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2014年総評案3 大賞:銃騎士 Cutie☆Bullet & 新世黙示録 ―Death March―

98 :総評案3 ◆Ra9j1sVq3.:2015/02/08(日) 07:32:47 HOST:KD059135231025.ppp.dion.ne.jp
2013年のKOTYeは年明け後の選評ラッシュという空前絶後のバイオハザードに見舞われ上から下への大騒ぎとなった。
年末までは常連であるスワンアイが擁する『リア充爆発しろ! ~変身能力手に入れたんだけど質問ある?~』(通称:ずっぷ)の一強と思われていたが
KOTYeでは新参となるミルクプリンが放った『明日もこの部室(へや)で会いましょう』が完膚なきまでに叩きのめし見事大賞に輝いたのであった。
修羅の国に訪れた大革命、そして新星が古き存在を超越するという一連の出来事は、クソゲーの世界に一陣の新しい風が吹き込んだその瞬間であった。

しかしそんな選評ラッシュの裏では既に2014年のクソゲーが蠢きだしていた。
そして革命の喜びに浸る暇もなく、再びクソゲーとの戦いに挑む住人達・・・彼らはその時知らなかった
2014年KOTYeに暗黒の時代が迫りつつある事を・・・
この総評はそんな暗黒の時代を駆け抜けたクソゲーハンターとスレ住人の足取りであり、これを後世に伝えるべくここに記す。

2014年初っ端にエントリーを果たしたのはpiriri!の『きみと僕との騎士の日々 -楽園のシュバリエ』である。
バグも無く、見た目は美しい本作で有るが、一度シナリオに目を移すと見るも無残な有り様なのであった。
設定と伏線が全て投げやり感に満ちており、打ち切りエンドで終わる個別ルートで触れられていた各ヒロインの設定が尽くトゥルールートで覆されてしまうのだ。
病の母親を抱えるヒロインに実は母親等居ない、双子だと思ってたヒロインが実は双子でもなんでもない・・・と何がなんだかサッパリである。

同じく1月末に発売された熟女時代の『艶乳 ~ツリ目で淫らでヤバい秘書~ 』は別な方向性で異彩を放っていた。
ゲーム内容そのものはダメなロープライス抜きゲーであるが、超個性的な語彙が僅かな実用性も破壊する。
「スケベスイッチ」、「おまんこ見せたガール」、「全自動腰振りマシーン」 等の脱力感溢れるセンス。
擬音も射精音の「ウドピュ~ウドピュ~ウドピュ~」、ピストンの「グチョップ、パコップ」と実に個性的だ。
こんなワードが頻出する為、抜きゲーの癖に抜く気になれないが、スレに初笑を届ける事には成功したのであった。

2013年の余波で舌の肥えていた住人達には比較的軽量級な門番達となったが、ここで付いてしまった「騎士物」との因縁に一年中悩まされる事となる。

その後特段クソゲーも無く、平和に4月を迎えようとしていたスレであったが残念ながら今年の平穏な時はここで終了となるのであった。
4月からの消費税改正に間に合わせるかの如く、例年を遥かに上回る年度末の魔物達が大挙して押し寄せ、上半期の天王山となったのだ。

まずジャブから紹介しよう。牛乳戦車の『くのいちが如く -脱がせ!爆乳ニンジャーズ!- 』である。
閃乱カグラをパクった様なコンセプトだがマインクラフトで適当に作った様なステージ、ノットトレジャーハンターを彷彿とさせるダバダバ走りとビジュアル面はグダグダである。
ゲーム性も操作性が悪いものの「壁にぶつけて追撃で殴ればいい」の単純ループで楽勝という調整不足さだ。
エロシーンは十分に有るがそれらを集めるには苦行の資金集めを繰り返さねばならないと全体的な低クォリティ振りを発揮している。

続いて昨年大賞を逃す事となったスワンアイが刺客を2本も放つ。
『私たち・花のオシオキ部!~やられたらヤり返す…エロ返しだ!~』は名前からしてお察しの通り
発売時点で半年以上前の某銀行員ドラマの原作『オレたち花のバブル組』をモロパクリしたパロAVのような味が有るタイトルである。
内容もまたタイトルと同じくド直球なスワン風味のストロングタイプクソゲーだ。
オープニングまでの前振りだけは非常に良く出来ている反面、それ以降が完全に力尽きた状態でいつものスワンに戻ってしまう。
シリアスシーンからの突然のエロシーン、21クリックで終了のエロシーンと昨年のずっぷの面影が見て取れる。
日常シーンも書くのに飽きたのか全編ダイジェストでお送りする安心のスワンクォリティだ。

バカゲー寄りなオシオキ部とは逆に、スワンが別ブランド黒鳥の名義で送り出してきたもう一つのクソゲーが『心壊少女 僕は彼女が ××× されるのを目撃した 』である。
昨年の雨音スイッチと同じく精神がイカれてる少女がテーマなニッチ狙い作品だが、スワンらしく全く成長が見られない。
グラフィックが相変わらずフルプライスとは思えないチープさなのは勿論、何よりも問題とされているのが本家と同じく全編ダイジェストな事である。
地の文1,2行でポンポン話が進行する為、ちょっと目を離すと大きく状況が変わっておりユーザーの理解が追いつかない。
特に話題になったのが「包丁を持ってヒロインが追いかけてくる」という緊迫のシーンの幕切れが「彼女は窓から落ちて死んだ。」の一文で終わってしまう所だろう。
エンディングも何の前振りもなく突如ヒロインが轢き殺される漫☆画太郎エンドだったりと、不幸好きなニッチ層も失笑のお粗末さである。
他にも誰得なホモセックスシーン、フラグ管理が破綻しているCG回想モードと、ヒロインだけでなくユーザーの心も破壊する事間違い無しだ。

