2011年 総評案6

2011総評案6 大賞:学園迷宮エロはぷにんぐ! ~イクぜ!性技のダンジョン攻略~


クソゲーオブザイヤーinエロゲー板 27本目
652 名前: 総評6 1/12 ◆XrqSmBUQes [sage] 投稿日: 2012/02/06(月) 22:38:22.35 ID:MnPHcuxk0
KOTY2010は激戦の末『色に出にけり我が恋は』が制した。
エントリー数こそ多いもののこれはという目玉にかけ、比較的平和な年であったといえる。
「クソゲーなんて出ない方が良い」はKOTYの常套句である。
このまま2011も平和に終わるのではないかと淡い期待を抱いた人間も多かったのではないだろうか?
しかし、その期待ははやくも裏切られることになる。

1月、はやくも2011のKOTYを賑わせた魔物が現れた。
muscadetの『令嬢の秘蜜』である。
シナリオは只管「媚薬入りの紅茶を飲ませる→SEXする」の繰り返しであり、あってなきがごとしである。
CGには差分というものが存在せず、シーンに入ったらすでに射精している有様。
まともにチェックしたかどうかも怪しい誤字だらけのテキスト。
エロシーンにしか音声がないのに公式サイトで「女性のみフルボイス」と謳っている虚偽表記。
さらには音声バグの存在などひどいところをあげれば枚挙に暇がない。
また、公式サイトでゲームのタイトルを「令嬢の秘密」としているところも見逃せない。
2011年の幕開けから波乱の予感のする出だしとなった。

続いて2月にはシルエットより『コイ★カツ!』が襲来する。
まずは、インストールして容量686MBというコンパクトさに驚かされる。
なぜこれをDVD-ROMで提供したのか理解に苦しむ。
ストーリーは出会って3日でキス、4日でパイタッチ、6日で手コキ、一週間でルート決定&本番というスピード感あふれる展開となっている。
ルート決定後は只管エロシーンが続く実用的な構成になっており、その間デートなど余計なイベントは一切ない。
ただし、エロシーンは尺が短く、実用的かどうかはやや疑問が残る部分もある。
また、CGとテキストの整合性がとれていない部分も多い。
例を挙げれば、「CGでは白タイツだがテキストでは黒タイツ」「CGでは半裸だがテキストでは全裸」「CGでは和室だがテキストでは洋室」などである。
BGMや声優なども含めて、総じて低クオリティな作品に仕上がってしまっている。
なぜこれをフルプライスで出したのかとメーカーに問いたいところだが、公式サイトはすでに畳まれた後である。

同じく2月にはTRYSETより『ろーるぷれいんぐがーる!!』も襲来した。
このゲーム、ジャンルは「ドタバタ系バトル+アドベンチャー」と謳っているが、実はバトルはゲーム中3回しかない。
そのバトルもカードの引きだけが勝負で駆け引きもへったくれもない代物で面白みに欠ける。
シナリオも5~10時間程度でフルコンプできる程度であり、ボリューム感はほとんどない。
CGだけはいいので「フルプライスでCG集を買ったらおまけでつまらないゲームもついてきた」と割り切れるのであれば悪くないかもしれない。

3月にはAriesより『とらぶる@すぱいらる』が襲来する。
このゲームの特徴は、なんといっても絶望的につまらないシナリオの一言に尽きる。
シナリオの特徴は「主人公が鬱陶しい」「ヒロインが不愉快」「中身がなくテンポが悪い」の三点に集約される。
この三点の相乗効果で絶望的につまらないストーリーが最初から最後まで展開されるのである。
これをクリアまでプレイするのはほとんど苦行といってもいい。
そんな苦行じみたシナリオだがこのゲームはヒロインが8人もいる。フルコンプする頃には悟りすら開けるのではなかろうか?

