2011年 総評案7改訂2版

2011総評案7修正版 大賞:学園迷宮エロはぷにんぐ! ~イクぜ!性技のダンジョン攻略~


クソゲーオブザイヤーinエロゲー板 29本目
426:総評案7の人 ◆PAP76nfaQs [sage] 投稿日:2012/02/21(火) 19:46:05.28 ID:cAoqWS950
2010年はKOTYeにとって受難の年だった。
大作のガッカリ化、倫理的問題に寄り過ぎたハジけ足りない話題作、どうしても過去二作と比較されてしまう大賞作。
平穏な年などでは断じて無く、受賞作はどれも舐めてかかろうものなら泣いて謝ることになる程の強者ではあったが
偉大なる先人の後塵を拝した宿命か、どこか満たされない思いを抱いたまま2011年は始まった。

一番槍を務めたのは前年末『熟処女』でスレを沸かせたばかりのHammerheadsの本元、ミュスカデの『令嬢の秘蜜』である。
本作はセレブ系インモラルADVを謳っているが、インモラル要素はあってないようなもので
ヒロインの一人が義父との子という設定は活かされる事はなく、そもそも夫も義父も最後まで出てこない。
セレブに関してもHシーンの導入がほぼ全て「媚薬入りの紅茶を飲むか飲ませる」というあたりに僅かにセレブを感じ取れるのみであり、
OHPのタイトル表記等が全て「令嬢の秘『密』」になっている事からもやる気のなさが伺える。
まぁ抜きゲーである為シナリオ上の問題は目を瞑ってもいいが、だからこそエロの手抜きは許されないというのに
本作では『熟処女』で問題となったエロシーンでの失敗をまたしてもやらかしたのである。
杜撰な誤字、文章とCGの状況の不一致、とあるシーンでほとんどのセリフの音声がNGかブツ切りの二種になる、
シーン転換バグにより3P中にいきなり相手が変わりそのせいでCG達成率100%が不可、
そして極め付けが本番やフェラシーンでは最初から精液が飛び出しておりCG差分が一切なしという驚愕の「仕様」である。
このように低価格だからまだ許された事をフルプライスでやってしまった本作は、2011の先鋒として媚薬入り紅茶と共に住人達に迎え入れられた。

続いて春先には3Dの雄・TEATIMEから『修羅恋~SeeYouLover~』が現れる。
本作は「自分を奪い合う女の子達がマジ喧嘩する様子を見ながらハラハラドキドキ!?」という
もうコンセプトからして火薬の匂いしかしない代物なのだが、その威力は想像を遥かに上回るものであった。
システムはローポリゴンの街並みをスケート移動しているヒロイン達に話しかけて仲良くなるというナンパ系ADVなのだが
シナリオは冒頭の修羅場デモ画面を見た後は何一つ語られることは無く、会話も出会い系の自己紹介程度の中身しかない。
ヒロインは出会った直後から胸を揉もうがキスしようが怒ることはなく、連続で話しかければ30秒足らずで好感度がカンストする尻軽で
男キャラは接触しただけで無言で殴ってくる理不尽極まる真性のチンピラだが、街中で紫色の精液をFPSばりに発射する主人公に比べればまだ正気と言えるだろう。
そして肝心の修羅場は敬語キャラまで「ドブで体洗ってる不潔女……近寄んな!」等の口汚い罵倒をBotの如く吐きあった末に
躍動感の無いヤクザキックやサマーソルト等を応酬し、その間プレイヤーは煽るかなだめるか逃げるか選ぶだけと
わかっちゃいたけど実際見ると想像以上にどうしようもないシュールな茶番となっている。
結論として攻略には2時間・飽きるのはそれ以前というそこらの同人3Dゲーのほうがまだ遊べるレベルであり、
いくら見え透いた地雷でも実際に踏んだら痛いものだという当たり前の事実を改めて教えてくれるクソゲーだった。