しかしそんなスワンの必死の抵抗を嘲笑うかの様に超弩級のクソゲーが立ち塞がる。

その一角がKISSの『カスタムメイドオンライン』である。
KOTYe史上初の基本無料課金ゲーという新形態の登場に審議は難航したが、幾人もの住人の犠牲によりその全貌が明らかになっていく事となる。
まず本作のパッケージ(課金アイテム詰め合わせ)はオープンβ開始日に合わせて発売されたが、開始数日はログインすら出来ないという特大のホームランを放つ。
そしていざゲームを始めようとクライアントをインストールしようにも素で7GB以上な容量の為、ダウンロードやインストールもままならない。
加えてしょっちゅう有るアップデートもこれまた合計で10GB近い容量を誇る。そしてこのアップデートはクライアントとは完全に別にダウンロードしなければならない。
既にゲーム内容以前にオンラインゲームを運営するノウハウの無さが露呈しており、この時点で破綻を来たしているがこんな物は前菜に過ぎない。

さて、カスタムメイドと言えば「メイドに好みの衣装を着せて」「交流をはかって」「好みのプレイをする」のがキモであるが本作ではこれら全てが崩壊している。

まず衣装は初期装備の物以外は基本無料らしく課金もしくはゲーム内通貨で購入する必要が有る。
この事自体は至極当然の事であるが、本作では目の色や乳首の色と言った衣装とは直接関係しないような微妙なパーツの色違いで凄まじい水増しを行っているのが厄介である。
ダブらない様にされてる等の救いは無く、課金ガチャだろうとダブった事により自動で微量のゲーム内通貨に変換されていってしまう廃課金仕様となっている。
そして衣装関連で足を引っ張るのがメインの作業である「仕事」である。
この仕事を行う事でゲーム内通貨を稼ぎ、メイドとの仲を深めるのであるが、仕事の成功が衣装の持つ「衣装力」に依存してしまっており、
平たく言えばゲームを進めようと思うならユーザーの好みは無視し、衣装力のみに注目した衣装を使うことを半ば強制されている。
またこの衣装力も定期的に着替えないと内部的に下がるという非常に面倒くさい仕様となっており、自由に好みの衣装をメイドに着せる楽しみは完全に潰されている。

次にメイドのとの交流であるが、これまたお粗末な出来となっており会話パターンが異常に少ない上に選択肢も明らかにハズレの物が有る等徹底して薄い。
発売前に1キャラあたり1GB以上も有ると豪語していたボイスも使い回しが多く、スグに飽きることうけ合いである。

メイン所とも言えるエロシーンも到底好みのプレイに注力する事は不可能だ。
本作のエロシーンはただヤりたいようにヤっていれば良いという物では無く、メイドを気絶させずかつ自身が射精出来るよう計算し尽くした上で行わなければならないシビアな物である。
故に気の赴くままに腰を振ったりしていると瞬く間にメイドは気絶し、エロシーンは終了する上に各種ペナルティが発生する。
という訳で本作のエロシーンを楽しむ際は計算機片手に行動を計算するという新時代のプレイ方法が要求される。オナニー等もってのほかだ。
エロシーンのバリエーションを増やすのも紳士ptと調教ptと言う2種類のポイントを貯めて修得するが、要求されるポイントが高く上位プレイを習得しようと思うならば一ヶ月近くも作業プレイを強いられる。
中位以上のプレイの習得にあたっては2種類のポイント両方を要求される為、メイドのイメージにそぐわない乱交等のプレイを行わなければならないと、ここでも徹底して不自由さが炸裂している。
こうして苦労して新しいバリエーションを獲得してもその中身はモーションとボイスの使い回しばかりで実に低質である。
課金すれば習得の煩わしさはスキップ出来るものの、肝心の内容がサッパリでは課金する気など起きるはずも無いだろう。

これらのカスタムメイドにおける売りが壊滅的である本作だが、何よりも問題なのがオンラインゲームである利点が何一つ無いという事である。
他プレイヤーとの協力、交流、競争と言う要素は全く無く、交流は公式BBS上でのみでしか行われない。
また本来は他プレイヤーとの同時プレイ等の要素も謳われていたが未実装である。
それ以前に本作は今なお未実装な機能や仕様が盛り沢山であり、勿論それらが実装される目処は立っていないという未完成品となっている。

この様に単にソシャゲーっぽくして金を稼ぎたかっただけ感が溢れ出る本作は、課金してもクソゲーという新境地を切り拓く事に成功したのであった。

しかしこれ程の破壊力を誇るカスオでも天王山を制する事は出来なかった。
天王山を制し新たなる天下人となったクソゲー・・・その名もエフォルダムソフトが生み出した『銃騎士 Cutie☆Bullet』である。

本作は延期を重ねて年度末に発売、体験版から漂う凄まじい異臭と所謂「見えている地雷」として期待されていた。
だが前作の『恋騎士 Purely☆Kiss』がシナリオはクソだが憂姫はぐれ氏の画集としては及第点と看過されていた事もあり、本作も同じ道を辿る物と見られていた。
しかしその実体はKOTYeを破壊しかねない威力を持つ中性子爆弾であった。

