2011年 総評案5

2011総評案5 大賞:学園迷宮エロはぷにんぐ! ~イクぜ!性技のダンジョン攻略~


クソゲーオブザイヤーinエロゲー板 27本目
469 名前: 総評案4 1/19? ◆gkDxnx9xaw [sage] 投稿日: 2012/02/04(土) 22:33:39.59 ID:3BQqawWm0
『魔法少女アイ参』……『りんかねーしょん☆新撰組っ!』……『色に出でにけり わが恋は』……
2008年に端を発するクソゲーオブザイヤーinエロゲー板(以下「KOTYe」)がこれら大賞を輩出してきた。
いずれも、何かしら強力な武器を持ち味にして賞を勝ち得たものばかりだ。
それらを踏まえた上で、2011年のあらましを見ていただきたい。

2011年、最初に名前が挙がったのは1月に発売された『令嬢の秘蜜』。
昨年のエントリー作品『熟処女』と同ブランドと噂されるmuscadetからの刺客である。
「谷原さん」のようなミスこそ無かったものの、シチュエーションのバリエーションが少ない上に、
『熟処女』と同じようなミスや仕様が多く、「フルプライスの割にシナリオが薄い」「CG差分が無い(最初から射精しているものもある)」
「誤字脱字が多く、文章周りのインターフェースも悪い」「NGボイス混入」「公式サイトにおけるタイトル表記ミス」と、
クソと呼ばれる要素を一通りやらしかしてしまっている。
抜きゲーを目指していたようだが、「エロゲーとしての根幹を抜いてどうする」と言いたくなったのは筆者だけではあるまい。

こうして「抜く」をキーワードとするKOTYe2011が幕を開けた――

2月には二つの作品がバレンタインのチョコを求めるかの如くスレを強襲した。
一つはTRYSETの『ろーるぷれいんぐがーる!!』である。
ジャンル名は「ドタバタ系バトル+AVG」なのだが、このバトルイベント、5回(しかも1戦目以外は連戦なので実質3回)しか発生しない。
薄っぺらなシナリオに運が全てのバトルを取って付けたような印象だ。
「フルプライス(9240円)でCG集を買ったら、なんかオマケでつまんないゲームもついてた」とは、選評における名言だろう。
バトル、シナリオ、エロ、その全てに置いて「手抜き」が目立った。

「手抜き」といえば、もう一つの方の作品もそうだ。シルエットから発売された『コイ★カツ』がそれである。
容量が700MB弱、CD1枚分以下しか無い時点で薄いゲームであることはお察しなのだが、内容を見ていくと想像以上に酷い実情が明らかになる。
まず、ヒロインと出会って1週間でルート決定&本番まで行ってしまうというあまりに速すぎるシナリオ。
「恋人になりたい」という名目で主人公に近付いたヒロイン達のはずが、デートシーン一つ入っておらず、キャラクター達から生活感が「抜けて」しまっている。
エロはどうなのかというと、これがまた酷い。CGと文章の整合性を意図的に放棄している(CGは白タイツなのに文章で「黒タイツ」、など)。
無名で演技の拙い声優の起用、一昔前のクオリティのBGMなど音声方面でも素晴らしい「手抜き」が施されている。
バグなどプレイに支障のある要素は殆ど無いが、正統派クソゲーの一つと言えよう。
余談ではあるが、公式ページは既に存在していない。

続く3月、3体の「年度末の魔物」が姿を現した。
1体目はFLATの『シークレットゲーム CODE:Revise』。
フルプライスなのにミドルプライス並の長さで、しかも体験版の先のストーリーがあまりに急展開で低クオリティという、
完全に頭でっかちで「手抜き」なシナリオになってしまっている。また、シーン回想ではシーンが10種類あるが、OPやEDなどでその過半数が占められているのだ。
他にも「レイプした描写の大半がカットされた」「女キャラの扱いの温度差が酷い」など問題はあり、
「√追加でコンシューマ化されるのではないか」という憶測さえ飛び交った。

