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2014年総評案2 修正案1 大賞:新世黙示録 ―Death March―

手抜きと未完成による全月制覇の波状攻撃に襲われた2013年度は、同時にそれを吹き飛ばすような笑いにもまた恵まれたことが印象的だった。
文句なく質は低いのになぜか笑えてしまう。
そんな愉快なゲーム達に囲まれ、KOTYeがネタスレであるということの本質にも迫った意味深い一年は、
低品質とネタ性の芸術的融合によりクソゲーでありながら「雄大」とまで評された「明日もこの部室で会いましょう」の栄冠をもってして幕を閉じたのである。

そして心機一転、
迎えた2014年度KOTYeは昨年度末の混乱もどこ吹く風、比較的穏やかな新年を満喫していた。
個別を全ておざなりな打ち切りエンドにした挙句,
トゥルーで唐突な鬱シリアス展開に突っ走ってプレイヤーを置き去りにした『きみと僕との騎士の日々 -楽園のシュバリエ』、
過度に痛々しい主人公とスキップ使用で8キャラ分のフルコンプまで5分のシナリオを擁し、
Hシーンにおける「じゅぶっ、ニチニチニチニチーー!ドクーーーン!!」という勢いある擬音が大量のAAを産んだ『巨乳JK生主生ハメ生中出し』など、
選評は届いたものの小粒感は拭えない。
過去二年連続で開幕デモンズウォールに蹂躙された影響もあってか歴戦の住人達は落ち着いたものであり、平和な幕開けだと縁側で茶をすするような思いに浸る者も多くいた。
しかしここは修羅の国。
仮初の平和も長く続くことは決してない。

3月終わりのこと。
年度末と増税前の駆け込み需要、二つの節目に誘われるように特大の銃弾、いや焼夷弾が安穏とした空気を切り裂いてKOTYeの地を爆撃した。
エフォルダムソフトより発売された『銃騎士 Cutie☆Bullet』の登場である。
同じ騎士ものでCG以外散々だった前作の評価や体験版の出来から、元より人気原画家の画集としてのみ注目されていた今作。
その半分以上地中に埋もれたハードルをすら見事に潜り抜けて行くとは誰に予想できただろうか。
まずはシナリオ。
王国を守る銃士隊に属する主人公がヒロイン達と様々な事件に挑むシリアス風味のキャラゲーなのだが、
真面目な場面に茶化しめいたギャグをセットで挟む手法が全編に亘って執拗に繰り返され、しかも尽く滑っている。
元凶となる黒幕の動機からして「半額の日にジムに行くのを主人公の父親に邪魔された恨み」と茶番以下の下敷き。
病に倒れ銃士隊を主人公に託した父親の本当の死因は「隠れて食べたピーナッツクリームサンドによるアナフィラキシーショック」、
とあるヒロインの母国語が主人公達に「はなげかーにばる」「はらませてあげる」といった空耳で聞こえる設定を元に、クライマックスシーンでまで意味不明かつ低俗なセリフを口走らせる等、
畳みかけるシリアスブレイクが真面目に物語を読み進める気をこれでもかと奪っていく。
文量がフルプライスに恥じない程度あることすら苦痛も長続きさせるクソ要素と扱われる始末である。
加えて期待されていたイラストはSDを除いたCG数が衝撃の35枚。
その大半がHシーンに偏っており、基本2種の立ち絵と少ない背景も相まって
作品の大部分を占める日常パートが「絵の変わらない紙芝居」という商品失格の代物と化してしまった。
一枚絵0のグランドルートで締めを飾り、背景が黒一色のスタッフロールでゲームエンドになだれ込む離れ業までやってのけられては、
もはや文句を言う気力が残っているかどうかすら怪しいもの。
1JKS=35枚としてCG数の単位に採用されたり、テキストソフトにメーカー名を「絵フォルダ無」と変換され煽られてしまったのも致し方ないことだろう。
当然の如くメーカーは炎上。
代表の二転三転する釈明等燃料には事欠かず、業界を巻き込んでまさに「ジュウキシーショック」とでも言うべき大惨事へと発展する中、
騒動の絶頂期にエフォルダムソフトは解散を発表した。
この一切笑えない顛末は当スレにも混乱に似た熱気を呼び込み、舞台の昂りに呼応するかのようにここから怒涛の選評ラッシュが巻き起こることとなる。

春祭りの二番手は『心壊少女 ~僕は彼女が×××されるのを目撃した』。
昨年「雨音スイッチ」で住人達を震え上がらせた黒鳥の新作だ。
グッドエンドなしで前作を遥かに超える狂気とバイオレンスが渦巻き、キャラの壊れっぷりは相当なハイレベル。
ニッチ層には期待の目を向ける者もいたのだが、その狂気は度を超えてゲームの出来までも浸食していた。
まずインストールした段階で目につくこととして、容量が1GBを切っている。
当然まともな内容など望めるはずがなく、シナリオは全編通してスカスカのレンコン状態。
刃物を持って主人公を追い詰めたヒロインが次のクリックで「彼女は窓から落ちて死んだ」とだけ表示されて退場、
などプレイヤー置いてけぼりの超展開が次々発生する。
システム周りも快適とは言えない。
特にCG・回想モードは杜撰な出来で、マウスオーバーで絵が切り替わるサムネイル、回想できない複数のHシーンを尻目にしれっと紛れ込む7クリックの日常シーン、
ほのぼのした場面の回想中でも構わず回想モード用の陰鬱なBGMが流れ続けるといった、想像を絶するカオスが広がっている。
一応グラフィック面に雨音から改善の跡が見られるが、やはりところどころで異様に画力の低い絵が登場する。
ヒロインにコンクリ片を打ちつけるシーンにアニメーションを使用した上、なぜか本編で見なくても回想に強制登録されると、話題になった誰得路線も健在であった。
擁護しておくと設定や展開自体には随所に光る要素がある。
とはいえあまりの描写不足と作り込み不足の前には無力であり、壊れた少女を描く前にぶっ壊れた制作体制の方を何とかしてくださいよと言わざるを得ない。

