2013年度 総評案2

2013年総評案2 大賞:バルドスカイゼロ

688 名前:2013総評案2 ◆/K7e7CRRxo [sage] 投稿日:2014/02/09(日) 13:40:19.62 ID:47rqoM/20 [2/25]
2012年のKOTYはクソゲーの世代交代を感じさせたものであった。
着実に力を蓄えてきたsofthouse-sealの『華麗に悩殺♪ くのいちがイク! ~桃色ハレンチ忍法帳~』と
立ち上げた新ブランドを自ら突き崩すスワンアイの『SEX戦争 ~愛あるエッチは禁止ですっ!~』との
二大巨頭は古参のクソゲーを寄せ付けずにデッドヒートを繰り広げ、最終的にはSEX戦争が見事に大賞に輝いた。

新たなる支配者の誕生か、はたまたさらなるクソゲーの英傑が登場するのか、
スレ住人達は様々な思いを抱えながら2013年のクソゲーに向き合っていくのであった……

年明けのスレ一番乗りを果たしたのは前年の覇者スワンアイが繰り出した
『リア充爆発しろ! ~変身能力手に入れたんだけど質問ある?~』(通称『リア充』、『ずっぷ』)である。
タイトルにあるように変身能力を手に入れた主人公が、その能力を使って彼氏持ちのヒロイン達を手篭めにしていく内容である。
これだけならよくありそうなシナリオではあるが、スレ住人を驚嘆させたのはそのシナリオの超展開っぷりである。
肝心の変身能力は詳細な説明もなく、手に入れた経緯すら数行のテキストで完結する始末。
各ヒロインのルートも「彼氏に変身して寝取ったのがばれたけど主人公にデレる」
「自身の捏造ハメ取り写真が見つかったらなぜか女子同士でのハメ取り自慢大会に」
「自分の失禁した姿をオカズに男子に自慰されたが、その男子達は教師によって廊下で自慰を命じられた」など
わけのわからない展開のオンパレードである。

最重要部分であるエロシーンにもぬかりはない。1シーン20クリック程であるがテキストの大半はコピペ。
頻出する「ずっぷ!ずっぷ!」「ああ…もう出そう」のフレーズはスレ住人を爆笑させ、AAまで作られるほどの人気を得た。
かくしてこの一番槍は2013年の門番としてその威力を発揮するのであった。

例え強敵が待ち受けていようとも挑戦する者が絶える事はなく、クソゲーのエントリーは続いた。
2月にはプラリネから発売されたモテすぎでも修羅場でもないタイトル詐欺の『モテすぎて修羅場なオレ』や
yatagarasuが送り出したお粗末すぎるシナリオ&戦術性皆無のゲームパートを引っさげたレズゲー『星彩のレゾナンス』
3月にはBLACKRAINBOW&Anim&C:drive.のメーカーコラボで輩出したはずが某有名痴漢ゲーム丸パクリの『淫獄痴漢列車 ~A Molestertrain Named Desire~』
FULLTIMEによる昨今貴重な遊べるクソゲー『UNDEROID -アンダロイド-』と、クソゲーの便りは途絶えることがなかった。

4月、新年度の慌しさの中でその刺客はやってきた。softhouse-sealの『エルフと淫辱の森』(通称『エルフ』)である。
前年の頂上対決に出場した『くのいち』をベースにした本作品は瞬く間に注目を浴びた。
アクションシステムの削除や新規追加が行われたがヌルゲーっぷりは相変わらずであり、
ボス戦はダメージを受けたときの無敵時間中に攻撃連打で片がついてしまう。
エロ方面ではHシーンとミニアニメが用意され、『くのいち』のエロCG無しからはマシになったが、
ミニアニメのサイズが小さい&着衣エロシーンがないという手落ちであった。
さらに、4月は他にもLassのTHE・観光案内から何故か世界史の予習が必須の鬱グロへ急展開した『少女神域∽少女天獄』、
Ariesからはフルプライスなのにスキップで1週10分の極薄シナリオの『ナイものねだりはもうお姉妹』がエントリーした。

