殴り合い」の一言に尽きるだろう。
シェアハウスのバーベナ荘、もしくは時を停めた館のどちらが決戦の地か、
そう思った住人に、福袋から『悪魔と夜と異世界と』が華麗にアンブッシュを決め、
クソテキストの極限を見せつけ、大賞のチャンピオンベルトをかっ攫っていった。
翌年の半分を過ぎ、酷暑の中ようやく提出となった22年の宿題レポートには、
ただただ夜よりも深い闇の【重さ】だけがあった。
兎年にかこつけて、月を眺める余裕も総評審議の合間はなかったに違いない。
ところで兎と言えば、何かと性欲に絡めて語られることが多い。
事実「子孫繁栄」の象徴の意味合いもあるらしく、先に述べてしまうがそれを受けて、2023年度のKOTYeは、
32件もの忌み子の悲鳴があげられたのである。
ここまでの大量発生には前例が無い。故に、一部のエントリー作品には軽くしか触れられないことも明記しておこう。
兎の脚力の速さを具現化したのか? 初の選評報告も、
今までに無い程早く、初報は2月末というスピード感。
『JINKI -UNLIMITED-』。すでに業界からはサヨナラ宣言した戯画の、ほとんど最後の花火。
しかし、このときはまだ全容が把握し切れておらず、
「右クリックの動作がおかしい」
「UIが不便すぎる」
「FPSの制限かかってないっぽい」
などの断片しか把握できなかった。というのも、完全クリアに至るまでの難易度が異様だったからだ。それ故にシナリオなど細部の精査が見送られ、
戯画マインは文字通り、マイン(地雷)としてスレに埋められたままとなった。
地雷を撤去しようとした探知機は、別の遺物を発掘するに至る。
North Boxの『高嶺の花と魔法の壺』。
公式サイトのストーリーやキャラ紹介からして
「生徒会長のA先輩」だの「身長170程度」だの
キャラの個性ってこの程度でいいでしょ、感が見てとれる。
徹底的にボイスを省く、今度はシナリオをとにかく薄める、
HシーンのBGMが雅の一言のそれ→お城の舞踏会みたいな洋風へと変化、などと前科二犯でありながら全く成長していない、どころか退化の面まである有様で、第二の門番へと名乗り出たのだった。
壺の選評に秘孔のツボを突かれたか。
毎度おなじみ、アトリエさくらが『他人棒でイキ狂い快楽に溺れていく最愛妻 ~見せつけられた快楽に絶頂する妻の痴態』で乗り込んできた。
NTRをいまいち描き切れていないのも毎度おなじみなのだが、
何故か間男の行為が「AV(市販の普通の)を送りつけてくる」、しかも旦那が開封という
もはや出前サービスでは? なシナリオには誰もが困惑の声をあげた。
作中の「その前に一度イクからちょっと待ってて」と言うセリフに
選評主だけでなくスレ住人も、口にしたくなるときめきを感じたが、
これでも、アトリエさくらの中ではまだジャブに過ぎなかった。
この選評が来ていた3月末に向け、地獄行き片道切符のダイヤがひっそりと組まれていたのだ。
戯画マイン、壺、アトリエさくらの初手。
そんな流れでもスレは雑談に花咲かせていたが、それはいずれ来たるパンデミックの予感、その不安の裏返しでもあった。
そこで、evoLLが雨の中提供したセーフハウス、その名も
『ラブカフェ ~童貞な俺でも、巨乳女先輩と同棲できるってマジですか?~』。
当作品を一言でいうなら、あらすじ詐欺。
「(前略)こうして4人の同棲生活が始まった。」
この一文をあらすじにわざわざ記入しておきながら、プレイヤーへと、いきなりの三択(プラス1)を迫ってくる。
そう、三人の先輩のうち、一人としか、同棲できないのだ。
しかも、作品内の選択肢はそこだけ。
全員のルートをコンプすると一見ハーレムルートへの道が開けるように見えたが、
その先には先輩達の全員ビッチ化、からの妄想オチという
結局何だったんだ? という感想だけが残る。
その中で、頻繁に使われる「放精」という表現。
一般的には魚類などの水生生物に使われる単語で、ひたすら単調なクソ要素の中、不思議な存在感をスレ住人に見せつけてくれた。
酷いあらすじで拵えたセーフハウスはやはり安全圏ではなかった。
すぐさまSUKARADOGの刺客、『虜囚の女ヒーロー ~怪人たちとの闇の狂宴~』の襲撃を受けてしまう。
「突破戦隊テクノブレイカー」だの「犯罪結社ポルチオーン」だの、頭が痛くなりそうな固有名詞。
変身ヒロインの悪堕ちものでありながら、怪人との戦闘描写もない。開始時点で既に捕まってしまっている。
戦闘の代わりにバトルファックを突然繰り広げるが、そんなものでニーズを満たしたつもりなのだろうか。
ふたなり化もできる女幹部以外のグラフィックもしょぼく、一部の文章は改ページ前後で明らかに繋がっていない、声優の演技が棒読み気味で悲壮感無し、
またしても
女幹部「情報を渡しなさい。さもなければ…」→三択の中から1つ(選択肢はこれのみ)
という、早すぎるデジャブまで。
しかし、本当の狂宴はまだ始まってもいなかった。
幹部から悪女つながりのバトンを受け取ったのは、
EvilHealの『Aphrodisiac -女神の欲望-』。
製薬開発者として賞賛されるも、本性は実験中毒のマッドサイエンティスト、な女医。
そんな悪女と大学生の主人公、同級生のヒロインと同じ大学のギャル。
彼女たちの間でインモラルなキメセクが……という作品だったのかも知れない。
繰り広げられたのは、オクスリの注射よりも赤ペン先生の注釈の方が必要だろ、と思うほどの度重なる誤字。
ギャルキャラが「また嫉妬がボンバーしちゃった?」というのはキャラ設定のバカさの表現だと解釈できても、
主人公が「え、それは早くマジいですね」と返答するシーンがあるのだ。
マジで何を言っているんだ、となってしまうが、一応パッチでこれらの誤字は直っている。
ただ、あえて選評からほぼ引用させてもらうが
>しかしながらそもそもの話、発売後にパッチで修正すれば良いだろうという考え自体が普通に考えたらおかしいのである。
>(中略)
>だが本作は所詮数時間程度で終わる低価格抜きゲーである。
>こんなボリュームも糞もないような作品で一度推敲すれば分かるようなレベルの誤字を何箇所も見逃すのははっきり言って手抜きと言うほかないだろう。
その意見を、作り手だけでなくスレ住人たちも一度しかと受け止めるべきだったのかも知れない。
だが、パッチでの弱体化に納得できなかったのか、未知のウイルスが流出し暴走、パンデミックを巻き起こした。
ここから先、1週間に1度以上のペースで選評が届くという、異常事態が(途中に20日の間をあけてだが)5月下旬まで続く。
ここまでされてしまうと、もはや総評を書いている筆者のキャパシティもボンバーしかねない。
故にここからは、いくつかのエントリー作品に触れず省略することをお許し頂きたい。
未知のウイルスだろうと既に病気さ、なんともないぜ、と言わんばかりに
わるきゅ~れが『病みつきヤンデレハーレム!』で迎撃態勢に入る。
昨今のファッションヤンデレ(或いはメンヘラ)たちに見せつけるかのように、
今作のヒロイン達は「狂い」と「愛」とを両立させている。
だが彼女達以上に狂ってしまっているのがテキストで、例としてよく挙がる「馬から落馬した」を十倍以上に酷くした、主語と述語の錯綜した文章。
いつぞやの自動台車《キラキラルビ》にも劣らない、テキストの障害物走を我らに強いてくる。
開幕先輩キャラから「誤字や脱字が随所に見られるわ。(略)それとも『ながら作業』でもしていた?」
と主人公が注意されるのだが、まさに「お前が言うな」である。
しかし文章を直したところで症状は治まらない。
何故なら地の文がほとんど三人称だからだ。
それが効果的に使われているわけでもなく、先ほどのように、テキスト自体の解読作業まで求められる。
「病みヒロインに詰められる恐怖」を味わうには、そのハードルが高すぎると言わざるを得ない。
精液の表現に「生殖汁」、「遺伝子汁」、「オス汁」など多彩なバリエーションを織り込んでいたりと、褒められ、もしくは十分なネタ要素もあるにはあるのだが。
エロゲーと言うより校閲者の修行向けになった文章を完走したランナーに、
作中の誤字をもじって「選評頑張たわね」との賛辞が贈られたのは言うまでもない。
その後にはMielの
『上司の巨乳騎士団長は俺の肉オナホ! ~年下恋人から中出し漬けで寝取って孕ませ穴に!~』が、後陣を務めようとし、KOTYeの「騎士枠」を担わんとした。
しかし、ボリューム不足の羊頭狗肉っぷりや、もはや基本芸とまでの誤字脱字、スクリプトの指示ミスなどの問題点。
何より「金髪ツインテの甘ったれ娘の方が似合いそう」とまで称された、騎士団長を名乗るには名折れ過ぎるミスマッチな声が最大の難点だった。
そんな中では主人公に固有名詞も名前設定もないことなど些細なこと、のように見えたが、これが後のゲリラ戦の予兆だとは誰が予測できただろうか。
巨乳団長の惨劇ヴォイスに震えるスレは、突如ゲリラ戦の如き混乱事態に巻き込まれる。
iMelが、Rosettaブランドの名で放った光学兵器、
その名は『星と乙女が占う未来』。
発売日は、Switch版がなんと2022年12月22日で、Steam版が2023年1月26日。
この内、「これこそクソだ!」と掲げられたのは、後者の方である。
発売日だけをみれば、JINKIの前日故なのか、真の門番としてスレを賑わせた。
一旦、Rosettaブランドに関して軽く説明をすると、ニンテンドーSwitchとSteamで「百合(風)ADV」を提供している。この内デビュー作以外にはSteamでR-18パッチを配布する、という手法をとり、今回はその2例目となる。
ブランド自体が「百合恋愛」→「女装男子と少女のドタバタ恋愛」と来て、今回はキャラ紹介に男性がいない。
つまり百合ゲーだな? と予期してコイツに触れた者の末路は、3つに分けられる。
1つ、Switchで百合風ノベルを楽しむもの。
2つ、Steamにて、パッチを当てずに以下同文。
3つ。パッチを当てて、エロゲーとしてのクソ要素に触れてしまい、爆殺されるもの。
スタンド能力『キラークイーン』の如く、穏やかな雰囲気の百合ノベルに擬態しておきながら、プレイヤーの心を始末させようとする蛮行が、スレへは悲痛な叫びで届いたのだ。
このゲームには分かりやすい恋愛要素もあえて(?)描かれない上、男性的存在も限りなく抹消されている。
モブキャラの占い対象と、前作主人公だけが例外だが、モブには当然立ち絵やボイスもないし、先述の通り前作主人公は男の娘だ。
それなのに、エンドロールの後、ノベル部分における主人公(もちろん女性)のいずみは、何者でもない竿役の「あなた」と、エロシーンを繰り広げるのだ。
この竿役だが、ありとあらゆる要素が、存在しない。
立ち絵もない、CVもない、名前もない。ここまではよくある。
台詞がない。エロCGにおけるグラすらない。ノベル部分本編での絡みさえもない。いわゆるチンファンネルという手法すら取らない。性別さえも明記されない。
だのに「太くなったモノをいずみに挿入する」というニュアンスのテキストはあり、下手すればこの竿役、ふたなり女子なのかも知れないのだ。
上記のような、ないない尽しのエロ部分。
キレイな姿だけはしているが、「ベッドに裸体でまたがっているだけ」の様を騎乗位だの言い張るなど、エロゲーとしては失格点すら危ぶまれかねない。
スレから一部抜粋するが、
「これを商業エロゲと認めるのだいぶ癪だな」
「全裸でポーズ取ってるだけって言われても信じる」
「なんならヌードアートの被写体と言われたらそうだよねって感じだな」
と、名目だけの"忍び"ばっかりだったKOTYeに真の忌み、ならぬ意味でのニンジャっぷりに住民達はリアリティショックを起こし、
(そもそも「男性向けエロゲー」の基準って何だっけ・・・?)
との議論が始まりそうになった。
そんな大いなる意思のオモチャにスレをされてたまるかと、
アトリエさくらから送られた
『好きだった幼馴染がクラスメイトのオモチャになっていた件』が事態の収拾に動こうとする。
しかしその正体は、2019年に選評が届けられた『淫らに堕ちる、最愛彼女』のコピーロボットだった。
導入、展開、選択肢、背景までもを使い回し。
その上で2周目のヒロイン視点では選択肢をドカ盛りにして、
最低限の労力で、最大限の苦痛を与えんとするかの愚行。
ともあれ、スレの混乱を鎮めるには十分であった。
>JK従属学園(選評:4/11) 以下いっぱい省略
>お願い もう許してください は、まさに今の自分の気持ちかも
>色々飛ばして次点と大賞。
さて、ここで2023年度のKOTYeの次点と大賞の発表に移りたい。
次点は
『JINKI -Unlimited-』
『ナマイキユメちゃんはおにぃとメチャクチャHしたい! ~ギャルと教師のドキドキ同棲生活~』
『モラトリアム ~ブルーアワー幸せの時間~』
大賞は
『星と乙女が占う未来』
とする。
おいちょっと待て、という声を挟みたいかもしれないが、
まずは、一旦次点以上の採用基準を述べさせて頂きたい。
今期も例によって例のごとく、テキスト主体のゲームばかりが担ぎ込まれる事態となった。
希有な例外こそが『JINKI』ではあるが、
その上で「クソテキスト・シナリオの中での斬新さ」を基準とさせてもらった。
『ユメちゃん』はケツあな確定という時事ネタとの偶然の一致による笑いもさることながら、「主人公」の文字列がもたらすバグ、という今までに無い手法で勝負してきた。
ただ、『モラトリアム』は、評価点の部分において一切張り合える部分がない。
一応のジャンル要素、作品として楽しめる部分が存在すること、
頑張った姿勢は見受けられる他のエントリー作品に対しても、負の方面でしか張り合うことができない。
絵のクオリティの低さ・システム面での拙さを『悪魔』から引き継いだ上で、あちらとは違うやり方でシナリオまでダメにしてくれた。
唯一、「突然の民主化」で笑いを取ることはできたが、
それすらも"乾いた"笑いでしかなかっただろう。
悪い意味での「斬新さ」には、困惑しか生まれず、
これはこれで究極のクソエロゲーとでも言うべきだろうか。
こいつらに比べると、他のエントリー作品は総じて「どうせクソでも比較すれば小粒だろ」の域を出ず、斬新であるとまでは言い過ぎの感が拭えなかった。
あえて語らなかった『JINKI-U』だが、「斬新さ」においても異端であった。
『JINK-U』はUIのクソさ、フレームレート無制限、ゲーム自体の難易度で、
肝心のエロ自体にも易々とたどり着けさせてやくれず。
そのエロすらも、グラもリョナ描写も満足には程遠い。
まさに、最上級の戯画マイン。
……では、どうしてそこまでの特級呪物を差し置いて、
筆者は『星と乙女』を大賞に選んだのか。
一見、世間の評判も良く、百合風ノベルとしての部分を褒め称える声もネット上では散見される。
しかしコイツもまた、“クソエロ”ゲーとして見れば最上級なのだ。
理由はシンプルで、「エロ要素の入れ方がおかしい」、このたった一つの答えである。
しかしその上で、作り手の苦悩が生み出した「透明なエロ表現」、とも推測できる。
いまや、人種から性別までも多様性が叫ばれる時代。性のマイノリティーにもスポットライトが与えられる、そんな今。
エロゲーの竿役は、その「多様性社会」から逃げていいのか? そこから逃げずに、おセックスを表現するなら?
その苦悩の果てに、「竿役の個性を、極限の極致まで殺す」という結論に至った。
或いは、「今回も追加のエロシーンよろしくね、だけどイラストと声優雇うお金はケチるから(^ ^)」という上からの無茶ぶり故の特大ボーク。
このようにも、推測できないこともない。
ここで、あえて忌まわしい記憶を掘り起こそうか。
あの、戦場の宙を舞い、シリーズファンの心をブレイクした【新月の煌めき】を。
悪しき個性の塊とでも言うべきあの輩とは、『星と乙女』は全く以て違う存在でありながら、両者には全く同じ部分がある。
「竿役一つで、クソエロゲーになった」
という点だ。
ベクトルは全く逆方向のはずなのに。結果は恐ろしいほど一致してしまう。
これを“クソエロ”ゲーと言わずして何と言うのか?
ゲームとして、及第点でも。百合風ノベルとして、楽しめた部分があったとしても。
最後のトッピングで全てを、狂わせてしまえる。
あえて、いつぞやの『チーズ』へのアンチテーゼとして。
「クソエロゲー」としての、レベルが他者とは違っても。
「クソなエロ」の突き抜けっぷりで、コンパクトな箇所でもインパクトを残した。
このような理論ではあるが、挑戦者の、全く新しい、ステルスキルに敬意を表し
『星と乙女が占う未来』へKOTYe2023大賞の座を与えよう。
そして願わくば、作り手にもユーザーにも、
安心して眠れる夜が、過ごせる未来が訪れんことを。
23年度のKOTYeは、どうしようもない何かばかりが、まるでオールスター大乱闘の如く入り乱れ、
そのクソたちの中にも(何故そこでクソ要素を出す?)と思いたくなるような、斬新な切り口を披露するソルジャー達が存在した。
その一方で、業界の縮小傾向、並びに「ポルノ作品の入手の容易さ」が垣間見えるような、そんな閉塞感も、2023年度には漂っていただろう。
たびたび某所では総評動画の終盤を「哲学」とコメントする者が見受けられるが、
エロゲーの作り手や受け手、KOTYeスレもまさに哲学的な目線で、「エロ」と向き合わなければならない時間が迫ってきているのではなかろうか。
そう考えると、我々が迎えるべき「未来」とは? 業界の動乱は、決して「ゆっくりと動き」はしない。
それでも、今はあえてまだ猶予期間(モラトリアム)だと、笑いながらも全力疾走してやろうじゃないか。
クソと虚無とが漂う、未来に向かって、だとしても。
最後に。
『星と乙女』の題名にカケて、または業界の未来に対する不安や終焉の予兆を打ち砕く意味も込め、
とある音ゲーの楽曲
「BREAKING THE FUTURE」から、印象的なシャウト部分の一単語だけを差し替えて、
この総評の結びとしたい。
――We can take the “keeping” as long as we do it together!!
(我々が一緒にやる限り、保持し続けることが出来る)
}
2024-03-25T12:02:19+09:00
1711335739
-
2023年 総評案/総評案2/第1.02稿
https://w.atwiki.jp/kotye/pages/902.html
*2023年総評案2第1.02稿 大賞:[[Jinki -Unlimited->Jinki -Unlimited- 選評]]
【2023】 クソゲーオブザイヤーinエロゲー板 総評審議所
https://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/game/58649/1706966035/
#blockquote(){79:総評2:2024/03/11(月) 22:25:06 ID:???0
先に、受けたご指摘をもとに手直しした総評案2の改訂版を挙げておきます
結びの部分のみ、今後の議論次第で大きく変化する可能性もあるため、現時点では修正を保留とさせてもらいました
https://writening.net/page?2vDwN6
今後の進め方ですが、まず「総評人双方ができるだけ納得できる決め方」を決めるべく、総評人同士で意見のすり合わせを行ってみるのはどうでしょうか
自分としては、主張したいことはだいたい総評案に込めたつもりなので、あとはそれがどれだけの支持や共感を得られるかだけだと思ってます
その上で、より納得できる決め方となると、「単純に支持表明だけを募るのではなく、支持するポイントと理由をなるべく具体的かつ詳細に挙げてもらう」くらいでしょうか
例えば、「ベース案にはこちらを推すけれども、こことここはもう一方の案から取り入れてほしい。なぜなら~」のように
あるいは、甲乙つけがたいのであれば、最終総評に残したい箇所や要素を両総評案から選んで列挙する形などでも歓迎です
要は、単なる投票にしてしまうのではなく、できる限り議論の形式に近づけたいという意図です
参加者の皆さんの負担は増してしまいますか、そのぶん最終的な決定稿をスレの総意に近づけることできるのではないかと思います
期間は、長すぎず短すぎずだと2週間程度ですかね
並行して、大賞理由や、結びでのKOTYeの在り方論といった要点について重点的に意見交換を進められれば効率が良さそうです
}
(URLの内容)
#blockquote(){クソ路はすべて闇の中である。
2022年のクソゲーオブザイヤーinエロゲー板(KOTYe)は、熱意なき駄作同士がつまらなさを比べ合う、苦難の道行きとなった。
泥濘の底で覇者となったのは、流行のポップソングをボソボソ歌う音痴の自称ロックンローラーこと『悪魔と夜と異世界と』
王道に便乗しながら王道を茶化し、傲岸不遜と自己卑下、中二病と高二病という異なる概念を低い次元で両立してみせ、修羅の国の強者にして怯者として名を成したのであった。
常闇に沈んだ暗黒大陸に、一寸先の光は差すのか。
かつてない規模の祭りが始まろうとしていることを、住人たちはまだ知らない。
いまだ前年の総評審議も始まらぬ2月末。
それは遅れすぎて最初にやってきた。
年末の魔物を超越した年始の魔物、RTS+ADV形式で開発されたファイナル戯画マイン、『JINKI -Unlimited-』である。
前年12月初旬にマスターアップが宣言され、12月末の発売を予定されていたが、「思いがけない重大な不具合」を理由に1ヶ月延期。
このとき戯画は3月末をもって開発・販売・サポート業務を終了する旨を告知しており、真のデッドラインが迫る中での発売となった。
我先にと戯画の遺作に挑んだプレイヤーたちは、特定箇所で確定フリーズする進行不能バグに見舞われ、自分たちが有料デバッガーとなったことを悟る。
当日中に修正パッチが出されるも、すぐに別の進行不能バグが発生。
さすがに手詰まりかと思われたそのとき、先のパッチでデバッグモードが開放されていたことが判明する。
真の意味での有料デバッガーたちが誕生した瞬間であった。
バグの壁をも越える力を得てクリアへの道は拓かれたが、Hシーンだけを全回収して戦線を離脱する賢者も現れる。
事態を重く見てか、戯画は次なるパッチでデバッグモードを封鎖。
対して、あえてパッチを当てずデバッグモードを使い続けるといった駆け引きもありつつ、アップデートは繰り返されていく。
そうして、ユニーク敵が無限に湧く・パイロットのレベルが99を超えると1に戻る・セーブデータが肥大化する等々のバグは駆逐されていった。
バグとデバッグ絡みで七転び八起きしたプレイヤーたちであったが、本編では七転八倒を強いられる。
いや、正確には本編開始前、起動した時点からである。
というのも、本作はフレームレートが制限されておらず、並のGPUでは常時稼働率100%を免れない。
文字通り「Unlimited」であり、起動した瞬間にタイトルを回収する大記録を打ち立てた。
ほかにも、RTS・ADVの両面において多岐にわたる問題点が指摘されたが、報告者は完走を前に力尽きてしまう。
全容の解明は、後に続く者へと託された。
最後の戯画マインは、墨染の空に風穴を開けた。
やがて春を迎えたそのとき、空の穴から選評が降り注ぎ始める。
花びらのようにしんしんと、しかし絶え間なく、過去に類を見ない物量で。
それは、解散した戯画や、眠りについた据置版クソゲーオブザイヤーへの慰労か、あるいは最後の現役戦士となったKOTYeの生存本能か。
葬送の桜祭りは拡大の一途をたどり、選評数は5月までで20本に迫ることとなる。
近年の常連組からは6作が祭りに参列した。
先頭は、3年連続となるエントリーを果たしたNorth Boxの『高嶺の花と魔法の壺』である。
前作では相反する設定の不協和が指摘されていたが、それは完全に解消されている。
潔すぎる手段、すなわちシナリオをできる限り無に近づけることによって。
というのも本作の中身は、「主人公がひょんなことから手に入れた魔法の壺の精に、やりまくりたいと願って叶えてもらう」、ほぼそれだけなのである。
加えて、演出面の省エネ効果も際立っており、出番の多い壺の精も含めてヒロイン以外のボイスなし、モブの立ち絵はシルエット表示。
30年近く前の著名サウンドノベルをオマージュした、温故知新の精神の表出であろう。
ピストン音にはバリバリというノイズが交じっており、これもまたかつて存在したバリッと響く射精音を思い出させた。
HシーンにそぐわないBGMも健在であり、今回は琴の調べを思わせる典雅な音色が煩悩を霧散させる。
思い切った決断でハマったのは壺ではなくドツボであったと見るべきか。
続いて、evoLLの『ラブカフェ~童貞な俺でも、巨乳女先輩と同棲できるってマジですか?』が、あらすじ詐欺を仕掛けた。
「4人の同棲生活」との触れ込みながら、実態は2人の同棲生活×3ルート。
最後に解放されるハーレムルートでようやく実現かと思いきや、非処女ビッチ化したヒロインたちとやりまくるだけの妄想オチで終わってしまう。
思い描いた「4人の同棲生活」など、夢のまた夢である。
ほかに強く印象に残るのは、射精のことを「放精」と表現する独特の言語感覚くらいであった。
ここで2人のヒーローガールが会場に舞い降りる。
1人目は、SUKARADOGの『虜囚の女ヒーロー ~怪人たちとの闇の狂宴~』
悪の組織ポルチオーンに敗れた突破戦隊テクノブレイカーの紅一点が、仲間を人質にされてバトルファックを強要される話である。
この時点で察せられる通り、本作には突っ込みどころが非常に多い。
まず、ヒーロー調教モノとしての様式美は無視されている。
戦闘敗北の描写を割愛して監禁済みの状態から始まり、怪人の精液による催淫効果で1回目から即発情、快楽に抗えないままあえなく絶頂である。
徐々に快楽堕ちしていく過程など描いていては、現代のスピード感にはついていけないという判断であろうか。
また、主人公の思考回路が頓狂であり、いかなる状況下でも戦隊ヒーローとして実力を行使する発想に至らない。
脱出のために見張りの戦闘員の無力化を試みる際にも、力づくで勝てる相手だと認識しながら率先してバトルファックを仕掛ける有様であり、正義のヒーローならぬ性技の披露と揶揄されている。
ほかにも、省コスト感あふれる怪人の造形、マ◯ンガーZの劣化パクリに出てきそうな敵ボス「ポルチー王」など、総じて昭和の荒唐無稽な特撮の欠点を煮詰めたような出来であった。
2人目は、アパタイトの『清純ヒーロー×ビッチ墜ち!! ~悪の組織に調教される乙女の心の移ろいは…~』
見せかけは魔法少女凌辱モノであるが、内実はそのお約束を茶化し続けるコントであった。
なにせ主人公には悲壮感がない。
もっと堂々と調教しろと敵を説教し、売春を強要されそうになれば報酬の安さに怒り、敵に料理の腕前で負けて悔しがる。
そいて敵側にはゲスさがない。
農家との提携について主人公を交えて真剣に会議し、拠点のローンが未完済であることに悩み、主人公の孕ませを助産師不在を理由に一度は断念する……といったように、立ち位置もわからない。
ほかにも、快楽ではなく充実した職場環境に堕ちた主人公が孕んだり、悪堕ち後と見られていた姿は敵が用意した衣装に着替えるだけで、投げやりな生着替えを見た敵のほうが恥ずかしがったりと、最後まで仲良くエロ行為に励む。
バカゲーならバカゲーとして、もっと堂々と告知しろと説教されたのもやむなしであった。
そして常連部隊の後詰めは、
内容以前にシステムが劣悪で、未読・既読スキップの切替やクリック後の音声継続すらない一方、アニメ演出が未搭載にもかかわらずそのオンオフ項目は無駄に存在する『ママ僕だけを愛して… ~キモデブ息子を溺愛する母の歪んだ愛情~』と、
タイトルに掲げた「盗聴」要素はモノローグで説明されるだけでボイスなし、「妄想」要素は見当たらないという世知辛いタイトル詐欺をやらかした『カノジョの性癖 -盗聴×妄想-』が務めた。
常連といえばのアトリエさくら勢も、当然のように臨席。
単独ですでに4本ものエントリーを果たし、大いに面目を躍如している。
過去のエントリー作品から話の骨子を流用しただけでなく、導入部の選択肢の主旨と背景に至ってはまったく同じだった『好きだった幼馴染がクラスメイトのオモチャになっていた件』、
立ち絵ミスによる「全裸からの瞬間着衣」に「返信→変身の誤変換」がシンクロして起こった正常化現象と、竿役が五七七の韻律で放った台詞「その前に一度イクからちょっと待ってて」が好事家を唸らせた『他人棒でイキ狂い快楽に溺れていく最愛妻 ~見せつけられた快楽に絶頂する妻の痴態』、
「チャラ男に薬を盛られてレ◯プ→脅されて関係継続→快楽堕ち」のテンプレ展開が、薄っぺらいキャラ設定すら置き去りにして儀式のごとく粛々と進む『堕とされた義姉 ~憧れていた義姉がクラスメイトの手で快楽調教させられていく~』が、それぞれの個性で場を温め、ときに冷やした。
中でもとりわけ耳目を集めたのが『妻、宇佐見恋を抱いてください ~夫公認公開恥辱NTR~』であった。
NTR+痴漢というジャンルの性質上、多少の不条理展開やご都合主義は許容されうるが、それを差し引いても「筋書きありき」の度が過ぎており、登場人物たちの言動は不可解極まる。
ヒロインは、物事をはっきり言う上に罵倒もスラスラ出てくる強気なタイプにもかかわらず、痴漢にあっても口撃以外はされるがままで、肉体的な抵抗や反撃は一切しない。
理由は「被害者扱いされたくないから」とされているが、現在進行系で行動をエスカレートさせていく痴漢に対し、有効かつ実行可能な抵抗を放棄してただ耐える理由にはなるまい。
ほかにも、主人公が仲違いした妻との仲裁を頼む相手がよりによって竿役、イケメンで女に不自由していない竿役がヒロインに痴漢した理由が「巨乳だったから」のみ、等々、ストーリー展開に納得感がなさすぎる。
また、ヒロインと竿役は若い男女でありながら、台詞回しに加齢臭が漂っている。
恋愛経験がほぼないヒロインの語彙に「他人棒」「弾丸みたいなピストン」「弾丸というより男根」やらが含まれるのは興ざめであり、竿役は、
「イッてよし」
「キミのマ◯コの声は……キミより俺のが聞けてる」
「熱いマ◯コを初体験という俺の童貞……捧げてやったぜ」
のような凍える台詞を吐く。
そんな本作の最大の見せ場は、主人公が妻を奪還するかあるいは離婚かを賭けて竿役との勝負に挑む場面であろう。
夫の勝利を信じて応援する妻、それを受けて意地を見せる主人公。
夫婦愛は感じさせるが、しかし競技内容は「射精我慢比べ」である。
竿役がヒロインを抱き、主人公はそれを見ながら自慰をする形式となっており、非常にシュール。
その際の、
竿役「さあ旦那さんイケよ!」
主人公「僕はイカない!!」
ヒロイン「あなたはイカないでぇえええ!(私は)イクぅう~~~~~ッ!!」
という掛け合いは噴飯ものであった。
近年、粗製乱造を繰り返すアトリエさくら作品の中では、パワー感のある仕上がりといえよう。
常連組以外からも、新参と再訪をあわせた多彩な顔ぶれが揃った。
露払いを務めたのは、悪女属性を特色と謳うEvilHealの『Aphrodisiac -女神の欲望-』
サイコパス気質のマッドサイエンティストをメインヒロインに据えているが、その特異な設定を貫けていない。
というのも、オチがあまりにあっけないのである。
惚れ薬を飲んだら恋心を自覚してハッピーエンドやら、ヤクザに襲われるとあっさり屈して情けなく許しを請うやら、悪事を暴露すると言われるとすんなり受け入れて逮捕やら、マッドの矜持を放り出す結末が多い。
また、誤字脱字が非常に多く、「それはいいんだけが」「当たり間ですよ」「変ことしようしてます?」「初めての浮かぶ環状」「え、それは早くマジいですね」等々、校正したか疑わしいほどの数が確認されている。