同じ3月にはまた別の強力な魔物も現れた。
それがTEATIMEの『修羅恋~SeeYouLover~』である。
TEATIMEといえばフル3Dというわけで、このゲームもフル3Dで構成されたフィールドで女の子と仲良くなりHを楽しむというゲームとなっている。
しかし、このゲームまずストーリーというものが存在しない。
ゲームが始まるとまずプレイヤーは自分の部屋に放置される。
説明だとかオープニングの会話だとかそういったものは一切ない。
チュートリアルだとかそういった要素もない。タイトル画面を抜けた時点でゲームはすでに始まっているのである。
それでは町へ繰り出して女の子と仲良くなろう。女の子の位置はプレイヤーに筒抜けなので見つけるのは簡単である。
もっとも、マップが狭いので、適当にうろつくだけでも簡単に目的の女の子と出会えたりするのではあるが。
女の子と出会うことができたら次は女の子と仲良くなるわけだが、ストーリーがないので適当にコマンドを選択するだけである。
リアクションのパターンは両手で余る程度であり、数回であえば持ちネタが尽きてしまう。
そのパターンもごく短く、前後の見境もないので基本的に会話は成立しない。
このゲームの見所に「修羅場シーン」がある。
2人以上の女の子と仲良くなっている状態でその女の子が鉢合わせると主人公を取り合ってのバトルが展開されるのである。
しかし、ここで主人公にとれる選択肢は[煽り][黙認][逃亡]か[女の子Aを応援][女の子Bを応援][2人をなだめる]だけである。
基本は見てるだけであり、プレイヤーに介入できる要素はほとんどない。
その内容と言えば小学生レベルの口喧嘩といった程度のものであり、こちらもパターンが少ないためあっさりネタが尽きてしまう。
こんな内容でもこのゲームの目玉であるというのだから驚きである。

その勢いは4月に入っても止まることはなかった。
続いて現れたのはKLEINの『勇者と彼女に花束を』である。
体験版の時点で「音が小さすぎる」「誤字が多い」「エラーで落ちる」など、地雷であることを隠そうともしていなかった。
そうして実際に発売された製品版はやはり紛れもなく「見えている地雷」であった。
まず、上記の体験版の問題点が何一つ修正されずに発売されたあたり、スタッフのやる気のなさが窺える。
それでは製品版の問題点も見ていこう。
システム面ではホイールでバックログが見られない、セーブ&ロードのショートカットがメイン画面にないなどの不親切さが目につく。
テキストと台詞の不一致、無限ループする選択肢、特定のルートが進行不可、見たのに登録されないCG、BGMや音声が聞こえなくなる、
一枚絵に立ち絵が重なって表示されるなど、バグも完備でもはややりたい放題である。
パッチを当てれば一部の不具合は改善されるが、さすがはKLEINと言いたくなる安心の低クオリティであった。
そのパッチであるが、パッチを当てるとなぜかキャラの一人の立ち絵が別人のように変化してしまう。
乳が萎む、目がでかすぎ、頭身がおかしいなど明らかにパッチ前より劣化しているが、進行不能バグがあるため当てざるをえないのが現実である。
なお、体験版に製品版のパッチを適用するとエピローグまでプレイできてしまうことが報告されている。

さて、2011年のKOTYを語る上で運命の月とも言えるのが5月である。
先陣を切ったのはsofthouse-sealの『変態勇者の中出し英雄記』である。
softhouse-seal初の本格RPGと銘打たれた本作であるが、中身は無残なものであった。
主人公の初期HPが30しかなく、最低4ダメージが保証されているため序盤に大勢の敵に囲まれるとたやすく昇天する。
数歩歩くだけでHP1になる毒ダメージなど、冒険は遊びではないと教えてくれる。
ほかにも、マップの移動速度が遅い、マウスが一切使えない、バックログ未搭載、オートモードも未搭載など、
かゆいところに手が届かない仕様にはいらいらさせられること請け合いである。
また、制作にはフリーのRPG制作ツール「WOLF RPGエディター」が使用されている。
このツール、腕に覚えのある制作者がカスタマイズして使うことを前提に作られているのだが、このゲームはほぼデフォルトである。
ツールを使いこなすどころか振り回されたあげくにこの結果というところだろうか。

続いて飛び出したのがTEATIMEの『恋愛+H』である。
3月の「修羅恋」の記憶も新しいままに出された本作は修羅恋に勝るとも劣らない魔物であった。
このゲームの最大の問題は「セーブ機能がないこと」である。
ゲームを開始したが最後、エンディングを迎えるまでプレイを続けなければならないのである。
もし、エンディングを迎える前にフリーズでもしようものならそこでおしまい。またはじめからプレイしなければならない。
さらに、名前変更など一部の機能は「使用できなくなりました」と公式で発表。
Hできる場所は屋外限定、あからさまに調整不足な音量や、PCの音声レートを調整しないとそもそも起動不可能。
エロシーンでは体位を変えるたびに性格がランダムで変化し、場合によっては別人化する。
場面変更のたびにロード地獄、劣悪な操作性と、操作性そのままに極悪難易度なミニゲーム。
などなど、全方位に渡ってハイレベルなダメっぷりを見せつけてくれた一作である。
セーブ機能に関してはパッチによって実装された。しかし、それ以外のゲームの根幹に関わる部分は未だに実装されていない。
そのセーブ機能にしても、セーブできるのは一カ所だけで、セーブを分けるなどといったことはできないのだが……