心壊少女のわずか1日後には、シリーズの続編かつ単体で完結する物語をうたいながら、
これまでのおさらいに終始する短く無味乾燥な一本道シナリオをフルプライスで売り出した強気な姿勢が光る『Endless Dungeon』がエントリー。

フルコンプまで30分というロープライスにしても許されない驚きの薄さに加え、
10枚しかないCG中9枚をゲーム外で閲覧可能にして自ら商品価値を投げ捨てる男気を見せた「えろどるっ☆」、
ハードなタイトルに反してほのぼのした日常パートと短く淡白で余韻のないHシーンに終始し、
全体的な古臭さもあいまって行為後即眠ってしまう疲れたおっさんのためのゲームと評された『堕姫3 ~エルフ貪り調教編~』の二作も間を置かず参戦。
マシンガンの如き猛攻をかけてスレ住人を翻弄する。

そんな中、隙をついてひっそりと戦場をすり抜けようと試みる忍の影があったが、そうは問屋がおろさない。
牛乳戦車の3Dアクションエロゲー、『くのいちが如く-脱がせ!爆乳ニンジャーズ!-』も、
くのいち、3Dという当スレと縁の深いポイントを抑えていたためかハンターの目を逃れられず、あえなくお縄となってしまった。
あからさまに閃乱カグラをコンセプトにした本作だが、
マインクラフトで作ったようなステージを粗い3Dモデルがノットトレジャーハンターばりのダバダバ走りで駆け抜ける様にくのいちものの風情やエロスは微塵もない。
そもそも脱がせという割に脱衣モーションすらなく、元ネタには程遠いチープさである。
売りのアクションも低質の一言。
操作性が悪く穴一つ越えるにも苦労する反面、戦闘は適当に殴っているだけで雑魚からボスまで対処できるseal式を採用。
無駄に長いステージと敵の少なさもあって猛烈な作業感に苛まれるのだが、本作ではこのアクションパートで溜めた金で購入しなければHシーンの閲覧ができない。
そのためパンツを下ろしたまま金回収の作業周回プレイに興じる諸兄の悲痛な嗚咽が殺風景なマップにひたすらこだますることとなった。

続いて同じ3Dの土俵から世にもおぞましい未知の異形が名乗りを上げた。
KISSによる『カスタムメイドオンライン』である。
カスタムメイドは容姿・性格・服装を自由に設定した理想のメイドと様々なプレイを楽しめる3Dエロゲーで、追加ディスクも含めて21作と息の長い支持を得たシリーズだ。
その最新作となる今作は基本無料のオンラインエロゲーという一風変わった試み。
特典付きパッケージ版が流通を通して販売されていたため無事エントリーを果たしたものの、
アップデートで日毎姿を変えるなど存在自体が様々な議論を呼び、年度を通して住人を悩ませることとなった。
内容に移ろう。
まず本作はオンラインと銘打ってはいるがゲーム内で他人と繋がる場面がなく、オンライン要素はほぼ0である。
メイドの貸し借り、他人のプレイに加わるといった予定されていた機能は現状未実装。
年が明けて尚実装の目途は立っていない。
この未実装はオンライン絡みに留まらず、調教度、愛情度といった育成要素からバックログのボイス再生アイコンまでこれでもかと溢れている。
パッケージ版特典のアイテムにすら未実装があるあたりに開始前から末期的な状況が見て取れよう。
では一人プレイと割り切ればどうか。
結論から言うと、全く遊ぶに値しない。
年末時点でアップデートファイルが9ギガ以上、常時フル勃起の主人公モデル等、数え役満を狙える規模のドラですら序の口程度。
最大の問題は徹底してプレイヤーの煩悩を消化不良にさせるシステムにあった。
例えば好みの衣装で着飾ったメイドの艶姿を楽しもうにも一筋縄ではいかない。
衣装獲得に必要な「仕事」の成功率がメイドの服装で変化する上同じ服で居続けると激減するため、
衣装を求める限り好みに関わらず定期的に成功率の高い服への着せ替えを強いられてしまう。
疲労による回数制限が効率重視の傾向を助長しており、コンセプトであるカスタム要素をゲーム自身が否定している。
同種のクソさの最たるものが「夜伽」=メイドとのHに登場する精神値であろう。
この値が愛撫などコマンド一つ毎に減少していき、0になると射精も絶頂もなくプレイがその場で強制終了。
完遂には全コマンドの減少値を把握した上で合計がオーバーフローしないよう計算機片手に管理し続けるという事務仕事の如き作業が必要となり、行為に集中など出来たものではない。
あろうことかここにも疲労が存在し、一日に5回程度しかHができないのはエロゲーとして致命的だろう。
本番が正常位の一つしかない貧相な初期状態のプレイ内容も見過ごせない。
新規プレイの追加には夜伽毎に貯まるポイントを用いるのだが、本番の解放には一日で入手できる20倍以上の値が要求され、その間毎日代わり映えしない前戯を繰り返さねばならない。
その上ポイントには6つの区分があり、解放するプレイ毎に必要なポイント種が固定である。
ゆえに場合によっては好きでもないアナル弄りをし続けるハメに陥るなど、何もかも自由にさせてはもらえない。
一応課金をすれば本番含む上位プレイの即時解放が可能ではある。
ただここにも、1500円課金すると加算ポイントは税分がさっ引かれた1389となり、商品の購入額が100P単位なので端数が無駄になるという地味な嫌がらせを完備。
そしてプレイ自体がモーションや音声に使い回しの目立つ微妙な実用度のため、そもそもこのゲームをプレイする価値がどこにあるのかと、特大の疑問に直面することとなる。
この「課金しないと不便しかなく、課金をしてもつまらない」ゲーム性は、ノウハウもないのに基本無料システムの雛形だけを何も考えず盛り込んでしまったことに起因する。
メイドの3Dモデルは衣装含めとりわけ優れており、これまで同様のスタイルを貫かなかったことが残念でならない。
何事も上っ面をなぞるだけでは大成など夢のまた夢であることをここまで体現した作品も貴重だと言えよう。

