イノセントガール 選評

ブランド フロントウイング
ジャンル “芸術”な女の子たちと暮らすドキドキハーレムADV
メディア DVD-ROM
原画 ななかまい
シナリオ 七央結日、かづや、桑島由一
森崎亮人、橘ぱん
音楽 藤田淳平(ElementsGarden)
発売日 2014/02/28
定価 9,504円(税込)
CG数


【2014】 クソゲーオブザイヤーinエロゲー板 76本目
http://pele.bbspink.com/test/read.cgi/erog/1400411877/

176 名前:イノセントガール選評 1/4 ◆QM6f.Ir.d. [sage] 投稿日:2014/05/21(水) 04:23:15.85 ID:rpyLfvlQ0 [2/5]
魔界天使ジブリールの知名度、そしてグリザイアシリーズによって
萌えゲーアワードでも実績を残した、フロントウィング。
そんなイケイケな本社から制作された「イノセントガール」は、
前作「ピュアガール」を色濃く受け継ぐ作品として、評価されるはずだった。

本作の作品は「芸術」をモチーフにした抜きゲーといったコンセプト。
抜きゲーといえば、小難しいシナリオはともかく、とにかくエロけりゃいいという
大前提が約束されているジャンルである。
しかし、本作は何故か誤った方向にシナリオに力を入れてしまい、
抜きゲーともシナリオゲーとも萌えゲーとしても中途半端な完成度になってしまった。

本題の前に、まず気になる点を挙げよう。

まずは主人公の設定である。彼は元々詩人というジャンルで名声を極めたのだが、
現在は足を洗った状態である。何故そこまでの実績を自ら途絶えさせたのか
気になるところであったが、理由としては「いい年して恥ずかしいから」である。
世の歴史的詩人に対しての侮辱とも思える理由で、プレイヤーの眉がやや下がるのが手に取れる。

にも関わらず、性分なのかやたらゲーム内で恥ずかしいポエムをボイス付きで唐突に語りだす。
さぞ良作なのかと思いきや、大体が「君」と「擬音」で構成されており、
ウリにしたかったのであろうこの演出は単に痛くてクサイとしか取られなかった。
また、主人公は目つきの悪いチンピラのような風貌であるにも関わらず、
声は「女性声優が演じている少年」という中性的なもので、イメージと全く噛み合ってない。

次にBGM。
どれもこれも無難なもので、OPもEDも問題はない。
しかし、エッチシーンで流れる曲が、「田舎の町並み」のようなもので、曲のせいで中々作業が捗らない。
それっぽい曲もあるのだが、前者と比べて使われる頻度はかなり少ない。

では、本題のシナリオを見ていこう。
全体的に、元々芸術性では才能を開花させているヒロインが多いせいか、「スランプに陥って克服する」というパターンを使いまわしている。
王道ではあるが、これをほとんどのヒロインで見せつけられても、マンネリすぎて飽きが来るのも致し方ない。
一人だけ、スランプ関係ではないヒロインがいるのだが、こっちは悪い意味でシナリオに癖がありすぎる。
前作の人気のあったヒロインと容姿がほぼ同じなのは置いておくとして、まず恋人になる過程がおかしい。
ルートに入る前は共通でエッチシーンがあるのだが、このヒロインのルートに入った途端、

「(共通ルートで)あんなエッチなことしておいて、私をお嫁さんにしないなんて言わないよね?」

と、ほとんど脅迫に近い調子で主人公と関係を持つ。(ちなみに、別のヒロインルートでは全く言及しないし、性格も至って良好な幼馴染キャラ)

シナリオも突っ込みどころ満載で、簡単に言えば
「ヒロインの努力を実母によって尽く邪魔される」といったもの。
実母キャラはプロの造形家で、「普段はずぼらだがやる時は高額オークションに出されるくらいの実力者」なので、娘に強く当たるのも致し方ないと思うが、
実際は「倉庫で腐らせていた失敗作をさも新品同様に発表している」という一行前の設定を全否定する始末。
一応流れだけ見れば、他のルートよりも悲壮感があるのだが、その余韻すらぶち壊すようにエロシーンが突拍子もなく挿入される。
下記に一例を示すと、

1.ショッキングなシーンが発生
2.主人公orヒロインがショックを受ける
3.とりあえずエッチしよう
4.本題に返ってどうしようか考えよう

こうでもしないと、抜きゲーとしてのシーン数が足りなくなってしまう、とライターが思ったのだろうが、それはそれで「興が削がれる」要因になるには十分だろう。


本作のポイントは、特定ヒロインのルートが大きく割りを食っているため、クソゲーと呼ぶには少々パンチが弱いかもしれない。
ただし、前述の通り「ピュアガール」に登場した全く同じ見た目のヒロインの評価が中々好評だったため、
同じクオリティを期待したユーザーから「期待していたシナリオがどん底だった」というカウンターもまた強烈だったため、選評執筆を決意した所存である。

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最終更新:2014年08月05日 19:09