2013年度 総評案1

2013年総評案1 大賞:明日もこの部室(へや)で会いましょう

776 名前:総評案1-1 ◆v.TAYcWkbs [sage] 投稿日:2014/02/01(土) 11:04:15.96 ID:ab8C44O70 [5/39]
スポーツの祭典、オリンピックが実に56年振りに日本で開催される事が決定し世間が賑わった2013年であったが、
一方では好事家達によるクソゲーの祭典もひっそりと開催されたいた。クソゲーオブザイヤー in エロゲー板である。
2012年度はスワンアイ代表の『SEX戦争 ~愛あるエッチは禁止ですっ!~』とsofthouse-seal代表の
『華麗に悩殺♪ くのいちがイク! ~桃色ハレンチ忍法帳~』の決戦となり、
結果としてSEX戦争が見事金メダルを勝ち取りクソゲー界の底辺に輝いた事は記憶に新しい。

そして2013年度を迎えたスレ住人達は今年はどんな怪物が現れ、不名誉の金メダルを獲得するのか期待・・・もとい不安に満ちていた。
ここに2013年度クソゲーオブザイヤー in エロゲー板のあらましを記すことで、本年の総評としたい。

スタートダッシュを決め、我先にと名乗りを上げたのは前年覇者スワンアイが放つ『リア充爆発しろ! ~変身能力手に入れたんだけど質問ある?~』(通称『リア充』、『ずっぷ』)である。
碌なインターバルも挟まずして襲撃してきた前年覇者の姿にスレ住人は一様に恐れをなしたが、その内容もまた怪物と呼ぶに相応しい物であった。
本作の大まかな流れとしては「リア充達にバカにされていたコミュ障の主人公が、ふとしたことで手に入れた変身能力を使って復讐する」というものである。
設定のぶっ飛び様はバカ抜きゲーであるため大した問題では無いものの、『SEX戦争』と同じく説明不足が尋常では無い。
『変身エステ』なる所で主人公は変身能力を入手するのだが、この変身エステの単語が初出した僅か4行後には「そして・・・僕は変身能力を手に入れたのだった。」
との説明だけで変身能力入手の経緯の説明は終わりである。能力の具体的な説明も以後行われる事もないのだ。
前振りだけで投げっぱなし状態なのだから本編も当然まともなはずは無く、今まで主人公を毛嫌いしていたヒロインを彼氏に変身して寝とったのがバレたら唐突にデレだすのは序の口で、
失禁したヒロインを見て男子生徒達がオナり始めたのを教師に見つかり、罰として廊下でオナニーなど最早なんでもありである。
個別ルートも選んだ直後からHシーンに突入し、終わったらまた別のHシーンと物語としてはスッカラカンな出来である。
更に抜きゲーである本作に置いて要とも言えるHシーンそのものも酷い有様で、20クリック程度の文量しか無いのに大半がコピペと呆れて物も言えない。
特によく使われる「ずっぷ!ずっぷ!」「ああ・・・もう出そう」のワードはAAになるほどの笑いをスレ住人に与えた。
ちなみにヒロインは全員彼氏持ちにも関わらず全員処女であるというSEX戦争の新古品の設定を彷彿とさせる点もあり、スワンアイの商業戦略には首を傾げるばかりである。
エントリー時からぶっちぎりのポテンシャルを発揮した本作は年間を通じて引き合いに出され、初っ端から強力な門番としてスレに立ち塞がったのであった。

続けてエントリーしたのは2月発売のプラリネが放つ『モテすぎて修羅場なオレ』(通称『修羅場』)である。
既に4人のヒロインと肉体関係を持っている四股状態で始まる本作はタイトルと公式の説明だけを見ると面白そうな題材に見えるものの、実態はその全てを裏切る内容であった。
修羅場を回避する楽しみも何も無く、プロローグが終わった後の選択肢1つでルートが固定されエンディングまっしぐらとなってしまうのだ。
そもそも四股状態なのもモテすぎてというよりは成り行きの関係といったもので、また四股がバレても仕方ないねと言った雰囲気で終わりと完全なタイトル詐欺となってしまった。
選評主の「ある意味プレイヤーが翻弄された5人目なのかもしれない。」という一文は本作を端的に表していると言えよう。

4月に入り桜が舞う季節となりスレにも暖かみが広がっていたがそんなスレ住人を狩ろうとする亞人が現れた。
Softhouse-sealの『エルフと淫辱の森』(通称『エルフ』)である。
前年はスワンアイに遅れをとったもののクソゲーマイスターとして名を馳せたsealの登場にスレには恐怖が広がったのだ。
さて、肝心な『エルフ』の内容であるが一言で言うなら「簡素化したくのいち」である。
『くのいち』にあった房中術や防御と言ったコマンドもなくなり敵もボスと一部のザコ敵を除いて攻撃を仕掛けてこなくなったので接触ダメージ以外のダメージ源は殆ど無くなってしまった。
またくのいちのヌルゲー化の要因であった「ジャンプ中無敵」は無くなったものの、被ダメージ時の無敵時間が異様に長いため、ボス戦も無敵時間中に連打で圧勝できるようになった。
肝心のエロ関連であるが今回は「ステージ開始前の」Hシーンとミニアニメがあり、HCG0枚の悪夢は回避できた。ミニアニメも射精ボタンを押すまで終わらない等
くのいちと比べれば良くなったものの、ミニアニメが小さくなった事や画面手前のオブジェクトに隠れて見えづらい事があるなどやはり褒められた出来では無かった。
前作よりはマシなものの堅実なクソゲーっぷりを発揮している本作の出来にスレ住人はクソゲーマイスターの手腕に唸りをあげるのだった。

実で地味ながらもクソゲー繋がりでは同じく4月に発売されたLassの『少女神域∽少女天獄』(以下『少女神域』)も見逃せない。
異能力系ファンタジーの作風を匂わせ、鬱グロ展開をも期待させる宣伝とは裏腹にユーザーが見たものは
延々と続く観光案内や無駄に多い強調記号のせいで読みづらく冗長な日常生活の描写・・・
後半に鬱グロ展開に入ったら入ったで登場人物の無駄な多さ、難読漢字の濫用、やたらと要求される世界史の知識等完全にライターのオナニーと言える内容であった。

5月には2本のゲームが舞台へ上がって来た。
一つ目は今年のスレの盛り上げに一役買う事となったEx-iTの『逃避行GAME』(通称『逃避行』『イラッシャイマセー』)である。
『ひよこストライク!』等で一定のファン層を獲得していたEx-iTからのエントリーとなり意外な登場にスレは盛り上がった。
まず本作はマスターアップ宣言の後に延期というチョンボをのっけからやらかし掴みはバッチリである。
延期を待って遂に購入したユーザーが見るものはこのご時世に「START」「LOAD」「END」の3つしか項目が無いタイトル画面である。
前作のひよこストライク!から大幅劣化しているばかりかオプションすらない。いきなりこんな有り様ではユーザーは早速逃避行したい気分になる。
シナリオもクソとまでは言えないものの避けては通れぬ重要な部分がスッポリ抜けている為、実は話を削ったのでは?と邪推してしまう。