5月の快進撃は止まらない。
続いての刺客はFIANCEEの『美衣菜△です!-Loveイチャ同居生活のススメ-』である。
ブランド名はFIANCEEとあるが、実はKOTYではおなじみAbelグループの別ブランドである。
その時点で何かいやな予感が漂ってくるというものである。
主人公とタイトルにもあるメインヒロイン美衣菜との初体験から物語は始まる。
童貞と処女の初々しい初体験が……とかそんなことはまるでなく、主人公は最初から童貞とは思えないテクを見せつけてくれる。
ところで、タイトルの△であるが、これは三角関係をも意味している。
美衣菜との純愛を貫きたいと思っても強制的に三角関係にさせられてしまうのである。回避手段はない。
また、このゲームのCGモードを見ると1ページ9枚のサムネイルが13ページある。
多いと思うだろうか?さにあらず、実はこれ差分も全て一枚として表示してあるのだ。とんでもない水増しである。
差分を含めて一枚に換算すると実際のCG枚数はこの1/5程度しかない。
フルプライスゲームとしてはあんまりなボリュームの少なさと言える。

運命の5月はまだまだ終わらない。
続いてやってきたのはコンプリーツより『まままーじゃん』である。
いわゆる四人うちの脱衣麻雀なのだが、このゲームの場合半荘終了毎に最下位が一枚脱ぐというシステムになっているため、やたらと時間がかかるのだ。
しかも本番に入るためには自分以外の3人を全裸にしてからさらに目的の相手を2回最下位にしなくてはならない。
目的の相手との本番に入るためには最低でも半荘を14回こなす必要があり非常に時間がかかる。
最下位にする相手を完全にコントロールすることはできないので、目的の相手のシーンを見られるかどうかは運任せである。
別の相手との本番に入ってしまったり、その前にゲームオーバーになったりするとまた最初からやり直しである。
しかも、恐ろしいことにこのゲームもセーブ機能未搭載なのである。
つまり最初からやり直しとは相手の服を一枚ずつ脱がせるところからやり直しということである。
また、麻雀ゲームとしても流局時に手牌が表示されない、AIが麻雀素人、点数計算の表示がおかしい、役判定が一部おかしいなど問題だらけである。
パッチによってセーブ機能が搭載され、麻雀ゲームとしても一部改善されたが、それでも記憶に残るクソゲーであったと言えよう。

5月の取りをとるソフトは全く思いもよらない方面からやってきた。
それがEmpressの『STARLESS』である。
はじめにいっておくが、このゲームはクソゲーではない。糞ゲーである。
そう、このゲームは糞尿にまみれたスカトロゲーなのである。
CGシーンを彩る巨大な一本糞は圧巻であり、スカトロ趣味を持たぬものに強い嫌悪感を与えることだろう。
しかし、スカトロ趣味を持つものにとってはむしろ良ゲーであるとも言える。
このゲームがクソゲーではなく糞ゲーと呼ばれるゆえんである。

これらのエントリー作品はSTARLESSも含めて全て5/27に発売された。
5月の同日に5本もエントリーされたという事実にスレは大いに賑わった。
これらは「五惨家」と呼ばれ、2011のKOTYを象徴する存在となった。

6月に入ってまた一つのソフトがKOTYにエントリーされる。
CLOCK UPの『euphoria』である。
このソフトもまたクソゲーではなく糞ゲーとしてのエントリーである。
糞要素はかなりハードであり、マニアもうならせるものとなっている。
しかし、どちらかというと良ゲーの部類に入るゲームであり、ユーザーの評価は上々である。
それでもSTARLESSと並び、2011年を代表する2大糞ゲーとしてある意味2011年を象徴する存在となった。