次は、作品スレ住民に「バグもあるけどテキストのほうがバグ」と言わしめた、Ariesの『とらぶる@すぱいらる』である。
「喫茶店経営」「ウェイトレス」「ヒロインたちと同居」……王道な要素を扱っていながら、地雷と化してしまった本作。
数いるヒロインのうち、木刀暴力女、ガチレズ女、DQN女忍者が特に悪評の的になっている。
そんな登場人物達に彩られたシナリオは、個別√に入るまでの大半が
「変態行動(妄想含む)に走る主人公→そんな主人公を殴ったり蔑んだりするヒロイン達」という誰得展開である。
「理不尽に殴るヒロインに好感は持てない」というプレイヤー側の常識が脳内から「抜けて」いるのだろうか、とシナリオライターに問いたくなる。
ただ、「シナリオが駄目な駄ゲーの域を出ない」という声も多く(事実、絵や声などはかなり好評だった)、決め手に欠けている感は否めない。

最後の魔物は、TEATIMEの『修羅恋~SeeYouLover~』である。
この作品はフル3D作品で、女の子同士の修羅場を楽しむゲーム……のはずなのだが、
「ゲーム開始時に主人公が何の脈絡も無く自分のアパートに放り出される(ほぼシナリオ皆無)」「女の子の位置が筒抜け」
「やり込み要素が適当」「背景がハリボテ・突貫工事」「ロードが長い」
「不自然なループが続くだけのHシーン音声」等々、聞こえてくる不満が発売日から暫く経った後も絶えず、
肝心の修羅場はボキャブラリーの少ない頭悪い女二人が口喧嘩しているだけにしか見えないという残念な仕様。
『コイ★カツ』同様、女の子から生活感の「抜けた」完全なクソゲーである。
プレイ動画がアップされその惨状を目の当たりにしたスレ住民も多かった。

4月、春のセンバツが終わった頃、クソゲーメーカーとしてその本分を遺憾なく発揮してくれた作品がある。
KLEINから発売された『勇者と彼女に花束を』がそれだ。
シナリオが薄いのは最早当然として、「エラー落ちする体験版」「ボイスが小さすぎて聞こえない」
「ホイールでバックログを見れない」「テキストと台詞が一致しない」「特定√攻略不可」「CGが差分込みで90枚弱」
「『パッチを当てると限りなく別人に近い同一人物になる』シンシアの立ち絵問題」など、多方面に亘って不具合が搭載されている。
しかし、この程度では「遺憾なく発揮した」とは言えないだろう。
後日、「体験版に製品版のパッチを適用したら(一部CGは出ないけど)最後までプレイ出来た」という怪現象がスレ内でブームになってからが本番だったのだ。
しかも、この現象をメーカー側は発売から間もなく掴んでいたという。
そのことを報告するという常識がメーカーから「抜け」落ちていることをプレイヤーは予想出来ただろうか?

この現象は、昨年に処女作『Orange Memories』で堂々のKOTYeデビューを果たしたPurplesoftware delightの『Primary Step』にも起きた。
発売された時点でヒロインを1人しか攻略出来ないフルプライス体験版仕様だった本作。
「主人公の転校」が一つの大きなテーマだったが、それがOPムービーが流れる前に立ち消え、
その後は特に起伏の無い日常ばかりが続くというつまらないシナリオが特色である。熟読「抜き」でも流れが把握可能な出来だ。
意味の無い「(中略)」、朝から昼までという時間表現「ぐるぐるーっと短針が四周ほど」といった迷言が多く、
このシナリオライターの名前と某魔法少女アニメの台詞をかけた「tiroフィナーレ」は一種の流行語になった。
CG枚数も61枚(『Orange~』以下)と低ボリューム且つヒロイン毎の枚数差が大きく、
朋香との騎乗位のシーンで主人公の体がおかしいことになっているというものもある。
尚、そのCGは公式HPで閲覧可能で、更にそのシーンでは「俺の膣内から」という誤字も見ることが出来る。
「抜き」ゲーとしても萌えゲーとしても質が悪く、購入者はまるで仲間の頭部が魔女に食われた時のようなショックに襲われた。

