銃騎士 Cutie☆Bullet 選評

ブランド エフォルダムソフト(解散)
ジャンル 銃騎士ADV
メディア DVD-ROM
原画 憂姫はぐれ、SPR魔人(SD原画)
シナリオ ミツキミアキ
音楽 -
発売日 2014/03/28
定価 9,504円(税込)
CG数 35(+2)

選評1

【2014】 クソゲーオブザイヤーinエロゲー板 2本目~
http://pele.bbspink.com/test/read.cgi/erog/1394386082/ ~
723 :銃騎士 Cutie☆Bullet選評 ◆ym2J8X5l32 :2014/03/30(日) 06:47:42.71 ID:OpgxpVlJ0
銃騎士 Cutie☆Bullet
発売日 3月28日
価格 税込9,240円
ジャンル ADV
メーカー エフォルダムソフト

前作「恋騎士 Purely☆Kiss」が散々な評価を受け、絵は良いの典型例となったエフォルダムソフトが送り出した本作は体験版から注目度全開であった。
丸出しの地雷とされていた本作の全容とは如何なる物だったのだろうか・・・

  • 世界観
中世ヨーロッパの雰囲気のまま、一部テクノロジーだけは現代相応もしくは以上といった世界である。
コンピュータや自動車、ロボットと言った物が普及しておりガワこそは中世だが生活スタイルは現代とほぼ変わらない。
ただ人名が日本的な姓名+カタカナであったり地名はルーブルなのに最高学府は東鳳大学(通称:東大)と言ったように変に日本テイストが入ってる点が少々気になる所である。
タイトルにもなってる「銃」の扱いが非常に特異であり、東南東インド会社なる企業(群)のみが独占的に製造・保管・管理している。
その機構は完全にブラックボックスであり密造などは不可能とされている。
銃は「気」をこめることで発射でき、気の強さや銃との相性により威力や飛距離が決まる。射出する弾も言うならばエネルギー弾のような物である。
こういった銃を扱える才能が有る人物をこの世界では「銃士」と言い、そういった人物で構成された治安維持組織が「銃士隊」と呼ばれる。

○あらすじ
ブルボン王国の銃士隊「白薔薇学園」に所属する主人公・藤倉彩都は、妹であり隊長でもある藤倉みやびらと共に日々職務に励んでいたが
別部隊である「赤薔薇学園」の隊長の私怨による裏工作で銃器密造の冤罪を受ける事となり部隊解散の危機に立たされる。
冤罪を証明する作戦の為3人の銃士を仲間に加え、部隊存続を図るのであった。
一方で世間では密造銃器や火薬式銃器が出回る様になり、これらを製造している黒幕を探す事となるが・・・

○主な登場人物
藤倉彩都
本作の主人公。白薔薇学園の副隊長である。

藤倉みやび
主人公の妹。白薔薇学園の隊長。銃は殆ど使えないに近い。寝ながら夢の中での出来事通りに動きまわる癖がある。

三波真由
助っ人その1。現役最強との誉れ高い二丁銃の使い手。憧れの伝説の銃士「ダルタニアン」を探してる。

玲奈・ド・メデシス
助っ人その2。ブルボン王国の王女様。拳銃を使用する。

サラ・ティファール
助っ人その3。異国のキサルピナからの語学留学生。引退してるがかつては天才狙撃手として名を馳せた。

種子島若桜
みやびの親友であり赤薔薇学園の銃士。火縄銃を愛用している。みやびルートでは若本規夫に取り憑かれセルボイスを披露してくれる。
メーカーによると4月4日配信のパッチでルート追加との事だが・・・

○シナリオ、テキスト
端的に言えば物語の骨子としては良く言えば王道、悪く言えば陳腐と言った感じである。
  • みやびルート 若桜に取り憑いた残虐王の悪霊の悪事を阻止するため奮闘する。
  • 三波ルート 世間を恐怖に陥れる爆弾魔の正体を追う。
  • 玲奈ルート ハンバーガーに同性愛化する薬品を混入し、世間をホモだらけにしたテロの謎に迫る。
  • サラルート トラウマにより狙撃が出来なく無ったサラとのリハビリの日々。
  • グランドルート 銃器密造の真犯人とは?そしてダルタニアンの正体とは?