5月に入ってもKOTYにゴールデンウィークはなかった。スレへの逃亡者が大騒動を巻き起こすのであった。
その名は『逃避行GAME』(通称『逃避行』『イラッシャイマセー』)である。
前作『ひよこストライク!』で結構高評価を受けたはずのEx-iTがまさかの殴り込みをかけてきたのだ。
マスターアップ宣言からの発売延期というコンボは軽いジャブに過ぎなかった。
ゲームを起動したユーザが見たのは「START」「LOAD」「END」の3つしか項目が無い「充実した」タイトル画面。
シナリオは一部のヒロイン以外は伏線の投げっぱなしや尺不足を露呈する有様。
だが、本作品を有名たらしめたのは多数の「バグ」の存在である。背景が黒一色になる、ボイスが再生されないといった軽度なものから
特定ヒロインのルートに進めないという重度のバグまでお手の物。本作品の代名詞ともなっている『イラッシャイマセー』は、
ゲーム中名前が「???」のキャラのボイスがすべて「イラッシャイマセー」という謎の女性の声になっているバグが元になっている。

このバグによって身の丈2m超の殺し屋が「イラッシャイマセー」を連呼し、「???」のキャラ同士の会話では「イラッシャイマセー」「イラッシャイマセー」「イラッシャイマセー」と
狂気のやりとりが展開されることとなった。この衝撃は凄まじく、スレでは「ずっぷ!ずっぷ!」AAに続く「イラッシャイマセー」AAが誕生することになった。
とどめと言わんばかりに、本作品には予約特典としてヒロイン視点のHシーン回想モードが用意されていたが、
そもそもゲーム本体に回想モードが存在しないため何の意味も有していないというオチが待っていた。
最終的には修正パッチによって多くのバグは駆逐され、予約特典も使用可能になったが未完成商法の謗りを免れないのは確かであろう。

クソゲーラッシュはその後も続いた。『逃避行』の影では、デタラメ経済理論を振りかざしたensembleの『お嬢様はご機嫌ナナメ』、
劣悪アニメーションとユーザインターフェースで購入者を落胆させたShelfの『Qualiaffordance-クオリアフォーダンス-』がエントリーした。
6月に入ってからもヒロイン全員無口キャラ化でボイス容量の大幅削減に成功した
MBS Truth -Cherish Pink-の『クラス全員マヂでゆり?!~私達のレズおっぱいは貴女のモノ・女子全員潮吹き計画~』が、
7月にはキチ●イとヤンデレを取り違えたスワンアイの別ブランドである黒鳥の『雨音スイッチ~やまない雨と病んだ彼女そして俺~』が
スレへの上陸を行い、クソゲーの話題は尽きなかった。

少し時間が空いて9月末、2013年最大の火薬庫がスレに建築された。
SAGA PLANETSの『カルマルカ*サークル』(通称『カルマルカ』)である。
ストーリーを簡潔に述べると、「魔可」と呼ばれる七つの大罪になぞらえた超能力を持つ主人公とヒロイン達が力を合わせることで
過去・現在・未来まで自在に改変できる「カルマルカ」と呼ばれる存在を手に入れようとするというものである。
体験版が重々しい展開を予感させるところで終了しているところも、ストーリーへの期待を煽っていたが蓋を開けてみれば
複数のシナリオライターによって配合された「設定投げ捨て」「矛盾だらけの人物描写」「投げやりなストーリー」の三重苦だった。
能力発動時だけ怪力を発揮するはずが平常時でも小石を粉砕するパワーを有する主人公、
カルマルカに興味深々のヒロインは別ルートでは「ぶっちゃけどうでもいい」と吐露する、
個別ルートに入ると突然そのヒロインが「人殺しの娘」と呼ばれている設定が追加されるといった具合なのだ。
選評者曰く「笑い所のないチャージマン研!」とのことなのでシナリオ全体も推して知るべしである。

この手のゲームで残された希望はHシーンであるのだが、原画は優秀でCGの出来はかなり良い物なのに、
シリアスシーンの直後にパイズリを始めたり中出し・外出しの選択肢を選んだ直後に射精と素直に褒められない出来になっている。
クソゲーに付き物のバグは報告されていないが、シナリオライター達の意思疎通能力がバグってると言われるのは当然の帰結だろう。
本作品についてはKOTYのエントリーに強硬に抵抗する「お客さん」がスレに来襲して
本総評執筆時に至るまで騒乱を引き起こし続けている。それに対抗するかのようにスレでは『カルマルカ』の公式ジャンル名の
「ハッピー&スマイルADV」から着想を得たハッピー&スマイルマンなるAAが誕生するという微笑ましい一幕もあった。