5月になると、四つの大小様々な爆弾がスレに投下されることになった。
一発目はsofthouse-sealから発売された『変態勇者の中出し英雄記』である。
2100円という低価格ながら詰め込まれたものは非常に多かった。主にバグと鬼畜仕様ではあるが。
代表的なものとして「やたらでかい毒ダメージ」「遅すぎる移動速度」「バックログ未搭載」「マウス使用不可」などが挙がるが、
最大の問題は、制作に無料ツールである「WOLF RPGエディター」を使用し、且つチップから戦闘・メニュー画面に至るまで標準のものを加工せずに使っている点だろう。
「仮にゲームバランスがマシだったとしてもシステムはカスだな」とスレ住民は語る。
仮に「抜き」ゲーであってもシステムの「手抜き」が決して許されるものではない、という好例になったと言える。
これは四つある爆弾の中でも破壊力は低めだったが――これがまた別の爆弾の起爆装置になっていたことをこの時のスレ住民達は知る由も無かった。

それは一旦さておき、二つ目の爆弾はコンプリーツの『まままーじゃん』だ。
麻雀ゲーといえば『いただきじゃんがりあん』の宇宙麻雀を連想するだろうが、本作の麻雀はそれとは全く違う意味で残念な出来である。
何故なら、ヒロインの服を1枚脱がせるのに半荘(8局)もかかるからだ。
そして漸く1枚を脱がせた、ちょっとセーブして休もうか……という時になってふと気付く。
何とこのゲーム、セーブ機能が「抜けて」いるのだ。修正パッチが出るまで選評が来なかったのもこれが最大の原因だろう。
パッチのおかげでその問題点は修正されクソ度はやや低くなったものの、
流局時に手配が表示されなかったり、AIが素人同然だったりと麻雀ゲーとして楽しむための要素も「抜けて」いる。
まだ大人しく宇宙麻雀をやっていた方が楽しいかもしれない。

セーブ機能が「抜けて」いるゲームがこの四つの爆弾の中にもう一つある。TEATIMEの『恋愛+H』である。
前作『修羅恋~SeeYouLover~』の存在が霞む程の威力を持ったこの爆弾は、
発売前の「18禁ラブ○ラス」という触れ込みも虚しく、スレの期待を集めることになった。
セーブ機能が無いことは前述の通りだが、発売前には可能と告知されていたはずの名前変更機能が公式サイトで「出来なくなりました」と訂正され、
「屋外でしかエッチ出来ない」「ロード頻発」「前作同様の拙い背景」など、悉くその「手抜き」ぶりを見せつけた。
当然ながら、シナリオもあって無いようなもの。
やはりこのゲームも後日セーブ機能がめでたく搭載されることになったものの、セーブ出来るのがたった1枠しか無い(ヒロインは3人いる)ことと、
このゲームのシナリオライターがTEATIMEスレに降臨した(が何の解決にもならなかった)ことを付記しておく。

5月爆弾の最後を飾るのはFIANCEEの処女作『美衣菜△です!-Loveイチャ同居生活のススメ-』である。
……失礼、訂正する。この作品は決して処女作などではない。
FIANCEEの正体は昨年4本もの魔物を送り込んだアーベルソフトウェアの同ブランド会社である。
一言で言うと、ジャンル名「育成型・同居イチャイチャADV」から「育成型」と「イチャイチャ」が「抜けた」仕様だ。
一応、育成が全く無いわけではないのだが、能力値6個で各Lv1~5(初期は3)な上に基本的に前戯+本番という形しか取れない。
また、主人公が本編開始前まで童貞だったとは思えないヤリチンばりの気遣いを見せたりもする。
タイトルが表す三角関係もいずれも取って付けたようなものばかりで、
CGは(差分があまりに多いため)他のゲームに換算すると凡そ30枚前後というフルプライスにしては物足りない枚数になる。
アーベルというブランド名「抜き」にしても酷い作品である。
余談ではあるが、未だに公式HPの人物紹介で1枠が「Comming soon」(原文まま)となっている。

