新世黙示録 ―Death March― 選評

ブランド ザウス【本醸造】

ジャンル 悪魔と天使と百の剣/戦略RPG
メディア DVD-ROM
原画 まさはる、人丸
シナリオ 鈴木一也
ゲームデザイン 高瀬奈緒文
音楽 森田交一(ジョーカーサウンズ)
発売日 2014/07/25
定価 通常版10,584円(税込)
初回限定13,824円(税込)
CG数 -


要点

  • 通称チーズ。序盤に親にチーズ買いにいかされるが町がすごい惨状になってもそれでもチーズを買いに行くという展開からついた名称。
  • 主人公がとても不快なキャラでありその主人公の視点で進むためすごくイライラする。
  • 売りであるはずのバトルが完全に苦行状態。
  • 選評書いた人にすらまとめるのが困難と言わしめるほどひどいシナリオ。
  • 剣を強化していくシステムなのに、ラスボスにはイベントで手に入る武器以外無効。
  • XUSE公式ページにて盛大にタイトルを誤字っている。「新世黙示録 ―Deatch March―」 ×Deatch ○Death

選評

【2014】 クソゲーオブザイヤーinエロゲー板 89本目
http://pele.bbspink.com/test/read.cgi/erog/1409824497/
160新世黙示録 [sage]:2014/09/06(土) 00:23:01.40 ID:CUNECvts0
Xuse本醸造より新世黙示録が 企画シナリオに鈴木一也によって発表された
往年のZuseメガテンファンなら買い一択だろうと思われた代物だが
ふたを開けてみればどちらのファンも頭に?の文字が消えない一品であった

そもそも筆者もその二つの魅力的な餌に釣られて予約した口である
そう、体験版、サイトといった危険信号を無視してでも飛びつきたくなるほどの餌であった

ゲームを始めると主人公、鳥海知空のエロゲーテンプレともいえる
妹「鳥海鈴珠」、お隣のお姉さん「荒渡流華」サービスシーンに続き
ラブラブの幼馴染「天宮史音」とエロゲーにおける普通の生活が始まりだらだらと続く。
ここでサイト紹介のプロローグを思い出してみよう
「妹の鳥海鈴珠や幼馴染の天宮史音に囲まれた風景がある日突然、豹変する
街の人々、親しい者たちが、ゾンビと化して襲いかかってくる。」
紹介されている「突然」とはいつやってくるのだろうか?
よくあるプロローグだと割り切り2時間ほど我慢。
待望の変化が現れ始めると、
なぜかRPGが始まる前に選択肢しだいで即デットエンドという理不尽なテキストアドベンチャー「チーズを買いに行く」が開始する
ここを乗り越えて初めて、めでたくゲームスタートとなる。
しかし延々と続けた日常から、シリアスへの転換という本来盛り上がるべきタイミングで
このゲームの根幹である剣を入手するイベント「アンドヴァリ」との遭遇がギャグタッチで行われる
いきなり雰囲気ぶち壊しである
ゾンビと戦う手段である剣、それは何の前触れもなく、
ギャグテイストたっぷりの、突然現れた謎の生物アンドヴァリもらう。
これがこのゲームのスタートである。

ゲームの仕様的にアンドヴァリとはいつでもあえるはずなのに
今何が起こっているのか何をすべきなのかを聞くこともなく
単なる剣の強化屋さんとしてドライに付き合い、
疑問を無視し、自分の勝手な意思を貫く主人公にある意味男気を感じる

しかしその男気も、大事な妹、お隣の姉、仲間を護るという決意を
事あるごとに忘れ、勝手に行動し、反省しては「次からは絶対護る」の
コンボを繰り返すトリ頭の前には形無しといえる
ちなみにこのコンボは、延々ゲーム終了まで続く
そう、このゲームはRPGではあるが主人公の頭は成長しないのである

主人公の妹も、謎の発作で調子が悪くなるイベントがしつこく繰り返される
とにかくプレイヤーに「またかよ」という感想を抱かせるのが好きな兄妹である。

ゲームの紹介に戻る
主人公たちはゾンビと戦いながら仲間と合流、別れを交えつつ異変に対処して行くのだが
このトリ頭主人公にふさわしくバッドエンドに突き進んでゆく
しかし安心してほしい
このバッドエンドは不可避で、タイムリープして続く設計なので
犬にかまれたとでも思ってストーリーを続けていこう
選択肢しだいで分岐もあったのだが、全部なかったことになるのでここでは省略させてもらう

今度はなぜか、ゾンビは生まれる前から存在し、日常的に現れるという世界に主人公はおかれる
なお、このタイムリープ、一応の説明のようなものはあるのだが
なぜ起こったのか基本的に答えは与えられない
何しろゲーム内の神ですら理由がわからないというぶんなげっぷり
リープ以前の世界についても主人公が覚えているだけで
その記憶の恨み的に主人公が暴走して襲い掛かる程度でシナリオ的にたいした意味はない
ほかキャラクターも、最終的に思い出す描写はあるがストーリー展開にはほとんどかかわらないため
以前の世界はなかったといっても過言ではない
このなかったことに巻き込まれるのが
でれっでれで、妹と仲のよかった幼馴染「天宮史音」
なぜか殺意、警戒心があった転校生「白川生」という今までのゲーム設定である。

新たに、「白川生」は昔からいて、妹とは仲のよい先輩後輩
「天宮史音」は控えめだが主人公に好意がある「転校生」として
あえて第三者に説明しにくい形で新しく設定しなおされる

この新たな世界でわけがわからないまま、状況が悪化、その渦中
主人公が実は、今までの人生の数々の死の危機を、幼馴染「天宮史音」が命を削り、時間を戻し、助けつづけていたこと
そしてすでに死んでいることが明らかになる

パーティメンバーに「天宮史音」がいるままで「天宮史音」の死体を発見するイベントからはカオスを極める
なぜならば、この何がなんだかわかんない現状から一気にラスボスエンディング一直線なのである

ここからを理解できるあらすじにまとめるには困難を極めるため箇条書きで並べてみよう

何で二人になってるのか、どうしてタイムリープできたのか?史音が前の世界と性格とか違う理由など、畳み掛けるように疑問を噴出させるも、
さらっと触れる程度で、ほとんど未消化のまま放置

自分が助けていたつもりの幼馴染(助けていたシーンなど存在しない)に、実は自分が助けられていたこと、
そのために命まで失っていたことに激昂する主人公

前の世界のゾンビがはびこった元凶をウサ晴らし的に襲撃に向かう主人公(結果的にそうだが、今の世界では何の根拠はない)

主人公なら悪に染まらないと根拠なく信じようといいはって見守ろうと提案する神「倉崎天名」が何気にパーティに混じり、
みんなで主人公の逆恨み襲撃に加担し一蹴する。

そこに月の子(ラスボス「ロキ」の子)が何の必然性もなくふらっと現れ、負けイベント、史音の献身で目を覚ます主人公

勝てないので、この世界をなかったことにして主人公と二人で過去にもどり三柱の神に会いに行くことを提案する倉崎天名
(提案はするが選択の余地なし)

今まで育ててきた剣を全部失う

見守ってきた経緯から主人公は悪に染まらないと自信たっぷりに三柱の神にアピールし最強の剣を手に入れる許しを求める天名。
悪に染まる以前に、ロキを倒さないといけないこと以外ろくすっぽ現状理解してないのに、
仲間たちがいない世界になるくらいなら自殺するとかかっこつける主人公。
(ついさっき逆上して状況も仲間も目に入らなかったせいで言葉に何の重みもない。そんな主人公を持ち上げる天名も滑稽)

ロキたちに勝つために最強の剣を手にいれるために3本の剣を集めに、どこだかわからないある過去の時代に行く
(わざわざ仲間と分かれるイベントあったのに三柱の神の計らいで全員集合、ついで失った剣も何でもキャラアンドヴァリのおかげで全部取り戻す。
別れた意味も剣をなくした理由もまたなかったことに)

3本の剣を集めると、実はロキの手下だったアンドヴァリが、ロキにお前がいると最強の剣ができてしまうと殺される(そもそもロキはその剣がほしかったはずなのに、いざ完成となると自分が倒されるかもと短絡的に入手を断念。でもやっぱりほしい。どうしたいんだお前は?)

かろうじて生きていたアンドヴァリ、恨みを晴らしてくれと最後の力を振り絞って最強の剣を合成

死ぬかと思ったアンドヴァリこんな怪我明日には治るとか言ってシリアスっぽい雰囲気を無理やりギャグに変える
(殺したと思って悠々と去っていったロキ、まさに道化)

なかったことにしたはずの、月の子に負けイベント直後に戻るために主人公の精液がいるといって、無理やりねじ込んだ臭はんぱない天名とのHシーン
(例の後光が指してるCG、ロキが呼ぶ以外天名がアマテラスだということに誰も触れないための自己主張だろうか?)

月の子との戦闘。強化済みの最強の剣持ってると瞬殺
(手に入れてから2回だけステータス画面が開かれる、そのときに剣を強化していないと詰み。なおほかの剣ではダメージすら入らない)

月の子を倒された恨みで世界を終わらせるといって姿を消すロキ

ロキを追いかけるも、お約束の雑魚の群れから主人公を進ませるために一人一人足止めとなって分かれてゆく仲間たち

ロキの元にたどり着く主人公
(よりによって最後に加入した天名が最後の3人に残っている。3本の剣を集めるときにレベル上げでもしていない限り純粋に足手まとい)

ロキ討伐

なぜか唐突に赤ん坊から生まれ直す主人公。そして史音を恋人に平和な学園生活(ゾンビとか剣とかファンタジーな展開なんてなかった)

そうかと思ったら、最強の剣を手にしたせいで人間でいられなくなった主人公と、天名が前述の平和な世界を作って、二人はその世界を見守る
(主人公が経験した最初の世界、タイムリープした世界は全部やっぱりなかったことにEND)

これでおしまいなのである

RPG的に遊べるのは史音の死体を発見するまでで
それ以降は3本の剣を集める、ロキの追跡の部分でRPGパートがあるだけで
プレイヤーほったらかしの超展開見せ付けられるのみである

たぶんこのゲームを一周だけはやったという方からは
ほかのクソなイベントの紹介を省きすぎといわれるといわれるのではないかと思われるのだが
一度攻略した上で二週目をやると

李清明が実は天使でゾンビ発生の元凶であり、理想社会を作るために生かす人間を選定している事
リープ後の世界だけに倉崎天名が主人公たちの周りに何気に現れ生活している事
主人公がなぜ特殊な能力を持っているかなど一見重要に思えることも、説明されずにぶん投げられるため
そんなことはなかったとして割り切らないと精神の安定を保てない

タイムリープ前に起こった
荒渡流華がロキにのっとられる。天宮史音が千波常時ら超常研によって消されてしまい、主人公たちが拘束される。
李清明を倒した恨みでさっきまで仲間だった友人に妹が殺され、怒り狂った主人公に絞め殺されるといった数々のイベントも
タイムリープ時になかったことになってしまうため、何のために、なぜ起こったイベントなのか考察する理由すらない

エンディングを踏まえてこのゲームのストーリーを振り返ると
「主人公鳥海知空は、ゾンビや化け物を剣の力で叩きのめしているうちに神になっちゃったので、そんなことはなかったことにする」
といった具合である

結論だけ見るとクソゲーというより駄ゲーといえないこともないが
個々のイベントは紛れもなくクソのオンパレード
テキストを読んで現状を理解しようとする行為のほとんどは
説明されないまま放置されるか、なかったことにされるため
真剣に読もうが、フルスキップで飛ばそうが、このゲームの価値はまったく変わらない
オチも、夢オチと比べても遜色ないレベルで
このゲームに費やした時間すべてがなかったことと化す、最悪のオールフィクションゲームだろう

なおこのゲームの肝である剣の強化、合成に関しても
図鑑を埋める理由以外で試行錯誤する必要はなく
単純にドロップした剣を強化するか
その剣を合成して今より強い剣になる時にするくらいでゲームはさくさく進む
進めばすぐに、また強い剣がドロップするのでこのシステム自体存在理由が見当たらない
そもそもラスボスにいたってはイベントで入手する剣でなければダメージが通らないため
どんなに合成をくりかえし、剣を育てようが徒労に終わるというのが致命的だ

フィールドも基本、次の地点へ進むためのコピペのマップがほとんどをなしており
探索中に戦闘が起こるだけでマップを探索する楽しみも皆無
剣を拾いにもぐる異界にいたっては、全マップ1種類のコピペ、色違い、間違い探し程度のアクセントという体たらく

戦闘パートも、属性を考えて攻撃すると有利になることはなるのだが
今もってる一番強い剣で殴ってるだけで普通に勝てるため試行錯誤する必要もない
シナリオのみならず、「ゲーム」部分も単なるクソでしかない

最後に、Zuse、鈴木一也氏に一言で締めたいと思う
「このゲーム自体を、なかったことにはできなかったのでしょうか?」

選評2(アップロダにUP)

 新世黙示録-DeathMarch-選評 

【メーカー】 Xuse(ザウス)本醸造
【ジャンル】 悪魔と天使と百の剣/戦略RPG
【プレイVer】1.04→1.05→1.06

1.はじめに
本評は「チーズチーズ言うけど選評来ないからどんなもんなんだ」という軽い動機と「どうせなら選評にしてみるか」という偏った視点でプレイしたものを基に書いたものです。
よって実プレイ者にとって多少納得できない部分があるかと思うが、そこは寛大に流していただきたい。
本プレイはBGM、ボイスおよび効果音をミュートした状態でプレイしており、[3人ルート(脱出Aルート)]→[姉ルート]で進行したものである。また[2人ルート(脱出Bルート)]および[妹ルート]は未プレイであることも注記しておきます。
また未プレイ者には申し訳ないがネタバレを含むこともご容赦願いたい。

そしてこの場にて本作品の攻略wikiを作られた方々に感謝を。攻略wikiがなければストレスでブン投げていたと思います。本当にありがとうございました。

2.RPGパートとシステム
RPGと一応は銘打っている以上、まずこの部分から記すのが筋であろうと思われるがその前にコンフィグなどのシステム面に触れておく。
画面モードや文字速度、サウンド項目とあり、3D画面の明るさも設定できる。まあ個別ボイスの設定がないなどと細かい部分を言ったら限がないが特にそれは問題ではない。
しかし、項目があるのに設定できないのは問題である。
メッセージ窓の透明度とシステム音だけは項目があるにもかかわらずまったく変更できないのだ。透明度に関しては技術的な問題なのか、おそらく透明化すると付随しているフェイス窓まで透明になるからであろう(筆者は、おそらくバグであると思われるが、メッセージ窓が透明になった際フェイス窓も透明になったのを確認している)。システム音に関してはどうして変更も無音化も出来ないのか推測も出来ない。この音、記憶にある限りでは攻撃時の斬撃などの音である。早送りするとエフェクトとともに消えてしまうのでそれで十分ということなのだろうか。
さらにはセーブロード画面である。画面の右半分ほどを占める窓があるのだが…何のためにあるのか当初判らなかった。何せ背景画像の飾りと思っていたくらいである。シナリオを確認する際どの選択肢のデータか判らなくなった際、サムネがあればと思った際に「あ、これ本来はサムネ窓か」と気づいた次第である。スタッフ的にもどうでも良かったのだろうか。

続いて本筋のRPG部分であるが……。
正直必要だったのかと問いたい。「ADVだけじゃ飽きちまうだろう?だから合間合間にRPGを挟むんだ」と言われた気分である。それくらいRPGパートは少ない。少ないうえに作業である。何故なら大抵の場合、単なる移動だけだからである。
その移動もストレスフルな作りで、マウス操作あるいは方向キーなどで3Dマップをコンパスなしで走らされるのである。当然ミニマップやマップもない。しかもキーでプレイするとまずキャラクターが走るため、左右を確認しようとするとそっちに走った挙句、プレイヤーにその横顔を見せつけるのである。これはカメラの追尾開始が遅く、カメラが壁などに当たらない限り方向転換しないためで、左右を確認するためにはいちいちカメラリセットしなければならない。さらに厳しいのは後ろに移動するときだろう。その場で振り返ってくれる…なんて期待してはいけない。Uターンである。キャラクターは見かけ上人間型である。なのにUターンである。しかもカメラを見たまま近づいてくるのである。
とはいえ、大抵は直線一本道なのでそれほど困ることもないだろうと…思いたかった。中盤の洞窟、団地(帰宅の場合)、終盤の各剣のマップは本気で迷う。自由にならない視界のなかで方向すらわからず探索させられるのである。それでも適当に進めば何とかなる辺りは、大抵が一本道マップであることも含めてスタッフの慈悲だったのかもしれない。だが3Dでマップ作る必要はあったのかと問いたいが。

一方、敵のグラフィックは割と作りこまれている。女性系の敵は評価しても良いだろう(ただしイビルアイ系テメーはだめだ。あと男と化け物はどうでもいい)。色を変えるだけで別扱いすることを除けば、だが。
しかし、その利点も戦闘そのものが手間のかかる作業のためまるで感じられない。
戦闘も剣のアイコンを相手に移動させるか、画面端にあるキャラクター名を選択して剣を選択するという無駄に手間を要求するのである。その上行動力が設定されているため、剣の行動消費量次第では最悪一人だけが一回だけ攻撃できるという状態にもなりうる。幸い剣は複数装備できるのでそうそうそういった状態に陥ることはないだろうが、それでも面倒なことには変わりない。ctrlキーで早送りできるとはいえ、敵の攻撃動作がもっさりとしているので尚更手間である。
シナリオの進行によってオート戦闘が可能になった際「ねんがんのオート戦闘をてにいれたぞ!」と思ったのはきっと筆者だけではあるまい。