『カルマルカ』と同日発売の戯画による『バルドスカイゼロ』(通称『バルスカゼロ』)もKOTY宙域にその姿を現した。
バルドシリーズと言えば、良く練られたシナリオと爽快感あるアクションで人気を博した戯画の看板シリーズであり、
本作品は好評であった『バルドスカイ』の前日譚という事で大いに期待を集めた。
公式サイトでは新システムの実装を紹介し、製作スタッフはシナリオの内容やボリュームを絶賛した。
発売まで半年の延期を挟むことになったが、『バルドスカイ』ファンは一日千秋の思いで発売日を待ち続けた。
しかし、その期待は完全に裏切られることになった。
紹介された新システムには「遠距離攻撃強化」「主観視点でのエイム・特定武装や機体自体の強化」「多彩なカメラワーク」などとあったが
実際は「遠距離攻撃の弱体化」「主観視点エイムや機体・武装の強化未実装」「単調なカメラワーク」と正反対な現実であった。
それに加えて、前作まであったシステムすら使い勝手が悪化したり、シリーズの最大の特徴かつ売りであるコンボが概念すらなくなる有様。

だがそれ以上にユーザの怒りを爆発させたのはシナリオの内容であった。回りくどいセリフや描写不足のシーンなどは序の口。
ピンチになったら増援・ドラ○もん的なキャラが大体なんとかしてくれる展開ばかり。
常に高圧的で礼節の欠片もない言動ばかりのひたすら不快な主人公、シナリオにおいては前作キャラが執拗にこき下ろされ、
伏線は回収されるどころか謎ばかりが残り、どう解釈しても『バルドスカイ』に話が繋がらない結末など前日譚としての体裁すら放棄している。
公式でメアリー・スーを大暴れさせたライターの胆力はある意味賞賛に値するかもしれない。
特に前作キャラのこき下ろしについては、前作主人公を登場人物総動員でモヤシ扱いや馬鹿呼ばわりするほか、
市民の大量虐殺犯という設定を加えられ、極めつけに本作主人公から恋人が死んだ事を皮肉たっぷりに囃し立てられるという
前作を知らないユーザでも胸糞悪い描写まで備えている。

これらの要素が当該作品のスレを炎上させている中で、公式から更なる燃料が投下された。
続編の予定はないと公言していたにも関わらず、新作『バルドスカイゼロ2』を発表したのである。
この公式の厚顔無恥っぷりには誰もが怒りを通り越して呆れるばかりであった。

それから年末にかけてもクソゲー報告が上げられてきた。
命に関わる犯罪行為をギャグで済ませるシナリオのチュアブルソフト発『ノブレスオブルージュ』、
一本道&ボリューム不足&脈絡のない唐突シナリオを貫き、
全く可愛くない赤ちゃんを見せつけたALcotハニカム提供の『赤さんと吸血鬼。』。
両作品がエントリーしたところで2013年は終わろうとしていた。
しかし、2013年のクソゲーは未だその全貌を見せてはいなかったのだ。

まず降臨したのは『逃避行』でスレを沸かせたEx-iTからの使徒『雛といっしょ』(通称『雛遺書』)である。
マスターアップ発表からの延期宣言を再度やらかしたのだが、後述する問題点と比較すれば大したことではなかった。
商品を手にしたユーザはまずクチャクチャの包装をされた本体を目にすることになった。
ゲームのバグへのお詫び状を入れるために一旦開封して手作業で再梱包した結果なのだが発想がずれている。
そして、そのバグはもはや弁護しようのないレベルであった。それは、
「10分程度のプロローグ終了後に100%の確率で、プレイ環境に関わらず強制終了する」という極悪なバグである。
この余りにも規格外なバグに対してスレ住人は狂喜乱舞した。決して中身を覗くことのできない本作品には
「シュレディンガーのエロゲー」「パンドラの箱」な様々な異名が付けられた。
さらに、数年前より現れた「ゲー無」を超える「 ー 」であると恐怖の対象にもなった。