8月にやってきたのはアーベルソフトウェアの『ゾンビの同級生はプリンセス -不死人ディテクティブ-』である。
まず製品版には2話までしか収録されておらず、それも4時間程度で終了という低ボリュームである。
こんな未完成品をフルプライスで販売しようという神経にまずあきれてしまう。
後にアドオンとして3話が配信されたが、あくまで追加要素であり、未完製品を発売したことを認めるつもりはないようである。
さて、このゲームにはテキスト中のピンクの文字をクリックすることにより別視点のシナリオにジャンプする「探偵ハイパーリンク・システム」というシステムがある。
一見面白そうなシステムだが、実はゲームのテンポを壊す不快な要素でしかない。
特に、うっかりリンクを読み飛ばしてしまうとバックログからはリンクをたどれないのでもう一度シナリオを読み直さなくてはならない。
しかも、選択肢ではないためスキップでは読み飛ばされてしまう。そのため、律儀にリンクがある場所まで一つずつクリックしていかなくてはならない。
2話と3話はほとんど一本道であり、このシステムの必然性がほとんどない。おとなしく普通のシステムで作っていればよかったのではないだろうか。

年の瀬も迫る11月。年末の魔物も目を覚ます時期であるが、果たしてそれはやってきた。
それが、softhouse-sealの『学園迷宮エロはぷにんぐ! ~イクぜ!性技のダンジョン攻略~』である。
「変態勇者」に次ぐsofthouse-sealのRPG第二弾ということであるが、それこそはまさしく魔物であった。
まず圧巻なのが、OPイベント終了後、ダンジョンに乗り込もうとするとエラー終了することである。
このゲームはダンジョンRPGであり、ダンジョンに入ることすらできないのでは文字通りお話にもならない。
幸い、パッチを当てればダンジョンに入ることはできるが、悪夢はまだまだ終わらない。
まずは戦闘に入ると戦闘背景は黒一色である。パッケージ裏には背景のある戦闘画面のスクリーンショットがあるのにこれはどうしたことだろうか。
パッケージ裏のスクリーンショットは開発中の画面を移したものであるが、開発中の画面と完成品の違いはそれだけにとどまらない。
敵味方の行動順が分かるタイムラインの未実装、必殺技は各キャラ一つのみ、マップ画面にフロア数は表示されない、スキル画面に消費EPは表示されないなど枚挙に暇がない。
実際のプレイでも、「変態勇者」の反省からか、逆にキーボードをほとんど使えなくしたストレスフルな操作性、戦闘中はなぜか覚えていないスキルまで表示される、
スキルや必殺技の効果に説明がなく、実際に使ってみるまで分からない、所持金や獲得経験値の10の位がほぼ常に0と表示される(内部ではちゃんと計算されている)、
ショップでは、最初から全ての武器防具が売っているため、金さえ稼げばB5Fから最強装備がそろう、商品をクリックすると即座に購入され確認などはない、装備品の所持数が分からない
所持品の売却ができないなど、ひどいところを列挙していくときりがないほどである。
戦闘も、装備の強力さから妹無双となりやすく、ほかのキャラはただ見ているだけとなることも多い。
これほどにひどい部分しか見あたらないゲームであるが、なぜか不思議な魅力も兼ね備えており、スレでは特攻者が絶えなかった。
昨今珍しい愛すべきクソゲーと言える。

同じく11月にやってきたのがDisAbelより『魔法少女と恋+』である。
まず、立ち絵関係に問題が多い。
2人以上同時に画面に出ると高確率で重なって表示されてしまう。表情差分などは存在しない。
背景も真っ暗で進行することが多く、挙げ句の果てに、背景どころか立ち絵もなしで話が進むことさえある。
使い回しも背景はもちろん、イベントCGやエロシーンのテキストまで使い回しと、ひどい手抜きを見せつけられる。
エロシーンでは、唐突に別ゲーのヒロインの名をしゃべるなど、2010の年末に話題になった某ゲームを彷彿とさせる一幕まである。
さらに、シナリオのボリュームの薄さも問題である。
キャラとの絡みもそこそこにルートが分岐し、いつの間にか仲良くなっていてHしたらエンディングという有様である。
パッチを当てれば背景や立ち絵関連は大きく改善される。
注目すべきは、ルート分岐前のシナリオに大量のイベントが挿入されていることである。
このおかげで、パッチ適用前と適用後ではほとんど別のゲームといってもよい。一粒で二度おいしいとはこのことである。
アーベルといえばアドオンということで、例によってストーリーの核心はアドオンに丸投げである。
相変わらずの未完成商法だが、そのアドオンも追加CGが出ないという不具合が報告されており、アドオンでも未完成とはさすがといわざるをえない。

