カスタムメイドオンライン 選評

ブランド KISS
ASINが有効ではありません。
ジャンル オンラインメイド育成SLG
メディア DVD-ROM
原画 -
シナリオ -
音楽 Duca、Rita、茶太
発売日 2014/03/28
定価 -
CG数

選評1

【2014】 クソゲーオブザイヤーinエロゲー板 2本目
http://pele.bbspink.com/test/read.cgi/erog/1394386082/
683カスタムメイドオンライン選評 ◆ym2J8X5l32 [sage]:2014/03/30(日) 00:02:34.55 ID:OpgxpVlJ0
カスタムメイドオンライン
発売日 2014年3月28日 ※基本無料オンラインゲーム
            カスタムメイドオンライン ブルジョアパック  9,800円
            カスタムメイドオンライン スターターパック  2,980円(共に税抜き)
メーカー KISS


カスタムメイドと言えば本編・追加ディスク合計21作にもなる非常に息の長い3Dエロゲである。
ヒロインの容姿、性格等を自在に設定でき、様々なシチュエーションのエロシーンを再現できることで長い支持を得ていたシリーズだ。
そのシリーズの最新作として送り出されたのが本作、「カスタムメイドオンライン」である。
ソシャゲの様な基本無料のオンラインエロゲーという今までとは一風変わった特徴を持つ訳であるが、その全容は今までのシリーズが積み上げてきた物を暗黒空間にバラ撒くような凄まじい物であった。

まず本作は昨年からクローズドβテスト等を行っているが、その経過からして半端では無い。
当初の予定ではクローズドβテストは10月中との予定であったが、度重なる延期により実際には11月11日に開始。
開始してもすぐにアクセス過多によりサーバーダウンと目も当てられない。
その後もテクニカルβテスト、クローズドβ2テストと続き、パッケージ発売日にオープンβが開始されたのである。

無料で行っていたクローズドβテストで不具合が起きる分にはそういう物なので仕方ないだろう。
しかし本作が常軌を逸している点はフルプライスでパッケージを売った後のオープンβですら即死してしまった事だ。
プレイは勿論、ログインすら出来ない。購入者のブログ情報ではあるが、開発側がログインできた人はどうやったかサポートに連絡して欲しいとまで言い出すほど現場は錯綜しているようである。
故に本作の実際の内容は購入者にも分からず、そのクソゲー度合いはかつての初期バージョンの雛遺書のようにパンドラの箱状態だ。

本選評執筆時点で発売から丸一日以上経つわけだが今後の見通しは全く不明瞭である。
そもそもエントリーの資格を有するのかさえ疑問視されているが、一応のたたき台として本選評を記す。
ゲーム内アイテムを購入するのに使う電子マネーに資金決済法違反の疑いがあるなどの黒い噂も絶えない本作の今後に期待がかかる所である。

選評2


【2014】 クソゲーオブザイヤーinエロゲー板 77本目
http://pele.bbspink.com/test/read.cgi/erog/1401197228/
379 : ◆NK9sdi60V2 :2014/05/31(土) 00:51:07.62 ID:5qn8AXzU0
カスタムメイドオンライン。
今作はエロゲーでは異例中の異例「オンラインゲーム」である。
多種多様な体格、性格、服装から自身の好きなものを選び、文字通り理想の彼女と言えるメイドを作成して
豊富なプレイの種類で楽しめるカスタムメイドシリーズ最新作である。
まず、最初に言っておくがここではβ版時代のことは一切触れない。
あくまでβ版は一般のゲームでは体験版に位置付けられる為であり、たとえ先に9800円のパッケージを売ったとしても体験版は体験版であるからだ。

ゲームを起動してから最初に突き当たる壁が「何をしたらいいか」である。
マニュアル(説明書)が存在しない今作ではメイドの作成こそ説明はあれどそこからは自分で手探り作業をしなければならない。
エロゲーだからエッチをすればいいのだが、エッチをする為には色々必要なものや制限があり幾度にも仕様を変更したせいか、
公式HPにすら過去の仕様を載せ続けてユーザーを困惑させてくる。
ただでさえ少ない服装やプレイを集める為には知っておかないといけないこと、得することを全て自分でやって覚えていく様は
説明書の無い中古SFCゲームを買って試行錯誤でクリアした時代を思い出す懐かしさである。

遊び方を理解したユーザーが次に当たる壁が「時間経過による回復」である。
オンラインゲームやソーシャルゲームによくある一日毎、時間経過による定期的にプレイさせるシステムを完備して
ユーザーにお金か時間の二択を要求する姿勢は正にオンラインゲームと言えよう。

オンライン要素の一つであるユーザー同士のチャットルーム「談話室」は一昔どころか90年代を感じさせる懐かしさである。(画像:談話室1参照)
更に2ch顔負けの匿名性を保持してIDや名前は付けられず投稿番号のみで管理され、
荒らし対策も完備しており同じユーザーが連続して投稿出来ない制限を付けている。
画像を投稿できるのだが拡大しようとしてクリックしようものなら小さいウインドウに拡大され見切れて何も見えなくなる(画像:談話室2参照)
申し訳程度にコメントに対してレスポンス機能があるのが唯一の救いであるだろうか。

また、正式サービスを迎えた本作は未実装部分が多く、判明しているものだけでも

調教度(メイド力)→未実装
お仕事ランク→未実装
愛情度→未実装
メイドのコメント→未実装
サロンの公開→未実装
サロンの品評会→未実装
サロンのメイドレンタル→未実装
MOD→未実装

育成部分とオンライン要素の大半が未実装、キスしようが何度中出ししようが純潔を守り(画像:メイドコメント参照)
全てを無かったことにする鉄壁のメイドである。

更には運営のやる気の表れとユーザーのご要望にダイレクトに答えるご意見フォームでは、
検討中、作成中、改善中の文字が多く、しれっとご要望でもご意見でもない本来のシステムすら載せる潔さである。(画像:ご意見フォーム1参照)