結果、作中の迷言「嫉妬がボンバー」になぞらえ、プレイヤーの頭がボンバーと皮肉られたのであった。
次に現れたわるきゅ~れの『病みつきヤンデレハーレム!』は、同じく誤字が目立つだけでなく、日本語が怪しい部分までも散見された。
中には、
「扉が開かれると、そこから顔を出したのは、学生服に身を包んだ、幼馴染の美愛が入ってきた。」
のように、主語と述語の係り受けがとっ散らかっている例までも確認されている。
作中で主人公は、ヒロインから文章のおかしさや誤字脱字の多さを指摘され、
「慌てて書いたでしょう?それとも『ながら作業』でもしていた?」
と注意されるが、それを言いたいのはプレイヤーも同じである。
そのくせ、精液の表現は「オス汁」「生殖汁」「遺伝子汁」などと無駄に豊富なのがしゃらくさい。
また、HシーンにそぐわないBGMも採用されており、メーカーの垣根を超えた流行の兆しが垣間見えた。
本作においては、まず探偵モノの推理中を思わせる曲が流れ、1回射精すると、激しいクラシック調の曲に切り替わって2回戦に突入する演出になっている。
ラスボス戦さながらのテンションをHシーンにぶち込んで笑いを取る、その手法が最も「病みつき」であったやもしれぬ。
変わり種から花開いた大輪の曼珠沙華、Rosettaの『星と乙女が占う未来』も、祭りに死色を添えた。
女性同士の交流を描いたライトな百合作品であり、PC版に先行してNintendo Switch版が一般向けゲームとして販売されている。
そうした経緯もあってか、PC版も本編にアダルト要素はなく、エンディング後にまとめて追加収録という構成である。
そして、その追加部分こそが大いなる波紋の発生源となった。
Hシーンは4つあれど、主要登場人物同士の絡みは皆無。
すべてのシーンが、主人公と、前触れなく追加された謎の恋人「あなた」との組み合わせであった。
この「あなた」なる存在は、名前や姿はおろか性別に至るまで明確な描写がない。
最初から最後まで一言も発さず、透明人間であり、透明チ◯コの描写すらない。
ただし、大きくなったモノを主人公に挿入する主旨のテキストはあるため、少なくとも生えてはいるらしい。
要するに、百合作品に対する不意打ちでのチ◯コ投入であった。
百合好きにとっては、男の影がちらつくだけでも異物混入事件たりうる。
まして一物挿入ともなれば、冷や汗・動悸・息切れ・めまい・嘔吐などの重篤なアレルギー症状を引き起こしても不思議あるまい。
また、事前に純正百合を装う前フリも周到であった。
すなわち、
・メーカーの過去作は百合と男の娘モノで、男臭さがない作風だと認識されていた
・過去作のジャンルは、それぞれ正しく告知されていた
・本作にも、販売サイトで百合やレズビアンのタグが付けられていた
・百合ゲー専門のレビューサイトには一般向け版が提供され、最後までプレイして間違いなく百合作品であると認定されていた
といった念の入りようである。
数々の仕掛けは功を奏し、本作は「百合と『あなた』がまぐわう地雷」として悪名を轟かすのであった。
この波に乗じて、
マッシブで気丈な女騎士に、舌っ足らずのたどたどしい声を割り当てる重大なミスキャストをやらかした『上司の巨乳騎士団長は俺の肉オナホ! ~年下恋人から中出し漬けで寝取って孕ませ穴に!~』と、
17年前の作品のほぼベタ移植をフルプライス販売するも、ウリにした追加部分は絵柄と声が本編とちぐはぐなスキップ13秒の夢オチだった『淫堕の姫騎士ジャンヌ RE:BORN ~オーガの仔種を注がれる気高き姫!~』もエントリー。
前後して、ZIONの『ワケありJK従属学園 ~強制絶頂は終わらない~』も、絵に全振りで残りは雑な近年流行のスタイルで参加している。
シナリオ冒頭から早くもあらすじと矛盾しており、「ヒロインは男子生徒たちを手玉に取っているはずが、いつの間にか絶頂地獄へ~」のはずが、処女喪失シーンで絶頂を寸止めで完全にコントロールされて完敗を喫する始末。
その際にヒロインが「ヌアァーーー」と咆哮を上げるところにも現れているが、本作のテキストには珍妙なセンスが充満している。
男子生徒たちの名付けからして、まず頂点に君臨する3人がS1・S2・S3、みんな揃って「SⅢ」(スペシャルスリー)である。
そしてモブたちは、男子生徒A~Dやらαやら2やらが順不同で現れるという、マドハンドもかくやの乱立ぶり。
文体も独特であり、「男根の美味を味わう」や「子宮口を亀頭が消しゴムのように削ってくる」といった、わかるようで引っかかる言い回しが多い。
「黒光りするイチモツが信じられないほど高速で揺れている」というピストン表現は、字面だけ見れば全裸での激しい腰振りダンスである。
しまいには、射精を「放精」とする表現が他メーカーと被ってしまう「放精マイフレンド現象」をも引き起こした。
絵にしても、モブが貧相すぎてヒロインとの格差が際立っており、金持ち男子と借金苦女子というコンセプトを毀損している。
大切なのは全体の調和であり、「ハンバーグだけ上等でも、バンズが釣り合わねば忌まわしいハンバーガーの域を出ない」話を想起させる仕事ぶりであった。
突然の確定演出とともに、とこはなの『ナマイキユメちゃんはおにぃとメチャクチャHしたい! ~ギャルと教師のドキドキ同棲生活~』も姿を表した。
紹介文によると本作は、「ときに傷つき迷う等身大のキャラクターを配し、関係性を掘り下げ、低価格帯であっても満足感のある濃密な内容を提供する」らしい。
しかしながら、これは実態と大きく乖離している。
最初から最後までダダ甘ライトで、傷つくことなど一切ない。
主人公が教師と生徒という立場に悩むのも最初だけであり、ヒロインに全裸で迫られるとあっさり陥落して猿と化す。
そもそも、主人公とヒロインが急接近するきっかけからして「ヒロインがアナニーに使用したペンがケツ穴から取れなくなり、主人公に取ってもらう」である。
ときに傷つき迷いながら掘り下げるとの売り文句が、まさか肛門を指していようとは。
恋人同士になった後ならまだしも、それが急接近のトリガーとなるのはさすがに前代未聞であり、「ついに修羅の国にもけつあな確定の波が」と驚きをもって迎えられた。
また、本作は主人公の名前に関する不具合も搭載している。
デフォルトネームが存在せず、手動で入力を求められるが、ここで設定した名前はシナリオ内の「主人公」という単語をすべて上書きしてしまうのである。
例えば主人公名を「ゲルググ」にすると、「俺つえー系主人公」という文言は「俺つえー系ゲルググ」に変わり、新型のなろう系MSが誕生する。
同様に、作中で鑑賞するアニメ作品は「3話で早くもゲルググとヒロインがキスする」内容となる。
かくして本作は、ケツアナユメちゃんとしてのみならず、KOTYeにおける命名遊び史の1ページとしても名を残した。
宴もたけなわとなったところで、アンモライトの『女体化転生したボクはふたなりで無双する!? ~でも、お姉ちゃんたちには絶対に勝てません!~』が、風変わりなテキストでスベリ倒した。
主人公は天然を通り越してバカであり、女体化してなお自分は雄々しいと猫口調でにゃあにゃあ力説し、子供じみた言い訳を繰り返すため見苦しい。
さらに、「精液が出発進行する」「お腹がぽんぽこタヌキになってしまう」「頭も身体も、ぽあぽあのぷあぷあだ」といった表現に加え、「くぁwせdrftgyふじこlp」じみた絶叫も炸裂する。
挙句、馬並みに肥大したチ◯コから鏡を割る威力の射精を旧友めがけてぶっ放し、選評者から殺人未遂の嫌疑をかけられている。
バカゲーとして見てもなお、ただ薄ら寒いだけの惨状というほかない。
降りしきる秒速5センチメートルの走馬灯たちをすべて見届け、屍山血河の桜祭りは終結した。
例年ならばおよそ一年分に相当する数の選評が、半年足らずの間に届く異常事態。
住人たちは戦々恐々としながらも、しばしの休息に入り下半期の戦いに備えるのであった。
本格的な夏が到来した7月の後半には、半月に5本の選評が集中的に届いた。
口火を切ったのは、アトリエさくらの『背徳の強制種付け ~愛する妻の子宮に注ぎ込まれる他の男の精液~』
背景差分が足りないせいか、夜の描写の合間に昼間の背景を挟んでしまい、
「主人公が24時間トイレに籠もっている間に、竿役とヒロインは徹夜フェ◯からの朝から晩までセッ◯ス」
という持久戦が勃発したかに見える事態を引き起こした。
これを受け、とうに桜の時期は終わっているとばかりに、対抗戦力たちも決起した。
先陣を切ったのは、コンフィチュールソフトの『ギャル姉妹 ~ハーレムタイムが止まらない!~』である。
いわゆる「オタクに優しいギャル」がテーマながら、ギャル属性に対するこだわりが感じられない。
姉妹ヒロインの姉の方は、見るからに強気ギャルの外見に反し、主人公に対してまさかの敬語。
立ち居振る舞いも、生徒会長でもやっていそうな優等生のそれである。
妹の方は、陽キャギャルとして概ね許容範囲に収まっていると思いきや、Hシーンでいきなり東リベパロをぶち込んでくるなど、薄ら寒いネタが目立つ。
話の展開もあまりに適当で、導入からして「ヒロイン(妹)に振られた主人公は、その場で『だったら1回やらせてくれ』と土下座してドン引きされるも、それを見ていたヒロイン(姉)に1回やらせてもらえる」である。
これは購入前でもあらすじとして確認できるため、ストーリーには期待できないと推察できる点は良心的といえよう。
実際、導入部以降はひたすらやりまくるのみであり、ノイズ入りの「ギャル」という記号を抱くエロゲーと評された。
第二陣として、
主人公が精神的に調教されてNTR性癖に目覚めた挙句、汚れた妻を抱きたいというさらなる性癖の変化を機に「本人も納得の上で去勢された」ことがさらっと明かされる『調教カテイ ~性開発された肢体は元カレを忘れられない~』、
展開の理由付け・設定の落とし込み・心理描写のことごとくを不足どころか欠落させ、ヒロインたちの性知識の由来に至っては全員一律でエロゲーにして「侵・放課後エロゲー生徒会」の異名を得た『侵・性奴会 ~美人会長と爆乳書記の調教日報~』が続く。
負けじとアトリエさくらも『俺の幼馴染がエロ配信をしていた件 ~地味な彼女の裏の顔はエロエロな配信者でした~』で押し返しを図る。
開幕3クリック目にして「言葉にしなくて、もうそれでけで彼女には~」なる奇怪な文章による先制パンチをかまし、以降も誤字を頻出させて雑さを見せつけた。
一方で、絵柄を今風に寄せる、非エロの一枚絵を用意するといった試行錯誤の跡もみられる。
メーカー恒例の「馴れ初め3行解説」も廃止され、導入に適切な文量が割かれるようにもなった。
しかしながら、その分だけ代償としてHシーンが削られている。
回想枠は14あるが、そのうち本番は6枠しかなく、残りの8つはあの手この手の水増しによるもの。
内訳は、脱いで見せるだけの短いシーンが4枠、自慰が2枠、一続きのシーンを分割して増やしているのが2枠である。
古の王アーベルが多用した水増しの手法をも取り入れはじめたアトリエさくら。
一皮むけようとしたはずが、化けの皮をかぶるも同じ皮肉な結果に終わった。
7月の戦いの後は騒動もなく、気付けば秋を迎えていた。
修羅の国においては、狂騒の収穫祭が勃発しがちな季節である。
しかし、さすがに春に続く大祭とはならず、2作品による小競り合いで収まった。
先にやってきたのは、『エルフェンキング』
近年は催眠モノに傾倒していた老舗ルネが久々に手掛けた、ファンタジー凌辱モノである。
かつてのお家芸といって差し支えないジャンルのはずが、シナリオとエロの演出に手抜かりがありすぎて、フルプライスエロゲーに求められる水準には程遠い。
まずシナリオは、「劣等種として虐げられてきた主人公が、世界の王たる力を得て、高慢なエルフ族に下剋上する」であり、ありきたり極まる。
そして主人公が得る能力は「イメージの現実化」および「他者への能力の伝授」という万能ぶり。
実質なんでもありの能力ながら使い方は単調で、相手を上回る魔法の威力で押し勝ち、自由を奪って凌辱、たまにチ◯コサイズの調整、その反復に終止する。
主人公の行動原理も単純で、やられたからやり返す、エルフだから犯す、ただそれだけ。
決起から連戦連勝連姦でトントン拍子にエルフの国を滅ぼし、全ヒロインを奴隷化して嬲る、それ以外の内容はなきに等しい。
最序盤に、力を求めずに「運命は自分で切り開く」と宣言する選択肢もあるが、切り開けずに即バッドエンドである。
全編通して新鮮味がまるでないため、フルプラならせめて一捻りは欲しかったと嘆かれた。
次に演出は、端的にいえば色々と端折りすぎている。
絵の質と枚数は価格相応ながら、差分が少なく、ヒロインたちは表情の変化に乏しい。
精液差分を増やしたところで、焼け石に水である。
他方、過程の省略も度を越している。
凌辱モノの流れとして、1回の凌辱をどんな段取りで進めるかの短期的なものと、その繰り返しを経ていかにヒロインが屈服していくかの長期的なものとがあるが、その両方に深刻な欠落が見られるのである。
まず、個々の凌辱シーンは前フリの軽視が甚だしい。
シーン開始時点で全裸なのも珍しくなく、すでに挿入済みの場合すらある。
つまり、「挑発して歯噛みさせてから服を剥ぎ取る」のような凌辱モノにおける前戯が、まるごと省かれているのである。
屈服までの過程にも欠けが多く、ヒロインによっては、プレイヤーが見ていない間に経験人数が数百人に達して心が折れかけている。
しかもそのことが説明されるのは、いざ本格的に凌辱・調教を始めようという個別エピソード1回目の冒頭である。
それでもなお「ほとんど処女みたいなものだな」と受け入れる剛の者は少なかろう。
気分を盛り上げるために適切な段階を踏むことの重要性を、嫌になるほど知らしめた作品であった。
秋の2本目は、またも現れたアトリエさくらの尖兵『恋人・亜依理を抱いた他の男達 ~愛する恋人が俺の元から去った理由~』である。
ヒロイン1人に対して男主人公が3人おり、ヒロインの男性遍歴を複数の視点から描いている。
しかし、少ないボリュームが章仕立てで分割されているせいで話が薄すぎ、独占欲が強く幼稚で我儘なメイン主人公への嫌悪と、取ってつけたような理由で尻を振り股を開くヒロインへの困惑しか印象に残せぬまま散っていった。
師走に入ると、一年を憂いなく終えんと冬の戦いが開幕する。
恐ろしい攻撃で先手を取ったのが、TinkerBellの『せをはやみ。』であった。
第一に、独特なシステム設定に対する説明が不足している。
射精カウントダウンとは別に存在する「アクメーター」や、「むんむんほかほか効果」といった、なんとなく予想はつくが明確ではない設定を複数搭載してプレイヤーを困惑させ、この調子では「ぽあぽあのぷあぷあ機能」もいずれ出現するのではと囁かれた。
一方で、固有名詞にはルビを振る親切さも見て取れる。
しかし、テキストの1行目がメッセージ枠の上端スレスレに表示されるため、ルビが枠を超えてしまい非常に見づらい。
必然的に目を凝らす機会が増えるが、それが次なる仕掛けの効果を増す仕組みにもなっている。
それこそが、会話しているヒロインの顔が突然ドアップになるサプライズ顔面アタックである。
専用に書き込まれた高解像度の顔面が、画面を覆い尽くさんばかりのサイズで、なんの脈絡もなく表示されるその技は心臓に悪く、いわゆる精神的ブラクラを思い出させるほどであった。
縮地法のような距離の詰め方は事前の心構えを許さず、しかも日常の茶飯事として連発してくるため、プレイ中は常に戦々恐々とさせられ、否応なくストレスが積み上がっていく。
いつ技をかけてくるかわからないヒロインたちへの警戒心は、次第に嫌悪を帯び始め、瀬をはやみの和歌に詠まれた慕情とは乖離していくばかりとなるのであった。
続いてcalciteの『AI(愛)妻と娘への調教性活』が、流行りに浅く便乗した。
特色は、亡き妻の人格を投影したAIヒロインである。
ただし、スマホに表示されるキャラでしかないため、Hシーンはスマホ画面の痴態を見ながらのオ◯ニーとなってしまう。
スマホ内に主人公のアバターを生成して行為に及ぶアクロバティックな展開もあるが、実体の方はやはり見ているだけである。
そして、タイトルに調教とありながら、AI妻への調教要素はまったくない。
義娘ルートには、なぜか妻の部屋から出てきたSMグッズを「俺たちに遺してくれたのかも」と使う無理やりな流れが1シーンだけ存在するが、「調教性活」を冠するにはあまりに弱い。
また、整然とした連続性が欠落した不条理な展開も散見される。
とりわけ、義娘に初めて手を出す場面で義娘が開口一番、
「……そういえば、手でしたことってあったっけ」
と話すのは理解に苦しむ。
「すでに幾度となく性的な行為に及んでいるが、手でしたことがあるかは記憶が定かでない」としか解釈できず、「手を出そうとした直後の暗転時に、さんざん手を出した後の未来へとワープした」説が提唱されたほどである。
安易な題材すら腐らせるのは毎度のことながら、整合性のなさに磨きをかけてきたところは、常連らしい流石の貫禄であった。
大晦日には、国境を超えたバトンタッチが果たされた。
『JINKI -Unlimited-』の追加報告が、海外在住の有志による選評を住人が代理投稿する形で届いたのである。
最初の報告と合わせ、ついに年始の魔物がその姿を現すときが来た。
先に美点を挙げるとすれば、敗北if凌辱に振り切ったHシーンであろう。
ただし、一部シーンがリョナを通り越したゴアである点と、そのわりにCGでの表現がかなりマイルドな点は賛否が別れた。
そして、数多ある難点を一言で現すならば「欠落」である。
まずADV部分は、設定変更そのものが存在しない。
つまり、テキストスピード変更・メッセージウィンドウの透過率変更・オートモード・既読スキップ・バックログ等々の標準機能が搭載されていない。
CGモードもないため差分は見られず、シーン回想は、シナリオの既読部分にいつでもジャンプできる機能で代用されている。
ストーリーは、ご都合主義でボリューム不足の尻すぼみ。
「主人公が仲間との共闘や交流を経て成長し、特別な存在へと至る王道の物語」を描こうとしたことは伝わるが、それも最初だけである。
先に進むほど、必要な描写を削り落とした形跡が目立つため、おそらく開発途中で時間と資金が尽きたと思われる。
結果、巻き込まれ無双系の新主人公は、知らぬ間に仲間から全幅の信頼を寄せられ、世界の脅威に対する特攻能力を都合よく発揮し、問答無用でシリーズを完結へと導いてしまうのであった。
また、本作最大の特色であるRTS部分には、操作性と戦略性が致命的なまでに欠如している。
そのため、RTSの娯楽性の真髄たる「リアルタイムで移り変わる戦況を、戦略的思考と臨機応変な判断で勝利に導く達成感」を味わえない。
まずは操作性について。
UIは後発のコンシューマー版に最適化されており、PCでの操作には不向きでありながら、キーコンフィグすらない。
例えば、ホイールのクリックとスクロールには必殺技と視点変更が割り振られており、誤操作の発生は必定である。
その他の操作も煩雑であり、各ユニットに指示を出すのも一苦労。
指示を出しても、移動系の補助・補正機能が貧弱すぎて、壁に引っかかるか目標を見失うかしての棒立ちが多発する。
これでは、操作性の理想である「直感的で効率の良い正確な制御」には程遠い。
次いで戦略性について。
単刀直入にいえば、ユニットとマップが単純かつ画一的すぎて、戦略を考える余地がない。
ユニットのカスタマイズは武器のみであり、それすら攻撃力以外はほとんど無意味。
マップは狭く、ギミックもなく、使い回しが多い。
加えて、敵が硬すぎてテンポが悪く、後半は敵の数と火力が激増して理不尽な難易度と化す。
それでいて、戦闘回数は実に100オーバーである。
総仕上げに、オールクリアには3周を要する周回前提仕様を搭載。
周回によってストーリーが分岐するため、共通ルートにあたる部分は周回ごとに再送させられるが、既読テキストの色変えや既読スキップの機能はなく、どこから分岐したかは記憶を頼りに探るほかない。
つまらなさと不便さのアンサンブルに加えての「3回周って徒労も3倍だな」仕様は、多数の購入者をクリア断念に追い込んだ。
これもまた「Unlimited」と呼ぶにふさわしく、再度のタイトル回収が成る。
プレイヤーとその所有PCを同時に屠らんとする死のダブルミーニングは、修羅の国を震え上がらせたのであった。
予備期間には、昨年の大賞を生み出したWendyBellの『モラトリアム ~ブルーアワー幸せの時間~』が、満を持して参戦した。
前作『悪魔と夜と異世界と』と同じく、本作もすべてが低質である。
画面比率は今なお4:3、立ち絵が動くときメッセージウィンドウが消える仕様も健在。
そもそもボリュームが不足しており、準フルプライスながら容量は1GB未満、ヒロインは2人のみ。
比例してストーリーも薄い。
大部分は面白みのない日常の羅列であり、ヒロインたちが異国出身という設定も活かされていない。
また、主人公の人物評が登場人物たちとプレイヤーとで大きく食い違っており、片や「自他ともに認める協調的な人物」、片や「自己中イキリ」である。
これは、主人公がイキるたびになぜか信頼や好感を得るというギャップの積み重ねに由来する。
ヒロインとの出会いからして、
「ナンパ男たちに絡まれているヒロインに『お高くとまってるのは媚び売ってるのと同じだからやめた方がいい』と哲学的な説教をかまし、男に凄まれたら逃げる」
という行動に出て、ヒロインの歓心を買い、プレイヤーからは嫌われた。
小オチの「実は某国の姫でした」は見え透いており、ただ落胆されるばかりであったが、大オチが住民たちの度肝を抜く。
それが、黙って母国に帰ったヒロインを追い、君主制を廃しての民主化に絡むという超展開であった。
入りは毎度のイキリからであり、主人公が、
「騙し討ちみたいに急に去られて納得できるか!直接話して一発ぶん殴る」
と感情を爆発させると、姫の護衛役に覚悟を認められ、都合よく準備されていた偽造パスポートで渡航する。
とはいえ、さすがにイキって民主化運動して革命とはならず、イキって要人や国王に気に入られ、ヒロインを口説くのみである。
過程のほとんどは「様々な障害がありつつも」で割愛され、離れ離れになった2人は数十年かけて民主化が終わってから再会したことがざっくり語られて終了。
一連の経緯は、
「そして…僕は偽造旅券を手に入れたのだった。
ずっぷ!ずっぷ!
ああ…民主化しそう」
と的確にまとめられたほか、KOTYeがしばし政治学スレの様相を呈するほどの衝撃をもたらした。
絵も上等とはいえず、一枚ごとに顔つきや体形がブレており、特に長さも太さも可変式の首や腕は不安感や不気味さを掻き立てる。
この内容で、キャッチコピーを「それは青くて一瞬で大切な時間」とするセンスには恐れ入るほかない。
青二才じみた出来に留まらず青天の霹靂を盛り込んだ本作は、前年王者の血に連なる強者として一目置かれるのであった。
そして予備期間の終わり際には、貪欲に記録更新を狙うアトリエさくらがしんがりを買って出る。
まず『妻・倉崎桜菜の浮気調査 ~寝取られ妻の淫らな下半身事情~』では、さすがにマンネリ感が囁かれ始めたのを察してか、新たな暴挙に打って出た。
かつて見た爬虫類顔を想起させ、ママⅡ風味すら微かに薫る絵の採用である。
最終防衛ラインたる「絵はそれなり」までも崩壊させてしまい、「もうBGMで抜くしかない」と選評者を絶望させたのであった。
そして最後に、ヒロインが主人公への恋慕の情や罪悪感を有さぬただのビッチでしかない『略奪された婚約者(フィアンセ)~恋人・真澄(ますみ)と弟の秘密』をもって、新記録となる同年内9本のエントリーを達成したのである。
なぜこのような出来事が起こってしまうのか。
最大の原因は、メーカー側のNTRの定義が広すぎて、狭義のNTRとして成立し難いことであろう。
NTRの本質を、アリストテレスが『詩学』において定義したような悲劇とするならば、その目的は適度な感情の浄化、すなわちカタルシスに至ることである。
それは例えば、判断誤りから相応しくない不幸に陥る主人公に哀れみを覚え、募った感情から物語の終わりとともに解き放たれることで、気持ちがすっきりと軽くなる心理現象を指す。
ただし悲劇を通じてカタルシスに至るには、満たすべき重要な要素がある。
代表的なものを挙げると、十分な感情移入・倫理的な共感・登場人物の感情と行動の一貫性・無理のない展開・適度な予測不能性・有意義な結末である。
こうして並べてみると、アトリエさくら作品に欠けている要素のいかに多いことか。
ただ、月1本の販売ペースと低価格相応のボリュームという制作時間と尺の制約を考慮するに、先に挙げた要素を網羅したNTR作品の制作は至難であろう。
「間男がヒロインに挿入すればNTR」と大雑把に定義しての薄利多売がアトリエさくらの生存戦略ならば、そこに狭義のNTRの真髄を求め続ける者たちとの溝が埋まることは、この先もおそらくあるまい。
少々話がそれてしまったが、役者が揃ったところで2023年の「アレ」を発表する。
次点は、
『エルフェンキング』
『モラトリアム ~ブルーアワー幸せの時間~』
そして大賞は、
『JINKI -Unlimited-』
とする。
2023年には30本を超えるエントリーがなされ、過去最多を更新した。
内訳を価格別に見てみると、低価格作品の比率が高い。
4000円台までの作品が2/3以上を占めており、粗製乱造の傾向はいっそう強まった。
その煽りを受け、内容面も近年同様に、低質でつまらないという身も蓋もない欠点が根底に蔓延っている。
ただし、本年の際立った特徴は、そのつまらなさの上で発揮された。
さながら星明かりに閃く暗器のごとく、インパクトと独自性を兼ね備えた一発芸を披露する作品が、数多く登場したのである。
シンクロ放精・百合に竿・けつあな確定・突然の去勢・顔面アタックあたりがその代表例といえようか。
本来の狙いは実現できていない代わりに、狙ってもなかなかできない天然の副産物が多彩さを発揮し、良くも悪くも住人たちの心を動かしたのである。
しかしながら、次点および大賞となった作品は、もはや一発芸の枠には収まらない。
総体として負の一芸の粋に達していると評してよかろう。
『エルフェンキング』は、エロの機微を理解できないばかりに、いかにもそそる素材を用いていながら、テキストと演出だけで心凪ぐ無感動物語を創造せしめた。
『モラトリアム ~ブルーアワー幸せの時間~』は、見るも怪しいバリエーションを誇る絵を筆頭に、あらゆる点での低質さを確保しつつ、突然の民主化超展開でも話題をさらった。
しかしそれらと比較してなお、『JINKI -Unlimited-』がもたらす辛苦は幅広く、そして根深い。
盤外では進行不能バグ・デバッグモード・絶え間ないGPUへの過負荷で畳み掛け、本編は、尻すぼみするご都合シナリオと戦略性のないRTSで盤石のつまらなさ。
欠陥コンフィグはプレイ環境の最適化を許さず、無駄な負担をプレイヤーに強い続ける。
広げすぎた大風呂敷に包むべき中身はなく、それでも完成を目指した理想の姿は垣間見えるだけに、ひときわ悲哀が漂う。
かように、折れる方向に心を動かす力は大きく、なおかつ的確な角度で、じっくりと時間をかけて発揮されたのである。
醜態ではあったが、最期までエンターテイナーたらんとした結果と思いたい。
さながら、芸を抱いて腹上死すると息巻いて舞台で果てた老芸人の大往生。
天晴な“醜大成”であった。
ゆえにKOTYe2023大賞の栄冠は、偉大なるマインマエストロの遺作に捧ぐ。
さよならのかわりに。
「ありがとう」の花束を添えて。
本年は、KOTYeの15周年にして、最後の現役クソゲーオブザイヤーとしての第一歩でもあった。
この節目を機に、KOTYeのこれまでと今、そして未来について考える時間をいただきたい。
開闢当初は、何をもってクソゲーを定義し、優劣をつけるかについて、それぞれが持論の正当性を主張しあうのが常であった。
真剣な激論は幾年も繰り返され、ときには決着がつかない年もあった。
だからこそ身に沁みて理解できた。
自分には自分の真実があるように、他者には他者の真実があると。
真実は人と癖の数だけ存在するのである。
絶対的基準を探し求めるのではなく、自分の価値観に基づく自分だけの基準を磨く。
そして、他者のそれも等しく尊重し、押し付け合うことはするまい。
いつしか総評にはすべてのエントリー作品が載るのが通例となり、クソゲーのリストではなく、その年を振り返る目録であり総決算のような位置づけとなった。
テンプレの文言においても、クソゲーと明言して決定しているのは「一番のクソゲー」すなわち大賞のみであり、それとて相対的な判断でしかない。
わかりやすい例として取り置いていた最後のエントリー作品を、ここで紹介しよう。
それが『サクラノ刻』であり、端的にいえば攻略不可ヒロインの多さと後半の展開に物言いがついた。
一方で、2023年の最優良エロゲーを選ぶとするなら大本命となるだけの圧倒的好評を獲得している。
しかし、それを理由にエントリーが拒絶されることはなく、クソゲーか否かジャッジされることもない。
ただ「定められた手続きに従って不満を表明した者が1人いた」と記録されるだけである。
「クソゲーオブザイヤーとは、厳格かつ公正な審査を行い、一定以上の格を有するクソゲーだけを選りすぐって紹介する場」という概念は、今や幻想でしかなくなった。
『サクラノ刻』のエントリーが、その幻想を破壊してくれることに期待する。
では審査せず何をするのかと問われれば、エロゲーに不満を覚えたという悲劇を通しての感情の解放と答えよう。
そしてそれは、苦しみを笑いに昇華するという理念の追求にも繋がっていく。
選評システムは、その手段として合理的に機能してきた。
選評者は選評の執筆を通して己の感情を認識し、受容し、理解し、表現する。
議論するのではなく、事実たる作品内容をもとに自身の体験を語る。
不満を感じた箇所を引用し、どう不満だったかを具体的に述べる。
住民はその悲劇の聞き手として、傾聴し、適度に質問し、共感したならそれを示すが、審判は下さない。
共感できずとも理解して受け入れようとし、理解できないならできないままに、そういう苦しみもあると認知する。
それができれば、未知の苦しみがひとつずつ既知に変わってゆく。
経験ではなく想像によって感情を模倣した贋作にすぎないとしても、そのストックを増やすほど、精神は様々な怒りや悲しみに対応しうる柔軟性と強靭さを得る。
この効果は、「何のお墨付きも与えない代わりに、参加を広く受け入れる」方針の大きな意義のひとつといえよう。
反面、作品内容に基づき丁寧に持論を語ればまず通る環境は、危うさも孕んでいる。
個人の意見であると前置きすれば、何を言っても許されるわけではない。
語り手として、聞き手として、傍観者として、KOTYeにいかなる意味を見出し、いかなる立場に立ち、その上でどう振る舞うのか。
KOTYeの在り様と行く末は、関わる者たち一人一人の仁義に委ねられている。
それでも、ではなく、だからこそ、KOTYeは誰でも自由に自身の悲劇を語りに来られる避難所であれ。
怒りも悲しみも、語り合って解き放ち、前向きに笑い流せる隠れ家であれ。
果てのない闇も繰り返す後悔も乗り越え、ともに銀燭の明日を探せる船であれ。
そう切に望む。
末筆となるが、戯画謹製の名作『バルド』シリーズの文言に覚悟と願いを託し、KOTYe2023の結句として強く書き刻む。
「Don't believe THE TRUTH,
Believe YOUR JUSTICE and YOUR HEART.