さて、地を割り天を焦がす実りの春が過ぎて季節は夏へと移ろい始める。
梅雨も控えた6月の初めには、2011年以来の皆勤を続けるsofthouse-sealの『繁殖きょうしつ~女子校ハーレムなら何をヤっても許される!?~』がエントリー。
ズキュウウウンの効果音付きで「そこに痺れる憧れるぅ!」と射精、「あば、あばばばば……ッ!」と喘ぐヒロインなど、
Hシーンでまで自重せず雨霰と激寒なパロネタを連打してダダ滑るその姿に誰もがおかえりなさいの生温かい拍手を贈る中、
息もつかせぬクソゲーの攻勢はいまだ衰える気配を見せない。
次いで舞台に躍り出たのは、湿った空気を吹き飛ばさんと各々に必殺の武器を携えた2人の騎士だった

先陣を切ったのは『恥辱の女騎士「オークの出来そこないである貴様なんかに、この私が……!!」』。
凌辱ゲーの雄、ルネという意外なメーカーからの殴り込みである。
問題点は単純明快、デバッグ体制の崩壊だ。
「ヒヤヒウアして」「根さんの顔を」「メテォオ~」といった大量の誤字脱字に始まり、
塗りミスによる画像荒れ、神経衰弱状態の回想モード、山積する細かいバグなど、探すまでもなく粗は次々と湧いて出る。
単体では小石程度でも土石流となって押し寄せるその圧力は凄まじく、正常なプレイを妨げるに十分であった。
幸いパッチで不具合が大方改善された現在は及第点以上の抜きゲーだが、
笑えないクソゲーが蔓延る中降って湧いた「ヒヤヒウア」の語感の良さは住人の心を潤す恵みの雨となり、新たな定型句としてスレに名を刻む不名誉を授かることとなってしまった。

第二陣は縁 -yukari-による「ゲームブック風ADV」「複数主人公視点」を売りとして一部に固定ファンを得た○&○シリーズの3作目、『Knight&Princess』である。
のっけから環境依存の起動不可バグをやらかし、W主人公の片割れのルートが一周数分のプロローグで終了とつかみは上々。
続くゲームパートでは、ゲームブックであることを考慮して尚看過できない理不尽かつ無意味なGAME OVERの多さがプレイヤーの心を折りにかかる。
ほとんどにHシーンどころかCGすら用意されておらず、プレイのテンポがいちいち失速。
内容も、
「裸で外に放り出されてしまった。私は途方にくれるのだった。GAMEOVER 」「娼館を探していたら探してた姫が見つかりました。GAMEOVER 」
のように投げやりな展開ばかりで楽しむ余地は一切ない。
そしてこれらの分岐を管理しきれなかったようで、破れては再生する処女膜、妊娠後膨れたりへこんだりを繰り返す腹など描写の不整合から、
ルート解放のためのフラグイベントが対象のルートと繋がっていないという致命的なものまでフラグ周りの不具合は枚挙に暇がない。
おまけに局部にピアスをつけるフラグがONになると回想も含む適用後のシーン全てにおいて画面にピアスの画像しか表示されなくなる金物マニア歓喜の特大バグを搭載。
唯一の評価点であるエロすらも見事ふいにしてしまった。
シリーズの名物として「ちくしょう」のセリフがあり、本作でも主人公達が口癖として使用するのだが、
真にちくしょうと叫びたいのが一体誰かはおそらく言うまでもないことであろう。

この翌日には2年ぶりの王座へと執念を燃やすスワンアイが『私たち・花のオシオキ部!~やられたらヤり返す…エロ返しだ!~』で上半期最後のエントリーを掻っ攫う。
本作を一言で表すなら「お粗末」。
半沢直樹から着想を得て勢いで作り始め、途中で飽きておざなりに放り投げた感が透けて見える典型的な手抜き製品である。
最序盤こそきっちりと纏めて仕上げているが、以降の展開はスワンお得意のハリボテダイジェスト進行だ。
ヒロインは園芸用移植ゴテで優しく触る程度にしか掘り下げられず、全くの無魅力。
「下着泥棒が現れたが難なく捕まえた」、「気がついたら幼児退行していた教師による突然のご奉仕」、
といった無味乾燥な小話とやっつけHシーンが反応に困る小滑りのギャグテイストに彩られて延々と続く。
話の締めとなるハーレムルートですら時系列のおかしな展開の後に35クリックのHシーンを挟み、終始盛り上がらないまま淡々と滑ってゲームエンドである。
「俺は4人に交互に入れていき、全員イカしていった」と童貞の妄想の如き状況描写で幕を引く根性からも、ライターの投げやり加減が見て取れよう。
一撃必殺の大技こそないが全編そつなくクソであり、完成されたつまらなさは選評者に「クソさに感心するあまり一周回って面白くなる」と称された。
文章要素のみのストロングスタイルで並み居る強豪と真っ向から殴り合う実力は、さすが一昨年王者の貫録と讃えるべきだろう。