上記内容だけを見ると駄作としか言えないものがあるがグラフィックだけは評価に値するだろう。
シリーズを重ねてきただけあり、日本人が好むであろうアニメ調のモデルは他の18禁ゲームでもそうそうお目にかかれない完成度である。
最高のグラフィックが誇る理想のメイドが生み出すものは、見掛けだけ豪華で中身はハリボテの現実。
ユーザーが思うことは何故正式サービスをしたのか、それ以外に無いだろう。

※サービス終了する為説等あるが憶測は憶測なので注意

談話室1
ttp://www.dotup.org/uploda/www.dotup.org5094712.jpg
談話室2
ttp://www.dotup.org/uploda/www.dotup.org5094713.jpg
メイドコメント1
ttp://www.dotup.org/uploda/www.dotup.org5094718.jpg

ご意見フォーム1
ttp://www.dotup.org/uploda/www.dotup.org5094724.jpg

カスオを画像二枚で表すと
ttp://www.dotup.org/uploda/www.dotup.org5094730.jpg

選評3


【2014】 クソゲーオブザイヤーinエロゲー板 避難所
http://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/game/58331/1416175866/
723 :カスタムメイドオンライン選評 ◆TIK9X27OEU:2014/12/29(月) 17:06:32 ID:cWmu796k0
○はじめに
 カスタムメイドオンライン(以下カスオ)は史上初の基本無料+課金制3Dオンラインエロゲーである。
オンゲー+エロ+3Dというありそうでなかった要素の組み合わせは、エロゲーの新たな地平を切り拓くのではないかと期待を抱かせた。
しかしその試みは出だしからいきなり転ぶ事となる。
度重なるサーバーダウンなどにより、フルプライスのパッケージを買ったにもかかわらずそもそもログインすらできないなど、ゲームの体を為していない有様は、多くのプレイヤーを激怒させ、スレを大いに賑わせた。
しかしそういった運営のクソさが話題を席巻する一方、肝心のゲームの中身に関する検証が不十分なのではないかとも感じていた。
そもそもオンラインゲーはアップデートによって進化するゲームである。かつてMMO大乱立時代に有料βテストなどと揶揄されたものでも、その後アップデートを繰り返し現在まで生き永らえているものも存在する。
それなら現在のカスオはどれほど改善されたのかという検証なしにはクソゲーとして語れないわけだが、『クソすぎて誰もプレイしていないので内容がわからない』などという話が聞こえてくるばかりで、その詳細は謎のままであった。
そこで本稿は、2014年末時点でのカスオの現状について11月末から年末までの1ヶ月強の期間検討を行い、その問題点について報告するものである。

○ゲーム開始にあたって
 まずこのゲームはインストールするだけでも一苦労である。インストールフォルダがまず7Gbもあり、公式HPで4つに分割された自己結合型rarファイルとして配布されているため、まずこの4つのファイルをDLして結合するところから始まる。
まあ3Dのゲームとなれば容量が大きいのは予想済みであり、ボイスも含まれることを考えればこの大容量はやむを得ないとも考えていた。
しかしゲームを初回起動して早速目を疑うこととなる。オンゲーに定番のアップデートが始まるわけだが…なんとこのアップデートの容量が8Gbを超えている。まさかクライアントよりも大きいとは…
結局筆者はクライアントにパッチが当たるのをパンツを下ろしたまま待ち続けたわけだが…2時間経ってもまだまだ終わる気配は見えず、そのうち寝落ちすることとなった。
そのため、最終的にどれだけ時間がかかったのかは不明なのだが、2時間時点のプログレスバーの進捗具合から察するに4時間以上はかかったと思われる。
ちなみに後日インストーラーをチェックすると、最終更新日時が2013年11月となっていた。
つまりこれは現在なおサービス開始時のクライアントを配信しているためであり、その後度重なるアップデートを経てもインストーラーは更新されていないのである。
この時点で運営側にオンゲーを運営する上でのノウハウや常識が完全に欠如していることが透けて見え、先行きに不安が広がることとなった。

※追記すると、12月末の時点ではこの初回アップデートは9.4Gbまで膨らんでいた。今後もアップデートのたびにさらに膨らんでいくのだろうか…?
+ ...

○ゲーム内容についての検討
 ・オープニング
 さてここからが本題となるゲーム内容についての検討となる。
初回プレイ時はまずプレイヤーのアカウントを作成し、プレイヤー名を入力し、ストーリーについての説明が始まる。
初代PSを髣髴とさせる長々としたローディングを頻繁にはさみつつ、"豪華絢爛"というモノローグとは裏腹にこれまたPS1レベルのチープな館に案内され、メイドが派遣される経緯が説明される。
…のだが、これがなかなかすごい。簡単にまとめると
『名家の叔父が急病で倒れたので急遽主人公が当主を務めることになった。名士かつメイドを愛する心を持つ主人公は"エンパイアクラブ"の特別会員として認められ、専属メイドを館に住まわせてやりたい放題やって良い』
というものである。
言っていることはハイソサエティっぽい感じだが、実質ただの高級デリ○ルであり、そのストレートすぎる設定にいきなり気おされることとなる。
+ ...

 そして、メイドのモデルや性格をカスタムし、そのメイドが館に派遣されてくると、いよいよメイン画面になりゲームの始まりである。
ここからはこのゲームの各要素について各論を行うが、こんな長い文章なんて読んでられないよ!という方もおられると思うので、このゲームのクソっぷりを一目で表す画像を用意したのでご覧いただきたい。
+ ...

まずこの画像はカスオのメインメニューの画面のキャプチャー画像である。
見ての通り、様々なコマンドやパラメーターが並んでいるのが分かる。
ところがその実態は…
+ ...