そしてRPG部分を更に作業化させるのはこの【剣】の存在である。
一応主人公たちも敵にも属性が設定されていて、弱点属性ならダメージが上がり、クリティカルも発生する。だが、正直特に狙っていくものではない。某ゲームのように「火力を上げてとにかく殴れ」なので攻撃力の高い剣を拾って殴っているだけでほぼすべて何とかなる。その剣も次のマップに行けばより強いのが入手できるので合成しなくても何とかなる。
まあこれはプレイヤー側の問題であって、ちゃんと属性を突いてという戦い方が出来ないわけではない。だが、このシステムを無意味なものにするのはプレイヤーの怠惰ではなかった。制作サイドがこれを無意味にしていたのである。
さきほど、ほぼと言ったのは一部の敵に「○○属性吸収」というスキルがあるせいであり、ラスボスに至っては「全属性反射」である。まあ、ラスボスの全反射はまだいい。しかし属性吸収は問題である。剣は万能と三属性に分かれているが、属性剣は単一の属性だけを持っているわけではない。たとえば神剣は神属性の剣ではあるが、同時に聖や魔の属性ステータスを持っている。これにより、聖属性吸収の敵に神剣で攻撃すると、確率で発動とはいえ、スキルによって剣の聖属性の攻撃力を基準にHPを回復されてしまう。大抵の場合1だがダメージを与えられないので手痛い反撃によってこちらが倒れる場合もある。システムが属性戦術否定してどうするのだ。
なので、弱点を突く戦術よりも何も考えずオートで殴ってた方がマシという結論に至るのである。ラスボスの全反射は進行上入手する万能属性剣に剣を食わせて戦えというお達しなので、それほど問題ではない。主人公以外のパーティーメンバー二人は暇を持て余すだろうが。

結局本作品において、RPG部分はADV部分の合間に挟まれるただの作業にしか過ぎないのである。

3.総括
登場人物とシナリオの詳細については長くなるので別にまとめることにする。筆者の推測や考察も含まれると思うので興味がなければスルーしていただきたい。

本作品はエロゲー(エロがメインでゲームはおまけ)ではなく、美少女ゲー(ゲームがメインでエロはおまけ)である。ゆえに別にエロシーン自体が少なくともそれは大きな問題ではない。ロリシーンが多いことについては筆者自身としては抗議したいが。
だが、「悪魔と天使と百の剣/戦略RPG」と銘打っているがその実、ただのADVであり、RPGとは名ばかりの作業である。正直普通にADVで出せばよかったろうにとも思う。
では肝心のシナリオと言えばそれもいただけない。別段それほど難解というわけではないし、整合性の取れていない部分はあるとはいえ、破たんしているわけでもない。だが、首は傾げざるを得ない。ほぼすべての場面を主人公の一人称で構成しているため、プレイヤー側としてはまず「主人公が見ている/感じていることと実際の出来事、現実は食い違っている可能性がある」という前提に立たないと理解に苦しむようになる。
さらにプレイヤーの理解を苦しめるのが主人公の性格である。とにかく自己卑下的で、自己陶酔型のネガティブ思考の割には自信過剰(実際は過剰どころでなく惨状)で調子に乗った挙句、主体性がまるでないという有様である。そのような主人公の一人称を読まされるのである。失敗するたびに長々とネガティブハッピー自己陶酔タイムに入る主人公の、である。
そんな一人称で語られるのは、その都度目的を見失うネガティブルーピーが誰かに利用されて、とりあえず目についた敵を倒し続けて、自殺と巻き戻りを経験して、最終的に神となって真ヒロインと一緒に行くという一本道の話である。
長々と読んだシナリオがそれである。タイトル画面の二人はヒロインですらない。セーブ画面で主人公の隣にいるのはヒロインであるが、真ヒロインではない。
シナリオ展開としては悪くはない。ありきたりと言ってしまえばそれまでだが、けして悪くはないのだ。悪いのは何で主人公をあんな設定にしてしまったかということである。
とことんネガティブルーピーが盛り上がりポイントをぶち壊していくのだ。というか何でこいつの一人称なんだと問い詰めたいくらいである。
文章が読みづらい、理解しづらいといった原因はすべてこの主人公のせいである。それさえなければここで語られることは……いや、RPG作業があるからどの道語られたかもしれないが。

以上から結論として、本作品は「悍ましく名状しがたい何か」である。
RPGでもなく、ただただ終始イライラするだけのルーピー主人公による一人称ADVという正体に、多くの者がこの惨劇をなかったことにしたかったろう。失った金銭を取り戻したかっただろう。しかし悲しいけれど、これが真実。そして現実である。
失った金銭と、そして何よりも尊い時間は決して戻らないのである。

そのことを魂に刻み込んでここで筆を置くことにしよう。

――以下、蛇足となる登場人物とシナリオです――
+ ...
1.登場人物

  • 鳥海知空
本作の主人公。ロキと国津神の間に生まれた子であり、ほぼすべての結界を無効化する能力を持つ。また世界を改変する力もあるため、自然の摂理により生死を分かつ場面に遭遇しやすい。まさにファイナルデスティネーション状態。
なおアンドヴァリ曰く「後ろ向きでダークでちんぴょろすぽん」「知能指数の不自由」

  • 鳥海鈴珠
主人公のオカルト雑誌を愛読する妹であり、兄と同じくロキの子。ただ兄よりロキの血が強いため、悪魔化する危険性があり、だいたいそれを利用される。
主人公介護要員の一人で、いないと主人公が死ぬ。
タイトル画面にいるがヒロインではない。

  • 荒渡琉華
近所のおねえさん。怪しげな武術の後継者であるが、肝心の哲学が欠けている流派らしく、常々「本当の強さ」を求めている。「誰かのために強くなる」ことに縛られすぎたせいか、自己犠牲精神が強い。
やはりタイトル画面にいるがヒロインではない。

  • 天宮史音
本作のヒロインにして主人公介護要員。主人公の幼馴染であり、ファイナルデスティネーション主人公が死ぬたびに寿命を削って時間を戻してきた。その結果主人公が高校で再開する前に病死している。前半と後半で性格が異なるが、盲目的に主人公を想う姿勢は変わらない。
セーブ画面に主人公と一緒にいる。

  • 白川生
主人公の学校に転入してくるブラコン。その正体は超常研の戦闘部隊に所属するエージェントであり、前半では主人公兄妹の抹殺を、後半では保護を命じられている。口調は古風をぶち抜いて古典である。

  • 佐倉光太郎
主人公の親友…と思っているのは彼だけである。母子家庭で、苦しい家計を自らもバイトで支えるなど母親想いの一般人。何故かひどい扱いを受け続ける。

  • 千波常時
白川の同僚で兄代わり。前半では白川の説得も聞かず主人公たちを攻撃し、天宮消滅の原因を作った。後半ではその逆恨みで主人公に襲われるなどさんざんである。

  • 李晴明
その正体は天使レミエルであり、表の顔として病院の院長と永遠の生命教会の主教という顔を使い分けている。ゾンビを蔓延させた元凶であり、その目的は審判の際選ばれなかった善人の救済である。鈴珠の悪魔化を止めることを条件に主人公を利用する。

  • カービン
レミエルの僕であり、前半の冒頭から主人公たちをレミエルのもとに誘導する役割を担った。アルルーンの洞窟でロキと戦い絶命する。

  • 倉崎天名
後半から登場する日本の守護者にして龍脈の管理者。その正体はアマテラスであり、天宮に時送りという時間巻き戻し能力を与えた。白川や千波を指揮できる立場にあり、もしかするとロキ以上に今回の黒幕なのかもしれない。
本作の真ヒロインである。

  • ロキ
主人公兄妹の父親であり、世界の終焉を企む魔王。
その割には育ての父親に憑依して主人公兄妹を育てていたり、デスマーチ相手に荒渡が一人残った際に憑依して助けたりと子煩悩疑惑が離れないパパである。

  • 月の子モンデキント
妹ルートに行かないと後半になって突然現れる存在である。アルルーンクィーンとロキの間にできた子で、龍脈から作られたエネルギー体である。

  • アンドヴァリ
チュートリアルマスコットであるロキの僕で、剣の合成を行う鍛冶師である猫もどきの何か。空気を読めないというより、読まないようで基本的に主人公たちを馬鹿にしている。だが、ロキと並んで本作の清涼剤でもある。
ルシファー入手の際、テリオン合成を邪魔するためにロキから殺されかかるが、虫の息でテリオンを合成して…死ぬかと思うじゃん?残念普通にぴんぴんしてます。
作中唯一ロキを出し抜いたキャラクターかもしれない。


2.シナリオ
本項は筆者のプレイを基に作成され、筆者の推測などを含みます。実プレイ者にとってシナリオの解釈はそれぞれに異なると思いますが、どうかご了承願います。
また便宜上、メッセージ窓に一度に表示される文章を一行として扱い、RPG部分が始まるまでをプロローグ、RPG部分の終了以降をエピローグとして扱います。
なお「」内は一応原文から抜き出したものです。

  • プロローグ
一日目。
日課のように夜中に散歩する知空の前で犬が車に轢かれる。
知空の特性から‘習慣になるほど唐突な出来事に対して敏感に動けるように意識している’が、犬が轢かれることが判っていたのに‘気づくのが遅れる’という盛大なるポンコツぶりを発揮する。
犬を轢いたカップルのその軽い態度やまるで罪悪感を覚えていない態度に怒りを覚えるも、何故か社会や世界に対する批判にたどり着く意識の高さを見せつけるが、その知空の行動原理は「自分が気持ちよく終われないと気に入らない」なので他人を批判できる立場ではない。
ともかく清掃局に通報すると、手を合わせて犬の遺骸を道路脇に移動させる。なお知空にとってこの行為が「供養」だったりする。
二日目。
深夜徘徊のせいで盛大に寝坊する知空だが、遅刻しそうというのに朝から荒渡といちゃいちゃして当然のごとく遅刻する。鈴珠や母親が遅刻しないように配慮してくれたというのに。
荒渡に乗せられたバイクで移動中カービンを目撃するが、とりあえず幻覚だと自分を納得させる。だから、どう考えてもそのヘルメットの被り方だと首が絞まっているのではないかとか、結構な速度を出しているバイクで普通に会話できているのもプレイヤーの幻覚である。
体操着を忘れたので体育をサボる。サボった際、教室で転入してきた白川に出会うなり生命の危機や死の危険を感じるが、とりあえず会話を試みようとして「人間よりも数倍も大きい犬がいるかどうか」と聞くという暴挙に出る。挙句肯定され、今夜会うことに決まる。なので白川に感じた危機もどっかにブン投げて、軽い気持ちで佐倉や天宮、鈴珠を誘う。ひょっとしたら肉の盾のつもりなのかもしれない。
だが、そこは粗忽の極み。知空が住む団地で会うことは決めたが、初対面の相手と団地のどこで待ち合わせるか決めていない。当然、捜索することになるが佐倉が合流したので屋上で花火を楽しむことに。結局白川はスルーである。ひとしきり楽しんだ後再度白川を捜索するが、異界に迷い込み、ロキとカービンの誘導を受ける。
三日目。まだプロローグが終わらない。
知空が知る由もないが、この時点で天宮が白川の正体も目的も知っていることが明らかにされる。しかしまだ調査段階で抹殺段階ではないことにほっとする天宮。
放課後鈴珠と一緒に帰る知空。途中神社に立ち寄るが、茂みからこちらを窺う不審者に遭遇し逃げ出す。この不審者がこの日話題になった通り魔(現段階では女性のスカートが切られたのが最大被害)と思われるがそうだという確証はない。またこのとき、演出の都合とはいえ、どう見てもバックステップで逃げているように見える。
ようやくチーズの時間。
何故神社でメールを返信するときに母親はついでに頼まなかったのかは疑問だが、そこは知空の育ての親である。察しよう。
エレベーター前で怪我をした防災担当金本さんから「君たち夜は恐ろしいぞ」との警告を受ける。そんな金本さんを風変わりだからなとスルーする二人。
駐輪場に着く前にあやしい人影を見た気がする知空。自転車がパンクさせられ、こんな危険があるなら鈴珠を連れてくるのではなかったと後悔する。だが、誰がやったのかと言う疑問は当然浮かばない。
近くにまだ犯人がいるかも、いるなら捕まえようという威勢の良い鈴珠に「犯人を捕まえるのがベスト」と思う知空だが、その結果は……。
警護対象である鈴珠に死角のカバーを任せ、人影らしきものを見つけると「犯人を捕まえる」という感情に任せ、相手をろくに確認もせずに背後を取るべく威勢よく飛び出す。だが相手は帰宅途中のOL、勢い任せの勘違いに後悔する知空だが、その行動はどう考えても強姦魔。こいつの方がよほど不審者である。
その挙句鈴珠を見失う。すぐに顔を見せたので何事もなかったが、後ろに着いてきていると思い込んでいた知空、「なんて僕はバカなんだ」と反省する。反省するだけであるが。
林近くの道で異臭を嗅ぎ取る二人。鈴珠に止めようと言われても「ちょっと様子を見るだけだ」と異臭のする林の中へ。このシーンの16行前に「その時々の気分で動いていては誰一人救えない」と後悔したばかりである。林の中の人影に近づくと死亡エンド、無視しても鈴珠を一人で帰らせると死亡エンドである。特に鈴珠を一人で帰らせると「あたしが居た方が絶対危険回避出来るんだから!」と言われるが、実際その通りなので救いようがない。ヒトコロスイッチ状態の知空だが、その死亡原因は大抵自業自得である。
なので何のために林に入ったのか判らないまま、人影を無視して二人一緒にコンビニに向かう。移動中に警察に通報。電話で忙しそうな警察官から家に帰れと言われるがコンビニに強行。チーズの何が二人をこうまで駆り立てるのかまったく理解できない。
帰宅途中、警戒中の警察官に陸橋で見かけた人影のことを報告する。陸橋のほうにかけていく警察官、その後銃声が響く。助けに行くと錯乱した警察官に撃たれ死亡エンド。
厄介ごとは警察官に押し付けて帰宅する二人。不審者がいたということと自転車がパンクさせられたことを伝えると驚愕する母親。この反応を見る限り、駐輪場の段階で引き返してもなんら問題なかったのではないだろうか。何故ここまで知空はチーズに拘ったのだろうか。ひょっとしたら鈴珠の貧乳を気にする兄心なのだろうか。
夕食を終え、くつろいでいるとようやく惨劇が発生する。
ベランダの緊急避難口を破ってお隣の山田さんのエントリー。ベランダからガラス戸を叩く山田さんを一目見るなり、知空は「細胞が壊死している」と判断する。素人が一目見ただけで判るのだろうか。
山田さんが怪我をしている思い、室内に入れようとする母親を懸命に止める二人。「僕たちの反応が異常なのか、こんなときまで日常的にふるまう母さんが異常なのか」と知空は考えるが、大抵の人はお隣さんが大怪我して助けを求めていると考えるのではないだろうか。さらに良く考えれば異界に迷い込んだときは悪夢として処理されているので、知空たちにとってもこれがゾンビとの初遭遇である。単にお隣の山田さんが嫌いなだけなんじゃないだろうか。
荒渡が声を上げてドアを叩き知空たちの安否を確認するが、鈴珠が怯えて玄関を開けに行ってくれない。
ここで[脱出A]と[脱出B]の分岐になるが、ここでBルートに行くと侵入してきた山田さんを知空がタックルでベランダから突き落とし、母親に非難されるという展開になるのだが、山田さんに襲われるどころか触れられてさえいないのに母親の首筋に突然噛み傷が出現してゾンビ化するという理解不能な現象が起こる。山田さんはスタンド使いだったのだろうか。
一方[脱出A]では玄関を知空が開けに行く間に侵入した山田さんに母親が噛まれるという無理のない話になる。なおこちらでは鈴珠の悪魔化は起きない。
これでようやくプロローグが終了。人にもよるのだろうが、RPGに入るまでおおよそ3時間程度はかかった。

  • RPGパート 団地内~団地外まで
アンドヴァリ登場。空気を一切読まないテンションで勢いのまま剣を知空と鈴珠に押し付ける。どうせチュートリアルなので、そこに意味を見出してはいけない。なお荒渡は家に伝わる剣を持っている。
知空たちが住まいがある7階から8階へ。団地やマンション住まいではない方にはピンと来ない話かもしれないが、この団地の自治会は緊急時に自治会長のところ(個人宅)に避難する規則があるらしい。無茶である。当然自治会長の身内や付き合いの深い人たちでいっぱいらしいので避難を断られる。常日頃のご近所付き合いは大切にしよう。
結局会長宅にゾンビが侵入し、助けられるわけもないので逃げ出す。一応説得していればと「救うことができたかもしれない」という後悔をする知空だが、どうせ連れ出せても道中で襲われ後悔トリップすることは目に見えているのでスタッフが気を利かせてくれたのだろう。
3階、1階へと降りて遭遇する「ゾンビの群生」。セイタカアワダチソウか。小山田先生に謝れ。ともあれ「突破するぞ」と知空。幾ら相手に生命を感知する能力があるとはいえ、首の上に乗っているものを使えと思う。バタ子さんがいれば解決するのだろうか。荒渡は荒渡でペンギンの例えを持ち出し、自ら犠牲になりに行くスタイルを発揮しようとする。一応フォローすると、この時点で荒渡はゾンビ化した父親によって感染しているのでその辺りのこともあったのかもしれない。だが、戦術的に幾らでも対応策はあるだろうに。
結局カービンが現れ、ゾンビたちが道を開けてくれる。カービンの登場に「いままで供養した動物たちが助けに来てくれた」と思う知空。カービンと意思疎通できるのは鈴珠で、挙句カービンに死の恐怖まで感じていたのに都合の良い思考である。
カービンに病院に向かうように誘導されるが、動かされている気がする知空が自己陶酔しだすが、病院のパーティーに出席している天宮が心配だと言っていたのはなんだったのだろうか。
ゾンビの群れを抜け、緊急避難先でもある病院に連絡を取る。「彷徨者(ゾンビ)による感染に対しての対処も万全」という病院に疑問を持たない知空と鈴珠。