12月になって登場するのがDevil-sealの『淫刻の虜姫 ~囚われた没落の姫姉妹、淫教の果てに~』である。
Devil-sealとは陵辱系を専門にするsofthouse-sealの別ブランドである。
softhouse-sealといえば、まだ「学園迷宮」も記憶に新しい時期ではあるが、この作品もまた魔物であった。
このゲーム、お姫様と一緒にダンジョンに潜り伝説の調教書を探すというストーリーなのだが、ダンジョンにマップなど存在しない。
ダンジョン内でできることは先に進むことと引き返すことだけである。初心者でも道に迷わない親切設計と言えよう。
ダンジョン探索ということでRPG要素もあり、ダンジョン内ではモンスターとの戦闘も発生する。
しかし、戦闘でできることはほぼ「攻撃」一択であり、駆け引きなどは存在しない。
その戦闘も、防御をあげてダメージを極限まで抑えれば簡単に勝ててしまう代物で面白みは皆無である。
さらに、パッチを当てないと最終フロアで延々とループし続けクリア不可能。
パッチを当てたら当てたで特定の調教イベントでフリーズするなど、どうしようもない。
シナリオそのものは陵辱ものとしてはよくできているのだが、中途半端に入れたRPG要素のせいで台無しにされている感じである。
なぜRPGにしたのだろうか。

続いてやってきたのがsofthouse-sealの『世にも気持ちいい学園の快談~オバケになってあの娘に仕返し!~』である。
二ヶ月で3本ものエントリー。「またsealか!」といいたくなるが、ゲームの内容を見ていこう。
大まかな流れは学園をさまよってアイテムを入手し、それをつかってHなイベントを起こすというものである。
しかし、移動システムがくせ者であり、どこに進めるか分かりづらい、方向感覚がおかしいなど、ストレスのたまる作りとなっている。
また、イベントシーンもスクリプトミスから勝手にメッセージが送られる場所が多く、いちいちバックログでメッセージを確認しなくてはならない。
このハイペースなクソの産出ぶりは「KOTYにsofthouse-sealあり」と印象づけるには十分であったと言えよう。

2011年のラストを飾るのはFULLTIMEの『肉体契約書』である。
まず気になるのがロードの多さである。
ちょっとした場面転換にも「Nowloading」、何をそんなに読み込む必要があるのかといいたくなる。
主人公は職業斡旋所のやり手職員という設定なのだが、語る内容はことごとく一般論であり、この程度でやり手職員なのかと思わせられる。
シナリオは面接後ヒロインとデートしてSEX、最終面接と称してSEX、その後はエンディングという薄さである。ストーリーなどないに等しい。
ヒロイン一人あたり30分程度で終わるなどボリュームも皆無である。
また、回想モードやフリーモードがないというのも見逃せない要素と言えよう。

以上で2011年のエントリー作品の紹介を終了する。
いずれ劣らぬ猛者揃いであり、選考は大乱戦となった。
その大乱戦を一歩抜け出たものの、大賞に届かなかった作品を発表しよう。
『修羅恋~SeeYouLover~』
『恋愛+H』
『魔法少女と恋+』
以上3作品を2011年の次点とする。

それでは2011年の大賞を発表しよう。
大賞は『学園迷宮エロはぷにんぐ! ~イクぜ!性技のダンジョン攻略~』である。
どれが大賞を取ってもおかしくない大乱戦の中、決め手となったのは「愛されるクソゲー」であるという点につきる。
クソゲーであるからこそ面白い、クソゲーであるからこそ愛される、それこそがもっともKOTYの大賞に必要とされる資質ではないだろうか?
修正パッチが出ると聞いてがっかりされるゲームなど、そうそうざらに現れるものではあるまい。
「クソゲーを笑い飛ばす」というKOTYの精神をもっとも体現しているものとして、この作品に大賞の栄誉を授与するものである。

さて、振り返れば2011年は多数のクソゲーが乱立するまさしく群雄割拠の時代であった。
この乱世を制したsofthouse-sealに次の言葉を贈りつつこの総評を締めたいと思う。

「GRANDEE(最上級)なソフト作りを目指すのは結構ですが、GRANDEEなクソゲーまで作らなくてもいいんですよ」


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最終更新:2014年08月02日 22:17