この5月作品の全てが5/27発売だったため、この大型爆撃は後に「527事件」と呼ばれ、
後日「糞ゲー」としての選評が届いたEmpressの『STARLESS』と併せて「五惨家」「五虎大将軍」などと揶揄された。

6月の作品では、インターフェースやポリゴンモデルが悪いながらも工夫次第で楽しみ方を幾らでも見い出せることから
完全に賛否両論になっているIllusionの『ジンコウガクエン』、
「コンセプトとエロシーンがかけ離れている」という理由で選評が来たものの「好みの問題」など疑問の声が多く
駄ゲー判定で終わったFrillの『学園退魔!ホーリー×モーリー』、
『STARLESS』と同じくあくまで糞ゲー扱いであるCLOCKUPの『euphoria』がエントリーされた程度であり、
暫くの間、スレは完全に夏休みモードに突入していた。

半ば「抜け」殻となりかけていたスレが大きく動いたのは、8月にアーベルソフトウェアから発売された
『ゾンビの同級生はプリンセス -不死人ディテクティブ-』の選評が届いた時だった。
時期を完全に外しながらも某ラノベの設定を丸パクリしたような本作は、やはり「いつものアーベル」でしかなかった。
DQNネームとしか思えない登場人物達やシナリオの薄さ(製品で2話、アドオン含めても3話まで)は元より、
この作品のクソさは「探偵ハイパーリンク・システム」というもの「抜き」には語れないだろう。
本文の中にあるピンク色の文字をクリックすることで別キャラの視点で物語を読み進められるというものであるが、
一度でも読み進めてしまうとバックログからすら辿れない上にクリアに必須という超不親切なシステムに不満の声が続出した。
読み飛ばさないようクリック一つに全神経を集中させることを強いられる仕様はまさに苦行。
他にも「萌えゲーアワード」投票用紙の裏にインストール方法が載っているなど、最早見えている地雷どころか「接触型爆弾」であった。
制作途中で病気によって「抜けていた」ことが後に発覚した、メインライターである妃路雪≠卿(ひろゆき・k=菅野ひろゆき)氏が年末に急逝し、
ネタスレであることをさておいて冥福を祈ったことは記憶に新しい。
だからといって本作を含むKOTYeエントリー作品の汚名が晴れる訳ではないが。

『ゾンビ』の後、恐らく2011年で最も物議を醸したであろう作品の選評が届いた。
9月に発売されたPoison@Berryの『プリンセスX~僕の許嫁はモンスターっ娘!?~』である。
近年増えてきているモンスター娘好きを狙い撃ちにして発売された……はずの本作。
公式サイトや雑誌で大きく取り上げられている蛇女、ケンタウロス女、蜘蛛女、アンドロイド女という4人のヒロイン。
残念なことに、その内の半数がダミーだったということに気付いたプレイヤーは殆どいなかった。
アンドロイド女の部下にどう見てもただの円筒(或いはただの巨大オ○ホ)にしか見えないキャラがいるのだが、
実はアンドロイド女と人格を入れ替えられていたこの円筒こそが彼女の√における真のヒロインだったのだ。
蜘蛛女に至っては個別√・個別エンドすら存在せず、互いに好意を持つこと無く終了というお粗末ぶり。
代わりに、前述の円筒とのHや、主人公の妹(双子)の片方が変身したウルトラ○ン似の巨大娘との全身ファックが存在し、
(一応広義としては人外なのではあろうが)そのターゲットの嗜好を悉く外しているシナリオに、
スレ全体、更には一部の非18禁系アフィリエイトブログまでもが属性の有無「抜き」にして大騒ぎすることになった。

11月までには、前作「抜き」だとストーリーが分かりづらい上に攻略キャラによっては「エロイッカイダケ」なCircusの『水夏弐律』、
クソポイントはあるものの要領を得ない選評が届きスレ住民がほぼ見向きもしなかったArianrhodの『夢見る月のルナルティア』がエントリーされた程度だった。