ここで異界の説明。アンドヴァリが「後ろ向きでダークでちんぴょろすぽんな」かつ「知能指数の不自由な」知空に剣と異界の関係を説明してくれる。さらりと「理解してるかしてないか知らんが世界は何度も破壊と再生を繰り返している」と根幹にかかわるような内容を説明して、知空に結界無効化の空き巣能力があることが告げられる。

  • 陸橋~コンビニ
団地を抜け陸橋へ。陸橋で錯乱した警察官と遭遇する。厄介ごとを押し付けられてしまった警察官は哀れSAN値が直葬されてしまったらしい。当然近づくと死亡エンドなので下の道路に降りることに。
先に降りた知空が鈴珠のパンツをガン見していちゃつき痴話喧嘩発生。当然警察官に気づかれる。パンツを見る/見ないという選択肢はプレイヤーには用意されていないので強制である。
コンビニ辺りを境に結界が張られている。特殊な結界なので知空の空き巣能力では無効化できないようだ。付近の事故車両が天宮家のものであることが判るが、天宮の姿はない。ネガティブ妄想に入る知空だが、荒渡に叱咤され生存していると信じて佐倉のいるコンビニへ。
ゾンビと化した小野寺(佐倉の同僚)に襲われ、混乱している佐倉。小野寺を倒してもまだ事態を受け入れきれていない佐倉に知空が「現実逃避はやめろ!」と言うが、頻繁に意識をネガティブお花畑に吹っ飛ばすお前が言うな状態である。
案の定粗忽な知空たち。小野寺に止めをさしていないので、佐倉が防犯用にあった金属バットで片思いしていた小野寺を何度も殴りつけて止めをさす。佐倉だけ日常からずっと扱いがひどい。
トイレに行った荒渡の様子がおかしく、悩んでいることに気づいた知空だが、ダジャレが言えるのなら問題ないとスルー。いまだゾンビのことを割り切れない佐倉だが、小野寺を押し付け奥に引きこもった店長は最初からゾンビ化していたのを知っていたのではないかと疑問に持つ。知空は何も考えてない。
警察官が助けを求めてコンビニに現れる。助けたものの感染者で、鈴珠を人質に取られる。この時警察官が向けてくるリボルバー拳銃が装弾6発だったり、弾倉の穴が6つ見えてることは気にしてはいけない。とっさに撃てないんじゃないだろうかと気にしてはいけない。
仲間をおいて自分だけ逃げてきた警察官を人質の鈴珠が「サイッテーなやつ」と煽る。自治会長宅の生存者を見限ったことはもう忘れているらしい。
病院の様子を見て来いと命令されたので荒渡とともにコンビニを出ようとすると、荒渡から感染していることを告げられる。荒渡の感染を否定すると性的合体寸前に警察官とデスマーチに踏み込まれ死亡エンド。
なので感染を認めると、休憩室で異変が発生。ゾンビ化した店長が出現し、警察官に襲い掛かる。その際鈴珠を助けるために、佐倉が警察官の腕を切り落としていた。汚れ仕事ばかりさせられる佐倉。
伝道師が率いる死者の行進(デスマーチ)がカメラに映り、感染していた荒渡を残して知空たちはコンビニが囲まれる前に脱出する。脱出するのはいいが、コンビニでゾンビ相手に無双するお姉チャンバラ状態の荒渡を見ながらだらだら感傷にふけるのはやめてほしい。

  • RPGパート 林道
ねんがんのオート戦闘をてにいれたぞ!
それは置いておいて、病院に向かうデスマーチを見て「このまま行くしかない」とまた知空の無謀な自信が発揮されるが、鈴珠と佐倉にたしなめられる。
林道を使って迂回することを提案した佐倉に対し、安全に迂回するため何故かあった花火を使ってゾンビを引き付けることを知空が提案する。だが、先行させようとした佐倉に「森は海と同じ、昼と夜とで姿を変える」「知ってるだけで判ってない」と説教を受けることに。知空は周囲に人がいなかったらとっくに死んでる。
説教が理解できなかったのか「すぐに後に続くから」と言う知空に佐倉も「こういう顔の時は信じられる」と応じる。佐倉は諦めたのかもしれない。
林道を抜けようとすると、鈴珠に喘息(実は悪魔化)の発作が起きる。筆者は喘息について疎いのだが、幼い時少し発症した喘息が再び発作を起こすのだろうか。
動きの鈍った鈴珠のため時間を稼ぐべく、ゾンビの足止めにかかる知空。当然目的を見失い、狂戦士と化してゾンビの殺戮に夢中になる。なお林道マップに入るとアンドヴァリから状態異常:バーサークについて説明を受けるが、このためだったのかもしれない。
鈴珠の声で我に返るが、狂戦士化の反動からゾンビに囲まれているというのにネガティブハッピー自己陶酔タイムに突入。一通りトリップしたらゾンビが全滅していた。佐倉が言うには知空が倒したらしい。トリップ中に皆殺し、よくこんなのと一緒にいられるものである。
白川が登場し、鈴珠の様子を診るため一旦学校へ。保健室で鈴珠の異変に気づく白川だが、鈴珠の心を読み取り仲を深める。再び病院へ向かうことに。
病院付近にデスマーチを発見、迂回して林道へ。デスマーチを率いる伝道師に立ちはだかる天宮。生きていた天宮に近づこうとして知空は危うく焼き殺されかける。白川が居なければ死んでた。
合流した天宮から病院が永遠の生命教会であり、ゾンビの出現に大きく関与していることが明らかにされる。
アルルーンに絡まれていた伝道師を救出したり、アルルーンに襲われたりしながら林道を抜けると、再び鈴珠の呼吸がおかしくなる。学校で喘息の薬を使っていたが、天宮が喘息の症状ではないと説明する。
病院へ。

  • 病院
病院に着くなり、玄関先で「過呼吸だよ、それなのに喘息だと思って薬飲ませちゃった!」と騒ぐ天宮。鈴珠の症状が喘息ではないと看破した当人なので、おそらくは急いで診てもらうための演技だろう。知空の前では猫をかぶりまくるが、実は結構腹黒いのかもしれない。
だが白川から、病院内の人たちに人でないもの(復活者)が混じっていることを注意される。このため簡単に鈴珠を任せるわけにはいかず、「何が真実、どこまでが現実」と悩むことに。
看護師長が現れ、鈴珠を引き取る。そのまま知空たちを院長である晴明のもとに案内する。病院4階で佐倉が母親の様子を見るため離れると、院長に会えるまで待たされることに。
指定された部屋とは別の部屋で警戒する天宮。密着する身体に興味津々の知空。意識してしまったせいか、天宮はカメラの死角に入って……と妄想してしまうが、看護師が呼びに来たのですぐに我に返る。
院長に会いに行く途中、母親の様子を見に行っていた佐倉の声で病室へ。そこにいたのは若い女性。母親だと名乗る女性に混乱する佐倉。女性に知空が尋ねると若返ったのだと言う。
理解できないまま晴明と会うことに。知空の特殊性と血筋が明らかになり、ゾンビと復活者の違いが説明される。「この事態から救い出すのは善良な民だけ。悪質なものは生きる資格はない」と惨劇前の知空が言っていたようなことで知空を誘う。
情報を集めるため、許可を得て病院を探索することになる。
地下の霊安室から隔離施設へ。霊安室の戦闘で忌まわしい聖属性吸収スキルにより、オート戦闘への依存が深まる。弱点とかもうどうでもいい。
隔離施設で苦しむ鈴珠と再会する。檻の中に入り、悪魔化の進行する鈴珠を抱きしめるが狂暴化と幼児退行に身の危険を感じて無理矢理引きはがすと死亡エンド。
なのでそのまま抱きしめていると、今度は鈴珠に尻を揉まれて勃起する知空。ここで鈴珠のお願いで勃起したイチモツを見せつけると、当然食いちぎられて死亡エンド。
隔離施設の出入り口には天宮と白川がいるので、イチモツを見せずに鈴珠と別れる。鈴珠の悪魔化を治療するため晴明の言う希望に縋る知空に白川が「いまた覚悟に至らぬか」と警告する。そばにいる天宮は白川の任務を知っているだけにヒヤヒヤだろう。
看護師長が現れ、伝道師を殺したことを怒られる。発覚すると晴明から咎められるので、儀式も始まるからとっとと隔離施設から出て行けと言われたので出ていくことに。ただ復活者である伝道師が死んだことに「蘇生の気配は見て取れたのに」と天宮が疑問を抱くが、残念ながらその答えはない。
引き続いて病室を巡り情報収集。怪しげな男性患者から天宮の父親が、儀式に使う霊薬の量産を拒んでいたことを聞き出す。このとき天宮の人見知り設定が顔を出すが、やはり演技のような気がする。なおこの世界にも「ミトレア教団だとかメシア教団だとか」があるらしい。放置していても腕にハンドベルトコンピューターを着けた少年が解決してしまうんじゃないだろうか。
「ここで聞かないのは嘘だろう」と知能指数の不自由さを垣間見せて、看護師から話を聞くと看護師も復活者であることが判明する。おそらくは病院の医療関係者は全員復活者なのだろう。続いて鈴珠の愛読するオカルト誌の記者から晴明の素性と看護師長が50歳を過ぎていることが判明する。佐倉の母親と同様に復活者になって若返ったのだろう。
病院5階の礼拝堂でゾンビを復活者にする聖別の儀式が始まる。適合しないゾンビは化け物になるので頭を潰される。
儀式の内容を知り、数に限度があるという晴明と口論へ。反論する知空に「この顔に覚えはないか」と晴明はある男を連れてこさせる。意識していなければ大半のプレイヤーがいたことすら忘れていた神社の不審者である。しかし知空にとっては「拳を握りしめる。憎しみしか抱いていなかった対象」で、感染している不審者も助けるのかと言う問いにも「そんな男はどうでもいい」と吐き捨てる。神社のあの一瞬しか出番のなかった彼と、知らない間に何かあったのだろうか。ただ意味ありげに窺っていただけでここまでされる謂れがあったのだろうか。自転車をパンクさせた、というのは知空が見たと思っているだけで本当に彼の仕業なのかは定かではないのに。
その場の気分で突っかかる知空に晴明は潔白を主張するが、天宮が反論する。伝道師がゾンビを放ったという晴明に、晴明が伝道師を唆したという天宮。天宮はさらに両親を襲わせたのも晴明の仕業と言うが、霊薬製造の独占契約書を見せ襲撃は会社の役員たちだと反論する。知空、空気。
言いあう二人の間でどちらが正しいのか「自分でもわからない」と悩むが、何故か晴明と一緒になって天宮に突っかかる。「ゾンビを復活させていることにも意味がある」と言えば、天宮に「復活者だってゾンビと変わらない」と反論されて「変わるさ!」とキレる。さらに「天宮の考えに同意すれば状況は片付くが鈴珠は救われない」と責任転嫁しだし、「今はただ心の思うままに」と天宮と決別する勢いで晴明の側に着く。なおこの晴明との会話プレイヤーの選択でどうこうなるものではない。強制である。
結局「いつかきっとわかってくれるだろう」と懇願されて天宮のほうが折れる。一体コイツのどこに寿命を削ってまで献身するほどの理由があるのだろうか。
どれだけ犠牲を出しても善人を救済すると決意している晴明に「それで救われるのか?こんな悲しい犠牲の上で!?」と問う知空。先ほどまでの天宮との口論は一体なんだったのか。天宮が折れてくれたのにぶち壊しである。
晴明が鈴珠の悪魔化を止めたので、めでたく知空飼い犬コースへ。アルルーンを殺ってこいと言われたので殺りに行くことに。
鈴珠とカービンが合流し、1階で復活者となった母親を受け入れられなかった佐倉も合流する。このとき「見た目が違いすぎるだけでこうも拒絶しちまうとは!」と心中を吐露しているので、本当のところは知空たちと行くことで頭を冷やしたかったのかもしれない。
病院から出発する際、白川から「一線を越えれば儂は主を」と天宮から遮られるも死刑宣告を受ける。始まる自問自答タイム。「ゾンビになろうとも復活する手立てはあった」「僕はその奇跡に賭けるのみ」「もう悩むことを切り捨てて」と思えばすぐに、「先が見えたのか見えないのか。よくわからないがこれでよかったんだよな?」「当然の疑問符」と否定し「ほかに手段があるとは思えない現状ただ従う形ではあれ進む道ができたことをよしとすべき」と結論付けたと思いきや「実際には何もできてないただ人任せにしただけ」と変わる。とりあえず焼き土下座させたい。
白川の「まんまと丸め込まれたということか」との辛辣なお言葉に、プレイヤーにようやく提示される選択肢「そんな、丸め込まれたなんて……/利害が一致しただけさ」。とてもじゃないが利害が一致しただけなどとは言えない。繰り返すが晴明とのやり取りにプレイヤーが介入することはできない。知空、よもやのプレイヤーへの責任転嫁である。
仕方ないので丸め込まれてなんて、と言い訳すると「自覚なしか、始末に負えぬわ」と吐き捨てられる。天宮のストレスは計り知れない。

  • RPGパート 山道~アルルーン洞窟
アルルーンの巣を探すために、アルルーンたちを追跡するという状況。
マップを一つ越えた途端「アルルーンを倒してもいいのかな?」と言い出す知空。その前に白川からブレまくっていると自滅するぞと言われたばかりなのだが。あとそこのカービンは晴明の下僕なんだが。怖気づいたのかと問われると「わからないんだ」「本当にこの選択が正しかったのか」と言い出す。もう主体性が息をしていない。
「また始まりよったか」と呆れる白川に「つまらぬことで悩むな。白川が向ける視線はどこか怒っているように見えた」と感じる知空。おそらくそれは、怒っているように見えるのではなく、怒っているのではないだろうか。まったくもって都合のいいフィルターである。
何故白川が協力してくれるのかと鈴珠の疑問を何とかフォローしたり、白川と秘密のお話をしたりと天宮が忙しく立ち回っていると、白川がアルルーンの気配を感じる。
白川と一緒に行くか、白川に任せその場に待機するかの選択になるので白川と行くことに。
「自立しなきゃいけないんだ。だから全部を人任せにはしてられない」と白川と偵察に行くことを決める知空を、「白川だって仲間よ!仲間を信じること」も大事だと天宮が叱る。「自分の決断に後悔しないためにも」と言う理由にもならない理由で押し切るが、その途端待機させた鈴珠と天宮が「心配と言えば心配」となる知空。まったく何がしたいのか判らない。
偵察に向かっているのに警戒する気皆無な知空を、アルルーンに気付いた白川が引き倒して隠れる。住みかに戻るアルルーンを発見して、「で、どうするよ?」と目的が完全に見失った知空に白川が「目的を見失ったか?」と尋ね返す。アルルーンと話して住みかはどこかと聞こうとしていたのは知空で、出来れば戦いたくないと言っていたのも知空である。それが発見するなり、抹殺前提と言う思考に。まったく何がしたいのか理解できない。
白川が自身の素性の一部を知空に教える。白川の仲間が結界の外で兵を準備していて「これは戦なのじゃ」と聞いて、知空は「原因と共闘を組みこの世界を救済を」「判然としていなかった目的手段と相手がはっきりしだした」と思う。白川の仲間と一戦やらかすつもりなのだろうか。

トンネルからアルルーン洞窟に。基本一本道だが、行き止まりの分岐に異界がある構造なので異界に立ち寄ったりすると高確率で迷子に。一応逆進すると仲間からさっき通ったと言われる。それでも迷える心折なダンジョンである。

結界や、夜になってから時間が流れていないことを平然と語る白川に、メンバー唯一の一般人である佐倉がとうとう限界を迎える。訳の分からない状況のまま、混乱することばかりが増えて、そのまま巻き込まれた挙句言い出すことも出来ずにずっと耐えていた佐倉に、知空「わかんねーよ僕だって!でも白川がなにか知ってるんだよ!仲間一人知ってりゃそれだけでもいいじゃねーか!」とのたまう。人任せにしないと決意しておいてこれであるが、そんなことよりも超人だらけのなか、唯一の一般人を誰もフォローしてこなかったという事実のほうが重い。
最終的には和解したように、少なくとも知空にはそう見えるが、これが前半部の終わりにつながる最終的な亀裂となったとしか思えない。
なおこの佐倉が限界を迎えてからの知空と女性陣とのやり取りは本作屈指と言って良い名場面だと思う。友人思いの一般人がどんどん精神的に追い詰められていく一方、超人である主人公のどうしようもないクズっぷりがどんどん明らかになり、ひたすら主人公を甘やかす女性陣の対応と掌返し、と見どころが多い。最後の和解も知空が単に不満があったら僕を叩きなよ、それで満足なんだろ?と脅したようにしか見えないし、「まとまりを見せてまた信じ合う」と思っている知空に佐倉は背を向けたままと、和解したと思い込んでいるのは知空だけという演出もある。