さあ、お前のJINGI……貫いてみせろ!」
}
2024-03-20T21:04:22+09:00
1710936262
-
2023年 総評案/総評案1/第1.9稿
https://w.atwiki.jp/kotye/pages/901.html
*2023年総評案1第1.9稿 大賞:[[Jinki -Unlimited->Jinki -Unlimited- 選評]]
【2023】 クソゲーオブザイヤーinエロゲー板 総評審議所
https://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/game/58649/1706966035/
#blockquote(){75:総評1:2024/03/10(日) 23:29:34 ID:???0
どうも。近況報告と進捗について
暫定的に第2稿ではなく第1.9稿をupしました。
※星と乙女及び女体化転生を一行文から複行に加筆
※誤字脱字漢字を修正(ただし常用外とみなされた漢字は修正していないものもあります
※大賞選定理由を改稿
※その他加筆減筆修正
大賞選定理由の箇所については、既存の文章も使いつつ大幅にブラッシュアップしました
ただ「これならいい」という人と「これでもダメ」という人がいるとしたら間違いなく後者の方が圧倒的に多いと思われます
というか強引に直した結果むしろ第一稿より歪んでます
反応を見ながら再度書き直すことになると思います
https://writening.net/page?tHg5VL
}
(URLの内容)
#blockquote(){2022年のKOTYeは、底なし沼のような虚無と息もできない熱波の低クオリティが蹂躙跋扈する、悲しみと苦しみに血塗られた餓鬼と畜生が死地を彷徨う駄文の百鬼夜行のような年だった。
才なくとも創作ができ、生者と死者が六道の狭間で揺れ動く冥府魔道の時代、その混迷のカタストロフは開いてはいけないパンドラのデスノート『悪魔と夜と異世界と』が頂に上ることで決した。
「クソゲーとは何か?」という一つの命題に新たな碑文が刻まれた一方で、我々は不安を抱いた。この先クソゲーは何処に向かい、どう変わっていってしまうのか、と……。
そして本家である据置版KOTYが史上初の該当作なしとなり、活動休止が告知されたことで、運命の黒い糸は静かに綻び始めた。
『修羅の国』と評された人外魔境が唯一のKOTYとなったクソゲー界は、亡者が一筋の漆黒の光を求めて彷徨う時代に突入したのだ……。
昨年とは違い、今年のKOTYeは1月作品から盛況だった。
その口火を切ったのは、戯画の汎用ヒト型欠陥兵器『JINKI -Unlimited-』。
戯画と言えば長年KOTYeを賑わせてくれたいぶし銀のベテラン工兵。その戯画が本年度を以って事実上の解散を表明し、本作が着火させる最後の火種となったわけだが、注目された中身は期待に見合った大型地雷だった。
実質3周しなければいけないという長期戦にも拘わらず、開幕からユーザーデバッグモードを発動し、パッチを当てないと進行不可になるなど掴みは完璧。
それを踏まえた上で、本作の基本スペックから見てみよう。
まずADVパートは、令和どころか平成でもあまり見ない程お粗末だ。
バックログや音声リピート機能はなく、次のボイスまでの音声再生機能なんてのもない。既読スキップもなければAUTOモードもない。ギャラリーモードは差分表示がなく、回想は全周クリアまで実質お預け。
シナリオはスーパーコーディネーター級の新主人公の基本無双であり、無能と化した歴代主人公とヒロイン勢は終始すげーすげーを連発。カタルシスも何もなく、本当に原作者が監修したのか、逆に興味がわく内容である。
登場キャラこそ女性ばかりで華やかそうに見えるがそれは罠。綺麗な薔薇には棘が付き物と言わんばかりの凌辱リョナ特化構成なので、遊ぶ側にもそれなりに耐性を求められる。
フレームレートは起動時の状態で常に全力全開天元突破。調整するオプションすらなく、プレイ時は絶えずPCクラッシュに怯えながら遊ぶ羽目になる。
続いて、本作独自の部分について触れる。
『JINKI-U』の目玉は、段ボール箱を被った姿をコスプレと言い張るような、寂寥感溢れる出来のRTSパートである。
グラフィックはシムシティ2000レベルのビル街、キン消しを並べたようなロボット群、攻撃に至っては色付きのつまようじや矢印ビームと揶揄されるほどのクオリティであり、かの「SSα」を彷彿とさせる。
AIの調整や挙動にも問題があり、指示を出した味方キャラが壁に引っ掛かって五里霧中になったり交戦中にエンジンでも止まったかのように動かなくなりその間に即死級の攻撃を食らってゲームオーバーになるのは日常茶飯事。
言わば自分以外は全て敵とでも言わんばかりの枷にしかなっておらず、そんな介護職員気分をプレイヤーは余儀なくされる。
戦略性等は微塵もなく、やる事と言えば、基本逃げ回りながらゲージを溜めて必殺技をぶっ放つことだけ。
また本作にはレベル制が導入されているが、この調整もクソである。経験値は中盤から数万、その後は数百万単位と超サイヤ人並みのインフレを起こすため、レベルを上げて物理で殴るKOTY戦法は困難であり、結局適正レベルでの攻略を余儀なくされる。
仮に武器レベルも含めてMAXにしても敵もガンガン固く強くなっていくので、爽快感は皆無に等しく、戦闘はただただゲー無となっていく。
だがこれにも増して問題なのは、何より「劣悪極まりない操作性なのにキーコンフィグすらない点」だろう。
ユニット選択→武器とサポートキャラ選択の過程後に、右クリックを押せばサポートキャラが削除されてやり直し。戦闘ではマウスホイールをクリックすれば必殺技という仕様なのにスクロールさせると視点が変わるため誤動作連発。
キーボードの入力部位も一切変更できず、マウスは右手から離れないのに、左手は虚空を彷徨い今日も誤入力を頻発するなど四面楚歌状態だ。
MMOやFPS経験者なら分かるが、PCゲームにおいて操作性という点はゲームの快適さだけでなく面白さに直結する。それがズンボロで娯楽失格という有様では何処に価値を見出せばいいのか。
かくして人は同じ過ちを繰り返す……。
『JINKIーU』は挨拶代わりの核地雷としてKOTYeの大地を爆裂四散、それに影響されたのか、2023年は黒く暗い影が光を侵食する一年となっていく。
二番手として壇上に上がったのは、3年連続エントリーとなるNorthBoxの『高嶺の花と魔法の壺』。
公式のあらすじで肝心の女性キャラの名前を出さないという斬新さでKOTYe民の心を掴んだ本作は、骨どころか脊髄まで削ったかのような所謂抜きゲーである。
男キャラ如きにはボイスどころか絵すら必要ないというツイフェミもニッコリな人権のなさで繰り広げられる内容は、毎度おなじみの「適当にずっぷずっぷして終わり」。
お家芸であるHシーンを冷めさせるBGMは健在であり、雅な琴や笛の音を流したかと思えば突如盛大なヴァイオリン演奏に転調するという和洋折衷ぶりは、
「ヌかせたいのかい、笑わせたいのかい、どっちなんだいっ!?」と思わざるを得ない。
ゲームの容量を公式で4倍増しに表記したり、ピストンシーンでチ〇コを異空間に消失させるなど匠の技も見せ、本作は見事住民のツボを突いてみせてくれた。
そして恐れていた事態が訪れる。
前年から顕著であった『低価格帯ノベルゲーム』がこの世の全てを覆い尽くさんと攻勢を仕掛けてきたのだ。
KOTYeにおける、「大高価異時代」の幕開けである。
先手を切った海賊1号は、NTR界のワールドレコード保持者、アトリエさくらの『他人棒でイキ狂い快楽に溺れていく最愛妻~見せつけられた快楽に絶頂する妻の痴態』。
前年から月イチペースながらRすらないNTRガチャというイリーガルポジションで完全に追跡対象となった当メーカーだが、その奈落方向の実力は今年も止まる所を知らなかった。
ヤリサー常連だった主人公と過去に妻と肉体関係にあった間男との三角関係という構図なのだが、書くべき中心点があらゆる事態でブレッブレ。
冒頭からNTRビデオレターではなく、普通のAVを送るというジュラル星人並みに回りくどい作戦で動揺を誘うのだが、開封したのは妻ではなく主人公という稚拙さ。これでは只のプレゼントである。
その後もフェラなのにチ〇コの先が額まで届いているなど文章とイラストの不一致の連発や、頻繁な誤字など、真面目に作る気がないのが丸わかりなスペクタクルな内容が続き、
最終的には全裸だった間男が1クリックで服を蒸着し、全裸だった妻も一瞬で下着を瞬着するなどやりたい放題。
間男は「妻の事は気に入ったが自分の女にするのは面倒くさいので二人で共有しよう」と提案するが、それを断っても、主人公は、
「別に抱かれたいならいいさ!その代わり今まで通りの生活を続けてくれるんなら問題ないから!」と返答する懐の深さを見せつけるが、それが間男の提案と何が違うというのか。
前年からまるで成長していないNTRの舐めっぷりに住民も辟易。唯一「その前に一度イクからちょっと待ってて」という名言に一部の住民が心トキメく結果となる。
ならばフルプライスの本気を見せてやると軍が出撃させたのは、こちらも常連evoLLの『ラブカフェ~童貞な俺でも、巨乳女先輩と同棲できるってマジですか?~』。
選択肢は最初の僅か一つという中身は、「エロゲーなんだからエロ要素以外の描写は全て非現実的だが何か問題でも?」いうある意味潔さを感じる内容だ。
同棲約一ヶ月程度で主人公に心を許したヒロインは、肝心の一ヶ月の過程すら省かれ処女からあっさり股を開き、
バイト先がカフェだというのに客との会話は丸々カット。モブに至っては台詞が三ヶ所のみ。
ハーレムルートに至っては描写はともかく、実は主人公の妄想オチで〆るという酷い扱いよう。
そんな中住民の心を強く揺さぶったのが、射精を「放精」と変えるハイセンス。KOTYeの歴史に、また一つ名言の1ページが刻まれた瞬間だった。
その後も選評ラッシュは終わりがないのが終わりと言わんばかりに続く。
快楽堕ち+ふたなり+異種姦と亜種系属性のよくばりセットに、調教描写を削って代わりにバトルファック要素を詰め込み需要不明にした『虜囚の女ヒーロー~怪人たちとの闇の狂宴~』。
パッチを当てないと誤字脱字の弾幕で読めたものではないテキストにあらんばかりの設定詐欺を詰め込み、ダメ押しで嫉妬がボンバーという迷言も残した『Aphrodisiac-女神の欲望ー』。
そして春になると露出狂が閑静な住宅街を出歩くように、温かい狂気もやってくる。わるきゅ~れの『病みつきヤンデレハーレム!』だ。
冒頭でヒロインに「誤字脱字が多すぎる」と言わせた矢先から、誤字脱字を連発するなど完璧なブーメランで住民の心を掴むと、
ヒロイン三名からは、自作の主人公グッズに塗れた部屋で逆レイプ、スタンガンと手錠で身動きを取れなくしてから逆レイプ、睡眠薬を盛って眠らせた後に逆レイプと、主人公は弥が上にも絞られ続ける。
精液の表現にも一癖あり「オス汁」「生殖汁」「遺伝子汁」とバリエーションを増やして表現の自由を広げたり、Hシーンの最中のBGMを、突如激しいクラシック調に切り替えユーザーを病ませようとするなど配慮も抜群だ。
手抜きこそ随所に感じ取れるが、それを「笑い」に転用できる作り手のセンスが溢れた本作は、「(クソゲーは)こういうのでいいんだよこういうので」を現した作品といえよう。
その後も住民は追跡対象を中心にエロゲー発掘に勤しみ続けると、掘れば掘るだけクソゲーが出土されるゴールドラッシュに突入。
主人公の声が合わなさ過ぎてクッキー☆級のミスキャスト感溢れる『上司の巨乳騎士団長は俺の肉オナホ!~年下恋人から中出し漬けで寝取って孕ませ穴に!~』。
かつてKOTYeで選評も届いた『淫らに堕ちる、最愛彼女』から選択肢も背景も流用した挙句、オモチャどころかただのビッチだったというオチで終わる『好きだった幼馴染がクラスメイトのオモチャになっていた件』。
不意に忍び寄る百合の中の肉の棘を回避し『星と乙女が占う未来』もお縄にかかった作品だ。本作は百合ライクの全年齢版にR-18要素を追加し成人版にした低価格ADVである。
ほほう、では百合えっちが入っているのかね? と思った諸君、残念ながら不正解。ではチャラ男によるNTRか!? と思った諸君、それも不正解。
答えは「名前、CG、ボイス、立絵、台詞、全てがない謎の男とのHシーンの挿入」である。
何をご冗談をと思うだろうが、実際そういうブツが入ってるんだから始末に負えない。
「百合に男」は確かに強烈なクソ要素であり嫌悪感爆裂魔法級ではあるが、だからといってここまで無味乾燥な代物をぶち込むとは何を考えているのか。
一部からは女性キャラの妄想オナニー説もあり、完全に蛇足。戦場に舞い降りたトラブルメーカー並みに来るな近寄るなと言いたくなる問題作であった。
次々に選評投下と発掘作業を兼任する住民だが徐々に疲弊していたのも確かである。ここらで一つ笑える一品はないのか? そう訴え始める住民が気まぐれに掘り起こした女土偶が、
ZIONの『ワケありJK従属学園~強制絶頂は終わらない~』。
低価格帯ながら原画は素晴らしく、どこぞのママに見せたい程であるが、肝心な内容は借金まみれの堕ちたセレブお嬢様がFラン学校に転校させられ、男たちの性処理をしていく、というもの。
しかし主人公は余程の肝っ玉なのか潜在ビッチだったのか、処女喪失からいきなり「ヌアァーーー…」と迫真の悶絶絶頂をしてくれる。
またモブキャラの名前は「S1」「男子生徒A、X」果てには「α」という盛り沢山な固有名詞で構成されており、誰が何者なのかさっぱり分からず、
竿役には名前なんて必要ねえんだよという開き直りすら感じる。
他にも「性的な知識は月並みにある」「敏感な子宮口を亀頭が消しゴムのように削ってくる」「男根の美味を味わう」といった、
中学生が文学的表現を試みて玉砕したような愉快な日本語が目白押し。「放精」まで完備している。
昨今は絵がいいならシナリオは適当でもいいという風潮があるが、世の中には絵すらダメな作品もごまんとあるので、これはこれで歓迎すべき傾向かもしれない。
続いて発掘されたのは、グレースケールに糞の色を塗った『淫堕の姫騎士ジャンヌRe:BORN~オーガの仔種を注がれる気高き姫!~』。
本作は2006年に発売された同名作品に新規シナリオを追加した所轄リメイクものである。
その内容は、新撮りを行わず旧作の部分は旧作の声優のままなのに、新規のシナリオには全く違う声優を起用するという迷采配。
そして肝心の新規シナリオは、スキップすれば僅か13秒で終わる夢オチというやる気のなさ。しかもこれでフルプライスである。
幸いこれではまずいと思ったのか、メーカーは公式サンプルで新規絵の9割を閲覧させてくれるので、それを見れば大体の目標は達成できるだろう。
これで、一息つけると思ったのか? 無駄だ。大魔王と大高価異からは逃れられない。
ヒロインと主人公が急接近するイベントがアナニー中に取れなくなったペンを取ってもらうというけつなあな確定シュールギャグさが光る、
『ナマイキユメちゃんはおにぃとメチャクチャHしたい!~ギャルと教師のドキドキ同棲生活~』。
令和のこの時代に未読も既読もPC環境が悪いとスキップできないうえに字が小さすぎて見えづらいバッグログと一つも褒めるところがないへっぽこUIを搭載した、
『ママ僕だけを愛して…~キモデブ息子を溺愛する母の歪んだ愛情~』。
そんな中、クリトリスを肉棒に変えて白兵突撃を敢行する一人の女体化戦士がいた。名を『女体化転生したボクはふたなりで無双する!?~でもお姉ちゃんたちには絶対に勝てません!~』。
本作の主人公は童貞のまま死んだ男であり、転生先では女体化している。そしていつも意地悪をしてくる姉に一転攻勢を仕掛けてやろうと目論み、逆にカウンターされるという心底情けない話だ。
しかし異世界モノの筈なのに家屋や道路の造型が全て日本そのものであり、「異世界とは一体……うごごご」と墳飯する事必至である。
特に主人公のノリは、80年代シュールギャグとでも言うべき壊滅的な大馬鹿さん太郎であり、ふたなり化して姉を犯そうとするもアイテムを取られ逆に犯されれば、
僕は負けてない、僕は屈したわけじゃない、と苦しい言い訳に走る。そればかりか、転生前に脳みそを置いてきてしまったのか、それとも元々中身がなかったのか、
「お腹がポンポコダヌキになる」「精液が出発進行する」「頭も体もぽあぽあのぷあぷあだ」といった愉快で気の毒な言語センスを用いてプレイヤーをドン引きさせてくる。
転生前に何を勉強していたのか。おまえは姉を押し倒す前に、まず国語を受精卵あたりからやり直した方がいいと忠告してやりたい。
そして色んな意味で問題作だったのが未踏の秘境から数々の珍作を送り出してきたアパタイトの『清純ヒーロー×ビッチ堕ち!!~悪の組織に調教される乙女の心の移ろいは…~』。
アパタイトと言えば「俺たちゃ裸がユニフォーム」「常識は糞と一緒に流した」とでもいうべきアンプレセテンディドな作風で場を盛り上げるkotyeのモーツァルト的存在だが、その作風は今回も平常運転。
本作は所謂調教モノ。つまりいかにしてヒロインを嬲り、辱め、快楽堕ちさせていくかを事細やかに描けるかが肝要なのだが、
……なのだが、捕らわれたヒロインが「普通に調教して。もっと正々堂々と」とコメントするなど抵抗感の歯車が錆びついて嚙み合っていない。
また敵組織はとてもアットホームであり、朝食に炒飯を出したり、朝に体操をさせたり、シャワーも浴びさせるなど令嬢お付きのメイドの様な献身ぶり。
この他にも、米と野菜のどちらを育てるかヒロインと会議、助産師がいないからという理由で種付けを断念、
ローンが残っている事に苦悩しヒロインに同情される、挙句帰るのを許可する等、とても悪意がある集団とは思えない。
おそらくこれは小学生に見せる「よい子は調教をしていけませんよ」という教材か何かなのだろう。18禁で教育を施すという粋な計らいが光る一品だった。
続いて紹介するのは、『またしても』という枕詞が付くアトリエさくらの『妻、宇佐見恋を抱いてください 〜夫公認公開恥辱NTR〜』。
本作を一言で例えるなら、「全員が痛い」。ヒロインは電車内で痴漢されるのだが、散々脳内で相手を罵倒するのに結局最後までさせるという謎思考の持ち主で、
間男に、セフレが産気づいたからおまえの力が必要なんだ、というあからさまな噓に騙されホイホイ付いていく脳内お花畑の間抜け振り。
その間男も事あるごとにセフレが複数いることを自慢するが、気色悪いおじさん構文を多用する変人であり、そもそも女に困ってないのに電車内で痴漢をするというリスクを負う時点で頭の螺子が外れている。
主人公に至っては、実は妻も含め犯される女を見て興奮する寝取らせ性癖者である事が発覚し、完堕ちルートでは妻に完全に愛想をつかされ、別ルートでも妻を貸し出して興奮する有様のダメ人間。
このようにメインメンバーが全員アホではまともな寝取られなど描写できる筈もなく、不条理ギャグのようなシーンがひたすら続く。
もはやNTR好きというより、KOTYe住民にアピールしているかのようなダークマター振りは別の意味で期待に応えてしまった。
これは同ブランドに限った話ではないが、NTRモノは展開が固定されているからこそ、受け取り手にNTR本来の持ち味である黒い絶望感を与えにくいというハンデがある。
最初からNTRですと提供するのは、余程優れたシナリオでない限り、スカムカルチャーといえどハイワロに過ぎないのだ。
その後もアトリエさくらは、山なしオチなし意味なし+多すぎる誤字=『堕とされた義姉~憧れていた義姉がクラスメイトの手で快楽調教させられていく~』や、
ヒロインが子種欲しいがために半ばノリノリでHする阿婆擦れ振りで転落堕ち感が皆無な『背徳の強制種付け~愛する妻の子宮(なか)に注ぎ込まれるほかの男の精液~』など、
多くの変作をノルマのように出し続けるが、それが「いつものさくら」以上の関心を集められたかは些か疑問である。
その後も低価格帯の作品は止めてと言われて止める馬鹿はいないとばかりに輩出される。
盗聴を題材にしており、ヒロインは録音した性行為で興奮する性癖なのに肝心の部分がサイレントリスニングな『カノジョの性癖ー盗聴×妄想ー』。
オタクに優しいギャルをテーマにしていながらギャル感がまるでなく、ストーリーはただひたすらずっぷオトマトペの『ギャル姉妹~ハーレムタイムが止まらない!~』。
そして極め付けが、NTRと妖刀村正を組み合わせたような傀作『調教カテイ~性開発された肢体は元カレを忘れられない~』である。
本作は『ママ僕だけを愛して…』を世に送り出したTRYSETBreakなのだが、あれほど散々問題視されていた崩れたジェンガのようなUIをそのまま流用している。
すなわち未読も既読も環境次第でスキップできず、バックログは米粒サイズ、コンフィグ画面は意味不明な森林の背景に、アニメもないのにアニメーションon・offの項目。
その様は令和の超空間か? などと住民を畏怖させる始末。
肝心な中身だが、学生時代に間男に調教されたヒロインは男性不信となっているが、ゲーム中では結婚済であり、挙句再会した間男にはお別れセックスという名目であっさり股を開くという貫禄の設定崩壊。
その後も裏で快楽が忘れられず間男との交際は続き、快楽堕ちしたヒロインは「人妻になった分余計気持ちいい」と屑女ぶりを発揮するのだが、
夫は夫で、竿役に精神汚染され、NTRている様を見せられ「勉強になる」などと発言したり、それどころか「誰の子供かわからないなんて興奮する」などと精神病棟の介護士と薬が必要な状態に陥り、
最終的に夫はなんと間男に「去勢」されるというサイコホラー。ここまで酷いと「このゲームを作ったのは誰だぁ!?」と問い詰めたくなるが、
なんと本作にはエンドロールすらないという尻尾の先まで超空間リスペクト。
変化球を投げろと言われてバッターを惨殺するようなピッチャーをマウンドに立たせてはいけない、そういう地獄甲子園風ルールを改めて考えさせられた一品だった。
『侵・性奴会~美人会長と爆乳書記の調教日報~』も忘れてはならない。
入院するほどの重傷を負った主人公が生徒会に贖罪という建前の調教をしていくという本作であるが、あらすじで教室に赴くとなっているのに、最後まで教室に行く描写がないという伏線のぶん投げっぷり。
説明不足解説不足はこの点だけに止まらず、そもそも何故主人公が重傷を負うハメになったかもよくわからないし、
代償として何故ヒロイン達が体を捧げる事になったのかもプレイヤー視点だと何一つ不明である。
この問題点は肝心の調教の過程にまで侵食しており、内容は「やらせろ」→「こんな奴に悔しい……ビクンビクン。でも感じちゃう」→「よかった」を中年男性のオナニーのオカズのように代わり映えしない清々しい程のワンパターン。
勿論各キャラに割り振られた様々な作中設定も、ゲーム内では何一つ生かされることはなく、もはやbotに肉棒を挿れ続けているような錯覚にすら陥る。
なお、生徒会では持ち物検査で手に入れたエロゲーの話題で持ち切りなのだが、そういったプレイをご所望しているあたりただの好き者の集まりなだけかもしれない。
以上が2023年上半期が終わった時点でのクソゲー一覧である。
あれ、なんか多くね?と思った人、その通り。この時点で選評数23本。前年の19本を既に上回るという異常事態。そしてその約8割が低価格帯。
もはやこの業界に情熱を傾けるまともなメーカーなどいないのか? と住民は唖然茫然となった。
そんな下半期、猛暑で日本が業火に苦しむ中、均衡を破ったのは、……やっぱりアトリエさくらだった。『俺の幼馴染がエロ配信をしていた件~地味な彼女の裏の顔はエロエロな配信者でした~』。
本作は今までさくらが得意としていた、馴れ初めを数クリックで解説して後は各々が想像しろを廃止し、ヒロインとの描写も比較的深く誤字脱字含めても書き込まれている。
しかしその代償として、肝心なHシーンの尺を削っては本末転倒だろう。
基本的にヒロインは過激な配信をしてそれが徐々にエスカレートしていき……というのは話として悪くないのだが、如何せん掲げるべきNTR感が5ミクロン程度に薄い。
勿論主人公に寝取らせ属性を一つまみする悪癖も健在で、NTRモノとしてはあまりに作りが粗雑で中途半端。
恒例行事にテコ入れをしたかったという思いは伝わるのだが、あちらが立てばこちらが立たずでは伝わるものも伝わらないという課題作であった。
そして猛暑がひと段落した中、スレに一線級の不発弾が発掘される。
それこそがかつて凌辱モノで多くの戦果を得た、老舗ルネの『エルフェンキング』だ。
90枚を超えるCG、豪華声優陣、そしてかつてのルネの十八番ともいえる凌辱、付け入る隙はどこにもないと思われていた本作だが、
開けられた箱には魔法陣グルグルの失敗作のようなクリーチャーが入っていた。
まず肝心の凌辱描写だが、うまい棒の穴に割り箸を挿れ続けるような極めておざなりな描写になっている。
前提として本作には裸や下着の立ち絵差分というものが存在せず、対象キャラを選んだあとは、工程や流れという段階をほぼ無視し「ブッ込んでいくんで世露死苦ぅ!」とばかりにHシーンが始まるのである。
相手をじわじわと責めてトドメに、という凌辱モノの要ともいえる導入が欠けており、場合によっては既に挿入済みだったり、部下に輪姦させるというものも多い。
エロゲというのはHな「シーン」の集合体であり、事前の精密な描写が必要不可欠。エロい画集など幾らでも転がっているこのご時世だからこそ、見せる側を興奮させ、魅了する演出が要求とされる。
しかし本作は、「テキストとボイスと複数のCGをパッケージする」という概念がなく、凌辱描写はいずれもCG1枚の単発に多少の差分を添えただけ。プレイヤー視点での心理面を揺さぶるシチュエーションが根本的に描けていない。
凌辱の肝たる部分を省いて「Hシーンだぞ、ヌけよ」では、どれだけCG枚数があろうとただのカラー絵に堕ちてしまうことを、メーカーは理解っていないようだ。
攻略対象こそ8人と豊富だが、その分各キャラが没個性となってしまい、凌辱はさもベルトコンベアで流れてきた弁当にバランを入れる作業。
これではもはや顔と声が違うだけの万能精液便器である。
そもそもシナリオ自体、「ぼくのかんがえたさいこうのちからでえるふをやっつけておかしまくる」という小学生が考えた読書感想文並みの陳腐さで、
神から与えられた何でもできるチート魔法で人間たちがエルフに一転攻勢するという、同人界隈を見渡せば幾らでも既視感がある代物なため目新しさは皆無。
しかもこの力は主人公の独占ではなく、やろうと思えば仲間にすら幾らでも分け与えられるため、凡百のならず者が一瞬で魔法自慢の兵と化し、戦力差をあっさり覆すシナリオにおいてのお任せ安心潤滑油。
ここまでくるとうだつの上がらない弱者男性が人生の一発逆転を賭けて執筆した某界隈の三流小説となんら変わりはない。
アマチュアならそれも許されるだろうが、それを商業作品を提供するプロがやるのは言語道断だろう。
主人公は傭兵の大将というより山賊のお頭という印象で、知性や狡猾さというのが全く感じ取れず、力を得てからは完全に天狗ムーヴの性欲魔人。
言動も昭和時代の体育教師のように粗野で乱暴な糞主人公と化すため、これならオークやゴブリンさん達の方がまだ竿役として適材という有様。
そして何よりも問題なのが、これが手間暇をかけて完成させたフルプライスのゲームであることだろう。
「如何に手を抜いて作るか」が傾向とされる昨今のクソゲー界隈において、金と時間と労力を費やして世に送り出した自信作がクソだった、という点は住民に高く評価され、
『エルフ』は、本年における最も悲劇的な存在として、その痕跡を確かに刻むことに成功したのである……。
平和は長く続かない。次に出現したのは「おまえはもういい。座ってろ」と枕詞が付くアトリエさくらの『恋人・亜依理(あいり)を抱いた他の男達~愛する恋人が俺の元から去った理由(わけ)』。
本作は複数の章に分かれて構成されており、間男のポジも変化するのだが、肝心な中身はサイコパスが白い粉をキメながら思いついた叙述トリック。
1章主人公はヒロインと偶然再会するのだが、既にヒロインには彼氏(2章主人公)がいるので、本来ならもはやここで話の拡がりなどありえない。
しかし「この話は早くも終了ですね」となるとライターの預金残高も増えないので話は続き、結局1章主人公は駄々っ子のような逆ギレで彼氏と別れろとヒロインに迫り、