――だが、不発弾『ルナルティア』の左右で二つの盛大な爆発が起きた。

一つは「あの」アーベルソフトウェアの別ブランドDisAbelの『魔法少女と恋+』だ。
『ゾンビ』同様、タイトルネーミングに関しては……いや、そこにはもう説明を「抜いて」構わないだろう。それよりも内容だ。
この作品、「いつものアーベル」な上に、数々の不具合も搭載してきている。
所々『アイ惨』の如く背景真っ黒で進むシナリオ、『熟処女』の如くNGボイス放置やテキストの書き「抜き」、背景・CGの流用などまでしでかす始末。
しかもパッチを当てることにより上記バグ&フラグミスが修正されシナリオがかなり割増される。
昨年の総評ではないが、「これは追加アドオンじゃなくて修正ファイルだろ」と全力でツッコミを入れたくなる。
ともあれ、「一粒で二度おいしい」という褒め言葉なのか何なのかよく分からない評価を受けることになった。

もう一つの起爆装置の名は『変態勇者』と同じsofthouse-sealの『学園迷宮エロはぷにんぐ!~イクぜ!性技のダンジョン攻略~』といった。
いわゆるHシーンの入ったダンジョンRPGではあるのだが、何と公式サイトのパッチ「抜き」ではそのダンジョンに入ることすら出来ない。
ネット環境が無い場合、オープニングの無限ループに陥る。
何とか鍵という名のパッチを適用し先に進むと……そこに待ち受けていたのはスレ住民が泣いて逃げ出す、もとい泣いて喜ぶバグと仕様の数々だった。
公式ページでは戦闘背景があるのに製品では真っ暗、実装されなかった行動順&経験値バー、修得前から見れる必殺技リスト(効果の表示なし、威力固定)、
名前も見た目も同じで能力の違うモンスター、野生のラスボス(逃げられる上に勝利扱いで即エンディング)、『変態勇者』とは対照的にマウスしか使えない、
その他細かいバグ等を挙げ始めればキリが無く、地下25Fまであるダンジョンの5Fにある最初のショップで各キャラの最強武器が揃うことから
本家KOTY大賞作の「レベルを上げて物理で殴ればいい」ならぬ「お金を貯めて装備で殴ればいい」という迷言も誕生した。
ストーリーも矛盾だらけであり、前代未聞の出来にスレ住民一同が間「抜け」面で唖然としていたのは言うまでも無いだろう。

12月になるとそこから更に連鎖爆発が起こった。softhouse-sealの姉妹ブランドDevil-sealの『淫刻の虜姫~囚われた没落の姫姉妹、淫教の果てに~』が次の地雷原だった。
簡単に説明すると、「ダンジョン移動の無い一本道RPG」といった所だろうか。ダンジョンに入ると「進む」か「戻る」かしか無いのだから。
まさに面倒なものを一切「抜いた」仕様になっている。
戦闘バランスに関してはこちらは「防御を固めて連打で殴ればいい」(『学園迷宮』にあった必殺技はこちらでは削除された)。
「なぜ RPGに したし」と言いたくなるのも無理はあるまい。
また、タイトルが表す通りHシーンは調教がメインであるが、最終調教が出来ず50階を無限ループすることになったり、特定の調教を選ぶとゲームが止まったりする。
無事エンディングを迎えられても、いずれも寝取られ系の後味の悪いものしか無い。

2週間もしないうちにsofthouse-seal本家で次の連鎖爆発。『世にも気持ちいい学園の快談~オバケになってあの娘に仕返し!~』である。
ヒロイン達に殺された主人公が幽霊となってヒロイン達に仕返しをするというSLGなのだが、
「怪談発生ポイント」→「アイテム入手ポイント」→「怪談実行ポイント」の順で回らなければならない。
この時の階層移動に関して、矢印の方向が階層の上下と一致しないことが多い。
時間制限がある上にヒントが少ないこの作品の仕様においては実に致命的であり、全体的に不親切さが目立つ。
『学園迷宮』などに比べるとクソさは控え目だが、softhouse-sealの爆弾群のトリを飾る作品として「抜かり」ない仕事をしてくれたと言えよう。