洞窟の最深部に到着するとロキが姿を見せる。
すでにロキのことを知っていた白川。カービンがロキに挑み、返り討ちにされる。倒れたカービンのグラフィックについては目をつぶろう。
晴明の正体を語るロキ、知空を守るため前に出る天宮。命を懸けて挑もうとする天宮に対し、ロキは戦わずに素直に負けを認める。「お前の屍を越えてこの少年と戦ったとしたらお前はまた覚醒しただろう」と天宮の狙いを看破しているので実際にはロキの勝利なのだろう。
そのままアルルーン召喚の理由を語り、結界も政府の仕業と教えると知空たちを追い返す。帰り際に高ランクの魔剣(強くはない)を一本、お土産に寄越すあたり優しいパパである。
帰り際、白川から自分が政府組織 超常研の戦闘部隊員であることが告げられる。すぐ理解する佐倉。
トンネル出口で超常体の珍走団に絡まれているとバイクに乗った荒渡が現れ合流する。感染の疑いに警戒する鈴珠だが、知空は「バイクを乗り回してくるって事が大丈夫だって証拠」「一考するまでもなく感染しているという仮想の話だっただけ。これで荒渡は感染していなかったことが分かった」と納得する。正気っていったいなんであろうか。
ともあれ下山し、母親の様子が気になる佐倉は病院へ戻る。知空たちは白川の案内で結界の向こうにいる政府の部隊と合流しに行く。
白川の合図で結界の出入り口が開くが、当然政府部隊に囲まれる。「ごめん嫌な予感がしたのに変えられなかったよ、この運命を」とすぐに察する天宮に、「救援の自衛隊かもしれない」と言う鈴珠。しかし「違う!逃げなきゃ!私たちを見る目がおかしいよ!」と否定するが、肝心の知空が「天宮しっかりしろ!」と天宮がおかしいと言い出す。とことん天宮を信じてくれない知空の一体どこに惚れたのか、本当に理解できない。
千波が部隊の指揮官として登場し、抹殺命令を実行しなかった白川を拘束すると人質に。
その様子に「白川を信じると決めた。よってその仲間たちも信じることにしていたその結果がこれ」「とんだお門違いだった。勝手に信じて勝手に裏切られて被害者面しているだけ」と知空は勝手に思い込む。その白川は目の前で知空たちを助けようと必死に千波を説得しているというのに。
同行しろと命じられ、何をトチ狂ったのか「嫌だと言ったら?」と挑発で返す。当然千波は部下に発砲を命じ、天宮は知空を庇うため防壁を張って立ちふさがる。天宮が銃弾を防ぐその様子にまず思うのが「小結界?マジックシールド?僕が思わず繰り出した能力か」であるあたり、どれだけ自分を過大に評価しているのだろうか。本当にどうかしている。
激しい銃撃に曝される天宮。その一方「判ってる。天宮が身を挺してこの状況を作ってくれていることは判っている」にも関わらずその場でトリップする知空。さらには「絆なんてものはなかった。互いの利害に合致していただけだった」と勝手に白川を裏切り者に仕立てあげ現実逃避し、天宮が懸命に奮い立たせようとするもそれを無視。とうとう最後に自分を被害者に祭り上げ、身を挺した天宮の献身を無駄死にに変えて台無しにする。
被弾し、消失していく天宮。その死すら「そうだ。だから僕は動けなかったんだ。消えていく天宮を残しては」と自己弁護に転用する。何でこんな主人公にした!言え!

  • RPGパート 超常研[姉ルート]~病院
身柄を確保されて研究所に。
一人で隔離されたせいで、とりあえずトリップする知空。荒渡が入室し、そのまま初体験。行為後荒渡がいなくなっていて戸惑っているところに、通信で研究員から事態の説明を受ける。銃弾を浴びたが、転倒時の怪我しかないのは弾丸が超常体用で人間には効かないとの説明を受ける。
天宮が回収されていないこと、そして見殺しにしたうえ無駄死にさせた天宮の最後を思い出し、キレて暴れだす。単なる八つ当たりである。
通信も切れたところで再び荒渡が現れ、助け出されると荒渡の無事を喜びながら言い訳しだす。狙い通り慰めてもらえる知空。同じく隔離されている鈴珠を探すことに。
実験室に隔離された鈴珠を発見。当然実験と言う名のエロ行為をされているが、これそういうゲームだから仕方ない。ドアを開けようとすると警報が鳴り、知空と鈴珠が実験体と呼ばれていることが判明する。荒渡が切断した研究員の腕でドアロックを解除する。指紋認証なので手だけで十分なのではないだろうか。手だけなら知空の隔離部屋のドアロック外す際にも判らないし、この知空ですら「それに気づけない自分の視野狭窄。自分は何を見ていたというのか」と悩むことはなかったろう。
ともあれ鈴珠と合流するが、二人からここまで一緒にいた天宮の記憶がごっそりと消えていることが判明する。錯乱扱いを受ける知空だが、もともと錯乱しているようなものなので気にならない。
研究所を脱出する際、1階ごとに天宮視点の思い出を見る知空だが、思い出を見るたびに天宮の記憶が無くなっていく。白川を探すよりも佐倉を迎えに行くことに。
病院に着くなり、首のない死体が積まれた山に出くわす。死体の山に「実際に目の前にして今更になって」「これが間違っていたこと。選別が誤っていたことを痛感する」と反省する知空。鈴珠の悪魔化の危険性を思うも、復活者たちと対立。佐倉を捜索しながら、礼拝堂に向かう。途中荒渡から「復活者って何?」と聞かれるが、詳しくわからないとスルー。考えると知らない荒渡を復活者と戦わせているので、実際は違うとはいえ荒渡からすると普通に殺人である。説明位してやれ。
結局佐倉は見つからず、礼拝堂にて晴明と対峙する。その直前、礼拝堂前で看護師長と強制エンカウントするが通常エンカウントと同じ扱いである。セリフの一つもあればまた違ったろうに。
晴明が正体を現し、知空と鈴珠の「抵抗する意志が削ぎ落とされる」が、荒渡のみ平然として二人を立ち直らせ戦闘へ。
晴明こと天使レミエルを撃破すると礼拝堂に佐倉が駆け込み、晴明の死に激怒するとそのまま鈴珠を後ろから刺し貫く。鈴珠の救命も忘れて、知空は怒りに任せて佐倉の首を絞める。
頸動脈を抑えられながら佐倉は知空に対して思っていた本音をぶつける。
「覆いかぶさる私怨に腰が引ける」知空が首を絞めながらとうとう佐倉に対して本性を見せる。母子家庭だと見下していたり、不細工だと思っていたり、そばに置いておくと自分の評価が上がると利用していたり、生まれて時点で格差があるからなどの本音をねちねちとぶつけ、じわじわと絞殺しにかかる。こう、用済みになった鉄砲玉を処分するように絞殺すと、「はは。口げんかは終わりだよ」と言い捨てる。相手が反論できないように首を絞めて罵倒したり嘲る行為を口喧嘩と言ってよいのだろうか。それともこれが知空の口喧嘩スタイルなのだろうか。
そして明らかになる佐倉の扱い。「友情なんて僕も佐倉もさして信じてない」「知人でいい」。自分が友情などを信じていないから、命を懸けて着いて来てくれた間柄を知人扱いである。知空さん、実にクズクズしい。
そうして佐倉を絞め殺した事実から逃れるため始まる責任転嫁。晴明やロキのせいかと思いきや、とうとう剣のせいに仕出す。
ただ静かにその様子を見ていた荒渡が突然大笑いしだす。ずっと静かだったのはなんとか笑いをこらえていたのだろう。荒渡に憑依していたロキが現れ、「早々、お前は妹を見捨てたな?それでいて仲間を殺すことで気持ちを落ち着かせたな?」と指摘して去っていく。
現実から逃避して、荒渡と自宅へ。
さらなる現実逃避のため、荒渡と自暴自棄合体。知空は哲学ポエムりながらだが、荒渡は知空をケアするために無理をしているようにも思える。結局立ち直れず、朝の屋上へ。荒渡が言うにはロキに憑依されたのはコンビニでデスマーチを相手にしていた時で、研究所の初体験は夢幻ではない。つまり知空の初体験はパパンである。
ロキに憑依されていた時は止まっていた感染も再び進行し、ゾンビになる前に荒渡は屋上から飛び降りる。共感能力で荒渡の記憶を感じ取り、知空はそのまま後追い自殺する。

ここまでが前半です。なお設定は時間遡行ですが、以降の展開が時間遡行だと少し理解しがたいため、前半部分をこれより【前世】として扱います。

エルシャダイ式巻き戻りが始まり、後半【後世】の開始。ちゃんとマップを前を向きながら後ろに移動してます。

  • 後世
自殺したはずなのに生きていることを不思議がる知空。視認はできないがゾンビがいる中で呆然とする知空だが、当然場面が朝から夜に変わっているのにも気づかない。
団地から逃げるようにコンビニへ。コンビニでバイトしている佐倉から、平然とゾンビがうようよしていてそれが周知の事実だと知る。ついでに粉チーズを買い、レシートから日付や時間が戻っていることを知る。
理解できないまま帰宅。鈴珠も荒渡も無事だが、知空の両親も荒渡の両親も他界しており、三人で同居していることが判明する。また前世で買いに行ったチーズが粉チーズであったことも判明する。そうだね、パルメザンチーズだね。
荒渡の中にロキがいるのではと疑心暗鬼に陥ったり、後世の自分の立ち位置と前世の記憶の齟齬に苦しみながら、翌日学校へ。あまり立場の変わっていない白川と再会するも、白川から何者かと疑われる。前世と後世の違いに戸惑う知空は素直に白川に相談し、素直に信じる白川も自身の特殊能力:心眼について説明する。前世でも鈴珠の想いや、荒渡を探ろうとしていたりしていた能力であるが、結局ロキの憑依は見破れなかったことになる。
倉崎が顔見せに登場し、風紀委員会活動と言う名のゾンビ駆除へ。

  • RPGパート 林道~団地前
トンネルに到着すると鈴珠の危機感知が最大の警報を鳴らしたので引き返すことに。同時にロキの気配も感じる。鈴珠を見て前世を思い出す知空は「そもそも妹があんなふうになるのか」と悩むが、完全に悪魔化した描写はないので、一体どんなことになるのだろうか。またプレイヤーの知らないところで完全に悪魔化した姿を見たのだろうか。
トンネルの先、アルルーン洞窟にロキがいるという確信を得て自宅に戻り、翌日ゾンビを駆除しながら学園へ。

  • 学園
校内で天宮らしき姿を目撃し、天宮の記憶がよみがえる。その姿を追いかけ、とうとう天宮と再会する。口調と性格がまるで別人になっているが、それでも天宮自身が撃たれたことも記憶していた。ただ撃たれて消失したことには驚いていたが。
予定外と言うよりもありえない天宮の出現に倉崎が戸惑い、そして知空に「大切にしたほうがいいよ。こんなにも愛してくれる人なんていないから」と告げる。鈴珠や佐倉それぞれにも忘れてはいるが天宮との記憶の残滓がある。
天宮のことを白川に相談する知空。白川は倉崎からあらかた天宮のことを聞いて知っていた。そして天宮は知空が「世界を改変する者」と倉崎から聞いたことを告げる。
自宅に戻り、またネガティブトリップする知空。すぐそばで女子が集まって夕食の支度をしているというのに。ゾンビ発生から端を発した一連の惨劇の記憶に引っ張られ続ける。むしろこうまでネガティブマインドであの惨劇がと言っている辺り、本当は惨劇が発生することを望んでいるのではないだろうか。
皆で夕食後、後世本来の精神状態ではないことを鈴珠に指摘され、「僕の精神状態を看過されていたのか」と再び知能指数の不自由さを見せつける。会う仲間全員からお前大丈夫かとさんざん言われているのに隠せていると思っていたらしい。
前世で撮った写真に思い悩んだ末、答えを知るであろうロキに一人で会いに行くことに。知空にとって仲間などいないようだ。
結局一人でロキのもとに行ったことを皆から咎められ、心配されるも鬱病の構ってちゃんな知空には迷惑だったよう。「一人で抱え込ませてしまったのが私の責任なの」と泣く天宮。オカンか。ともあれ、ヒロインの涙により知空は覚悟を決め、天宮に告白して立ち直る。
巡回中ゾンビがいないことに戸惑う、知空を除いた一同。その知空は天宮と両想いで付き合いだした途端、周りの仲間はゾンビの不在に緊張しているというのに、「今日も同じ夜に違いないだろうと僕は徐々に慣れだしていく」と立ち直るどころかアホ丸出しである。
そして団地に着くと鈴珠の悪魔化の兆候とともに再び惨劇の夜が始まる。

  • RPGパート 団地前~病院
エントランスで死体の山を発見すると住人の救出は不可能と判断し、コンビニで籠城しているはずの佐倉の救出に向かう。なおこの団地前マップで目的地の駐輪場になかなかたどり着けなかったのは筆者だけだと思いたい。
鈴珠の悪魔化が進行していく。研究所を頼ろうとする仲間に反して、信用できない知空は再び病院の晴明を頼るべきかと考え出す。学習能力はメーカー修理から戻ってきていない模様。コンビニに到着すると、千波に救われた佐倉と合流。だが、前世の恨みで後世の千波に襲い掛かる知空、保護対象である知空に襲われ戸惑う千波、知空の思考を読み取ってしまい幼児退行した白川がその場から逃げ出す。
白川を追いかけ、追いつくと白川が喚くので唇を奪って黙らせる。退行した白川がキスで知空を死んだ兄と誤認し、性的合体へ。なお白川の兄はロキとの戦いで死亡し、そのショックから白川は幼年期を封印したらしい。なので兄との性的合体は白川の願望なのだろう。そこをなし崩しに付け入る外道:知空は「事が終われば本来の白川が目覚めるのみ。絶頂に至らせ意識を鎖すしかない」とさらに尻穴までいただくことに。そしてそれで元に戻ってしまう白川。アイエエエエ!?
その様子をしっかりと見ていたロキさん。息子は立派な外道になりました。知空にこの世界に感じる違和感の答えが研究所の死体安置所にあることを告げて消える。
ロキのことは秘密にしたまま、仲間と一緒に研究所へ。
研究所もロキの配下から襲撃を受けている。一階ずつ制圧して下へと降りていく。
途中で天宮視点の思い出が流れ込んでくる。天宮が時間を戻せる能力を得た経緯と倉崎との関係が明らかにされる。知空の最初の死因はブランコで二回転に挑むも失敗し死亡である。ここで「この子は特別な子。だからあなたは助ける選択をしてもいい」と倉崎が何故天宮に時間を戻す能力を与えたのかは不明だが、「この子は宿命を帯びた運命の子」「これからも数多の自然の摂理を受け続ける。それは彼の死が近いということ」と続くので、筆者が邪推するに知空に天宮と言う首輪を着けておきたかったのかもしれない。
研究所に入って三度目の天宮の思い出。前世では中学のころに転校していたと言われていたが、本当は寿命を削りすぎて病院で死を待つばかりだった。一体何回時間を戻したのだろうか。幾ら粗忽の世界記録保持者である知空でも死にすぎではないだろうか。病院のベッドの上でも、公園で不審者に狙われている知空を助けようと願う天宮に「私は手を下さない。私には使命があるから」「彼の生き死によりもこの国を守ることが私の役割」と倉崎は拒否する。だが、天宮の懇願に折れると天宮の姿を一部借りて具現化する。
研究所を解放し、ロキに言われたまま最下層へと行こうとする知空を白川が制止する。身勝手な欲求のまま押し通ろうとする知空の前に倉崎が現れ、白川と千波に行かせるように命じる。だが同時に「これ以上進めばあなたが死ぬ可能性があるわよ。その覚悟はあるの?」と知空に問う。「僕はただロキが言ったことが何なのか確認したい」と最下層に向かう。結局ロキに動かされているだけである。
死体安置所にて天宮の遺体を発見する。「貴方にはこの事実を乗り越えてもらうわ」と倉崎に告げられるも、天宮が命を削って助けてきていたという事実から「意識は遠のく」「目の前に広がっていた訳の分からない世界を否定する」「倉崎の世迷言には耳を傾けず僕はまぶたを閉じる」などと盛大に知空は現実逃避する。
知空が現実から逃避したからか、唐突に仲間たちも前世の記憶を思い出す。追い打ちをかけるように倉崎から知空と鈴珠がロキの子だと明かされ、知空が「ロキの血を引いてるから。自然の摂理で人の何十倍も生死を分かつような事故が起きるの」と良く死ぬ理由も説明される。邪推すれば世界を改変する力があるから神々がそれだけ倉崎の言う自然の摂理で謀殺を図っていたとも取れる言葉である。
守っていると思っていたら実は守られていたと言うピエロっぷりに恒例のネガティブハッピーモードに突入する知空。さらにネガティブが深刻化し、元凶をぶち殺すというとんでもない結論に至ると病院へと駆け出していく。
病院に着くとやはり死体の山、儀式は後世でも進行中。病院内を駆け上がり、晴明のいる礼拝堂へ。「ほう天宮君がいるとは。懲りもせずまた戻ってきたのか?」という晴明をほぼ八つ当たりで撃破。ロキやレミエル、倉崎といった高位超常体は前世後世の流れを把握できているのかもしれない。八つ当たりで殺されてしまうが。
更なる悪化を見せる知空の精神状態はとうとう究極の現実逃避へ。「すべてを埋葬しよう。すべてを無に消し去ろう」とする知空の前に見知らぬ獣が現れる。
人に姿を変えた謎の獣:月の子に「お兄ちゃん久しぶりだね」と言われ、「獣だった身体は見たことのある人間の形に変化した」と思う知空だが、実はプレイヤー初見である。[妹ルート]ならアルルーン洞窟で会うらしいのだが、筆者のプレイルートだとここで初めて対面する相手である。知空たちは戦ったこともあるらしいが、一体いつ戦ったというのだろうか。
月の子にフルボッコされて正気に返るも、状況はもはやどうにもならない。倉崎の能力で時間の狭間のような場所に一時隔離され、真相を聞くことになる。
倉崎の語る真相は以下の通り(順不同)。
  • 倉崎が龍脈の維持管理者であること。
  • 実母だと思っていた母親が育ての親だということ。
  • やはり父親も育ての親で、新聞記者として母親の事故を調べていたこと。
  • その事故は白川や千波が所属する組織の前身がロキを追う過程で起きたことで、巻き込まれた母親の被害を事故として隠ぺいしていた。
  • その事故に疑念を抱きロキにたどり着いた父親も、倉崎が言うにはロキの仕業で事故に遭う。
  • その際瀕死となった父親にロキが憑依し、母親と結婚。知空と鈴珠を父親の連れ子として育て始める。
  • ロキの目的は神(おそらく四文字さん)に対抗するための手段として、神々が剣として温存していた力を集めて一つにしようとしていた。
  • さらには龍脈の力を手に入れるべく画策していた。その結果龍脈から作られたエネルギー体として月の子が生まれた。
  • 本来は知空が絶望して自殺したとき、知空がロキ側になり終焉の始まりとなるはずだった。しかし予定外に後世が始まり、知空に世界改変能力があることをロキが知ったと倉崎は言う。
  • 後世になったのは天宮が時間を戻したため。ただし、死亡し超常体となった時点で時間を戻す能力は失われ、あったとしても戻せるのは数秒だけ。なので天宮は超常体からさらに独自の覚醒したとしか考えられない。
  • 天宮の性格が変わってしまったのは、この後世になってしまったのは天宮自身の責任だと感じているから。
以上を語った倉崎は知空に最終手段を説明する。月の子を倒せる可能性を探しに過去へと遡ることに。拒否は許されない。