春先の大物といえばKLEINの『勇者と彼女に花束を』も忘れてはならない。
元よりここは絵と音楽だけはいいという地雷の枕詞を体現したようなメーカーで、何度開発しても進歩しない学習能力の低さには定評がある。
本作も体験版がエラー落ちする等発売前から不穏な空気を漂わせていたが、案の定それが改善されることはなかった。
前世紀のエロゲ並に不親切なシステム、貧弱な語彙と破綻した文章が散見されるテキスト、
設定を聞けば誰でも予想できる稚拙なストーリー、頻繁に数日が飛び問題もいつのまにか解決する起伏も感動も伏線もないシナリオ構成、
そして音声の消失やテキストとの不一致・選択肢の無限ループ・イベントCGに被る立ち絵・一部ルート進行不可・鑑賞モードが解放されない等の膨大なバグと、
ノベルゲーと聞いておよそ思いつく限りの難点を搭載したクソ要素のフルオープンアタックとでも言うべき地雷っぷりである。
……が、この時点では本作もただの核地雷止まりであり、真の意味でスレを沸かせるのはパッチを当ててからであった。
これによりあるヒロインの立ち絵が差し替えられるのだが、これが胸は萎むわ等身は変わるわと目は巨大化するわと正直劣化といっていいレベルなのだ。
バグも完全には駆逐しきれおらず、ならばパッチを当てずゲームを進めればいいと思われるだろうが
そうすると今度は進行不可や鑑賞モード未開放という致命的なバグ残ってしまい、ユーザーはどっちに転んでも嫌な二者択一を迫られることとなる。
極め付けにこのパッチは体験版に当てるとなんと不完全ながらエンディングまでプレイできてしまうというバグまで存在し、
例え特徴が無くても細かい積み重ねとひとつのチャンスさえあれば名を馳せることができる事を教えてくれた本作は
ノベルゲーとしては2011でも最高峰にあたるクソゲーと崇められた。

2011序盤はこの通り一筋縄ではいかないクソゲーもあったものの、他の話題作はというと
プレイを妨げる要素こそ無いもののCD並の容量・心理描写など投げ捨てたシナリオ・文章と状況が合わないCG・
リアル学生ばりに素人くさい演技などあらゆる面が低クオリティで安心してプレイできる正統派クソゲー『コイ★カツ』、
ブラコンのはずの実妹のルートに入ると突如主人公が別の人物に変わり、エロゲ的ご都合主義をNTR側から味わえ
おまけシナリオでは「そんなに実妹がよけりゃヨスガにソラってろ」と煽られるねこねこソフトの『White -blanche comme la lune-』、
主題のはずの転校話はプロローグで取り消されパッチ無しだと一人しか攻略できずCG数は前作以下の61枚で誤字やNG音声も多く
朝~昼を「短針が四周」と表現すると、どこを取っても手抜き感満載のパープルソフトウェアdelightの『PrimaryStep』など、
手抜きや宣伝詐欺や未完成商法といった所謂KOTYeらしい作品が多く、訓練された住人達にしてみれば若干食傷気味であった。
またこの時期は大手大作のガッカリゲーでスレが荒れたこともあり、昨年から続くこの悶々とした空気を吹き飛ばす一本を誰もが今か今かと待ち望んでいた。