この大災厄へのメーカーの対応も常軌を逸していた。イベントに出るから、エラー原因がわからないから、ミラーサイトと連絡が取れないからと
宿題を忘れた小学生レベルの言い訳を繰り返してパッチを延期。年内公開予定のパッチは年明けにまでずれ込む結果となった。
パッチによって本作品の全貌が明らかになるとユーザが目の当たりにしたのは、ミドルプライスのファンディスクとしては
ひたすら薄い内容だった。デスクトップアクセサリーやミニゲームといったものは無く、
フルスキップした場合、初期状態のタイトル画面から始めても10分強でコンプリートできるようなボリュームでは
購入したユーザの無念さを察するに余りあるものがある。

埋もれていたクソゲーの選評が次々とスレに持ち込まれたのは年が明けてからであった。その数、実に8作品。その面々を見ていこう。
Tech Arts傘下のブランド、One-upより発売された『聖ブリュンヒルデ学園少女騎士団と純白のパンティ ~甲冑お嬢様の絶頂おもらし~』は
『クラス全員マヂでゆり?!~私達のレズおっぱいは貴女のモノ・女子全員潮吹き計画~』を髣髴とさせる異常なまでのボイス削減に加えて、
立ち絵の種類や主題歌まで削減する緊縮っぷりを見せつけた。
『赤さんと吸血鬼。』を送り込んだALcotハニカムから名義が変わったGLaceの『Timepiece Ensemble』はシナリオの核心を理解するためには
同じくALcotハニカムの『1/2 summer』のプレイが前提となっているという無茶振りを披露した。
古参の強豪アーベルの系列のRed Labelの『JK辱処女~純粋な心の持ち主ほど処女を好むという法則~』はヒロインの陰核はもとより
主人公の腕や陰茎までも瑞々しい枝豆のCGで表現するという前衛的な手法を用いてスレに笑いをもたらした。

fleur-softの『妹*sister -My sister-』は公式サイトの「主人公の部室」「いい肉な妹日」等の暗号と見紛う日本語で注目を浴びたが、
妹プッシュなタイトルに反して妹要素ゼロのヒロインがいる程度であり、半ばガッカリゲーとも言える。
3Dエロゲの老舗ILLUSIONの『プレミアムプレイ~ダークネス~』は陳腐な一本道×9のシナリオモードとシチュエーションごとに
一々細かく面倒な設定を強いられるHフリーモードのクソの二刀流で切り込んできた。
Tech Artsの新ブランド、Bulletの『3D少女カスタムエボリューション』は今なお熱狂的なユーザを擁する『3Dカスタム少女』の後継として
期待されていたが、『3Dカスタム少女』とMODの互換性がないことや追加システムである箱庭要素がゴーストタウンを歩き回れるだけだったため、
発売直後から作品スレを一転して葬式状態にする成果を上げた。
REALの『いたずら学園』は「リアルタイム痴漢シュミレーター」のはずが、運転手すらいない無人のバスでの痴漢や
電車のど真ん中で堂々と性交するなど、従来の痴漢とは一線を画した概念を提示した。

年明けに持ち込まれた選評の中でも最強であったのはミルクプリンの『明日もこの部室(へや)で会いましょう』(通称『部室』)である。
発売から半年もの間潜伏し続けたその実力を解き明かしていくとしよう。
この作品をクソゲーたらしめるもの、それは問題点しかないシナリオと理不尽なバッドエンドである。本作品のあらすじは、
主人公の所属する写真部が廃部の危機にあるので学園祭や写真展で実績を上げて部を守ろうというオーソドックスなものである。
ゲーム進行も共通ルートで毎日誰と行動するかの選択を積み重ね、最終日に個別ルートに分岐するよくあるタイプである。
しかし、この選択の中に地雷が隠されていた。各ヒロインには「見てはいけないイベント」というのが存在し、
これが発生する日に選んでしまうとバッドエンドが確定してしまうのだ。しかも地雷を踏んだことが発覚するのは共通ルート終了時のみであり、
後はそのまま「ヒロイン全員から相手にされなくなり、卒業式の日に主人公が飛び降り自殺する」ENDに進むのみである。