ごらんの有様である。
未実装の雨嵐、むしろ正常に稼動している部分はどこだと言いたくなる。
このメインメニューだけでなく、それ以外の部分にもあらゆる部分に未実装が潜んでおり、まさかバックログからのボイス再生アイコンまで未実装だとは誰が予想できるだろうか。
筆者はアイコンをクリックしてもアイコンが反応して動くだけで音声が再生されないのを前にして、一瞬音声のボリュームがOFFになっているのかと本気で疑い、ああ未実装なんだこれと気づいて思わず乾いた笑いがこぼれた。
そして×の未実装はともかく、この△の事実上無意味なのはどういうことなのか、ということだが、それを以下の項で説明していく。
いちいち読むのが面倒という方は一気に最終章の総論まで飛ばしていただいて構わない。その上で気になる点があれば戻っていただければいいと思う。

 ・ゲーム内容について:各論
 まずこのゲームのタイトルであるが、カスタムメイドオンラインである。
それはつまり、
①自分好みにカスタムした
②メイドさんとイチャイチャしたりHなことをする
③オンラインゲーム
ということであろう。
…結論から先に言えば、この3本柱は総崩れである。

 まず①のカスタム要素について。
まずは先に言うと、このゲームの3Dモデルについてはかなり出来がいいと言える。
筆者は3Dエロゲーをやったのは初めてだったのだが、他社の3Dエロゲーのスクリーンショットなどと比較しても、この作品のモデルはとりわけ優れている。
特に2Dと3Dの融合が実にハイレベルで達成しており、最近のPS3のゲームにあるような"リアルすぎ"ず、2Dのアニメ調を残し、そのくせコロコロ変わる表情などは実に良くできている。
カスタムモードにおいて体型のカスタムのために下着を脱がせると、顔を赤らめたり視線をそらしたりする芸の細かい作りこみもあり、ちょっと感動してしまった。
…まあこれがこのゲームの最初にして最後の評価点だったのだが。

敢えて問題点をあげるとすれば、ポニーテールが体勢によっては体や床などを貫通したり、ポニーテール用リボンを装備した状態でポニーテールのみを解除するとリボンが謎の足元に空中浮遊してしまうなど、ポニーテール関連にいくつか問題点があるのと、
+ ...

あとは「ロングスカートは足を貫通するので実装できない」と公式が発表するなど、やや詰めの甘いところはあるが、十分及第点といえるだろう。

では何が問題なのか?
問題は、このせっかくの優れたカスタム要素をこのゲームの各ゲームシステムが帳消しにしてしまっている点にある。

 まず第一に、『衣装力』の問題である。
この『衣装力』とは、各パーツごとに数値が定められており、この『衣装力』が高いほど後述の仕事の成功率が高いという仕様になっている。
要するに全裸などで仕事をさせると、成功率が極端に低下するということである。
これはマニュアルにもその仕事に適さない服装で行うと成功率が低下すると書かれているので、そのための仕様であろう。
ところが実際は、この仕事の成功率は単純に各パーツの衣装力の合計値のみで判定されているようで、『その仕事に適した衣装』などという判定は行われていない。
このため、全裸などでなければどれほど非常識な組み合わせであっても問題なく仕事に成功する。
+ ...

また、この衣装力の設定値にかなりの偏りがあり、そのせいで自分のお気に入りの服装が衣装力が低いということが起こりうる。
このため、後述するリアル時間による制限がある仕様もあいまって、効率を重視するには毎回仕事のたびに着替えさせなければいけないという面倒さである。
さらにこの衣装力は、同じ衣装を一定時間以上着続けているとメニューには反映されないが内部的に徐々に低下していき、一定時間を超えると『着替え時!!』という表記になって内部的に激減する。
このため、お気に入りの衣装を固定することができず、頻繁に着替えさせなければならないという仕様もまた面倒さに拍車をかける。
なお、現在はさすがにいつでも着替えさせることができるが、サービス開始当初はこの着替えにもリアル時間による制限or課金が必要という鬼畜仕様だったようだ。

さらに加えて、詳細は後述するが仕事をすることでゲーム内通貨であるエナジーや装備のカラーバリエーションを入手することができるのだが、
これも衣装を装備している箇所が多いほうが多く獲得できるという仕様になっている。
そのせいで、これも効率よくエナジーを獲得しようと思うと、プレイヤーによって好みの分かれるような眼鏡やアイマスク、ポニテ用リボン、小悪魔尻尾などをフル装備する必要があり、これも自分好みの衣装に自由にできない原因の一つとなっている。

 第二の問題点は、衣装の入手について。
メイドに装備させる衣装だが、初期装備以外のものを増やすには、ゲーム内通貨のエナジーか課金のSポイントを消費して購入する必要がある。
当然のごとく、需要の高そうな衣装はほぼすべてSポイントショップのほうに偏っているが、これはまあ基本無料+課金制のゲームとしてはある意味当たり前であり、非難するには当たらない。
しかし、この入手手段もエナジー、Sポイントともに通常のショップとスクラッチ(いわゆるガチャ)の2種類があり、良い衣装はほぼスクラッチに偏っている。
そしてこのガチャなのだが、髪・肌・目・乳首などのカラーバリエーションで究極に水増しされており、欲しいアイテムがなかなか出ない仕様になっている。
ちなみに筆者はEスクラッチ第7弾を75回試行し、乳首の色違いだけで4色あわせて24回、眼が3色で10回という結果になった。
もちろん、アイテムが重複しても払い戻されるなどということはなく、1回目はカラーバリエーション、2回目以降は微量のエナジーに変換されるだけである。
こうして、お目当てのアイテムを狙って1週間せっせとエナジーを溜めて1回3000エナジーのスクラッチを回しても、みるみるうちに乳首→重複→150エナジーへと変換されていく逆錬金術を目の当たりにするのは中々精神的につらいものがある。

さらに驚くべきは、エナジースクラッチのみならず、課金スクラッチも同様の仕様だということである。
さすがに課金スクラッチはカラバリによる水増しは行われていないが、それでもアイテム重複時は微量のエナジーになるというのは同じである。
そのため公式BBSには1万使ったけど目当てのもの出なかった、などという書き込みが散見され、ソシャゲならではの廃課金仕様が伺える。
一応、課金スクラッチのアイテムは、スクラッチで実装後一定期間の後に単品で購入することもできる辺りは、良心が残っていると評価すべきだろうか。
しかし一方で、それはよほど実装直後にすぐに欲しいというのでなければ、課金スクラッチをする必要が一切ないということでもあるが…

次に、②のメイドとの交流やHについて検討する。
おそらく多くのプレイヤーにとってこれがこのゲームのメインであろう要素であるが、これもそこら中に粗が目立つ。

 このゲームにおいて、メイドと一緒にできることは、夜伽、仕事、コミュニケーションの3種類である。
まず第一にコミュニケーションなのであるが、これはサロンにてメイドとの会話を楽しめるモードである。
いわゆるメイドとイチャイチャできるモードなのだが、会話のパターンが異常に少なく、話題が両手の指で収まる程度の種類しかない。
さらにひとつの話題から3つの選択肢で会話が分岐するのだが、その中には明らかに悪印象のものもあるため、実質的に選べる幅は限られる。
なお、メイドにボイスがあるのはこのコミュニケーションと夜伽のみである。
後述するが夜伽時のボイスにも使い回しが多く、サービス開始前のインタビューでメイドの音声ファイルだけで1キャラ1Gbを超えていると豪語していたが、その大容量はどこへ行ったのだろうか…?