しかし本作のポテンシャルの源はなんと言ってもバグである。
一部ボイスが流れない、背景の暗転と言った軽微な物から、特定ルートへの進行不可能と言った致命的な物までボロボロ出てくる始末であった。
だが最大の話題となったのは名前が「???」のキャラのボイスが全て「イラッシャイマセー」という謎の女性の声に置き換わってしまうイラッシャイマセーバグである。
このバグはインパクトが非常に強く、身の丈2m超の殺し屋がイラッシャイマセーを連呼する様にスレは空前の盛り上がりを見せ、ようかんマンを改変したAAが生まれる事となった。
また、本作には延期の原因とされている予約特典がある。
前作で好評だったHシーンをヒロイン視点で見れるという物だが、前述の通り本作には回想モードが無いため決して見ることが出来ない無用の長物と化している。
延期理由の「予約特典ディスクの不具合」とやらは一体何だったのであろうか。
現在ではパッチが配布されており上記のバグも治り、予約特典も発売から2ヶ月後にリリースされたパッチにより使用できるようにはなった為クソゲーとしては一歩後退する
事となったが、イラッシャイマセーを始めスレを大いに盛り上げる事に成功した。

二つ目はShelfが放った『Qualiaffordance-クオリアフォーダンス-』(通称『クオリア』)である。
Shelfは本業がアダルトアニメ制作であり、それを活かした全編アニメーションというのが本作の売りである。
確かに全編アニメーションのエロゲーはOverflowのdaysシリーズと言った極限られた数しか無く、個性を売り出すという意味では大いにうなずける。
しかし本作は全編アニメーションを傘に全てが圧倒的な手抜き仕様となっていた。
まずタイトル画面からして異様な古臭さを放っている。味気ないゴシック体の文字ばかりのメニュー画面はさながらWindows98の時代を彷彿とさせる。
また「全編アニメーション」と言ってきたが微妙に偽りありで、アニメーションの繰り返しで誤魔化している部分も多く少なからぬ落胆をすることになる。
システムも非常に不親切でありオプションで設定できる音声、BGMのカスタマイズはまるで役に立たず、場面毎に音量がマチマチになっている始末である。
肝心なアニメーションも早送り、巻き戻しはおろか一時停止さえ無く、クリックしたら即次の場面へ移動するしか無い。
シナリオも超展開とご都合主義のオンパレードであり、主人公が持っている超能力の秘密や手に入れた経緯なども一切触れられる事は無い。
アニメーションさえ用意してればユーザーを釣れるだろうというメーカーの悪意がありありと透けて見える出来に修羅の国の闇の深さが感じられる一作となった。

6月にも二つの作品が現れたがまるで梅雨空の湿り気を帯びた如く不気味な一本と逆にカラッとした一本という相反する特徴を持っていた。
前者はニトロプラスの『君と彼女と彼女の恋。』(通称『ととの。』)である。
意欲的かつ(とっても)個性的な作風を持つニトロプラスが「純愛」をテーマに送り出した作品であり注目を集めたが、その全容は凡百のエロゲーとは一線を画する物であった。
攻略対象のヒロインは2人だけで1週目は幼馴染で固定、次週ではもう一方で固定なのだがこの次週で幼馴染が発狂し皆殺しした上でなんとプレイヤーに向かって毒づくのだ。
つまりこのゲームはメタゲーだったのである。
その後主人公が幼馴染に投薬監禁されクイズに答えながらもう一方のヒロインの復活を目指す監禁パートに移る。
ちなみに監禁パートはセーブ・ロード不可能である。仮面ライダー倶楽部のような事をエロゲーでする必要があるとは世の中何が起こるか分からないものである。
最終的にはどちらかのヒロインを選んで終わりとなるが、この際選ばなかった方のヒロインは以降ゲームに登場しなくなる。回想モードやCGモードからでさえ消滅してしまうのだ。
本作はクソゲーと言うより意欲作という意見もあるが、売りにしてた「純愛」とはかけ離れた内容、冗長な監禁パート、そして何よりエロゲーの基本である繰り返し見る事が前述の仕様により不可能である事が問題としてある。
一応制作側にも思惑や主張がありこのような仕様にしているようだが、それを押し通してユーザビリティを台無しにしては元も子もないのではないだろうか。
また初期バージョンでは監禁パートで発生するフリーズの為にやり直しを要するバグもあったことは本作の不便さをより際立たせた。
本作に興味を持たれたならば体験版にコードを打ち込むことで製品版に含まれるCG・BGMを解禁できるため、一見してみては如何だろうか。

一方後者のカラッとした一本は同日に発売されたMBS Truth -Cherish Pink-の『クラス全員マヂでゆり?!~私達のレズおっぱいは貴女のモノ・女子全員潮吹き計画~』(通称『マヂゆり』『雌ライオン』)である。
本作はタイトルから分かる通りレズゲーであり、主人公も女性となっている。
ゲームとしては非常にシンプルで、目当てのヒロインを数回選択しエピソードを読むことでHシーンを見れるというものである。
本作の問題点は「ボイスの異様なケチりよう」に尽きるということである。
主人公以外フルボイスを名乗る本作であるが、20~30クリックに1回ヒロインのボイスが流れるか流れないかという有り様である。
この空白を埋めるべく主人公の独白が非常に多いことが特徴的で、Hシーンでも殆ど応答しないヒロインに対しマシンガントークを炸裂させる。
この独白と並んで特徴的なのが、主人公の「(一人称)の中の雌ライオンが」という口調である。
主人公の溢れる性欲や情熱を「雌ライオン」に置き換える事でより濃密な官能的描写を目指したのかもしれないが、実際はただ滑りまくってる痛い文字数稼ぎにしか見えない。
また主人公には「ディープな妄想」をする癖があるという設定があり、日常シーンでも度々挿入される為非常に話のテンポが悪くなってしまっている。
以上の問題点は全て異常なボイス数削減に端を発する物であり、本作の問題点が如何にそこに集約されているかが分かる。
それ以外にはHシーン時のBGMの1つの雌ライオンのテーマがまるでRPGのフィールドの様な全く場違いな物であったことは本作の笑えるポイントの一つであった。
システム的にはゲーム終了まで止められない高速スキップ、セーブデータ毎に依存する立ち絵鑑賞など不便な点はあるものの致命的なバグは無く正統派クソゲーと言える一本でボイス容量も雰囲気もカラッとしていた。

