Closed GAME 選評

ブランド Empress
ジャンル 浮遊閉鎖空間脱出ADV
メディア DVD-ROM
原画 聖少女
シナリオ 和泉万夜、八朔
発売日 2015/06/26
定価 9,504円(税込)

選評

【2015】 クソゲーオブザイヤーinエロゲー板 避難所 14本目
http://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/game/58331/1453717671/
148 : ◆DtBkl8z6Jc:2016/01/30(土) 23:30:22 ID:yu4Jv7JA
タイトル:ClosedGAME
ブランド:Empress
ジャンル:浮遊閉鎖空間脱出ADV
発売日 :2015年6月26日
価格  :8,800円

FSチックな超格差社会において、上級市民が下級市民をデスゲームに送り込むという、概要だけ見れば実に
興味をそそるものがある本作である。しかし、フタを開けてそこに納まっていたのは、今度こそ紛うことなき
クソそのものであった。
KOTY2011へ何を思ったか脱糞で殴りこみを仕掛け、五惨家の一角として住民たちを震え上がらせた『STARLESS』
から4年、Empressがまたやらかしたのだ。

気に入らなかった点は集約すると以下の2点
1.整合性の無さ
2.展開の貧弱さ
3.設定のやる気の無さ(CLOSEDGAMEのルール含)

1.整合性の無さについて
主人公は間違いなく健忘症である。悲しいくらい忘れていく生き物の眷族であるからにして、ある程度は
許容したいが、前日に目の前で敵ラバーメンに凌辱されたヒロイン相手とセックスをし、初めての男がるのは
如何なものか。ヒロインもヒロインで、処女膜を再生させる気合の入れっぷりには驚くばかりである。他にも
ヒロインとのセックスの翌朝に、退屈でいつの間にか眠ってしまったとほざきながら目覚めたり、ヒロインも
気を利かせて実はあれ媚薬だったのよなんてネタばらしを二回してくれたり、ついさっき母娘丼かました部屋で
「ここはどこなんだ」等々、もはや悪夢である。
そのくせ、所々前後の脈絡を無視しても通じるような表現を選んでいる節があり、それがまた鼻につく。
シーン使いまわす気満々じゃねえか。例としては、ヒロインから申し出がある添い寝同衾を全て丁重にお断りする、
等々。(そのため先述の、退屈でいつの間にか眠ってしまった朝を迎えるハメになる)

2.展開の貧弱さについて
ヒロインはたくさんいるものの、その人数分だけ焼き直しのシナリオを見せ付けられるだけである。選択肢、
ルート分岐でイベントが変化するが、誰のエロシーンになるかだけであり、シチュエーションまで同じだ。
結果として作中のGAMEは4日目の最終盤まで全く同じ展開をたどる。エロシーンが同じシチュエーションなのも、
同じ展開で共通部分を流用したいがためという印象が極めて強い。しかしながら、GAME自体に流用したいほどの
巧妙な仕掛けや息詰まる攻防が用意されているわけではない。あろうことか、GAMEを自力でクリアすることすらない。
GAMEと銘打っているにもかかわらず、ゲームマスターから特別にヒント(限りなく答え)をもらってようやくの
クリアである、4日間全て。面白い展開を思いついたから是が非でもそれを押し通したい、という熱意ではなく、
とりあえず分量を満たしてあとは可能な限り労力を省きたいという意思が垣間見える。

3.設定のやる気の無さ(CLOSEDGAMEのルール含)について
GAMEの勝者に送られる報酬はなんと、カエルム・ウルブスの一員となれる上級市民権。しかしながら、この
カエルム・ウルブスが如何なる世界なのか描写はない。もっというと、CLOSEDGAMEに動員された主人公たちが
どんな生活をしているのかという描写もほとんどないし、下級世界がどんなところなのかという描写もごく
限定される。いきなりそんな具合でGAMEが始まるため、先行きに不安はあったが見事的中した。
設定によると、ヒロインのセシリアは「ダブル・プル・ザ・トリガー」なんて異名までついている射撃の名手の
バウンティ・ハンターとのこと。こいつは武闘派に違いないと思いきや、そもそも銃は持ち込み厳禁。当然GAMEの
会場に武器が設置されている事も無く完全に死に設定。しばしば見かける「銃があれば……」なんて呟きはもはや哀れ。
他ヒロインが常備薬を持ち込んでいる描写もあったが、気にしてはいけない。
説明が遅くなったが、このCLOSEDGAMEの概要は大きく以下の4点である。

①敵が配置されたフィールドの中から、制限時間以内セーフティーゾーンを見つけ到着する
②腕に装着されたバングルがビーコンのようになっていて敵と見方に反応する
③上記①~②を4日間繰り返し生存する
④セーフティーゾーンに辿り着けないと死ぬ

①について、原則的にセーフティーゾーンは全くのノーヒントであるため、ゲームっぽさを損ねている。これが
オリエンテーリングみたいになっていたり、地図や暗号があればそれらしくなったであろうが、そのような
仕掛けはない。あろう事か、毎回ゲームマスターの温情で答えを教えてもらう始末。自力でのセーフティーゾーン到達は
一度も無い。
②について、全く効果的に使われなかった。少なくとも、ゲーム攻略の全く役には立っていない。初日こそ、
フィールド内にバラバラに配置された主人公たちが合流する役に立ったが、2日目以降は、見方全員が同じ場所から
スタートであった。敵のアラームが鳴っても優柔不断な主人公がどうしようどうしようとやっている間にいつも
手遅れというイライラが募る展開。アニメ版のドラゴンボールを思い出したのはここだけの話。さらに細かいところ
だと、一定以上近づくと鳴らなくなるのか鳴りっ放しなのか機能がまちまちだったり。
最終盤に、冒頭でプレイヤーを死なせてしまったのが規定に引っかかるとの旨でゲームマスターのヒロイン二人が
処分されたが、そうするとそもそも④のルールがアウトになるが、もはやこの頃になるとそんな事気にするのも
アホらしくなる。

まとめ
SF要素を盛り込んだ世界観、聖少女氏の原画、音楽、背景。テキストについても、安心の和泉万夜が
いつもどおりの仕事をしている。素材はどれも実に上等であった。しかしながら、調理を徹底的に失敗した。
製作を統括する立場の人間はいたのだろうか。製作中の修正、すり合わせはあったのだろうか。山の両側から
最新鋭の設備を使って掘り進めたものの、測量全くせずに進めたらやっぱりトンネルにならなかった、という
印象の一本であった。

……異種姦シーン、脱糞シーンを抜き出して、オムニバス版で販売した方が好評だったかもしれない。