  • 過去
高天原に戻る過程で太古の昔まで遡る。当然剣が生まれる前にまで遡るので、次々に剣が消えていく。倉崎とともに三柱に謁見し、可能性を探る許可を得る。三柱の力で聖、神、魔の三剣が生まれた時代へ。温情からか、仲間もこの時代に送られ、合流を果たす。

  • RPGパート 聖剣異界~魔剣異界
剣一本で異界にカチ込むものの、一戦したとたんに無理だと悟るとアンドヴァリから助け舟が入る。ラジオ番組風に。「ボクわ伝説のランク1剣がほしくって時間をさかのぼってみたけれどあんまりシビアなんでくじけてまっすぅ」と言う知空くんのお便りに「ありがちだよね大事に育てた剣を全部失っちゃう秋の日」とDJアンドヴァリが回収用の異界を用意してくれることに。

各剣異界ともマップは広く、入り組んでる。迷子必至なマップだが、割と適当に進んでいてもゴールに着くのでただただ面倒なだけである。

聖剣メタトロンを確保し、次の異界へ。
異界の扉を開けるたびに倉崎が消耗し、世界に影響が出始めるが別に戦力として低下するわけではない。その姿を白川は立派な神と評している。その割には計画がふわふわしている気がするのだが。
ロキが父親だと知った知空と鈴珠。「あのお父さんとお母さんがいたから今の僕たちが僕たちとしていられるんだ」と育ての両親こそ本当の両親だと確かめ合う。その育ての父親に生みの父親は憑依していましたが。ロキがちゃんと子育てしていたということになるのだが、当人たちにとってそんなことはどうでもよいのだろうか。
神剣アマテラスを確保し、最後の異界へ。
倉崎が扉を開け、魔剣の確保へ。「僕は最後の戦いだと拳を握る」と最後の戦いとばかりに知空は意気込むが、別にこれが最後の戦いではない。単に最後の戦いに挑むための過程である。
魔剣異界の最深部でロキが姿を見せる。何故ここにいるのかと驚愕する倉崎に、ロキが「この異界はロキ様オリジナル」と答える。それぞれの異界を誰が作ったのかは知られていなかったのだろう……と思いたい。単に調べ忘れたという粗忽っぷりでないことを願いたい。
明らかにされる倉崎の正体。アマテラスである倉崎は過去に何度もロキに挑み、その度にフルボッコにされていたらしい。
魔剣ルシファーを「よく出来ました。頑張った知空にその剣は譲ってやるよ」と倒したロキから渡されるが、ロキは下僕のアンドヴァリを呼び出し、そのまま殺害する。これは筆者の推測だが、ロキにとって知空を利用したテリオン入手は第一プランで、月の子は龍脈を利用した第二プランだったように思われる。知空がロキ側にならないなど第一プランにトラブルが発生したため、計画を第二プランに移行し、障害となるテリオン合成をわざわざ知空たちの前で、心を折るために、妨害したのではないかと考えられる。知空から聖剣神剣を奪い取れれば良し、取れずともテリオンを合成できなければ問題ないとの行動なのだろう。
月の子のいる時間に戻るロキ。その姿が消えると、瀕死のアンドヴァリが自らのはらわたを三剣に叩きつけてテリオンを合成する。そのまま息を引き取るのかと思えば、「はらわたは明日にも再生するからかわらずごひいきにね」と何もなかったように無事だったりする。おそらくロキにそうされると予想して対策をとっていたのかもしれない。ただこの時倉崎は「テリオンを手に入れなくては」と言っていたが、一体どうやってテリオンを合成するつもりだったのだろうか。アンドヴァリが本当に死んでいたらどうするつもりだったのだろうか。
月の子と戦うため、倉崎が「貴方のそのテリオンの力で私たちを月の子と戦っていたあのあの教会のところまで戻してほしい」と知空にお願いする。「私の力と共有することで必ず時送りは可能なはず」と言うが、「はず」ってどういうことなのだろうか。帰還手段が曖昧すぎやしないだろうか。
そうして始まる倉崎アマテラスとアマテラセックス。浮気だの何だの知空は言うが、倉崎は天宮には許可は取ったと、これは儀式で具体的に何をするのかまでは言っていないと供述し押し倒す。始めは光背は出てないが、昂ぶると光背が出ちゃう倉崎アマテラス。知空との行為で力を取り戻し、能力の共有を果たすと絶頂の余韻で時間移動する。

  • 現在
月の子に殺される直前の時間に帰還。服とかは大丈夫だった。
月の子と再戦し、撃破すると知空たちに遅れてロキが戻ってくる。知空の手にテリオンがあることを即座に理解し、月の子を殺された怒りに震えながらも月の子の遺体を抱えて消える。ロキにとってもアンドヴァリが生きていたことは予想外だったようだ。ロキを追撃するためアルルーン洞窟へ。

  • RPGパート 病院~アルルーン洞窟
ロキによる龍脈の暴走で崩壊し始める世界。
病院を出るなり遭遇するゾンビの群れ。足止めされるわけにはいかないので佐倉が残ろうとする。言いあう時間すら惜しいという佐倉の行動に、それでよいのかとウダウダと悩む知空。結局佐倉の意思を無下にしないと決断し、病院を離れる。決断までが長すぎる。
林道に入るなり超常体の群れに飛び込んでしまう。さらには林道が炎上し、通行不能に。迂回するため千波が残り、血路を拓く。ウダらなかったのは千波の存在が薄いせいだろう。
団地に迂回したが、団地側の林道前にもゾンビの群れ。荒渡が群れを引き付け、その隙に林道へ。当然ウダる知空。父親のゾンビに遭遇して動けなくなる荒渡を皆で応援する。父親のゾンビは前世で後世だととっくにいないとか、皆で見守る前に急げとか言いたいことはあるが、きっと言ってはいけないことなのだろう。結局知空に「自分のために戦うんだ」と言われ、もう何も怖くない状態の荒渡がその場に残る。
林道を抜け、洞窟に到着。世界崩壊も佳境へ。ロキの影響により悪化する鈴珠の悪魔化。地震でトンネル出入り口が崩落し、ガレキに足を挟まれた白川がその場に残る。鈴珠もその場に残ると言うが、白川が叱咤し先へと進ませる。ただタイミングよく崩落したことに疑問を持つ知空だが、先を急ぐことに。
最深部に着くと、後ろから現れたロキに鈴珠が人質に取られる。鈴珠を悪魔化させようとするロキに「倉崎も天宮も予測できたはずの状況にどうして対策を打ってなかったのかと歯ぎしりする」という粗忽ぶりを見せつける。そんなんだから倉崎はロキにいつもフルボッコされていたのではないだろうか。
鈴珠を悪魔化させようとするロキに、いつものように「思考を遮断させたから。もう何度かめの本能の解放」「後先考えない怒りのままの所業」で「ロキに無謀に突進する」知空。その割にはロキに鈴珠の悪魔化を止めてやるという誘惑にあっさりと足を止める。さらには「それが僕には希望に思えて」「その声のする方へ進もうとする」。ここにきて、ここまで来てコレである。主体性と学習能力はリコール対象だったに違いない。
天宮の声は届かなかったが、鈴珠の必死に悪魔化にあらがう声によって知空は誘惑に抵抗する。ヒロインとは一体。というか、一体誰がヒロインなんだ。
天宮からは「妹が戦っているのに敵の誘惑に負けちゃっていいんですか!」と言われ、倉崎からは「もう迷わないんじゃなかったの!」と言われる。そこまで言われてようやく「多くの人の思い責任犠牲を背負って僕は今この場に立つことが出来たはずなのに何度同じ過ちを繰り返す気なんだ!僕は!」「自分でも呆れるほど馬鹿な人間だ」「でも今度こそ本当に迷わない」とロキに挑む。

RPGパート全否定の、全属性反射能力持ちのロキとのラストバトルを経て世界崩壊。
エンディングへ。

  • エンディング 【新世】
鳥海恵美の出産。立ち会っていた父親が喜ぶ。
両親とともに普通の家族として過ごす知空と鈴珠。
父親との仲が改善された荒渡。
母子家庭のまま、特に変わりない佐倉。
学園まで千波に送迎させる白川。白川の兄も生きている。
知空と公認の恋人同士になった天宮。
それぞれに幸福な世界の日常を生きる仲間たち。荒渡の父親が貰ってきたという花火をやることに。皆がエントランスに集まっているというのに、自室で盛る知空と天宮。
花火を見上げ、皆「願いがかなった」という想いを口にする。

その様子を見守る知空と倉崎。テリオンを手にしたことにより、神格を得た知空は前世も後世もなかった、新しい世界を作り出す。知空は分身にして、自らとは切り離した別の知空を新世界に残して倉崎とともに熾天に昇ることに。

と、奇麗にまとまるかと思えば倉崎から「本当にこれでよかったの?」と聞かれ、「ああいいに決まっている/いやダメだ」との選択肢を選ばされることになる。ダメだと心残りがあると思っても、花火を見上げる天宮から「ううん、これでいいんだよ」と見送られてしまう。実際には知空がそう思っているだけのようだが。
ではこれで良いと決めても、倉崎から「なら、これから、よろしくね」と共に歩む挨拶をされるだけである。
意味ありげなエンド分岐の選択肢に見せかけて、別にエンドが変わるわけでも何でもないのである。一応最後のCGが違う程度の差はあるが、エンドそのものが変更になるわけではない。
せめて、最後くらいはちゃんと締めてほしいところである。


以上が本作のシナリオの説明になります。
長々とお読みいただき、本当にありがとうございました。

選評3

【2014】 クソゲーオブザイヤーinエロゲー板 95本目
http://pele.bbspink.com/test/read.cgi/erog/1415196691/
途中からアップロダに投稿
766チーズ 選評 ◆XKQGite/rM [sage]:2014/11/12(水) 22:04:05.70 ID:fSABwOf00
新世黙示録-DeathMarch-選評

さて、既にスレでも十分に話題になっているチーズこと新世黙示録-DeathMarch-。
今回はそのクソ要素の中でも、もっともきついキャラに焦点を絞りまとめてみた。

鳥海 知空 (とりみ ちから)
 本作の主人公。主にこのゲームがクソであるのは大体こいつのせい。
性格をまとめると以下の3点に集約される。
1.自分の発言が絶対といった姿勢で発言する一方で、実際に行動するときに不安になる。
2.悪いことが起こった際には他人のせいにしたり、自分を正当化したりする。
3.自分の言葉に責任を持たない。
・・・もうこの時点で主人公でない気もするが、個々の詳細について話そう。
まず1であるがゾンビが発生する前の日常生活で既にそんな状態である。
自転車の二人乗りの件やストーカーの件など誰がどう見ても間違っているような発言を
さも正しいように言う。
ゾンビ発生後はより顕著になっていき、神社で陰に隠れていた人物をストーカーと断定し
ゾンビのいる病院外に追放する。史音が李晴明に対し親の仇だと激昂した際には
彼のやっていることは正しいなど発言する。お前の母も殺されたんだろうが・・・
その一方で、李晴明に言われアルルーン退治に向かう際には急に悩みだして生にぶれていると指摘される。
これは後世で同じやり取りをもう一度見る羽目になる。要は成長していない・・・

 次に2である。これは1にも掛かってくるが、基本的に自分が正しいというスタンスでいく。
そのため悪いことは自分のせいではなく、周りのせいであるという考えにいたる。
姉分岐で妹が死んだのは剣のせいであり、
史音が消えたのは千波のせいであり、
後世がおかしいのはロキとレミエルのせいであり、
最終戦で鈴珠がロキにつかまったのは史音と天名のせいである。
己に非はない。
また、他人のせいに出来ない場面でも自分に非がないように振舞う。
妹分岐で琉華がロキに取り付かれていたことを知った際には、心の中で「違和感を感じていた」など自己弁護をはかり、
姉分岐で李晴明の選別による死体の山を見た際には、これまでの主張を覆し「あなたを止めるべきだった」など言い出す。ツゴウガイイナ。
そして自分を正当化するために、そのまま李晴明を殺害する。
どうあがいても自分の非を認めないさまは、どこぞの親善大使もびっくりであろう。

最後に3、これまたひどい。基本その場その場で都合のいい事を言う為、後々に自分に帰ってくる。
光太郎がゾンビに遭遇した際に、現実逃避するなと言い激昂する一方、
自分は史音が死んでいたことを知った際に、現実逃避し光太郎の現実を見ろという言葉を無視する。
また記憶力も取り頭といわざるを得ない。「その時々の気分で動いていては誰一人救えない」と思ったすぐ後に、異臭を感じ林に突撃したり。
皆が史音のことを忘れてしまった時は緊急事態であったので、「後で聞けばいい」と心の中で言っていたが
数分後になぜ覚えていないんだと妹に切れる。お前こそ自分が思ったことを覚えていないのか?

このような点から、この人物は主人公として成立してないといわざるを得ない。
というかこの先10年で彼を超える人物は現れないだろう。

倉崎 天名(くらさき てんな)
 日本の守護者にして神であるアマテラス。
本作全体がクソな原因が知空のせいなら、シナリオが意味不明なのは主に彼女のせいである。
天宮史音に知空が世界を改変する力の持ち主であることを伝え、寿命を使い時間をさかのぼる力を与えた張本人。
自分は神なので直接介入は出来ないとの事。ここまでは解る。ギリギリ
問題はその一方で、知空の殺害命令を出している政府の極秘機関 『AUBAT』に協力していることである。あんた何がしたいの?
挙句、後世では直接介入してくる。史音が不憫でならない。
シナリオ後半では後世はなんのなのか、ロキの目的、史音の性格が変わった理由等、プレイヤーが知りたい内容に答える。しかし彼女自身ほとんど何も知らない為、回答はほぼ憶測である。
さらにはラスボスのロキ自信が自分について深く語らない為、シナリオの全体像は完全にぼやけわけがわからなくなってしまう。
また、神としての能力にも疑問が残る。そもそも今回の事件の原因は、レミエルに気を取られた隙にロキに龍脈を奪われたことである。
獣(テリオン)の入手の際にも詰めが甘い。まず材料の一つがロキの異界にあることなど知らなかったり、合刃が必要なのに自前で用意しなかったりひどいものである。

本策の内容は「黙示録の予言に対し活動する天使と悪魔、そしてそれに翻弄される少年少女たち」と言う面白そうな設定であるが、
上記の二名が完全にかき乱しており、それにより理解不能な作品となった。

特にひどいのは上記の二人であり、それに比べたら他はずいぶんまともである。
そのためその他は短めにまとめる。

鳥海 鈴珠 (とりみ すず)
DQN妹。あの兄にしてこの妹といったところ。
兄を愛しているようだが、兄いはいるだけでヒーロー的なことを言ってたので、彼女的には兄がどのような人物であるかはどうでもいいようだ。
悪魔と神の子供だが、なぜか鬼化する。そしてネコ耳が生える・・・
何者なんだお前は?
+ ...