梅雨も明け、今年も暑い夏がやってくる事を感じさせる7月には夏の怪談もかくやと思わせるオドロオドロしい一作がスレに這いよって来た。
スワンアイの別ブランド黒鳥の『雨音スイッチ~やまない雨と病んだ彼女そして俺~』(通称『雨音』)である。
まず本作の特異な点としてメインヒロインが病んでいるという点が挙げられる。
病んでいると言ってもヤンデレの様な軽々しい物では無く、本物の狂人・・・要はメンヘラである。某ダウンロード販売サイトではヤンデレとの記載があるがそれは大間違いである。
しかも「病んでたけど主人公と会って治った」とか「最初はマトモだったけど主人公のせいで病んだ」とかでは無く出会いから(ルートによっては)自殺するまで終始病みっぱなしであるのも特徴的である。
シナリオも「メンヘラの彼女が出来たら」というよりは「メンヘラの彼女が追い詰められる」事に主眼を置いていて、基本的に一般に考えられるハッピーエンドの様な物は存在しない。
特に「主人公の母親の葬儀でヒロインがウェディングドレス姿でブーケトス」のシーンは本作が抱える狂気をよく表しており、その狂気にスレ住民は一様に肝を冷やす事となった。
狂っているのはヒロインだけで無く、グラフィックや努力の方向にも及んでいる。
パッケージ絵の様な気合が入った絵は極一部で全体として見ると明らかにデッサンの狂った立ち絵や異様に画力が低いCGが並び典型的なパッケージ詐欺をやらかしている。
また本作には一部アニメーションする箇所がある。
普通こういったパートアニメーションの演出はエロゲーにおいてはピストン運動等に採用されるのが主な用途であるが本作はこの演出の使い方も狂っている。
ヒロインが足蹴にされるシーンや首を締められるシーン・・・果てはリストカットのシーン等「どうしてそこでアニメーションなんだよ」と突っ込まざるを得ない誰得な内容となっているのだ。
一応安易なヤンデレやファッションメンヘラが蔓延している昨今において、マジ物の狂人を扱ったという点においてはオンリーワンの存在感を持っているものの
とてもフルプライス作品とは思えないチープさやパッケージ詐欺にはクソゲーの烙印を押されるのも致し方無い所である。

さて、9月も終わりに近づき暑さも引け秋の様相を木々が見せ始めた頃激しくスレの門を叩く二つのゲームが現れた。
しかしスレ住民はこの時まだ気づいていなかった。スレがアツくなるのはまさにこれからだと言う事に・・・

先に選評を携えて意気揚々とスレに入場しエントリーの儀式を始めたのはSAGA PLANETSの『カルマルカ*サークル』(通称『カルマルカ』)である。
本作は「魔可」と呼ばれる七つの大罪になぞらえた超能力を持つ主人公とヒロインの物語である。
魔可を持つ人物はその能力と引き換えに七つの大罪それぞれに相応しいデメリットも抱える。
そして魔可を持つ7人が新暦の七夕の夜に六芒星の上で魔可と生贄の巫女を捧げ「カルマルカ」と接触することで過去、現在、未来を改変できる・・・というのがおおまかな設定である。
何やら非常に重々しい話を予感させる本作、体験版でもシリアスな展開を予感させる煽り文句で締められておりそういうシナリオを期待したユーザーも多かったと思われる。
そんなユーザーを待ち構えていたのは複数ライターによる設定ぶん投げ&矛盾に満ちた電波ストーリーであった。

まず前述した魔可の設定からして場面毎、ルート毎にマチマチであり説明も不十分である。
例えば主人公の持つ魔可は憤怒であり、怒った時のみに超人的な身体能力を発揮するのであるが個別ルートでは特に怒っている様子も無いのに石をやすやすと砕く・・・と言った具合である。
またキャラクター性もこれまたルート毎に異なっており、成績不振なヒロインが他ルートでは成績優秀なのは瑣末な事に過ぎず
そのヒロインのルートではカルマルカに並々ならぬ興味を示しているのに他のヒロインのルートでは「ぶっちゃけカルマルカなんかどうでもいい(要約)」と本作の根幹なハズの設定ですらどうでもいいと片付けてしまう。
選評で指摘されている箇所は膨大になるため本総評では割愛するものの、全体として「過度の説明不足」「余りにも多い矛盾」「投げ過ぎな設定」「ご都合主義と超展開」が非常に目立つ出来となっている。
選評者からは「笑い所のないチャージマン研」と言われたり、某レビューサイトでは「個別ルートの話はTRUEルートと違いすぎるのでスキップで無視した方が良い」とまで言われるなどもう散々も散々である。
一応評価点としては原画は優秀であるためエロゲーとしての本当の意味での実用性はあるかもしれない。
しかしそのHシーンもライターが足を引っ張っており、シリアスシーンの直後にパイズリを始めたり中出し・外出しの選択肢を選んだ直後に射精と素直に褒められない出来になっている。
またコンシューマ移植を見越してなのかフルプライス作品の割にHシーンが薄いのも本作のガッカリポイントである。
幸いバグの類の報告は無いがこのような出来ではシナリオライター達の意思疎通能力がバグってると言われるのも致し方ないだろう。
なお、ゲーム内容とは直接関係ない余談となるが本作はスレに良くも悪くもホットな話題を提供した。
ユーザーが憤怒の魔可にとらわれそうなのをよそに公式のジャンル名が「ハッピー&スマイルADV」であった事がウケ、ハッピー&スマイルマンなるAAが誕生し、いきり立つスレ住民に癒やしを与えた。
一方で選評者か分からない人物が選評の取り下げというご法度を宣言したり、wikiの本作の項目が一時削除されてしまう等実に様々な出来事を引き起こした事をここに記しておく。

そして同日発売であった戯画の『バルドスカイゼロ』(通称『バルスカゼロ』)も格闘攻撃のゴリ押しでスレの門をこじ開けクソゲーオブザイヤーという戦場に出撃した。
バルドシリーズといえば戯画の看板シリーズであり、良く練られたシナリオと爽快感あるアクションが人気を博している。
本作は好評であった『バルドスカイ』のの前日譚という事で大いに期待を集めた。
オープンした公式サイトには
・アクションパートのリアルタイム3D描写
・射撃攻撃強化
・主観視点でのエイム
・機体や武装の強化
と言った新要素が踊り期待は更に高まる事となった。
製作陣も口をそろえて「凄いボリューム」だの「『分割するほどでは無いが』大作」とハードルを上げまくっていた。
当初本作は3月発売であったもののエロゲーには付き物の延期が入り9月末の発売となったが、この時点で察しの良いファンは原画、シナリオライターが変わっていることから戯画マインなのでは・・・と感じていた。
そしてようやく発売した本作を購入したユーザーは軒並み戯画マインの餌食になるのであった・・・