このスワンアイの変わらぬ姿に触発されてか、7月も早々に宿命のライバルが大胆な奇策でもって殴り込み、下半期の開戦を告げた。
『ビッチ生徒会長のいけないお仕事』、softhouse-sealから本年2作目のエントリーである。
まず環境次第でゲーム開始直後に強制終了を食らう程度は、seal製の様式美として流してしまって問題ない。
本作のストーリーはエロゲ大好きな某国の姫がエロゲのような体験をするためメイドを伴って日本の高校に留学するというもの。
途中まではあらすじ通りの展開で話が進むのだが、
ある時突然2人が「未来を救うために過去の日本の学園に留学してセックスしているアンドロイド」であることを語る設定崩壊のモノローグが入り、
一転プレイヤーはポルナレフへと叩き落とされる。
公式サイトにはもちろんそんな記述などなく、背景の説明は一切されない。
エロゲ脳に難色を示していたメイドが姫の処女喪失を笑顔で祝福、
体育館での乱交後に人のいない着替え場所を探して体育館に赴き、そのまま再び乱交開始といった不整合は、いっそ些細なことだろう。
その後も姫と未来からの使者とを行き来する支離滅裂な展開が続き、機械であることを利用して体を入れ替えた2人のHシーンが終わると、
1クリックでタイトルに戻って物語も終了する。
話が置き去りだろうが、回想モードの20枠中13枠が空欄だろうが、これでフルコンプである。
後の検証により、未来が云々という設定やセリフは過去作からの流用であることが判明。
また上記はパッケージ版の仕様で、DL版ではストーリーが一貫しておりシーンも20枠きちんと存在する。
推測するに、納期に間に合わなかったパッケージ版の一部を流用でごまかし、暇があったDL版の方は最低限形を整えてから納品したためこのようなことが起きたと思われる。
流用して尚形にならず、意図的に起動不可を仕込んでパッチ対応による収束を狙ったところ、特定環境でバグが動作せず起動できてしまったのではないかという声もあった。
後にパッチでパッケージ版もDL版同様の内容に差し替えられ改善したが、
KOTYeに新たなクソの方向性を切り拓いたその雄姿は、笑いを通り越して真顔へと変わった住人達の心に嫌という程焼き付くこととなった。

夏の盛りから秋にかけては過去にヒット作を生み出し地位を築いた人気ブランドが徒党を組んで襲来し、
多くのファンと住人達を阿鼻叫喚へと叩き落とした。

1本目は哲学的なシナリオと美麗なグラフィックで支持を得た「ギャングスタ・リパブリカ」のファンディスク、
WHITESOFTによる『ギャングスタ・アルカディア ~ヒッパルコスの天使~』である。
本作の問題点はとにかく「薄い」ことに尽きる。
プレイ時間からして合計6時間ではファンディスクだろうとフルプライスには厳しい。
シナリオも力が入っているのは本筋の構成だけで、日常パートを始めテーマと関係のない部分は一言二言で畳まれる収納上手仕様となっている。
Hシーンですらスワンのバカゲーを思わせるねじ込み具合なのだからエロゲーとしては首を傾げざるを得ないだろう。
薄いのはシナリオボリュームだけに留まらない。
CG枚数は背景・SDを除いて44、新規に限れば29と銃騎士をすら下回る体たらくだ。
質自体前作が見る影もない劣悪さで、本当にクレジットの原画家が描いたのかと声が上がる中、後日メーカーのカミングアウトにより原画詐欺が確定。
未だ鋭意制作中と表記されたままの公式サイトから漂う露骨な売り逃げ態勢と共に、ユーザーの大きな不興を買うこととなった。
「共和国から理想郷へ」のコピーはどこへやら。
完成したのがソドムとゴモラも真っ青な罪業の都市では、名を冠された天使もたまったものではないだろう。

続いてエントリーしたSORAHANEの『はるかかなた』も、これまで積み上げた全てを文字通り遥か彼方に吹き飛ばす出来栄えだった。
全体的に重要な事柄をさらっと済ますシーンが目立ち、
ご都合主義、不可解な心の動きを多く含んだシナリオはお世辞にもテーマとなる死生観や人間関係を描ききれているとは言えない。
中でもメインとなる実妹ルートは飛び抜けて低レベルである。
突如発覚するヒロインの遺伝病と幾ばくも無い余命に始まり、打つ手なく死んだかと思えばtrueルートでは腎移植であっさり完治。
同じく唐突に病弱と判明した主人公と隔離病室で病人同士の子作りセックスに励み、医者が臍帯血による治療の可能性を理由に出産をあっさりと許可するなど、
不条理に塗れた新設定と超展開の嵐が平和な恋空とでも形容すべきチープなヒューマニズムを伴って容赦なくプレイヤーの横っ面を殴りつけていく。
加えてまともなプレイを不可能にする大量のバグが本作のクソゲーとしての地位を決定的にしている。
新規に導入された独自エンジンが非常に不安定で、当初は強制終了とフリーズが度を超えて頻発。
致命的なバグの改善には発売から2か月を要し、パッチを重ねてある程度安定した現状でも未だフリーズの報告が散見される他、
スキップに既読判定がない等細かい不満点は置き去りのままだ。
バージョンが更新される度にセーブデータの互換性が切れる事も、これだけ修正が相次いだ経緯を考慮すると見過ごすには大きすぎる。
システムを一新し、過去作で好評を得たSF系の世界観から現実的なヒューマンドラマへと転換を図った結果、
儚くも現実の厳しさを身をもって知る事となってしまったのは何とも因果な話である。

