778 :ドS 選評 ◆Ra9j1sVq3.:2015/06/29(月) 01:32:27 ID:jgwYLq7k0
女の子はドSな変態でできている
ジャンル Sっ娘になじられながらいちゃらぶしちゃうADV
ブランド いちゃらぶ堂
発売日 2015年5月29日
価格 6800円+税
新規ブランドのいちゃらぶ堂が送る一作。
タイトル通り「ドSで変態なヒロイン」が売りで、特典にCDを付ける程罵倒に力を入れているとの触れ込み。
しかしニッチジャンルは地雷度が高いという法則通り、本作も需要無視の地雷であった。
○登場人物
・木崎 秋生(きざき あきお)
本作の主人公。何も言う事はない。
・雪輪 風華(ゆきわ ふうか)
主人公の許嫁。学生会長を務める文武両道の才女だが、露出癖が有り主人公以外の人目が無い所では下着姿で居る。
本人曰く「変態じゃない。仮に変態だとしても変態という名の淑女」というクマ吉理論を振りかざす。
・高木 君香(たかぎ きみか)
主人公の隣家に住む子供の頃から知っているお姉さん。今は主人公の学校の教師。
・大石 眞美(おおいし まみ)
主人公の義妹。陵辱願望が有る。
・主人公の両親
主人公の両親…なのだが二人共女性である。
左が眞美の実母で母親役、右が主人公の実母で父親役。
一応昔旦那はいたらしく、主人公らはその時の子供。要はバイ同士の同性婚である。
シナリオ
主人公が許嫁の風華の学校に転校してスタート。後は話らしい物は無い。
抜きゲーの割には無駄に選択肢が有り、どのルートにも分岐しないバッドエンドもあれば個別ルート内でもトゥルールートと打ち切りエンドが有る。
もっとも内容が違う訳でも無く、単に個別ルートが途中で終わるだけというお粗末さだが。
○問題点
・タイトル詐欺
本作の致命的な問題点。そもそも製作陣はドSという言葉の意味を全く理解していない。
やたらと自信がありげだった罵倒からしてズレている。
本作の罵倒とは言葉責めといった趣向の物ではない。単に「クズ」「ゴミ」「空気」「強姦魔」「居たの?」と言った言葉を連呼するばかりなのである。
これだけ酷い言葉を浴びせる一方で、特に説明も無くヒロインらの好感度が最初からマックスなのがますますカオスさを増長させている。
当然ユーザーがこんな物で興奮する訳が無いが、更に致命的なのが主人公すらもコレに興奮したりしない事だろう。
ヒロインに罵倒されても「何言ってんだこいつ」「はぁ?」といった極めて冷めた態度でいなして行く為、ますます罵倒の価値は0に近づく。
むしろ罵倒しているヒロインの方がこういった言葉に弱く、自分の発言に発情するのは勿論、主人公の返しでアッサリ弱い事を露呈させる等一体何処がドSなのか理解不能。
逆に主人公の方がSっ気が有る事をヒロイン達が認める始末。ユーザー見たいのはドSなヒロインであってドSな野郎ではない。
個別ルートに入るとますますその傾向は顕著となる。罵倒すらもネタ切れとばかりに鳴りを潜めるばかりでなくエロシーンでは献身的な態度を見せだす。
では変態なのかというとこちらもやはりズレている。単刀直入に言うならただの色情狂なだけである。
まず本作の日常会話は以下のいずれかの内容しか無い。
1.ヒロイン達が「チンコが~」「アソコがグチャグチャで~」「フェラして~」と言った低レベルな卑語の連呼
2.勝手に妄想を初めて発情する。
例:教室で2人きりになると「こんな美人と教室に居るなんて…秋生君ったら私に乱暴するんでしょう!?(;゚∀゚)=3ハァハァ」
家で一緒の部屋に居ると「一緒にいたらレイプされちゃう!イヤーン!(;゚∀゚)=3ハァハァ」