真っ先に報告が挙がった点は「CGが異常に少ない」事であった。
通常フルプライスのエロゲーならば一枚絵のCGは差分やSD絵を除いても80枚近く有るのが相場であるが、本作はなんと35枚しかない。(後述のパッチで37枚になったが)
この段階で既に画集の役目すら御免となり欠陥商品の謗りを受ける事となったが、その詳細も非常に香ばしい。
エロCGは無駄に多い一方で日常シーンのCGは殆ど無く、妹ヒロインに至っては体験版でも見れる机に手をついてるCGしか非エロCGは無い有様である。
後に有志の解析によりゲーム中に収録されているCGの連番が飛び飛びになっている事が判明し、絵が出来上がらなかった為に見切り発車したのであろう事が伺える。
また数値として出ていない為に見過ごされがちだが立ち絵やバストアップ絵の種類も少なく、しょっちゅう文面との齟齬をきたしている。
これらの結果として作品の殆どが限られた立ち絵のみで進行する羽目になり非常に苦痛である。絵が変わらない紙芝居とはよく言った物だ。
この大問題点とgoogle日本語入力で「えふぉるだむ」を変換すると「絵フォルダ無」が第一候補に出るという絶妙な一致感から、絵フォルダ無という呼称が一般的になる程であった。

期待されていた絵がダメ以前に無かった銃騎士だが、本作のクソゲーとしての真髄は元々地面より低いハードルをやすやすと掘り抜けたシナリオに有る。
単に面白く無いのならばまだ良心的であるが、本作は冗談抜きで読んでいると具合が悪くなると評されるほどの低劣さを誇る。
その原因は息をするよりも多く出てくる馬鹿馬鹿しいギャグとコミカル描写である。共通ルートだけでも
  • 朝までカラオケで騒いでいた為、公務に影響が出ている国王
  • 主人公の父親の死因がアレルギーである事承知で食ったピーナッツバターによるアナフィラキシーショック
  • 変に日本と西洋が融合してる地名や人名(ルーブルに有る最高学府の東鳳大学(通称:東大)、敵役の橘フィルディナント・メイクイーン男爵)
  • 上述の男爵が主人公らを恨む理由が「主人公の父親にジムの料金が半額の日に行くのを止められたから」
  • ホモの疑惑がかかった泥棒の名前が「安倍タカカズ」
等々まるでニコニコ大百科を見たクソガキが考えたような低レベルな内容が弾幕のように押し寄せる。
特にアナフィラキシーショックはお気に入りのようで、事有る毎にアナフィラキシーショックになるだのと主人公が宣う。

個別ルートでも「乳首を黒く塗り潰そうとする若本ボイスの幽霊」や「食べると同性愛者になるハンバーガー」と頭が痛くなるようなギャグが続く。

特に全編通じて鬱陶しいのがヒロインの一人サラが使う「キサルピナ語」で何でも空耳に聞こえるという変な特徴がある。
例えば「こんばんは」がキサルピナ語では「はなげかーにばる」、「あなたを愛しています」が「はらませてあげる」と言った具合である。
普通に読んでも最低なセンスだが、前述のギャグも含めこれらは何時如何なる場面でも平気で混入してくる。
過去の回想だろうが重要なシーンだろうがお構い無しで、シリアスとコミカルの住み分けが全くできていない。
主人公が作中で「なにこれ、シリアスな笑い?」と言うが、シリアスな笑いと言うのもおこがましい。

シナリオのあらすじ自体も言うに及ばず最低レベルである。
一つのルートを除いては最終的に橘男爵が黒幕だと似たような流れで判明するばかりで一本調子で味気無い。
治安維持機関である銃騎士の話なのに全部王家等の身内の尻拭いストーリーなのも最早些細な事だろう。
特に酷いのが最後を飾るグランドルートであり、このルートでは今まで明らかにならなかった伝説の銃士の正体が主人公だと割れるのだが流れが実に酷い。
最終場面で今までの伏線を一気にまとめて吹っ飛ばすような新設定を引っさげ突如主人公が思い出すのである。
伝説の銃士が刺青をしていたのに主人公に無い事を指摘されれば「その時は消えるインクで刺青してた」
同じく伝説の銃士が髪の長い女だと言われている事を指摘されれば「昔は髪を伸ばしてたから周りが勘違いしたんだ」
とやりたい放題のまとめ方で決着してしまう。
ちなみこのグランドルートには一枚絵のCGは一つもないので全編立ち絵でお楽しみ頂く事になるのも見逃せない。

かように絵は無い、シナリオと文は小学生以下とクソゲーの最底辺の定義を更新した銃騎士だが更に華を添える事になったのはスレ外でも大変な話題となった場外乱闘だろう。
絵フォルダ無の本体であるあかべえそふとつぅが本件の対応に当たった訳だがやる事なす事炎上を加速させるばかりだったのは記憶に新しい。
KOTYeの趣旨とは外れる所も有るため多くは割愛するが、発売当日にサブヒロインの追加パッチを出すと宣言したり、
よその人なので連絡がとれないと説明していた絵フォルダ無社長が実は本体のメインライターだったりと話題には事欠かない。
往年の悪役レスラーも裸足で逃げ出す場外乱闘ぶりである。
結局銃騎士の補償として絵を追加するパッチ(絵師は変更)と、新作の騎士物を無料配布すると宣言したが、本総評時点ではその後の進捗は何一つ聞こえてこない。
2014年を荒らしまくった銃騎士が生まれ変わり、2015年に再登場するのか期待がかかる所である。