そして大型地雷祭りも3作目を迎え、全住人を震撼させる衝撃作が姿を現した。
ザウス【本醸造】発のRPGエロゲー、『新世黙示録 ―Death March―』により、KOTYeはかつてない試練に見舞われることとなる。
企画・シナリオにメガテンシリーズの基礎を築いたクリエイターを迎え、ゲーム性に重きを置く本醸造名義久々の新作として鳴り物入りで発表された本作。
しかし往年のファンの期待を横目に誤字だらけでやけに見辛い公式サイト、劣悪な出来の体験版と危険信号を連発。
いざ判明した全容は大方の予想を遙かに超える常軌を逸したものだった。
本作は突如現れたゾンビに侵攻される日本を舞台とし、3Dダンジョンを探索して敵と戦うRPGパートと、主人公達が事件の真相に迫るADVパートによって構成されている。
前者から見て行こう。
公式ジャンルは戦略RPGだが、全体的に有効な手段が限られている上に自明で、およそRPGの体裁を整えるためだけに適当に詰め込んだような稚拙なものである。
ソードバトルを称する戦闘はどこぞの反逆者よろしく「火力を上げた剣で殴ればいい」作業ゲー。
一見やりこみ要素として面白そうな剣の合成・強化システムも、
どれだけ丹精込めようと少し進めば型落ちで使い物にならなくなる上ドロップでより強い剣が簡単に手に入るため、結局その一本に他を全て食わせる繰り返しとなる。
敵グラフィックから名前、ダンジョン構造まで使い回しの嵐で視覚的にも単調この上なく、執拗なエンカウントで操作量だけは嵩増しされている。
戦闘に楽しめる部分が皆無なので途中で解放されるオートモードと過程スキップの機能を使わない理由がない故、戦略RPG=「戦闘省略RPG」との共通認識が生まれることとなった。
全体的な操作性の悪さも不快感に拍車をかける。
特にダンジョン移動に関しては酷悪の極みで、方向転換すら満足に出来ず、コンパスやミニマップがないせいで容易く現在位置を見失う。
幸い大半がギミックのない一本道で迷うケースは多くないが、ゲーム性が益々退化したことは言うまでもない。
本パートのプレイ時間は15時間前後。
その全てが苦痛に満ちた作業とあっては存在意義を見つける方が困難であろう。
さて、現時点で既に眩暈のする有様だが、残るADVパートは更なる腐海となっていた。
まずシナリオをクソたらしめた特大の問題点が主人公の存在にある。
名を鳥海知空(とりみちから)。
主張は一貫せず、自らの言動に責任を持たず、それによって起こる失敗は他人のせいにして激昂し、
常に自分が正しいと不遜な態度を取っているかと思えば折に触れて激しく自己を卑下して鬱に陥るなど、文字通り知性が空としか思えない人格破綻者である。
ストーカー行為を擁護し、二人乗りを咎めた近所のおばさんを人格攻撃する様は世のルールを弁えているかすら怪しく、主人公失格どころの話ではない。
シナリオが彼の一人称視点で進行する上一貫して成長せず、プレイ中はこの思想から逃れることができない。
当然共感も感情移入も不可能。30時間に及ぶ長大なADVパートが丸ごと拷問と化してしまった。
主人公よりはマシといえど他の登場人物も大概で、上述したおばさんを除く全員がミストさんに例えられたと言えば理解不能ぶりは推し量れよう。
そしてキャラが理解不能ならシナリオは支離滅裂。
本作の愛称『チーズ』を産んだ「血まみれの男性や警官の忠告、鳴り響くサイレンを頑なに無視してチーズを買いに行く」イベントをはじめ、
あらゆる事象に合理性・必要性が認められない。
伏線や設定は基本的に回収されず、一本の線に繋げるのが不可能な程構造が崩壊している。
顕著な例が中盤で発生するループ現象だろう。
その前後でキャラの性格や立場、世界の在り様に至るまで様々な部分が変化するのだが、
そこからは新たな世界の設定準拠で新たなストーリーが始まり、これまでの設定や展開、多くの謎は全てなかったことにされてしまう。
挙句ループの原因を作中の誰も知らず、明かさないまま放置して終わりである。
更に言うなら結末もなぜか突然神になった主人公が世界を元通りに作り直して大団円という夢オチ同然のもの。、
ここに至ってさえぶん投げるならそもそも物語の意味はどこにあるのかと頭を抱えざるを得ない。
もはや些細なことだがCGまで原画詐欺を疑われる低クオリティで、画集としての逃げ道すら残さない徹底ぶりは老舗の最後の意地と取るべきだろうか。
ヒロインの一人アマテラスとのHシーン、通称アマテラセックスにおける絶頂時に後光が差した一枚絵が束の間の笑いをもたらしたものの、
実用度は何をか言わんやであり、救いのなさに変わりはないままであった。
「チーズ買ってくる」と言い残して消息を絶った者は数知れず、使命として割り切らないとプレイが続かないとの評より「ゲー務」の称号を得るに至った本作。
その凄まじさたるや、発売直後から明確にクソゲーとわかっているのに、訓練された住人達をして最初の選評に1ヶ月以上、全容の解明には数ヶ月を要した程である。
「キャラが不快な30時間のりんかね」と「15時間のくのいち」のハイブリッドとでも言うべき内容はまさに全方位クソゲーの極地。
苦痛度において隙のない最凶クラスの核地雷と言えよう。

