2011年 総評案3

2011総評案3 大賞:修羅恋~SeeYouLover~


クソゲーオブザイヤーinエロゲー板 27本目
338 名前: 総評3(早漏)の人 ◇PRFQr1KM0 [sage] 投稿日: 2012/02/01(水) 20:24:02.89 ID:PRFQr1KM0
↓ ↓ ↓
365 名前: 総評3(早漏)の人 ◆ok0SB9iTMs [sage] 投稿日: 2012/02/01(水) 22:34:39.43 ID:PRFQr1KM0
…想い返せば、2010年エロゲ業界は混迷の中にあった。大手の低調、場外乱闘に精を出す開発者、特出したクソゲーの不在…、
そんな中、最後までゲームというリングを降りずに光輝かんと戦い続けた無名の漢女『色に出でにけり わが恋は』のファイトは
人々から多くの賞賛を受け、見事大賞という栄光を掴み取った。昨今では珍しい、汗と泥に塗れた勝利と言えよう。

…そんな昨年と比較するならば、2011年は世代交代と新時代の幕開けを感じずにはいられない1年だったと断言できる。

一番槍を狙って現れたのは、昨年『熟処女』で一躍名を響かせたHammerheadsとは同会社別ブランドに位置するmuscadetの『令嬢の秘蜜』。
媚薬入りの紅茶を飲んで飲ませて猿のようにひたすら対象キャラとHをしていくという、申し訳程度に入れた感漂うシナリオに加え、
音声が重複して再生されるバグ、差分が一切ないため最初から射精したCGで始まるHシーンなど、どこをとっても低クオリティ甚だしい。
公式ページに至っては、本作を「令嬢の秘密」と誤明記したまま放置しパッチも出さないというヤリ捨てっぷりであり、
住民からは「抜きゲーだと思ったら、手抜きゲーだった」とバッサリ言葉責めされる有様となった。

シルエットの『コイ★カツ!』も、派手さはないが印象に残る1本である。
686MBという低容量が織り成すのは「恋愛がしたい」というヒロイン達に対し、Hに到るまで恋愛らしいシーンを一切挟まないスピーディな構成。
更にHシーンはCGでは半脱ぎなのにテキストでは全裸など、絵と文章の整合性を放棄することで水増しを図るという大胆な手抜きをやってのけている。
加えて音楽はMIDIかと思うほどにチープで、声優は素人レベルのぎこちなさと、隙のないところがどこにもないという低品質ぶりを見せ付けてくれた。
しかし安心して遊べるお手本のようなクソゲーという好意的意見もあり、2011年の数少ない清涼剤という立ち位置を手にしたのは救いと言える。
このように上半期を顧みると、品質を上げる気を最初から放棄したような作品が集中した傾向にある。その他を見ると、

フルプライスのCG集におまけでバトル要素を入れただけと評された『ろーるぷれいんぐがーる!!』、
10時間程度でコンプ可能な短さに加え作中設定の矛盾など詰めの甘さを随所に残す『シークレットゲーム CODE:Revise』あたりは、
遊ぶ「だけ」なら大きな問題はないため強烈な印象を残すには至らず、
一部のルートに入ると主人公が何の脈絡もなく別の男に変わるという主人公詐称を事前告知なしでやらかす等で、信者をリミットブレイクさせた
『White -blanche comme la lune-』は、炎上騒動こそ起きたが鎮火後は期待から外れた無難な酷さという評価に落ち着いた。

KOTYe的に平和が訪れるのは喜ばしいことだが、心の底で前年から続くクソゲー不況を吹き飛ばす逸材を求めていたのもまた事実である。
そんな平穏の日々が瓦解したのは未踏の地から現れた突然変異種・3D勢の侵攻だった。

その先駆けとなったのがTEATIMEの『修羅恋~SeeYouLover~』。
フル3Dエロゲという独自の路線を「此処ではない何処か」に突き進む生き様から一部で熱狂的ファンを抱えるTEATIME。
ひょんなことから選評が届き検証が行われたのだが、その結果…「修羅」の名に恥じない決戦兵器であることが判明した。
本作は街中で女性キャラを口説き落とすというナンパ風ADVなのだが、その過程の部分に恋愛という概念を殆ど入れていない上に、
シナリオと呼べる物すら存在しないため、プレイヤーはスタート以降ずっと仏像に話しかけるかのような虚無感に捉われ続ける。
歩き回れる街はWin95時代を思わせる程のハリボテCGで、移動できる場所も極端に狭いため箱庭の隅を突付くFPS的楽しさは皆無に等しい。
ゲームの売りの1つである主人公を取り合う「修羅場」イベントは、体力制の罵りあいバトルなのだが、小学生の口喧嘩並みにボキャブラリーが貧弱で、
1度の修羅場イベントで同じ掛け合いが何度も出てくる。果てには「ゲージを上げて物理で殴り合う」という事態に発展する。
肝心のHシーンも、興奮するどころか哀愁が漂うという領域の出来で、更にシナリオなしという仕様上感情移入の余地すらないため、
プレイヤーはじっと見ているうちにマンネリを超越して虚無の境地に至り、果てに悟りが開けるのではという錯覚に支配される。
3Dフルポリゴンという、他では中々見られない視覚的優位性と斬新さを兼ね備えながら、その特性を何も活かせていない骨太の誰得仕様は、
KOTYe住民をもってして「何だろう、これは…」と感嘆させ、その圧倒的存在を遺憾なく知らしめた。