銃騎士のような悪夢はコレきりにしたい住人達であったが、以後はクソゲー以前に商品未満、詐欺と言った風潮に続けと言わんばかりな物が跳梁跋扈する事となる。
年度末の魔物の処理も終わりきらない5月には、銃騎士に感化されたのか2本の騎士物クソゲーがスレに殴りこみを掛けてきた。

一人目の騎士は縁 -yukari-の『Knight&Princess』である。
同ブランドの○and○シリーズの最新作であり、珍しいゲームブック風ADVや2人の主人公目線等の特徴を持つシリーズで隠れた人気を持つシリーズである。
本作はタイトル通り女騎士と姫の2人が主人公という事もありファンは期待を寄せていた訳だが残念な結果となってしまうのだった。

まず主人公は2人であるが、極端に女騎士にシナリオ量が偏ってしまいる。姫のシナリオは実質プロローグのみと大変短い物となっており2人主人公の良さは欠片も残っていない。
シナリオも話が飛び飛びになって繋がりが分からない展開になる等ADVとして致命的な問題を抱えている。
仲間のヒロインが集団レイプされているのを主人公が助けるシーンも「どうにか脅威をしりぞけた」の一文でアッサリ解決してしまう始末である。
ゲームブック風ADVもフラグ管理がおかしい箇所が有ったり、ステータスによる分岐といった要素も無く、ゲームオーバーも投げやりとゲームブックらしさは全く無い。
バグも散見されるが、取り分け話題になったのがピアスバグと呼ばれる物で、ピアスが付くフラグが立つとCGにピアス「しか」映らなくなると言う抱腹絶倒の現象であろう。
しかし前作からは劣化しているものの、自由度はそれなりに有ったりレイプでも最後まで独特なセリフを吐きながら抵抗するヒロイン等見どころは有る為、まだ救いようはあるのであった。

続けて襲いかかって来た騎士はルネの『恥辱の女騎士「オークの出来そこないである貴様なんかに、この私が……!!」』であった。
気高き女騎士がオークに犯されて堕ちるというもはや様式美とも言える題材であり、その魅力は存分に引き出せている。
では何が問題となったのかと言うとズバリ「バグ」と「誤字脱字」であった。
バグで主な物としてはCGが一部欠けているような表示になる、回想シーンが神経衰弱状態となっており選ぶまでどのシーンか分からない等があった。
しかし本作が注目されたのはどちらかと言うと誤字脱字が理由であろう。
「ヒヤヒヤした」が「ヒヤヒウアした」、「姐さん」が「根さん」等は序の口で、サブヒロインの名前を豪快に間違ってしまっている箇所も有る。
もっとも現在ではパッチで直っている事や、致命的な欠点は無く自然な笑いが溢れる事もあり騎士物クソゲーとしては下級騎士とも呼べるだろう。

こんな情けない騎士共を叱咤せんと立ち上がったのが同じく5月発売のSORAHANEが放った『はるかかなた』だ。
本作はバグとクソシナリオという二刀流でスレに切り込んできた。
同ブランドの過去作と異なり本作は外注の新システムで動作しているのだが、これが問題だらけの欠陥品であった。
初期バージョンでは音ズレ、フリーズ、強制落ちが頻発し碌にプレイも出来ず実質進行不能の状態で、アップデートが出たと思えば
フリーズ前提のオートセーブ実装だったり、動作軽減の名目で既読判定が消えたりと付け焼刃的な対応が相次いだ。
アップデートの回数を重ねる度にフリーズ等の頻度は下がったものの未だに根治はできていないようである。
特に批判が集まったのがバージョン間にセーブデータの互換性が無い事であり、バグに怯えながら進めたセーブデータが無駄になっていく有り様は賽の河原と揶揄された。

さてもう一つの武器であるシナリオだが、この批判点はtrueルートの実の妹ヒロインとの展開に集中している。
主人公は病弱で妹も末期の移植待ち患者であるにも関わらず病室で子作りに励むという設定的にどうかとしか思えない行為に及ぶのだ。
妹の病気も腎臓移植でも臍帯血移植でも治る可能性がある等一体どういう設定なのか分からないまま話は展開し、結局子供も産まれてアッサリとハッピーエンドを迎える。
他のルートも「電車に轢かれても五体満足」等のご都合主義だったり、やたらと綺麗事が通ったりする事から「エロゲ版恋空」「携帯小説クォリティ」と呼ばれるのであった。

7月に入り記録的な猛暑が列島を包む時期になると下半期の覇権を握らんとする猛者が怒涛の勢いでスレになだれ込み、早くも下半期の主戦場になってしまう。

先陣を切ったのは最早KOTYeのレギュラーとも言えるsofthouse-sealが送り込んだ『ビッチ生徒会長のいけないお仕事 』である。
本作はタイトル通り淫乱な主人公が学園の男子生徒を次々と頂くビッチ物の作品である。
過去にも完成度が高いビッチ物を出した事や、普通の紙芝居なら安定のsealという実績からノーマークとなっていたが住人の検証により特大のクソゲーであった事が判明する。
中盤までは宣伝通りの内容で進行するが、ある地点から雲行きが怪しくなる。
今までは単にエロゲ脳だから性行為に励んでいた主人公が突如未来を救う為に性行為をしている事を暴露する。
実は主人公は少子化で人類が滅亡しかけた未来を救うべく過去に送り込まれた存在だったというのだ。
その後も実はロボットだったことがアッサリ判明する等最初の設定は何処に行ったと叫びたくなるような展開が繰り広げられる。
この後唐突にエンディングを迎えるが、驚くべきはコンプしてもCG回想モードがスカスカだと言う事だろう。