天宮 史音 (あまみや しおん)
 天名に唆され寿命を失った哀れな少女。
知空を愛するがゆえ、寿命を捨ててでも助けようとした。しかし、改変を望まない世界の摂理に殺されると言われたが、
ブランコから落ちる・崖から落ちる・不審者に襲われる等を自然の摂理といわれて信じるのもどうかと・・・
知空を好きな理由は優しいかららしいが、筆者にはその優しさは感じられなかった。
しいて言うなら自分に甘い。

荒渡 琉華 (あらと るか)
 何と言うか・・・途中離脱しその後もそんなに関わらないので筆者的にあんまり記憶に残らない。
荒渡家に伝わる剣に天使の力が宿っているが、それに対する説明はない。
そもそもこのデザインの剣が伝わる流派ってどんなよ?
+ ...

また妹分岐での扱いは非常に雑で、首ちょんぱである。
+ ...

なお、再加入の際に離脱時のレベル+10の補正が掛かるが、その時点で他のメンバーはまだ1桁である。
テストプレイしろ・・・

白川 生 (しらかわ いぶき)
 政府の極秘機関 『AUBAT』のメンバーの一人。
古風と言うより、不自然な古い言葉を使う。幼少期に標準語をしゃべっているあたりキャラ付けのようだ。
兄に関するトラウマから幼児退行したところを知空にだまされ両穴犯されることに・・・哀れ・・・
人の心を読む力を持つが、琉華に取り付いたロキのことは気づかなかった。

佐倉 光太郎 (さくら こうたろう)
 一般人代表。スケベなムードメーカー。
どちらかと言うとエロゲーの主人公にふさわしい人物。いやマジで・・・
プレイヤーも感じている憤りを知空にぶつけたり、母が心配でも親友の妹を優先したりなどかなりまともな人物。
史音の死を知り錯乱した知空は、彼の声を聞きロキとれ見えるが悪いと思い立ち、彼の顔を見て己のやることを認識したらしい。彼に罪はない・・・

千波 常時 (せんば つねとき)
 政府の極秘機関 『AUBAT』のメンバーの一人。
史音の消滅の原因であるが、元はといえば同行を拒否し「奴らは僕たちを生かすつもりは毛頭ない」など言い出した知空のせいである。彼に罪はない・・・
妹分岐では知空がラボから奪湯津するまでの間に、レミエルのいる病院を制圧するすばらしい働きを見せる。
後世では史音の件で知空に切りかかられるが、これを軽々と対処。すごいな。
親友の妹をレイプした相手になぜか礼を言っていたが、なぜかは理解できなかった。
新世界で正統派ツンデレに目覚める。

李 晴明(り せいめい)
 永遠の生命教会の教主。
目的は黙示録のハルマゲドンで選ばれなかった前任の救済である。この作品においては珍しい主張がぶれない方。
正体は天使レミエル。もしかすると李 晴明時に語らなかった真の目的があるかもしれない。しかし、妹分岐では自分を正当化したい知空に、後世では錯乱した知空に殺害される為その真意は定かではない。
哀れ・・・

ロキ
本作のラスボス。
ライター的には「狂人」を書きたかったのかもしれないが、実際に生まれたのは「変人」であった。
中途半端な下ネタと中途半端なもったいぶりにより、何もかもが中途半端になっている。
彼の目的が不明瞭な為、本作の全体像がぼやけている。
なお、初登場時かたくなに名前を言おうとしないが、公式サイトに個人情報が流出している為意味はない。
+ ...

カービン
 犬。本作の日常の変化は知空がカービンを見たことから始まる。
それぐらい重要なキャラのはずであり、団地脱出時には鈴珠と心を通わせゾンビを倒すなど助けてくれる。
その後李 晴明の部下であることが判明。監視の役割で同行するも、ロキに挑みかかり命を落とす。
立ち絵を90°回すと死体になります。
+ ...
その後一切話題にならず、後世でも登場しない。存在意義自体が不明・・・
公式には「首輪の戒めにより、李晴明の命に従う巨大な犬。その正体は・・・」
などと書いてあるが、犬死してしまった今となっては真実は闇の中である。

月の子
 ハルマゲドンを回避するための存在。本来は重要なはずが出落ちであっさり死ぬ。
月の子を見て知空はまず胸を確認しました。他にやることあるでしょ・・・
+ ...

アンドヴァリ
 ネコ・・・ではなくドワーフの刀鍛冶。
知空たちに神や悪魔の力が宿った剣を渡した張本人。知空たちをサポートする一方、実のところはロキの部下であるという重要キャラ・・・のはず。
と言うのも、チュートリアルが終わると終盤までシナリオに関わらなくなる。
後世において、剣は知空が皆に渡したことになっていること判明するが、その際も知空は「アンドヴァリ・・・」と呟くだけである。何か聞けよ・・・
その後、持っている剣が消滅した際に都合よく現れ、全ての剣を取り戻してくれる。仕事がなくなるのを恐れたのかもしれない。
そして合刃出来ないようにロキに殺されかけるが、腹の中身は時計やらねじが入っている。
ドワーフって何だっけ?
+ ...
なお、シナリオには関わらないが刀鍛冶は二人存在し、魂振合刃担当のアンドヴァリと変容合刃を担当するアンドヴァリリンがいる。
テリオン入手は複数の剣を合わせるところを見ると変容合刃のようなので、アンドヴァリが死んでも別段困らなかった気もする・・・
機械仕掛けのネコでもう一体が大きなリボンをつけているあたり、有名な猫型ロボットを参考にしたのかもしれない。

以上で選評を終わる。
正直、まとめるのに苦痛を覚えるというか
登場人物がめちゃくちゃなので、選評もめちゃくちゃになった感が・・・

システム選評

2014年のクソゲーオブザイヤーinエロゲー板 97本目
http://pele.bbspink.com/test/read.cgi/erog/1417154223/
895新世黙示録システム選評 ◆xEpg00StG. [sage]:2014/12/15(月) 01:12:28.15 ID:JoxZ9YGL0
新世黙示録 ―Death March― システム選評

本選評は新世黙示録Special Package
Ver1.04、1.07でプレイした際のものです。
シナリオなどに関する記述は極力避けています。

  • パッケージ
まずゲームのパッケージを開き目に留まるのは約200ページにも及ぶ分厚いワールドガイドブックである。
しかしその内容の大半が剣のイラスト(約100ページ)とTRPG版新世黙示録からの抜粋(約60ページ)で構成されており、読まなくても問題はない。
取扱説明書に書かれるようなキャラ紹介はこちらに書かれているのでインストールする間の暇潰しとして目を通すのもよいが、
ガイドブック内の設定がゲーム内に出てくることはほぼない。

ワールドガイドブックとは別にゲーム自体の取扱説明書が存在するがなんとたったの6ページ。
しかもそのうち2ページ分はアンケートはがき(ページから切り抜く)、
残りの2ページはシステム要件とユーザーサポートに関する説明のためゲーム自体の説明は2ページしかない。
力の入れ所が間違っているのではないだろうか。

当然わずか2ページで何かを説明することなどできようはずもなく、
Xuseも不味いと思ったのかの以下のサポートページからマニュアルをダウンロードできるようにしている。アンサガか。
http://www.xuse.co.jp/support/051_apocalypse/dl.html

なおパッケージ裏に載せられているCGの内、1枚がゲーム内で使用されていないものだったりする(妹の後背位CG)ことも添えておきたい。

  • 設定画面
ゲーム開始直後に設定を変更する方も多いだろうが、設定項目が非常に少ない。
+ ...
ウインドウの不透明度とシステム音の項目は変更できず、
「次のボイス再生まで再生を続ける」ような今時のゲームなら当たり前のようにある機能すら存在しない。
一体いつの時代のゲームなんだろうか。

設定画面の右下に謎の四角枠がある。
恐らく選択中の項目に関する説明が表示されるのだろうと想像はできるが、実際には何も表示されることはないため謎のままである。

  • セーブ&ロード
+ ...
各セーブデータの左側、画面の右半分を占める謎の四角枠が目立つ。
セーブ時のサムネイルを表示するための枠であると思われるが、
RPGパート、ADVパートのいずれの場面でセーブしてもここにサムネイルが表示されることは一切ない。
アドンドヴァリが空しく自己主張する場となっているのである。

  • ADVパート
+ ...
一見ごく普通のADVパートで特筆することも無いように思える。
しかしマウスホイールでバックログ表示、特定キー押下でウインドウ消去などというようなごく当たり前の機能が存在せず、
画面下部へマウスカーソルを移動することで表示される各ボタンのクリックでしか機能を呼び出すことができない。
些細ではあるがプレイヤーに細かいストレスを与えてくる作りとなっている。
Ver1.00ではこのボタンが機能していないという不具合まで存在していた。
また文章の既読管理がされておらず、スキップは常に完全スキップしか行われない。

  • RPGパート
+ ...
画面右側の存在するパネルをクリックするかキーボードで移動することができる。
カメラワークが方向転換に追いつかず非常に移動しにくくなっている。
大半のマップでは文字通りまっすぐ進むだけで目的地に辿り着けるので大きな問題とはならないが、
頻繁な方向転換を要求される終盤の数少ない迷宮では歩き回ることすら一苦労である。
移動の困難さとミニマップすら存在しない不親切さによりプレイヤーは延々と同じ場所を回り続けることとなる。

一応移動パネル下部のカメラボタンをクリックすることでカメラを強制的にキャラの向きに合わせることができるが、
任意の向きにカメラを向けたりすることはできず、この機能はキーボードに対応していないようである。

目的地へ向かう際は画像のようにマップ上の矢印アイコンをクリックすることで進行する。
しかしこの矢印、一定距離じゃないとクリックを受け付けないなどの制御を行っていないため
わずかでも画面に見えてさえいればかなりの遠距離からクリックを受け付けてしまう。
+ ...

なおこの画面に表示されるキャラは知空さん固定であり他のキャラに変える事はできないため
3D後方視点ゲームでよく言われる男の尻を眺め続けることになる。

エンカウント率の判定がどこかおかしいのか、マップ切替後の一歩目にエンカウントする確率が非常に高い。
エンカウント後に歩数を進めたりエンカウント率をリセットする判定を行っていないのか
そのエンカウント後の一歩目の確率も同程度に高く、エンカウント判定を抜けられない限り何度でもエンカウントする。

  • ソードバトルシステム
+ ...
本作では戦闘手段として剣を装備して戦う。
コマンドと剣が不可分となっており、攻撃系の剣は次々と乗り換えていっても問題ないが
支援系の剣は大半が下位に属していて、代替するものがほとんどないためいつまでも弱い剣を持っていなければならない。
剣が防具も兼ねているためその分装備者は弱くなってしまう。

特に状態異常回復の剣は無条件に利用できるのは1本しか存在せず(もう一本あるが敵を倒したときに追加効果で回復する攻撃剣)
戦闘不能回復の剣に至っては特典剣1本のみである。
特典剣も合わせて110本もの剣を作っておきながら9割が攻撃系という有様。
剣とは相手を斬るためのものではあるがもう少し何とかならなかったのだろうか。
HP回復に関しては装備しているだけで毎ターン自動回復する剣や吸収効果を持つ剣がそれなりにあるので一安心。

各剣には「神」「聖」「魔」の3属性に関する攻撃力と防御力が設定されている。
しかしこの各能力に関する説明はどこにも存在しないため、どの能力値がどのように適用されるのかは手探りで進めていく必要がある。
とはいえ理解できなくとも後述のオートバトルでどうにでもなるため問題はない。

各剣には回復率という項目があり、キャラが装備している各剣の回復率とキャラ自体の回復率の合計値分の割合で
戦闘終了時にキャラのHPが回復する。
この数値は適当に装備しているだけでも50%程度、その気になれば容易に100%近くにできるため
「戦闘終了時に死んでなければ問題ない」という実に大味なものと化している。

+ ...
出現する敵は基本的に同種の色違いが属性ごとに用意されていて、名前にホーリー、エビル、ゴッドとつけることで区別されている。
そのためメタボ・ゴッドとか筋者ホーリーなど凄まじいネーミングセンスとなっている。
中盤以降は属性の代わりに色名が入ったりするが基本的には同じである。
敵の使用する技も基本名に属性に合わせて神や魔などがつく非常に独特な技名である。

敵味方のパーティはそれぞれソードマスターが一人、残りがフェンサーという構成となっている。
各キャラにはマスタースキルというものがあり、ソードマスターとして設定しているキャラが生きている限り発動して戦闘に影響を及ぼすため
必要に応じてスキルやマスターを切り替えていく必要が・・・特にない。
その理由は知空さんのマスタースキル「庇う」の存在である。
仲間のダメージを身代わりで受けるというありきたりなスキルであるが、
庇ったときにダメージ減少効果がついており、レベルが上がっていくと最終的にはダメージを完全に無効化までできてしまうのだ。
総ダメージが単純に軽減されるため他のマスタースキルよりはるかに使い勝手がよくなっている。
一部バージョンでは庇う対象に自分自身まで含まれており、もちろんダメージ軽減・無効化ができる。一体ナニを庇っているのか。

ソードマスターは戦闘時の獲得EXPが1.5倍になることもあり、
知空さんを重点的に鍛え抜くことで必要十分、他のマスタースキルを考慮する必要は一切ない。
もうあいつだけでいいんじゃないかな。

コマンドを選択する際は各キャラのステータス部にある剣のアイコンをドラッグし、効果対象の上でドロップする必要がある。
この判定がシビアなのか多少カーソルがずれるとコマンドが受け付けられないこともしばしば。
気づかずに行動を決定してしまうと何も行動できないまま一方的に殴られてしまう。
画面右上にあるボタンからキャラ選択→剣選択→対象選択と入力するコマンド方式もあるためこちらを利用した方が安全だろう。

とはいえ最序盤を突破すればオート戦闘が解禁され剣選択などの手間から開放されるため
ほとんどの人はまともに剣を選んだりはしていないのではないだろうか。
オート戦闘のボタンをCtrlキーを押しながらクリックすると戦闘の経過を一瞬で飛ばして勝敗が表示される。キングクリムゾン!
前述の戦闘後回復が強力なため負けてさえいなければ問題ない。
回復系の剣を積んでいれば適切に使用してくれるようなのでより安定する。
時間はかかっているかもしれないが過程は全て省略されるため何も気にする必要はない。
戦略RPGとは戦闘省略RPGのことなのである。


  • 剣育成システム
戦闘などで手に入る剣は以下の手段で強化していくことができる

魂振合刃
ベースとなる剣に他の剣を食わせることで剣のレベル、能力値を強化する合刃。
他の手段では剣のレベルが一切上がらないため戦闘を繰り返して餌にする剣をひたすら集めるという作業を強いられる。
上位の剣になるほど剣レベルの最大値が高く、同時に最大レベルまで要求される餌の本数も多くなっていく。
そしてそれらの剣を育てるために更なる雑魚狩りを要求される。

食わせる素材剣によって剣の能力の伸び方やレベルの上がり具合が変わってくるが気にせずそこらで拾える剣を片っ端から食わせていっていいだろう。
ちょっと進めばすぐ型落ちとなって使い物にならなくなる。
そうなったら新しい剣の餌として使ってやろう。
変容合刃に使うのは事故を狙うのでない限り全く割に合わない。

変容合刃
魂振合刃によって最大レベルまで上がった剣を2本合成して全く新しい剣を作り出す合刃。
出来上がる剣は2本のランクの平均値より若干上となるため
ランク差のある剣よりも同程度の剣を合体させたほうが効果的である。

新しく誕生した剣はレベル、能力値が初期値であり、大抵の場合は合刃前の最大レベルまで育った剣の方が強いため
さらに大量の剣を食わせて育ててやる必要がある。

そこまでして作り上げた剣であるが、合刃で作られたものも敵からドロップする同じ剣と全く同じ性能のため
今の剣で我慢してちょっとシナリオを進めてしまえば同じものやそれ以上のものがいくらでも手に入ってしまう。
シナリオを進めるだけであればその時点で拾える剣を最大レベルまで育てるだけで足りることもあり
わざわざ変容合刃で新しい剣を育てる必要性がほとんどない。

しかも真面目に剣を育てているとキャラのレベルが上がりすぎてしまい
せっかく作った剣などなくても苦労することなく進めてしまう。
レベルを上げて物理で殴ればいいのだ。

変容合刃の際、稀に合刃事故が発生して予定とは異なる剣が誕生する場合がある。
その中の結果の一つである零の剣こそがこのシステムの唯一の使い道と言っても過言ではない。

零の剣
合刃事故や一部の敵のドロップで手に入る剣で武器自体の性能は皆無に近いが
合刃素材として使うことでその真価を発揮する剣とされている。

この剣と適当な剣を変容合刃すると片方が最低ランクの剣でもいきなり最終盤ドロップ級の剣になってしまう。
ちょっとでもランクが高い剣であればそれ以上の剣を容易に作ることができる。

合刃事故自体はセーブ&ロードを駆使していくらでも起こせるため
零の剣を2本用意して変容合刃することでRPGパート開始直後からイベント剣を除いた最強ランクの剣をあっさり作ることができる。
明らかにバランスブレイカーであるが、これを利用しないと数百数千本の剣をかき集める羽目になる。
どちらが退屈かは言うまでもない。