未曾有の震災の爪跡が未だ色濃い4月、姿を現したのはPurple software delightの『Primary Step』。
『Orange Memories』から約半年、信者から見限られ始めるなどすっかり劣勢に立たされた紫だったが、やはり彼らは彼らだった。
発売直後、パッチを当てないと1人しか攻略不可という大空振りで一抹の望みを託していた信者を瞬時に失望させる予定調和を発揮。
シナリオは相変わらず地ならしをしたかのように平坦でオチも山場もなく、矛盾だらけの会話や伏線のブン投げは当たり前。
朝から昼までの時間経過を「ぐるぐるーっと短針が四周ほど」テストの点差を「二桁は軽く違った」と表現する等、国語どころか算数すら出来ていない。
総CGは61枚と前作より更に減少、絵は作画崩壊を含め軒並み劣化、NG音声の残骸放置と、正直褒める所を見出すことが困難な惨状で、
今日まで好意的に解釈できる部分を模索し続けていた紫信者が「ごらんのむらさきだよ」という慟哭を遺し白旗を挙げた姿が印象深い。

4月にはもう一本、注目を集めたのがKLEINの『勇者と彼女に花束を』。体験版の時点で音量や声が小さすぎてまるで聞こえない、
作画の崩壊、エラー落ちするなど「地雷である事を売りにしたいのか」と囁かれるほどの大器の片鱗を見せていたが、製品版では輪を掛けて酷くなっていた。
特定のルートが進行不可、BGMや音声が聞こえなくなる、見たのに登録されないCGなどガタガタなシステム面。常時崩壊気味なキャラ絵と背景。
ただつまらないだけならまだしも「それから数日後…」といった表現を多投して時間軸を強引に飛ばして各パートを繋げただけの超構成シナリオ…。
パッチもただ問題を改善するだけに止まらず、キャラの立ち絵が限りなく別人に近い同一人物に劣化したり、体験版に製品版用パッチを当てると
エピローグまでプレイ可能な簡易製品版に進化するなど他のメーカーと一味違う修正内容となっている。
一口にクソゲーといっても様々な種類があるが、『花束』は「ゲームを構成する要素全てが満遍なく酷い」という全方位死角なしの逸材であった。

5月に大きな話題を集めたのが、パッチが来なければ大賞の逸材と囁かれたコンプリーツの『まままーじゃん』。
訓練された人間なら、『エロゲ+脱衣麻雀』という邪神融合がどれ程の災厄をもたらすかは容易に予測できるが、2年以上の長期熟成を経て
遂に花開いた本作は、回想モードなし、途中セーブなし、半荘1回で脱がせられるのは最下位のキャラだけで1枚ずつのストレスフルな泥沼仕様を搭載。
テキスト誤植や音声バグといった定番の問題。点数計算の異常、単騎ツモで平和成立、親が誰であろうと切り出しは主人公からといったルール崩壊。
さらに嶺上開花を上がった瞬間ゲームが止まる『フリーズ和了』や、大明槓後に牌の数がバグり半荘終了まで手牌表示がおかしくなる『ネオ亜空カン』、
下家の捨牌が消滅する『亜空河』、誤カンして動作不能になる『カン違い』など超次元殺法も完備である。
それでも再三のパッチでセーブ可能になるなど問題点の幾つかは改善し何とか駄ゲーの評価まで持ち直したのは購入者にとって幸いといえる。

だが5月最大の地雷は奇しくも『ままま』と同じ日に発売されていたTEATIMEの隠し玉『恋愛+H』である。
本作は、「フリーズ」や「音声ミス」といった月並みな不具合が霞むほどの牙を隠し持っていた。なんとこれも「セーブ機能未搭載」なのだ。
それは起動したが最後、終了するかフリーズが起きるまで延々デスマーチが確定する戦慄仕様ADVであることを意味する。
問題点はそれだけでは済まない。70以上と謳われたHシーンの体位は無理矢理再現しただけの物理法則を無視したモーションばかりで、
しかも変更する度に性格までランダムに変化するので受けMの彼女が一転ドSに豹変するなどは日常茶飯事。
システム面は場面が移り変わるたびにロードが頻発し、PCの音声レートを調整しないと起動ができなかったりと欠陥だらけ。
操作性が悪すぎて難易度が異常なミニゲームなど、パッチが1~2つ当たっても到底直しきれない欠点を大量に内包しており、
選評者をして「恋愛ゲームに何をどうプラスしたらこんな出来になるのか」と言わしめたのは見事という他ない。
後日セーブ枠が1個だけ搭載されなんとか祭りは収束したが、『修羅恋』と合わせ、KOTYeの新時代を感じさせる迷作と支持を集める結果となった。