では本作は何が問題なのであろうか。『カルマルカ』と同じく膨大な数の問題点がある為かいつまんで説明する。
まず散々公式サイトでも煽っていた新要素満載のアクションパートであるが蓋を開ければ
・強化したハズの射撃攻撃がむしろ弱くなりラスボスにさえ格闘攻撃のゴリ押しで圧勝
・主観視点でのエイム、機体や武装の強化は未実装
・カメラワークが適当
・バルドシリーズの売りのコンボの概念が無い
・装備できる武装減
...etc
と劣化した部分しか無くどうしてこうなったと言わずにはいられない有り様となっていた。
では、シナリオはどうであろうか。実はコレこそが本作が忌避される事となった大きな要因である。
出来の悪いラノベの様な冗長で意味もない会話が多い上、伏線を投げっぱなしで意味の分からない話が続き果てには前日譚なのにバルドスカイにどう考えても話が繋がらない等致命的な欠陥を抱えていたのだ。
加えて主人公がかの『スーパーロボット大戦K』をも思わせる非常に不快な人物であった事もユーザーの大きな反感を買った。
常に高圧的でトゲトゲしい物言いであるばかりか常識とか良心と言った物がスッポリ抜けているのではと思わせる言動をするにも関わらず、何故そういう態度なのかと言った理由付けなどは一切明かされることは無い。

極めつけはバルドスカイの主人公・甲の扱いの酷さが本作の悪印象を決定付ける事となった。
創作物において前作主人公が登場する場合はその扱いについて細心の注意を払うべきであるにも関わらず、「強いが馬鹿」と言った扱いだけで無くなんと登場人物が口に出して馬鹿呼ばわりする始末。
さらにモヤシ扱いされたり大量殺戮犯という設定を押し付けられたりと、ことごとくディスられるのである。
終いには本作主人公が甲の恋人が死んだ事を皮肉たっぷり聞くと言った前作をプレイしているかいないかに関わらず胸糞悪い描写の大盤振る舞いとなっていた。
この出来には歴戦の戯画スレ住民も怒髪天を突き、ゼロ用のスレが隔離されてしまった事からも如何に本作のシナリオがクソで酷いものであったかが伺える。
一体メーカーとシナリオライターは何を思ってこの様な構成にしたのか正気を疑う所である。

この段階で既にバルドシリーズが積み上げてきた信頼がゼロにまで堕ち、客を舐めきった態度にユーザー達が息巻いていたのだが戯画はさらなる地雷を仕掛けていた。
それが『バルドスカイゼロ2』の発表である。
発売前に「分割は無い」と散々言っておきながら発売直後に続編を発表するという特大の地雷を仕掛けていたのであった。
この仕打ちにスレ住人も怒りを通り越してほとほと呆れ返るばかりであった事は言うまでも無い。
最早購入するユーザーがどれほど居るのかは疑問であるが、2014年のクソゲーオブザイヤーのエースとなるであろう可能性は大きくスレ住民も白い目で待つこととなった。
本作は単品として見ても大物のクソゲーであるだけではなく、シリーズ果てはブランドそのものの信頼を一挙に無に化したという点で今年のエントリー作品の中でも際立った1本となったのであった。
余談となるが年末に開催されたコミックマーケット85の戯画ブースに本作のフリープレイ台が設置された。
こんなゲームを衆目に晒す様子を見る限り戯画には本作に対する反省も何も無いことが伺える。

先の2作品の影響を受け荒れに荒れていたスレで住民達はやってくるお客さんの相手をする日々が続いていた。
時は流れてクリスマス・イブ、ある程度の落ち着きを見せていたスレに心優しいサンタクロースが選評を届けにやってきた。
その作品は11月末に発売されたALcot ハニカムの『赤さんと吸血鬼。』(通称『赤さん』)であった。
本作はある日玄関先に捨てられていた主人公の未来の子どもを自称する赤ん坊の世話をする過程でヒロインとの仲を深めていくという物語である。
この作品が抱える重大な問題は全てが余りにも唐突すぎるという事である。
まず本作は3人のヒロインが居るものの実質一本道なシナリオとなっており、途中3箇所の選択肢でエンディングが分岐する。
この共通の話の中ですら唐突に全ヒロインとのHシーンがある。しかも脈絡もムードも無く突然Hシーンが始まったと思ったら射精直後に全然関係無い日常シーンに戻る等スタンド攻撃を受けているのでは無いかと思わせる。
この様な流れであるのでヒロインが何故主人公に惚れたのかといった事が皆目掴めず感情移入もへったくれも無い。
メインの話も突然敵の様な人物が現れ、その場でとって付けたような超展開で解決という流れが続く。
「実は〇〇はXXだったんだ!」→「な!なんだってー!」の様なノリが続きユーザーは完全に置いてけぼりを食らう事となるのだ。
またタイトルにもなっている赤さんであるが、一般的に考えればタイトルにすら出てるのだからさぞ重要なキャラなのだろうと勘ぐってしまうが、実際はチョイ役程度で終わってしまう等何がしたかったのかまるで分からない。
グラフィックやシステム周りは時代相応以上の出来であり、シナリオただひとつのせいで全てが台無しになってしまった。
設定もキチンと練ればそこそこ良いシナリオになる余地があったためこのような出来になってしまった事がひたすら悔やまれる一作であった。

サンタクロースからのプレゼントに沸き立つスレ住民であったが彼らは肝心な事を忘れていた。
年末には魔物が潜む・・・という事である。
そしてその法則に従いクソゲー界を破壊しかねない程の邪悪なオーラを纏った卵から魔物が孵化しようとしていたのだ。

12月27日にその魔物は孵化しスレに降り立った。
今年『逃避行』でスレを沸かせたEx-iTが放ったその魔鳥の名は『雛といっしょ』(通称『雛遺書』)である。
まず本作はこの発売日に漕ぎ着けるまでの経緯からして尋常ではない邪悪さを放っている。
制作が発表されたのは実に2012年初頭であり、そこから延びに延びてようやく12月13日にマスターアップ、20日に発売と発表された。
しかしなんとEx-iTはまたしてもマスターアップ後の延期をやらかし27日に変更となった。
如何に適当がまかり通っている修羅の国といえども3作連続マスターアップ後延期という前人未到の離れ業には驚きを隠せない。
しかしマスターアップ等そもそも信用していなかった購入者達は騒ぐこともなく27日を待ち、遂にユーザーの手に本作が渡る事となった。
まずユーザーが真っ先に見るものはクタクタの梱包である。
これは公式サイトでも触れられており、後述するバグのせいでパッチを当てるまでゲームが進行出来ないというお詫び状を入れる為、一旦開封して手作業で再梱包したためとの事である。
詫び状を入れる事そのものは良い事だとしても、そのサポート体制をもっと他に回せなかったのかとユーザーは早速理解に苦しむ事となる。
さて、ゲームの内容であるが本作はひよこストライク!のヒロインである雛に着眼したファンディスクである。
デスクトップアクセサリーやミニゲームといったものは無く、純然たるADV形式だけである本作は進めて10分も立たないうちにプロローグが終わり、選択肢が現れる。
ここでの選択肢により「記憶喪失編」「リハビリ編」「命令ごっこ編」に分岐する。(なお後に「覚醒編」という分岐先も明らかになるが、この時点では存在は知られていなかった。)
初期バージョンでは記憶喪失編以外を選んだ場合、25クリック後に100%エラーで強制終了する。記憶喪失編を選んでも多少長くは進めるもののやはり特定の位置で100%エラー落ちする。
初期バージョンにおける本作の内容は以上である。