こう書けばそこそこの話に見えるだろうが実際はそう甘くなかった。
というのも各ルートでの出来事は別々に見えるが、結局は赤薔薇学園隊長の橘男爵のせいという事に帰結してしまうのだ
どのルートでも 事件発生→橘男爵を疑う→証拠を固めてく→やっぱり橘男爵が糸引いてました→橘男爵との決戦!  と大体こんな感じである。三波ルートがちょっと違う位だ。
こうした先が読めた展開に加え、後述するCGの少なさが加わり極めて平坦な印象を受ける。

しかし本作の文を読むことを苦痛にしているのはなんと言ってもひたすら寒いギャグ(と思っているのであろう物)が随所に現れる事である。
まず先程から名前を挙げている橘男爵の私怨とやらからして既にゲンナリする。主人公らを恨む理由とは次の様な物だからだ。
『若い頃、仕事を抜けて半額セール中のジムに筋トレに行くのを親友だと思っていた主人公の父親に咎められたから。アイツは親友なんかじゃ無かった!裏切られた!よってその息子と娘に復讐するのだ!』
まさに何言ってんだこいつ状態である。
こういう動機が下敷きになっているせいで各ルートでの事件でシリアスっぽい描写があってもどうも茶番臭い感じが拭えない。

また設定レベルでのギャグ以上に精神的ダメージを与えるのが隙あらば出てくる茶化しだ。
どうもライターはシリアスとギャグの切り分けが出来ないらしく常にこの2つがセットで出てくる。
例えば病で死ぬ直前の主人公の父親を看取る回想では、白薔薇学園を妻と子に託すという本来そのまま書けば良い話なシーンなのに
「病気は本当は治ったんだけど調子こいてピーナッツクリームサンドイッチを食ったらアナフィラキシーショックで死にました」という余計な描写が入り感慨も何もあった物ではない。
ちなみにライターはアナフィラキシーショックがお気に入りなようで、主人公にまで毒針によるアナフィラキシーショック発症の爆弾を背負う設定まで付けている。
と、このようにシリアスなシーンだろうが戦闘中だろうがお構い無しに出てくるギャグにより全く話に集中が出来ない。
余りにも度を越している為、最早物語が最初から最後までただの小芝居だったのでは?という気すらしてくる。

また同じく度を越しているのが低レベルなパロディである。
男の写真を財布に入れてる犯罪者の名前が「安倍タカカズ」、短距離走のエース「ウサイン・ナット」、扉が開かない理由が「アロン○ルファで接着してるから」といった具合である。
パロディにしても少しは頭を捻れと思わざるを得ない。

最後にテキストというかキャラ設定の問題に近いがサラの「キサルピナ語」について触れなければならない。
異国人であるのでブルボン王国の言葉であるブルボン語が片言であり、母国語はキサルピナ語なのだがこのキサルピナ語は空耳に聞こえるという変な設定があるのだ。
例えばブルボン語の「母親」はキサルピナ語では「でぶ」、「父親」が「はげ」、「私」が「にーと」、「弟」が「とうだいせい」という感じだ。
また単語ではなく文章全体では「そんなへんなこといわないでください。うちのこはふつうよ、そんなちからないわ」がブルボン語では「何があったのか説明して」となるようだ。
大方ライターは意味不明な文を喋るシュールギャグでも狙っていたのだろうが、真面目な場面でもこういうのが出てくるのは正直どうなのであろうか。
また 喋る→なんて言ってるの?→翻訳→なるほど というプロセスを踏む為会話のテンポが悪くなる弊害もある。

以上がテキスト・シナリオ周りの主な問題点である。
矛盾点としてはどうしてテクノロジーが現代並で爆弾は平気で存在するのに火薬式銃器が今まで無かったんだろうとか色々気になる点はあるがここでは割愛する。

○グラフィック
まさにこの点が本作最大の問題点と言っていいだろう。
本作のCGはフルプライスの作品としてはずば抜けて数が少ない。CGの内訳としては
みやび:6(内非エロシーン1)
三波:11(内非エロシーン5)
玲奈:10(内非エロシーン2)
サラ:8(内非エロシーン3)
SD絵:2
非人物画:7
合計:44
このように並のフルプライス作品の半分程しかない。ヒロインのCGに限れば1/3程度だ。
またCG用途が抜きゲーでも無いのに極端にエロシーン用に偏っている。じゃあエロシーンは充実してるのかというとそうでも無く、キスのCGは0、前戯のCGは三波と玲奈に1つだけである。
日常や戦闘でのCGが不足しているため、立ち絵での進行が全体の9割を占め盛り上がりに欠けてしまっている。
数少ない戦闘用のCGもポーズをとっていたり狙撃体勢の絵で、敵と交戦している感が希薄である。みやびと玲奈に至っては戦闘用CGは無い。
こういったCGの少なさを誤魔化す為、密着時やキス時は立ち絵のバストアップが使われているが、このバストアップ絵が服を着てるか全裸の2種しか無いのも細かいながら気になってしまう。
水着を着てるのに全裸だったり、まだ脱いでないエロシーン中のキスで全裸だったり絵と文の乖離が発生している。
各ルートのエンディングに個別のCGが有る訳でも無いし、グランドルートに至っては全編立ち絵のみであるのには驚きを隠せない。
先にも述べたようにテキストのダメさと相まって確実にプレイヤーのテンションを削りに来るのだ。