そんな中、5月の終わりに季節外れの台風と共にスレに現れたのがTEATIME二本目となる『恋愛+H』である。
これは見ての通り某国民的GFを模した3Dゲーで、日常パートで攻略したヒロインと「熱愛モード」で色々なHが楽しめるというものだが、セーブができない。
攻略ノーヒント・一部環境ではじゃんけんに負けると即フリーズするのにも関わらず、セーブ機能が存在しないのである。
日常パートはせいぜい3時間程度、一度クリアさえすれば最初から熱愛モードに入れるとはいえ、
この時代にセーブなしという仕様にスレ住人のことごとくが度肝を抜かれた事は言うまでもない。
肝心のエロシーンも通常シーンではぷるんぷるん揺れていたおっぱいが本番になると石膏のように微動だにしなくなる等3Dエロゲーとしてどうよという出来であり、
また場所は自室やラブホテル等が用意されているのになぜか屋外でしかできず、体位やプレイ内容は完全ランダムで決定されるせいで
『初体験でいきなり青姦で足コキされた』『さっきまで清純だった彼女がエロシーンでいきなりチンポを連呼するドSに』等、
変態行為がいともたやすく行われ、何とか熱愛モードまで辿り着いたユーザーをも愕然とさせた。
これは元々性格によって反応が変わるはずのシステムが実装できなくなったからという説が有力であり、
発売当時OHP上に乱舞していた「開発の都合上できなくなりました。ごめんね。」という一文がそれを裏付ける。
これらの問題の前では音声バグやシナリオの破綻について作品スレにライターが降臨したことなど大した問題としては扱われなかった。
後に出たパッチで一枠のみながらセーブ機能の追加・石膏おっぱいの改善など多少はマシになったものの、それでもその爆発力は傑出しており
抜群に可愛いモデリングと『修羅恋』の直後だという油断に誘われた信者を余す事無く焼き尽くした誘蛾灯の如き化物である。
TEATIMEは年末に別ブランドで出した『肉体契約書』も「ボリュームは少なくロードは膨大」と不評で結局一年を通じて汚名をそそぐ事はならず、
一方でイリュージョンの『ジンコウガクエン』が素材の出来やインターフェースは最悪なのにユーザーの遊び心次第で弄り倒せる18禁ガンパレとして
一部の層から絶賛されたという対照的な事例もあって、「3Dエロゲーにとって大切なものは何か」ということを考えさせられることになった。

そして恐ろしいことに、魔物は一匹ではなかった。同日にコンプリーツの『まままーじゃん』が発売されていたのである。
これは一見するとただの四人打ち脱衣麻雀である。ルールは半荘一回で最下位になった人が一枚脱ぎ、四枚で全裸。
Hシーンを見るにはまず全員を脱がしきる必要があり、更に二回最下位にすると本番となりゲームクリアという仕様である。
……賢明な読者諸氏は既にお気付きだろう。つまり本番までは最低でも半荘14回、全員見るには42回必要なのである。
麻雀を知らない方に簡単に説明すると、半荘一回は原則8ゲーム1セット。ゲームの場合時間にして平均15~20分くらいだろうか。
14回というのも勿論理論値であり、実際は20回程度はかかるだろうし最後にお目当ての相手を負かせるとも限らない。
しかも本作は中断セーブやコンティニューや回想モードがまでもが無く、エロシーンが見たければ数時間をかけて最初から脱がす必要があるのである。
また、麻雀ゲーとしての出来も悪い意味で決して見逃せない。
脱衣麻雀にはお馴染みの積み込み等のイカサマは存在せず、昨今珍しいチョンボ(ルールを間違えた時のペナルティ)ありなど完全な初心者お断り仕様。
そのくせ清一が数え役満になるなど点数計算が明らかにおかしいうえ、嶺上開花で即落ち等システムも不安定で常にフリーズの恐怖が付きまとう。
バグも豊富でかの七英雄が一人『ジャンライン』を彷彿とさせる「ネオ亜空カン」が確認された時には流石に驚きを禁じ得なかった。
同じ麻雀でも年始に出た『雀極姫』が「不満は多数あるが麻雀ってゲームは偉大だなってことに全て救われてる」と評されたのに対し、
本作のこの賽の河原の石積みのような苦行っぷりは「超えてはならない一線<ジャンライン>を無造作に踏みつけていく」とまで例えられた。
流石にメーカーも慌てたか一週間でセーブ・コンティニュー・回想モード追加パッチは出たものの、
一瞬ながら嵐の如く大暴れしたこの魔物は住人達に忘れ難い印象を与えたのだった。