と、2種類の剣強化システムが存在しているが、ラスボスにはイベントで手に入る最強剣「獣(テリオン)」
以外の剣による攻撃は一切通用せず、それどころかダメージを反射されるのである。
つまりそこまでに鍛え上げた剣は一切の用を成さず、
「獣」を装備した知空さん以外は数少ない支援剣を振りかざすか肉壁としてダメージを分散させることしかできない。
もう本当にあいつだけでいいんじゃないかな。
確かにラスボスには特別な武器が必要、特定の手順を踏む必要があるなどの設定は珍しくないが
根幹である剣育成システムに真っ向から喧嘩を売っているのは果たしてどうなのだろうか。


ついでに各剣は拾ったとき、魂振合刃したときなど各シーンで一言喋る
110本の剣に4つずつのセリフを設定されていて、妹キャラ、強気なお姉さんキャラなど人格があることが伺える。
しかし合成素材としてかき集めている剣にお兄ちゃんとか呼ばれても正直嬉しくない。
ボイスも若干キーが高くて耳障りなものが多く、この分の費用を他に回せばと思ってしまう。

  • 特典剣
予約特典やバトル体験版などで手に入るパスワードを入力することで特殊な剣を入手することができる。
入手可能な時点では非常に強力で、一部は最後まで十分戦える性能を持ち合わせている。
変容合刃の素材や魂振合刃の餌として使用することはできないが、魂振合刃で強化することはできる。
前述したとおり蘇生効果を持つ剣は特典剣にしか存在しない。
と、実に有用な剣なのであるが特にパスワードに認証などは必要ないため文字列さえ知っていれば誰でも使用できる。
ネット接続が常識の現在、ちょっと調べればいくらでも出てくるためパスワードとしての意味を成していない。
少々時代遅れなのではないだろうか。

システム全体を見渡した結果
ゲーム進行不能となるような重大なバグも特になく、クリアするだけであれば決して難しいものではないが
ADVパートやセーブ画面で見られる稚拙な技術力やPRGパートや剣育成システムに見られる調整不足など
プレイヤーに絶え間なくストレスを与えてくれる。

特筆するほどのクソがあるわけでもなくシステム面のみを見ればただの駄作でしかないが、
シナリオ面との相乗効果もあり精神面をじわじわと削ってくる。
むしろプレイが困難ではないことで途中で投げ出しにくく適度なスパイスとなっているのかもしれない。

以上となります。

目立ったクソがないのであまり面白みがないかもしれないが勘弁してくれ。

考察

【2014】 クソゲーオブザイヤーinエロゲー板 避難所 3本目
http://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/game/58331/1422398335/
187 :新世黙示録考察 ◆c3MB5bsXoQ:2015/01/31(土) 21:41:18 ID:0T5w4K1o0
新世黙示録 -DeathMarch- 考察

◇序文

チーズこと新世黙示録は、内容の酷さもさることながら説明のしづらさやまとめにくさに定評がある。
そこで、具体的な内容は多少なりとも把握していることを前提に、なぜそうなってしまったのかという観点で整理し考察するべく筆を執った。
基本的なあらすじやゲームシステムについては最低限しか触れないので、詳細は既出の選評を参照して頂きたい。


◇要点

RPGパートの最大の問題点は戦略性の低さである。
ゲームを進める上で効果的な手段が限られている上に自明であるため、考えて選択する余地が少なく単調作業感が強い。
そして操作性の悪さやエンカウント率の高さといったストレス要素を加え、グラフィックの使い回しにより単調さを強調しつつ作業量を増すという見事なまでの嫌がらせ仕様となっている。

AVGパートの問題点は、つまるところ展開の強引さにほぼ集約される。
行き当たりばったりな展開を徹頭徹尾繰り返し、シリアスとギャグとエロを適当に混ぜ、前後の流れや合理性は考慮していない。
そのせいで主人公を筆頭に登場人物の言動は支離滅裂となっている。
さらにループ風リセットや日本語能力に疑問符がつくテキストを上乗せすることで、異形のシナリオが完成しているのである。


◇RPGパートについて

ゲームシステムの根幹を成すのは「属性の三すくみ」と「剣の強化・合体(合刃)」で、両方とも戦略性の低さという問題を抱えている。
最適解が見え見えか、逆に手がかりゼロのいずれかで、考えて解く要素がなくひたすら同じことを繰り返すだけの単調作業になりがちなのである。

○属性の三すくみ
このシステムは後出しジャンケンにも満たない何かである。
相手の属性だけでなくどの属性が弱点かという答えがズバリ表示される親切設計であり、それをなぞるだけ。
戦略も何もあったものではないが、属性を無視すると戦闘が長引いて余計に手間と時間がかかるため逐一合わせていくしかなく、プレイヤーに無駄な面倒を強いるシステムとなっている。
また、敵はほとんどのエリアで三属性がまんべんなく出現し、敵の属性の偏りに合わせて事前にこちらの属性を調整する機会も無い。
強いて言えば、ボス戦敗北後のリトライ時など敵の属性がわかっている際に優位属性で固めるくらいで、これでようやく後出しジャンケンである。
相性の悪さをものともしない火力があれば属性を合わせる必要すら無くなり、より単調になるが負担は減る。

○合刃
属性ほどではないが、こちらも最善手がわかりやすく、すぐに結論は出る。
すなわち「どんどん先に進み、入手した剣の中で火力が高いものを適当に強化すればいい。事故を利用すればもっといい」である。
本作には百種類の剣が登場するが、個性に乏しい。
回復や補助用の剣はごくわずかで、残りは多少の個性付けはあれど突き詰めれば攻撃力と防御力が高いか低いかの差しかない。
つまり強弱がはっきりしており、上位互換の剣が手に入るとそれ未満の剣は軒並み出番が無くなるため、やはり戦略性は見いだせない。
その上、最初は剣を集めて強化や合体を試してみるだろうが、さほど強化されないばかりか少し進んだところでドロップした剣の方が強い。
この傾向は最後まで変わらないため、合刃の手間に見合う恩恵が無いことに気付くのはすぐであろう。
合刃による性能上昇の緩やかさに対して、上位の剣が登場するペースがあまりに早いのである。
ただし合刃事故が絡む場合は例外で、序盤でも最強クラスの剣を簡単に作れてしまう。
このように合刃の結果は弱すぎか強すぎの両極端であり、もう少しバランス調整をどうにかできなかったのかと言わざるをえない。

以上のように、戦略を練ろうとすればするほどゴリ押しのほうが簡単で強いので無駄であると痛感させられる作りになっている。
従来ならば集大成の総力戦的な位置づけてあるはずのラスボス戦の自由度の低さ、すなわちイベント剣1本以外の攻撃は通用せずメンバーも完全固定という事実が、本作の戦闘システムの在り方を象徴している。
戦略性の低い単純作業だとわかれば、あとはいかに効率化するかという方向へシフトし、誰もが「レベルを上げて(または事故を起こして)戦闘を省略すればいい」という結論に至るのも当然であろう。
これで手間と時間をかなり抑えることが可能だが、問題点はほかにもある。

○操作性の悪さ
移動と戦闘のどちらも当てはまる。
移動はカメラワークと一体化しているため融通がきかず、移動と視界を両方快適に保つことは慣れてもほぼ不可能。
複雑な操作を要求されない単純なマップが多めなのは救いと言える。
戦闘では、攻撃対象の指定をドラッグ&ドロップで行う場合の受付範囲が狭く、上記の「属性を合わせる面倒さ」の増幅に一役買っている。
こちらは戦闘省略で対処するのがいいだろう。

○エンカウント率の高さ
マップの単純さに比例して高くなる傾向が感じられ、多い場合は約4~5秒に1回、平均でも6~7秒に1回程度とかなりの頻度である。
戦闘省略とは言ってもエンカウントそのものを無くす手段は存在せず、カットできるのはコマンド入力が可能になってから勝敗が決するまでであり、読み込みやリザルト表示等は飛ばせない。
最速で終わらせても4~5秒はかかるので、約5秒移動しては5秒足止めを延々繰り返すことになり煩わしい。

○グラフィックの使い回し
敵グラは色変えを駆使して増量しており、名前もパターン化された量産ネームが大半である。
ダンジョンも多層の場合は基本的に全フロアが同一構造。
団地や病院などそれが普通の施設が多いのは事実だが、だからといって単調さが軽減されるわけでもない。
後半に登場するいかにも迷宮らしく複雑なダンジョン及びクリア後のエクストラダンジョンも、スタートとゴールが違うだけで構造自体はやはり全フロア同じ。
フィールドも時間帯による明暗の変化をつけたり再訪したりで2度3度と再利用しており、ラストダンジョンすら、出現する敵こそ違うが中盤で訪れた洞窟を再訪するだけという有り様である。
使い回されていないマップはないと言っていい。

こうした要素が噛みあうことで、「既視感が強いダンジョンを操作性が悪いせいで迷走させられエンカウントしまくる」という凶悪なコンボが成立するのである。
この上戦闘を丁寧にこなす余力など残るわけもなく、間接的に戦闘省略を促進しているとも言える。

○補足
基本的に寄り道して合刃するよりも直進して拾った剣に随時乗り換えていくほうが効率的に強くなることは既に述べた。
ただしランクの割には強い剣が一部存在するため、それらをピンポイントで最速入手できる場合はその限りではない。
とはいえヒントになるようなものはなく、総当りで探すくらいならやはり先に進んだほうが早いので、初回プレイで狙うのはほぼ不可能であろう。
剣をとことん強化することはできるがそれに見合う強敵はおらず、周回引き継ぎがあるわけでもないし、剣の図鑑もあるが埋めたところで特に何もない。
そのくせ手間だけはやたらかかる単純作業の繰り返しである。
それでもやりこみ要素と言えなくもないので、作ることや埋めることそれ自体にやりがいを感じるならあるいは楽しめるところもあるかもしれない。

◇ADVパートについて

こちらはさらに闇が深く、支離滅裂のオンパレードで、解読どころか完読すら困難である。
一応、重要イベントなどの要点だけを的確に抜き出して要約した大雑把なあらすじであれば理解できなくはない。
ただしそこからの肉付けや繋ぎ方があまりに稚拙、考えなし、無理矢理であるため、やればやるほど文章量とともに矛盾や不自然さが増していったものと推測される。
問題点はおおよそ以下の3パターンに分類でき、このうちのどれかまたはいくつかの複合として説明できる。

○行き当たりばったりな展開
次のイベント発生場所へ移動させるため等の都合で、理由や役割を適当にでっち上げることが多く、その繰り返しでストーリーを進めていくため唐突で不可解な展開になる。
要するにシナリオの都合がすべてなのだと気がつけば、あとはただただ興ざめするだけである。

<例>
  • 妹の発作
最も多用される大義名分。
ストーリー上は発作に対処するために病院や研究所に向かったり黒幕の指示に従ったりするのだが、シナリオの都合的にいえば次のイベントのために発生場所へ向かわせる手段でしかない。
その証拠に、妹は目的地についてすぐに一時退場するか本命のイベント発生で忘れられる。

  • カービン
序盤から思わせぶりに登場する巨大な犬で、日常に紛れた非日常の象徴として描かれており、そのためだけの存在。
よってゾンビ発生で完全に非日常へと移行した時点で用済みとなり、正体が明かされた次のイベントでロキに特攻して返り討ちという形で処分されてそれっきりのかわいそうな存在。

  • 始原返し
作中では「今の世界を放棄して原初から新たに大和の国づくりを始めること」と説明されており、終盤でピンチを切り抜けるために発動される。
究極のリセットボタンのような説明に反して、実際は「一時的に過去に戻って対策を獲得する方法」程度の扱いであるため矛盾の温床となっている。
第一、眼前の危機を打開し仲間を救うための手段が「仲間も含めて世界ごとすべてをなかったことにする」では本末転倒も甚だしい。
挙句の果てに剣と仲間の喪失は理由をこじつけて回避し、なかったことにしたはずのピンチの場面になぜか舞い戻られては、そもそも始原返しという設定の存在意義自体を疑わざるをえない。
全く消化しきれていないので、後先考えず壮大な設定を入れたかっただけなのではないかと邪推してしまう。

○シリアスとギャグとエロのでたらめな混在
シリアス展開の前後や真っ最中に、特に計算もなくギャグやエロを挟んでくるのでやはり興ざめする。

<例>
  • 錯乱した警官の目を盗んで移動している緊迫した場面で、妹のパンツをガン見してからラブコメ展開となり発砲される
  • 妹が拳銃を突きつけられている状況で、壁一枚隔てた隣の部屋で本番スタート
  • アンドヴァリ
ほか多数

○前後の流れや整合性を考えないその場限りの言動
ライターがほとんどその場のノリで言いたいことを言いやりたいことをやっている(登場人物に言わせている、やらせている)だけにしか見えず、全体を通して矛盾のない言動や信念を貫く意識が感じられない。
その結果、登場人物の言動が支離滅裂で理解不能になるのは当然といえる。

<例>
  • その時々の気分で動いていては誰一人救えないと自分を戒めた直後に異臭漂う林の中へ
  • 迷いを捨てると決心した3クリック後に迷う
+ ...
  • 主人公が幼馴染を助けているつもりだったというがそんな場面はない
  • ラスボスは剣の獲得を狙っていたはずが、いざ完成間近になると妨害してくる
ほか多数

様々なシナリオ上の都合と自然な話の流れを両立させることができず、前者を優先したため後者が壊滅的になっていると言える。

このことについて、通称の由来となったチーズ関連の流れを例にもう少し掘り下げてみたい。
この場面のシナリオ上の役割は、日常の終わり際ギリギリの局面を描くことである。
主人公に異様な雰囲気は感じ取らせつつも、決定的な確信に至ることは現時点では避けねばならない。
なぜならこのあとに最後の平穏な日常を描く夕食シーン、続いてゾンビ初遭遇イベントが控えているためである。
そこで選んだ手段が、既に異変の始まっている夜間に買い物に行かせることであった。
それは良いとしても、異様な雰囲気を感じさせる出来事をこれで最後とばかりに詰め込んでおり、しかもそれぞれ詰めが甘いため合理性が失われている。
最初に遭遇するおじさんは負傷流血しており「夜は恐ろしいぞ」と忠告するも、主人公兄妹は普段から風変わりな人だからと軽くスルー。
たったこれだけの間に既に突っ込みどころがある。
負傷の原因は状況からしてゾンビと思われるが、なんにせよ危険な存在がまだ外にいる状態で外出しようとする顔見知りを見れば、何があったかを具体的に伝えて強く制止するのが普通であろう。
主人公の側から何があったか聞いてもおかしくはない。
しかしおじさんは思わせぶりなことを言うだけで確信に触れることを避け、主人公達もあまり相手にしない。
なぜか。
異様な雰囲気は伝えなければならないが、ゾンビについてはまだ知ってはならないから。
よって、思わせぶりなことを言った時点でおじさんの役目は終わっているから。
それだけなのである。
その後、自転車のタイヤは切り刻まれ、林からは異臭が漂い、通報した際に警官からとにかく家に帰れと言われてもチーズ購入を諦めないのも、それらを観測すること自体がこの場面のシナリオ上の目的だから。
要するに、シナリオの都合上そうしなければならないからである。
繰り返すが筋書き通りなのが悪いのではなく、肉付けとしての言動が不自然すぎてそれを隠せていないのが悪い。
例えばおじさんや警官の忠告は行きではなく帰りで発生させれば、振り切って進むのではなく言う通りに帰るという比較的自然な展開になりそうなものだが、素人考えだろうか。
ともかく、この傾向はここに限った話ではなく、ほぼ全体に当てはまると思って差し支えない。

本作を語る上で外せない登場人物の酷さの根源がここにある。
登場人物の言動がおかしいせいでシナリオがおかしくなるのではなく、根本的にシナリオの作り方が稚拙なせいで出番が多いほど酷い人物になってしまいやすいのである。

また、一場面だけ切り取るとそれなりに評価できる場合がないわけではない。
しかし上記のように、前後の展開が無理矢理だったりテイストが違いすぎたりと感情移入を阻害する構成になっているため、通して見た場合はまとめて低評価になってしまうのである。

○ループ風リセット
中盤にいわゆる世界線移動イベントがあるのだが、これをもってループものと定義することには異を唱えたい。
清々しいまでの設定投げ捨てと新設定後付けでしかないからである。
ゾンビが大発生した絶体絶命の状況をどう切り抜けるかというところから始まり、結局どうにもできずに諦めて自殺、そこで奇跡的に世界線移動。百歩譲ってここまでは良しとしよう。
そこから失敗を踏まえてどうリトライするかがループものの醍醐味のはずが、本作では移動した時点でゾンビは日常の秩序を維持できる程度にまで対策済み、つまり解決してしまっているのである。
冒頭の「どう切り抜けるか」に対する答えは「切り抜けられないが幼馴染が奇跡を起こして不都合な世界を消し、新世界ができる」であり、失敗した主人公にリトライの機会は最後まで与えられない。
作中で多用される「なかったことになる」という表現はまさに正鵠を射ていると言えよう。
主人公は記憶を引き継いでいるが、それを根拠にやることは前世界で遺恨のある人物を新世界で襲撃する暴挙くらいであり、まっとうに活用されることはない。
結局新世界で新しい話が一から始まるのとあまり変わらず、ループというより本質的にはリセットに近い。
これではストーリーを面白くするための仕掛けではなく、面倒な設定を捨てる手段にしかなっていないのではないだろうか。
これらをもって設定の投げ捨てと後付けでしかないと評した。

○細部の粗
すでに述べた問題点よりは軽度だが、一文単位で細かく見ても気になる点はある。
微妙に怪しい日本語ベースの変に気取った文章、誤字脱字、小文字の乱用などである。
多少であればあまり気にはならないかもしれないが、最初から最後まで延々続くのでじわじわと不快感が積み上がっていく。
わずかに傾いた家に住み続けたときの健康被害のようなものである。
元々まともでないシナリオに上乗せされているのも酷く感じられる原因であろう。

  • 微妙に怪しい日本語、誤字脱字
言わんとしていることは一応わかるのだが、単純ミスの連発では片付けられない怪しさが至る所から感じられる。

<例>
「聞きずらい」「腐臭の匂い」「ほうぼうの体でこの場所から逃げ出す」
「巻きぞい」「即効に答えるべき」「反故する」「疾走と舞い戻る」
「僕の部屋が開いた扉もこれを使ったのだろうか」「一早く」
「ここから先の行動が移せない」「身体がどこか気怠さが圧し掛かる」
「俺の金玉は発射寸前だよォォ!!」
+ ...