また、このコミュニケーションのゲームシステム上の役割として、エナジーで購入できる酒類を持ち込むことができ、それをメイドと一緒に飲むと愛情値が上がるという機能がある。
この愛情値についての問題点は次の仕事の項目で説明する。

 次に仕事なのであるが、毎日ランダムで選ばれる2種類の仕事と、時期によって出現する期間限定お仕事の3種類から選択することができる。
この仕事をする目的は、エナジーを稼ぐことと、衣装のカラーバリエーションを入手すること、そしてメイドの愛情値を増減させることである。
各仕事には達成度というポイントあり、体力を5/20消費して1回仕事を行うと、衣装力による判定により 大成功:20 成功:10 失敗:3 大失敗:1 の達成度が溜まる。
この達成度が20に達するとひとつの仕事が完了し、ボーナスエナジーが1000と、一定確率でメイドの各衣装の経験値が溜まってカラバリがもらえたり、衣装のレベルがMAXなら追加エナジーがもらえたりする。
また、仕事完遂後のメイドとの選択肢によってもメイドの愛情値が微増する。
仕事の結果は(全裸などでなければ)成功の10ptであることが多いので、事実上体力10ごとに1回仕事が完遂する。体力はリアル時間18分ごとに1回復するため、つまり3時間ごとに1回と置き換えても良い。

いくつか例外はあるが、基本的にゲーム内エナジーを稼ぐメインの手段がこの仕事である…のだが、ここも謎のゲームシステムがこれを邪魔する。
メイドに仕事をさせるとメイドの疲労が溜まっていき、一定回数を超えるとメイド長から警告され、その後さらに仕事をさせるとメイドが倒れて愛情値が下がる。
これを回避するためには前述したエナジーで購入できる酒類をコミュニケーションの場においてメイドに貢ぐ必要があるのだが、この酒類がなかなか高い。
一番安いものでも4500E、もっとも高いものだと11000Eもする。
つまり、エナジーを稼ぐためにはメイドに仕事をさせる必要があるのだが、その仕事をさせるためにはエナジーを消費して酒を注ぎ込まねばならないという矛盾が発生するのだ。
これを解決するにはどうすればいいのか? それには以下の2つの方法がある。

まずひとつは、課金してメイドを複数雇い、本命以外のメイドを奴隷のごとく働かせ、そうして稼がせたエナジーを使って酒や衣装を本命のメイドに貢ぐというキャバクラ作戦である。
第二の手段として、実はこの愛情値は、あがっても一言のイベントがあるだけ(らしい)で、逆に下がったからといって何のデメリットもない。事実上の未実装である。
そのため、メイドが倒れようが何しようが愛情値はハナから捨てて働かせ続けるという肉奴隷作戦である。
…どちらにしても、とても『メイドへの愛にあふれた主人公』の採るべき手段とは思えない。
一応装備品などが充実してくれば仕事達成時の追加エナジーが増えることで1回の仕事で4000以上稼げるようになり、この問題は解決するのだが、序盤はエナジーか愛情値のどちらかをあきらめることになる。
貧乏時代に苦労を共にした糟糠の妻プレイとでも妄想しろという試練なのだろうか…?

余談ではあるが、こういったプレイヤーの妄想による補完すら華麗に阻害してくれるのが、他ならのプレイヤー自身の分身である主人公の3Dモデルである。
この主人公のモデルであるが、体型や髪型などを若干カスタムできるものの、基本的には1種類しかない。
その1種類とはもちろん夜伽に使われるものであるから、いつでもどこでも下半身のフジヤマがヴォルケイノしている。
メイドとクリスマスの話題でいい雰囲気になっているにもかかわらずフル勃起、これに気づいた瞬間には思わず液晶に向かってミカン汁プシャーをしてしまった。
+ ...

それどころか、サロンのロビーにおいても公開フル勃起。そりゃ他の客が主人公を避けるのも当然だわ。
+ ...

些細なことではあるが、ただでさえ必死で繋ぎとめているプレイヤーのモチベーションをさらに下げることはやめていただきたいと思った次第である。

なお、公式がこのエナジー問題に対処すべく(?)、最近は期間限定お仕事が常に用意されている。
この期間限定お仕事は通常の倍の10の体力を消費するものの、必要達成ポイントが1、つまり必ず1回で完遂できるということである。
要するに失敗がないということであり、前述した衣装値に影響されることがないほか、メイドの疲労も溜まらないという大盤振る舞いである。
ところが今度はこれはこれで、他の通常のお仕事をする必要が一切ないということであり、衣装力や疲労のシステムを完全否定してしまっている。
つまり現状、お仕事はもうこの期間限定お仕事だけをひたすら3時間に1回ずつポチポチと押すだけの完全なる作業と化している。

 最後にこのゲームのメインディッシュである夜伽について検討する。
まずこの画像を見てほしい。これは夜伽中のスクリーンショットである。
+ ...