この余りにも常軌を逸した有り様にスレは今年最大級の盛り上がりを見せた。
製品版が体験版未満であるという事に加えその内容が殆ど不明で終わる様は「シュレディンガーのエロゲー」「パンドラの箱」な様々な異名が付けられた。
そもそもこの状態ではゲームとも呼べず「ゲー無」をも超える「 ー 」だと恐れられた。

これに対するメーカーの対応もまたスレの勢いを加速させる事となった。
「28日は電気街祭りに出るのでパッチは無理。29日に直して30日にパッチをリリースする(要約)」という公式声明が出されたのだ。
これは発売後3日はプレイできないという死刑宣告であると同時にパッチよりもグッズを売りに行く事を優先したメーカーの姿勢が明らかとなり、その非常識さにスレは呆れ返った。
しかしEx-iTは追い打ちとばかりにこの己に課した納期すら守らなかった。
30日が31日になり最終的にVer1.10パッチが公開されたのは年も明けて2014年の元日の午後にまでもつれ込んだのだ。
日程が伸びた理由も「完成したけど公開先のミラーサイトと連絡が取れないから」と言った宿題を忘れた小学生の様な酷い言い訳である。

さて、こうして紆余曲折経てパッチが公開されたがコレをあてればゲームが満足にできるのかと言うと答えはNoである。
前述のリハビリ編、命令ごっこ編には進行可能となるものの、記憶喪失編を選んだ際の強制落ちは何も変わってないのだ。
また進行可能な2つのルートを進み、エンディングまで辿り着いてもED曲が流れずただの背景画像のスライドショーが見れるだけである。

これに対しメーカーは「2日の夜~3日の早朝にVer1.20を出す。」と宣言した。同時に何故かVer1.10の配信も停止された。
そして相変わらず約束を違えて3日の夕方にVer1.20は公開されたのであった。
このVer1.20をあてる事で初めて全ルートへの進行が可能となり、ゲームとしての体裁は一応整う事となった雛遺書であるがパンドラの箱の肝心な中身は一体如何ほどの物であろうか?
単刀直入に言うと「ミドルプライスのファンディスクとしては非常に薄い」の一言である。
酷いメーカー対応を乗り越え、待ちに待った肝心なゲーム内容がこれではユーザーも浮かばれないと言うものである。
しかしながらシナリオの内容自体は破綻をきたしたりしていない事やファンディスクという物は元々薄さは許容される傾向もある為、ゲームの純粋なクソさとしては逃避行と同じくパッチでトップ集団から後退した。

ゲーム内容とは直接には影響しない余談になるが本作にはそもそもバグ等無く最初から完成していなかったのでは無いかという疑惑がある事も無視できない。
というのもVer1.20のパッチのデータを展開するとイベントCGや果てにはスタッフロールの画像まで出てくるのである。
公式の見解はあくまで判定が正しく行われていないから進行不可と言うことなので、その修正に画像データ等は果たして必要あるのだろうか・・・?
こうして最後まで黒い話題が絶えなかった本作は正に年末の魔物と呼ぶに相応しい一作であり、その破壊力は歴代の魔物の中でも特筆に値する物であった。

さて、以上が「2013年中の」主なエントリー作品である。
例年であれば年明けの1月は総評までマッタリとしている時であり、2013KOTYeとしては以上の作品で覇を競うもの              だと思われていた。
『雛遺書』の禍々しさに触発されたのか、なんと8つもの作品が年明けにエントリーし時間の壁を超えてスレに最終戦争を仕掛けて来たのだ。
そのどれもこれもが番狂わせの能力を有する強者揃いであり、今までの価値観が一気に崩壊する様にスレ住人は狼狽する事となった。

先陣を切った1作目は雛遺書騒動も落ち着きを見せた1月6日に現れた。
昨年8月30日に発売されていたTech Arts傘下のブランド、One-upより発売された『聖ブリュンヒルデ学園少女騎士団と純白のパンティ ~甲冑お嬢様の絶頂おもらし~』(通称『ブリュパン』)である。
本作の問題点は『マヂゆり』と非常に近い・・・というかほぼ同じでボイス数が異常に少なく、それに端を発っした問題が多いということである。
ヒロイン達は特に無口設定があるわけでも無いのに「・・・」「!!」と言ったボイス無しのセリフが非常に多い。
その為会話のキャッチボールが全く出来ておらず、常に主人公が一方的に話しかける様な構図となるため物寂しい雰囲気となってしまっている。
また喋る事が少ない事が災いし、ヒロインのキャラクターを把握しづらいというのもマヂゆりと同じ問題点である。
じゃあボイス数を削減した分を他に回しているのかというとそういう訳でも無い。
立ち絵は基本1種類しかなく、今時のフルプライス作品には大抵ある主題歌といった物すら削減している始末である。
さらにタイトルにも入ってる「純白パンティ」「おもらし」と言った要素も実際にはHシーンに適当にぶち込んでおいただけとあらゆる面で可能な限り手を抜いているのである。
少なくともマヂゆりには擬似ぶっかけ、擬似おもらしと言った創意工夫が少なからずあるのに対し本作はそういったものは一つも無いことからマヂゆりの劣化版とも言える物であった。

続いて1月11日にエントリーしたのは『赤さん』を排出したALcotハニカムから名義が変わったGLaceのTimepiece Ensemble(通称『TE』)である。
まず本作はタイトル画面からして特徴的でメニューが無く、ボタンを押すと即スタートとなる。回想モード等は画面右上までカーソルを動かすと出てくるという仕様になっている。
演出のつもりなのかもしれないがユーザーに優しくない事この上ない。
しかしそんな問題点は本作ではサブウェポンにもならない。本作の武器はなんといってもシナリオのクソさである。
まずやらなくてはならないのは非常に長くつまらない共通ルートである。
学園物の癖に殆どが一つの教室内で進行し、個別ルートに分岐するまで盛り上がりも無い文化祭の模擬店をやる様子をダラダラと眺めさせられる事となるのだ。
各ルートへの分岐確定後も同じ文章だが既読スキップ可能なのは苦痛の中での数少ない救いではある。
では個別ルートはどうか。
勿論こちらのクソさも生半可な物では無い。赤さんと同じく唐突に新設定が出てくるばかりかカルマルカばりのルート毎のキャラクター性の相違も非常に目立つ。
特に致命的なのは重要キャラの真意や目的がALcotハニカムの『1/2 summer』を未プレイだとサッパリ分からないという事である。
一応他ブランド名義の作品をプレイしていないと理解不能と言うのはいくら何でも無茶苦茶である。
シナリオ以外の大きな問題点としては文章と実際に表示されている物が乖離しているという事が挙げられる。
文章では白色の下着と言ってるのにCGでは紫色で体位が変われば緑色になったりするのだ。
また寝間着で行為に及んだはずなのにCGでは制服になっている等、如何に製作陣の足並みが揃っていないかが垣間見える。
本作は12月20日発売予定だったが雛遺書と同じく27日に延期している。その上でこの内容では年内の発売に無理に合わせる為に未完成品を売ったのでは?と勘ぐられるの仕方ない事であると言える。