有名メーカーによるこの大攻勢に常連も黙ってはいない。
ここでの知名度は俺の方が上だとばかりに、softhouse-sealが本年3作目となる『セックス あ~ん♪ パンツァー』を投入して勝負をかける。
本作はsealお馴染みの横スクロールアクション。
新要素としてオナニーするか犯されることで溜まるゲージがあり、MAXになると一時的な能力強化ができる。
この強化中でないと越えられない穴や段差が存在し、その度にいちいちオナニーを強制され面倒である。
また強化による跳躍力上昇が公式で説明されていないため、気づくまで何度も無駄に飛び跳ねてはティウンティウンを繰り返すハメになる。
戦闘面については極端なバランスが目を引く。
基本的にボス含めて敵が弱く極めて緩い難易度なのだが、最終面のボスだけはこれまで通りだとまず勝ち目がない程強い。
ではどうするか。正解は「とにかくオナニーをし、強化して殴ればいい」である。
エロアニメが全て体験版で確認できる3パターンのモーションの使い回しであるなど、出来はいつも通りで純粋につまらない。
しかしこの「とにかくオナニーをする」という斬新な攻略法はスレに笑撃を呼び、
かつてのような笑えるクソゲーを産み出す安駄製造機の帰還として、住人達は束の間の安らぎを覚えるのだった。

だが帰還したのは笑いだけではなかった。
4年前に悪辣な販売手法と事後対応で「cross days」を次点入りさせたお騒がせメーカー、オーバーフローが、
『ストリップバトルデイズ』で久々のKOTYe大賞候補へと返り咲いた。
本作は過去作にオマケで収録されていた同名ゲームに新キャラを追加し、単体で商品化したもの。
パッケージに「野球拳」とある通り、ヒロインとじゃんけんをして服を剥ぎ、移行したお触りモードで好感触を得たら本番に進むという内容だ。
グー連打でも余裕で完勝可能、お触り時はほとんどのキャラが「乳をつついて舌で舐めればいい」と、ゲーム性は作業そのもの。
新規含む一部にボイスがなく、大半のCGがオマケ版の使い回しとあってはシリーズファンのコレクションアイテムとしても怪しいところだろう。
ただこれらは概ね発売前告知通りの仕様で、ここまでならよくあるゲー無で済んだ話である。
しかし、サプライズ精神こそオーバーフローの真髄と言うべきか。
ソフト付属のアンインストーラーを使用するとインストールフォルダに加えて一つ上のフォルダも纏めて消去してしまう危険極まりないバグが発覚。
同時にCドライブのユーザーフォルダにも悪影響を及ぼし、無関係のデスクトップアイコンが消えたり設定ファイルが壊れてPCの動作が不安定になるなど、
完全にマルウェア同様の挙動を見せた。
かの「みずいろ」と違ってドライブ丸ごと綺麗になる危険はないようだが、被害の出る状況が多いため悪質度で言えば上位互換レベル。
クソゲーを装ってアンインストールを促し、破壊工作を行う「ゲー謀」と名づけられた本作は、
「ヤリ捨てには死をもって報いる」というschool days以来の鉄の掟を我々プレイヤーにも身をもって知らしめる存在だったのかもしれない。

これら怒涛の進撃の合間には全体的に粗だらけの内容に加え、個性的に過ぎる言い回し・擬音が真面目に抜く気を奪っていく『艶乳 ~ツリ目で淫らでヤバい秘書~』も参戦。
ゲシュタルト崩壊する頻度で使い回される「全自動腰振りマシーン」や、
「ウドピュ」を基本に「ウドピュ~」「ウドピュっ」「ウドゥピュッ!」と小賢しいバリエーションを見せる射精音は大きなインパクトを産み、
直前のsealと共に記録ではなく記憶に残る名選手として笑いの死に花を咲かせ、スレを彩ることとなる。

そして12月末、
セーブ&ロードしか攻略法がなく発狂レベルの難易度を誇るスキンシップ機能と、雑コラの如き首すげ替えをはじめとする水増し・手抜きの数々で多くのプレイヤーから匙を投げられた、
『強引にされると嬉しくて初めてでもよく喘いじゃう令嬢な幼馴染 優衣 「やめて、脚に触らないで……でも本当は気持ちいいの」』が2014年最後のエントリーを果たし、
激動の1年を締めくくった。

年は明け、2015年。
毎年恒例の年末の魔物は姿を見せず、幕開けが静かなら幕引きも静かだと、再び住人達は茶を啜りながらぴりりと冷えた年始の空気を楽しんでいた。
しかし、やはりと言うべきか、このまま終わらないのがKOTYeである。