一方でシナリオの9割は共通ルートが占め、その内容はキャラの掘り下げにもならない雑談、カメラについての細かすぎる話題、
撮影手法の議論など物語としてもコラムとしても面白くない物の連続である。
部活に付き物の重要イベントである合宿においても「被写体を探してました」程度のイベントしかなく盛り上がるところは一切ない。
では、残り1割の個別ルートについても見てみよう。個別ルートに入ったからといって劇的な展開があるわけでもなく、
被写体を探して歩きましただの食べ歩きをしましただのという淡々とした話が続行される。Hシーンに突入しても、
Hシーン、申し訳程度のイベント、Hシーンのループであり最終的には場面が一気に数年後へ飛んでエンディングである。
これらの尺は短く、普通にプレイしても15分程度で読破してしまう程である。その上、肝心の写真部のその後は殆ど語られない。
かろうじて一部ヒロインのルートで写真部の存続が確認できる程度である。

最後に、スレ住人を抱腹絶倒させたあるヒロインの個別ルートについて触れておこう。
結ばれた主人公とヒロインは5年分の食料と燃料、水が備蓄されているという家に完全に引き篭もり、ひたすら性交三昧の日々を送る。
2年後、学園祭に招待されたのでようやく外出しようとするのだが、引き篭もっている間にバイオハザードが発生して
世界は壊滅していることがヒロインの口から明らかになるのだ。そんな惨事を尻目に暢気に2人は外出の準備をして、次の一文でゲームは幕を閉じる。
「果たして、無事に明日、部室で会えるかどうかは、誰にもわからない」

百花繚乱の2013年エントリー作品を総覧したところで、本年のKOTYの大賞と次点に移るとしよう。
次点は、
『リア充爆発しろ! ~変身能力手に入れたんだけど質問ある?~』
『カルマルカ*サークル』
『明日もこの部室(へや)で会いましょう』
栄えある大賞は、
『バルドスカイゼロ』とする。

例年にない豊作となった2013年のKOTYであるが、やはりエントリー作品の多くがシナリオについてのクソさをクソゲーと断ずる理由に
挙げていた。次点も大賞もその一翼を担っているが、『バルスカゼロ』はそれに加えて前作をプレイしたことのあるユーザのみならず
『バルスカゼロ』を単体でプレイしたユーザすら反吐が出るほどの不快感を与える要素をも備える点でクソゲー度合いをより高めていると言える。
それだけに留まらず、当初ユーザに説明した新要素の実装を反故にした上に既存要素の削除まで行った悪辣さ、
自らの発言を省みずに続編の発売を発表してのユーザへ追い討ちというクソ要素も両脇を固めていた。
本総評執筆者はクソゲーへの怒りを笑いへと昇華することにこそKOTYの本懐があると考える。
ならば、笑える要素が主体となっている次点のクソゲー達よりも怒りを呼び起こしたクソゲーの『バルスカゼロ』の方がより大賞に相応しいと言えるだろう。

本年のクソゲーは「劣悪なシナリオ」「後に発掘されるステルス性」が特徴であると言えた。
次点の3作はそれぞれ、説明不足とコピペ・不整合シナリオ・ツッコミ所多すぎという大きな瑕疵を備え、
大賞には初プレイのユーザすら不快にさせる要素も盛り込んでいる。
エントリー作品の多くも読み物としてのつまらなさを携えてのものであり、例年にないエントリー本数を踏まえると業界全体の
シナリオ執筆能力の劣化を危惧せざるを得ない。

もう一つの特徴であるステルス性について述べておこう。ここで言うステルス性とは本家KOTYではお馴染みとなりつつある、
発売から大幅に時間がたってからの選評到着のことである。本年は年明けに入ってから怒涛の8本の選評が到着した。
『部室』のように半年も潜伏していたものまであることがその異様さを物語っている。
同時にこのような選評の到着の仕方は、クソゲーが表出するプロセスの変化を如実に表している。
従来の、クソゲー発売から即座に選評が届くという流れと並んで、過ぎ去ったクソゲーを「発掘」して選評が誕生するという流れが
生まれつつあるということである。この潮流がクソゲーとして認知されるゲームを徒に増やすのか、
良質なクソゲーを見逃さない結果を生むのか、今後の動向に注目したい。

最後に2014年のKOTYを担うスレ住人に向けて『バルドスカイゼロ』及び『バルドスカイゼロ2』両作品の
キャッチコピーを捩った言葉を送ることで本総評を締めくくりたいと思う。

「クソゲーを掴み取れ――
 その選評は、己の意思で――」