『TE』のエントリーから2日後、スレの度肝を抜く細菌兵器が3作目としてエントリーした。
なんと半年近く前の7月26日に発売されていたその兵器の名は、ミルクプリンが培養した『明日も部室(へや)で会いましょう』(通称『部室』)である。
一体半年も潜伏するとはどれだけマイナーなのだろうか。早速公式HPから見てよう。
まず既に発売済みであるのに「2013年夏発売予定」となっているトップからしてメーカーの並々ならぬ情熱が伺える。
サンプル画像も極わずかで、サンプルボイスも各キャラ有っても1つである。
ネット上を検索しても感想が1件も見つからない等これなら半年も放置されるのも納得のマイナーぶりである。

では本作の問題点を見てみよう。まずはシステム面である。
エンジンに吉里吉里/KAGを採用してるので安心・・・と思いきやバックログがウィンドウを一つ一つ戻っていく形式と非常に不便である。
音声も一部ボイスが異常に小さくなったりBGVがスキップを使うとHシーン終了後も延々と鳴り続けるというバグっぽい物も見受けられる。
更にキャプションの名前が「明日も部屋で会いましょう」と思い切り間違えているのも見逃せない。
続いてグラフィックであるが一部キャラの立ち絵が腰が異常に細い逆三角形な事には得体のしれぬ不安を感じるであろう。
イベントCGは見れなくは無い程度のクォリティであるものの各キャラ10枚も無い。また原画は七瀬葵氏との事であるが、本当に氏が描いた物なのか疑わしい物も相当数見受けられる。
グラフィック面で挙げられる笑いどころと言えば幼馴染のカメラ屋の風景が地球人が思い描くものとは明らかに違う事くらいである。

しかしここ迄挙げた問題点などはどうでもいいことである。
本作の真の問題はシナリオ面に集約されているのだから。

本作の超大雑把なあらすじは「主人公が所属する写真部が実績不足の為廃部の危機に陥ったので評価されるよう頑張ろう。人物写真の才能が有る主人公は誰かと仲良くなり写真を撮らせて貰える様にしなくてはならない。」という物である。
(これが本当なら)学園物としては他にも例があるので特段おかしいという訳ではない。
進め方も共通ルートで毎日誰と行動するかの選択を積み重ね、最終日に個別ルートに分岐するというオーソドックスな物である。
では何が問題なのか?順を追って問題点を確認しよう。
まず本作は9割方共通ルートである。しかもその内容もただの雑談やカメラの話題、撮影方法の討論等一体誰がこんな物を見たいんだと言う面白みの欠片も無い物しか無い。
普通なら盛り上げ所なはずの夏の合宿でも単に被写体を探しましたといったやはりどうでもいい物が続く。
さて、こんなつまらないことこの上ない共通ルートなのでさっさと個別ルートに移行したい物だが、それすらも本作では困難を要する。
普通共通ルートでヒロインを選択するADVならば最初から最後まで同一のヒロインを選び続けるオンリープレイが基本であるが、本作においてそれを行うと確実にバッドエンドになるのだ。
具体的には各ヒロインには「見てはいけないイベント」というのが存在し、これが発生する日に選んでしまうとバッドエンドが確定する。
そのイベントの内容も「ヒロインが他の男に食事に誘われているのを目撃した。」「モブに告白されて断るのを目撃した。」等それを見て何か不都合でもあるのかという物である。
他の男に話しかけられるのすら許されないとは独占願望にも程があると言うものである。
厄介なのはこれらが発生する日は初見では全く分からず、見てしまった後でも分岐直前までは普通に進行する点である。
この仕様を知らなければ延々とクソ面白くない共通ルートを何度もやり直す羽目になるだろう。
ちなみにバッドエンドの内容は「ヒロインに被写体になるのを断られた為、主人公は満足な写真を撮れなかったのにも関わらず写真部は存続し、主人公が写真部で誰にも相手にされなくなり卒業式の日に自殺する」という内容である。
超展開なのは勿論だが主人公が写真を撮って実績を作らねば廃部という話が無かった事になっており訳が分からない。

この段階で体調を崩す程クソであるが、共通ルートの問題など牽制球に過ぎないというのを個別ルートで思い知らされる。
個別ルートに入ったからと言って物語が急転直下を迎える訳でも無く、相変わらず被写体を探して歩きましただの食べ歩きをしましただの毒にも薬にもならない話が続く。
公式の説明文には各キャラにはモデルを辞めた経緯や転校してきた理由等伏線っぽい事が載っているがこれが掘り下げられることは共通ルート含め一切無い。
そもそも基本的に公式の説明文は殆ど嘘である事も触れねばなるまい。
第一主人公の名前(デフォルト名)からして説明文は間違っている。説明文では「樫尾 光」だがゲーム中では「樫尾 勇次郎」となっている。
各キャラの性格についての説明も実態とかけ離れており、例えば主人公はかのタカ坊の様に女性が極度に苦手で触れるのはおろか名前さえ呼べないと説明されてるのにオープニングからあっさり名前で呼び始めたりする。
またHシーンになった途端にいきなり強気のベッドヤクザになるのもタカ坊と同じであり、女性が苦手なんて設定は必要だったのか疑問である。
公式の説明文は主人公以外のキャラに対しても全く合ってない。スレ住人が説明文の嘘を黒塗りした結果KGBに検閲された様な真っ黒な文になってしまった位である。

個別ルートの問題点に話を戻そう。
先に9割は共通ルートと言ったように個別ルートは非常に短い。
Hシーンが終わったらまたすぐHシーンと言った構成が続き、最終的には数年後に飛びいきなりエンディングを迎える。
エンディングも女教師ルートで主人公が教師になって写真部の顧問をしている以外は写真部がどうなったとか主人公は満足な写真を撮れたのかとかいうことは一切話題に上らない。
(もっとも主人公が顧問をしている写真部が主人公が所属していた学校の写真部なのかは不明だが。)
当初の目的や設定を完全にぶん投げたその勇姿にはむしろ感動すら覚える。