実は本作はパッケージ版とダウンロード版で内容が異なっており、前者で超展開だったシナリオや埋まらなかったCGは後者にはしっかりと改善されている。
後にパッチによりパッケージ版もダウンロード版と同じ内容になるが、この事はパッケージ版は未完成で出し後発のダウンロード版はしっかりと作った事の何よりの証左となってしまっている。
そして設定が混乱している問題もCGと同様にダウンロード版では整合の取れた物に差し替わっている。
こちらも真相はsealの過去作『大乱交ザーメンシスターズ』の文章を流用している事が原因であり、そのせいでチグハグなシナリオになっていたのだ。
従来は変な冒険心さえ出さなければ安定と言われていたsealであったが、遂にダークサイドに身をやつし禁断の領域へと足を踏み入れてしまうのであった。

7月25日にはそんなsealに対抗せんと4本のクソゲーが勝負を挑んだ。

10mileの『ひとりのクオリア』及び『ふたりのクオリア』はかつての名作百合ゲー『カタハネ』のスタッフが制作した百合ゲーである。
2つで1つとも言うべき本作は元の発売予定から実に1年半以上の延期を重ねて発売された。
しかし大変長い準備期間を要した割には詰めが甘い文章やシナリオ、そして最後に『おわりのクオリア』という完結編の存在が明らかになる。
引き伸ばした挙句分割商法と百合ゲー好きには厳しい現実を突きつけるのであった。

新ブランドside-B の『メルトピア』はSLGという触れ込みだが、体験版の時点から戦闘の冗長さが指摘されていた。
戦略性は薄くやる事は回復と必殺技の発動位とゲーム性の薄さは如何ともし難い。
しかし処女作であり、色々と惜しい面も有ることから7月発売組の中では最弱と言えるだろう。

しかしこの中でも注目すべきは残り2作の方である。

まずはWHITESOFTの『ギャングスタ・アルカディア ~ヒッパルコスの天使~ 』(通称:ギャルカディア)である。
同ブランドから1年前に発売された『ギャングスタ・リパブリカ』のファンディスク的存在である本作だが、フルプライスとしては決して許容する事が出来ない薄さを誇っている。
まずシナリオの方であるが、ライターの作風が存分に活きているシナリオとなっておりそれ自体は好評であるがとにかく話が短い。
全体通しても5時間足らずで読み終わってしまう程のペラペラさである。
またライターが書きたい事は非常に細かく描写される一方で、日常感を感じさせる描写は薄く書きたい事だけ書いている感が如実に現れてしまっている。

しかし本作の最大の問題点は話の薄さでは無く、銃騎士から続く絵不足の方である。
なんと新規CGが29枚しか無いのだ。しかもこの中には立ち絵を加工しただけの水増しも含まれる。
CGモードには前作からの流用CGやSD絵がこれでもかと立ち並び数を誤魔化そうとする思惑があらわになっている。
このままでは銃騎士の二番煎じであるが、本作が飛び抜けている点は実は絵師すらも誤魔化していた点である。
選評時点で原画のミヤスリサ氏が描いたと思えない絵がある事は指摘されていたが、発売から約2週間後にメーカー直々に他人が描いていた事を認めてしまったのだ。
どういった経緯でこのような事態になったかは図りかねるが、銃騎士に続く詐欺ゲーとして修羅の国の暗黒っぷりを象徴する事となった。

しかしこんなギャルカディアでさえも塵芥として消し飛ばしてしまえそうな大悪魔がスレに降臨する。
発酵臭漂うその大悪魔の名こそザウス【本醸造】が召喚した『新世黙示録 ―Death March―』(通称:チーズ)であった。
メガテンこと女神転生シリーズの鈴木一也氏がシナリオを務める事や、ザウス【本醸造】としては久方振りの新作と言う事もあって発表当初の期待値は高かった。
しかしいざ蓋を開けてみると低質な公式サイト、体験版の時点で苦痛感が襲う有り様とクソゲーとしてのボルテージは発売前より最高潮に達していた。
この様に銃騎士同様見えている地雷の一翼と見做されていた本作であるが、検証に向かった住人が大量に行方不明になる怪事件が発生してしまう。
検証に挑んだ者が次々と行方不明になるその様は本家KOTYの『太平洋の嵐 ~戦艦大和、暁に出撃す!~』を彷彿とさせ、住人に恐怖をもたらした。
この尊い犠牲を無駄にすまいという使命を背負わなければ立ち向かう事すら出来ないという異常事態は後に「ゲー務」と称される事となる。
全容が判明したのは年の暮れにまでもつれ込んだが、生還した住人の証言によりこの大悪魔の恐ろしさがスレに伝えられるのであった。