対するヒロインは、あなたとは付き合えないと説明しておきながらベッドに誘い肉体関係を持つという、いつもあなたの心の中にいるポルナレフ展開。
3章主人公に至っては固有名詞があるだけで秋の木枯らしの如く空気、ヒロインは「あーわたしNTRれちゃったぁーw」とばかりに他の男の所へ赴き、最終的に1章主人公と結ばれてエンディングである。
プレイヤー視点からすれば何から何まで「ホワッツ?」な展開が続くが、言い換えれば「主人公は亜依理。男は皆舞台装置」とすれば話の流れにも合点がいく。
だが、それがNTRブランドが掲げるNTRかというとあまりに疑問符が残る。マスターアップしながら直前までHPを未完成のまま放置する等盤外戦でも活躍し、
改めて、我はKOTYeにありと声高らかに宣言したのだった。
季節も残すところ冬のみ、そろそろ年末の魔物が蠢き出そうとする気配を住民が感じ取る中、縮地法を用いて主人公とプレイヤーに急接近する三人娘がいた。名をTinkerBellの『せをはやみ。』
土地の淫欲の呪いを防ぐべく三人娘とSEXし続けるという王道の抜きゲーシナリオではあるのだが、本作は遠近法が完全に無視されている。
どういうことかというと、説明も脈絡もなく、話の流れや状況を完全に無視して、女性キャラの立ち絵が突如顔面接近のド迫力になり、モニター前の人間を「IYAAAAAAAAA!!」と驚かせるのである。
それはいつ何時起こるかわからないので、プレイヤーは爆弾処理の気分で慎重にクリックしながら、絶えず危険に備える外ない。
その様は作画崩壊も相まって「精神的ブラクラ」「野獣の眼光」とでも評すべきか。
一方でシステム面も酷く、非常に見難いフリガナは勿論、「アクメーター」「むんむんほかほか機能」「特殊効果」など、
onにしても何が付与されるのかさっぱり分からないコンフィグなどもポイントが高い。
余計な味しかしない隠し味を仕込んだ結果何もかも台無しになるという、シェフのおすすめできない一品といえよう。
その後はタイトルで調教としながら調教するシーンもなく、迫る娘に主人公が流されるだけで、AI妻とはわけのわからないテレフォンセックスなど、
コンセプトがあらゆる面で崩壊している、スワンの血統を継ぐ疑惑が掛けられた『AI(愛)妻と娘への調教生活』の選評が届き、年末は終わりを告げた。
そして年が明けて予備期間。住民はいよいよラストスパートに向けて静かに動き始める。
胸が締めつけられるような不安と恐怖入り混じる緊張感の中、果たして今年も何かがやってきてしまうのか……? そう危惧していた住民だったが、
やはり「それ」は登場してしまった。約束された闇の異邦人が今年も現れたのだ。
その名は、『モラトリアム~ブルーアワー幸せの時間~』。前年『悪魔と夜と異世界と』で大賞デビューを飾ったWendyBellが満を持して送り出した年末の魔物である。
あれからおよそ一年の歳月が流れ、奴らはどうなったのか……それではその全貌に注目してみよう。
まず前提として、本作は、あれほど『ととと』で問題視されていた「ダッサダサで構築されたシステム面」が直っていない。
4:3の前世代的な画面比率、ちょこまかと無駄に動く立ち絵、「ぷにぷに」「びゅ~」「ぴんぴん」等と何処かで拾ってきたようなウザいSE、
不自由な国語で構成されたあらすじと明らかに違う冒頭などあらゆる面が前作と類似している。容量に至っては1Gを割るという惨状だ。
絵に至っては、強欲な壺フェラの踏襲だけでなく、キャラが一枚絵のたびに本当に同一人物なのか疑問を抱くほど下手糞で安定せず、作画崩壊は日常茶飯事。
主人公は、内面でブツブツ言う癖だけは申し訳程度に治っているが、やはり調子に乗ったりヘタれたりイキったり流されたりという情緒不安定振りは健在である。
ではエロゲとして、「読み物」としての評価はどうか。こちらも凄惨極まる内容だ。
話の前後がまるで一致しない4コマ漫画のような描写をダイジェストのように強引に繋げている為、書くべき要点が圧倒的に不足しており、
ご都合主義も相まって人間が会話し、話が進んでいる感覚が根本的に抜けている。
ヒロイン二人は他国からの留学生なのだが、やはりこの点も描写不足であり、アーシャに至っては架空の国である必要性が殆どなく、異世界交流の方がまだ説得力があるという有様。
子猫のような奔放ヒロイン「アーシャ」と堅物で融通が利かないヒロイン「アデリナ」も、気付けばあっという間に惹かれ合い、気付けば濡れ場に突入している。
ただこれらの問題点だけを見れば、単にライターの実力不足で済まされるのだが、問題は終盤である。
アーシャの正体は実は王族の娘なのだが、彼女が母国に帰ると、他人が作ったパスポートで日本を飛び出し追いかける主人公や、
アデリナを置き去りにしたまま、架空の国の君主制を廃し民主制に移行する計画に割って入る主人公という頭の中身が愉快な超展開も存在する。
一方でアデリナルートは、アーシャが笛を吹かなきゃ話が進まない牛歩恋愛であり、早くなんとかしてくれよ……と思いながら進むシナリオに辟易する事必至である。
余談ではあるが、ダブルヒロインを謳いながら3P等といった甘ったるい展開は存在しない事も補足しておこう。
最後にHシーン。前述した通り絵が壊滅的なためエロゲとしての需要すら期待はできないのだが、更に異常なのが効果音。
挿入中は「ぐちゃ……ぐちょ……」と陸に上がった半魚人のような音が鳴り響き、ピストンが早まれば「ぐちゃぐちょぐちゃぐちょ」と律動し、
射精時には「どぼぉりゅ!」とチ〇ポからスライムのような異物でも飛び出したような音が木霊する。
伝説の『ママⅡ』は目を閉じなければヌけないと言われていたが、本作は目を瞑り耳を塞がなければヌけないという高度な手段を余儀なくされる。
しかも本作はアクチ付きなため、一度導入すれば売り飛ばす事も出来ない、PCに残り続けるウイルス的存在になるのだ。
このように『モラトリアム』は「あらゆる要素がどうしようもない」を芸のうちに昇華しており、プレイした者全員にめくるめく低品質を提供させることに成功している。
そのあたりは流石大賞を世に送り出したメーカーの面目躍如といったところか。
そしてトリはやはりというか何というか、アトリエさくらが食後の下剤を務める。
元探偵というスキルを活かし、無断で作った合鍵やカメラでの盗撮などの違法行為でNTR事情を探ろうとする主人公や心底出来の悪い立ち絵で、
プレイヤーを満遍なく不快に攻め立てる『妻・倉崎(くらざき)桜菜(さくな)の浮気調査~寝取られ妻の淫らな下半身事情』。
誤字の乱舞やCGとテキストの不一致という基本武装、寝取られ済の婚約者とボテセックスという疑問点の残るエンド、
既に見た寝取られビデオレターをPVのように何度も見せてシナリオを水増しする『略奪された婚約者(フィアンセ)~恋人・真澄(ますみ)と弟の秘密』の選評が届き、
激動の2023年は幕引きとなった。
ここで幕の隙間から顔を出すのを許可していただきたい。アトリエさくらは本年度9作品をエントリーさせ自身の持つワールドレコードを更新した。
それでも住民の「いつものアレ」以上の関心を掴められなかったのは、NTRというミームの潜在能力を捉えられていないからだろう。
先に述べた通り、NTRの持ち味は黒い絶望感。言わば劇薬の如し鬱展開である。
プレイヤーを嘔吐させ、インポテンツにし、心的障害を齎せる程の破壊力を本来は必要とされるジャンルなのだ。
それは必ずしもNTRモノである必要はない。純愛モノに不意打ちの様に忍ばせ背後から斬り付けるのも立派な策略だ。
竿役をコメディリリーフの様に扱い、女性役を背徳感とは無縁に振舞わせてはそれを描写する事などできない。
なお2023年中、スレに生粋のNTRリストが現れ、「NTR最高傑作は螺旋回廊。次点でPureMailとフタレター」とコメントし、彼の業の深さを垣間見せた。
アトリエさくらは是非これらの作品を模範とし、改めて発奮し、PTSDを引き起こすようなNTRを描写していただきたいと切に願う。
以上で、本年度のゲームを紹介し終えた。
太陽は奈落へ墜ち、月は神槌を受けて欠け、大地は爆動し、海原は濁渦を巻く。
終末さえ感じさせるアカシックレコードの断片を全て紹介したところで、大賞を発表しよう。
次点は、
『エルフェンキング』。
『モラトリアム~ブルーアワー幸せの時間~』。
そして大賞は、
『JINKI -Unlimited-』。
2023年度のKOTYeは、全月グランドスラムこそならなかったものの、選評数32本、前年比大幅増を記録した。
このエントリー数は歴代最多でもあり、15周年に相応しい数字であるとも言えよう。
しかし大豊作だったのかと言えば実はそうでもない。むしろここ数年の問題点の先鋭化はより顕著となってしまった。
評するならば、ゲームのクオリティが落ちたというより、クソゲーのクオリティの著しい低下である。
問題点が類似化され、ひたすら地味で盛り上がりに欠け、華もなく映えもせず、笑いやネタにもなりえないのだ。
特に低価格帯勢の陳腐さは凄惨極まりなく、この辺りは本家KOTY末期の状況と酷似している。
欠点の画一化は、真綿で首をへし折るかのような拷問となり、住民の心の街路樹を枯葉剤で葉っぱ一枚落ちない様にしおれさせていった。
確かに「安かろう悪かろう」は万国共通だが、値段相応は必ずしも否とは言えない。
かつて低価格帯の唯一神『softhouse-seal』は、ロープライスながらも、RPGやアクションに挑戦したり、主題歌を入れる等ネタ性やインパクト勝負で作品に熱意を込め、人々を大いに賑わせてくれた。
しかし今年のロープライス勢には、そういった気概すら感じ取れない、選評者が血反吐を出してようやく瞬間風速的な話題にできる程度のクソゲーばかり。
いかにKOTYeの精鋭といえど、ゲロうんこ茶漬けや無添加毒マフィンを食わされ続けては体が悲鳴を上げるし、生きて碑を残す気力すら失ってしまう。
粗製乱造が極まり、語っても拡がりが狭く感受も味わえず単純につまらない作品が氾濫した、数に比例しない艱難辛苦の一年だったと言える。
その中には確かに名言はあった。一芸特化を駆使することで個性を捻出し、存在感をアピールせんとする作品は本年度には特に多かった。
「放精」「その前に一度イクからちょっと待ってて」「ぽあぽあのぷあぷあ」「けつあな確定展開」「百合に男」「去勢」etc……。
しかしそれらに第一線を張れる力量はなく、精々が耐用年数1年未満の一発屋芸人の持ちネタに過ぎない。我々が求めるのはマクロであってミクロではないのだ。
故に、本年度のクソゲーに要求されるのは、そういった鬱積した感情を吹き飛ばすかのような、圧倒的『パワー』。
次点以上に選ばれたのは、そんな欲求不満を解決できるに値する選りすぐりが顔を見合わせる構図となった。
老兵が最期に遺した死に水『JINKIーU』。
古豪が心血を注いだ悲劇『エルフ』。
王者のトワイライトゾーン『モラトリアム』。
これらはいずれも殴り合いながら奈落へと堕ちる毒腐拳の持ち主であった。
さて、ここで今一度KOTYeの立ち位置について振り返っておこう。
そもそもKOTYeは、その年一番の「クソ」な「エロゲー」を決める祭典であった。
しかしエロゲーは、コンシューマー以上に「嗜好品」という意味合いが強いため、より多角的な視点での品評が必要とされてきた。
故に「門番」や「選外」の概念はなく、有力視されたものを「次点」とし、その頂に「大賞」の戴冠が与えられるピラミッド制を続けてきたのだ。
思えば我々は創生期以来、「クソゲーとは何か」を探求してきた。
しかし本家KOTYの消滅によって、より深く入りこんだ根本的な課題と相まみえる必要を強いられた。
すなわち、「ゲームとは何か」。もっと言えば、「何故ゲームは作られるのか」。
富、名声、権力、人がゲームを作るモチベーションは数あるだろう。だがいつの時代も、創作の世界で人を突き動かしてきたのは一つだ。
それは、「夢の体現」である。
思い描いた誇大妄想を理想の形に押し込め誰もが笑って楽しめる娯楽に仕上げる、それこそが創造(クリエイト)精神だ。
エロゲーはそれにアダルト要素を一つまみしたものに過ぎない。
その「夢」を構築しようとして、「現実」という高くて分厚い壁にぶつかり、玉砕した末路。それが「クソゲー」となってこの世に生を受けるのである。
しかしその中において、本年度どうしても話題から切り離せないゲームがある。多方面から最低最悪の烙印を押され、某批評サイト年間ワースト1を搔っ攫い、
「何なのだ、これは!どうすればいいのだ?!」と戦慄させた、殉職した夢追い人『JINKIーU』だ。
事実一部からは「今年のKOTYeの大本命」「約束された大賞」と囁かれたこの作品。我々をこれをどうジャッジするべきか。
散々に暴行した後奈落の谷に蹴り落とすのが正解なのか。一番石を投げた数で勝敗を決めるのが正解なのか。
だが、今一度待って欲しい。そんな評価はネットを探せば何処にでも転がっている。今更KOTYeでやる意味がない。
厳正な評価を下すのは勿論だが、やるからにはKOTYeでしか出来ない批評を持ってこの作品に応えるべきだろう。
成程、確かに『JINKIーU』は過去のKOTYe大賞と比較しても遜色のないクソゲーだ。
ストーリーは希薄、あって当然の機能すら何一つない、RTSパートは欠陥だらけ穴だらけ。正直、褒めるところを探す方が難しい作品である。
だが、プレイした者なら分かるが、『JINKIーU』の問題点は、詰まる所「未完成」による要因であるのが大きい。
出来ている部分をパッチワークの様に強引に繋げ、エンディングを付けただけ。そのため一線級のクソゲーでありながら、ショボさばかりが目に付いてネタとして挙げられる箇所に乏しい。
じっくり時間をかけてシステムの不備や出来の悪い部分を修正し作り込めばそれなりの物になっていた可能性は高い。しかし「現実」というクソゲーが、たらればを許さなかった。
解散を表明し、自身の死期を悟り、誰にも看取られる事なく縁側の下で静かに逝こうとするメーカーに、割り振れるような予算も技術も人員も何一つない事は容易に推測できるだろう。
続いて年末の大晦日に届いた第三の選評で解明された全貌を補足していこう。
まずフレームレートの問題だが、一応外部ソフトを用いる事で出力を下げる事は出来る。だがその場合本来の想定外の起動手段なせいか、動作は文字送りすらカックカクのバッキバキで結局使い物にならない。
オプションも酷い。キーコンフィグすらないのは先に述べた通りなのだが、ESCで終了で戻るが右クリック、そしてオプション画面から戻る場合は右クリック後に左クリック。
この時戻る前にESCを押してしまうと右も左も使い物にならなくなって動作が詰む。「つまり、どういうことなんだってばよ!?」ESCキーは触れてはいけない。そう思っていればいい。
また本作が既読スキップもAUTOモードもない苦行極まる周回プレイ物である事は解説したが、ボリュームがあるかと言うとそうでもない。
「苦労は3倍なのに中身は1/3だな!」とでも言わんばかりにあからさまなシナリオ削除が散見され、
登場キャラの交流や掛け合いといったゲームに必要な本筋が明らかに抜けている。これでは登場人物に感情移入などできようもない。
音周りもかなりキツい。単調なBGMを適当なタイミングでループさせているため、RTSパートは虚無も相まって体は闘争ではなく睡眠を求める。
RTSパートの出来が無惨なのは技術的な問題もあるので仕方がないが、ステージは100以上あるのにマップは既視感漂う使い回しという「サモンライド」構成な事も追記しておこう。
以上が、『JINKIーU』の深淵の果てに設置された地獄の窯の底の錆の如き特級呪物の全貌である。
こうして見ると、可能性の塊ではあったが、現実という壁に潰され何一つ成就できなかった悲劇性にこそ、『JINKIーU』の問題点は集約されていると言える。
かくして産まれた漆黒のエレクトリカルパレードの輝きは、「これはひどい」がそれ以上の語り口の拡がりを持たない本年度のクソゲーとは一線を画していたといえよう。
戯画からすればさぞ無念であろう。悲愴な駄作になると分かっていながら、徒花を作らなければいけなかった苦しみは察するに余りある。
されど死する時すら前のめりと最期までエンターティナーたれという姿勢こそ、我々は評価する。一人の老兵の生き様と死に様が遺した物語は充分に語り継ぐに相応しいものであった。
そして誰からも愛されなかった悲哀を優しく胸で抱き「よくやった……お疲れ様……」と労いの言葉を投げ掛ける。そんな温情もあってもいいだろう。
故に、本年度の大賞を、『JINKI -Unlimited-』とし、その遺碑に献花と祈りを捧げるものとする。
近年におけるSNSの発達は目覚しいが、その方向は多様性を源流としたインターネットという無限の空間でネタを楽しむ場ではなくなりつつある。
KOTYeは所轄ネタスレではあるが、ネタだからといえば何もかも許されると思っているのか、という声も少なからずあるのが実情だ。
事実本年度も、絵・キャラクター・主題歌・シナリオ、全てが最高な出来でありながら、最終決戦の絵画対決において、能力で幻覚を見せて勝利という「そうはならんやろ」と味噌がついた、
構想8年の結晶『サクラノ刻』の選評が届いたことで一部に波紋が及んでいる。
Kotyeが外部スレ故に、大きな混乱こそなかったが、スレ住民を「ゲテモノ食いの食材の味が分からぬ味盲者の集まり」と宣い断罪する者もいたほどだ。
確かにゲームをクソゲーと扱うのは、人が思う以上に勇気がいる行動ではあるだろう。ましてやそこにカタルシスやエンタメ性を求めるなど、異文化コミュニケーションもいいところだ。
我々は決してクソゲー認定者ではないと主張するが、所詮場末の俗物の偏った価値観など、大多数の前では容易く一蹴され存在を否定されるが道理だ。
そうでなくても、市場の縮小、大手の解散、低価格帯の大量流入、そして本家の活動休止……。
クソゲーを語る場は年々狭まっていっている。
これを言ってはお終いだが、折角高い金を出してゲームを遊ぶのだから、誰もが支持する名作だけをプレイしておけばいい、というのはいつの時代も同じだろう。
『KOTY』も、逆説的に万人に受け入れられるものならば、企画自体が成り立たないのである。
それでも我々が今日までクソゲーが語ってこれたのは、人が持つべき二つの究極のモチベーションによって支えられてきたからだ。
それは、『憎悪』と『愛』である。
例えば愛する者が殺され、復讐を誓う。例えば愛するものと生き別れ、己が地獄にいようとも再会を想って死力を尽くす。
その時、人はとてつもない力を発揮する。それは普通の人間には成しえない文字通り「全霊」だ。
思えばクソゲーオブザイヤーという企画は、その二つのモチベーションによって支えられてきた。
クソゲーを掴んでしまった怒りという『憎悪』を、皆と分かち合い笑って昇華する『愛』へと変えることで存続してこられた。
確かにゲームは大衆娯楽であり商品である以上、売れてもいなければ支持されてもいないものに価値を見出すのは難しいだろう。
しかしどれ程のクソゲーでも、樹海の中の泉の一滴を優しく手で掬う者。そんな人がいてもいいのではないだろうか。
エロゲ業界は終わった。そう囁く者もいる。それが本当かどうかは我々には分からない。
事実ガラパゴス化された日本のゲーム産業で、極めてニッチな人々にしか需要がない世界が先細りの一途を辿ることは予てから想像が付いていた。
コンシューマー市場ですら、携帯機が消滅し、製作費は高騰し続け、大半のサードは撤退、大手も過去の遺産とシリーズ物で食い繋いでいるのが現状だ。
実際、今の子供はゲームを遊ばなくなったと言われており、買い支えている層は高齢化の一途を辿っている。
しかしどんな形にしろ彼らはプロであり、商品を売ってお金を稼ぐ側である。どれだけ苦しかろうと言い訳をしていてはプロ失格だ。
例え彼らが断末魔の咆哮をあげたとしても、それはユーザーの耳には決して刺さらず、クソゲーとして粛々と処理されるだけである。
だからこそクソゲーをネタの肴として語り合い、面白おかしく馬鹿らしく楽しむ行為はある意味で健全な行為だと思う。
『KOTY』のようなイベントで、皆がネタを笑っていられるうちは、日本のゲーム産業にはまだ未来があると思われる。
それが完全に断たれた時、その時が、この業界の本当の「終わりの始まり」を指しているのではないだろうか。
その為に、我々はどんなに道険しくとも最前線に立ち続ける。
闇なくして、光は輝く場所は失うように、
雨なくして、晴れを悦ぶ者はいないように、
名もなき修羅達は今日もクソゲーの、心躍り焦がれる物語を後世に残すため今日も黒檀をかじり、汚泥を飲み込み続ける。
いつか終わると分かっていても、まだ終わらせることはできない。我々の痕跡が、誰もが笑って過ごせる安寧の時を招くと信じて。
最後に、心が強い正統後継者と住民の魂の決意表明を持って、2023年度のクソゲーオブザイヤーinエロゲーを締めさせていただこう。
「ただの住民じゃねえぞ。何度でも心の強さで立ち上がってクソゲーをプレイし選評にするド級の住民! ド住民だ!」
}
2024-03-20T20:59:20+09:00
1710935960
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2023年 総評案/総評案2
https://w.atwiki.jp/kotye/pages/900.html
*2023年総評案2 大賞:[[Jinki -Unlimited->Jinki -Unlimited- 選評]]
【2023】 クソゲーオブザイヤーinエロゲー板 総評審議所
https://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/game/58649/1706966035/
#blockquote(){35:総評2:2024/03/02(土) 18:33:50 ID:???0
クソ路はすべて闇の中である。
2022年のクソゲーオブザイヤーinエロゲー板(KOTYe)は、熱意なき駄作同士がつまらなさを比べ合う、苦難の道行きとなった。
泥濘の底で覇者となったのは、流行のポップソングをボソボソ歌う音痴の自称ロックンローラーこと『悪魔と夜と異世界と』
王道に便乗しながら王道を茶化し、傲岸不遜と自己卑下、中二病と高二病という異なる概念を低い次元で両立してみせ、修羅の国の強者にして怯者として名を成したのであった。
常闇に沈んだ暗黒大陸に、一寸先の光は差すのか。
かつてない祭りが始まろうとしていることを、住人たちはまだ知らない。
未だ前年の総評審議も始まっていない2月末日。
それは遅れすぎて最初にやってきた。
年末の魔物を超越せし年始の魔物、RTS+ADV形式で開発されたファイナル戯画マイン、『JINKI -Unlimited-』である。
前年12月初旬にはマスターアップが宣言され、12月末の発売を予定されていたが、「思いがけない重大な不具合」を理由に1ヶ月延期された経歴を誇る。
このとき戯画は3月末をもって開発・販売およびサポート業務を終了する旨を告知しており、真のデッドラインが差し迫る中で迎えた発売日当日。
我先にと戯画の遺作に突貫したプレイヤーたちは、特定箇所で確定フリーズする進行不能バグに見舞われた。
そして、自分たちが有料デバッガーとなったことを悟る。
その日のうちに修正パッチが出されるも、その先でまたも確定の進行不能バグが発生。
さすがに手詰まりと思われたそのとき、先のパッチでデバッグモードが解放されていたことが判明する。
真の意味での有料デバッガーたちが誕生した瞬間であった。
バグの壁を飛び越えてのフルコンプへと道が拓かれた一方、その力ですべてのシーンを回収し、賢者となって戦線を離脱する者も現れる。
事態を重く見てか、戯画は次なるパッチでデバッグモードを封鎖。
対して、あえてパッチを当てずデバッグモードを使い続けるといった駆け引きもありつつ、アップデートは繰り返されていく。
そうして、ユニーク敵が無限に湧く・パイロットのレベルが99を超えると1に戻る・セーブデータが肥大化する等々のバグは駆逐されていった。
かくしてパッチ絡みで七転び八起きしたプレイヤーたちであったが、本編は七転八倒を強いられる。
いや、正しくは本編開始前、起動した時点からであった。
というのも、本作はフレームレートが無制限となっており、並のGPUでは常時稼働率100%は免れない。
文字通り「Unlimited」であり、起動した瞬間にタイトルを回収する大記録を打ち立てたのである。
ほかにも、RTS・ADVの両面において多岐にわたる問題点が指摘されたが、報告者は完走を前に力尽きてしまう。
全容の解明は、後に続く者へと託された。
最後の戯画マインは、墨染の空に風穴を開けた。
やがて春を迎えたそのとき、空の穴から選評が降り注ぎ始める。
花びらのようにしんしんと、しかし絶え間なく、過去に類を見ない物量で。
それは、解散した戯画や、眠りについた据置版クソゲーオブザイヤーへの慰労か、あるいは最後の現役戦士となったKOTYeの生存本能か。
葬送の桜祭りは拡大の一途をたどり、選評数は5月までで20本に迫ることとなる。
近年の常連組からは6作が祭りに参列した。
先頭は、3年連続となるエントリーを果たしたNorth Boxの『高嶺の花と魔法の壺』である。
前作では相反する設定の不協和が指摘されていたが、それは完全に解消されている。
潔すぎる手段、すなわちシナリオをできる限り無に近づけることによって。
というのも本作の中身は、「主人公がひょんなことから手に入れた魔法の壷の精に、やりまくりたいと願って叶えてもらう」、ほぼそれだけなのである。
加えて、演出面の省エネ効果も際立っており、出番の多い壷の精も含めてヒロイン以外のボイスなし、モブの立ち絵はシルエット表示。
30年近く前の著名サウンドノベルをオマージュした、温故知新の精神の表出であろう。
ピストン音にはバリバリというノイズが交じっており、これもまたかつて存在したバリッと響く射精音を思い出させた。
HシーンにそぐわないBGMも健在であり、今回は琴の調べを思わせる典雅な音色が煩悩を霧散させる。
思い切った決断でハマったのは壺ではなくドツボであったと見るべきか。
続いて、evoLLの『ラブカフェ~童貞な俺でも、巨乳女先輩と同棲できるってマジですか?』が、あらすじ詐欺を仕掛けた。
「4人の同棲生活」との触れ込みながら、実態は2人の同棲生活×3ルート。
最後に解放されるハーレムルートでようやく実現かと思いきや、非処女ビッチ化したヒロインたちとやりまくるだけの妄想オチで終わってしまう。
思い描いた「4人の同棲生活」など、夢のまた夢である。
ほかに強く印象に残るのは、射精のことを「放精」と表現する独特の言語感覚くらいであった。
ここで2人のヒーローガールが会場に舞い降りる。
1人目は、SUKARADOGの『虜囚の女ヒーロー ~怪人たちとの闇の狂宴~』
悪の組織ポルチオーンに破れた突破戦隊テクノブレイカーの紅一点が、仲間を人質にされてバトルファックを強要される話である。
この時点で察せられる通り、本作には突っ込みどころが非常に多い。
まず、ヒーロー調教モノとしての様式美は無視されている。
戦闘敗北の描写を割愛して監禁済みの状態から始まり、怪人の精液による催淫効果で1回目から即発情、快楽に抗えないままあえなく絶頂である。
徐々に快楽堕ちしていく過程など描いていては、現代のスピード感にはついていけないという判断であろうか。
また、主人公の思考回路が頓狂であり、いかなる状況下でも戦隊ヒーローとして実力を行使する発想に至らない。
脱出のために見張りの戦闘員の無力化を試みる際にも、力づくで勝てる相手だと認識しながら率先してバトルファックを仕掛ける有様であり、正義のヒーローならぬ性技の披露と揶揄されている。
ほかにも、省コスト感あふれる怪人の造形、マ◯ンガーZの劣化パクリに出てきそうな敵ボス「ポルチー王」など、総じて昭和の荒唐無稽な特撮の欠点を煮詰めたような出来であった。
2人目は、アパタイトの『清純ヒーロー×ビッチ墜ち!! ~悪の組織に調教される乙女の心の移ろいは…~』
見せかけは魔法少女凌辱モノであるが、内実はそのお約束を茶化し続けるコントであった。
なにせ主人公には悲壮感がない。
もっと堂々と調教しろと敵を説教し、売春を強要されそうになれば報酬の安さに怒り、敵に料理の腕前で負けて悔しがる。