しかしその中でも異常さが際立っており、本作の名を轟かせる事になるのが転校生ヒロインのルートである。
なんとこのルートでは転校生と主人公が5年分の食料と燃料、水が備蓄されているという家に引き篭もる事になるのだ。
そしてその家で一度も外出せず服も着ず、2年間ひたすらセクロスする日々を送るのである。
これだけで十分頭が痛くなる意味不明さだが肝心なのはこの2年後である。
ヒロインが学園祭に招待されたので2年ぶりに外に出ようと提案するのだが、なんとここで引き篭もっている2年の間に世間は細菌テロが発生し壊滅している事が判明するのだ!
一体何が何だかサッパリ分からない展開でありポルナレフどころの騒ぎでは無い。
そんな状況なのに主人公達が心配するのは交通手段だの弓矢を持っていく必要だの2年前の服が着れるかと言った事だけである。第一何故学園祭が開催されるのかすら不明である。
目を白黒させるユーザーを尻目に「果たして、無事に明日、部室で会えるかどうかは、誰にもわからない」との一文を残してスタッフロールを迎える。
最早ツッコミどころが有るなどと言う物では無いこの様子にスレ住人は笑うしか無かった。

さて、意味不明さを極めている本作だが更なる追い打ちが待っている。それが文章の端々に現れるパロディとメタである。
全ての元ネタを把握するのは困難な程出てくる上に、その尽くが滑っている。
Hシーンですら頻出し、主人公の性器のサイズをヒロインがグランデと言ったり、主人公が挿入中に性器を膨らませる場面では「筋力による血流捜査でのパンプアップというヤツだ。」(原文ママ)等と言い出す始末である。
また主人公らの名前はカメラ関係の元ネタが存在し、樫尾→カシオ 曽爾崎(そにざき)→ソニー という具合となっている。
それはいいのだが問題は作中で登場人物自らそれについて言及する事である。
こういう物はユーザーが内心ニヤける位の物であるからいいのであって、それを自ら持ち上げるのは寒すぎる行為である。

問題点しか無い本作だがスレ住人の手によってある遊び方が発見される。
本作は主人公名を自由に決められるのであるが、特定の操作を行うことで名無しを作れたり本来は4文字までという規制を超えて255バイト分まで入力できる事が出来るのだ。
特に主人公名を長くして名前の表示だけでメッセージウィンドウが埋まると以降の文は次のウィンドウに表示されるという特徴は格好のオモチャとなり、
『ずっぷ』と『イラッシャイマセー』のAAをメッセージウィンドウに再現する事すら可能にした。
致命的なバグは無く、シナリオの意味不明さをメインウェポンとして従来の価値観を覆した本作はかつての『りんかねーしょん新撰組っ!』を軽々を超える天文学的な戦闘能力を有していたのであった。

少し間を空けて古豪のアーベルの系列のRed Labelの『JK辱処女~純粋な心の持ち主ほど処女を好むという法則~』(通称『枝豆』)もエントリーした。
説明文もサンプルCGも無しに「ダウンロードランキング第一位獲得!」と騙る本作の出来は如何程なのだろうか。
本作はボイスをケチった『マヂゆり』『ブリュパン』とは違い、CG枚数をケチっている。
文章で行っている事と表示されている画像が異なる事が多いため、単にHシーン鑑賞が捗らないばかりでなく話の場面転換の把握が困難になってしまっている。
しかし本作最大の話題は通称にもなっている『枝豆』である。
画面中央にデカデカと表示される枝豆のCGはヒロインのクリ○リスを比喩しており、興奮の度合いに応じて色が変わるのである。
真ん中に出す必要はともかくこれだけではなかなか斬新な描写であると褒められたかも知れないが、困ったことに枝豆はクリ○リスの比喩では無かったのである。
というのもこの枝豆、ある時は腕として、ある時は主人公の性器として出てくるのだ。
これでは一体枝豆とは何を表す為にあるものなのか分からない。スレ住人は「枝豆とはいったい・・・ウゴゴ・・・」と頭を痛める事になった。
ただ枝豆がもたらしたインパクトは大きかったものの、Hシーンのバリエーションや数はそこそこ有り、グラフィックも一定以上の出来である事から
抜きゲーとしての要求事項はある程度満たしており年明けエントリー組としてはクソ度は一歩劣るのもまた事実である。

翌日にはfleur-softの『妹*sister -My sister-』(通称『妹*sister』)もエントリーを果たす。
本作は発売前にはスレでも注目を集めていた。公式サイトの文章がおかしいからである。
「主人公の部室」「いい肉な妹日」等精神病患者が書いてるようなよく分からない日本語が並んでいるのだ。
しかしクソゲーとして期待されていたものの発売後は音沙汰が無くなり、年明けに選評がようやく届いたのだ。
製品版の内容を見てみると相変わらず日本語が不自由なのは変わらないようで「目撃されしてしまい」等が目につく。
シナリオも妹押しなタイトルであるにも関わらず公式の説明文に反して妹要素が全く無いヒロインも居る。
ただHシーンはなかなかの出来であったり、シナリオが異常に破綻している訳でも無いので(スレ的な意味でも)ガッカリゲーに近いと言える。

さてエントリー締め切りの1月末日には何を思ったか三つの3Dエロゲがエントリーした。
まずは老舗ILLUSIONの『プレミアムプレイ~ダークネス~』(通称『PPD』)である。
かつての『レイプレイ』の問題以降、陵辱系を控えていたILLUSIONが陵辱系を復活させた事にファンらは喜びあっという間に品薄になった本作だが果たして内容もプレミアムな品質なのだろうか。
まず自分好みにキャラをカスタマイズした上でのシナリオという売りのADVモードだが9ルートあると見せかけて実際はキャスティング違いの同じ内容が9個あるだけである。
じゃあエロさえ良いなら・・・とフリーHモードを始めてもやたらと面倒な設定をしなければならなかったりしてユーザーに優しくない。
ようやくHシーンを始めても少ないボイスのバリエーションに飽きが来るだろう。この様子は作品スレでも「タノシイネー」と揶揄されるのであった。
全体としては3Dエロゲならこんなもんと言った所であるが、完全版を後に出したり阿漕な特典商法だったりとファンにとっては散々な結果であった。