本作はゾンビ襲撃に端を発する事件を追うADVとそれらを相手にしながら3Dダンジョンを進むRPGという2つの要素によって成っている。
まずは体験版から物議を醸したRPG部分について見てみよう。
公式では剣の合成・強化よる成長が売りのソードバトルなる物をアピールしていたが、この売りからして崩壊してしまっている。
愛情を込めて育てた剣であっても多少進んだだけで性能が追いつかなくなり陳腐化する上、ドロップアイテムの剣が強化済みの物より強い為結局どんどん乗り換えて行くだけの単調仕様。
極めつけは強化した剣を存分に振るいたいであろうラスボス戦はイベント固定の剣を強制されると、最初から最後まで自らの売りを全否定してしまっているのだ。
剣を強化してもそれを振るう敵はグラフィックはおろか名前まで流用ばかりでアイテムとユーザーのどちらがドロップするかどうかのレベルだ。
また3Dダンジョンを行動するのもこれまた困難で、ダンジョン内を歩きまわる事すら一苦労の操作性や方位、現在位置を示す物が無くあっという間に迷子になる等黎明期の3Dゲーム以下の出来である。
この様に操作系を始めとするUIもRPGとしての面白みも全く無い存在価値0の戦闘だが、プレイ時間が15時間以上にも上る無駄に長いボリュームが更なる苦痛をもたらすのであった。

さてゲーム性がクソでも話が面白ければマシであったが、大悪魔に慈悲を求めてはいけない。ADV部分もぶっちぎりのクソである。
問題点は腐る程有るが、殆どの元凶は主人公である鳥海知空(とりみちから)であると言っても過言ではない。
そのレベルはダメ主等と呼べる物をとうに超越している。
序盤で近所のおばさんに自転車の2人乗りを注意されても反省するどころか逆におばさんを徹底的に叩く発言をすると言った自己の正当性を絶対的に確信しているばかりでなく
他人に現実逃避するなと叱咤した後に自分が現実逃避してるのを咎められても無視する思考のブレっぷり。
そしてこれらの結果起こった物事に一切の責任を取らないとダメ人間要素の3段構えである。
あまりの頭の悪さに「知(脳が)空」「int 0」等と呼ばれてしまうのであった。
当然こんな主人公目線で進むシナリオに感情移入等土台無理な話なのは言うまでも無い。
もっとも主人公以外の登場人物も全員が全員揃って不快な人物ばかりで、その様は「登場人物全員がミストさん」と言われる程であった。

当然こんな気狂い共が織り成すシナリオもメチャクチャである。
本作の通称の由来である「血塗れの男性が居たりする異常事態であるのに関わらず、コンビニにチーズを買いに行くのを強行する。」と言ったエピソードを筆頭として
全編通じて行動の整合性がとれておらず、まともに読もうとすれば脳ミソが発酵する事は間違い無い。
更に厄介なのはシナリオ中盤以降に発生する時間ループ展開である。
これに意味が有るのなら良いが、ループする度に設定や展開が全て切り替わり、最後までループが発生した理由が分からないまま終わるのはループ物を語る上では致命的だろう。
このループ気取りのせいで伏線も平気で捨て置かれ、全て行き当たりばったりな超展開が続くのだ。
単純な文章として見ても変に気取ったせいで読みづらい節やギャル文字の様に小文字を乱用した文と、あらゆる面が擁護不能である。

他にも作画崩壊や明らかに体勢に無理がある一枚絵CG、セーブサムネイル実装を放棄した為どのセーブデータでも同じサムネイルで固定というぶん投げ仕様と救いは何一つ無い。
アマテラスと後光をバックにセックスするエロCG、通称「アマテラセックス」がウケた事位が本作の良い所だろう。
全領域対応型クソゲーとしてのポテンシャルは群を抜けており、以後スレはチーズを中心として推移していく事となるのであった。

ちなみに余談であるが後にこのチーズの外伝作品『わたしの勇者は多重神格者』なるシリーズが発売されており、本総評作成時点でエピソード3まで存在している。
こちらのシリーズは非常に安価でソコソコの出来というチーズが一体何だったのかと思える程の落差である。
その為住人達からは「炎上商法」「クソゲーを先に出すことで後が良く見える作戦」等とからかわれている。

チーズの出現により大恐慌を迎えたスレに乱入せんと常連のsealが増援を送り込む。
その名も『セックス あ~ん♪ パンツァー』。兵器擬人化に語呂合わせと流行り物パロを詰め込んだタイトルとしては今年2本目である。
seal自慢のくのいちやエルフの系列である横スクロールアクションゲームであるが、その出来はやはり期待を裏切らない。
至る所にに配置された通常のジャンプで越えられない穴、ラスボス以外は極端に弱い一方でラスボスは異常に高難易度とアクションゲームとしての問題だらけである。
そしてこれらへの対処方法は「オナニーしてパワーアップする」のただ一つである。
ゲーム性の崩壊は勿論、この「知るかバカ!そんなことよりオナニーだ!」と言わんばかりなカオスぶりは住人に一時の癒やしを与えたのであった。

秋には長らく修羅の国を離れていたオーバーフローの『ストリップバトルデイズ』が姿を表した。
本作は2年前に発売した『SHINY DAYS』のオマケとしてついていたゲームの単体製品版であり、新キャラ追加といった要素が告知されていた。
しかしその実体は新キャラを含む一部キャラにボイス無し、殆どのキャラがワンパターンで攻略可能と野球拳お触りゲームの基本すら出来ていないのであった。
だが本作最大の問題点はそんな些細な事では無い。
実は本作のパッケージ版は重大なバグを抱えておりアンイストールすると一つ上の階層に有るファイルが尽く削除されてしまうのである。
他にもユーザー設定ファイルにも悪影響を与える等、かの『みずいろ』と匹敵もしくはそれ以上の極悪度を有している。
クソゲーだからとアンイストールする者にテロ行為を働くその様は「ゲー謀」と呼ばれるのであった。