早速目に付く左下の未実装はとりあえず置いといて…まず一番上に興奮と精神のバーがあるのが見えると思う。
これはたとえば愛撫やピストンなどの行動を行うごとに、興奮の値が溜まっていき、逆に精神の値は減少していく。
興奮が70を超えると射精や絶頂させるなどのフィニッシュ系のコマンドが選択できるようになり、精神が0になるとメイドが気絶して夜伽は強制終了、愛情値が下がる他疲労値にもペナルティがある。
つまりこの夜伽のシステムとは、精神100ptが尽きる前にいかに興奮を上げ、射精まで導くかというゲームになっている。
だが、やってみればわかると思うが、予備知識なしでやりたいようにプレイすると、ほぼ間違いなくメイドが気絶して強制終了を食らう。
何故なら、射精にはプレイにもよるが精神が20-30ptほど必要であり、この射精で精神が0になってもアウトだからである。
プレイの中には増加する興奮値が小さい割に消費する精神値が大きいという罠コマンドもあるため、事前情報なしではまず精神値を管理できないだろう。
さらに、このプレイをすると興奮がいくつ増えて精神がいくつ減るのか、というのもゲーム内では一切確認できないので、次この行動をすると精神がオーバーフローしますよ!、などという警告ももちろんでない。
そのため、夜伽をする際には攻略Wikiと計算機が必須で、あれをやってこれをやると精神がいくつ減って興奮はいくつになるから…などとひとつの動作ごとに細かく計算しながらやらねばならず、とても夜伽に集中などできない。
しかし、計算しながらやったとしても計算ミスやクリックミスなどにより、いざ射精しようと思ったら精神値が1足りないなどという事態が頻発。
メイドを気絶させること覚悟で射精するか、このまま中途半端なままで終了するか、悲しいジレンマに陥って射精寸前のまま固まることになる。
このため、確実を期すなら予め夜伽前に、挿入してゆっくりを4回やって、やや激しくして1回、最後にフルスロットルを2回やって射精するとちょうど精神が1残る!といった風に計画を立てておかねばならない。メイドのご利用は計画的に…
なぜせっかくの夜伽なのに、余計なゲーム性を加えたせいでプレイヤーの好きなようにやらせてくれないのか?
ちなみに、攻略Wikiも最終更新が11月の中旬ともはや完全に放棄されており、この興奮と精神に関する最新のデータはほとんどない状態である。
そのため、新しいプレイを習得するとそれらの値を自分でいちいち調べてメモる必要があり、さらにだるさに拍車をかけている。

では、プレイ自体のクオリティはどうなのか、という点に関してだが、これに関しても手放しで褒められる出来ではない。
確かにモーション自体は良くできているし、前述したようにメイドの表情が細かく変わる点も評価してよいと思う。
声優さんの演技に関しても、特に問題といえることはない。
ただ、一つ一つのモーションは良くできていても、同じモーションをリピートするだけの動きが多いのと、異なるプレイでも同じモーションを使いまわしたものが目立つ。
ボイスに関しても、10秒ほどのボイスパターンが各プレイごとに3種類ずつほどあるのだが、よく聞いてみると異なるボイスパターンの中に同じ声のパーツが使いまわされているのではないかと思うことが多々あり、
数日プレイしているとすぐに既視感に囚われて飽きてくる。ボイス1キャラ1Gbの大容量はいったいどこへ…
実際筆者は後述のプレイ習得システムのこともあり、1週間くらいプレイしたあたりからもうボタンを連打するだけの作業になりはじめ、2週間が経過したところから音声を全てOFFにして、他の作業の合間にポチポチやるだけの存在と化した。

ちなみに、夜伽によって増減する夜伽パラメーターというのがあり、これが先ほどの画面の右端真ん中あたりに表示されている夜伽の6つのカテゴリに対応したパラメーターである。
このパラメーターは夜伽のプレイ内容によって増減するのだが、ではこのパラメーターが増えることでどういう意味があるかというと、実はほとんど意味がない。
奉仕騎乗位セックスの説明の欄に書かれているように、特定のプレイの際に特定のパラメーターが規定値以上だと、獲得できる経験値が増える(らしい)のだが、ただそれだけである。
このステータスの値によってプレイの内容が変わったり、メイドの反応が変わったりということは一切ないのだ。
一応申し訳程度に、以前の期間限定お仕事において6つのパラメーターのうちどれが一番高いかによって展開が若干変化するというものがあったのだが、そのためだけにわざわざこのステータスを一生懸命あげる必要は一切ないといえる。

この時点で本来ご褒美であるはずの夜伽が非常に作業感と苦痛に満ちたものであることが分かってもらえると思うが、これに更にニトロでブーストをかけるのが、新規プレイを習得するシステムである。
夜伽で行えるプレイであるが、初期習得のものは本当に最低限しかなく、悦楽・奉仕・羞恥・被虐・性具・魅力の6カテゴリーのうち、本番があるのは悦楽の正常位だけである。
例えば魅力カテゴリーでは、教師と生徒になりきって行う学生プレイ愛撫は初期習得だが、愛撫するだけで本番はできない。
このため、ポイントを溜めて新たなプレイを習得する必要がある。
新たなプレイの習得には、画面右下のプレイヤーのステータスの欄にある、紳士ptと調教ptを消費する必要がある。
このポイントはプレイをすることで溜まり、悦楽・奉仕・魅力の和姦系では主に紳士ptが、羞恥・被虐・性具のハード系では調教ptが溜まりやすくなっている。
ところが、この学生プレイセックスを習得するのに必要なポイントは恐るべきことに紳士pt1900となっている。
初期状態では1回の夜伽で獲得できるポイントは紳士だけに絞っても約15ptほど、この夜伽が疲労値の関係上大体1日に5回程度しかできないため、一日に溜めることができる紳士ptは80程度ということになる。
単純計算で20日以上かかる計算で、この間ずーっと同じ内容のプレイを1日5回繰り返す究極の作業となる。
もちろんこれは効率が悪いので、100ptで習得できるフェラやアナル愛撫などを習得すると若干効率は改善されるのだが、100ptで習得できるプレイの次はいきなり600ptとかであるため、どのみち同じプレイをやり続ける作業が続くことには変わりない。
これをFFに例えると、ファイア・ブリザド・サンダーの各属性基礎魔法だけは初期習得で、ポイズンあたりは直ぐに習得できるが、ファイラを覚えるには1週間以上、ファイガは1ヶ月近く、ファイアだけでゴブリンを倒し続けてください、というものである。