この二匹の魔物に加え、発売日である5/27には時を同じくして
序盤の厳しすぎるゲームバランスとマウス非対応・遅すぎる移動等の劣悪な操作性でユーザーを苦しめた
ソフトハウスsealの『変態勇者の中出し英雄記』
一見新規ブランドのデビュー作だがその正体はアーベルの別ブランドで中身はお察しといった感じである
FIANCEEの『美衣菜△です!-Loveイチャ同居生活のススメ-』
出来自体は良いもののHシーンの4割強がうんこまみれという事が一切伏せられていた超級者以外お断りの臭い立つ糞ゲー
Empressの『STARLESS』が一度に世に出ており、
これらは総称して「五惨家」と呼ばれ住人達から絶大な支持を受けた。

これにより並の地雷では歯牙にもかけられなくなったが、しかしそのハードルを軽く跳び越えてこその常連。
お馴染アーベルソフトウェアの『ゾンビの同級生はプリンセス -不死人ディテクティブ-』の登場である。
「謎の殺人鬼に殺された主人公が魔界の王女のネクロマンシーでゾンビとして蘇り犯人を捜すため怪事件を追う」という
物凄くどこかで聞いた覚えのあるあらすじの本作だが、その程度はアーベルだから今更驚くことでもない。
問題なのは「探偵ハイパーリンク・システム」である。これは作中で表示されたキーワードをクリックすることでTipや視点移動が発生するというものだが、
もし読み飛ばしたりクリックミスでもしようものならロードしてやり直さなければならないというとんだ曲者なのだ。
バックログからは一切適応されずスキップ時に自動で止まるという気の利いた機能も無い為、
一度読んだ文章を慎重にクリックし続けなければならないという地味ながらノベルゲーで一番勘弁してほしい類の不毛なストレスを強いられるのである。
視点移動もメインキャラも把握しきっていない序盤から端役へ端役へと移るため話を無駄にややこしくしており、
その一方で戦闘シーンは14クリックで終了したりと力を割くべきところを明らかに間違えていると言わざるを得ない。
実際に二話はクリック地獄こそ健在だが進行は完全一本道であり、本編はそこで終了、恒例のアドオンを当てても三話で打ち切りエンドと
短さにおいて『デュアル・エム』すら下回るアーベル史上最短記録を更新してしまった。
話の出来自体は比較的マシな部類であり、問題点もいつものアーベルの延長ではあるのだが
改めて見ると歴代最小のボリュームと最大のストレスを併せ持つクソゲーメーカーアーベルの集大成と言える作品になってしまった。
また、余談ではあるが本作の開発中にアーベル社長の菅野氏が突然意識を失い、気付いたら病院のベッドの上で一ヶ月が経っていたという不幸があり
それが本作の開発に暗い影を落としたことは疑いようもなかったという事も述べておく。

この時点で本年は既に昨年が嘘のような豊作ぶりであり、この後は
「蜘蛛娘とチュッチュしようとしたら茶筒とセックスしていた」というPoison@Berryの『プリンセスX~僕の許嫁はモンスターっ娘!?~』が
賛否分かれて荒れるような騒ぎはあったものの、大方の住人はもう今年一年分は騒げたとそれなりに満足していた。