その後年の暮れを迎えると住人達は年末の魔物襲来に備えて厳戒態勢を敷くが、幸いにも今年の魔物は目覚めなかった。
しかし昨年の様に年明け後のラッシュへの警戒は続き、それに応える形で2本のクソゲーが来訪する。

年始休みも終わろうかという時にやってきたのは昨年大賞を獲得したミルクプリンの母体であるpotageの『ヤリ友ペット欲情生活』である。
本作はレイプ、監禁と言ったプレイが売りとされていたが、実際にはヒロイン個別ルートでは和姦ばかり行われ挙句の果てのはレイプや監禁等どうでも良いと主人公が悟ってしまう。
一方でNTRルートとされる方はそういったハードなプレイが見られるものの、ただのエロシーンオムニバスとなっており
どういう理由や展開で犯されているのか全く把握出来ないためジャンルの醍醐味は完全に失われている。
加えてこのルートでの言動は極めて醜悪な文章センスで構成されているのも抜きゲーとしての価値を削っている。
「ぷぷーっ……!? そのカス教師に種付けされている件についてwww どうよー?まさに、【全俺が】ド淫乱メスガキ1人目【射精】状態」 「時、すでに、お寿司!!!」
等のネットスラングや古臭いギャグで彩られており、ライターは本当にコレで抜けると思っていたのか疑問である。
またエロシーンも非常に短く、声優も揃いも揃って素人同然と意図的に作ったクソゲー疑惑が出る程であった。

続いて現れたのは6月に発売されていたものの、後に発売したチーズ等の影響で解明が進まないでいたソフトハウスSORAの『俺がヤマタノオロチなら』である。
発売前よりその奇天烈なタイトルやあらすじが話題となっていたが年明けに封印が解かれた事でその真相が明らかになった。
本作はヤマタノオロチの生まれ変わりである主人公達の物語・・・かと思いきや全く違う。
実際のシナリオは主人公の正体が何かを追いかける神話の時代から続く因縁話なのである。
しかしもうお察しの通り正体もヘチマも無く、ユーザー側からみれば既にタイトルの時点で思いっ切りネタバレされている事である。
その癖最終盤まで鬱陶しい程結論を引き伸ばして正体について主人公は悩み続けるので非常に滑稽でありイライラする。
短い個別ルートの内容もスッカラカンな事この上なく、全ルートでスサノオノミコト(の転生したヒロイン)がワンパターンに解決してしまう。
主人公は勿論そのルートのヒロインですらただ見てるだけで終わる為「もう全部あいつ一人でいいんじゃないかな」と思う事は必至であろう。
締めも地の文数行だけで世界崩壊を表現する他、唐突に現れたアマテラスとアマテラセックスを繰り広げる等ぶん投げ具合が半端ではない。

しかし流石は神話の生物である。ヤマタノオロチの戦闘力はこれだけに留まらない。
プレイすれば自ずと気づく事だが本作のグラフィックは非常に低質である。
異常にバリエーションが少ない立ち絵、後半になるほど塗りもデッサンも崩壊していく一枚絵CGと今年のトレンドはガッチリ抑えている。
中でも話題となったのが実写映像をそのまんま流用した為、駅前背景の画像に「鎌倉駅」の表示がバッチリ残っている事であった。(舞台は鎌倉と関係無し)
駅前以外にも遊園地がとしまえんだったり、道端の看板が実在の物まんまだったりと手抜きの境地を極めている。

システム面もまさに太古のエロゲが生まれ変わったかと見紛う程の時代遅れぶりだ。
ウィンドウで一文づつしか戻れないバックログ、ホイールでの文章送り不可、右クリックで戻れない、立ち絵は一人づつだけ表示 ととても21世紀のエロゲとは思えないお粗末さである。
バグも個々は致命的では無いが山積することで重厚な層を成している。
文章が繋がって表示される、コンフィグから戻れない、セーブロード画面の内容がクリックしないと分からない等盛り沢山となっている。

クソゲー最後の砦とされるサウンド関連もカバーしており、BGMが13曲しかない上にエロシーンでやたらとオドロオドロしいBGMを設定する等使い所すら外している。
特に常軌を逸しているのがSEであり、なんとこれが「人の声」なのである。
カーソルがボタンに触れる度に「カチッ」、クリックすれば「チャララーン」と気が狂ったような棒読みで話す為尋常では無いウザさである。
体験版は普通の電子音であったのに、製品版のアピールポイントとしてこのSEをメーカーが推しているのだから驚くべき話だ。

かように全領域に渡り極めて低品質であった本作だが、詐欺同然の魔物が彷徨く修羅の国においては珍しく「頑張ったけどダメだった」タイプのクソゲーであった。
選評者の「10年前のゲームが今になって出てきたようだ」という評はかつてのエロゲー達を彷彿させ、我々のエロゲーに求めるハードルの変容を感じさせスレにちょっとしたノスタルジーを届けた。

さて、以上2014年の主要エントリー作品を紹介した所で結論に移りたい。
次点は『カスタムメイドオンライン』、『ギャングスタ・アルカディア ~ヒッパルコスの天使~ 』、『ストリップバトルデイズ』、『俺がヤマタノオロチなら』の4作品。
大賞は『銃騎士 Cutie☆Bullet』、『新世黙示録 ―Death March―』の同時受賞とする。

