深淵のレコンキスタ 選評

目次 概要 要点 選評 反応 コメント

概要

タイトル 深淵のレコンキスタ
ジャンル 種族制圧戦略SLG
発売日 2012/12/14
ブランド ルナソフト
価格 ダウンロード版:1,900円(税別) パッケージ版:2,100円(税別)

要点

  • 充実したコンフィグ
  • 戦略SLGなのにユニットの性能が分からない
  • 終盤のゲームバランスが崩壊している


選評

692 名前:名無しさん@初回限定[sage] 投稿日:2012/12/19(水) 18:15:41.17 ID:D5yBzEIJ0 [4/9]

魔物ってほど酷くは無いと思うんだが、色々と言いたいことがあったので『深淵のレコンキスタ』の選評を書いてみた。

本作はサターンの名作である『ドラゴンフォース』を彷彿とさせる国盗り型SLGだが、
ゲームの中身に入る前にまずはこの充実したコンフィグ画面を見てくれ。
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見ての通りコンフィグにはサウンド設定しかなく、テキストスピードの変更や画面切り替えなどの基本的な設定項目すら存在しない。
これは恐らく、「雑多な設定などに頭を悩ませることなくゲームに集中して欲しい」という製作者のありがた~い心配りなのだろう。
既読スキップやオートモードなどの機能が備わっていないのも同様の理由で、決して手抜きをしたわけではないことにご留意いただきたい。

本作の使用可能ユニットは、魔族、人間、ドワーフ、エルフの4種族に各5ユニット(弱い方から順に「S弱、S強、M弱、M強、L」と便宜上名付ける)
の計20ユニットだが、ユニットに関する情報が「生産に掛かるコスト」しか存在しないため、
どのユニットがどれだけ強いのか画面上からではさっぱり分からない。

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↑がユニットの生産画面だが、これがこの作品におけるユニット情報の「全て」だ。
普通であれば「このユニットは攻撃力が高い」とか「このユニットは魔族に対して力を発揮する」とかの説明が表記されるはずだが、
本作のユニットはその能力値や特性、兵種同士の相性に至るまですべてが謎なのである。
これではいくら兵種が多くても何も意味は無く、ひたすらユニットを生産して物量でゴリ押すぐらいしか有効な戦術が見いだせないだろう。

このように「物量ゴリ押しプレイ」が推奨されている本作だが、ゲームバランスを著しく崩壊させている要素が三つある。
一つ目は、最終章(第四章)の異様な難しさだ。
第一章~第三章までは一ヶ国ずつ相手をするので、自軍のほぼ全兵力を一極集中することが可能だったが、
最終章は一度に三ヶ国を相手にすることになるので、敵国との隣接地が大きく広がり、薄く広く防衛線を築くことを余儀無くされる。
更に、最終章からは敵の主力ユニットがSタイプからMタイプへと格上げされる点も重要だ。
※SとMの力量差を端的に示すと、M弱が20体いればS弱100体をほぼ無傷で鏖殺できるぐらい一方的である。

選評主は第三章クリア時点でまだMユニットが開発可能になっていなかったので、
開発するまでの間はひたすら「生産→虐殺→生産→(ry」の消耗戦を強いられる羽目になった。

二つ目は、一部の戦術魔法のあまりの凶悪さだ。
本作は敵兵を倒したり自兵が倒されたりするとBPゲージが溜まっていき、そのゲージを一定量消費することで戦術魔法が使えるのだが、
敵が使ってくる一部の戦術魔法が極悪で、「画面内の敵すべてを一瞬で消滅させる」という反則的な威力を有している。
敵軍をほぼ駆逐して勝ちを確信した瞬間、「ドーン!」という轟音と共に一転して「Lose」の文字が表示される辺りに、本作の世紀末さが感じられる。
どのタイミングで敵が戦術魔法を使ってくるかは完全にランダムなので、
勝ちが確定するまでの間は轟音が鳴り響かないことをひたすら祈るしかない。

上記二つを乗り越えたプレイヤーを最後に待ち受けるのは、超ド級ウルトラチートユニットの「ドラゴン」の存在である。
ドラゴンは種族:人間のLユニットに該当するのだが、他の全てのユニットと一線を画すほどの絶大な強さを誇っている。
※SユニットとMユニットの力量差については前述したが、その強いMユニットを100体掻き集めてもドラゴン3体相手にまるで歯が立たない。
  当然、Sユニット如きでは1000体いたところでドラゴン1体にあっけなく鏖殺される。 ソナタコソ、シンノサンゴクムソウヨー