更に困ったことに、上位のプレイはともかく、下位と中位のプレイ(特に紳士系3カテゴリのもの)は紳士ptか調教ptのどちらかしか上がらないものがほとんどなのにもかかわらず、中位以上のプレイ習得にはほぼ全て紳士と調教の両方のptが必要なのである。
そのため、無計画に同じ系統のptしか上がらない中位のプレイを習得すると、紳士ptは溜まるのに調教ptはまったく溜まらないというような事態が発生し、個人によって好みが分かれるようなSMや乱交などをやらざるを得なくなる。
結果として筆者は、途中から毎日、ひたすら尻をいじって絶頂させるというプレイをやり続ける羽目になった。
初期習得プレイのなかで、何故か乱交だけが他と比べてやたらとポイント効率が良いというポイント設定にも首を傾げざるを得ない。

ちなみにこれは無課金の場合の話であり、課金しさえすればいきなり上位のプレイを習得することができる。
上の画像で選択中の金色のアイコンのプレイが課金で習得したプレイであり、通常のptで習得できる同名のプレイよりもやれることが増えている。
例えば正常位セックスでは、ノーマルの正常位ではただピストンするだけだが、ゴールドではそれに加え、挿入しながらの胸愛撫やキスをすることができる。
こうして上位のプレイを習得すれば前述のptが足りないという問題は解決するのだが、今度は逆に、課金して上位のプレイを習得してしまえば、わざわざptを使って下位のプレイを習得する必要がないという問題も生じる。
筆者の場合、元々は無課金でどこまでやれるかを検証するのも目的の一つとして開始したのだが、このままでは期間内に新たなプレイを習得できず検証ができないことに気づき、課金して上位プレイを習得した。
しかしその結果、その時点ですでに夜伽自体が苦痛になっていたことや、プレイ間の使いまわしが多いこともあり、ポイントは溜まったが新しいプレイは別にもういらないなという逆の心境に陥ってしまった。
公式もそういったプレイヤーの不満の声に応え、ポイントでのみ習得可能なプレイを新規追加したのだが、実はこれも既存のプレイのモーションを使いまわし、場所やシチュを変えただけの手抜きであったため、不満が解消されたとは言い難い。

また、これはクソ要素とまでは言えないかもしれないが、個人的に大きな不満点として、『半脱ぎ状態』がないということがある。
夜伽中、脱衣コマンドによって衣装の各パーツごとに脱がすことができるのだが、これは文字通り表示・非表示を切り替えるだけで、2,3秒画面が停止した後煙のように消え去ることになる。
このため、例えばせっかくのメイドさんにパイズリをしてもらうプレイであっても、上着フル装備⇔ブラ⇔上半身裸の3タイプの切り替えしかできず、メイド服を着たまま胸をはだけて、ということができないのだ。
それがどうしたと思われるかもしれないが、これを続けていると、そのうちこれ服を何着せようがどうせヤルときは全身ひん剥くんだから同じなんじゃね、という気分になってきて、服をいろいろカスタムする意欲が激減するのである。
これも先ほどの優れたカスタム要素をゲームシステムがぶち壊しにしている要素の一つである。
本来こういった公式で手が届かない部分をカバーするのがMODなのだろうが、本作はそのMODも未実装のためどうしようもない。
結果的に筆者が課金して購入したミニ浴衣セットも、普段の仕事着としてのイメージがイマイチ湧かないこともあって、悲しくお蔵入りすることとなった。浴衣の半脱ぎが見たかった…
ちなみにこの点について今後そういった半脱ぎ差分を実装する計画があるか公式のサポートに問い合わせてみたが、まあ予想通り1ヶ月間いっさい返答も反応もなかった。とてもそんな余裕はないようだ。

さて、この時点で読者の方々もそろそろお腹いっぱいになってきただろうか? だが次は③のオンラインゲームとしての問題点である。
はっきりと結論を先にいってしまえば、このカスオにはオンラインゲームである必要性が一切ない…どころか、害しかない。
何故か? その理由はオンラインゲームの存在意義とはそもそも何か? オンラインゲームのメリットとデメリットとは何か?を考えれば自然と浮き上がってくる。

オンゲーのオンゲーならではの魅力とは、1つ目として(原則的には)発売されればそれが完成品のパッケージゲームと異なり、アップデートを経て進化を続けていく点がまず挙げられる。
現在の不満点も、明日には改善される可能性があり、古参プレイヤー達と共に進化を続けてきたゲームも多く、新たな要素の追加によりコンテンツの枯渇を防ぎ長きに渡って楽しむことができる。
しかしながら本作の場合、確かにアップデートによって衣装の追加や期間限定お仕事など表面的な追加は実施されているものの、根本的なシステムの欠陥についてはずっと放置されたままである。
そもそも衣装やプレイの追加だけでよければ、パッケージソフトであってもアペンドディスクやDLCなどで対応可能であり、実際過去のCMシリーズでもそうであったため、オンゲーである必要はないといえる。

そしてオンゲーの魅力のもう一つの大きな柱として、NPCではない中身入りプレイヤーと交流したり、協力、競争などをすることができるという点があるだろう。
だが本作の場合、まず最初の交流という要素であるが、ゲーム上におけるリアルタイムの他プレイヤーとの交流という要素はなく、公式BBSのみである。
これについて公式のインタビューにて、コトに及んでいる最中で他のプレイヤーに話しかけられても困るだろうということで、敢えてオンライン上のチャット機能を廃したとの記載があり、まあそれについては分からなくもないが、
それならばなおさらオンゲーである必要性はどこにあるのかという疑問も同時に浮かぶ。
またこのBBSがとても使いづらく、なんと投稿者名を入力することができず、投稿番号しか把握できない。
そのため、レスが連続すると、誰が誰に対して返答しているのか分かりづらく、会話の流れがつかめないことこの上ない。
はっきりいって管理さえちゃんとしているなら、したらばあたりに公式のスレを立てたほうがよっぽど便利であろう。