そいて敵側にはゲスさがない。
農家との提携について主人公を交えて真剣に会議し、拠点のローンが未完済であることに悩み、主人公の孕ませを助産師不在を理由に一度は断念する……といったように、立ち位置もわからない。
ほかにも、快楽ではなく充実した職場環境に堕ちた主人公が孕んだり、悪堕ち後と見られていた姿は敵が用意した衣装に着替えるだけで、投げやりな生着替えを見た敵のほうが恥ずかしがったりと、最後まで仲良くエロ行為に励む。
バカゲーならバカゲーとして、もっと堂々と告知しろと説教されたのもやむなしであった。
そして常連部隊の後詰めは、
内容以前に、未読・既読スキップの切替やクリック後の音声継続すらない一方で、アニメーションのオンオフ設定はあるがアニメ演出は未搭載という劣悪な使い回しシステムが問題視された『ママ僕だけを愛して… ~キモデブ息子を溺愛する母の歪んだ愛情~』と、
タイトルに掲げた「盗聴」要素はモノローグで説明されるだけでボイスなし、「妄想」要素は見当たらないという世知辛いタイトル詐欺をやらかした『カノジョの性癖 -盗聴×妄想-』が務めた。
常連といえばのアトリエさくら勢も、当然のように臨席。
単独ですでに4本ものエントリーを果たし、大いに面目を躍如している。
過去のエントリー作品から話の骨子を流用しただけでなく、導入部の選択肢の主旨と背景に至ってはまったく同じだった『好きだった幼馴染がクラスメイトのオモチャになっていた件』、
立ち絵ミスによる「全裸からの瞬間着衣」に「返信→変身の誤変換」がシンクロして起こった正常化現象と、竿役が五七七の韻律で放った台詞「その前に一度イクからちょっと待ってて」が好事家を唸らせた『他人棒でイキ狂い快楽に溺れていく最愛妻 ~見せつけられた快楽に絶頂する妻の痴態』、
「チャラ男に薬を盛られてレ◯プ→脅されて関係継続→快楽堕ち」のテンプレ展開が、薄っぺらいキャラ設定すら置き去りにして儀式のごとく粛々と進む『堕とされた義姉 ~憧れていた義姉がクラスメイトの手で快楽調教させられていく~』が、それぞれの個性で場を温め、ときに冷やした。
中でもとりわけ耳目を集めたのが『妻、宇佐見恋を抱いてください ~夫公認公開恥辱NTR~』であった。
NTR+痴漢をコンセプトとしており、その性質上、多少の不条理展開やご都合主義は許容されうる。
しかし、それを差し引いても「筋書きありき」の度が過ぎ、登場人物たちの言動は不可解極まる。
ヒロインは、物事はっきり言う上に罵倒もスラスラ出てくる強気なタイプにもかかわらず、痴漢にあっても口撃以外はされるがままで、肉体的な抵抗や反撃は一切しない。
理由は「被害者扱いされたくないから」とされているが、現在進行系で行動をエスカレートさせていく痴漢に対し、有効かつ実行可能な抵抗を放棄してただ耐える理由にはなるまい。
さらに、同じ理由で通報すら拒否しておきながら、再度痴漢にあった際、妻の意思を汲んで手出しせず耐えた主人公に対しては、なぜ助けてくれないのかと不満と不信を募らせる。
一体どうせよというのであろうか。
ほかにも、主人公が仲違いした妻との仲裁を頼む相手がよりによって竿役、イケメンで女に不自由していない竿役がヒロインに痴漢した理由が「巨乳だったから」のみ、等々、ストーリー展開に納得感がなさすぎる。
また、ヒロインと竿役は若い男女でありながら、台詞回しに加齢臭が漂っている。
恋愛経験がほとんどないヒロインの語彙に「他人棒」「弾丸みたいなピストン」「弾丸というより男根」やらが含まれるのは興ざめであり、竿役は、
「イッてよし」
「キミのマ◯コの声は……キミより俺のが聞けてる」
「熱いマ◯コを初体験という俺の童貞……捧げてやったぜ」
のような凍える台詞を吐く。
そんな本作の最大の見せ場は、主人公が妻を奪還するかあるいは離婚かを賭けて竿役との勝負に挑む場面であろう。
夫の勝利を信じて応援する妻、それを受けて意地を見せる主人公。
夫婦愛は感じさせるが、しかし競技内容は「射精我慢比べ」である。
竿役がヒロインを抱き、主人公はそれを見ながら自慰をする形式となっており、非常にシュール。
その際の、
竿役「さあ旦那さんイケよ!」
主人公「僕はイカない!!」
ヒロイン「あなたはイカないでぇえええ!(私は)イクぅう~~~~~ッ!!」
という掛け合いは噴飯ものであった。
近年、粗製乱造を繰り返すアトリエさくら作品の中では、パワー感のある仕上がりといえよう。
常連組以外からも、新規・久々あわせて多数のメーカーが馳せ参じた。
露払いを務めたのは、悪女属性を特色と謳うEvilHealの『Aphrodisiac -女神の欲望-』
サイコパス気質のマッドサイエンティストをメインヒロインに据えているが、その特異な設定を貫けていない。
というのも、オチがあまりにあっけないのである。
惚れ薬を飲んだら恋心を自覚してハッピーエンドやら、ヤクザに襲われるとあっさり屈して情けなく許しを請うやら、悪事を暴露すると言われるとすんなり受け入れて逮捕やら、マッドの矜持を放り出す結末が多い。
また、誤字脱字が非常に多く、「それはいいんだけが」「当たり間ですよ」「変ことしようしてます?」「初めての浮かぶ環状」「え、それは早くマジいですね」等々、校正したか疑わしいほどの数が確認されている。
結果、作中の迷言「嫉妬がボンバー」になぞらえ、プレイヤーの頭がボンバーと皮肉られたのであった。
次に現れたわるきゅ~れの『病みつきヤンデレハーレム!』は、同じく誤字が目立つだけでなく、日本語が怪しい部分までも散見された。
中には、
「扉が開かれると、そこから顔を出したのは、学生服に身を包んだ、幼馴染の美愛が入ってきた。」
のように、主語と述語の係り受けがとっ散らかっている例までも確認されている。
作中で主人公は、ヒロインから文章のおかしさや誤字脱字の多さを指摘され、
「慌てて書いたでしょう?それとも『ながら作業』でもしていた?」
と注意されるが、それを言いたいのはプレイヤーも同じである。
それでいて、精液の表現は「オス汁」「生殖汁」「遺伝子汁」などと無駄に豊富なのがしゃらくさい。
また、HシーンにそぐわないBGMも採用されており、メーカーの垣根を超えた流行の兆しが垣間見えた。
本作においては、まず探偵モノの推理中を思わせる曲が流れ、1回射精すると、激しいクラシック調の曲に切り替わって2回戦に突入する演出になっている。
ラスボス戦さながらのテンションをHシーンにぶち込んで笑いを取る、その手法が最も「病みつき」であったやもしれぬ。
変わり種から花開いた大輪の曼珠沙華、Rosettaの『星と乙女が占う未来』も、祭りに死色を添えた。
女性同士の交流を描いたライトな百合作品であり、PC版に先行してNintendo Switch版が一般向けゲームとして販売されている。
そうした経緯もあってか、PC版も本編にアダルト要素はなく、エンディング後にまとめて追加収録という構成である。
そして、その追加部分こそが大いなる波紋の発生源となった。
Hシーンは4つあれど、主要登場人物同士の絡みは皆無。
すべてのシーンが、主人公と、前触れなく追加された謎の恋人「あなた」との組み合わせであった。
この「あなた」なる存在は、名前や姿はおろか性別に至るまで明確な描写がない。
最初から最後まで一言も発さず、透明人間であり、透明チ◯コの描写すらない。
ただし、大きくなったモノを主人公に挿入する主旨のテキストはあるため、少なくとも生えてはいるらしい。
要するに、百合作品に対する不意打ちでのチ◯コ投入であった。
百合好きにとっては、男の影がちらつくだけでも異物混入事件たりうる。
まして一物挿入ともなれば、冷や汗・動悸・息切れ・めまい・嘔吐などの重篤なアレルギー症状を引き起こしても不思議あるまい。
また、事前に純正百合を装う前フリも周到であった。
すなわち、
・メーカーの過去作は百合と男の娘モノで、男臭さがない作風だと認識されていた
・過去作のジャンルは、それぞれ正しく告知されていた
・本作にも、販売サイトで百合やレズビアンのタグが付けられていた
・百合ゲー専門のレビューサイトには一般向け版が提供され、最後までプレイして間違いなく百合作品であると認定されていた
といった念の入りようである。
数々の仕掛けは功を奏し、本作は「百合と『あなた』がまぐわう地雷」として悪名を轟かすのであった。
この波に乗じて、
マッシブで気丈な女騎士に、舌っ足らずのたどたどしい声を割り当てる重大なミスキャストをやらかした『上司の巨乳騎士団長は俺の肉オナホ! ~年下恋人から中出し漬けで寝取って孕ませ穴に!~』と、
17年前の作品のほぼベタ移植をフルプライス販売するも、ウリにした追加部分は絵柄と声が本編とちぐはぐなスキップ13秒の夢オチだった『淫堕の姫騎士ジャンヌ RE:BORN ~オーガの仔種を注がれる気高き姫!~』もエントリー。
前後して、ZIONの『ワケありJK従属学園 ~強制絶頂は終わらない~』も、絵に全振りで残りは雑な近年流行のスタイルで参加している。
シナリオ冒頭から早くもあらすじと矛盾しており、「ヒロインは男子生徒たちを手玉に取っているはずが、いつの間にか絶頂地獄へ~」のはずが、処女喪失シーンで絶頂を寸止めで完全にコントロールされて完敗を喫する始末。
その際にヒロインが「ヌアァーーー」と咆哮を上げるところにも現れているが、本作のテキストには珍妙なセンスが充満している。
男子生徒たちの名付けからして、まず頂点に君臨する3人がS1・S2・S3、みんな揃って「SⅢ」(スペシャルスリー)である。
そしてモブたちは、男子生徒A~Dやらαやら2やらが順不同で現れるという、マドハンドもかくやの乱立ぶり。
文体も独特であり、「男根の美味を味わう」や「子宮口を亀頭が消しゴムのように削ってくる」といった、わかるようで引っかかる言い回しが多い。
「黒光りするイチモツが信じられないほど高速で揺れている」というピストン表現は、字面だけ見れば全裸での激しい腰振りダンスである。
しまいには、射精を「放精」とする表現が他メーカーと被ってしまう「放精マイフレンド現象」をも引き起こした。
絵にしても、モブが貧相すぎてヒロインとの格差が際立っており、金持ち男子と借金苦女子というコンセプトを毀損している。
大切なのは全体の調和であり、「ハンバーグだけ上等でも、バンズが釣り合わねば忌まわしいハンバーガーの域を出ない」話を想起させる仕事ぶりであった。
突然の確定演出とともに、とこはなの『ナマイキユメちゃんはおにぃとメチャクチャHしたい! ~ギャルと教師のドキドキ同棲生活~』も姿を表した。
紹介文によると本作は、「ときに傷つき迷う等身大のキャラクターを配し、関係性を掘り下げ、低価格帯であっても満足感のある濃密な内容を提供する」らしい。
しかしながら、これは実態と大きく乖離している。
最初から最後までダダ甘ライトで、傷つくことなど一切ない。
主人公が教師と生徒という立場に悩むのも最初だけであり、ヒロインに全裸で迫られるとあっさり陥落して猿と化す。
そもそも、主人公とヒロインが急接近するきっかけからして「ヒロインがアナニーに使用したペンがケツ穴から取れなくなり、主人公に取ってもらう」である。
恋人同士になった後ならまだしも、それが急接近のトリガーとなるのはさすがに前代未聞であり、「ついに修羅の国にもけつあな確定の波が」と驚きをもって迎えられた。
また、本作は主人公の名前に関する不具合も搭載している。
デフォルトネームが存在せず、手動で入力を求められるが、ここで設定した名前はシナリオ内の「主人公」という単語をすべて上書きしてしまうのである。
例えば、主人公名を「ゲルググ」にすると、「俺つえー系ゲルググ」なる新型なろう系MSが誕生し、作中のアニメ作品は「3話で早くもゲルググとヒロインがキスする」内容に変化する。
かくして本作は、ケツアナユメちゃんとしてのみならず、KOTYeにおける命名遊び史の1ページとしても名を残した。
宴もたけなわとなったところで、アンモライトの『女体化転生したボクはふたなりで無双する!? ~でも、お姉ちゃんたちには絶対に勝てません!~』が、風変わりなテキストでスベリ倒した。
主人公は天然を通り越してバカであり、女体化してなお自分は雄々しいと猫口調でにゃあにゃあ力説し、子供じみた言い訳を繰り返すため見苦しい。
さらに、「精液が出発進行する」「お腹がぽんぽこタヌキになってしまう」「頭も身体も、ぽあぽあのぷあぷあだ」といった表現に加え、テキストがバグったかのように出鱈目な絶叫も炸裂する。
挙句、馬並みに肥大したチ◯コから鏡を割る威力の射精を旧友めがけてぶっ放し、選評者から殺人未遂の嫌疑をかけられている。
バカゲーとして見てもなお、ただ薄ら寒いだけの惨状というほかない。
降りしきる秒速5センチメートルの走馬灯たちをすべて見届け、屍山血河の桜祭りは終結した。
例年ならばおよそ一年分に相当する数の選評が、半年足らずの間に届く異常事態。
住人たちは戦々恐々としながらも、しばしの休息に入り下半期の戦いに備えるのであった。
本格的な夏が到来した7月の後半には、半月に5本の選評が集中的に届いた。
口火を切ったのは、アトリエさくらの『背徳の強制種付け ~愛する妻の子宮に注ぎ込まれる他の男の精液~』
背景差分が足りないせいか、「主人公が24時間トイレに籠もっている間に、竿役とヒロインは徹夜フェ◯からの朝から晩までセッ◯ス」という持久戦が勃発したかに見える事態を引き起こし、住人たちを困惑させた。
これを受け、とうに桜の時期は終わっているとばかりに、対抗戦力たちも決起した。
陣頭に立ったのは、コンフィチュールソフトの『ギャル姉妹 ~ハーレムタイムが止まらない!~』である。
いわゆる「オタクに優しいギャル」がテーマながら、ギャル属性に対するこだわりが感じられない。
姉妹ヒロインの姉の方は、見るからに強気ギャルの外見に反し、主人公に対してまさかの敬語。
立ち居振る舞いも、生徒会長でもやっていそうな優等生のそれである。
妹の方は、陽キャギャルとして概ね許容範囲に収まっていると思いきや、Hシーンでいきなり東リベパロをぶち込んでくるなど、薄ら寒いネタが目立つ。
話の展開もあまりに適当で、導入からして「ヒロイン(妹)に振られた主人公は、その場で『だったら1回やらせてくれ』と土下座してドン引きされるも、それを見ていたヒロイン(姉)に1回やらせてもらえる」である。
これは購入前でもあらすじとして確認できるため、ストーリーには期待できないと推察できる点は良心的といえよう。
実際、導入部以降はひたすらやりまくるのみであり、ノイズ入りの「ギャル」という記号を抱くエロゲーと評された。
第二列として、
主人公が精神的に調教されてNTR性癖に目覚め挙句、汚れた妻を抱きたいというさらなる性癖の変化を機に「本人も納得の上で去勢された」ことがさらりと明かされる『調教カテイ ~性開発された肢体は元カレを忘れられない~』、
展開の理由付け・設定の落とし込み・心理描写のことごとくを不足どころか欠落させ、ヒロインたちの性知識の由来に至っては全員一律でエロゲーにして「侵・放課後エロゲー生徒会」の異名を得た『侵・性奴会 ~美人会長と爆乳書記の調教日報~』が続く。
負けじとアトリエさくらも『俺の幼馴染がエロ配信をしていた件 ~地味な彼女の裏の顔はエロエロな配信者でした~』で押し返しを図る。
開幕3クリック目にして「言葉にしなくて、もうそれでけで彼女には~」なる奇怪な文章による先制パンチをかまし、以降も誤字を頻出させて雑さを見せつけた。
一方で、絵柄を今風に寄せる、非エロの一枚絵を用意するといった試行錯誤の跡もみられる。
メーカー恒例の「馴れ初め3行解説」も廃止され、導入に適切な文量が割かれるようにもなった。
しかしながら、その分だけHシーンが削られている。
回想枠は14あるが、そのうち本番は6枠しかなく、残りの8つはあの手この手の水増しによるもの。
内訳は、脱いで見せるだけの短いシーンが4枠、自慰が2枠、一続きのシーンを分割して増やしているのが2枠である。
古の王アーベルが多用した水増しの手法をも取り入れはじめたアトリエさくら。
一皮むけようとしたはずが、化けの皮をかぶるも同じ皮肉な結果に終わった。
7月の戦いの後は騒動もなく、気付けば秋を迎えていた。
修羅の国においては、狂騒の収穫祭が勃発しがちな季節である。
しかし、さすがに春に続く大祭とはならず、2作品による小競り合いで収まった。
先にやってきたのは、『エルフェンキング』
近年は催眠モノに傾倒していた老舗ルネが久々に手掛けた、ファンタジー凌辱モノである。
かつてのお家芸といって差し支えないジャンルのはずが、シナリオとエロの演出に手抜かりがありすぎて、フルプライスエロゲーに求められる水準には程遠い。
まずシナリオは、「劣等種として虐げられてきた主人公が、世界の王たる力を得て、高慢なエルフ族に下剋上する」であり、ありきたり極まる。
そして主人公が得る能力は「イメージの現実化」および「他者への能力の伝授」という万能ぶり。
実質なんでもありの能力ながら使い方は単調で、相手を上回る魔法の威力で押し勝ち、自由を奪って凌辱、その際たまにチ◯コサイズの調整、その反復に終止する。
主人公の行動原理も単純で、やられたからやり返す、エルフだから犯す、ただそれだけ。
決起から連戦連勝連姦でトントン拍子にエルフの国を滅ぼし、全ヒロインを奴隷化して嬲る、それ以外の内容はなきに等しい。
最序盤に、力を求めずに「運命は自分で切り開く」と宣言する選択肢もあるが、切り開けずに即バッドエンドである。
全編通して新鮮味がまるでないため、せめて一捻りは欲しかったと嘆かれた。
次に演出は、端的にいえば色々と端折りすぎている。
絵の質と枚数は価格相応ながら、差分が少なく、ヒロインたちは表情の変化に乏しい。
精液差分を増やしたところで、焼け石に水である。
他方、過程の省略も度を越している。
凌辱モノの流れとして、1回の凌辱をどんな段取りで進めるかの短期的なものと、その繰り返しを経ていかにヒロインが屈服していくかの長期的なものとがあるが、その両方に深刻な欠落が見られるのである。
まず、個々の凌辱シーンは前フリの軽視が甚だしい。
シーン開始時点で全裸なのも珍しくなく、すでに挿入済みの場合すらある。
つまり、「挑発して歯噛みさせてから服を剥ぎ取る」のような凌辱モノにおける前戯が、まるごと省かれているのである。
屈服までの過程にも欠けが多く、ヒロインによっては、プレイヤーが見ていない間に経験人数が数百人に達して心が折れかけている。
しかもそのことが説明されるのは、いざ本格的に凌辱・調教を始めようという個別エピソード1回目の冒頭である。
それでもなお「ほとんど処女みたいなものだな」と受け入れる剛の者は少なかろう。
気分を盛り上げるために適切な段階を踏むことの重要性を、嫌になるほど知らしめた作品であった。
秋の2本目は、またも現れたアトリエさくらの尖兵『恋人・亜依理を抱いた他の男達 ~愛する恋人が俺の元から去った理由~』である。
ヒロイン1人に対して男主人公が3人おり、ヒロインの男性遍歴を複数の視点から描いている。
しかし、少ないボリュームが章仕立てで分割されているせいで話が薄すぎ、独占欲が強く幼稚で我儘なメイン主人公への嫌悪と、取ってつけたような理由で尻を振り股を開くヒロインへの困惑しか印象に残せぬまま散っていった。
師走に入ると、一年を憂いなく終えんと冬の戦いが開幕する。
恐ろしい攻撃で先手を取ったのが、TinkerBellの『せをはやみ。』であった。
第一に、独特なシステム設定に対する説明が不足している。
射精カウントダウンとは別に存在する「アクメーター」や、「むんむんほかほか効果」といった、なんとなく予想はつくが明確ではない設定を複数搭載してプレイヤーを困惑させ、この調子では「ぽあぽあのぷあぷあ機能」もいずれ出現するのではと囁かれた。
一方で、固有名詞にはルビを振る親切さも見て取れる。
しかし、テキストの1行目がメッセージ枠の上端スレスレに表示されるため、ルビが枠を超えてしまい非常に見づらい。
必然的に目を凝らす機会が増えるが、それが次なる仕掛けの効果を増す仕組みにもなっている。
それこそが、会話しているヒロインの顔が突然ドアップになるサプライズ顔面アタックである。
専用に書き込まれた高解像度の顔面が、画面を覆い尽くさんばかりのサイズで、なんの脈絡もなく表示されるその技は心臓に悪く、いわゆる精神的ブラクラを思い出させるほどであった。
縮地法のような距離の詰め方は事前の心構えを許さず、しかも日常の茶飯事として連発してくるため、プレイ中は常に戦々恐々とさせられ、否応なくストレスが積み上がっていく。
いつ技をかけてくるかわからないヒロインたちへの警戒心は、次第に嫌悪を帯び始め、瀬をはやみの和歌に詠まれた慕情とは乖離していくばかりとなるのであった。
続いてcalciteの『AI(愛)妻と娘への調教性活』が、流行りに浅く便乗した。
特色は、亡き妻の人格を投影したAIヒロインである。
ただし、スマホに表示されるキャラでしかないため、Hシーンはスマホ画面の痴態を見ながらのオ◯ニーとなってしまう。
スマホ内に主人公のアバターを生成して行為に及ぶアクロバティックな展開もあるが、実体の方はやはり見ているだけである。
そして、タイトルに調教とありながら、AI妻への調教要素はまったくない。
義娘ルートには、なぜか妻の部屋から出てきたSMグッズを「俺たちに遺してくれたのかも」と使う無理やりな流れが1シーンだけ存在するが、「調教性活」を冠するにはあまりに弱い。
また、整然とした連続性が欠落した不条理な展開も散見される。
とりわけ、義娘に初めて手を出す場面で義娘が開口一番、
「……そういえば、手でしたことってあったっけ」
と話すのは理解に苦しむ。
「すでに幾度となく性的な行為に及んでいるが、手でしたことがあるかは記憶が定かでない」としか解釈できず、「手を出そうとした直後の暗転時に、さんざん手を出した後の未来へとワープした」説が提唱されたほどである。
安易な題材すら腐らせるのは毎度のことながら、整合性のなさに磨きをかけてきたところは、常連らしい流石の貫禄であった。
そして大晦日には、海外在住の有志による選評を住人が代理投稿するという国境を超えたバトンリレーにより、『JINKI -Unlimited-』の追加報告が届く。
最初の報告と合わせ、ついに年始の魔物がその姿を現すときが来た。
本作最大の特色といえば、やはりRTS形式の採用であろう。
RTSの娯楽性の真髄は「リアルタイムで移り変わる戦況を、戦略的思考と臨機応変な判断で勝利に導く達成感」にあり、その実現のためには高い操作性と戦略性が欠かせない。
しかしながら本作は、その両要素が致命的に欠如しているのである。
まずは操作性について。
まずUIの軸足が後発のコンシューマー版に置かれており、PCでの操作に最適化されておらず、キーコンフィグすらもない。
例えば、ホイールのクリックとスクロールにはそれぞれ必殺技と視点変更が割り振られており、誤操作の発生は必定である。
その他の操作も全体的に煩雑で非効率的であり、各ユニットに指示を出すのも一苦労。
そして指示を出しても、移動系の補助・補正機能が貧弱すぎて、壁に引っかかるか目標を見失うかしての棒立ちが多発する。
ゲーム操作の理想にして常識たる「直感的に効率よく正確な制御ができる」には程遠いと評すほかあるまい。
次いで戦略性について。
直言すれば、ユニットとマップが単純かつ画一的すぎて、戦略云々の生じる余地がない。
ユニットのカスタマイズは武器のみであり、それすら攻撃力以外は実質死にステータス。
マップは、狭い・ギミックなし・使い回し過多と三拍子揃っている。
攻略がワンパターンになるのは当然の結果といえよう。
敵が硬すぎたり、適宜レベル上げ作業が必要になったりとテンポも悪い。
さらに、後半に入ると敵の物量と火力が激増し、前述の操作性の悪さが組み合わさって理不尽な難易度となる。
それでいて戦闘回数はやたら多く、実に100を超える。
単純・理不尽・冗長にして、操作性も悪く、爽快感も達成感も味わえないまま疲弊させられるばかりの、RTSを名乗るも烏滸がましいストレッサーの集合体であった。
一方、ADV部分にも様々な欠落が見られる。
まずストーリー以前の問題として、ADVの標準機能が備わっていない。
言い換えるなら、ADVに関する設定変更そのものが存在しない。
つまり、テキストスピード変更・メッセージウィンドウの透過率変更・オートモード・未読スキップ・バックログ等々が軒並み未搭載である。
CGモードもないため差分は見られず、シーン回想は、シナリオの既読部分にいつでもジャンプできる機能で代用されている。
そしてストーリーは、ご都合主義でボリューム不足の尻すぼみである。
新主人公は、最初は巻き込まれた一般人という立ち位置ながら、実は敵勢力の天敵ともいえる特別な存在であり、さながら創造主より遣わされたメシアのごとし。
これまでの戦いが意義を失う無双の働きにより、問答無用でシリーズを完結へと導く。
おそらくは「主人公が仲間との共闘や交流を経て成長し、特別な存在へと至る王道の物語」を描こうとしたのであろう。
しかし、そのために必要な描写を削り落とした形跡があり、特に終盤で目立つことから、時間と資金が尽きたのではないかと推察された。
褒められるところは、敗北if凌辱に振り切ったHシーンくらいか。
ただし、一部シーンはリョナを通り越したゴアのため刺さる対象が限られすぎており、そのわりにCGでの表現がかなり控えめになっている点は、中途半端さが指摘されている。
そして総仕上げとして、オールクリアには3周を要する周回前提仕様を搭載。
周回によってストーリーが分岐するため、共通ルートにあたる重複部分を周回ごとに既読スキップなしで通過せねばならない。
かくして、つまらなさと不便さのアンサンブルに加えての「3回周って徒労も3倍だな」仕様により、数多の購入者をクリア断念へと追い込んだ。
これもまた「Unlimited」と呼ぶにふさわしく、再度のタイトル回収が成る。
かくして、プレイヤーとその所有PCを同時に屠らんとする死のダブルミーニングは、修羅の国を震え上がらせたのであった。
予備期間には、昨年の大賞を生み出したWendyBellの『モラトリアム ~ブルーアワー幸せの時間~』が、満を持して参戦した。
前作『悪魔と夜と異世界と』と同じく、本作もすべてが低質。
画面比率は今なお4:3、立ち絵が動くときメッセージウィンドウが消える仕様も、頻度こそ減ったものの受け継がれている。
そもそもボリュームが不足しており、フルプライスに近い価格帯でありながら、ヒロインは2人のみ、容量は1GB未満。
比例してストーリーも薄い。
大部分は面白みのない細切れの日常が続くのみであり、ヒロインたちがそれぞれ別の異国出身という設定も活かされていない。
一方、主人公は自己中イキリクソ野郎と評されたが、作中では自他ともに認める協調的な人物として扱われている。
原因は、主人公がイキるたびになぜか信頼や好感を得るというギャップの積み重ねである。
例えば、ヒロインとの出会いの場面からして、
「ナンパ学生たちに絡まれているヒロインに対して『お高くとまってるのは媚び売ってるのと同じだからやめた方がいい』と哲学的な説教をかまし、男に凄まれたら逃げる」
という行動に出て、ヒロインの歓心を買い、プレイヤーからは嫌われた。
この件、公式のあらすじでは「ヒロインは驚きつつ反論し、ナンパ学生は呆れて退散」となっており、早くも食い違っていることが今後の不安を煽った。
小オチの「実は某国の姫でした」は見え透いており、ただ落胆されるばかりであったが、大オチが住民たちの度肝を抜く。
それが、黙って母国に帰ったヒロインを追い、君主制を廃しての民主化に絡むという超展開であった。
入りからして毎度のパターンの強化版であり、主人公が、
「騙し討ちみたいに急に去られて納得できるか!直接話して一発ぶん殴る」
と感情を爆発させると、姫の護衛役に覚悟を認められ、都合よく準備されていた偽造パスポートで渡航する。
とはいえ、さすがにイキって民主化運動して革命とはならず、イキって要人や国王に気に入られ、ヒロインを口説くのみである。
過程のほとんどは「様々な障害がありつつも」で割愛され、離れ離れになった2人は数十年かけて民主化が終わってから再会したことがざっくり語られて終了。
一連の経緯は、
「そして…僕は偽造旅券を手に入れたのだった。
ずっぷ!ずっぷ!