  • 変に気取った文章
うまく格好良く書こうとして、まわりくどくて何が言いたいのか伝わりにくくなっている。
例として物語の冒頭部を引用する。

(引用ここから)
「まただ……」
「僕の人生は失望を免れない……」
生きるという実感が暴力と化して襲い掛かってくる。
「…………」
覗かれてる。
誰かの強烈な視線が押し込んでくる。
遠ざかることなく、想像の景色が場面となり、現実と変わり押し寄せてくる。
「……こんな…こんな、人生ッ!どうして、僕は……ッ!!」
浮上する笑顔。
怒った表情も、あの安らかな寝顔も。
もしかしたら、こんなことになることが分かっていたから、避けてることが出来ただろうに。
(ここまで)

  • 小文字の乱用
「ぁぁ」「はぃ」「ぅん」「ぅうん」「いこぅ」「ぇっと」「うるさいょ」など。
特定の人物のみではなく主人公を含む主要キャラ複数が多用してくるので、気になる人は気になるであろう。


◇その他

○RPGパートとADVパートの足の引っ張り合い
RPG部分とADV部分の両方で、片方の都合に合わせるためにもう一方が悪化する事例が散見される。

<例>
  • シナリオ展開の都合でPTメンバーの自由度ダウン
話の流れによる強制離脱が多く、RPGパートで特定の仲間だけ使い続けることはできない。
最たる例が、ラスボス戦のメンバー完全固定である。

  • 死に損なうアンドヴァリ
実は敵側の配下だった刀鍛冶アンドヴァリは、終盤でラスボスに裏切られ致命傷を受けながらも残る力を振り絞って最強剣を合刃し主人公に託す。
ここはそのまま息絶えて盛り上がるところのはずだが、実は内臓飛び出した程度では死にませんという理由で生き延びてしまう。
おそらくRPGパートの合刃担当者がいなくなるのは困るからだと思われる。
そのせいで最強剣合刃の流れは茶番に、ラスボスは配下を仕留め損なう間抜けになってしまうのである。

○バグ
致命的なバグは見つかっておらず細かいバグも修正されているが、中でもインパクトのあったものをふたつ紹介したい。

  • 主人公の顔アップ
RPGパートで戦闘終了後にマップ画面へ移行する際、主人公の顔が大きく表示されることがある。
暗転明けにいきなりなので、驚かし要素としてはかなりポイントが高い。
+ ...

  • 異界で茸に挟まれて出られなくなる
異界の一部には茸と瓦礫と柱に囲まれたくぼみがあり、そこに落ちると脱出不可能になってしまう。
ただしわざわざ障害物に向かって直進でもしない限りは陥らない罠であり、被害者はさほど多くないと思われる。
+ ...

◇総括
本作を紛うことなきクソゲーだと自覚していても説明がしにくい原因は、いくつか考えられる。
第一に、問題点は大小様々で数多いが、種類に限ればありがちなものが主流であること。
第二に、真剣に向き合おうとするほど泥沼にはまりやすくなる性質である。

そのゲームにしかないほど独自性の強い問題点が最大の特徴であるならば、それを挙げれば事足りるので説明はしやすい。
しかし本作は「主人公がダメ」「ゲーム部分が単調」等々よくある種類の問題だが、それら一つ一つの威力の高さと数多く組み合わさっているところに真価がある。
よって、どうしても説明の必要量が多くなるが、そのためのやり込みや読み込みに入ると別の問題が生じる。
主人公を中心に支離滅裂な言動を繰り返しながら展開するストーリーをどう説明するのか、という難題である。
ここで、理解しなければ要約出来ないからと言動のひとつひとつに意味を求めて深読みを始めると行き詰まってしまう。
基本的にシナリオの都合に合わせて動いているかその場のノリで言いたいことを言っているだけで、深い意味など無いからである。
無いものを見出すことなど出来るはずがない。
ならば意味不明なままに、なぜ意味不明なのか、その成り立ちを探るしかない。
そう確信したときは、視界が晴れる思いであった。
ゆえに本考察は、意味不明さの成り立ちを探るという視点と代表的な具体例をもって新世黙示録という怪物の深淵に迫ってみた。
最終的な結論は冒頭の要点として既にまとめてあるので繰り返さない。
目的がどこまで達成できたかは定かでないが、わずかでも理解を深める一助となれば幸いである。

妹分岐シナリオまとめ

【2014】 クソゲーオブザイヤーinエロゲー板 93本目
http://pele.bbspink.com/test/read.cgi/erog/1412774155/
9チーズ 妹分岐 ◆XKQGite/rM [sage]:2014/10/08(水) 22:33:40.47 ID:63VcQ5Sa0
妹ルートだが、まず入る方法がwikiでも不明瞭。
とりあえず、妹に優しく姉に厳しくしてればOK
ゾンビが発生する中、お隣さんを見捨てる知空マジ外道。

姉ルート研究所脱出から分岐(姉エロはなし)
研究所を荒渡・鈴珠を守ると知空は宣言するも直後
千波により荒渡の首が切断される。
知空は激昂し千波に切りかかるが、白川が止めに入る中
首ちょんぱの荒渡が立ち上がりロキへと姿を変える。
(なお、ここに来て知空は「違和感を感じていた」など
心の中で自己弁護をしていた。)

荒渡は研究所に来る前に死亡が確認されていたとの事。
そして、このままでは世界は超常体であふれてしまう上
ロキは龍脈をつかい新たな生命を生み出そうとしているらしい。
それを防ぐ為アルルーンの洞窟にいるロキを倒すことに。

洞窟で対峙したロキは姉分岐に入った場合聞くことができない
自身の目的について語る。
ロキ曰く、ヨハネの黙示録にあるハルマゲドンにより人類は滅び
選ばれた人間だけが復活する。
月の子はそれを止め、世界を混沌に導く役目との事。
(タイトルにもある黙示録ここぐらいしか出てこないんですが・・・
というかラスボスの目的ここぐらいでしか聞けないんですが・・・)

誕生した月の子は弱いのであっさり撃破するも、
ロキにより鈴珠の鬼化が急速に進む。
知空の言葉により一時的に元に戻るも希望もなく
兄妹共に自殺をほのめかすが、バカ知空突如妹に愛の告白。
その後、鬼化を食い止める為効果があるかまったくわからないが
セックスし続けるも、当然効果はなく鈴珠は鬼化してしまう。
鈴珠の頼みを受け妹を殺害し、自身も自殺してEND。
なお、佐倉はリザレクターとなり宗教活動にいそしんでいた。

参考資料

後光セックス
+ ...
アンドヴァリ登場
+ ...
正しいのは誰?(11/23更新)
+ ...
顔が・・・っていうか首が・・・
+ ...
何かがおかしい
+ ...
※初対面の転校生です
+ ...
傾く教室と無理な姿勢
+ ...
今よりさらに自由に?
+ ...
え~
+ ...
コピペ異界のなぞ
+ ...
真のヒロイン
+ ...


わたしの勇者は多重神格者 EPISODE1 まとめ

【2014】 クソゲーオブザイヤーinエロゲー板 避難所
http://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/game/58331/1416175866/487
487 :わたしの勇者は多重神格者 EPISODE1 まとめ ◆XKQGite/rM:2014/12/21(日) 09:11:11 ID:RR42etR.0
わたしの勇者は多重神格者 EPISODE1

7月にスレを騒がせたチーズこと新世黙示録 ―Death March―。
欠片も好評ではなかったこの作品の外伝である、わたしの勇者は多重神格者が
18日発表・19日発売と言う奇襲のような販売劇を見せた。
EPISODE1は685円⇒108円とかなり割安となっていたためお手ごろとなっているが、
msvcr110.dllを入れないと起動しないと言うあからさまな見切り発車感を醸し出した。
内容自体は低価格であることを考慮すると悪くはない出来であったが、
せっかくなのでまとめておこうと思う。

シナリオ:ライター交代に加え非常に短い為、不快な内容はないが薄い。
EPISODE1は基本、あらすじ以上のことはほぼ起こらないといっていい。

エロ:端から期待してなかったので飛ばしました。CG 5枚で特に構図が変なものは無かったです。
ひもろぎ フェラ フェラ+正常位
グリマルキン 触手 後背位+騎乗位

RPG:戦闘システム自体はそのまま。テンポが悪くクリティカルによりあっさり壊滅する。
難易度は雑魚はオートで問題ないが、ボスは十分に強化して手動で無いときつい。
ボスは3戦+おまけの1戦なので、4戦はRPGとして体をなしている。

剣のシステムは改善され、攻撃力・防御力は単一のステータスに変更。
またランクシステムが変更され各剣にランクが設定され、ランクが高いほど性能が上がる。
これにより前作では低ランクの剣が使いづらかった点が改善された。
ランクは前作の変容合刃の代わりに導入された昇格合刃にて上げる。
同ランク同士の剣を掛け合わせることで、ランクが1上昇する。
零の剣が稀に作成されるのは相変わらずだが、効果が昇格合刃にて使用するとランクが3上がるに変更されたうえ、
EPISODE1ではランクは28までしか上がらないので前作ほどの脅威はない。
マイナス点は剣の性能は調整されたが技はそのままなので、補助・回復はろくに無く、似通った性能のものが多い事。
また、与ダメが大きく低下した為ドレイン系がほぼ無意味、自動回復もほぼ空気、恐怖+麻痺(両方とも2ターン行動不能)でほぼ完封可能と調整不足。
ちなみに、EPISODE1で獣を除く百の剣全てが入手可能。前作で重要アイテムだったランク1の剣も普通に出てくる。

以上。前作の悪い点が一応改善された為、108円としてみるとまあ妥当な出来。
ただまともな戦闘が4戦しかないので、685円払えといわれると…
気が向いたらEPISODE2も買うかもしれない。

バトル体験版選評

+ ...
【2014】 クソゲーオブザイヤーinエロゲー板 87本目
http://pele.bbspink.com/test/read.cgi/erog/1408122468/
668新世黙示録 ―Death March― バトル体験版2 ◆K1z/mB9tDA [sage]:2014/08/23(土) 19:45:42.66 ID:Kmb9waT60
新世黙示録 ―Death March― バトル体験版2

(以下は製品版の情報)
新世黙示録 ―Death March―
発売日 7月25日
価格 9,800円(税別)
ジャンル 悪魔と天使と百の剣/戦略RPG
メーカー ザウス【本醸造】

※おことわり
本選評は新世黙示録 ―Death March―のバトル体験版2の選評です。
あくまでも、製品版をクリアされた方の選評が完成するまでの「つなぎ」としてご覧になることをお願いします。
また、体験版と製品版とでは内容の差異がある可能性も念頭に置いて頂ければ幸いです。


本作は企画・シナリオを女神転生シリーズの設定を築いた鈴木一也氏が担当しており、
鳴り物入りで売り出された作品である。
本作も他のエロゲーのように体験版は出されたのだが、
なんとエロゲーにとって重要であり、鈴木氏のファンも期待していたシナリオ部分の体験版は出されず、
バトルと3Dマップの探索のみが可能な体験版が出されたのであった。
もちろん、セックスシーンなどは一切無い。せいぜい裸の女性型モンスターが登場するのみである。
そんな体験版について気になったことを記述する。

本作の戦闘は敵味方のパーティが剣で切りあうことから「ソードバトル」と呼称している。
名称の割に、敵が剣を使わないモンスターの方が多いのは気にしすぎだろうか。
さて、このソードバトルだが、はっきり言って苦行である。以下に問題と思われる部分を列挙する。


  • 戦闘の演出が長い
味方の行動は敵味方にエフェクトが出るだけの簡素なものであり、これだけなら問題にならない。
しかし敵の行動がやたらと間延びしているのである。
「敵に向かってズーム→敵が攻撃の動作をする→ダメージのテキストが出る→状態異常のテキストが出る→ズームアウト」
という流れであり、敵にもよるが行動一回に8~10秒ほどの時間が掛かる。これが意外と気になるレベルで長い。

また、状態異常の付与されている攻撃をした場合、
たとえ状態異常が発動しなくても「○○は石化に耐えた!」等のテキストが一々出るため鬱陶しい。
普通のRPGは状態異常が発動した場合のみテキストが表示されるものだと思うのだが…。


  • 敵のクリティカルヒットが多い
本作は女神転生やペルソナシリーズの「プレスターンバトル」のような戦闘システムを採用している。
敵味方は行動値の分だけ行動が可能であり、敵にクリティカルヒットを出すと味方の行動値が増え、敵の行動値が減り、
さらにクリティカルヒットを出したキャラクターは追加ターンが得られる。
なお、クリティカルヒットは敵の弱点属性の攻撃をすると発動しやすい。

このシステムは敵にも適用されているのだが、敵のクリティカルヒットがやたらと多いのが問題なのである。
敵にクリティカルヒットを出されては敵の行動が増え、その度に間延びした演出の攻撃をされるのでダレてしまうのだ。

  • 俊敏値の高い敵がウザい
このゲームには「俊敏値」というステータスがある。
敵パーティとPCパーティの俊敏値に差がある場合、先制攻撃をしたりされたりする場合があり、
先制攻撃をされた側は1ターンの間行動できない。
また、ターンでの行動順はキャラクターの俊敏値(と、剣の軽さ)が高い順で行われる。

ここで問題になるのが俊敏値の高い敵である。
俊敏値の高い敵は先制攻撃をしてきやすく、行動順も俊敏値の高い敵から回ってくるのである。

これだけでも結構厄介なのだが、これに前述のやたらと多い敵のクリティカルヒットが相乗して問題になる。
敵が先に行動してクリティカルヒットを出し、敵の行動力が増えて味方の行動力が減り、
敵を攻撃しようにも行動力が足りなくて攻撃できない…ということが起こるのだ。
ずっと敵のターン…とまではいかないが、敵の行動が多くなり、敵が行動する度に長い演出を見せられ、
その結果、戦闘時間が長くなってしまうのだ。


  • エンカウント率が高い
このゲームのエンカウント率は高い。そしてこのゲームには剣以外のアイテムは一切登場しない。
そのため、エンカウント率を下げるアイテム等も存在しないのである。


  • 視点が操作できない
これまでバトル部分について記述してきたが、3Dマップ部分にも少々難がある。
今時の3Dゲームであれば、視点を左右に操作してキャラクターの横や後ろが見えて当たり前である。

しかし、このゲームは視点の操作ができず、カメラのリセットが可能なだけである。
そのため、ダンジョンの曲がり角が見たい場合は一旦横に移動してからカメラリセットをすることになる。
背後を見るなら後ろに移動してキャラクターを振り向かせてからカメラリセットをするのだ。
これはなかなか不便である。

  • その他の細かな部分
このゲーム全体のUIとしてドラッグ&ドロップの操作が多く、お世辞にも操作性は快適とは言えない。
一応、戦闘はコマンド入力方式もあるので、そちらを使った方が操作性は良くなる。

前述したように、このゲームには剣以外のアイテムは一切登場しないが、戦闘中は剣を使って回復ができ、
戦闘後にHPが(全快ではないが)回復するので、HPの回復手段に関してはあまり問題とは思わなかった。

なお、本体験版のダンジョンは製品版のゲームクリア後のエクストラダンジョンに流用されている。

そして、これは本当に細かな部分なのだが、敵の攻撃を連続でくらうと前の台詞を中断してダメージボイスをしゃべるので、
「(バシッ)なめッ(バシッ)なめんな!」
「(バシッ)お尻ッ(バシッ)お尻ぶっちゃったよう」
等と不自然に台詞が切れるのが個人的に気になった。


以上のように、この体験版だけでも十分に黙示録のクソ要素は盛り込まれていたのだ。
しかし、このゲームの購入者はバトル部分ではなく、鈴木氏の書くテキストに期待していたのである。
「バトル部分がクソでもシナリオやテキストが良ければそれでいい」
そう思った方々が、製品版をプレイしてどう思ったのか。
それは、製品版の選評を書かれた方へとお任せすることにしたい。


※注意
以下のコメントフォームは、誰でも好き勝手にコメントを残せるので、その程度のものだとお察しください。またここに何を書こうが本スレには無関係です。

過去のコメントはコチラ
最終更新:2015年02月01日 07:49