1月5日の早朝、昨年王者を輩出したミクルプリンの親ブランド、potageより腐臭漂う寒中見舞い、『ヤリ友ペット欲情生活』が投げ込まれた。
本作はレイプ・監禁に興味のある主人公がとある誘いを契機にレイプ動画配信者として目覚めていくという抜きゲー…のはずだった。
蓋を開けてみると主人公の絡むほとんどのシーンが双方合意の和姦のみ。
個別は全てヒロインと幸せにHをしてENDとなる。
挙句の果てに主人公自身が「レイプや監禁は当分いいか」と語りだす始末で、純然たる設定詐欺である。
一応凌辱ゲー然としたNTRルートも用意されているが、内容は背景も理由も説明されないまま飛ぶように場面が変わってヒロインの犯される姿を垂れ流すだけ。
また「闇堕ち担当教師・前野」「闇堕ち親父」など悪ふざけでしかない竿役の名前や、
ラリったようなテンションでネットスラングとパロディを乱発する電波じみたテキストからは抜かせようという意欲すら感じられない。
そもそもHシーンが平均20クリックの極薄で、大半の声優が致命的に大根とあってはとても実用に耐えうるものではないだろう。
この有様にもかかわらず「前後でぇぇえんんっ……前後ォ前後ぉぉ……」とクソゲーネタをぶち込む態度が
「開き直ってわざとクソに作った炎上商法の一種では?」との邪推を産み、「養殖クソゲー」とあだ名されたが、真相は定かでない。
ただ、たとえどのような思惑だろうと、本作が徹底的に滑りきった最低のゲームであることだけは誰の目にも明らかである。

この8日後には6月の発売以来眠り続けていた魔物、ソフトハウスSORAの『俺がヤマタノオロチなら』が半年を経てようやく目を覚まし、暴れ始めた。
日付は1月13日。奇しくも昨年の不発弾、部室の第一報と同日のエントリーとなった。
印象的なタイトルやわかるようでわからない絶妙なあらすじが注目を集め、発売前に一度話題となっていた本作。
その後は特に俎上に載ることもなく、次第に皆の興味は失われていったのだが、ひょんなことから年明けにして人気が再燃。
とうとう出動した処理班によって封を解かれた先に見たのは、古の香りを現代に運び込む、神話の時代よりの使者の姿であった。
本作は主人公の正体の謎を軸に日本神話の要素をちりばめた伝奇サスペンスである。
が、謎も何もそもそもタイトルの時点で彼がヤマタノオロチであることは明示されており、盛大なネタバレとなっている。
全体の8割を占める共通パート中登場人物達はひたすら正体について思わせぶりな発言を続け、明確にはせず最後まで引っ張るので滑稽なことこの上ない。
そして個別ルートは薄さを極める超展開。
大抵のことを「スサノオがなんとかして解決」し、主人公達の見せ場はほぼ皆無。
カップラーメンを作る間に終わる黒幕との対決の他は基本的にHシーンの詰め合わせである。
エンディングすら最後の最後で脈絡なく湧いて出たアマテラスとヒロイン置き去りのアマテラセックスをして幕、など全編に亘って怒る気も失せる陳腐な作りとなっている。
グラフィックも問題だらけだ。
背景は実写画像の流用で、加工が雑なためキャラの立ち絵とミスマッチを起こしている。
雑さの最たる例として、作中で須賀駅とされている建物に堂々と「鎌倉駅」の表記が残されたままである様は住人を仰天させた。
一枚絵も明らかなデッサン崩れが散見される他、一部の塗りに至っては「たのしいぬりえ」程度のクオリティに突き抜けたものさえある。
また、本作は珍しく音響周りにも不備を抱えている。
BGMは13曲と少なく、Hシーンで探索行動中を思わせる曲が流れる等、いまいちマッチしていない箇所が多々見受けられる。
効果音はファミコン級にチープで、システムSEに至ってはなぜか人の声である。
カーソルをボタンに乗せると「カチッ」、右クリックすると「ピコッ」、クリックで「チャララ-ン」と妙に機械的なボイスが再生され、
ちょっとボタンを掠めるだけでいちいちカチカチ喋り出して非常に鬱陶しい。
システム面に言及すると、一行ずつ戻るバックログ、ホイールでの読み進め不可、立ち絵の表示が常に一人分、と骨董品レベルのUIに加え、
神経衰弱状態のセーブロード画面、複数の文が繋がる、コンフィグから戻れなくなる、といったバグを数々完備し、隙なく低レベルに纏まっている。
クソの手数で言えば本年度屈指。
あらゆる構成要素に重大な欠陥を持つ様は紛うことなきクソゲーである。
ただ昨今問題になっている手抜き売り逃げ狙いの気配は不思議と感じられない。
この低質さはおそらく全て製作者の力量不足によるもので、10年以上前にお蔵となったゲームが今になって発売されたかのよう、とは選評者の言である。
結局低質に変わりないとはいえ、確かに黎明期から発展期にかけてはこういった洗練されていない作品が多数あったことも事実。
10年停滞していると言われつつ、やはりエロゲーも確かに進化を続けている。
本作は便利な現代に慣れてしまった我々に些細な諸々への感謝を思い出させるため現れた、古代のエロゲー達の魂の姿なのかもしれない。

以上、主要なエントリー作品の紹介を終えたところで、今回の結果発表に移ろう。
次点は
『銃騎士 Cutie☆Bullet』、
『カスタムメイドオンライン』、
『ストリップバトルデイズ』、
『俺がヤマタノオロチなら』、
大賞は
『新世黙示録 ―Death March―』
とする。