ああ…民主化しそう」
と的確にまとめられている。
突然の民主化展開はKOTYeをしばし政治学スレへと変え、経緯を知らずに顔を出した者が困惑する事態となった。
この内容で、キャッチコピーを「それは青くて一瞬で大切な時間」とするセンスには恐れ入るほかない。
絵も上等とはいえず、一枚ごとに顔つきや体形がブレており、不出来なAI生成画像に通ずる不気味さを有している。
そのため戯れ半分でAI画像識別ツールにかけられ、誤認識ながら、AIに生成された確率が40%台をマークする画像も発見された。
ついでにママⅡの画像も招集され、うち1枚が実に80%超えを叩き出している。
格の違いを見せつけられた形ではあるが、逆に考えれば、本作はママⅡの半分もの絵力を有しているともいえよう。
その上で追加の欠点も多数抱える姿はまさしく強者のそれであり、前年王者の血に連なる者として、その実力を十分に示したのであった。
そして予備期間の終わり際には、貪欲に記録更新を狙うアトリエさくらがしんがりを買って出る。
まず『妻・倉崎桜菜の浮気調査 ~寝取られ妻の淫らな下半身事情~』では、さすがにマンネリ感が囁かれ始めたのを察してか、新たな暴挙に打って出た。
かつて見た爬虫類顔を想起させ、ママⅡ風味すら微かに薫る絵の採用である。
最終防衛ラインたる「絵はそれなり」までも崩壊させてしまい、「もうBGMで抜くしかない」と選評者を絶望させたのであった。
そして最後に、ヒロインが主人公への恋慕の情や罪悪感を有さぬただのビッチでしかない『略奪された婚約者(フィアンセ)~恋人・真澄(ますみ)と弟の秘密』をもって、新記録となる同年内9本のエントリーを達成したのである。
なぜこのような出来事が起こってしまうのか。
最大の原因は、メーカー側のNTRの定義が広すぎて、狭義のNTRとして成立し難いことであろう。
NTRの本質を、アリストテレスが『詩学』において定義したような悲劇とするならば、その目的は適度な感情の浄化、すなわちカタルシスに至ることである。
それは例えば、判断誤りから相応しくない不幸に陥る主人公に哀れみを覚え、募った感情から物語の終わりとともに解き放たれることで、気持ちがすっきりと軽くなる心理現象を指す。
ただし悲劇を通じてカタルシスに至るには、満たすべき重要な要素がある。
代表的なものを挙げると、十分な感情移入・倫理的な共感・登場人物の感情と行動の一貫性・無理のない展開・適度な予測不能性・有意義な結末である。
こうして並べてみると、アトリエさくら作品に欠けている要素のいかに多いことか。
ただ、月1本の販売ペースと低価格相応のボリュームという制作時間と尺の制約を考慮するに、先に挙げた要素を網羅したNTR作品の制作は至難であろう。
「間男がヒロインに挿入すればNTR」と大雑把に定義しての薄利多売がアトリエさくらの生存戦略ならば、そこに狭義のNTRの真髄を求め続ける者たちとの溝が埋まることは、この先もおそらくあるまい。
少々話がそれてしまったが、役者が揃ったところで2023年の「アレ」を発表する。
次点は、
『エルフェンキング』
『モラトリアム ~ブルーアワー幸せの時間~』
そして大賞は、
『JINKI -Unlimited-』
とする。
2023年には30本を超えるエントリーがなされ、過去最多を更新した。
内訳を価格別に見てみると、低価格作品の比率が高い。
4000円台までの作品が2/3以上を占めており、粗製乱造の傾向はいっそう強まった。
その煽りを受け、内容面も近年同様に、低質でつまらないという身も蓋もない欠点が根底に蔓延っている。
ただし、本年の際立った特徴は、そのつまらなさの上で発揮された。
さながら星明かりに閃く暗器のごとく、インパクトと独自性を兼ね備えた一発芸を披露する作品が、数多く登場したのである。
シンクロ放精・百合に竿・けつあな確定・突然の去勢・顔面アタックあたりがその代表例といえようか。
本来の狙いは実現できていない代わりに、狙ってもなかなかできない天然の副産物が多彩さを発揮し、良くも悪くも住人たちの心を動かしたのである。
しかしながら、次点および大賞となった作品は、もはや一発芸の枠には収まらない。
総体として負の一芸の粋に達していると評してよかろう。
『エルフェンキング』は、エロの機微を理解できないばかりに、いかにもそそる素材を用いていながら、テキストと演出だけで心凪ぐ無感動物語を創造せしめた。
『モラトリアム ~ブルーアワー幸せの時間~』は、見るも怪しいバリエーションを誇る絵を筆頭に、あらゆる点での低質さを確保しつつ、突然の民主化超展開でも話題をさらった。
しかしそれらと比較してなお、『JINKI -Unlimited-』がもたらす辛苦は幅広く、そして根深い。
盤外では進行不能バグ・デバッグモード・絶え間ないGPUへの過負荷で畳み掛け、本編は、尻すぼみするご都合シナリオと戦略性のないRTSで盤石のつまらなさ。
欠陥コンフィグはプレイ環境の最適化を許さず、無駄な負担をプレイヤーに強い続ける。
広げすぎた大風呂敷に包むべき中身はなく、それでも完成を目指した理想の姿は垣間見えるだけに、ひときわ悲哀が漂う。
かように、折れる方向に心を動かす力は大きく、なおかつ的確な角度で、じっくりと時間をかけて発揮されたのである。
醜態ではあったが、最期までエンターテイナーたらんとした結果と思いたい。
さながら、芸を抱いて腹上死すると息巻いて舞台で果てた老芸人の大往生。
天晴な“醜大成”であった。
ゆえにKOTYe2023大賞の栄冠は、偉大なるマインマエストロの遺作に捧ぐ。
さよならのかわりに。
「ありがとう」の花束を添えて。
本年は、KOTYeの15周年にして、最後の現役クソゲーオブザイヤーとしての第一歩でもあった。
この節目を機に、KOTYeのこれまでと今、そして未来について考える時間をいただきたい。
開闢当初は、何をもってクソゲーを定義し、優劣をつけるかについて、それぞれが持論の正当性を主張しあうのが常であった。
真剣な激論は幾年も繰り返され、ときには決着がつかない年もあった。
だからこそ身に沁みて理解できた。
自分には自分の真実があるように、他者には他者の真実があると。
真実は人と癖の数だけ存在するのである。
絶対的基準を探し求めるのではなく、自分の価値観に基づく自分だけの基準を磨く。
そして、他者のそれも等しく尊重し、押し付け合うことはするまい。
いつしか総評にはすべてのエントリー作品が載るのが通例となり、クソゲーのリストではなく、その年を振り返る目録であり総決算のような位置づけとなった。
テンプレの文言においても、クソゲーと明言して決定しているのは「一番のクソゲー」すなわち大賞のみであり、それとて相対的な判断でしかない。
わかりやすい例として取り置いていた最後のエントリー作品を、ここで紹介しよう。
それが『サクラノ刻』であり、端的にいえば攻略不可ヒロインの多さと後半の展開に物言いがついた。
一方で、2023年の最優良エロゲーを選ぶとするなら大本命となるだけの圧倒的好評を獲得している。
しかし、それを理由にエントリーが拒絶されることはなく、クソゲーか否かジャッジされることもない。
ただ「定められた手続きに従って不満を表明した者が1人いた」と記録されるだけである。
「クソゲーオブザイヤーとは、厳格かつ公正な審査を行い、一定以上の格を有するクソゲーだけを選りすぐって紹介する場」という概念は、今や幻想でしかなくなった。
『サクラノ刻』のエントリーが、その幻想を破壊してくれることに期待する。
では審査せず何をするのかと問われれば、エロゲーに不満を覚えたという悲劇を通しての感情の解放と答えよう。
そしてそれは、苦しみを笑いに昇華するという理念の追求にも繋がっていく。
選評システムは、その手段として合理的に機能してきた。
選評者は選評の執筆を通して己の感情を認識し、受容し、理解し、表現する。
議論するのではなく、事実たる作品内容をもとに自身の体験を語る。
不満を感じた箇所を引用し、どう不満だったかを具体的に述べる。
住民はその悲劇の聞き手として、傾聴し、適度に質問し、共感したならそれを示すが、審判は下さない。
共感できずとも理解して受け入れようとし、理解できないならできないままに、そういう苦しみもあると認知する。
それができれば、未知の苦しみがひとつずつ既知に変わってゆく。
経験ではなく想像によって感情を模倣した贋作にすぎないとしても、そのストックを増やすほど、精神は様々な怒りや悲しみに対応しうる柔軟性と強靭さを得る。
この効果は、「何のお墨付きも与えない代わりに、参加を広く受け入れる」方針の大きな意義のひとつといえよう。
反面、作品内容に基づき丁寧に持論を語ればまず通る環境は、危うさも孕んでいる。
個人の意見であると前置きすれば、何を言っても許されるわけではない。
語り手として、聞き手として、傍観者として、KOTYeにいかなる意味を見出し、いかなる立場に立ち、その上でどう振る舞うのか。
KOTYeの在り様と行く末は、関わる者たち一人一人の仁義に委ねられている。
それでも、ではなく、だからこそ、KOTYeは誰でも自由に自身の悲劇を語りに来られる避難所であれ。
怒りも悲しみも、語り合って解き放ち、前向きに笑い流せる隠れ家であれ。
果てのない闇も繰り返す後悔も乗り越え、ともに銀燭の明日を探せる船であれ。
そう切に望む。
末筆となるが、戯画謹製の名作『バルド』シリーズの文言に覚悟と願いを託し、KOTYe2023の結句として強く書き刻む。
「Don't believe THE TRUTH,
Believe YOUR JUSTICE and YOUR HEART.
さあ、お前のJINGI……貫いてみせろ!」
}
2024-03-02T19:52:32+09:00
1709376752
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2023年 総評案/総評案1
https://w.atwiki.jp/kotye/pages/899.html
*2023年総評案1 大賞:[[Jinki -Unlimited->Jinki -Unlimited- 選評]]
【2023】 クソゲーオブザイヤーinエロゲー板 総評審議所
https://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/game/58649/1706966035/
#blockquote(){3:総評1:2024/02/29(木) 19:16:12 ID:???0
よさそうなので総評投下開始いたします
2022年のKOTYeは、底なし沼のような虚無と息もできない熱波の低クオリティが蹂躙跋扈する、悲しみと苦しみに血塗られた餓鬼と畜生が死地を彷徨う駄文の百鬼夜行のような年だった。
才なくとも創作ができ、生者と死者が六道の狭間で揺れ動く冥府魔道の時代、その混迷のカタストロフは開いてはいけないパンドラのデスノート『悪魔と夜と異世界と』が頂に上ることで決した。
「クソゲーとは何か?」という一つの命題に新たな石碑が刻まれた一方で、我々は不安を抱いた。この先クソゲーは何処に向かい、どう変わっていってしまうのか、と……。
そして本家である据置版KOTYが史上初の該当作なしとなり、活動休止が告知されたことで、運命の黒い糸は静かに綻び始めた。
『修羅の国』と評された人外魔境が唯一のKOTYとなったクソゲー界は、亡者が一筋の漆黒の光を求めて彷徨う時代に突入したのだ……。
昨年とは違い、今年のKOTYeは1月から盛況だった。
その口火を切ったのは、戯画の汎用ヒト型欠陥兵器『JINKI -Unlimited-』。
戯画と言えば長年KOTYeを賑わせてくれたいぶし銀のベテラン工兵。その戯画が本年度を持って解散を表明し、本作が着火させる最後っ屁となったわけだが、注目された中身は期待に見合った大型地雷だった。
実質3周しなければいけないという長期戦にも関わらず、パッチを当てないと進行不可になるなど掴みは完璧。
それを踏まえた上で、本作の基本スペックから見てみよう。
まずADVパートは、令和どころか平成でもあまり見ない程お粗末だ。
バックログや音声リピート機能はなく、次のボイスまでの音声再生機能なんてのもない。既読スキップもなければAUTOモードもない。ギャラリーモードは差分表示がなく、回想は全周クリアまで実質お預け。
シナリオはスーパーコーディネーター級の新主人公の基本無双であり、無能と化した歴代主人公とヒロイン勢は終始すげーすげーを連発。カタルシスも何もなく、本当に原作者が監修したのか、逆に興味がわく内容である。
登場キャラこそ女性ばかりで華やかそうに見えるがそれは罠。綺麗な薔薇には棘が付き物と言わんばかりの凌辱リョナ特化構成なので、遊ぶ側にもそれなりに耐性を求められる。
フレームレートは起動時の状態で常に全力全開天元突破。調整するオプションすらなく、プレイ時は絶えずPCクラッシュに怯えながら遊ぶ羽目になる。
続いて、本作独自の部分について触れる。
『JINKI-U』の目玉は、段ボール箱を被った姿をコスプレと言い張るような、寂寥感溢れる出来のRTSパートである。
グラフィックはシムシティ2000レベルのビル街、キン消しを並べたようなロボット群、攻撃に至っては色付きのつまようじや矢印ビームと揶揄されるほどのクオリティであり、かの「SSα」を彷彿とさせる。
AIの調整や挙動にも問題があり、指示を出した味方キャラが壁に引っ掛かって五里霧中になったり交戦中にエンジンでも止まったかのように動かなくなりその間に即死級の攻撃を食らってゲームオーバーになるのは日常茶飯事。
言わば自分以外は全て敵とでも言わんばかりの枷にしかなっておらず、そんな介護職員気分をプレイヤーは余儀なくされる。
戦略性等は微塵もなく、やる事と言えば、基本逃げ回りながらゲージを溜めて必殺技をぶっ放つことだけ。
また本作にはレベル性が導入されているが、この調整もクソである。経験値は中盤から数万、その後は数百万単位と超サイヤ人並みのインフレを起こすため、レベルでごり押しはままならず、結局適正レベルでの攻略を余儀なくされる。
仮に武器レベルも含めてMAXにしても敵もガンガン固く強くなっていくので、爽快感は皆無に等しく、戦闘はただただゲー無となっていく。
だがこれにも増して問題なのは、何より「劣悪極まりない操作性なのにキーコンフィグすらない点」だろう。
ユニット選択→武器とサポートキャラ選択の過程後に、右クリックを押せばサポートキャラが削除されてやり直し。戦闘ではマウスホイールをクリックすれば必殺技という仕様なのにスクロールさせると視点が変わるため誤動作連発。
キーボードの入力部位も一切変更できず、マウスは右手から離れないのに、左手は虚空を彷徨い今日も誤入力を頻発するなど四面楚歌状態だ。
MMOやFPS経験者なら分かるが、PCゲームにおいて操作性という点はゲームの快適さだけでなく面白さに直結する。それがズンボロで娯楽失格という有様では何処に価値を見出せばいいのか。
かくして人は同じ過ちを繰り返す……。
『JINKIーU』は挨拶代わりの核地雷としてKOTYeの大地を爆裂四散、それに影響されたのか、2023年は黒く暗い影が光を侵食する一年となっていく。
二番手として壇上に上がったのは、3年連続エントリーとなるNorthBoxの『高嶺の花と魔法の壺』。
公式のあらすじで肝心の女性キャラの名前を出さないという斬新さでKOTYe民の心を掴んだ本作は、骨どころか脊髄まで削ったかのような所轄抜きゲーである。
男キャラにはボイスや絵など必要ないというフェミニストもニッコリな人権のなさで繰り広げられる内容は、毎度おなじみの「適当にずっぷずっぷして終わり」。
お家芸であるHシーンを冷めさせるBGMは健在であり、雅な琴や笛の音を流したかと思えば突如盛大なヴァイオリン演奏に転調するという和洋折衷ぶりは、
「ヌかせたいのかい、笑わせたいのかい、どっちなんだいっ!?」と思わざるを得ない。
ゲームの容量を公式で4倍増しにしたり、ピストンシーンでチ〇コを異空間に消失させるなど匠の技も見せ、本作は見事住民のツボを突いてみせたのだった。
そして恐れていた事態が訪れる。
前年から顕著であった『低価格帯ノベルゲーム』がこの世の全てを覆い尽くさんと攻勢を仕掛けてきたのだ。
KOTYeにおける、「大高価異時代」の幕開けである。
先手を切った海賊1号は、NTR界のワールドレコード保持者、アトリエさくらの『他人棒でイキ狂い快楽に溺れていく最愛妻~見せつけられた快楽に絶頂する妻の痴態』。
前年から月イチペースながらRすらないNTRガチャというイリーガルポジションで完全に追跡対象となった当メーカーだが、その奈落方向の実力は今年も止まる所を知らなかった。
ヤリサー常連だった主人公と過去に妻と肉体関係にあった間男との三角関係という構図なのだが、書くべき中心点があらゆる事態でブレッブレ。
冒頭からNTRビデオレターではなく、普通のAVを送るというジュラル星人並みに回りくどい作戦で動揺を誘うのだが、開封したのは主人公という稚拙さ。
その後もフェラなのにチ〇コの先が額まで届いているなど文章とイラストの不一致の連発や、頻繁な誤字など、真面目に作る気がないのが丸わかりなスペクタクルな内容が続き、
最終的には全裸だった間男が1クリックで服を蒸着し、全裸だった妻も一瞬で下着を瞬着するなどやりたい放題。
間男は「妻の事は気に入ったが自分の女にするのは面倒くさいので二人で共有しよう」と提案するが、それを断っても、主人公は、
「別に抱かれたいならいいさ!その代わり今まで通りの生活を続けてくれるんなら問題ないから!」と返答する懐の深さを見せつけるが、それが間男の提案と何が違うというのか。
前年からまるで成長していないNTRの舐めっぷりに住民も辟易。唯一「その前に一度イクからちょっと待ってて」という名言に心ときめいたのだった。
ならばフルプライスの本気を見せてやると軍が出撃させたのは、こちらも常連evoLLの『ラブカフェ~童貞な俺でも、巨乳女先輩と同棲できるってマジですか?~』。
選択肢は最初の僅か一つという中身は、「エロゲーなんだからエロ要素以外の描写は全て非現実的だが何か問題でも?」いうある意味潔さを感じる内容だ。
同棲約一ヶ月程度で主人公に心を許したヒロインは、肝心の一ヶ月の過程すら省かれ処女からあっさり股を開き、
バイト先がカフェだというのに客との会話は丸々カット。モブに至っては台詞が三ヶ所のみ。
ハーレムルートに至っては描写はともかく、実は主人公の妄想オチで〆るという酷い扱いよう。
そんな中住民の心を強く揺さぶったのが、射精を「放精」と変えるハイセンス。KOTYeの歴史に、また一つ名言の1ページが刻まれた瞬間だった。
その後も選評ラッシュは終わりがないのが終わりと言わんばかりに続く。
快楽墜ち+ふたなり+異種姦と亜種系属性のよくばりセットに、調教描写を削って代わりにバトルファック要素を詰め込み需要不明にした『虜囚の女ヒーロー~怪人たちとの闇の狂宴~』。
パッチを当てないと誤字脱字の弾幕で読めたものではないテキストにあらんばかりの設定詐欺を詰め込み、ダメ押しで嫉妬がボンバーという迷言も残した『Aphrodisiac-女神の欲望ー』。
そして春になると露出狂が閑静な住宅街を出歩くように、温かい狂気もやってくる。わるきゅ~れの『病みつきヤンデレハーレム!』だ。
冒頭で「誤字脱字が多すぎる」と言わせた矢先から、誤字脱字を連発するなど完璧なブーメランで住民の心を掴むと、
ヒロイン三名からは、自作の主人公グッズに塗れた部屋で逆レイプ、スタンガンと手錠で身動きを取れなくしてから逆レイプ、睡眠薬を盛って眠らせた後に逆レイプと、主人公は嫌が応にも絞られ続ける。
精液の表現にも一癖あり「オス汁」「生殖汁」「遺伝子汁」とバリエーションを増やして表現の自由を広げたり、Hシーンの前後でBGMを、それも激しいクラシック調を採用するなど聴力への配慮も抜群だ。
手抜きこそ随所に感じ取れるが、それを「笑い」に転用できる作り手のセンスが溢れた本作は、「(クソゲーは)こういうのでいいんだよこういうので」を現した作品といえよう。
その後も住民は追跡対象を中心にエロゲー発掘に勤しみ続けると、掘れば掘るだけクソゲーが出土されるゴールドラッシュに突入。
主人公の声が合わなさ過ぎてクッキー☆級のミスキャスト感溢れる『上司の巨乳騎士団長は俺の肉オナホ!~年下恋人から中出し漬けで寝取って孕ませ穴に!~』。
全年齢版に声や名前すらない文字通り「無」の男をぶっ込んで無理やりR-18にしたことで設定や登場人物との絡みが完全に破綻した『星と乙女が占う未来』。
かつてKOTYeで選評も届いた『淫らに堕ちる、最愛彼女』から選択肢も背景も流用した挙句、オモチャどころかただのビッチだったというオチで終わる『好きだった幼馴染がクラスメイトのオモチャになっていた件』。
しかし発掘作業を続ける住民が徐々に疲弊していたのも確かである。ここらで一つ笑える一品はないのか? そう訴え始める住民が気まぐれに掘り起こした女土偶が、
ZIONの『ワケありJK従属学園~強制絶頂は終わらない~』。
低価格帯ながら原画は素晴らしく、どこぞのママに見せたい程であるが、肝心な内容は借金まみれの堕ちたセレブお嬢様がFラン学校に転校させられ、男たちの性処理をしていく、というもの。
しかし主人公は余程の肝っ玉なのか潜在ビッチだったのか、処女喪失からいきなり「ヌアァーーー…」と迫真の悶絶絶頂をしてくれる。
またモブキャラの名前は「S1」「男子生徒A、X」果てには「α」という盛り沢山な固有名詞で構成されており、誰が何者なのかさっぱり分からず、
竿役には名前なんて必要ねえんだよという開き直りすら感じる。
他にも「性的な知識は月並みにある」「敏感な子宮口を亀頭が消しゴムのように削ってくる」「男根の美味を味わう」といった、
中学生が文学的表現を試みて玉砕したような愉快な日本語が目白押し。「放精」まで完備している。
昨今は絵がいいならシナリオは適当でもいいという傾向があるが、世の中には絵すらダメな作品もごまんとあるので、これはこれでいい傾向かもしれない。
続いて発掘されたのは、グレースケールに糞の色を塗った『淫堕の姫騎士ジャンヌRe:BORN~オーガの仔種を注がれる気高き姫!~』。
本作は2006年に発売された同名作品に新規シナリオを追加した所轄リメイクものである。
その内容は、新撮りを行わず旧作の部分は旧作の声優のままなのに、新規のシナリオには全く違う声優を起用するという迷采配。
そして肝心の新規シナリオは、スキップすれば僅か13秒で終わる夢オチというやる気のなさ。しかもこれでフルプライスである。
幸いこれではまずいと思ったのか、メーカーは公式サンプルで新規絵の9割を閲覧させてくれるので、それを見れば大体の目標は達成できるだろう。
これで、一息つけると思ったのか? 無駄だ。大魔王と大高価異からは逃れられない。
ヒロインと主人公が急接近するイベントがアナニー中に取れなくなったペンを取ってもらうというけつなあな確定シュールギャグさが光る、
『ナマイキユメちゃんはおにぃとメチャクチャHしたい!~ギャルと教師のドキドキ同棲生活~』。
令和のこの時代に未読も既読もスキップできないうえに字が小さすぎて見えづらいバッグログと一つも褒めるところがないゴミUIを搭載した、
『ママ僕だけを愛して…~キモデブ息子を溺愛する母の歪んだ愛情~』。
異世界モノなのに造型が全て日本そのものな上一転攻勢もできずに気色悪い文言を多用する人間だらけの、
『女体化転生したボクはふたなりで無双する!?~でもお姉ちゃんたちには絶対に勝てません!~』。
そして色んな意味で問題作だったのが未踏の秘境から数々の珍作を送り出してきたアパタイトの『清純ヒーロー×ビッチ堕ち!!~悪の組織に調教される乙女の心の移ろいは…~』。
アパタイトと言えば「俺たちゃ裸がユニフォーム」「常識は糞と一緒に流した」とでもいうべきアンプレセテンディドな作風で場を盛り上げるkotyeのモーツァルト的存在だが、その作風は今回も平常運転。
本作は所轄調教モノ。つまりいかにしてヒロインを嬲り、辱め、快楽堕ちさせていくかを事細やかに描けるかが肝要なのだが、
……なのだが、捕らわれたヒロインが「普通に調教して。もっと正々堂々と」とコメントするなど抵抗感の歯車が錆びついて嚙み合っていない。
また敵組織はとてもアットホームであり、朝食に炒飯を出したり、朝に体操をさせたり、シャワーも浴びさせるなど令嬢お付きのメイドの様な献身ぶり。
この他にも、米と野菜のどちらを育てるかヒロインと会議、助産師がいないからという理由で種付けを断念、
ローンが残っている事に苦悩しヒロインに同情される、挙句帰るのを許可する等、とても悪意がある集団とは思えない。
おそらくこれは小学生に見せる「よい子は調教をしていけませんよ」という教材か何かなのだろう。18禁で教育を施すという粋な計らいが光る一品だった。
続いて紹介するのは、『またしても』という枕詞が付くアトリエさくらの『妻、宇佐見恋を抱いてください ~夫公認公開恥辱NTR~』。
本作を一言で例えるなら、「全員が痛い」。ヒロインは電車内で痴漢されるのだが、散々脳内で相手を罵倒するのに結局最後までさせるという謎思考の持ち主で、
間男に、セフレが産気づいたからおまえの力が必要なんだ、というあからさまな噓に騙されホイホイ付いていく脳内お花畑の間抜け振り。
その間男も事あるごとにセフレが複数いることを自慢するが、気色悪いおじさん構文を多用する変人であり、そもそも女に困ってないのに電車内で痴漢をするというリスクを負う時点で頭の螺子が外れている。
主人公に至っては、実は妻も含め犯される女を見て興奮する寝取らせ性癖者である事が発覚し、完堕ちルートでは妻に完全に愛想をつかされ、別ルートでも妻を貸し出して興奮する有様のダメ人間。
このようにメインメンバーが全員アホではまともな寝取られなど描写できる筈もなく、不条理ギャグのようなシーンがひたすら続く。
もはやNTR好きというより、KOTYe住民にアピールしているかのようなダークマター振りは別の意味で期待に応えてしまったのだった。
これは同ブランドに限った話ではないが、NTRモノは展開が固定されているからこそ、受け取り手にNTR本来の持ち味である黒い絶望感を与えにくいというハンデがある。
最初からNTRですと提供するのは、余程優れたシナリオでない限り、スカムカルチャーといえどハイワロに過ぎないのだ。
その後もアトリエさくらは、山なしオチなし意味なし+多すぎる誤字=『堕とされた義姉~憧れていた義姉がクラスメイトの手で快楽調教させられていく~』や、
ヒロインが子種欲しいがために半ばノリノリでHする阿婆擦れ振りで転落堕ち感が皆無な『背徳の強制種付け~愛する妻の子宮(なか)に注ぎ込まれるほかの男の精液~』など、
多くの変作をノルマのように出し続けるが、それが「いつものさくら」以上の関心を集められたかは些か疑問である。
その後も低価格帯の作品は否でも応でもとばかりに輩出される。
盗聴を題材にしており、ヒロインは録音した性行為で興奮する性癖なのに肝心の部分がサイレントリスニングな『カノジョの性癖ー盗聴×妄想ー』。
オタクに優しいギャルをテーマにしていながらギャル感がまるでなく、ストーリーはただひたすらずっぷオトマトペの『ギャル姉妹~ハーレムタイムが止まらない!~』。
そして極め付けが、NTRと妖刀村正を組み合わせたような傀作『調教カテイ~性開発された肢体は元カレを忘れられない~』である。
本作は『ママ僕だけを愛して…』を世に送り出したTRYSETBreakなのだが、あれほど散々問題視されていた崩れたジェンガのようなゴミUIをそのまま流用している。
すなわち未読も既読もスキップできず、バックログは米粒サイズ、コンフィグ画面は意味不明な森林の背景に、アニメもないのにアニメーションonoffの項目。
その様は令和の超空間か? などと住民を畏怖させる始末。
肝心な中身だが、学生時代に間男に調教されたヒロインは男性不信となっているが、ゲーム中では結婚済であり、挙句再会した間男にはお別れセックスという名目であっさり股を開くという貫禄の設定崩壊。
その後も裏で快楽が忘れられず間男との交際は続き、快楽堕ちしたヒロインは「人妻になった分余計気持ちいい」と屑女ぶりを発揮するのだが、
夫は夫で、NTRている様を見せられ「勉強になる」などと発言したり、それどころか「誰の子供かわからないなんて興奮する」などと精神病棟の介護士と薬が必要な状態に陥り、
最終的に夫はなんと間男に「去勢」されるというサイコホラー。ここまで酷いと「このゲームを作ったのは誰だぁ!?」と問い詰めたくなるが、
なんと本作にはエンドロールすらないという尻尾の先まで超空間リスペクト。
変化球を投げろと言われて審判を惨殺するようなピッチャーをマウンドに立たせてはいけない、そういうルールブックを改めて考えさせられた一品だった。
『侵・性奴会~美人会長と爆乳書記の調教日報~』も忘れてはならない。
入院を負うほどの重傷を負った主人公が生徒会に贖罪という建前の調教をしていくという本作であるが、あらすじで教室に赴くとなっているのに、最後まで教室に行く描写がないという伏線のぶん投げっぷり。
説明不足解説不足はこの点だけに止まらず、そもそも何故主人公が重傷を負うハメになったかもよくわからないし、
代償として何故ヒロイン達が体を捧げる事になったのかもプレイヤー視点だと何一つ不明である。
この問題点は肝心の調教の過程にまで侵食されており、内容は「やらせろ」→「こんな奴に悔しい……ビクンビクン。でも感じちゃう」→「よかった」を中年男性のオナニーのオカズのように代わり映えしない清々しい程のワンパターン。
勿論各キャラに割り振られた様々な作中設定も、ゲーム内では何一つ生かされることはなく、もはやbotに肉棒を挿れ続けているような錯覚にすら陥る。
なお、生徒会では持ち物検査で手に入れたエロゲーの話題で持ち切りなのだが、そういったプレイをご所望しているあたりただの好き者の集まりなだけかもしれない。
以上が2023年上半期が終わった時点でのクソゲー一覧である。
あれ、なんか多くね?と思った人、その通り。この時点で選評数23本。前年の19本を既に上回るという異常事態。そしてその約8割が低価格帯。
もはやこの業界に情熱を傾けるメーカーなどないのか? と住民は唖然茫然自我憔悴となった。
そんな下半期、猛暑で日本が業火に苦しむ中、均衡を破ったのは、……やっぱりアトリエさくらだった。『俺の幼馴染がエロ配信をしていた件~地味な彼女の裏の顔はエロエロな配信者でした~』。