そして、協力、競争という要素ははっきり言うと一切ない。
一応サロンにおいて、自分のメイドとのプレイを他者に公開したり、一緒にプレイに加わってもらったりという機能が予定されているようなのだが、この機能は未実装であり、実装の予定も一切立っていない。
この時点で、オンゲーの最大の魅力である継続的な進化と、他プレイヤーの交流という2本柱がぽっきり折れてしまっており、オンゲーとしてのメリットは何一つないといえる。

では次にオンゲーのデメリットとは何か?
まず基本無料+課金性のゲームの最大の特徴として、当然ながら課金してもらえなければ収益が上げられないということであり、そのためには無課金のプレイを"敢えて不便"にし、課金すればそれが解消されるシステムが必要になる。
また、他人と協力したり競い合うというシステム上、一般人と廃人にあまりにも差が出すぎてしまうとゲームバランスに支障を来たすこともあり、廃人の際限ないプレイに抑制をかけるシステムが必要となる。
カスオにおけるメイドの体力や、疲労値、服を一定時間ごとに着替えなければならないシステムなど、プレイにリアル時間での制限をかけるシステムも、本来であればオンゲーであるからこその制限といえる。
しかし前述したとおり、このゲームにはオンゲーとしての魅力は一切ないのにもかかわらず、不便さだけはしっかりと実装されているのである。
なぜ、こういった制限を一切受けない普通の有料パッケージソフトとして発売しなかったのか?
インタビューにあるように、今までと同じコトを繰り返すのではなく、エロゲーとして新たな試みに挑戦してみたかったのだろうと推察され、その心意気は評価されるべきだが、肝心の計画の見通しは甘いまま突っ走ってしまったのだろうか。

次に公式の運営体制についてなのだが、まず冒頭にオンゲーの運営するノウハウや常識が欠如していると書いたとおり、手落ちだらけである。
まず公式のマニュアルについてだが、必要な情報が記載されていないため、いざプレイを開始しても、以前の選評にも書かれていた通り、『何をしていいかわからない』という壁にぶちあたる。
それもそのはず、公式のマニュアルページは驚きのhtml1ページにすべての内容がまとめられた超圧縮言語となっているのである。
例えば夜伽パラメーターの説明では、『夜伽によって変動するパラメーター』と記載されているのはいいが、それが上下することでゲーム内でどのように影響するのかが書かれていない。
そして、このゲームはどのように遊べばいいのか、ゲームの流れに関する記載が一切ないため、プレイヤーは色々押してみてどうなるのかを確かめる、手探りプレイを強いられることとなる。
もっとも、このゲームでできることがあまりに少ないため、手探りでも15分もあれば全てやりつくせてしまうのが救いではあるが…

課金制度についても抜かりはなく、前述したがめついガチャシステムはまあ課金ソシャゲによくあることとして眼を瞑るとして、ポイントの課金システムにも問題がある。
このSポイントはS-Courtプリペイドカード、クレジットカード、DLsiteポイントなどの手段で購入することができるのだが、この画像を見て欲しい。
+ ...

そう、まさかの税別なのである。また、こういった課金ポイントは、高額のポイントをチャージすると若干ボーナスがついて来るケースがあるが、カスオにそんなサービス精神は微塵もなく、単純比例するのみである。
ちなみにこのポイントは消費税5%→8%の増税にあわせてちゃっかり値上げしている。あまりの強欲さにため息しか出てこない。
まあそれだけならまだ呆れつつも流せるのだが、プリペイドカードによる課金の場合、例えば1500円のカードだと、チャージされるポイントは消費税5%の時点で前代未聞の税分差し引かれた1429ptである。
ちなみにこれも4/1までは1429ptだが、それ以降は消費税8%になるためまったく同じカードなのに8%分減算された1389ptになると明記されているというちょっと信じがたい仕様となっている。
Sポイントで購入できる商品は100pt単位なので、100以下の端数はもちろんまったく無駄になる。
百歩譲って消費税に関しては許容するとしても、なぜ1500ptのカードを8%増しの1620円で売ろうとせず、1500円から税分ポイントを差し引いた形で販売しようとするのか理解に苦しむ。
さすがに批判が強かったのか現在はこの端数設定は改定された(?)ようだが、そもそもこのカード自体がもうほぼ完売で入手困難なため、あまり関係ないのかもしれない。

サポート体制についても万全である。
メンテナンスは週1回くらいのペースでされているが、毎回毎回『スクリプトを修正した』という告知ばかりで、何がどう変更されたのかという告知は一切ない。
ユーザーからの要望に対して運営が返答するフォームもあるが、最終更新が11月頭以来更新されることなく放置されており、もはや投げやり感が隠せない。
それに加えてプレイヤー達の不安を増大させているのが、DMMでのサービス開始のニュースである。
実はこの12月の末より、今までの公式のKISSに加えて、DMMでもカスオのサービスが開始したのだが、それについてKISS側の公式では一切触れられておらず、プレイヤーへの告知もまったくなかった。
このDMMとの提携自体はサービス開始前のインタビューでも告知されていたため規定路線だろうという声もある一方で、最近の投げやりな運営に加え、公式BBSがKiSS側とDMM側で別れている事や、
とあるプレイヤーが次回大型アップデートについて問い合わせた結果、「今後のアップデート予定は未定」といった回答が帰ってきたという報告もあり、
このままKISS側のサービスは畳んでDMMに運営を丸投げするのでは? その場合は現在のキャラや課金は持ち越せるのか?などといった憶測や不安が渦巻いている。
しかし公式BBSがこういった不安の声で満ち溢れているのに対し、公式は一切の沈黙を守っており、その不気味さがいっそう引き立っている。

極めつけとして、年内最後のメンテナンスが12/26に行われたのだが、この直後からゲームが激烈に重くなり、まともにプレイすることすら困難となった。
タスクマネージャーのプロセスで確認すると、クライアントのメモリ使用量がみるみるうちに増えていくことが確認でき、以前のバージョンであったというメモリ関連のバグが再発したのかもしれない。
しかしながら折角の正月なのにまともにプレイできないとの怒りの声で公式BBSが沸き上がるのを尻目に、公式は1/7まで正月休みに入ると言い残してサポートを停止するという暴挙に出たのであった。
この事態にはさすがの調教されきった信者達ですら怒り心頭に達し、電気外祭りで直接スタッフに罵声を浴びせてやろう運動まで巻き起こる始末である。