ドラゴンはこちらの戦術魔法を数発耐えられるほどの耐久力を有している上に、
敵方がヒーリング(戦術魔法の一つ)でドラゴンをガンガン回復してくるため、ろくな下準備も無しに挑むと地獄を見ることになるだろう。

以上が、本作のゲームバランスの悪さについてである。
次はUIの悪さについてだが、これは多いので箇条書きで列挙していきたいと思う。
  • セーブ画面を開いたりターンが経過したりするたびに、カーソルが本拠地へと戻される。
  • 拠点単位での全軍一括移動が出来ず、わざわざ兵種一つ一つを選択して進軍させなければならない。
  • BPゲージがただのバーゲージなので、何%溜まっているのか分かりづらい。
  • 敵軍が侵攻してきても一切報告が無いので、兵がいない自軍拠点が知らぬ間に占領されていることがある。
  • 敵軍の戦力と陣容が事前に分からない。(パッチ前『大帝国』と同じ仕様)
  • 戦闘の勝利条件の一つに「旗の破壊」というものがあるが、その旗の耐久値が一切不明。

最後に、ADVパートについても少し触れよう。
本作のADVパートは非常に短く、章の頭に入る幕間とHシーンぐらいしか存在しない。
本作は敵国を滅ぼすとその国の首領(姫)を凌辱できるのだが、イベントシーンなどによるキャラの掘り下げが殆ど無いので、
よほど絵が好みとかでない限りオカズに使うのは難しいだろう。

本作は「最大で10000対10000の激戦!」を謳っているが、実際に戦場に表示されるのは200~300体程度で、
残りの兵たちは画面外から時間差でやってくる。
最初の200~300体を倒してしまえば、あとは旗を破壊するだけで勝利できるので、後からやってくる兵たちは殆ど役に立たない。
「大軍同士の大戦」という本作のコンセプトは、どうも企画倒れに終わってしまったようだ。

反応

+ ...
697 名前:名無しさん@初回限定[sage] 投稿日:2012/12/19(水) 18:29:47.54 ID:nL39km+J0 [3/8]

「ドーン!」にワロタ

ドラゴン倒すにはよほどの下準備がいるの?

700 名前:名無しさん@初回限定[sage] 投稿日:2012/12/19(水) 18:55:32.18 ID:nAC5jnXiO
M強100体いるなら、ドラゴン3体くらい魔法使って割とサクッと倒せるよ。
選評主はダメージ系魔法使ってるみたいだけど、ドラゴンみたいなLユニットには補助魔法のが有効な気がする

701 名前:名無しさん@初回限定[sage] 投稿日:2012/12/19(水) 19:12:18.46 ID:D5yBzEIJ0 [7/9]
697
最低でもM強ユニット数十体と各種補助魔法の開発は必須だと思う

700
ドラゴンとの初遭遇時はまだM強を殆ど生産していなかったんだ・・・
M弱以下だと一撃で屠られるから、まともに近づくことすらままならない有様
ウィークン→バトルスタンスのコンボが有効なのは結構後になって気づいた
「ドーン!」のインパクトの所為で後半は攻撃魔法に頼りがちだけど、あれは罠だよね

702 名前:名無しさん@初回限定[sage] 投稿日:2012/12/19(水) 19:17:23.90 ID:nFKc2fpjP
サウンド設定しかないとかデスクリムゾンかよ

706 名前:名無しさん@初回限定[sage] 投稿日:2012/12/19(水) 19:33:34.34 ID:D5yBzEIJ0 [8/9]
703
ルナソフトの前身はすたじおおぐまっていう同人サークルらしい
FLATなんかと同じく同人上がりってことだね

704
マジか・・・

個人的に戦略SLGの一番の醍醐味は「軍団編成」だと思うんだが、
この作品はそう言った楽しみが全く無いのがダメだった
同じ国盗りゲームでも二尾のVBシリーズとは雲泥の差がある

707 名前:名無しさん@初回限定[sage] 投稿日:2012/12/19(水) 19:38:36.97 ID:o1pluiLT0
選評おつおつ。
しかしなんだ、FLATといい今回の年末はバランスが悪い魔物でも来ているのか?

711 名前:名無しさん@初回限定[sage] 投稿日:2012/12/19(水) 19:58:15.27 ID:D5yBzEIJ0 [9/9]
709
最速クリアを目指す勢いで攻略すると、最終章で中々の絶望感を味わえるよ!

全クリで高難易度モードが解放されるけど、とてもやる気にはなれないな
せめて各ユニットの能力値と特性だけでも明示されていれば、その情報を基に戦略を立てることも可能だったと思うんだが・・・



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タグ: 2012年の作品
最終更新:2014年08月02日 22:54