本作は今までさくらが得意としていた、馴れ初めを数クリックで解説して後は各々が想像しろを廃止し、ヒロインとの描写も比較的深く誤字脱字含めても書き込まれている。
しかしその代償として、肝心なHシーンの尺を削っては本末転倒だろう。
基本的にヒロインは過激な配信をしてそれが徐々にエスカレートしていき……というのは話として悪くないのだが、如何せん掲げるべきNTR感が5ミクロン程度に薄い。
勿論主人公に寝取らせ属性を一つまみする悪癖も健在で、NTRモノとしてはあまりに作りが粗雑で中途半端。
恒例行事にテコ入れをしたかったという思いは伝わるのだが、あちらが立てばこちらが立たずでは伝わるものも伝わらないという課題作であった。
そして猛暑がひと段落した中、スレに一線級の不発弾が発掘される。
それこそがかつて凌辱モノで多くの戦果を得た、老舗ルネの『エルフェンキング』だ。
90枚を超えるCG、豪華声優陣、そしてかつてのルネの十八番ともいえる凌辱、付け入る隙はどこにもないと思われていた本作だが、
開けられた箱には魔法陣グルグルの失敗作のようなクリーチャーが入っていた。
まず肝心の凌辱描写だが、うまい棒の穴に割り箸を挿れ続けるような極めておざなりな描写になっている。
前提として本作には裸や下着の立ち絵差分というものが存在せず、対象キャラを選んだあとは、工程や流れという段階をほぼ無視し「ブッ込んでいくんで世露死苦ぅ!」とばかりにHシーンが始まるのである。
相手をじわじわと責めてトドメに、という凌辱モノの要ともいえる導入が欠けており、場合によっては既に挿入済みだったり、部下に輪姦させるというものも多い。
エロゲというのはHな「シーン」の集合体であり、事前の精密な描写が必要不可欠。エロい画集など幾らでも転がっているこのご時世だからこそ、見せる側を興奮させ、魅了する演出が要求とされる。
しかし本作は、「テキストとボイスと複数のCGをパッケージする」という概念がなく、凌辱描写はいずれもCG1枚の単発に多少の差分を添えただけ。プレイヤー視点での心理面を揺さぶるシチュエーションが根本的に描けていない。
凌辱の肝たる部分を省いて「Hシーンだぞ、ヌけよ」では、どれだけCG枚数があろうとただのカラー絵に堕ちてしまうことを、メーカーは理解っていないようだ。
攻略対象こそ8人と豊富だが、その分各キャラが没個性となってしまい、凌辱はもはやベルトコンベアで流れてきた弁当にバランを入れる作業。
これではもはや顔と声が違うだけの万能精液便器である。
そもそもシナリオ自体、「ぼくのかんがえたさいこうのちからでえるふをやっつけておかしまくる」という小学生が考えた読書感想文並みの陳腐さで、
神から与えられた何でもできるチート魔法で人間たちがエルフに一転攻勢するという、同人界隈を見渡せば幾らでも既視感がある代物なため目新しさは皆無。
しかもこの力は主人公の独占ではなく、やろうと思えば仲間にすら幾らでも分け与えられるため、凡百のならず者が一瞬で魔法自慢の兵と化し、戦力差をあっさり覆すシナリオにおいてのお任せ安心潤滑油。
ここまでくるとうだつの上がらない弱者男性が人生の一発逆転を賭けて執筆した某界隈の三流小説となんら変わりはない。
アマチュアならそれも許されるだろうが、それを商業作品を提供するプロがやるのは言語道断だろう。
主人公は傭兵の大将というより山賊のお頭という印象で、知性や狡猾さというのが全く感じ取れず、力を得てからは完全に天狗ムーヴの性欲魔人。
言動も昭和時代の体育教師のように粗野で乱暴な糞主人公と化すため、これならオークやゴブリンさん達の方がまだ竿役として適材という有様。
そして何よりも問題なのが、これが手間暇をかけて完成させたフルプライスのゲームであることだろう。
「如何に手を抜いて作るか」が傾向とされる昨今のクソゲー界隈において、金と時間と労力を費やして世に送り出した自信作がクソだった、という点は住民に高く評価され、
『エルフ』は、本年における最も悲劇的な存在として、その痕跡を確かに刻むことに成功したのである……。
平和は長く続かない。次に出現したのは「おまえはもういい。座ってろ」と枕詞が付くアトリエさくらの『恋人・亜依理(あいり)を抱いた他の男達~愛する恋人が俺の元から去った理由(わけ)』。
本作は複数の章に分かれて構成されており、間男のポジも変化するのだが、肝心な中身はサイコパスが白い粉をキメながら思いついた叙述トリック。
1章主人公はヒロインと偶然再会するのだが、既にヒロインには彼氏(2章主人公)がいるので、本来ならもはやここで話の拡がりなどありえない。
しかし「この話は早くも終了ですね」となるとライターの預金残高も増えないので話は続き、結局1章主人公は駄々っ子のような逆ギレで彼氏と別れろとヒロインに迫り、
対するヒロインは、あなたとは付き合えないと説明しておきながらベッドに誘い肉体関係を持つという、いつもあなたの心の中にいるポルナレフ展開。
3章主人公に至っては固有名詞があるだけで秋の木枯らしの如く空気、ヒロインは「あーわたしNTRれちゃったーw」とばかりに他の男の所へ赴き、最終的に1章主人公と結ばれてエンディングである。
プレイヤー視点からすれば何から何まで「ホワッツ?」な展開が続くが、言い換えれば「主人公は亜依理。男は皆舞台装置」とすれば話の流れにも合点がいく。
だが、それがNTRブランドが掲げるNTRかというとあまりに疑問符が残る。マスターアップしながら直前までHPを未完成のまま放置する等盤外戦でも活躍し、
改めて、我はkotyeにありと声高らかに宣言したのだった。
季節も残すところ冬のみ、そろそろ年末の魔物が蠢き出そうとする気配を住民が感じ取る中、縮地法を用いて主人公とプレイヤーに急接近する三人娘がいた。名をTinkerBellの『せをはやみ。』
土地の淫欲の呪いを防ぐべく三人娘とSEXし続けるという王道の抜きゲーシナリオではあるのだが、本作は遠近法が完全に無視されている。
どういうことかというと、説明も脈絡もなく、話の流れや状況を完全に無視して、女性キャラの立ち絵が突如顔面接近のド迫力になり、モニター前の人間を「IYAAAAAAAAA!!」と驚かせるのである。
それはいつ何時起こるかわからないので、プレイヤーは爆弾処理の気分で慎重にクリックしながら、耐えず危険に備える他ない。
その様は作画崩壊も相まって「精神的ブラクラ」「野獣の眼光」とでも評すべきか。
一方でシステム面も酷く、非常に見難いフリガナは勿論、「アクメーター」「むんむんほかほか機能」「特殊効果」など、
onにしても何が付与されるのかさっぱり分からないコンフィグなどもポイントが高い。
余計な味しかしない隠し味を仕込んだ結果何もかも台無しになるという、シェフのおすすめしない生ゴミといえよう。
その後はタイトルで調教としながら調教するシーンもなく、「やらないか」と娘が迫り主人公が流されるだけで、AI妻とはわけのわからないテレフォンセックスなど、
コンセプトがあらゆる面で崩壊している、スワンの血統を継ぐ疑惑が掛けられた『AI(愛)妻と娘への調教生活』の選評が届き、年末は終わりを告げた。
そして年が明けて予備期間。住民はいよいよラストスパートに向けて静かに動き始める。
胸が締めつけられるような不安と恐怖入り混じる緊張感の中、果たして今年も何かがやってきてしまうのか……? そう危惧していた住民だったが、
やはり「それ」は登場してしまった。約束された闇の異邦人が今年も現れたのだ。
その名は、『モラトリアム~ブルーアワー幸せの時間~』。前年『悪魔と夜と異世界と』で大賞デビューを飾ったWendyBellが満を持して送り出した年末の魔物である。
あれからおよそ一年の歳月が流れ、奴らはどうなったのか……それではその全貌に注目してみよう。
まず前提として、本作は、あれほど『ととと』で問題視されていた「ダッサダサで構築されたシステム面」が直っていない。
4:3の前世代的な画面比率、ちょこまかと無駄に動く立ち絵、「ぷにぷに」「びゅ~」「ぴんぴん」等と何処かで拾ってきたようなウザいSE、
不自由な国語で構成されたあらすじと明らかに違う冒頭などあらゆる面が前作と類似している。容量に至っては1Gを割るという惨状だ。
絵に至っては、強欲な壺フェラの踏襲だけでなく、キャラが一枚絵のたびに本当に同一人物なのか疑問を抱くほど下手糞で安定せず、作画崩壊は日常茶飯事。
主人公は、内面でブツブツ言う癖だけは申し訳程度に治っているが、やはり調子に乗ったりヘタれたりイキったり流されたりという情緒不安定振りは健在である。
ではエロゲとして、「読み物」としての評価はどうか。こちらも凄惨極まる内容だ。
話の前後がまるで一致しない4コマ漫画のような描写をダイジェストのように強引に繋げている為、書くべき要点が圧倒的に不足しており、
ご都合主義も相成って人間が会話し、話が進んでいる感覚が根本的に抜けている。
ヒロイン二人は他国からの留学生なのだが、やはりこの点も描写不足であり、アーシャに至っては架空の国である必要性が殆どなく、異世界交流の方がまだ説得力があるという有様。
子猫のような奔放ヒロイン「アーシャ」と堅物で融通が利かないヒロイン「アデリナ」も、気付けばあっという間に惹かれ合い、気付けば濡れ場に突入している。
ただこれらの問題点だけを見れば、単にライターの実力不足で済まされるのだが、問題は終盤である。
アーシャの正体は実は王族の娘なのだが、彼女が母国に帰ると、他人が作ったパスポートで日本を飛び出し追いかける主人公や、
アデリナを置き去りにしたまま、架空の国の君主制を廃し民主制に移行する計画に割って入る主人公という頭の中身が愉快な超展開も存在する。
一方でアデリナルートは、アーシャが笛を吹かなきゃ話が進まない牛歩恋愛であり、早くなんとかしてくれよ……と思いながら進むシナリオに辟易する事必死である。
余談ではあるが、ダブルヒロインを謳いながら3P等といった甘ったるい展開は存在しない事も補足しておこう。
最後にHシーン。前述した通り絵が壊滅的なためエロゲとしての需要すら期待はできないのだが、更に異常なのが効果音。
挿入中は「ぐちゃ……ぐちょ……」と陸に上がった半魚人のような音が鳴り響き、ピストンが早まれば「ぐちゃぐちょぐちゃぐちょ」と律動し、
射精時には「どぼぉりゅ!」とチ〇ポからスライムのような異物でも飛び出した音が木霊する。
伝説の『ママⅡ』は目を閉じなければヌけないと言われていたが、本作は目を瞑り耳を塞がなければヌけないという高度な手段を余儀なくされる。
しかも本作はアクチ付きなため、一度導入すれば売り飛ばす事も出来ない、PCに残り続けるウイルス的存在になるのだ。
このように『モラトリアム』は「あらゆる要素がどうしようもない」を芸のうちに昇華しており、プレイした者全員にめくるめく低品質を提供させることに成功している。
そのあたりは流石大賞を世に送り出したメーカーの面目躍如といったところか。
そしてトリはやはりというか何というか、アトリエさくらが食後の下剤を務める。
元探偵というスキルを活かし、無断で作った合鍵やカメラでの盗撮などの違法行為でNTR事情を探ろうとする主人公や心底出来の悪い立ち絵で、
プレイヤーを満遍なく不快に攻め立てる『妻・倉崎(くらざき)桜菜(さくな)の浮気調査~寝取られ妻の淫らな下半身事情』。
誤字の乱舞やCGとテキストの不一致という基本武装、寝取られ済の婚約者とボテセックスという疑問点の残るエンド、
既に見た寝取られビデオレターをPVのように何度も見せてシナリオを水増しする『略奪された婚約者(フィアンセ)~恋人・真澄(ますみ)と弟の秘密』の選評が届き、
激動の2023年は幕引きとなった。
以上で、本年度のゲームを紹介し終えた。
太陽は奈落へ墜ち、月は神槌を受けて欠け、大地は爆動し、海原は濁渦を巻く。
終末さえ感じさせるアカシックレコードの断片を全て紹介したところで、大賞を発表しよう。
次点は、
『エルフェンキング』。
『モラトリアム~ブルーアワー幸せの時間~』。
そして大賞は、
『JINKI -Unlimited-』。
2023年度のkotyeは、全月グランドスラムこそならなかったものの、選評数32本、前年比大幅増を記録した。
それでも豊作だったと感じ取れず飢餓すら蔓延していたのは、偏にここ数年の問題点の先鋭化が顕著であったからだろう。
評するならば、ゲームのクオリティが落ちたというより、クソゲーのクオリティの著しい低下である。
問題点が類似化され、ひたすら地味で盛り上がりに欠け、華もなく映えもせず、笑いやネタにもなりえないのだ。
特に低価格帯勢の陳腐さは凄惨極まりなく、この辺りは本家KOTY末期の状況と酷似している。
欠点の画一化は、真綿で首をへし折るかのような拷問となり、住民の心の街路樹を枯葉剤で葉っぱ一枚落ちない様にしおれさせていった。
確かに「安かろう悪かろう」は万国共通だが、値段相応は必ずしも否とは言えない。
かつて低価格帯の唯一神『softhouse-seal』は、ロープライスながらも、RPGやアクションに挑戦したり、主題歌を入れる等ネタ性やインパクト勝負で作品に熱意を込め、人々を大いに賑わせてくれた。
しかし今年のロープライス勢には、そういった気概すら感じ取れない、選評者が血反吐を出してようやく瞬間風速的な話題にできる程度のクソゲーばかり。
いかにKOTYeの精鋭といえど、ゲロうんこ茶漬けや無添加毒マフィンを食わされ続けては体が悲鳴を上げるし、生きて碑を残す気力すら失ってしまう。
故に、本年度のクソゲーに要求されるのは、そういった鬱積した感情を吹き飛ばすかのような、圧倒的『パワー』。
次点以上に選ばれたのは、そんな欲求不満を解決できるに値する選りすぐりが顔を見合わせる構図となった。
老兵が最期に遺した死に水『JINKIーU』。
古豪が心血を注いだ悲劇『エルフ』。
王者のトワイライトゾーン『モラトリアム』。
これらはいずれも殴り合いながら奈落へと堕ちる毒腐拳の持ち主であった。
さて、ここで今一度Kotyeの立ち位置について振り返っておこう。
そもそもKotyeは、その年一番の「クソ」な「エロゲー」を決める祭典であった。
しかしエロゲーは、コンシューマー以上に「嗜好品」という意味合いが強いため、より多角的な視点での品評が必要とされてきた。
故に「門番」や「選外」の概念はなく、有力視されたものを「次点」とし、その頂に「大賞」の戴冠が与えられるピラミッド制を続けてきたのだ。
思えば我々は創生期以来、「クソゲーとは何か」を探求してきた。
しかし本家KOTYの消滅によって、より深く入りこんだ根本的な課題と相まみえる必要を強いられた。
すなわち、「ゲームとは何か」。もっと言えば、「何故ゲームは作られるのか」。
富、名声、権力、人がゲームを作るモチベーションは数あるだろう。だがいつの時代も、創作の世界で人を突き動かしてきたのは一つだ。
それは、「夢の体現」である。
思い描いた誇大妄想を理想の形に押し込め誰もが笑って楽しめる娯楽に仕上げる、それこそが創造(クリエイト)精神だ。
エロゲーはそれにアダルト要素を一つまみしたものに過ぎない。
ならば「最もクソなエロゲー」は、「最も創造の範囲を超越したクソゲー」に激賞されるべきであろう。
成程、確かに『JINKIーU』は過去のKOTYe大賞と比較しても遜色のないクソゲーだ。
ストーリーは希薄、あって当然の機能すら何一つない、RTSパートは欠陥だらけ穴だらけ。正直、褒めるところを探す方が難しい作品である。
だが、プレイした者なら分かるが、戯画サイドが「もうこんなものしか作れないんです。すいません……」という立場だったらどうだろう。一体どんな思いでこのゲームを作ったのだろう。
振り返ればこの世にはクソゲーは溢れかえっている。だがその中には、クソゲーにしたくて作品を作っているわけではない開発陣もいる筈だ。
ゲーム業界は仁義なき伏魔殿である。一度探れば、冷酷で、無情で、悲惨で、無慈悲で、理不尽で、どう反応すればいいか分からないようなエピソードなど幾らでもある世界だ。
しかしそれは笑えることなのだろうか。それを他人事のように嘲笑うことに何の意味があるのだろうか。
それでは社長の黒い裏話を死後暴露して事務所だけでなくタレント諸共死体蹴りする連中と何ら変わらないではないか。
その観点から見れば、『JINKIーU』は予算も技術も人員も何一つない中、体液を全て吐くような辛く苦しい思いで絞り出した悲愴な駄作ながら、
最期の使命を全うしたという点で、温情的な面でまだ評価できる。……そんなifルートもあったかもしれない。
しかし年末の大晦日、『JINKIーU』第三の選評が海外の住民から届いたことで、その全貌が解明される。
それは人々の羨望を集めるには充分な、途方もない純度1000%の超大型地雷であり、触れると死ぬぜとでもされる正真正銘の「年末の魔物」だった。
結果、誰からも愛されず、必要とされず、何人からも罵声と嘲笑を受け、皆から最低の評価とされる地獄の窯の底の錆びの如し特級呪物という地位を確固たるものにしてしまった。
そのエレクトリカル・ダーク・パレードの輝きは、「これはひどい」が「とてもひどい」以上の語り口しか持たない本年度のクソゲーとは一線を画していたといえよう。
戯画からすればさぞ無念であろう。徒花を作らなければいけなかった苦しみを理解する者が現れなかったのだから。
されど結果は結果。本年度の大賞を、『JINKI -Unlimited-』とし、その遺碑に献花と祈りを捧げるものとする。
近年におけるSNSの発達は目覚しいが、その方向は多様性を源流としたインターネットという無限の空間でネタを楽しむ場ではなくなりつつある。
KOTYeは所轄ネタスレではあるが、ネタだからといえば何もかも許されると思っているのか、という声も少なからずあるのが実情だ。
事実本年度も、絵・キャラクター・主題歌・シナリオ、全てが最高な出来でありながら、最終決戦の絵画対決において、幻覚作用付絵具を使用して勝利という「そうはならんやろ」と味噌がついた、
構想8年の結晶『サクラノ刻』の選評が届いたことで一部に波紋が及んでいる。
Kotyeが外部スレ故に、大きな混乱こそなかったが、スレ住民を「ゲテモノ食いの食材の味が分からぬ味盲者の集まり」と断罪する者もいたほどだ。
確かにゲームをクソゲーと扱うのは、人が思う以上に勇気がいる行動ではあるだろう。ましてやそこにカタルシスやエンタメ性を求めるなど、異文化コミュニケーションもいいところだ。
我々は決してクソゲー認定者ではないと主張するが、所詮場末の俗物の偏った価値観など、大多数の前では容易く一蹴され存在を否定されるが道理だ。
そうでなくても、市場の縮小、大手の解散、低価格帯の大量流入、そして本家の活動休止……。
クソゲーを語る場は年々狭まっていっている。
これを言ってはお終いだが、折角高い金を出してゲームを遊ぶのだから、誰もが支持する名作だけをプレイしておけばいい、というのはいつの時代も同じだろう。
『KOTY』も、逆説的に万人に受け入れられるものならば、企画自体が成り立たないのである。
それでも我々が今日までクソゲーが語ってこれたのは、人が持つべき二つの究極のモチベーションによって支えられてきたからだ。
それは、『憎悪』と『愛』である。
例えば愛する者が殺され、復讐を誓う。例えば愛するものと生き別れ、己が地獄にいようとも再会を想って死力を尽くす。
その時、人はとてつもない力を発揮する。それは普通の人間には成しえない文字通り「全霊」だ。
思えばクソゲーオブザイヤーという企画は、その二つのモチベーションによって支えられてきた。
クソゲーを掴んでしまった怒りという『憎悪』を、皆と分かち合い笑って昇華する『愛』へと変えることで存続してこられた。
確かにゲームは大衆娯楽であり商品である以上、売れてもいなければ支持されてもいないものに価値を見出すのは難しいだろう。
しかしどれ程のクソゲーでも、樹海の中の泉の一滴を優しく手で掬う者。そんな人がいてもいいのではないだろうか。
エロゲ業界は終わった。そう囁く者もいる。それが本当かどうかは我々には分からない。
事実ガラパゴス化された日本のゲーム産業で、極めてニッチな人々にしか需要がない世界が先細りの一途を辿ることは予てから想像が付いていた。
コンシューマー市場ですら、携帯機が消滅し、製作費は高騰し続け、大半のサードは撤退、大手も過去の遺産とシリーズ物で食い繋いでいるのが現状だ。
実際、今の子供はゲームを遊ばなくなったと言われており、買い支えている層は高齢化の一途を辿っている。
しかしどんな形にしろ彼らはプロであり、商品を売ってお金を稼ぐ側である。どれだけ苦しかろうと言い訳をしていてはプロ失格だ。
だからこそクソゲーをネタの肴として語り合い、面白おかしく馬鹿らしく楽しむ行為はある意味で健全な行為だと思う。
『KOTY』のようなイベントで、皆がネタを笑っていられるうちは、日本のゲーム産業にはまだ未来があると思われる。
それが完全に断たれた時、その時が、この業界の本当の「終わりの始まり」を指しているのではないだろうか。
その為に、我々はどんなに道険しくとも最前線に立ち続ける。
闇なくして、光は輝く場所は失うように、
雨なくして、晴れを悦ぶ者はいないように、
名もなき修羅達は今日もクソゲーの、心躍り焦がれる物語を後世に残すため今日も黒檀をかじり、汚泥を飲み込み続ける。
いつか終わると分かっていても、まだ終わらせることはできない。我々の痕跡が、誰もが笑って過ごせる安寧の時を招くと信じて。
例えどれ程拙いエロゲーといえど、商業作品である以上、それは誰かの生き様と密接に絡み合っている。
そして今、我々はクソゲーをネタに侮蔑の笑いが出る人間のような、想像力が著しく欠如した者には決してなってはいけないのだから。
最後に、心が強い正統後継者と住民の魂の決意表明を持って、2023年度のクソゲーオブザイヤーinエロゲーを締めさせていただこう。
「ただの住民じゃねえぞ。何度でも心の強さで立ち上がってクソゲーをプレイし選評にするド級の住民! ド住民だ!」
}
2024-03-02T19:46:28+09:00
1709376388
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2020年度クソゲーinエロゲー板
https://w.atwiki.jp/kotye/pages/772.html
■エントリーについて
エントリーは「その作品をクソゲーとして語ろうとした住人が居た」ことを示すだけに過ぎず、スレ住人全員の総意とは限りません。
**''エントリー作品(2020)''
***1月
『[[神様のしっぽ ~干支神さまたちの恩返し~>神様のしっぽ ~干支神さまたちの恩返し~ 選評]]』(1/31)《DESSERT Soft》
『[[スケベな処女のつくりかた>スケベな処女のつくりかた 選評]]』(1/31)《SUKARADOG》
***2月
『[[絶対女帝都市~叛逆の男・カムイ~>絶対女帝都市~叛逆の男・カムイ~ 選評]]』(2/28)《アストロノーツ・シリウス》
『[[LOVE・デスティネーション>LOVE・デスティネーション 選評]]』(2/28)《ジェイド》
***3月
『[[ジンキ・リザレクション>ジンキ・リザレクション 選評]]』(3/27)《戯画》
『[[創神のアルスマグナ>創神のアルスマグナ 選評]]』(3/27)《ninetail》
***4月
『[[墓多DYINGZOMBIES ~Second Chance for BEAUTIFUL LIVE~>墓多DYINGZOMBIES ~Second Chance for BEAUTIFUL LIVE~ 選評]]』(4/24)《あかべぇそふとすりぃ》
『[[黒ビッチギャルがキモオタに堕ちるまで ~監禁凌辱配信日記~>黒ビッチギャルがキモオタに堕ちるまで ~監禁凌辱配信日記~ 選評]]』(4/24)《TRYSET Break》
***5月
『[[Secret Agent~騎士学園の忍びなるもの~>Secret Agent~騎士学園の忍びなるもの~ 選評]]』(5/29)《ensemble》
『[[天冥のコンキスタ>天冥のコンキスタ 選評]]』(5/29)《エウシュリー》
***6月
『[[メガスキ! ~彼女と僕の眼鏡事情~ 伊波乙葉編>メガスキ! ~彼女と僕の眼鏡事情~ 伊波乙葉編 選評]]』(6/26)《GLASSES》
『[[まおかつ! -魔王と勇者のアイドル生活->まおかつ! -魔王と勇者のアイドル生活- 選評]]』(6/26)《Wonder Fool》
『[[オレは姫武将を孕ませたい!>オレは姫武将を孕ませたい! 選評]]』(6/26)《ももいろPocket》
***7月
『[[彼女がアイツで、俺はだれ!?>彼女がアイツで、俺はだれ!? 選評]]』(7/31)《プラリネ》
『[[Hではじめた絶品バーガー ~え?ご注文はおっぱいですか~>Hではじめた絶品バーガー ~え?ご注文はおっぱいですか~ 選評]]』(7/31)《evoLL》
***8月
『[[かけぬけ★青春スパーキング!>かけぬけ★青春スパーキング! 選評]]』(8/28)《SAGA PLANETS》
***9月
『[[Honey*Honey*Honey!>Honey*Honey*Honey! 選評]]』(9/25)《おうちじかん》
『[[鍵を隠したカゴのトリ -Bird in cage hiding the key->鍵を隠したカゴのトリ -Bird in cage hiding the key- 選評]]』(9/25)《Cabbit》
***10月
『[[まいてつ Last Run!!>まいてつ Last Run!! 選評]]』(10/30)《Lose》
***11月
『[[まごかつ~可愛い孫のためなら中出しOK…~>まごかつ~可愛い孫のためなら中出しOK…~ 選評]]』(11/13)《アパタイト》
『[[巨乳女士官洗脳催眠 「お前のような男の命令に従う訳がないだろう」>巨乳女士官洗脳催眠 「お前のような男の命令に従う訳がないだろう」]]』(11/27)《ルネ》
***12月
『[[プリンセスクライシス>プリンセスクライシス 選評]]』(12/25)《Tryangle》
2024-02-16T20:32:31+09:00
1708083151
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JINKI -Unlimited- 選評
https://w.atwiki.jp/kotye/pages/863.html
|ブランド|戯画|&ref(000.jpg)|
|ジャンル|リアルタイムストラテジーADV|~|
|原画|綱島志朗|~|
|シナリオ|和泉万夜|~|
|発売日|2023/1/27|~|
|価格|9,800円(税別)|~|
*選評1
【2023】 クソゲーオブザイヤーinエロゲー板 避難所 1本目
https://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/game/58331/1675258385/
#blockquote(){102:名無しさん:2023/02/28(火) 03:05:31 ID:NHOvu9oQ
JINKI -UNLIMITED- たぶん選評
GIGA最後?に放つエロゲー
まず最初に、数十時間使ったが結局クリアしていないということについて、お詫びさせていただきたい。頑張ったんだよ、それなりに。でも、なんか難しかったんだよ。クリアしてないと選評書いちゃダメって話しなら、この選評はなかったということで!
今回選評を書くにあたり、UI部分のクソ要素をメインに書いていくことをお許しいただきたい。シナリオ部分も若干気になる点はあったが、それらは得意な人が書いてくれるはず。
クソがたくさん詰まったUI
例えば、「ユニットを選択」して、続いて「サポートキャラを選んだ」とする。
次にすることといえば、直前の画面に戻ることだろう。
そこで、ぱぱっと「右クリック」を押すと、直前に選んだ「援護キャラ」がクリアされるのがJINKIだ。
選評を書く過程で、改めて確認したが、どうやらサポートキャラを選んだ直後は「サポートキャラの削除」が右クリックに割り当てられる。目的の、直前の画面に戻るには、マウスポインタを別のところに移動させなければいけない。
質が悪いことに、サポートキャラを選択した直後は、マウスポインタが「メインキャラ上」にあることだ。だから、右クリックで戻ろうとして、「なぜかサポートキャラが削除」されることが頻発して混乱するのだ。
(選評を書くにあたり、この仕様を深く理解していなかったので、「コントロール」を押して、プリセット選択画面を表示させてから、右クリックで戻っていた。)
武器選択画面でも非常に分かりにくく、誰が装備できるのかを「機体」で表示している点が挙げられる。
エロゲなんだから、素直にキャラのデフォルメフェイスアイコンでいいはずなのだが・・・
しかも、文字はゴシックで、画面左上に寄せられているうえ、「近接」・・・と大枠ごとに区切られ、一つ一つクリックしていかないと、個別の武器が表示されない。古臭く、使いにくく、操作しずらい昔ながらの仕様となっている。
戦闘はリアルタイムストラレジーになっているが、UIはやっぱり不便極まりない。
一定時間ごとに使える必殺技の為に「マウス中央ボタンをクリック」からの、[v][t]で攻撃か、補助アイテムかを選ぶ仕様となっている。さらに、マウスホイールの回転に視点変更が割り当てられているため、頻繁に視点が切り替わる。
3D表示を前面に出したかったことは容易に想像できるが、その3Dに関しても以前別のところで書いたが、クオリティは25年前に発売されたシムシティ2000レベルで、クオリティの低さがヤヴァイ。
各キャラを動かす指示を出しても、壁に阻まれたり、敵と交戦して勝手に止まったりと、思い通りにいくことはなかなかなく、ストレスがマッハである。これを書いている時点でツンだ戦闘に関していえば、敵と味方のキャラが乱戦で見分けがつかず、即市攻撃をよけてるつもりが、どっかに引っかかってゲームオーバーだったことが何度もあった。
難易度選択に騙された最後。
なんかやり方がまずいのか、(簡単)シナリオモードでも突如何度が爆上がりして、謎の停滞を迎える難易度設定。
適当に殴ってれば、武器の強化もあまりせず、レベル上げの周回もせず、おそらく2週目ラストまではいける。いけるが、そこで突如即市攻撃のお祭りが始まる。マジでこれは意味がわからない。仕方なく、レベルを数時間といわずあげても駄目になるとか、サクサク進めるというのは何だったのか? (誰かやり方を教えて!)