それに呼応したのか、同日にはTEATIMEの陵辱ブランドFULLTIMEからも『肉体契約書』という名の火を噴いた。
現代日本で若者を悩ませている「就職氷河期」をテーマにした本作なのだが、一番凍えたのはこの爆弾を掴まされた者達だろう。
まず、ロードが遅く、しかも頻繁に発生する。それだけでも就活生その他の息「抜き」としては不相応である。
また、職業斡旋所に勤める主人公の言葉は薄っぺらく、ヒロインの行動も含め矛盾も多い。
「にゅぷっと挿入システム」が面倒なだけであったり、回想・フリーモードが実装されていない、
文字速度が遅い上に変更不可等々、システム面での問題も多数ある。
またしても「抜き」ゲーとしての核を備えていない「抜き」ゲー誕生の瞬間であった。

以上が2011年にエントリーされた主たるクソゲーの数々である。この中から次点と大賞を選び、ここに記す。

次点は『コイ★カツ』『勇者と彼女に花束を』『恋愛+H』『魔法少女と恋+』、
そして大賞は『学園迷宮エロはぷにんぐ!~イクぜ!性技のダンジョン攻略~』とする。

決め手は何と言ってもツッコミが追いつかない程無数に存在するバグやクソ仕様の多さである。
並の正統派クソゲーでは『学園迷宮』には到底太刀打ち出来ないし、
『プリンセスX』はプレイヤーの嗜好によるものが大きく、宣伝詐欺はあるにせよ「クソ」とは少し違うベクトルの持ち主である。
『学園迷宮』に搭載されているクソ要因は最早その一つ一つを「ドラ」と呼ぶのも烏滸がましいものであり、それが逆にお笑いの域にまで昇華し受賞と相なった。
連鎖爆発はあくまで(年末の魔物としては)オマケのようなものであり、やはり『学園迷宮』の火力は桁違いだった。

今年は先に述べた「527事件」を含め、スレ住民にとって予想外な出来事が続いた年であった。
年間トップクラスの売上の作品であるアリスソフトの『大帝国』『ランス・クエスト』、
信者達を一瞬で裏切ったクソゲーというよりクソメーカーなねこねこソフトの『White -blanche comme la lune-』、
更に、恐らく本来は乙女ゲー板に来るはずだったであろうブランドマーダーの『裸執事』の選評が届いた一方、
今年最大の期待株と言われていたげーせん18の『戦国姫3』やPurple Softwareの『未来ノスタルジア』は
発売されるや否や「ここに来る出来ではない」と一蹴される始末。
また、菅野ひろゆき氏が亡くなったことは前述の通りだが、ほぼ時を同じくしてRococoWorks解散の知らせもあり、
「今年の年末は魔物だけでなく死神も呼んでしまったようだ」という声もあった。

作品の中身に関して言えば、昨年と同じくまだまだ「未完成商法」が多いという面がある。
そこに「薄いシナリオ」を標準搭載させているのが今年のトレンドだったようだ。
ただ昨年覇者『色に出でにけり わが恋は』と同じくシナリオの酷さ一辺倒で勝負した『とらぶる@すぱいらる』が
次点を掠りもしなかった時点で今年のレベルの高さが伺える。
年を追う毎に豊作になっていくKOTYeではあるが、来年はシナリオの薄さ「抜き」のクソゲーが出てくることが好ましいとスレ住民は思うだろう
(勿論、エロゲー業界としては好ましくないだろうが)。

そんなKOTYe2011を、「抜き」ん出たクソさを発揮したsofthouse-sealにこの言葉を送りながら締め括ろうと思う。

「お金を貯めてクソじゃない『抜き』ゲーを出せばいい」


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最終更新:2014年08月02日 22:15