……故に、これら全てを易々と踏み砕く超特大のモンスターの登場など一体誰が予想できただろうか。
年末より一足早く、ソフトハウスsealが『変態勇者』に次ぎ世に送り出した低価格RPG第二弾。
『学園迷宮エロはぷにんぐ! ~イクぜ!性技のダンジョン攻略~』が現れた。
今度の作品はダンジョンRPGなのだが、パッケージ版はまずダンジョンに潜ろうとするとバグでゲームが止まると掴みは上々。
……この製品失格レベルのバグが「掴み」に過ぎないという事を承知して頂いてから順に問題点を挙げていこう。
まず第一に素材。OHPのサンプル画像と見比べるとわかるのだが、探索画面の場所名やちびキャラ・戦闘画面の背景や行動順バー等の画面内情報が激減している。
特に空白の行動順バーが画面右側を大きく占拠しウインドウを突き破った文字が刺さっている様などは
納期が足りなければ他の全てが削られてゆくという現実を我々にまざまざと見せつけてくれた。
第二にシステム。『変態勇者』の反省からか、今回はマウスで「しか」操作できない。移動もコマンドやターゲットの選択も全部マウスである。
これを初めとして、戦闘では最初から習得スキルが全部表示されているのに肝心の効果や消費EPがわからない、
探索では階段が表示されずオートマップ機能やワープゾーンもない、メニューでは回復時や装備変更時に数字の変動が見られない、
店では装備品の効果が見られないのにワンクリックで買ってしまう等々、全編通してかゆいところに手が届かない仕様が最初から最後まで地味に苛んでくれる。
第三にバランス。本作はワンランク上の武器を装備しただけでダメージが数倍に跳ね上がるほど装備への依存度が高く、
スキルは全て無属性+ダメージ固定で序盤以外は力不足であり、覚えるものも回復スキルは単体300の次は全体2500・
同じレベルで覚える攻撃スキルが片や単体600で片や全体3000だったりとバランスというものをブン投げている節がある。
また戦闘では素早さの重要性がむやみに高く、鈍足の先輩に行動順が回るまでに俊足の妹が2回行動するなんてことはザラであり、
加えて最初から買えてさほど高価でもない最強武器は妹のものに限り素早さに強烈な補正がかかるため
ちょっと頑張って稼げば戦闘開始即3回行動で瞬殺という無双プレイが可能となり、クリアまで先輩が行動する事は殆どなくなる。
……というより、終盤になると敵が全体大ダメージ+麻痺攻撃等を連発してくるためそれ以外の戦術が通用しなくなるといったほうが正しい。
このようなドンブリにも程がある調整と身も蓋もない戦略性から、本作の攻略には先人に倣って「お金を貯めて装備で殴ればいい」の一言が与えられた。
そして最後にバグ。最初の強制終了もさることながら、本作では「表示と実際の効果が一致しない」という状況がとにかく多い。
HPバーと実際の数値が連動しない、状態異常無効など装備品の効果が現れない、所持金がバグる、敵の名前がスキル使用時に変わっている、
メニュー画面で蘇生アイテムを使うと回復せずに数だけ減る、状態異常回復アイテムを使うと蘇生アイテムが減る、
全体守備力アップスキルのバリアシールドを使うと守備力ではなく全員のEPが回復し、しかも上限値を超えて増え続ける等々。
またそれ以外にも戦闘中にタイトルに戻ると全データでロードした直後にゲーム終了時に戦っていた敵と戦闘になるというバグも存在し、
再開と同時に中ボスが現れゲームが詰んだという七英雄やウィーグラフの悪夢が蘇った者もいた。
……これらの要素が複合した結果、「野生で」「瀕死のラスボスが現れ」「逃げたらゲームクリアになった」という珍妙にも程がある状況が生まれてしまった。
流石に最後のバグはパッチで修正されたものの、面白すぎる伝説のバグとして末代まで語り継がれるのは間違いないだろう。
しかしこれだけの問題点を抱えていながら、メーカースレでは悲鳴こそ絶えないものの皆どこか楽しげであり
プレイする度に新しい珍現象が発見されることから「完成度1%のロマサガをやってるみたい」との声まで上がったくらいである。
sealはここからわずか一月の間に『淫刻の虜姫 ~囚われた没落の姫姉妹、淫教の果てに~ 』『世にも気持ちいい学園の快談~オバケになってあの娘に仕返し!~』
を立て続けに発売し、それら全てがクソゲーと呼んで差し支えなかったことから一躍KOTYeのスターダムへとのし上がった。
この一挙加勢の前では、従来の素材流用やアペンドに加え黒背景・テキスト流用・イベントCG流用という他社の大技まで吸収した
アーベルの『魔法少女と恋+』ですら霞んでしまったのも無理からぬ事であり、新たなヒーローとの世代交代を感じさせた。