そもそもストラテジーは面白いの?
高難易度で難しいのがクリアできないのは、3歩譲って自分の責任だとして、ストラテジー部分は面白いか? と、言われると最初の数回は楽しいというレベル。
前にも書いた通り、まず思った通りに動いてくれないし、マップに遊びを工夫するギミックは何もない。ただ、攻撃するとビルが瓦礫に代わるという見た目の変化があるだけ。街を破壊しないと特典があるわけでもない。
また、敵のAIもガバガバなので、戦略を立てるということが、ほぼない。
敵に向かう、殴る、自分の陣地に戻る回復、という一連の作業を繰り返すだけだ。
マップの種類も複数あるが、それぞれになんの意味もない。
ただ、エロゲーなんだから、ストラテジーの部分に評価を求めるなと言われそうだが、2023年にもなって、なんでシンプルPS2時代の2000をやらにゃあかんの? って話しだ。無理に画面をフル3Dにする暇があるなら、2D斜め見下ろしで戦闘を楽しめる工夫をしてほしかった。
GPUをマジで転がしにくるクソ仕様
ファンがいきなり唸りだすので、なんだと思ったらfps制限がまったくかかっていないという、謎の仕様だった。ぱっと見120ぐらいまであがるのだが、問題は2D紙芝居と思われるシーンでも唸ることだ。6500XTが別段優れたGPUではないことは100も承知だが、このレベルのグラフィックスで唸るのは異常としか言えない。(繰り返しになるが、ここは強調したい2D紙芝居で唸ってる)
回想? ないよそんなの。
マジでないのだ。まずこのゲーム、どうやら3週するらしい。(2週目で書いてるから、わからない)
で、大陸マップで「序章」「1週目」「2週目」「3週目」と選ぶのだが、そこで各地方のシナリオを選べるようになっている。各週お話が進むと、選べるものが増えていくのだが、その中に「敗北」シナリオが選べるようになる。
特定の、高難易度シナリオというのがあり、それを達成すると、敗北シナリオがでてくる。そのシナリオがHシーンになってる。だから、回想なんて改めて設置する必要なんてないのだ。
なお、シーンのキャラは昨今よくある2Dliveきゃらで、ぬるぬる動く。
ただし、骨格とかそういったものを無視して動くので、少し怖いことがある。
また、通常の会話シーンなどでも腕が動くのだが、どうやったら腕が背中の後ろいったりきたりするのかわからない時があるから、若干ホラーが入っている。
シナリオ・・・
前記したように、この辺は書くのが苦手なので、別の方に譲るとしても、3週しなければいけないっぽいのがつらい。しかも、事前に仕入れいていた情報通り、2週目3週目の一部が、1週目と内容が被るうえ、自動スキップもないので、その辺は複数回同じ内容を見なければいけない。
キャラが好きなら3回ぐらい同じ内容を見ることはそこまで苦痛ではないかもしれないが、水増しがひどすぎて泣ける人も同時に出てくると思う。自分は、結構スキップ気味で、概要をざっくりと追って楽しむ人なので、あまり気にはならないが。
そろそろまとめに入ろう。
GIGA最後の作品? ということで、残ったチームで必死にゲームを作っているという感じがひしひしと感じた。例えば、キャラクタのイラストのクオリティは十分だし、やりたいことがよく伝わってくるという意味では、その熱き思いは良作のソレを感じた。
しかし、紙芝居というフォーマットを出たその先にあるのは、困難な道が続く世界であった。UIの酷さ、ストラテジー部分の稚拙さ、バランス調整のずさんさ、セーブデータ破棄を求めたアップデート、まさしく最後の最後は茨の道だったことは容易に想像がつく。
ただ、ここまでいろいろ書いてあれだが、Hシーンはすごくよかった。個人的にとても好みだった、だから最後までプレイしようと頑張ってもみた。
では、書きたいことは大体書き終えたので、今回はこの辺で選評は終わりにしたいと思う。
最後まで読んでくれたすべての人に感謝を込めて。
ありがとうございました。
105:名無しさん:2023/02/28(火) 14:21:28 ID:NHOvu9oQ
勢いで書いてるので、若干補足が必要。
[援護キャラ] = [サポートキャラ] で説明ミス。
ようは、出撃するキャラを選択する画面。そこでキャラ(パイロット)を選択するとき、同時に武器とサポートキャラも選択できる。なんだけど、サポートキャラを選択した直後に[右クリック]を押して前の画面に戻ろうとすると、サポートキャラが削除される。仮にマウスアイコンが、出撃パイロットの前にあっても、って問題。
あと、サポートキャラは若干のステータス補正をするものなので、なくても多分クリアできる。(あればクリアできるとは言っていない)
もう一点、回想専用のモードがないだけで、一度クリアしたシーンは何度でも遊べるので、いわゆるHシーンの回想は一度クリアしてしまえばいつでも見直せる。なので、全シナリオプレイ済みのデータがあれば大丈夫なはず。
}
*選評2(選評1の清書版、執筆者同じ)
#blockquote(){131:世界のすずきさん ◆CCcsBZUofE:2023/03/06(月) 00:32:06 ID:96DaJrKY
JINKI -UNLIMITED-
GIGA最後?に放つエロゲー
一応のお断りとして、あれこれ手を尽くしましたがメインシナリオ後にある、高難易度のオマケシナリオはクリアできませんでした。その点はあらかじめご了承ください。
◆成長要素
本作はレベル制を導入しています。
同じシナリオを複数回クリアすることで、経験値稼ぎが可能です。
それだけならよかったのですが、その取得経験値に大きな落とし穴がありました。
序盤は数百程度だったものが、中盤に数万、後半に行くと数百万と超インフレすることです。
次に必要な経験値も同じようにインフレを起こすため、レベルでごり押しして先に進むということが困難になってます。実質、適正レベル以内で攻略することが求められます。
◆レベルキャップ99問題
そもそも適正レベルでしかクリアさせる気がない本作ですが、さらに最高レベルが99までという限界があります。最終的に誰でも90代にするのはさほど難しくはありません。
しかし、99でクリアできないとなると、話は別です。
開発的には99まであげれば誰でもクリアできると思ったのでしょうが、現実はそうではなく、難易度の問題でつまる人が現れました。
初期版には99を超えると1? 0?になる不具合があり、修正されていますが、おそらく同じようなことを考えた人がいたのでしょう。
◆機能しているか疑わしい シナリオモード
おいおい、JINKIには「シナリオモード」っていう、イージモードが実装されてるんじゃないか? と、思われた方、朗報です。
確かに、 ゲームには「シナリオモード」と「通常モード」があります。
ゲーム内説明で「敵がすぐに倒せます」みたいなことが書かれていますが、実際はよくわかりません。一応、これを書いている時の最新バージョン1.04で遊んでいますが、双方の違いが少なくても私には理解できませんでした。
とはいえ、断定はできないので有志による分析に期待します。
◆リアルタイムストラテジー部分について
JINKIはストラテジーもあり、紙芝居ゲーとは違うのだよ。
というところですが、いろいろと問題点が多いです。
1)出撃者を選択する部分のUIがまずひどいです──
搭乗者を選ぶ・・・まあ普通だな。
[D] を押して、[補助パイロット]と[ウェポン]を選ぶ・・・普通だな。
[補助パイロット]を選んだあと、前の選択に戻ろう・・・[右クリック]
[補助パイロット登録削除]
(;・∀・)・・・
最初は、マウスポインタが[補助パイロット]の位置にあって、右クリックでキャンセルされるんだと思いました。実際、少し位置をずらしたら、右クリックで戻れる時もありました。
しかし・・・繰り返すと、なんか違うみたいです。
結局・・・[補助パイロット]を選択後に、[コントロール]ボタンをおして、プリセット登録画面を経由して、前の画面に戻す方法で落ち着きました。
2)戦闘中のUIもそれなりにひどいです──
マウス中央のスクロール → 視点変更
マウス中央のクリック → 必殺技
誤操作を誘発する設定がなされているので、必殺技を使おうとすると、頻繁に視点が変わりストレスが溜まります。
そのほかムービー中に終了画面を出すと、エンディングが終わるまで消すことができない。運が悪いと暗転クラッシュするなど、表示切替部分にも不具合と思われるところがあります。
3)リアルタイムストラテジー部分──
戦略なんて基本的にありません。
最初の方はとりあえず敵と目標に向かって突っ込めば終わり
中盤は少し回復や必殺技を考えれば大丈夫
最後・・・何も考えずひたすら ヒット&アウェイ
最難関と思われるラストを例に出すと・・・
超ボスがワープで出現 → 敵が超範囲攻撃をする and 敵に近づき攻撃 → また別の場所にワープ
のループです。
これぐらいなら何とか対処できそうですが、そこに付随して別の敵が出てきます。
実際はそこに・・・。、
雑魚・中ボスがわんさかと出現
画面の隅から隅まで届く範囲レーザー攻撃を連発
拠点が超射程攻撃などにより占拠され、そこから雑魚が出てくる
といった、やけくそ気味の隙のない波状攻撃が画面を覆いつくす勢いで行われます。
それを掻い潜りながら、攻撃を仕掛けるわけですが・・・
→味方4人を選んで敵の攻撃をかわす
→しかし、知らない間に 一部味方が壁などに引っかかり止まる
→逃げ遅れた味方は、敵の超攻撃を食らってお陀仏か瀕し
→それでなくても雑魚攻撃などでお陀仏か瀕し
→拠点が占領されて大変だから、味方を分散
→最初に戻りループしてる間に、最後は敵のごり押しでジリ貧
遠距離・中距離・近距離 と武器の特性がいくつがあるが、それらを活かして戦略的に進めるなんてものは、ほとんどナッシングです。
◆GPUを本気で壊しにくる仕様
紙芝居シーンだろうが、トップ画面だろうが、fps制限をかけていないせいで、GPUが超がんばります。
普通、二次元画像にちょっとしたエフェクトをかけただけの画面で、GPUファン回りますか?
はい、まわるんです。 Radeon 6500XT だと、全力で回ります。
戦闘シーンにしても、シムシティ2000と同レベルを、3Dこ構築したレベル。
緑の平野にぽつぽつと建つビル
直線道路とビルで構築されたビル街。
どれもこれも、シムシティ2000レベルです。
敵味方はキン肉マン消しゴムみたいなクオリティで、ロボット同士のメカメカしい戦闘シーンはありません。敵の攻撃には、黄色い矢印ビームが飛び交ったり、かなりシュールです。
一応フル3Dなので、視点変更ができたり、ズームアップなどができますが・・・根本が低クオリティすぎて何の意味も持ちません。
それなのにGPU温度80度ぐらい軽く上がります。アップデートで負荷軽減をしたのに、何をしたんだといいたくなるレベルです。
Bandicamera で fpsを 30 に落としてプレイしていますが、それでも暖かめです。
◆回想モード
ありませんが、あります。
一度遊んだ、見た場所はいくらでも再送できるので、閲覧は簡単です。
3週の最後まで遊んだセーブをロードすれば、問題はありません。
ただ、調べた範囲ではあるけれど、セーブ・ロード画面ないにある紙芝居確認ページとは別管理になってそうです。
あと後半のエロシーンはすべて基本リョナでした。
それもキャラの個性やバリエーションを考えると少なめ。がっつりした経過を観察して楽しむといったボリュームはなし。残念。
◆シナリオ
前記したように、この辺は書くのが苦手なので、別の方に譲るとしても、3週しなければいけないっぽいのがつらい。しかも、事前に仕入れいていた情報通り、2週目3週目の一部が、1週目と内容が被るそうで、自動スキップもないので、その辺は複数回同じ内容を見なければいけません。
キャラが好きなら3回ぐらい同じ内容を見ることはそこまで苦痛ではないかもしれないが、水増しがひどすぎて泣ける人も同時に出てくると思います。自分は、結構スキップ気味で、概要をざっくりと追って楽しむ人なので、あまり気になりませんが。
◆そろそろまとめ
GIGA最後の作品? ということで、残ったチームで必死にゲームを作っているという感じがひしひしと感じました。
例えばキャライラストや、シーン・・・後半は好みにわかれそうだけど、がっつりやってて、熱量は感じた。
ただし、結局そこまでの作品でもあって、紙芝居の先のゲーム性という部分では、がっかり感満載のクソゲーの域を一歩も踏み出せなかった。
UIが酷すぎなのもそうだし、レベル性を導入しつつ、レベル性を否定するゲーム性もそう。
ストラテジーを目指しつつ、それらに向き合うことなく、数と範囲攻撃とワープで難易度をごり押しする適当さもそう。そこに工夫はなく、しかも操作性の悪さや、挙動の調整の放棄により、勝手に射程内にとどまり飛散すること数知れず。
まあ、エロゲーなんで、エロさえちゃんとしてればと思わなくもないけれど、最後がこれでは、あんまりな気もしなくもない。(おわり)
}
*選評3
#blockquote(){708:JINKI -unlimited- 選評3 ◆D2NUIMg9q.:2023/12/31(日) 22:57:41 ID:CBj6u5BU
代理投稿の依頼を受けたので選評投下します。
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JINKI -Unlimited- 選評
ブランド:戯画
定価: 初回版¥9,800 (税込¥10,780)
豪華版¥15,800 (税込¥17,380)
発売日:2023/01/27
ジャンル:リアルタイムストラテジーADV
原画: 綱島志朗
シナリオ:和泉万夜
ストーリー
1992年9月。
東京はキョムと呼ばれる組織の総攻撃を受けた。
後に『東京ロストライフ現象』と名づけられる事件の、これが始まりである……。
保育士として働いていた織部碧は、破壊される東京の街を○○達とともに逃げていた。
しかし、その最中で一度は意識を失ってしまい、目を覚ましたときには○○達の姿はなかった。
彼らを探すために、博物館に展示されていた人機・ナナツーの上の座席に乗り込んだ碧だが、それは思ったようには動いてくれなかった。
「もしかして……下の座席……!」
「ご名答。こいつは旧式だからな。上だけじゃ動かねぇよ」
そこへ現れたのは小河原両兵。
彼はナナツーの下の座席に乗り込むと、ナナツーを起動させた。
これで○○達が探せると思った碧だが、直後にキョムの人機・バーゴイルに襲われてしまい、選択の余地もなく戦いに巻き込まれてしまう。
「守りたいものがあるなら……お前の力で守ってみせろっ!!」
自分の置かれた状況に困惑しながらも、碧は両兵の言葉で決意を固め、占領された東京を取り戻す戦いに身を投じていくのだった……。
年初に発売されてから11ヶ月、直感的にヤバイとわかっていてか、このゲームを積んでいた。
でも2023年も終わりになって、流石に来年に持ち越す訳には行かないと漸く重い腰を上げる決意を決めたのであった。
さて、レビューをはじめるに当たって先ず再確認しなければならない事がある、そう、私たちプライヤーがこのゲームに期待したものとはなんだろう?エロか?シナリオか?ゲーム性か?
私はエロの方だ。何ならぶっちゃけると性癖の方だ。と言うのもこの目に見えてる地雷を遊ぶ決め手となったのはシナリオライターを見ての事だからだ。規制の緩かった頃、蟲愛でる少女と言う凌辱ゲーでエロゲー入門してしまい、そのまま一生歪んだのである。NTRゲーと聞くと双子合体って思い浮かぶ程にはヤバイやつである。因みにこのライターさんは女主人公視点も結構得意で、それもJinkiに通ずる。
業界からシナリオライターが離れてく中、かれこれ二十年以上続いてるし、得意ジャンルも合ってる、さらに言うと近年はこういう凌辱系のが減ってるなかでのフルプライス、そうなれば買うしかないでしょう。
だがまあ、言うまでもなく後悔した。
今作の問題点は余りにも多く、一言で言えば「未完成の遺作」であり、年末から振り返ると今年のKotyeの大勢の問題点の悪しき開拓者でもあった
問題点1、Unlimited Frame Rate
このゲームを遊ぶにあたって最初の問題点はダブルクリックで開けた瞬間から立ちはだかった。このゲーム、本当にUnlimitedである、文字通りの。
何せフレームレートが無制限なのだ、そりゃUnlimitedで合ってるわ。
画質調整などすれば殆どのPCゲームを60fpsで動かせるRTX3060、このゲームを起動した瞬間から稼働率100%である。起動瞬間400fps、タイトル画面280fps、GPUに対する殺意がUnlimitedである。アンリアルエンジン自体タイトル画面で重いのはわかってるけどそれとは別問題である。
でもこれだけならまぁ、設定すればいいんでしょ?
あの~画面設定、二択しかないんだけど~
(フレームレート設定は)ないです
あの~Nvidiaのドライバー設定でフレームレート制限かけたのにどうしてまだ100%のままですか~
(AMD以外のドライバー設定は効か)ないです
アップデートあるやん、直してくれるよな
(そんなパッチは)ないです
幸いな事にBandicamにはフレームレート制限機能が無料で使えるので、それを使えばまぁ、一応60fpsにできるようになるが、いざゲーム開始って意気込んだ私の前に立ちはだかったのはまさかの二段構え、副作用で「文字送りがカク付く」のであった。
問題点2、設定画面でお手軽詰み
さて、先程も言ったがこのゲームの画面設定は二択しかない。つまりどういうことかと言う、文字送りスピードの調整ができないのである。お前正気かよ?ADVってのは文字を読むゲームだぞ
パソコンの寿命を取るべきか、カックカクの文字を読むか、台詞ごとに二度もクリックをするのか、そんなことを迷う私は愚かにも三段目の罠にはまる羽目となったーーゲーム開始後1分で私は詰みました、オプション画面で。
このゲーム、ESCキーがゲーム終了で、右クリックが戻る、そしてオプションを離れるには右クリックした後左クリックする必要がある。この時左クリックしないでESCを押すとゲーム終了するかって選択が出て来て詰みになる。Yesを押すとゲーム終了、Noを押すと左クリック判定が行われるもオプション画面から出られず、そしてこうなると左クリックも右クリックも効果なし、つまり右クリックからのESCを押した時点でもうゲーム終了以外の選択肢がなくなった。
だがこれだけならまだしも、逆の操作も詰むのだ、ESCを間違えて押して、右クリックでキャンセルしようとしたらできず、そしてもう画面から出られなくなって詰みです。
尚、スキップとか操作方法とかそういうのは変更できないのでオプション画面には設定すべきことなどなく、思うにオプション画面とは完全に罠ではなかろうか?
PS:後になって気づいたがこれウィンドウモードになってるけど実際にはフルスクリーンでした。でも調整して一度フルスクリーンに変えた後だ戻すとちゃんとウィンドウになる。作動環境2560*1440モニターだからかな?
問題点3、とにかく不便なシステム
RPGゲームでもオート文字送りとバックログぐらいはある今のご時世、しかしJinkiにはそれがない。
もう一度言おうーーオート文字送りもバックログもない。だからバックログが不便とか突っ込んでる今年の他エントリー作、あるだけマシだと感謝するように。
そして聞いて驚け、このゲーム、何と回想モード無しな上にCGギャラリーでは差分が見えない。今時ツクール同人ゲーすら回想モードあるんですが?なんで?
そしてそれはノベルパートのみならず、出撃編成画面にも及んでる。このゲームは出撃前に出撃機体(最大四体)+それぞれのサブパイロット、武器、アクションを編成するが、その内サブパイロットを編成した後、右クリックで戻るをしようとしたら編成したばかりのサブパイロットが消される。
そのサブパイロット以外の場所をクリックして、青いハイライトの枠を消しても尚消される
何なら編成画面へ入っただけで右クリックでサブパイロット消される時すらある
どうすれば戻れるのか、私はサブパイロット5回ぐらい編成した後漸く気づいた。サブパイロットを選んだ後に、下の武器にマウスをあててハイライト枠を移動させないとメニューを戻せないのである
そして一度でもサブパイロットにマウス当てたら武器に当てなければならないのである
問題点4、圧倒的ボリューム不足と肉を削ぎ落とされてるシナリオ
そんな本作のボリューム、何とフルプライスで独立のHシーンCGは23個しかなく、ヒロインごとに3-4ぐらい(碧4、ルイ3、エルニィ3、さつき3、メルJ3、青葉&赤緒2、青葉1、赤緒1、さつき&ルイ1、エルニィ&メルJ1、全員磔つけ1)、さらに言うとその差分まで一枚当たり大体5-10個前後(1シーンぐらいは差分多めの奴も少しある)と言う圧倒的ボリューム不足である。尚、公開されてるHシーンが12個もある
さらに言うと発売前に公開されたHシーンサンブルがあるでしょう?二つのシーン共に動いてるでしょ?じゃあプレイヤーも動くHシーンを期待するのが自然だろうけど、しかし実際に動いてるのは6シーンぐらいです。
つまりさもフルプライスの様な公開数でプレイヤーの期待を釣り上げて、蓋を開けてみれば低価格ゲーのHシーン数なのであった
思えばシナリオライターはこのゲームのボリュームを示してくれていたのだ。彼のブログ曰く
「メーカーさんからの希望を元に、プロット、シナリオを担当。
実際にゲームで使われているテキストは、シナリオ監修の方に添削していただいたものになります。」
プレイを終えた今、思い返して見ればこれはかなり珍しいことでした。このライターさんはサブシナリオライターをやる時でも最低限は例えば気に入ったポイントとか、大変な所とか、或いは印象的なポイントとかを書いてくれるし、メーカー監修多めの作品には相手を立てるぐらいの気遣いが出来るのである(例えば「メーカー様のほうでさらに濃厚なテキストにしていただいております」や「お陰で方向性がはっきりとわかる作品になった」など)。なのに今作は内容には一切触れてないし、監修だけでなく添削と明記したのはまぁ、つまり添ではなく削のが多いってことでしょうね
そしてそれは当然ながらシナリオ面にも及んでおり、何となくこう、肉付けが薄い様な、唐突な印象を受けるのである。ボイスもイラストも何ならシナリオの文字数もお金が掛かるのだからそりゃそうだろうな~って納得できるわけもなく、それならミドルプライスに落とせやってツッコミたくもある。
軽く触れておくと凡人主人公が巻き込まれて最終的に特別な奴でしたと言うテンプレものに捻りを加えたやつで、言うなればそう、巻き込まれ系主人公が戦いの中で仲を深め、成長する、って王道の物語を描こうとしてるのは分かるが、何せボリューム不足である。何ならこう、恐らくだが未完成だと思う。ちょっと端折りすぎた上にRTS部分挟んでるせいでテンポも悪くなってるし、話を展開し終える前に中途半端な所でもうお金ないからって強制終了されてる臭い。そのせいで序盤は主人公の心理とか成長とかを感じれるのにいつの間にか(プレイヤー視点だとクソ怠いRTS以外)大した交流もないのに仲良くなり、(RTSパートでサブパイロットにしてないのに)いつの間にかパートナーシップが育ったりとまぁ色々と足りない。
言うなればフルプライスとしてプロットを書いたのに、肉付けは序盤ミドルプライスからのさらに厳しくなったから終盤にはロープライスに抑えてる感じである。
尚、そんなボリューム不足を誤魔化す為にスキップ不可な周回とテンポの悪いRTSでプレイ時間を水増しするのは最早Kotyeお家芸だから最早言わなくても分かるでしょう。
問題点5、グラフィックが両方ダメ
そう、このゲーム、RTSとしてもエロゲーとしてもグラフィックがダメなのだ。エロゲーとしてもグラフィックがダメなのか?そう、全然ダメである。
これは別にイラストレーターの腕がダメって訳じゃなく、綱島志朗さんの絵自体は良い。でもそもそもの話としてそんな彼の得意ジャンルはエロじゃないのだ。そしてグロとか暴力とかもそんなに書いてないのだ。完全なる畑違いである。
そしてリョナに凌辱、この手のジャンルに置いて大事なのは言うまでもなくゴア表現とエロスの融合である。
エロもグロも畑違いなイラストレーターにエログロを書けるわけもなく、そうなるとHシーンの文字の描写とCGが全く釣り合わず、萎えるのだ。何ならHシーンを文字だけにして出した方がまだ抜けたかもしれない。例を挙げると文字ではハンマーで潰してんのに絵ではちょっとした青あざ程度、そんなレベルのギャップである。せめて反射ちょっと体浮かせるぐらいしてよ、人形かな?先程も挙げた17年前のゲームのがまだ抜けると思う
そして2Dliveのノベルパートはと言うと、表情がちょっとおかしい、ていうか差分が少ない。キャラは恥ずかしいって思ってるのにとても良い笑顔とかするし、無理やり動かしてるせいで骨格を無視した動きもする。
ではRTSは?本来ならPS2ぐらいって評価したかったが、そう言えばPS2のロボゲーにはAC2があった。そうなるとまぁ、PS1レベルって言うほかないのかもしれない。ゲーム開始5秒で目に入るは爆発と同期してないオブジェクト破壊、時には建物が消えた後に爆発するし、時には爆発から1秒以上で粉塵とかのエフェクト無しに突然ビルが消える。安っぽいエフェクトもここまで極めたら最早ギャグである。なんで3Dにしたの?20年以上前、フラッシュゲームを遊んでたころすらもっと表現力があったでしょう。
そして何よりも気になったのは繋ぎの欠如である。フラグを踏んだら即切り替え、操作の最中一瞬でアングルが変って、シーンが終わると一瞬でまた戻る。切り替えアニメーション無しのPPTかな?。ソシャゲ周回時はスキップ出来ないかって思ってしまうのに、Jinkiのお陰で漸くクリア画面のアニメーションの有難みを理解した
問題点6、なんだかんだ満足の行かない音周り
システムから画面まで全部ダメな本作だが、当然ながら音も満足とまでは行かないものだった。
まず第一にBGMのループの切れ目が気になる。ぶつ切れからの唐突の始まりによってBGMが気になる。
そして戦闘の効果音は安っぽく、戦闘BGMには緊迫感がなく、単調な戦闘と合わせて眠りを誘いに来る。なのに会話パートはBGMのビートと切れ目が邪魔してボイスが脳内に入らない。
さらに言うとキャラボイス、これは感覚的な問題かもしれないが、何となく合ってない気がする。これは序盤から気になるところであり、必死さを感じない、戦う決意を決めてるのに凛々しさがない、凌辱シーンなのに切迫感がない、となんだかんだでこう、物足りないのだ。
そして当たり前のことに、
問題点7、ゲーム性も操作性も達成感もない上にテンポが悪い水増しRTS
さて、そんな今作が色々な問題点を抱えて売りにしたRTS、そのクオリティーは何と同人ゲー以下である。
範囲選択は出来ず、操作性は23年前のRed Alert 2以下。キーコンフィグが出来ないせいでShiftキーを押しながら1234と押すほかなく、右手はマウスだからどうしても左手だけでやるしかないので、複数のキャラ選択すら一苦労。
さらに言うと自動攻撃アリの自動移動無しというシステムにより、敵の前衛を選んで攻撃したら、その敵が死ぬとこっちの後衛が棒立ちになる。なんで?1歩前の仲間打たれてるのにサボるんじゃねえ
敵のHPは無駄に多く、インフレもあって戦闘のテンポは常に遅い上にレベリングも時々必要になるし、終盤のステージはバランス間違えてる様ないきなりな難易度曲線を描いてもいる。
そしてぶっちゃけると敵が固い上に複数出現だから狙撃とかの意味もなく、射程などはそのまま死にステータスとなって、武器はDPS一番高いのにする一択、必殺技もDPSが増える上に盾にもなってくれるタレット一択。戦いは数だよ+レベルを上げて物理で殴る、戦略などない。
なのにステージ数は100以上。そしてマップは使い回し。
どうしてもそこで水増しした?
PS:個人的にはゲーミングマウス使ってるからキーをサイドボタンに割り当てて気にならなかったけどこのゲーム、マウスホイールで必殺技のせいで多分マウスによっては必殺技使う度にアングルが切り替わると思う。
まとめ
年初の門番にして未完成の遺作、戯画マインの最終形態JINKI -Unlimited-
それは正しく表裏一体のクソゲーであった
表に置いては目に見えて地雷なグラフィックと耳に聞こえる不快感、そしてパソコンへのダイレクトアタックを
裏に置いてはシステムとボリュームとゲーム性の多重構えを
最初から最後までプレイヤーを苦しめる要素たっぷり、お財布とメンタルと更にはパソコンにまでダメージを与えようとするその様は正しく地雷であり、愚かにもそれを買ってしまったプレイヤーを嵌める罠であった。
そうしてプレイし終えた後に残るのはRTSとしてもノベルゲームとしてもエロゲーとしても楽しめず、そうなると一体誰が楽しめるのかと言う根源的問題
だがそれに答えてくれる戯画は既になく、手に残るはただのクソゲーであった
でも一応は数少ないリョナゲーであり、なんだかんだ抜けたから私は大丈夫だ。
}
**補足
#blockquote(){723:JINKI -unlimited- 選評3 ◆D2NUIMg9q.:2024/01/01(月) 11:45:00 ID:lnOl31C.
画像資料の提供もいただいたので、アップしておきます。
1枚目:ご覧の通りフレームレートが無制限
2枚目:Bandicamで制限した(文字はカクつく)
3枚目:オプションで詰むとは…
#region
//https://imgur.com/a/U00eUCy
#image(001.jpg)
//https://imgur.com/a/DCebO2u
#image(002.jpg)
//https://imgur.com/a/u4XL11M
#image(003.jpg)
#endregion
}
2024-02-08T23:16:55+09:00
1707401815
-
2023年度クソゲーinエロゲー板
https://w.atwiki.jp/kotye/pages/854.html
■エントリーについて
エントリーは「その作品をクソゲーとして語ろうとした住人が居た」ことを示すだけに過ぎず、スレ住人全員の総意とは限りません。
**''エントリー作品(2023)''
//***記入例
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***12月
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2024-02-03T23:01:22+09:00
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