○音楽・音声
クソゲーにはもはや付き物だが音楽面は評価できるだろう。BGMは数こそ少ないが中々雰囲気を掴んでいる。ED曲も霜月はるか氏を起用している。
声優の演技力も合格点だろう。キサルピナ語を延々と喋らされた田瀬かもめ氏には個人的に敬意を表したい。

○まとめ
確かに一つ一つのCGのクォリティには目を見張る物があるが、如何せん数が少なすぎた。発売前は画集を買うのと同じと言われてたがコレでは画集にすら満たないだろう。
エフォルダム改め、絵フォルダ無 と揶揄されるのも至極当然の事である。
オープニングムービーをフルアニメーションにする予算と暇があるならもっと他の使い道があったはずである。
ダメテキスト、絵だけが取り柄というクソゲーマイスターへの階段を着実に登っていく絵フォルダ無ソフトに今後はあるのだろうか。
白薔薇学園は解散を免れたが、ユーザーと言う銃士隊の恨みを買い、ブランドが解散に追い込まれるのはそう遠く無さそうである。

選評2

【2014】 クソゲーオブザイヤーinエロゲー板 3本目
http://pele.bbspink.com/test/read.cgi/erog/1396197387/
344 :銃騎士 ◆iSKoXfBJJ5BQ :2014/04/02(水) 00:49:40.68 ID:aMMQvipl0
本作「銃騎士cutie☆bullet」は「恋騎士 Purely☆Kiss」に続くエフォルダムソフトが作成した騎士シリーズ二作目である。
王国の治安を守り、維持する組織「銃士隊」の一員である主人公が様々な事件に立ち向かいヒロインと恋愛していく「騎士」を題材にした作品である。

メインキャラクターを簡単に説明すると
二つある銃士隊の一つ「白薔薇学園」の副長である主人公こと「藤倉彩都」。
同じく「白薔薇学園」の隊長である主人公の妹「藤倉みやび」。
現役最強と名高いフリーの銃士ロドリゲスこと「三波真由」。
主人公が住むブルボン王国のお姫様である「怜奈・ド・メデシス」。
留学生としてブルボン王国にやって来たキサルピナ人である「サラ・ティファール」。
上記5名が白薔薇学園に集まり王国の治安を守っていくのだが……主に守るものは王国の治安ではなく自分達の身であった。
というのも事件の大半が主人公やヒロインを狙うものであり、本来の仕事である王国の治安を守る事は少ないからである。

共通ルートでは、二つある銃士隊の一つ「赤薔薇学園」の隊長である「橘フィルディナント・メイクイーン男爵」に付け狙われ
白薔薇学園解散の危機に陥ったり命を狙われるのが、それがこのシナリオの大半を占めている。
王国の治安を守り、維持する組織「銃士隊」の隊長である彼がなぜそんな事を……と思う方が多いだろう。
その理由は主人公の父親に「ジムの料金が半額の日に行くのを止められた」からである。
いつもは容認していたがその日は他の隊との合同訓練日であり来てくれた人に失礼だからという至極真っ当な理由で止めたのである。
にも関わらず、裏切られた等と言ってその子供や白薔薇学園を付け狙う彼がなぜ銃士隊に入れたのかが本作一番の謎だろう。

他にも
朝までカラオケに行った為に公務に支障を来たす国王
ピーナッツアレルギーの父親が自らピーナッツサンドを食べてアナフィラキシーショックで死亡
口臭ケアの薬剤を隊長候補の女性に忍ばせて追い出す
人違いを正そうとすると何故か脳震盪になる事故が発生する
生ネギを食べる犬が喋る
困ったときは技術者がなんとかしてくれる等
私達を飽きさせない工夫が至る所に散らばっている。

みやびルートでは、乳頭を黒く塗りつぶす事件が発生。世界中の乳首を黒く染め上げようとする「チャールズ」と対決する。
チャールズは生前に思いを寄せた女の子に自身の乳首の黒さを指摘されピンク色にしようと努力するも失敗。
ピンク色にならないのであれば他の乳首を黒く染め上げようと試みるも銃士隊に捕まった200年程前にブルボン王国の国王である。
その思念は凄まじく、赤薔薇学園に所属する「種子島若桜」の体を乗っ取り国民の乳首を黒く染め上げたり自らを捕まえた銃士隊を襲撃を行う。
結果としては「たまたま作成されていた除霊弾」を用いて若桜の体から追い払い、その後も他の人や犬を乗っ取るが除霊薬の首輪で事件は解決した。