とコレしか無い。つまり常にエロネタしか喋っていないという事であり中学生もドン引きの低レベルさを誇る。
逆に主人公の方がよっぽど変態的であり、共通ルートでは常識人の様に振る舞うが個別ルートでは性獣と化す。
何度も言うが、ユーザーが見たいのは変態なヒロインで変態な野郎ではない。
エロシーンも決して変態的では無く、極めて普通のプレイに終始する。パイズリや足コキも少数ながら有るが、この程度のプレイなら普通の学園エロゲと何も変わらない。
・極めて低レベルな文章
本作は抜きゲーに分類される為、重厚なシナリオ等は求めるべくはない。しかしそういった方向とは別に単純に文章力が低すぎる。
前述のエロネタオンリー会話もそうだが、本領のエロシーンですら「セックスしよう→気持ちいいー!→出るっ!→またしようね」という50クリック以下のワンパターン構成しか無い。
場面ごとの切り替わりが特に適当で、例えば昼間の教室で放課後セックスの約束をしてから実際にいたすまでこの文だけで表現する。
朝かと思ったらいつの間にか夕方だったなんて事もザラ。日常生活や学校生活の描写がほぼ0なのも時間軸把握を困難にしている。
抜きゲーの癖に「この後めちゃくちゃセックスした」と言わんばかりな投げっぷりが多いのも厳しい。そこを詳しく描写しないで何が抜きゲーなのだろうか。
またやたらとラノベやエロゲーを引き合いに出すのも特徴である。
ツンデレキター!!!のようなネット表現も完全網羅と昨今のクソ文章のトレンドを余すこと無く収録している。
(ちなみ眞美はツンデレというキャラクター性とは思えないが、やたらと作中ではツンデレである!というのを強調する。)
・グラフィック
グラフィックもとても褒められた物ではない。
基本CG数だけ見れば75枚とフルプライス級であるが、差分が殆ど無い。非エロCGは差分0が普通で、エロCGでも目の形、愛液の量位の差分が2枚程度。
エロシーンではガッツリ射精しても一切変化がないなんてのは当たり前の様に存在する。
何度も言うがコレは「抜きゲー」のはずなのだが。
また理由は不明だが、15枚のCGは「カットイン」という枠に分類されており、ヒロイン個別とは分けられている。
しかしその内容は別に分ける程特異性が有る訳でも無く、単に横の画像サイズが小さいだけのCGにしか見えない。
質に目を向けるとサンプル等で使用されているCGはまだ良いが、同人ゲーもビックリのクォリティが目立つ。
塗りの影響も有るのだろうが、全体的に昔のエロゲーのような古臭さが際立つのが特徴となっている。
事ここに至ってはどうでも良い事だが、主人公の制服がただのサラリーマンにしか見えないのもシュールである。
・低級なシステム
絵が古臭さければシステムも古臭さい。クソゲーの嗜みである充実のコンフィグは完備している。
スキップ時音声のON,OFFの項目が有るが、OFFにしてもスキップ中にボイスは鳴る。クリックでボイスが中断しない仕様も相まって
スキップ中はボイスが連続で超高速再生され、高周波ノイズの様な音を発し続けるのが鬱陶しい。
ホイールでの読み進めは出来るものの、変な慣性がついており高速でホイールを回すと一気に文が進むのも地味に不便である。
また実害は無いが、確認メッセージウィンドウの背景がメインビジュアルを無造作に切り取っただけと言う謎の仕様となっている。
○まとめ
ニッチジャンルゲーは地雷という認識を更に強める事となった一作。
タイトルに惹かれて買ったドMユーザーを尽く爆死させ、抜きゲーとしてもsealの方がよっぽど優れていると何一つ長所は無い。
それともこのようなクソゲーを買ってこそ、本当のドMという製作陣の渾身のメッセージであったのだろうか。