続いてTech Artsの新ブランド、Bulletの『3D少女カスタムエボリューション』(通称『エボ子』)である。
本作は2008年に発売された『3Dカスタム少女』の続編とされている。
『3Dカスタム少女』は当初は中身スッカラカンのゲー無であったがユーザーの精力的なMODやツールの開発により一躍注目を浴びた作品である。
そんな前作に箱庭要素を足したとあって前作ファンは期待を寄せていたが実際は前作以上にゲー無な内容であった。
最大かつ致命的な問題点は前作のMODが流用出来ない点である。デフォルトのモデリングはまるで成長しておらず殆どそのまんまなのにも関わらずだ。
この段階でもはや存在価値が疑問視されるが実際その通りであり、追加要素とされている箱庭要素もゴーストタウンのような中身の無さであり前作に出来なくて今作に出来る魅力的な要素は何一つない。
Hシーンも基本使い回しでボイス数も少ない為、連続ピストンすると「キモッキモッキモッキモッ」とぶつ切りにされた「気持ち良い」が鳴り響く。(現在は修正済み)
単体の作品として見てもゲー無のお手本のような物でありわざわざ新ブランドを立ててリリースしたTech Artsの戦略には頭が下がるばかりである。

最後のエントリーとなったのはREALの『いたずら学園』である。
REALとしては前年次点の『いたずらっ娘』に次ぐエントリーとなる。
本作は自由にカスタマイズしたキャラに痴漢をする「リアルタイム痴漢シュミレーター」との事であるが、痴漢ゲーとして最低限必要であろう事すら満たせてない。
バレないように痴漢をするという要素も無く、電車の中央でセクロスをしてしまったりする。
また心情の変化といった物も期待できない。会話をしても脈絡のない支離滅裂な応答をするばかりである。
しかしHシーンのモーションはそこそこの出来であり、『いたずらっ娘』で問題となったDLC関係のバグも本作には無いので他のエントリー作と比べればやはり小物である。

ここまでが2013年に発売された主要エントリー作品である。
途中までは不作だの門番の先行逃げ切りだの言われていたが、終わってみれば歴代でも屈指のエントリー数となり、質もハイレベルな作品揃いとなった。
さて、激戦の年となった2013年度KOTYeであるが次点、大賞の発表に移りたい。

次点は
・リア充爆発しろ! ~変身能力手に入れたんだけど質問ある?~
・カルマルカ*サークル
・バルドスカイゼロ
・雛といっしょ
大賞は
・明日も部室(へや)で会いましょう
とする。

2013年のクソゲーの特徴は「手抜き」「破綻したシナリオ」「ユーザーを舐めたメーカーの態度」であったと言える。
まず「手抜き」であるが本年は多様な手の抜き方が見受けられた。
次点ではリア充のずっぷのコピペが、次点以下ではクオリア、ブリュパンが代表される。
大手で無い限り潤沢な資金がある事は珍しいエロゲー業界ではコスト削減を図るのは致し方無いのもあるだろう。
しかし仮にもものづくりをする企業としてその反動として品質に重大な影響を及ぼすのでは元も子もない。そういったのは手抜きと言われてしまう。

続いて「破綻したシナリオ」である。
エロゲーは紙芝居ゲーと呼ばれるように一部例外を除き基本的には読む物であり、当然ながらそのシナリオの重要度は大きなウェイトを占めていると言える。
シナリオの良し悪しと言う物は個人の感性により受け取り方が異なる為、絶対的な評価は出来ないものの矛盾や設定無視、超展開が多いというのは感性とはまた別な問題である。
そういう前提で本年を見返すと
・シリアス路線を煽りながら矛盾と設定無視だらけのカルマルカ
・ただのライターのオナニーな少女神域
・常にキングクリムゾン状態の赤さん
・作品単体では理解が出来ないTE
が挙げられる。オナニーするのはシナリオライターではなくユーザーなのだ。

「ユーザーを舐めたメーカーの態度」も今年は非常に多かった。
エロゲー業界といえども立派な客商売である。当然ながらそこには信頼関係がなくてはいけない。
この点においてはバルスカゼロと雛遺書が特に際立っていたといえよう。
前者は宣伝していた要素を未実装にしただけでなく、付いて来てくれたファンやユーザーの信頼を木っ端微塵にする描写をし、出さないと言っていた続編をすぐさま出すことで喧嘩まで吹っ掛けた。
後者は言わずもがなであるが商品未満のゴミを売りつけておきながらイベントへの出展を優先し、自ら宣言した納期すら平気で破ると言う一企業としても有り得ない言動を見せつけた。
目先の利益を追い、客を蔑ろにする企業に未来はない。
かつて海の向こうで起こったゲーム界の悲劇、アタリショックも客を舐めた結果起きたものであるということを肝に命じて欲しいものである。

これらを総合した上で考慮すると次点作品はそれぞれの特徴を代表するクソさを魅せつけ2013年を代表するのに相応しい作品が選出される事となった。
また付随的要因であるが、カルマルカとバルスカゼロに関してはスレへの話題供給力も評価したい。

一方大賞に輝いた部室を見てみよう。部室は以上の特徴を全てハイレベルで満たしている。
手抜きなグラフィック・不便なUI,不可解極まるシナリオ、殆ど嘘ばかりの公式の説明文といった具合である。
そして何よりも大事な事であるのはこれらが全て笑いに繋がっており、KOTYeの趣旨とガッチリ噛み合っているという点である。
笑いに繋がるという点においてはずっぷも共通しており、実際この総評を作成する上でも選定を迷った。しかしこの両者、違っている点がある。
ずっぷが笑えるというのはずっぷ!のコピペを始めとする「中身スッカラカンな事で起きる笑い」であるのに対し、部室は「悪い意味で濃厚な中身からくる笑い」であるということだ。
前年、くのいちとSEX戦争の勝敗を分けたのが中身があるかどうかであった様に、今度はスワンアイが同じ論点で敗北を喫すのが妥当ではないだろうか。
また部室はスレ住人を始めとするクソゲーハンターの目に留まっていないような超マイナーゲームの脅威を知らしめ、実は歴代でも大賞クラスのマイナーゲームが埋まっていたのでは?というKOTYeの選考の在り方にも一石を投じた。
以上を鑑み、2013年KOTYeの大賞は明日も部室(へや)で会いましょう としたい。

2013年は最後までスレをリードする事になった門番の登場、歴代最強クラスの年末の魔物、そして年を越えて襲撃してきた選評ラッシュと終わってみれば大豊作の年であった。
また全体的なポテンシャルも非常に高く、今回次点、次点以下となった作品でも生まれる年が違えば大賞や次点に輝いた可能性は十分ある。
一方でメーカーの冒険によって生まれたクソゲーではなく、手抜きによって生まれたクソゲーが目立つ年となりエロゲー業界のモラルの低下も危惧される事となった。
2014年はクソゲーなど生まれないで欲しい・・・そう切望してやまないが、既に今年の主役であった戯画、Ex-iT、スワンアイらの新作が控えていたりと早くも騒乱を予感させている。
しかし今は次なる戦いに備え2013年の総評を締めることで激闘の年を戦い抜いた住人達共々一時の安らぎの時としたい。

最後に2013年大賞の『明日も部室(へや)で会いましょう』に倣い、次の言葉を送ることで結びとする。
「明日も板(スレ)で会いましょう」