冒頭でも述べた通り、昨年度は負の要素から湧き出るネタの密度をもって決着を見た。
当スレはクソゲーを肴にして楽しむネタスレであるから、当然ネタ性に重きを置くことも一つの選択だが、それはあくまで一面にすぎない。
ゲームとは娯楽である。
心から楽しめるものが良ゲーなら、その対極にあるクソゲーは本質的に「楽しむに値しないもの」、一番のクソゲーは「最も楽しめないもの」のはず。
本年度はまさにそのことをまざまざと見せつけるかのような様相であった。
トレンドとしてはひたすら「薄い」「寒い」「つまらない」ことだろうか。
無価値を突き詰めた作品が名を連ね、ただつまらないだけではインパクトがないと切って捨てられる惨国時代。
半端な笑いなど何の武器にもならない負の境地がそこにはあった。
このことを踏まえ、次点以上には無価値性、つまりクソゲーとしての完成度に加え、他を圧倒する個性を兼ね備えたものを選出した。
『銃騎士』は寒さを極めたテキストと劇的に少ないCGの二段構えからなる「無価値の象徴」として、
『ストリップバトルデイズ』はゲー無とデータ破壊ソフトを金を取って撒き散らした言語道断な「悪の権化」として、
『俺がヤマタノオロチなら』は郷愁を感じさせる程に古今東西のクソ要素を詰め込んだ「クソの博物館」として、
それぞれ特定の方向に突き抜け、条件を高いレベルで満たしたいずれ劣らぬ優等生である。
そして、残るは『新世黙示録』と『カスタムメイドオンライン』。
上記3作があくまで多くの部分に苦痛を抱えた程度であるのに対し、この2作は全てが苦痛。
ベースの時点で一段高い位置にいる。
甲乙つけがたい両者の明暗を分けたのは、「どちらがより苦痛か」という観点で見た際の「ゲームジャンルの違い」だった。
『新世黙示録』はRPG+ADV。
クリアを目指すゲームデザインである。
にもかかわらずシナリオ、キャラ、ゲーム性、グラフィックと積み上がるクソの大群がそれを強烈に阻んでくる上、
シナリオを中心に各要素が有機的に連動し、互いに互いを高めあうことで不快や苦痛を超えた「ゲームプレイへの嫌悪感」というレベルまで達しているその姿はまさに「究極の負」。
楽しめないことにおいてこれ以上ない完成度と言えよう。
『カスタムメイドオンライン』も確かに全ての動作に苦痛を伴うのだが、ここで本作のジャンルが問題となった。
公称ジャンルは「メイド育成SLG」。
好みのメイドを作成して自由に時間を過ごすというコンセプトはプレイスタイルを定義せず、明確なゴールがないため到達点の判断は各々に委ねられる。
そのため内包する苦痛を一人のプレイヤーがゲーム中に全て体験するわけではなかったのである。
また少数とはいえ着飾らせたメイドのダンスやスクショによる写真集作成といった趣向に最低限の楽しみを見出す者が確認でき、
グラフィックの美麗さもあってキャラメイクツール程度の存在価値は認められたことも大きい。
もちろん数千円を払って購入した商品が暇つぶし以下の実用性とあってはクソゲーとの謗りは免れないが、
遊び方を固定されて逃げ道がなく、個人の趣味の範囲では決して続けようと思えない『新世黙示録』には、やはり個人単位の苦痛の量で一歩及ばない。
一分の隙もない猛毒と極めて不快な味が後を引くが毒性は薄い液体。
どちらかを口にしろと迫られた時の選択は、おそらく万人に共通であろう。
ゆえに今年度最も手を伸ばしたくない作品、『新世黙示録』が2014年度KOTYe大賞受賞に相応しいとの結論に至った。
2013年度が「正」なら今回のテーマは「負」。
クソゲーが「クソ」たる所以に焦点を当てた年度だったと言えよう。
また全月制覇こそならなかったものの本年度も前年に劣らぬ盛況ぶりであり、単純なエントリー総数だけで見れば過去最多の大豊作。
増税を控えた3月28日発売の6作品が次々とエントリーした「五惨家」超えも記憶に新しい。
これらが散々言われている業界の終わりの始まりなのか、はたまた単純に住人のクソゲーセンサーが感度を増しただけなのか、今はまだ答えを出すに早いだろう。
ただ一つ確かなのは、本年度も我々が変わらずクソゲーを楽しみ抜いたことだ。
我々は正義の味方ではないし、審査機関でも、業界を貶めるものでもない。
ただクソゲーを、ひいてはエロゲーを愛しているだけの集団である。
検証がいかに苦痛だろうと、その先が希望の見えない無明の荒野だろうと、余すことなくゲームを遊びつくし、必ずエンターテイメントへと発展させる。
それこそがKOTYeの選んだ愛し方なのだ。
想像を絶する負の猛攻に見舞われた今回もその精神を忘れず、くじけることなく本気で遊んだことを誇りに思いつつ、
全てのクソゲーを懐広く迎え入れ決して忘れないKOTYeの地平が、エロゲーの空と共に今後も途切れることなくどこまでも続いていくことを願ってやまない。

最後に、栄冠を勝ち取った『新世黙示録』の開発陣一同に、スレ住人の総意として次の言葉を贈ることで今年度の結びとする。

「いや、やっぱりこの作品だけはループさせてなかったことにしてもらえませんかね?」