怜奈ルートでは、同性愛者になる薬入りハンバーガーを無料で配り食べた人間が同性愛者(一部例外在り)になり
時間場所問わず同性でイチャイチャして仕事を行わない「ハンバーガー事件」が発生。国民の大半が感染して国家崩壊の危機に陥る。
解毒方法は男女のラブシーン(キスやハグ等)を見せつけるという単純な方法で治り国家崩壊を免れたが、
同性愛時の記憶は残ったままであり国民に深い傷を付ける事件となった。
尚、この時に王国の電力は人力自家発電をしていた事が発覚したがそれは些細な事である。

サラルートでは、サラ自身の過去のトラウマを克服し再び銃を手にするまでを描いたシナリオである。
彼女は「ゴールドエンゼル」とううキサルピナでは有名のスナイパーであったが犯人狙撃の際に誤って人質を撃ってしまい銃を撃てなくなってしまった。
はずだが、良くも悪くもキサルピナ語がこのシナリオの大半を染め上げてしまっている。
まず、キサルピナ語について説明しよう。
日本語で「こんばんわ」の意味を持つ発音が「はなげかーにばる」
日本語で「あなたを愛しています」の意味を持つ発音が「はらませてあげる」
他にも「あした」が「にどとこない」、「ははおや」が「でぶ」、「わたし」が「にーと」等、空耳外国語として有名である。

サラルート一番の見せ場である「過去に誤って撃ってしまった人質」との和解では
女性「なんて、んなわけないじゃろ。どうおとしまえつけてくれるんや、ぼけこら?ん?」
サラ「……こゆびのつめでいい?」
女性「あん?くすりゆびのつめもじゃ」
サラ「もってけどろぼー(触ってもいいですか?)」
女性「このつめのあか、せんじてのむわ(いいですよ)」
サラ「どんなあじ(痛くない?)」
女性「にがい(平気ですよ)」

一応説明するが、サラと過去に誤って撃ってしまった人質との和解のシーンである。間違っても人質はヤクザでもないし爪も剥がしてはいない。
シリアスや暗い話が苦手なユーザーも安心してプレイできるよう、エフォルダム120%の親切が発揮されている。
尚、この時にサラの愛犬の喋る犬ことダディは二人の気を利かして中盤から飼い主のルートにも関わらず全く登場しないがそれは些細な事である。

あと、共通ルートで普通に狙撃(跳弾狙いや早打ち等高度な技術)をしているが気にしたら負けである。

全てがこういった内容で書かれているわけではなく、真由ルートでは、連続爆破犯「ボマー」を追うシナリオとなっており
他のルートとは違って至って普通である。逆にそれが物足りなく感じてしまうのは普通なのか異常なのか私には分からないが。

だが待て、エロゲーはシナリオじゃない絵だ原画だエロだ。そう考える人も少なくはないだろう。
本作は同人業界でも有名な「憂姫はぐれ」が原画を担当しているので絵さえ良ければ……そう思って購入した人もいるだろう。
だが、本作は「CC枚数35枚、SD枚数9枚(差分含まず)」と驚きの枚数で構成されていた。
CG35枚、この結果が生み出したものが何かというと結論から言えば全く絵が変わらない紙芝居である。
ズボンしか穿いていないヒロインがスカートを穿いた時も文章だけで表し、第二王女が帰国するという大イベントの時も文章だけで表し
キスをしていざエッチするぞとと思ったらCGや文章が一切なく気が付いたら朝になっていた等
CGが必要であろう部分の大半は文章で誤魔化すかカットされている。
CGが少ないので大半が立ち絵で進行するが、立ち絵や背景の数も少ない為「全く絵が変わらない紙芝居」が完成した。

国の治安を守る銃士隊や王家が自ら事件を起こして身内の尻拭いをするだけの主人公達のシナリオと
CG35枚が織り成す紙芝居と息をする頻度で入れられたネタの三つが生み出したものは、発売から一週間経たずしての低買い取りと叩き売りである。
エフォルダムソフトもそれを見越してか「後日ルート追加パッチを発売日当日に公表する」という対策を取り入れたが更に炎上する結果となった。

このゲームを表す言葉は主人公が作中で使用ているこの言葉に尽きるだろう
  • なにこれ、シリアスな笑い?-


※注意
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最終更新:2015年05月09日 16:05