また、同日にはFC時代を髣髴とさせる糞バランス&バグ満載の駄RPG『変態勇者の中出し英雄記』、アーベルがこっそり別ブランドで出した
旧世代イチャラブ育成ADV『美衣菜△です!』、そのフルクオリティの全てをスカグロに集約させたクソゲーならぬ糞ゲー『STARLESS』が
発売されている。この3つは前述の『ままま』『恋愛+H』に比べればやや物足りない感は否めないが、たった1日でKOTYeエントリー級が5作も
生まれるという当たり月となり2011年の5/27はKOTYe民にとって記録に残る1日となった…。

大盛況の上半期に比べると、下半期の立ち上がりは比較的大人しかった。住民は束の間の一服を取るとともに、
『Primary Step』もパッチで簡易製品版になるといった発見をしながら猛暑の日々をそれなりに楽しく過ごしていた。
流れが変わったのは8月末…、KOTYe界の信頼と実績の安打製造機、09年の『MQ』以降5打席5クソゲーというハイアベレージをひた走る
アーべルソフトウェアの『ゾンビの同級生はプリンセス ~不死人ディテクティブ~』。
フルプライスでボイスなし、全4話中2話までしか入っておらず追加シナリオはアドオンというアーベルISMは本作でも健在。
文章中の色違い部分をクリックすることで別チャートに移行するという仕様だが、スキップするとポイントを素通りしてしまう上に
バックログからは動作を受け付けないので実質スキップ不可でこまめなセーブと慎重なクリックが必須という、
相変わらずゲーム性っぽい何かを入れようとして既読の進行すら苦行になる仕様と化している。
シナリオに関しては上述のシステムが完全に足を引っ張っているのは勿論だが、キャラ視点がめまぐるしく変わるという謎構成と相まって、
面白い面白くない以前に読み進めるのが困難過ぎて理解できないという出来。さらに追加アドオンも3話までで打ち切りという隙のなさ。
何故同じ過ちを何年も繰り返すのか…もはやアーベルだからとしか答えようがないのはやはり『別格』といえよう。

9月に注目を集めたのは名作の出涸らし『水夏弐律』…ではなく、Poison@Berryの『プリンセスX~僕の許嫁はモンスターっ娘!?~』。
ハーレムラブコメを謳いながら、実際には許婚排除の破壊活動や自分を選ばなければ世界を滅ぼすなどと脅迫するヒロイン勢など
無駄にリアルで気が休まる暇がないコメディはほんの序の口、真の問題は攻略不可のヒロインや攻略=Badエンド等の誰得シナリオと、
ドラム缶とのHシーンやウルトラマンサイズの巨大娘との体内侵入ファックなどモンスター娘以外の誰得シーンを充実させたことである。
全体のクオリティはギリギリ及第点だが、特殊嗜好者向けのゲームなのにその特殊嗜好者の期待を裏切り逆に地獄を見せるという姿勢は
スレ内でも大きな波紋を呼んだ。好意的に解釈するならば「新性癖開眼ソフト」かもしれないが、そこは先に公表しておくべきであろう。

そして迎えた年末、スレ民に強力な暴風雪が吹き荒れた。その名はsofthouse-seal。
『変態勇者』でその片鱗を見せ、2011年度には別ブランドを含めなんと20作品以上を世に送り出した猛者である。

その口火を切ったのは『学園迷宮エロはぷにんぐ! ~イクぜ!性技のダンジョン攻略~』。
ダンジョンRPGでありながら、ダンジョンに潜る前に確実にエラー落ちするという開かずの扉をパッチという名の鍵で開けることから全ては始まった。
戦闘パートは真っ暗の背景、姿や名前が同じでも別モンスター扱いの敵、行動順や経験値バーといった機能が未実装のまま残骸だけが空しく放置、
オートマッピング以前にマップ表示がなかったり、スキル説明で誤表記があるなどシステム面もガタガタである。
戦闘バランスはお金さえあれば序盤でもチート級の最強武器を手に入れられるため、あってないが如し。
キャラの立ち絵が当然変わる、そもそも何故地下に潜るのか作中で説明していない、挙句条件次第でラスボスがランダムエンカウントで現れ
例え逃げてもエンディングが見れるなど問題点の羅列だけで原稿用紙がどんどん埋まっていくほど突っ込み所が満載である。
2000円という低価格ソフトだが、この作品を高評価できる猛者が地球上にどれだけ存在するかは未知数である…。