2013年のKOTYeは多様なクソゲーが現れ、クソさの中にも笑い有り とでも言えるある意味実り多き年であった。
いわば「出来の悪い子程可愛い」とでも言う状態で微笑ましさすら漂っていた。
一方で2014年は冒頭部分で述べた通りまさに暗黒の時代とも言うべき一年であり、昨年とは明らかに空気が異なっていた。
今年のクソゲーは「無価値」「苦痛」を突き詰めた面々であったと言える。ある意味では昨年の結論に対するアンチテーゼとも言えるだろう。
『カスタムメイドオンライン』はオンラインゲームである意味が無く、課金有無に関わらず実りの無い作業プレイが待ち受けていた。
『ギャングスタ・アルカディア ~ヒッパルコスの天使~ 』は期待のシナリオはペラペラで薄く、絵師詐欺及び極少CGという裏切りがあった。
『ストリップバトルデイズ』は元のオマケ作品から殆ど進歩がなく、データ消去というPCにおける最大級の痛手を叩き付けた。
『俺がヤマタノオロチなら』は全領域に渡り見るべき所が無く、化石UIやバグといった副兵装でユーザーを苦しめた。
もっともこれらの面々のポテンシャルは非常に高く、生まれる年が異なれば大賞を獲得する物も有るだろう。
特に『カスタムメイドオンライン』のKOTYe史上初のオンラインゲームというジャンルを開拓した事は特筆に値する。

しかしこれらと比較しても『銃騎士 Cutie☆Bullet』及び『新世黙示録 ―Death March―』は頭一つ抜けている。

『銃騎士 Cutie☆Bullet』は近年の「絵が良ければいいんだろ?」と言わんばかりな修羅の国の風潮の集大成とも言える。
ただ一つ期待されていた絵という超えてはならない最後の一線とも言うべきポイントをやすやすと踏み抜け、まさに無価値の限界に挑戦したと言えるだろう。
また元より期待されていなかったというバイアスがかかっても尚最大級の苦痛を与えたシナリオも他とは段違いと言える。
ひたすらに寒いギャグ、過剰なパロ、頻出するネットスラングと言った文章のセンスは勿論だが、超展開や設定の混乱、シリアスとコミカルの住み分けが出来ない等の
駄文要素の六神合体とも言うべき銃騎士のシナリオ、文章はこちらもまた現在の修羅の国における風潮の集大成とも言えるだろう。
銃騎士が出たから他もそうなった という訳では無いが結果として銃騎士に続く様な形で二番煎じとも言うべきクソゲーが続々と現れた事からも
まさに今年のトレンドを代表する存在であり、後に「2014年はどんな年だったのか?」と考える時に銃騎士さえ思い出せば概要が掴めるだろう。
エロゲーが紙芝居と言われて久しいが、銃騎士はその紙芝居型クソゲーの究極の姿の一つなのだ。

一方で『新世黙示録 ―Death March―』はRPGも内包しており土台からして銃騎士の様な紙芝居クソゲーとは一線を画している。
ザウス【本醸造】というゲーム性を売りにしているブランドから放たれたのにも関わらず、そのRPG部分は劣悪を極めていた。
アピールポイントであった剣の強化といった要素も全て水泡に帰すような仕様に仕上げ、そのゲーム性はまさに無価値だったと言えよう。
更に過去のヒット作を前面に押し出して作られたはずのADV部分も極めて不快な主人公らのせいで共感も感情移入も出来ない。
安易なループ物設定やそれに依存する形で次々と投げ捨てられていく伏線や設定といった要素を鑑みても読み物としての最低水準を下回っていると言わざるを得ない。
「プレイしても読んでも面白く無い」というその姿はまさに「クソゲーとはなんぞや?」の問いに対する完璧な回答となる事は間違い無い。

この2作はどちらも無価値と苦痛のレベルがカンストしているものの決して食い合う存在では無い。
すなわち『銃騎士 Cutie☆Bullet』は2014年のクソゲー界そのものの、『新世黙示録 ―Death March―』は我々が追い求めたクソゲーのそれぞれ化身とも言うべき存在なのだ。
以上の理由より2014年KOTYe大賞受賞作は『銃騎士 Cutie☆Bullet』『新世黙示録 ―Death March―』の2作同時受賞としたい。

甘酸っぱくて笑みが溢れる そんな2013年とは打って変わって2014年はそんな優しい時間がいつまでも続かない事を証明した一年であった。
年末の魔物こそ不在であったものの、それに代わる年度末の魔物という新たな脅威が現れ、7月もまた大激戦区と化した。
これが修羅の国の転機なのか、はたまた今年限りの災厄であったのかはまだ誰も知る由もない。
しかし確実なのは我々は今年もまたやって来るクソゲー達と向き合いそれを乗り越えた事だろう。
どんな困難が待ち構えていようともクソゲーに真正面からぶつかり、その実力を讃え合う・・・それこそがKOTYeである。
銃騎士とチーズという大嵐の中、死の行軍を敢行した住人という銃士隊であったがそれも終わりである。嵐の後は晴れやかな青空がそれぞれの胸の中に広がっている。
そしてこの物好き達は心機一転、2015年もクソゲーに会うため歩き続けるのだろう。全ては愛するクソゲーの為、そしてこのKOTYeがいつまでも続くことを願って。

最後に今年の大賞を勝ち取った『銃騎士 Cutie☆Bullet』『新世黙示録 ―Death March―』に次の言葉を送る事で締めたいと思う。
「またチーズを食ったらアナフィラキシーショックで死んじまうよ。」