なおこの件と関連があるかどうかは不明だが、実は筆者のPCにおいてこれと時期をほぼ同じくして、カスペルスキーによってカスオのクライアントが不審な挙動をしているとしてブロックされるという事態が発生した。
公式BBSでこの件について聞いてみた限りでは他のプレイヤーで同様のことはなかったとのことなので、筆者の環境によるものである可能性もあるが、さらなる不信感がぬぐえない。

○まとめ
 さてここまで各要素の問題点を長々と語ってきたが、いよいよ全体のまとめに入る。
結局のところ個々の問題点が紡ぎあげるカスオ全体としての問題点は何なのかというと、

①各ゲームシステムが互いに互いの長所を潰しあっており、ただの作業になっている
②肝心要のメイドとのイチャつきや夜伽ですら苦痛あふれる作業である
③オンラインゲームとしての魅力は一切ないのに、不便さのみ充実している

の3つに集約されると考える。

①については、衣装力や仕事の疲労など、1つ1つのシステムにおいてやりたかったことは分かるのだが、そういったゲーム内の制限が単なるプレイヤーの快適なプレイを阻害する要因にしかならず、
かといって問題を改善するためのシステムが追加されれば今度は元々あったシステムが全否定されるなど、結局何がしたかったのかわからない場当たり間が否めない。
せっかく優れたカスタム機能を実装したのに、そのカスタム機能が活かしきれていないゲームデザインも疑問点が残る。
③についても、オンゲーとして開発するにあたってまずオンゲーならではの制限を設けたものの、結局オンゲーとしての魅力を打ち出すことができなかったため、欠点だけが残ることとなったのは残念としか言いようがない。
運営についても元々オンゲーを運営するためのノウハウを持っていたとは到底思えず、甘い見通しで見切り発車した結果が今の迷走具合なのだろう。
システムについて10年前から何も変わらない紙芝居ゲーと揶揄されるエロゲー業界において、新たな可能性を拓こうとした熱意があったならばこそ、もっと慎重に計画を練ってほしかったと思わずにはいられない。

しかしなんといってもこの中でも②の夜伽が楽しめないのが致命的で、何故わざわざあんな余計なゲームシステムを加えて楽しめなくしたのか疑問でならない。
またこういう公式の機能が色々と不完全なゲームの場合、プレイヤーの感情移入や妄想力によって補完することが必要になると思われるが、
前述のデ○ヘル設定やキャバクラ仕様、無意味な愛情値、変態のご主人様など、あらゆる場面で感情移入が阻害されるのもモチベーションを保つ上でキツい点であった。

○終わりに
 『クソすぎて誰もプレイしないので内容が分からない』とまで称されるゲームは一体どのようなものかという好奇心でこの作品に飛び込み、この1ヶ月強の期間検証を続けてきたが、想像以上に精神的にキツい試練であった。
また、このカスオという今までにない形態のゲームをクソゲーとして検証するにはどういう切り口で行えばよいか?という点でも非常に悩まさされる作品であった。
スレにおいても、基本無料+課金性という今までのパッケージゲームとは異なる形態のゲームであるから、KOTYeで取り扱うべきではないのでは、という意見や、そもそも基本無料なら体験版と同じ扱いであり、製品として評価すべきでないという声もある。
しかし筆者はこの1ヶ月の検証を通じて、カスオを他のパッケージゲームと同じ土俵で比較するのはどうか、という点については議論の余地があると思うが、このゲームはクソゲーですか?という問いには自信を持ってクソゲーですと答えられると思う。
体験版、というのは製品版と対になるものであり、製品版を購入するための判断材料としてゲームの一部を無料で体験できるものである。
逆に言えば、体験版がどれだけつまらなくてもマイナス評価にならないという理論は、金を払って製品版を購入すれば、その製品版はきちんと製品足りえている、ということが条件であると思う。
だが、カスオの場合は基本プレイ料金無料といえども、それ自体が一つの製品としてリリースされており、無料なら有償版の一部の機能しかプレイできないというわけではない。
そのため、筆者はたとえ課金しなくてもそれなりに楽しめ、課金すればもっと楽しめる、というゲームであればクソゲーとはいえないと考え、最初は無課金にてプレイを開始した。
しかしその結果は、様々な問題点によりプレイの大半が苦痛を伴う作業になり、その後課金したがシステムの基礎部分が腐っているため、その上にいくら課金で飾り立てたとしても砂上の楼閣にすぎないという代物であることが明らかになった。
この『課金しなければまったく面白くない、課金したとしても面白くならない』、というゲームは『金を払ってないからつまらない、払えば製品になる』という体験版とは異なり、純粋なクソゲーと判断して差し支えないと思う。

このあらゆる要素が作業と苦痛と彩られたゲームの価値は一体どこにあるのか、今この選評を書きながらこのゲームについて振り返って、ふと気づいたことがある。
この毎日が代わり映えのしない作業をきっちりこなしつつ、それでも笑顔を絶やさない精神、これこそメイドさんに必要な心構えではなかろうか?
そう、このカスオとは、実はメイドさんがプレイヤーに仕えてくれるゲームではなく、プレイヤーがメイドさんの心構えを学ぶための教本であったのだろう。
そういえば、このゲームを始めて以来、毎日決まった時間にきっちり作業を行うため、生活が規則正しくなったというのも収穫の一つといえるだろう。

最後に、こんな長い選評をここまでお付き合い戴いたスレの同士達に深い感謝の意を表しつつ、この1ヶ月間筆者に冥土道というものをみっちり仕込んでくれた先輩冥土のお言葉をもって、この選評を閉めようと思う。
+ ...

…はい、とても大変な日々でした。この1ヶ月間ご指導ありがとうございました!


※注意
以下のコメントフォームは、誰でも好き勝手にコメントを残せるので、その程度のものだとお察しください。またここに何を書こうが本スレには無関係です。

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最終更新:2015年01月17日 08:50