それから僅か2週間後、第二の風が吹き荒れる。別ブランドDeVil sealから現れた『淫刻の虜姫 ~囚われた没落の姫姉妹、淫教の果てに~』。
ありがちな調教系ADVに何をトチ狂ったか化石時代のRPG要素を付与した本作。ダンジョンにはマップという概念がなく、
延々先へ進むか戻るかの2択を選び続けるだけ。装備品という概念もなければ魔法やスキルといった概念もない。
パッチを当てないと50階以降先に進めない上に、パッチを当てると別の条件で進行不能になるなど油断も隙もない。
結局プレイヤーがする事といえば、ただひたすら虚無感に耐えながらボタンをハイパーオリンピックのように連打し続けるぐらいである。
様々なジャンルに挑戦するという心意気は結構だが、欲張って作りを疎かにしては本末転倒だということは学習していただきたい。

そんなsealが本年度に残した最後の暴風は『世にも気持ちいい学園の快談~オバケになってあの娘に仕返し!~』。
ヒロイン達に殺された主人公が幽霊となり学校の怪談で仕返しをしていくという設定なのだが、簡潔に言うと、かの迷作『大奥記』の劣化である。
ほぼノーヒントで操作性最悪なただっ広いマップを延々ウロウロしながら情報やアイテムを得ていくという苦行、キャラが消えるバグ、
マップ移動には時間の概念があり、迷ったら最後目的を達成するのは極めて難しくなる等進行の不便さ。
前述の2作に比べると強烈なインパクトはないが、安定して手堅くプレイヤーを苦しめる仕様は流石というべきか…。

2011年を振り返ると、名門、古豪、新鋭、三次元と様々な所から特色溢れるゲームが跋扈するバラエティに富んだ1年となった。
そんな激動の1年に次点入賞を果たしたのは、『ゾンビの同級生はプリンセス ~不死人ディテクティブ~』、『恋愛+H』、
『学園迷宮エロはぷにんぐ! ~イクぜ!性技のダンジョン攻略~』。
そして大賞は…、『修羅恋~SeeYouLover~』とする。

本作が、この大乱戦の中にあって唯一無二に讃えられる特質…それは「酷すぎて面白い完成されたクソ」という一点に尽きる。
次点の『ゾンビ』『恋愛+H』『学園迷宮』などは、確かにクソゲーとしても一級品だが、問題点の殆どが未完成によるものであり、
開発途中のものを適当につなげて発売した感は否めず中途半端な印象を拭いきれてはいない。どのネタも一回失笑して終わるレベルだ。
対して『修羅恋』は、粗過ぎる出来や劣悪な仕様の全てが神掛かったアンバランスの上でシュールな笑いに昇華されており、
クソゲーだと理解していながら無駄に遊んでしまいそうな魔性の力を秘めている点が高く評価された。
表面的な問題だけなら本作を越えるものはあるかもしれない。しかし「クソゲーを笑いやネタに昇華して楽しむ」というコンセプトを持つ
KOTYにおいては、この作品こそ大賞の栄誉を与えるに相応しい『修羅』と言えよう。
2011年KOTYeもまた、希望が残っていないパンドラの箱の隅を突付くかのような苦難と波乱に満ちた1年だった。
言うまでもなく、本来クソゲーとはひとたび出れば多くの人々が悲しむ悪鬼である。しかし近年においてクソゲーは飽和状態が進み、
エロゲ業界もまた、一芸特化より総合力…悪く言えば器用貧乏に欠点を積み重ねるだけの駄作が中心になりつつあった感は否めない。
半端なバグゲーや未完成商法では満足できない住民達が増える一方で、クソではあるが笑いやネタに昇華する価値すらないゲームが乱立する…。
そういった背景もあり、2011年は人々の導き手となりうる作品が求められていたのは間違いない。

そんな中、出来の悪さもさることながら修正時に簡易製品版に進化するというパッチの新たな可能性を生み出した『Primary』と『花束』。
低価格帯ながらその無駄な活動力だけは高く賞賛されたsofthouse-sealの『学園迷宮』ほか作品群。
リアルより酷い3次元を構築することに成功した『修羅恋』『恋愛+H』は年間を通じても大きな功績を果たしたといえる。

日進月歩…。そんなことを感じずにはいられない1年となった。
最後に『修羅恋~SeeYouLover~』と名作『シグルイ』の言葉を借りる事で2011年クソゲーオブザイヤーinエロゲーを締めくくりたいと思う。

「愛することから全ては始まる。正気にては恋路ならず。修羅の恋とは 愛狂い也」


過去のコメントはコチラ