それでは、紹介を終えたところで今年の受賞作を発表する。
次点には

『勇者と彼女に花束を』
『恋愛+H』
『ゾンビの同級生はプリンセス -不死人ディテクティブ-』

そして大賞は

『学園迷宮エロはぷにんぐ! ~イクぜ!性技のダンジョン攻略~』

とする。

今回は過去に類を見ないほどの大豊作であり、次点以上は昨年であれば確実に大賞をさらっていたであろう逸材揃いである。
だが、そんな中でも『学園迷宮』の存在感は群を抜いていたと言わざるを得ない。
そもそもsealは玉石混合の数打ちながらエロに関しては一定の評価があるブランドであり、
『学園迷宮』も普通のノベルゲーとして出していればそれなりの評価は得られたであろう。
にも関わらず低価格帯でRPGという無茶に挑戦して見事爆砕した本作の「やる気だけはあるけど他の全てが足りなかった」という姿勢は
かつて我々を楽しませてくれた伝説のクソゲー達を思い出させる。
加えて溢れ出る数々のネタ、エロゲとして大切な一線は守る矜持、何よりプレイヤー達が苦笑いながら皆笑っているという
愛されるクソゲーが押さえるべき点を本作は全て押さえており、クソゲーの鑑と呼ぶに相応しい逸品として晴れて今回の受賞となった。
クソゲー界隈には「クソゲーはやるのは最高につまらないが語るのは最高に面白い」という言葉があるのだが、
アイ惨が「最悪のクソゲー」だとするのなら、本作は正に「最高のクソゲー」と呼ぶに値するだろう。

2011年は数多の強豪が鎬を削ったKOTYe史上に残る年となった。
五惨家の存在や超新星sealの登場は言わずもがな、古豪は素材流用や未完成商法などの従来のクソ要素の集大成を、
新参達は体験版製品化やセーブ不可などの新しい切り口から瑞々しいクソ要素を見せてくれた。
また、アーベルやミュスカデ・パープルソフトウェアdelight等が汚名を挽回する一方で
昨年の覇者ういんどみるは『Hyper→Highspeed→Genius』で名誉を挽回しており、
かつて次点を輩出したLeafやフロントウイングも『White Album2』『グリザイアの果実』といった極めて評価の高い作品を出している。
また本家パープルの『未来ノスタルジア』やきゃんでぃそふとの『つよきす三学期』が大方の予想に反して良作評価を受けたり、
更にはシリーズを経る毎に内容を少しずつ改善し、今回ついに「大帝国よりも面白い」という声さえも挙がった『戦極姫3』の存在などもあって、
来る者も去る者も大きく動いたKOTYeにとってひとつの節目の年と言えるだろう。

……そして、この場を借りてある人物のことを語ることをお許し頂きたい。
去るクリスマスの夜、アーベルソフトウェアの社長でありシナリオライターでもある菅野ひろゆき氏の訃報が伝えられた。
アーベルといえば昨今ではKOTYeの看板として知られ、最近は住人の間でも「ただ不誠実なだけの唾棄すべきクソゲー」と言われていた。
だが、かつて氏が手掛けた作品ははまぎれもなくエロゲ史上に名を残す傑作であり、中でも『この世の果てで恋を歌う少女YU-NO』は
ADVの一つの完成系として名高く、今でもエロゲの最高傑作を挙げようといえば必ず『YU-NO』の名前は出てくるのである。
たとえその晩節が綺麗なものでなかったとしても、数多の名作を残しゲームを確実に進化させ、幾度となくこのスレを盛り上げてくれ、
そして最期までゲームを作り続けた偉大なクリエイターが居たこと我々は決して忘れてはならない。
KOTYe住人として、そして一介のゲーマーとして、今までの感謝を込めて心よりご冥福をお祈り致します。

最後に、氏の代表作のひとつである『EVE burst error』の名言をお借りすることで、2011クソゲーオブザイヤーinエロゲー板を締めくくろうと思う。

「クソゲーっていうのは勢いと苦笑いに裏付けられた立派な娯楽なんだぜ」